実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る投射型表示装置101の構成を概略的に示す図である。また、図2は、実施の形態1の回動式遮光部91の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)であり、図3(a)及び(b)は、実施の形態1の回動機構92の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)及び側面図(x軸方向に見た図)である。さらに、図4は、実施の形態1の偏光変換素子3の構成を示す部分拡大図である。なお、図において、z軸は、第1のレンズアレイ21及び第2のレンズアレイ22を有するインテグレータ光学系2の光軸AXに一致する座標軸を示し、x軸は、z軸に直交する水平方向の座標軸を示し、y軸は、x軸及びz軸の両方に直交する垂直方向の座標軸を示す。また、xy座標において光軸位置(z軸位置)は、原点(0,0)である。
図1に示されるように、実施の形態1に係る投射型表示装置101は、光源系1と、光源系1から出射された光の照度分布を均一化する第1のレンズアレイ21と、第1のレンズアレイ21を透過した光の照度分布を均一化する第2のレンズアレイ22と、偏光変換素子3と、コンデンサレンズ4と、フィールドレンズ5と、偏光板6と、光が照射され、映像信号に応じて変調された光を出力するライトバルブ7と、ライトバルブ7から出力された光をスクリーンSCに投射する投射光学系8と、第1のレンズアレイから第2のレンズアレイに向かう光の光量を調整する光量調整手段9とを有している。ここで、第1のレンズアレイ21と第2のレンズアレイ22は、光照度分布を均一化するインテグレータ光学系2を構成する。また、図1には、1色の光の光路に関する構成を示しているが、赤、緑、青の各色について構成1〜7及び9を備え、光合成素子(図示せず)によって各色の画像光を合成してから投射光学系8によってスクリーンSCに投射させるようにしてもよい。
図1に示されるように、光源系1は、光源11と、光源11の光をライトバルブ7側に反射させる反射鏡12とを主要な構成としている。光源11としては、通常、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプが用いられる。ただし、光源11として、例えば、LED、レーザ、無電極放電ランプ等のような他の種類の発光デバイスを用いることもできる。反射鏡12は、例えば、放物面鏡又は楕円面鏡である。ただし、反射鏡12の形状はこれらに限定されず、他の形状の凹面鏡を用いることもできる。光源系1の形状及び構造は、出射する光を偏光変換素子3に集光させることができる形状及び構造であれば他の形状及び構造であってもよい。例えば、光源系1からインテグレータ光学系2に入射する光を、光軸AXと略平行な光束にする場合には、反射鏡12を放物面鏡とすればよい。また、反射鏡12を楕円面鏡とし、光源系1とインテグレータ光学系2との間に凹レンズ(図示せず)を配置することによって、インテグレータ光学系2に入射する光を光軸AXに略平行な光束にすることもできる。
インテグレータ光学系2の第1のレンズアレイ21及び第2のレンズアレイ22はそれぞれ、x軸方向に長辺を持ち、y軸方向に短辺を持つ長方形の凸レンズ(レンズセル又はセルとも言う。)を、複数行複数列(マトリクス状)に配置した構成を有している。第1のレンズアレイ21の複数の凸レンズと第2のレンズアレイ22の複数の凸レンズとは、それぞれ対応しており、対応する凸レンズ同士、z軸方向に対向配置されている。第1のレンズアレイ21及び第2のレンズアレイ22としては、互いに同じ形状のものを用いることができる。
偏光変換素子3は、自身に入射した光束を1種類の直線偏光光に変換して出射する素子である。図4に示されるように、偏光変換素子3は、x軸方向に適宜間隔をあけて、且つ、z軸に対して傾斜(例えば、45度傾斜)するように配置された複数の偏光分離膜31と、隣接する偏光分離膜31の間においてz軸に対して傾斜(例えば、45度傾斜)するように配置された反射膜32と、各偏光分離膜31のライトバルブ7側(図4における右側)に配置されたλ/2位相差板33とを主要な構成としている。偏光変換素子3に入射した光(例えば、p偏光光とs偏光光とを含む光(p+s))は、偏光分離膜31によってs偏光光とp偏光光に分離される。そして、偏光分離膜31によって分離されたp偏光光は、偏光分離膜31を通過してλ/2位相差板33に入射し、λ/2位相差板33によってs偏光光に偏光変換されて出力される。偏光分離膜31によって分離されたs偏光光は、反射膜32で反射して出力される。このように、偏光変換素子3に入射した光(p+s)のほとんどは、s偏光光に変換されて出力される。
ライトバルブ7は、例えば、透過型液晶ライトバルブである。ただし、ライトバルブ7の種類は透過型液晶ライトバルブに限定されず、例えば、反射型液晶ライトバルブのような他の種類のライトバルブであってもよい。
光量調整手段9は、第1のレンズアレイ21から第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光する1対の遮光体91L,91Rと、遮光体91L,91Rのそれぞれをz軸に直交するxy平面上で回動可能に支持する1対の回動軸91LA,91RAと、遮光体91L,91Rを回動させる回動機構92と、回動機構92の動作を制御する回動制御部93と、ライトバルブ7に入力される映像信号を検知し、その検知結果から相対光量比を算出する信号検知部94とを有している。1対の遮光体91L,91Rと、1対の回動軸91LA,91RAとは、回動式遮光部91を構成している。回動制御部93は、信号検知部94により算出された映像信号の輝度の相対値に基づき回動式遮光部91を回動制御する。具体的には、回動制御部93は、映像信号の輝度の相対値が低いほど遮光体91L,91Rによる遮光量を増加(ライトバルブ7を照射する光の光量を低下させるように)、算出された映像信号の輝度の相対値が高いほど遮光体91L,91Rによる遮光量を減少(ライトバルブ7を照射する光の光量を増加させるように)、回動機構92の動作を制御する。
図2には、遮光体91L,91R、回動軸91LA,91RA、及び第2のレンズアレイ22をz軸方向に見た場合が示されている。図2に示されるように、対を成す遮光体91L,91Rは、xy座標上で光軸AX、すなわち、原点(0,0)を中心として対称な位置に配置されている。また、図2に示されるように、対を成す回動軸91LA,91RAは、xy座標上で光軸AX、すなわち、原点(0,0)を中心として対称な位置に配置されている。さらに、遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAは、遮光体91L,91Rによる遮光量を増加させる方向の回動時(図2において、遮光体91Lについては時計方向が、遮光体91Rについても時計方向が遮光量を増加させる方向である。)に、回動によって遮光体91L,91Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体91L,91Rの遮光開始位置(図2において、実線で示される遮光体91L,91Rの位置であって「最小完全開口時の位置」とも言う。)から遮光体91L,91Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体91L,91Rの最大遮光位置(図2において、2点鎖線で示される遮光体91L,91Rの位置であって「最大遮光時の位置」とも言う。)までの回動範囲が90度になるように、配置されている。
xy座標上において、遮光体91Lの回動軸91LAは、x軸の正の領域(図2において光軸AXより左側)に配置され、遮光体91Rの回動軸91RAは、x軸の負の領域(図2において光軸AXより右側)に配置されている。図2に示されるように、遮光体91Lは回動軸91LAを中心としてxy平面上を矢印DL方向に回動可能に設置されている。また、遮光体91Rは回動軸91RAを中心としてxy平面上を矢印DR方向に回動可能に設置されている。回動式遮光部91は、図2に示されるように、回動制御部93からの制御信号に応じて回動機構92によって光路の両側から光軸AX側に向けて回動し(すなわち、光路内に突出し)又は光路から退避するように回動駆動され、光路上への突出量に応じて光(ライトバルブ7に照射される光)の光量を調整する。各遮光体91L,91Rは、遮光体91L,91Rによる遮光量を増加させる回動方向先頭の辺91LB,91RBが直線形状を有している。
図3(a)及び(b)に示されるように、回動機構92は、遮光体91Lを回動させる機構であり、モータ95と、モータ95のシャフトに取り付けられた歯車95aと、歯車95aに噛合する歯車96と、歯車96に同軸的に固定された歯車96aと、歯車96aに噛合し、回動軸91LAに固定された歯車97とを有している。遮光体91Rを回動させる機構も、同様の構造を有する。モータ95を駆動して歯車95aを実線方向(図3(a)において時計方向)に回転させると、歯車96,96aも実線方向(図3(a)において反時計方向)に回転し、歯車97、回動軸91LA及び遮光体91Lは実線方向(図3(a)において時計方向)に回動する。また、モータ95を駆動して歯車95aを破線方向(図3(a)において反時計方向)に回転させると、歯車96,96aも破線方向(図3(a)において時計方向)に回転し、歯車97、回動軸91LA及び遮光体91Lは破線方向(図3(a)において反時計方向)に回動する。なお、回動機構91の構成は、図示の例に限定されず、他の構造のものを採用してもよい。
光量調整手段9は、コントラスト向上のために、映像信号の輝度が高い映像を表示する場合には、第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光せず、映像信号の輝度が低い映像を表示する場合には、第2のレンズアレイ22に向かう光を映像信号の輝度の低さに応じた量だけ遮光する。具体的な例としては、映像信号の輝度の相対値が100%である明るい映像信号の場合には、光量調整手段9は第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光せず(すなわち、0%遮光し)、ライトバルブ7に照射される光の相対光量比を100%とする。また、映像信号の輝度の相対値が20%である映像信号の場合には、光量調整手段9は第2のレンズアレイ22に向かう光を80%遮光して、ライトバルブ7に照射される相対光量比を20%とする。このように、相対光量比を調整することによって、表示映像の輝度を約5倍の細かさで調整することが可能になる。また、輝度の相対値が0%である映像信号の場合には、光量調整手段9は第2のレンズアレイ22に向かう光を100%遮光して、ライトバルブ7に照射される相対光量比を0%とすることができる。このように動作することによって、輝度の相対値が0%である暗い映像信号の場合には、光量調整手段9は第2のレンズアレイ22に向かう光を100%遮光して、十分に暗い映像を表示することができる。このように制御することによって、コントラストの向上を図ることができる。このことは、ライトバルブ7の光透過率は、概ね一定であるため、ライトバルブ7を照射する光量を低くすることにより、映像を暗くすることが可能となることを意味する。なお、映像信号の輝度の相対値と、ライトバルブ7に照射される光の相対光量比との関係は、上記関係に限定されず、映像信号の輝度の相対値が高いほど相対光量比を大きくするようにした他の関係を持たせるようにしてもよい。
図5(a)及び(b)は、比較例C1の投射型表示装置の回動式遮光部の構成を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)と側面図(x軸方向に見た図)である。図5(a)には、遮光体191T,191B、回動軸191TA,191BA、及び第2のレンズアレイ22をz軸方向に見た場合が示されている。図5(b)には、遮光体191T,191B、及び回動軸191TA,191BAをx軸方向に見た場合が示されている。比較例C1の投射型表示装置は、回動式遮光部の構成のみが図1に示される実施の形態1に係る投射型表示装置101と相違する。比較例C1の回動式遮光部は、x軸方向の回動軸191TA,191BAと、回動軸191TA,191BAのそれぞれに支持された長方形の遮光体191T,191Bとを有している。図5(b)に示されるように、遮光体191T,191Bを回動軸191TA,191BAを中心にして回動させる。遮光体191T,191Bの先端の辺191TB,191BBは直線である。図5(b)には、遮光体191T,191Bが回動軸191TA,191BAを中心として回動するときの移動の様子を、回動角度で15度間隔(位置P0〜P6)で示している。
図6は、図2の実施の形態1(曲線E1)、及び図5の比較例(曲線C1´)の場合の回動角度に対する相対光量比の変化のシミュレーション結果を示す図である。図6には、回動角度を2度ずつ変化させた場合のシミュレーション結果を示している。図6において、縦軸は、ライトバルブ7に照射される光の相対光量比(%)を示す。また、図6において、横軸は、図2の実施の形態1(E1)の場合における遮光体91L,91R及び図5の比較例C1の場合における遮光体191T,191Bの回動角度を示す。回動角度は、遮光体が完全に閉じられた位置(遮光量が最大となる位置)において0度であり、回動角度が大きくなるほど遮光量が少なくなる。ただし、比較例を示す曲線C1´については、曲線の連続性を評価しやすくするために、シミュレーション結果(後述する図7に示される曲線C1)を図6の左方向にシフトさせて描いている。図6の比較例の曲線C1´(破線)には、平坦部が4箇所存在し、遮光体の回転に応じて直線的に相対光量比が変化しない領域、すなわち、遮光体が回転しても相対光量比が変化しない平坦部が存在して、相対光量比が連続的に変化しない。しかし、実施の形態1(E1)の曲線(実線)には平坦部は存在せず、遮光体の回転に応じて連続的に相対光量比が変化する。したがって、実施の形態1の遮光体91L,91Rにおいては、遮光体91L,91Rによる遮光量を増加させる方向の回動時に遮光体91L,91Rの回動方向先頭になる辺を、階段状ではなく、直線形状にしても連続的に相対光量比を調整することが可能である。
図7は、図5の比較例の場合の回動角度に対する相対光量比の変化のシミュレーション結果を示す図である。図7は、図6の比較例の曲線C1´をシフトする前の曲線C1である。図7における縦軸は、ライトバルブ7上に照射される光の相対光量比(%)を示し、横軸は、図5の比較例の場合における遮光体191T,191Bの回動角度を示す。回動角度は、遮光体が完全に閉じられた位置(遮光量が最大となる位置)において0度であり、回動角度が大きくなるほど遮光量が少なくなる。図5の比較例の場合には、遮光体が回転しても相対光量比が変化しない平坦部C1a,C1b,C1c,C1dが4箇所存在しており、平坦部C1a,C1b,C1c,C1dにおいて連続的に相対光量比を調整できない。
図8は、第2のレンズアレイ22近傍の第2光源像の一例を、256階調のグレースケールで表した図である。図8において、黒色に近い略円形状又は略楕円形状の複数の領域LSのそれぞれは、光源系1からの光が通過する光源像(光が集光する明るい領域)を示している。また、図8の光源像LSの外側において、多数の光源像LSの間に存在する白色の隙間領域DAは、光源系1からの光がほとんど通過しない領域(光が通過しない暗い領域)を示している。ただし、図8の光源像LSの内側において、輝度は256階調のグレースケールで示されており、図8の光源像LSの外側とは逆に、白色に近い領域は光源系1からの光の光量の多い高輝度領域であり、黒色が濃い領域は光源系1からの光の光量が少ない低輝度領域である。図8において、領域201,202,203,204は、y軸の正の領域(図8において光軸AXより上側)の光源像の間の領域を示しており、これら領域201,202,203,204は、暗い部分である。図7の比較例の曲線C1に表れる4箇所の平坦部C1a,C1b,C1c,C1dは、図8におけるy軸の正の領域の光源像の間の領域204,203,202,201である4箇所の暗部の影響であると考えることができる。図7の比較例の平坦部C1a,C1b,C1c,C1dは、図8における光源像の間の領域204,203,202,201にそれぞれ対応している。図8に示されるように、光源像の間の領域201,202,203,204は、x軸方向に平行な方向に広がる領域であるので、図5の比較例のように遮光体191T,191Bの先端形状をx軸に平行な直線とし、且つ、遮光体191T,191Bの先端をx軸に平行な姿勢のまま回動動作を行う場合には、図7に示されるように、相対光量比の変化を示す曲線に平坦部が表れてしまう。これに対し、図2に示される実施の形態1の場合には、遮光体91L,91Rの回動方向先頭の辺91LB,91RBを直線にしても、遮光体91L,91Rの回動方向先頭の辺91LB,91RBをx軸に対して傾斜させてxy平面内で開閉動作が行われるので、図8に示される明部(図8の光源像LSの内側においては白色に近い領域)と暗部(図8の光源像LSの内側においては黒色に近い領域、及び、図8の光源像LSの外側においては白色の部分)を同時に遮光することにより、連続的に光量を減少させることが可能になる。言い換えれば、x軸又はy軸に平行に遮光体を移動させる場合には、従来技術のように遮光体の先端形状を階段状にするなどの工夫をしなければ、相対光量比を連続的に変化させることはできないが、実施の形態1の投射型表示装置101の場合には、遮光体91L,91Rの回動方向先頭の辺91LB,91RBが直線形状であっても、相対光量比を連続的に変化させることができる。なお、図8からわかるように、光源像の間の暗い領域は、y軸に平行な方向(図8における縦方向)の領域としても存在しているので、1対の遮光体を第2のレンズアレイ22のy軸方向プラス側とマイナス側に設ける場合(後述する実施の形態3)にも、相対光量比を連続的に変化させることができる。
図9は、第2のレンズアレイ22の各セル(各凸レンズ)を通過する光の光量をシミュレーションにより算出し、その結果を各セルごとに数値で示した図である。ただし、第2のレンズアレイ22は、x軸を基準にして対称(図9において上下対称)であり、y軸を基準にして対称(図9において左右対称)であるので、光軸AXを原点とするxy座標系の第1象限のみについてシミュレーション結果を示す。シミュレーション結果は、第1象限全体を100%に正規化して示している。ここで、セルを区別するために、例えば、{+H1,+V2}のような記載を用いる。例えば、{+H1,+V1}は、y軸方向の位置がH1であり、x軸方向の位置がV1であるセルを意味する。また、例えば、{−H1,−V1}は、y軸方向の位置が−H1であり、x軸方向の位置が−V1であるセルを意味する。図9から、{±H1,±V2}、{±H2,±V1}、{±H2,±V2}、{±H3,±V1}のセルから出射される光の光量が多いことが確認できる。図8及び図9からわかるように、{±H1,±V2}、{±H2,±V1}、{±H2,±V2}、{±H3,±V1}のセルから出力される光の光量は大きく、明るい部分(図8の光源像LSの内側においては白色に近い領域)と暗い部分(図8の光源像LSの内側においては黒色に近い領域、及び、図8の光源像LSの外側においては白色の部分であり、例えば、領域204,203)の光量差が特に大きい領域であると考えられる。したがって、光量差が特に大きい領域を遮光体の先端直線部分が通過するときには、極力、x軸に対して(又は図8の領域204,203などに対して)傾斜した姿勢で通過することが、望ましい。このため、例えば、図9において、各遮光体91L,91R(2点鎖線で示す)及び回動軸の位置を91L2A及び91R2Aにずらすことによって、遮光体91Lにおいて、相対光量比が大きいセル{±H1,±V2}、{±H2,±V1}、{±H2,±V2}、{±H3,±V1}を、遮光体の先端直線部分を傾斜させた姿勢で通過させることができるので、より連続的な光量調整が可能であると考えられる。なお、2点鎖線で示される遮光体位置については、実施の形態2において説明する。
図9より、各遮光体91L,91Rのサイズを同一とした場合、遮光体の短辺の長さdhは式1の要件を満たすことが望ましく、長辺の長さdvは式2の要件を満たすことが望ましい。ここで、各セルのy軸方向長さをH1、H2、H3、H4、H5、x軸方向長さをV1、V2、V3とする。
dh≧H1+H2+H3+H4+H5 式1
dv≧{(H1+H2+H3+H4+H5)2
+(2×(V1+V2+V3))2}0.5 式2
図10は、ライトバルブ7の中心から逆光線追跡を行ったときの光の軌跡の概略を示す図である。L1は、光の軌跡を示している。領域L2は光L1が集光する位置を示している。図10から、第1のレンズアレイ21近傍の像がライトバルブ7に結像することが確認できる。すなわち、ライトバルブ7と第1のレンズアレイ21の入射面近傍は共役関係にある。したがって、第2のレンズアレイ22の焦点位置近傍に各遮光体の先端が位置する場合(図5の比較例の場合)、各遮光体191T,191Bの先端がライトバルブ7に結像し、ライトバルブ7のy軸方向の中心近傍にx軸方向に延びるライン上の照度むらが観察される。したがって、本発明のように、遮光体91L,91Rをxy平面上で回動させ、且つ、第2のレンズアレイ22付近に配置することにより上記の問題を生じさせないことができる。
図12は、図5の比較例の場合において、各遮光体191T,191Bの先端の結像が確認されやすい条件である各遮光体191T,191Bの先端が第2のレンズアレイ22の2行目のレンズセル曲率中心位置と同じ高さ(y座標位置)の場合の遮光体191T,191Bによる遮光時の図である。また、図13は、図12の場合のライトバルブ7上の照度分布のシミュレーション結果を示す図である。また、図14は図12の拡大図である。ここで、192及び193は、第2のレンズアレイ22のx軸から2番目のレンズセルの曲率中心位置を通るz軸方向の直線を示している。また、各遮光体191T,191Bの先端の位置は、第1のレンズアレイ21の近傍である。
図13に示されるように、ライトバルブ7上にx軸方向のライン上の暗部194が生じていることが確認できる。各遮光体191T,191Bの先端が直線である場合、例えば、先端の矩形部の幅d8が0.5mm程度の幅であれば、第1のレンズアレイの2行目のセルのy軸方向サイズが2.5mm程度の場合、先端の矩形部のy軸方向部分dyが、ライトバルブ7上に結像することにより、図13のように、ライトバルブ7上にx軸方向のライン状の暗部194が生じる。
また、図5において、比較例と逆の方向に揺動した場合、つまり各遮光体111T、111Bが、光軸方向に直交する軸を中心に遮光部の先端を第2のレンズアレイ22に近づける方向に揺動した場合には、図11に示すように、各遮光体111T(下側の遮光体は図示していない)の回動時に各遮光体111Tで反射した光101a(破線)が第2のレンズアレイ22に入射し、筐体10a1にて多重反射し、不要光がスクリーンSC上に照射される可能性がある。なお、遮光体111Tに対向する遮光体は図示しておらず、投射光学系8内には2枚のレンズのみを示しており、光合成素子は図示していない。実際に、ライトバルブ7に入射しない光に関しても投射光学系8に入射すると、不要光としてスクリーンSC上に照射される。以上より、遮光体の回動方向は、xy平面と平行であることが好ましい。
以上に説明したように、実施の形態1に係る投射型表示装置101によれば、光軸AXに直交するxy平面内で遮光体91L,91Rが回動する機構を採用しているので、遮光体91L,91Rの回動機構92を簡素化することができる。また、遮光体91L,91Rの先端形状91LB,91RBを第2のレンズアレイ22の各凸レンズの形状に対応した形状にする必要がなく、直線にすることができるので、光量調整手段9の遮光体の構造を簡素化でき、また、他の形状のレンズアレイにも適用可能であるので、他の装置との間で共用化が容易な光量調整手段9を実現できる。
また、実施の形態1に係る投射型表示装置によれば、xy平面内で遮光体91L,91Rが回動する機構を採用し、且つ、回動によって遮光体91L,91Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する最大遮光位置までの回動範囲を90度になるようにしたので、遮光体91L,91Rの回動角度に対するライトバルブ7照射光量の変化の直線性を高めることができる。このため、光量調整手段9によるライトバルブ7照射光量の調整を連続的に行うことができ、コントラスト感の十分な映像を表示し続けることができる。
なお、遮光体91L,91Rは長方形以外の形状であってもよく、例えば、平行四辺形、台形、ひし形とすることもできる。
図15は、実施の形態1の変形例の回動式遮光部の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。図15に示される遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAは、第2のレンズアレイ22上においてx軸が第2のレンズアレイのy軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりも外側のx軸上の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91LA,91RAにそれぞれ重なるように、且つ、回動によって遮光体91L,91Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイに向かう光を最も多く遮光する最大遮光位置までの回動範囲回動範囲が90度より小さくなるように配置された点が、図2に示される例と相違する。また、この場合には、図15に示されるように、回動軸91LA,91RAが外側に移動しているので、遮光体91L,91Rの長辺の長さを、回動軸91LA,91RAが外側に移動した距離と同じ長さだけ長くする。図15の場合には、図2に示すように、回動軸91LA,91RAが第2のレンズアレイ22に重ならない利点がある。他の点については、図15の例は、図2の例と同様である。
実施の形態2.
図16は、本発明の実施の形態2に係る投射型表示装置の回動式遮光部の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。実施の形態2に係る投射型表示装置は、図2に示される回動式遮光部91に代えて、図16に示される回動式遮光部123を採用した点が、実施の形態1に係る投射型表示装置101と相違する。したがって、実施の形態2の説明においては、図1をも参照する。
図16には、遮光体91L2,91R2、回動軸91L2A,91R2A、及び第2のレンズアレイ22をz軸方向に見た場合が示されている。図16の遮光体91L2,91R2は、図9において2点鎖線で示された遮光体に相当する。図16に示されるように、対を成す遮光体91L2,91R2は、xy座標上で光軸AX、すなわち、原点(0,0)を中心として対称の位置に配置されている。また、図16に示されるように、対を成す回動軸91L2A,91R2Aは、xy座標上で原点(0,0)を中心として対称の位置に配置されている。さらに、遮光体91L2,91R2及び回動軸91L2A,91R2Aは、遮光体91L2,91R2による遮光量を増加させる方向の回動時(図2において、遮光体91L2については時計方向が、遮光体91R2についても時計方向が遮光量を増加させる方向である。)に、回動によって遮光体91L2,91R2が第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体91L2,91R2の遮光開始位置(図2において、実線で示される遮光体91L2,91R2の位置)から遮光体91L2,91R2が第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体91L2,91R2の最大遮光位置(図2において、2点鎖線で示される遮光体91L2,91R2の位置)までの回動範囲が90度より小さくになるように、配置されている。
図17は、図2に示される実施の形態1(曲線E1)の場合と図16に示される実施の形態2(曲線E2)の場合の回動角度(°)に対する相対光量比の変化のシミュレーション結果を示す図である。ここで、回動角度を2度ごとに変化させてシミュレーションを行った。図17において、縦軸は、ライトバルブ7上に照射される光の相対光量比(%)を示す。図17において、横軸は、遮光体の回動角度を示す。実線で示される曲線E2は、図16の実施の形態2の場合、破線で示される曲線E1は、図2の実施の形態1の場合であり、曲線E1及びE2は共に連続的(平坦部がなく)に変化していることがわかる。曲線E1は曲線E2に比べ僅かに立ち下がりが早い(図17において回動角度が90°より小さくなると相対光量比が減少し始める)ことから、各遮光体の回動軸の位置をy軸に平行に移動させることにより、光量調整範囲を狭くし、応答性のよい光量調整が可能となる。したがって、各遮光体91L2,91R2の回動方向先頭の辺91L2B,91R2Bが平坦形状である場合、回動軸91L2A,91R2Aの位置は、図16に示されるように、y軸方向に移動した位置であってもよい。
図18は、他の例の投射型表示装置の回動式遮光部の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。図18には、各遮光体131L,131Rの回動軸131LA,131RAの位置を図16における移動方向とは逆の方向(y軸に平行な方向)に移動させた例を示す。また、図19は、図18の例の投射型表示装置の遮光体の回動角度とライトバルブ上の相対光量比との関係のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、回動角度を2度ごと変化させてシミュレーションを行った結果を示す。図19において縦軸は、ライトバルブ7上に照射される光の相対光量比(%)を示す。図19において横軸は、図2及び図18の場合における回動式遮光部の回動角度(°)を示す。実線で示される曲線E1は、図2の実施の形態1の場合、破線で示される例の曲線C2は、図18の場合を示している。図19からわかるように、例の曲線C2は、相対光量比が約25%以上においては連続性を示すが、領域112の平坦部において連続性が損なわれていることが確認できる。したがって、最大遮光時(図18における2点鎖線位置)と最小完全開口時(図18における実線位置)の角度が鈍角となる場合、各遮光体の回動軸の位置は、図18に示される方向に移動していない方が好ましい。なお、「最小完全開口時」は、遮光体による遮光量を増加させる方向の回動時に、回動によって遮光体が第2のレンズアレイに向かう光を遮光し始める遮光体の遮光開始位置に対応し、「最大遮光時」は、遮光体が第2のレンズアレイに向かう光を最も多く遮光する遮光体の最大遮光位置に対応する。
図19に示される例の曲線C2の平坦部112は、遮光体131L,131Rを閉じる回動途中で、遮光体131L,131Rの回動方向先頭の辺(直線)131LB,131RBが第2のレンズアレイの隣接するレンズセル(凸レンズ)のx軸方向に延びる境界面(接合面)に重なるときに、すなわち、遮光体131L,131Rの回動方向先頭の辺(直線)131LB,131RBがx軸方向に延びるレンズセル間の暗部のみを遮光したときに顕著に表れる。レンズセル間の暗部のみを遮光している回動範囲においては、ライトバルブ7の照射光量は変化しないからである。したがって、回動の途中段階で、各遮光体131L,131Rの回動方向先頭の辺131LB,131RBが隣接するレンズセルのx軸方向(又はy軸方向)の接合面とz軸方向に重ならないことが好ましい。したがって、各遮光体131L,131Rは、最大遮光時と最小完全開口時の角度が鈍角とならないようにすること、すなわち、90度以下にすることが好ましい。
図20は、特に遮光量を増加させる回動時に遮光体の回動方向先頭となる辺がx軸と平行となる場合において、遮光体91L2,91R2の回動軸91L2A,91R2Aをy軸方向にずらした位置に配置する場合における、好ましくない回動軸位置を示す正面図(z軸方向に見た図)である。図20において、黒丸位置に各遮光体91L2,91R2の回動軸91L2A,91R2Aを配置した場合、図8に示すx軸上の暗部の位置がy軸方向に隣接するセル(凸レンズ)の接合面になるため、図19の平坦部112が、遮光途中で生じることとなる。したがって、図20の黒丸位置又はその近傍に各遮光体91L2,91R2の回動軸91L2A,91R2Aを配置することは好ましくない。また、図20の黒丸位置を通るx軸方向の直線上に各遮光体の回動軸を配置することも同様の理由で好ましくない。
以上に説明したように、実施の形態2に係る投射型表示装置によれば、光軸AXに直交するxy平面上で遮光体91L2,91R2が回動する機構を採用しているので、遮光体91L2,91R2の回動機構92を簡素化することができる。また、遮光体91L2,91R2の回動方向先頭の辺91L2B,91R2Bを第2のレンズアレイ22の各凸レンズの形状に対応した形状にする必要がなく、直線にすることができるので、光量調整手段9の遮光体の構造を簡素化でき、また、他の形状のレンズアレイにも適用可能であるので、共用化が容易な光量調整手段9を実現できる。
また、実施の形態2に係る投射型表示装置によれば、光軸AXに直交するxy座標上で遮光体91L2,91R2が回動する機構を採用し、且つ、回動によって遮光体91L2,91R2が第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイに向かう光を最も多く遮光する最大遮光位置までの回動範囲を90度より小さくするようにしたので、遮光体91L2,91R2の回動角度に対するライトバルブ7照射光量の変化の連続性を高めることができる。このため、光量調整手段9によるライトバルブ7照射光量の調整を連続的に行うことができ、コントラスト感の十分な映像を表示し続けることができる。
図21は、実施の形態2の変形例の回動式遮光部の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。図21に示される遮光体91L2,91R2及び回動軸91L2A,91R2Aは、第2のレンズアレイ22上においてx軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイのy軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりもx軸方向外側の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91L2A,91R2Aにそれぞれ重なるように、且つ、回動によって遮光体91L2,91R2が第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイに向かう光を最も多く遮光する最大遮光位置までの回動範囲回動範囲が90度より小さくなるように配置された点が、図2に示される例と相違する。また、この場合には、図21に示されるように、回動軸91L2A,91R2Aが外側に移動しているので、遮光体91L2,91R2の長辺の長さを、回動軸91L2A,91R2Aが外側に移動した距離と同じ長さだけ長くする。図21の場合には、回動軸91L2A,91R2Aが第2のレンズアレイ22に重ならない利点がある。他の点については、図21の例は、図16の例と同様である。
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
実施の形態3.
図22は、本発明の実施の形態3に係る投射型表示装置の回動式遮光部125の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。実施の形態3に係る投射型表示装置は、図2に示される回動式遮光部91に代えて、図22に示される回動式遮光部125を採用した点が、実施の形態1に係る投射型表示装置101と相違する。したがって、実施の形態の3の説明においては、図1をも参照する。
実施の形態3の光量調整手段9は、第1のレンズアレイ21から第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光する1対の遮光体91T,91Bと、遮光体91T,91Bのそれぞれをz軸に直交するxy平面上で回動可能に支持する1対の回動軸91TA,91BAと、遮光体91T,91Bを回動させる回動機構92と、回動機構92の動作を制御する回動制御部93と、ライトバルブ7に入力される映像信号を検知し、その検知結果から相対光量比(ライトバルブ7に照射される光量の相対光量比)を算出する信号検知部94とを有している。1対の遮光体91T,91Bと、1対の回動軸91TA,91BAとは、回動式遮光部125を構成している。回動制御部93は、信号検知部94により算出された相対光量比に基づき遮光体91T,91Bを回動制御する。
図22に示されるように、対を成す遮光体91T,91Bは、xy座標上で光軸AX、すなわち、原点(0、0)を中心として点対称の位置に配置されている。また、図22に示されるように、対を成す回動軸91TA,91BAは、xy座標上で原点(0、0)を中心として点対称の位置に配置されている。さらに、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAは、遮光体91T,91Bによる遮光量を増加させる方向の回動時(図22において、遮光体91Tについては時計方向が、遮光体91Bについても時計方向が遮光量を増加させる方向である。)に、回動によって遮光体91T,91Bが第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体91T,91Bの遮光開始位置(図2において、実線で示される遮光体91T,91Bの位置)から遮光体91T,91Bが第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体91T,91Bの最大遮光位置(図2において、2点鎖線で示される遮光体91T,91Bの位置)までの回動範囲が90度になるように配置されている。
光軸AXをxy座標系の原点(0,0)として説明すると、xy座標上において、遮光体91Tの回動軸91TAは、y軸の正の領域(図22において光軸AXより上側)に配置され、遮光体91Bの回動軸91BAは、y軸の負の領域(図22において光軸AXより下側)に配置されている。図22に示されるように、遮光体91Tは回動軸91TAを中心としてxy平面上を矢印DT方向に回動可能に設置されている。また、遮光体91Bは回動軸91BAを中心としてxy平面上を矢印DB方向に回動可能に設置されている。回動式遮光部125は、回動制御部93からの制御信号に応じて回動機構92によって光路の両側から光軸AX側に向けて突出し又は光路から退避するように回動駆動され、光路上への突出量に応じてライトバルブ7に照射される光の光量を調整する。各遮光体91T,91Bは、遮光体による遮光量を増加させる回動方向先頭の辺91TB,91BBが直線形状を有している。
また、図22に示すように、y軸方向に各遮光体91T,91Bを有した場合、各遮光体91T,91Bの短辺の長さをdh2、長辺の長さをdv2とすると、以下の式3、式4を満足することが好ましい。
dh2≧V1+V2+V3 式3
dv2≧{(2×(H1+H2+H3+H4+H5))2
+(V1+V2+V3)2}0.5 式4
図23は、特に遮光量を増加させる回動時に遮光体の回動方向先頭となる辺がy軸と平行となる場合において、遮光体91T2,91B2の回動軸91TA,91BAをx軸方向にずらした位置に配置する場合における、好ましくない回動軸位置を示す上面図(マイナスy軸方向に見た図)である。図24は、図23の偏光変換素子3の一部を示す概略斜視図である。図23より、太い実線で示した位置(光透過領域)に、p偏光光とs偏光光(p+s)が入射し、それ以外の光不透過領域には入射しない。また、偏光変換素子3に入射しない光の領域(図24にクロスハッチングで示す光不透過領域に対応)の一例を図23及び図25の点線領域X1,X2,X3,X4,X5,X6にて示す。点線領域X1,X2,X3,X4,X5,X6は、概ね第2のレンズアレイ22のx軸方向に隣接するレンズセル(凸レンズ)間の接合部の位置となる。したがって、各遮光体91T2,91B2の回動軸TA,91BA位置を第2のレンズアレイ22のx軸方向に隣接するレンズセル(凸レンズ)間の接合部の位置に配置しないことが好ましい。特に、偏光変換素子3に入射しない領域のy軸方向位置(図23の斜線領域)には、回動軸91TA,91BAを配置しないことが好ましく、その中心位置であるY1,Y2,Y3の軸上には回動軸91TA,91BAを配置しないことが特に好ましい。なお、光不透過領域は、無効直線偏光光が出射される領域、すなわち、入射すると全ての光が、s偏光光(有効直線偏光光)ではなくp偏光光(無効直線偏光光)となる領域である。したがって、通常、第2レンズアレイ22と偏光変換素子3との間に遮光板(図示せず)を配置することにより形成された無効領域を光不透過領域としている。すなわち、光不透過領域は、仮に、光が入射した場合には、無効直線偏光光が出射される領域である。光不透過領域に、仮に、光が入射した場合には、入射したp偏光光は、変換されることなくp偏光光(無効直線偏光光)として射出され、光不透過領域に入射したs偏光光は、反射膜で反射され、λ/2位相差板33によりp偏光光(無効直線偏光光)に変換されて射出される。
以上に説明したように、実施の形態3に係る投射型表示装置によれば、上記実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3においては、図15(実施の形態1の変形例)の場合と同様に、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAは、第2のレンズアレイ22上においてy軸が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりも外側のy軸上の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸にそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置してもよい。この場合には、図15の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3においては、図16(実施の形態2)の場合と同様に、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAを、第2のレンズアレイ22上においてy軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91TA,91BAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置し、y軸に対する傾斜した直線の成す角度は、y軸に対する、光軸と第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。この場合には、図16の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態3においては、図21(実施の形態2の変形例)の場合と同様に、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAを、第2のレンズアレイ22上においてy軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりもy軸方向外側の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91TA,91BAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置され、y軸に対する傾斜した直線の成す角度は、y軸に対する、光軸AXと第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。この場合には、図21の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態3において、上記以外の点は、上記実施の形態1又は2の場合と同じである。
実施の形態4.
図26は、本発明の実施の形態4に係る投射型表示装置の回動式遮光部126の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。実施の形態4に係る投射型表示装置は、図2に示される回動式遮光部91に代えて、図26に示される回動式遮光部126を採用した点が、実施の形態1に係る投射型表示装置101と相違する。したがって、実施の形態4の説明においては、図1をも参照する。なお、図26において、図2及び図22に対応する構成には、同じ符号を付している。
図26に示されるように、実施の形態4に係る投射型表示装置の回動式遮光部126は、2対の遮光体91L,91R及び91T,91Bと、2対の回動軸91LA,91RA及び91TA,91BAとを有している。遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAは、第2のレンズアレイ22上においてx軸が第2のレンズアレイ22のy軸方向の周縁と交差する2つの交差点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91LA,91RAにそれぞれ重なるように配置され、且つ、遮光体91L,91Rの回動範囲が90度となるように配置されている。また、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAは、第2のレンズアレイ22上においてy軸が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、回動軸91TA,91BAにそれぞれ重なるように、且つ、1対の遮光体91T,91Bの回動範囲が90度となるように配置されている。
図26に示されるように、4つの遮光体91L,91R,91T,91Bを備えることによって、図2の場合と比較して遮光体の回動角度に対する相対光量比の変化が大きくなり、応答性が向上する。
図27は図2及び図26の場合の回動角度に対する相対光量比の変化のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、回動角度を2度ごと変化させてシミュレーションを行った結果を示す。図27において、縦軸は、ライトバルブ7上に照射される光の相対光量比を示す。また、図27において、横軸は、図2及び図26の場合における遮光体の回動角度を示す。曲線E4は図26(実施の形態4)の場合、曲線E1は図2(実施の形態1)の場合を示す。実施の形態4の特性は、回動角度の変化に伴い相対光量比が変化しない平坦部を有しておらず、良好な連続性を持っている。また、実施の形態4の特性(曲線E4)は、相対光量比が80%〜100%まで変化する場合の回動角度が、曲線E1の場合よりも小さく、曲線E4は、80%〜100%の高階調における応答性が向上していることがわかる。したがって、図26のように4つの遮光体91L,91R,91T,91Bを有することにより、光量調整を連続的にかつ応答性の高い調整を行うことが可能となる。また、開口部は、点対称となるため、相対光量比が15%程度の場合において、ライトバルブ7上の照度むらは生じない。
以上に説明したように、実施の形態3に係る投射型表示装置によれば、上記実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態4においては、図15(実施の形態1の変形例)の場合と同様に、遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAは、第2のレンズアレイ22上においてx軸が第2のレンズアレイ22のy軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりも外側のx軸上の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91LA,91RAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置してもよい。また、実施の形態4においては、図15(実施の形態1の変形例)の場合と同様に、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAは、第2のレンズアレイ22上においてy軸が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりも外側のy軸上の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸にそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置してもよい。この場合には、図15の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態4においては、図16(実施の形態2)の場合と同様に、遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAを、第2のレンズアレイ22上においてx軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のy軸方向の周縁と交差する2つの交差点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91LA,91RAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置し、x軸に対する傾斜した直線の成す角度は、x軸に対する、光軸と第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。また、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAを、第2のレンズアレイ22上においてy軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91TA,91BAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置し、y軸に対する傾斜した直線の成す角度は、y軸に対する、光軸と第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。この場合には、図16の場合と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態4においては、図21(実施の形態2の変形例)の場合と同様に、遮光体91L,91R及び回動軸91LA,91RAを、第2のレンズアレイ22上においてx軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のy軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりもx軸方向外側の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91LA,91RAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置され、x軸に対する傾斜した直線の成す角度は、x軸に対する、光軸AXと第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。また、遮光体91T,91B及び回動軸91TA,91BAを、第2のレンズアレイ22上においてy軸に対して傾斜した直線が第2のレンズアレイ22のx軸方向の周縁と交差する2つの交差点よりもy軸方向外側の2つの点のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸91TA,91BAにそれぞれ重なるように、且つ、回動範囲が90度より小さくなるように配置され、y軸に対する傾斜した直線の成す角度は、y軸に対する、光軸AXと第2のレンズアレイ22の角部を結ぶ直線の成す角度よりも小さくするように配置してもよい。この場合には、図21の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態4において、上記以外の点は、上記実施の形態1乃至3の場合と同じである。
実施の形態5.
図28は、本発明の実施の形態5に係る投射型表示装置105の構成を概略的に示す図である。図28において、図1に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。また、図29は、実施の形態5の回動式遮光部128の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。実施の形態5に係る投射型表示装置105は、図2に示される回動式遮光部91に代えて、図29に示される回動式遮光部128を採用した点が、実施の形態1に係る投射型表示装置101と相違する。
図29に示されるように、回動式遮光部128は、1対の遮光体128L,128Rと、遮光体128L,128Rを投射型表示装置105の筐体(図示せず)に対してxy平面上で回動可能に支持する回動軸128LA,128RAとを有している。対を成す遮光体128L,128Rは、光軸AX、すなわち、原点(0,0)を中心とするxy座標系において点対称の位置に配置され、対を成す回動軸128LA,128RAは、光軸AXを中心として点対称の位置に配置されている。遮光体128L,128R及び回動軸128LA,128RAは、遮光体128L,128Rによる遮光量を増加させる方向の回動時に、回動によって遮光体128L,128Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体128L,128Rの遮光開始位置(最小完全開口時であり、図29に実線で示される遮光体128L,128Rの位置)から遮光体128L,128Rが第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体128L,128Rの最大遮光位置(最大遮光時であり、図29に2点鎖線で示される遮光体128L,128Rの位置)までの回動範囲を90度より小さくする位置に配置されている。また、遮光体128L,128R及び回動軸128LA,128RAは、遮光体128L,128Rが遮光開始位置にあるときに、遮光体128L,128Rの少なくとも一部が、光軸AXに交差するx軸方向の直線と、z軸方向に重なるように配置されている。図29に示されるように、遮光体128L,128R及び回動軸128LA,128RAは、光軸AXを中心にして対称な位置にある第2のレンズアレイ22の2個の角部のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸128LA,128RAにそれぞれ重なるように配置されている。ここで、各遮光体128L,128Rのz軸方向位置は異なっていてもよい。
遮光体128L,128Rは、回動機構92によって、図29に示されるように、光路の両側から光軸AXを中心にして対称に回動し、光路上への突出量に応じて遮光量を調整して、ライトバルブ7に照射される光の光量を調整する。各遮光体128L,128Rの遮光量を増加させる時の回動方向先頭部の辺128LB,128RBは直線形状である。
図30は、実施の形態5に係る投射型表示装置の遮光体の回動角度とライトバルブ上の相対光量比との関係のシミュレーション結果を示す図である。図30は、図29及び図5の場合の回動角度(°)に対する相対光量比(%)の変化のシミュレーション結果を示す図である。ここでは、回動角度を2度ごと変化させシミュレーションを行った結果を示す。図30において縦軸は、ライトバルブ7上に照射される光の相対光量比を示す。図30において横軸は、図29の実施の形態5(曲線E5)及び図5の比較例の曲線C1”の場合における遮光体の回動角度を示す。曲線E5は、図29の場合、曲線C1”は、図5の場合の回動角度とライトバルブ7上の相対光量比の変化を示す。曲線の連続性を強調するため、曲線C1”は、図30の横軸方向にシフトさせている。図30より、曲線C1”は、平坦部が4箇所存在し、連続的な曲線ではない。しかし、曲線E5は、回動角度の変化に伴い相対光量比が変化し続ける(平坦部が存在しない)概ね連続的な曲線を示している。したがって、各遮光体128L,128Rにおいて、回動軸の位置を、第2のレンズアレイ22の四隅に重なる位置にすることにより、先端部128LB,128RBの辺に凹状部(階段状の段差)を形成しなくとも連続的に光量を調整することが可能である。
また、相対光量比が0%〜100%変化するための回動角度範囲は約40度であり、比較例C1(図7)と比較して応答性の高い調整が可能となる。したがって、応答性の高い調整を行うためには、各遮光体の回動軸を第2のレンズアレイ22の四隅の対角位置とすることが好ましい。
図29は、図8に示す第2光源像を、周辺の列から遮光していくため、明暗部を同時に遮光していくことが可能となり、回動角度に対する光量変化が連続的となる。図2の場合と比較して、最大遮光時と最小完全開口時の角度が小さいため、回動角度に対する光量変化が大きくなり、応答性が向上する。
図29より、光量調整を連続的にかつ応答性が高く行うために、各遮光体128L,128Rのサイズは、図29より、短辺方向長さdh3は式5、長辺方向長さdv3は式6を満足することが好ましい。
dh3≧{(H1+H2+H3+H4+H5)2
+(V1+V2+V3)2}0.5 式5
dv3≧{(2×(H1+H2+H3+H4+H5))2
+(2×(V1+V2+V3))2}0.5 式6
以上より、実施の形態5によると、各遮光体128L,128Rの突出側の辺部に凹状部を形成しなくとも、連続的な光量調整が可能となる。また、z軸方向において、第2のレンズアレイ22付近を回動軸とし、xy平面で回動するため、ライトバルブ7上に発生するx軸方向のライン上の照度むらが生じない。
また、各遮光体128L,128Rの回動軸が第2のレンズアレイ22の対角線方向に移動しても同様の効果が得られる。ただし、その場合は各遮光体128L,128Rにおいて、最大遮光時と最小完全開口時の角度が鈍角ではなく、短辺方向長さ及び長辺方向長さを考慮する必要がある。
図31は、実施の形態5の変形例の回動式遮光部の構成及び動作を概略的に示す正面図(z軸方向に見た図)である。図31において、図29の構成と、同一又は対応する部分には同じ符号を付す。図31の例では、遮光体128L,128R及び回動軸128LA,128RAは、光軸AXを中心にして対称な2つの位置であって、第2のレンズアレイ22の2個の角部よりも遮光体128L,128R及び回動軸128LA,128RAを第2のレンズアレイ22から遠ざける方向に離した2つの位置のそれぞれを通る2本のz軸方向の直線が、1対の回動軸128LA,128RAにそれぞれ重なるように配置されている。すなわち、図31の例は、図29の回動軸128LAをx軸方向のプラス側に、回動軸128RAをx軸方向のマイナス側に移動させた構造を持つ。図31の場合には、図29に示すように、回動軸128LA,128RAが第2のレンズアレイ22に重ならない利点がある。他の点については、図31の例は、図29の例と同様である。
なお、実施の形態5において、上記以外の点は、上記実施の形態1乃至4の場合と同じである。
また、図6、図7、図17、図19、図27、図30はすべて、100%信号時における相対光量比を示し、回動式遮光部91の特性のみを示している。
実施の形態6.
上記実施の形態1及び2においては、遮光体及び回動軸は、遮光体による遮光量を増加させる方向の回動時に、回動によって遮光体が第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体の遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体の最大遮光位置までの回動範囲を90度以下にする位置に配置された場合であって、遮光体及び回動軸が、遮光体が遮光開始位置にあるときに、遮光体の少なくとも一部が、x軸又はy軸と重なるように配置された場合(以下「第1の条件を満たす場合」という。)を説明した。
また、上記実施の形態2においては、図19及び図20を用いて、好ましくない回動軸位置を説明し、回動軸は、好ましくない回動位置以外の位置に配置すること(以下「第2の条件を満たす場合」という。)を説明した。
実施の形態6の投射型表示装置は、上記第2の条件を満たす例である。実施の形態6の投射型表示装置は、上記第1の条件を満たす場合の他に、図18に示される場合、すなわち、回動範囲が90°より大きい場合を含む点において、上記第1及び第2の実施形態と相違する。実施の形態6の投射型表示装置においては、遮光体及び回動軸は、遮光体が回動して辺がx軸方向になるときの辺のy軸方向の位置が、第2のレンズアレイ22のy軸方向に隣接する凸レンズの接合面のy軸方向の位置以外の位置になるように配置されている。実施の形態6の投射型表示装置は、xy平面内で遮光体が回動する機構を採用しているが、遮光開始位置から最大遮光位置までの回動範囲が90°以上の場合もあるので、回動途中において、遮光体の先端部分がx軸に平行になることはあるが、第2のレンズアレイの隣接する凸レンズの接合面位置に一致することはないので、遮光体の回動角度に対するライトバルブ照射光量の変化を連続的に(すなわち、遮光体を回動させても照度が変化しない領域が存在しないように)することができる。実施の形態6の投射型表示装置は、光量調整手段によるライトバルブ照射光量の調整を連続的に行うことができるので、コントラスト感の十分な映像を表示し続けることができる。
なお、遮光体が、第2のレンズアレイ22の上下にある場合(図22の場合を含む)にも、上記第2の条件が適用できる。その場合には、遮光体及び回動軸は、遮光体が回動して辺がy軸方向になるときの辺のx軸方向の位置が、第2のレンズアレイ22のx軸方向に隣接する凸レンズの接合面のx軸方向の位置以外の位置になるように配置する。
実施の形態6において、上記以外の点は、上記実施の形態1乃至4の場合と同じである。
実施の形態7.
上記実施の形態1及び2においては、遮光体及び回動軸は、遮光体による遮光量を増加させる方向の回動時に、回動によって遮光体が第2のレンズアレイ22に向かう光を遮光し始める遮光体の遮光開始位置から遮光体が第2のレンズアレイ22に向かう光を最も多く遮光する遮光体の最大遮光位置までの回動範囲を90度以下にする位置に配置された場合であって、遮光体及び回動軸が、遮光体が遮光開始位置にあるときに、遮光体の少なくとも一部が、x軸又はy軸と重なるように配置された場合(以下「第1の条件を満たす場合」という。)を説明した。
また、上記実施の形態3においては、図22乃至図25を用いて、好ましくない回動軸位置を説明し、回動軸は、好ましくない回動位置以外の位置に配置すること(以下「第3の条件を満たす場合」という。)を説明した。
実施の形態7の投射型表示装置は、上記第3の条件を満たす例である。実施の形態7の投射型表示装置は、上記第1の条件を満たす場合の他に、図18に示される場合、すなわち、回動範囲が90°より大きい場合を含む点において、上記第1乃至3の実施形態と相違する。実施の形態7の投射型表示装置においては、偏光変換素子3は、第2のレンズアレイ22側の面にはx軸方向に長尺な複数の光透過領域とx軸方向に長尺な複数の光不透過領域とがy軸方向に交互に配列されており、第2のレンズアレイ22を透過して光透過領域に入射した光を第1偏光光と第2偏光光とに分離し、分離された前記第1偏光光を出力すると共に、分離された前記第2偏光光を第1偏光光に変換して出力し、遮光体及び回動軸は、遮光体が回動して辺がx軸方向になるときの辺のy軸方向の位置が、光不透過領域が存在するy軸方向の範囲以外になるように配置されている。実施の形態7の投射型表示装置は、xy平面内で遮光体が回動する機構を採用しているが、遮光開始位置から最大遮光位置までの回動範囲が90°以上の場合もあるので、回動途中において、遮光体の先端部分がx軸に平行になることはあるが、光不透過領域(この領域は、第2のレンズアレイ22の隣接する凸レンズの接合面位置を含む領域である)に含まれないので、遮光体の回動角度に対するライトバルブ照射光量の変化を連続的に(すなわち、遮光体を回動させても照度が変化しない領域が存在しないように)することができる。実施の形態7の投射型表示装置は、光量調整手段によるライトバルブ照射光量の調整を連続的に行うことができるので、コントラスト感の十分な映像を表示し続けることができる。
なお、遮光体が、第2のレンズアレイ22の上下にある場合(図22の場合を含む)にも、上記第2の条件が適用できる。その場合には、遮光体及び回動軸は、遮光体が回動して辺がy軸方向になるときの辺のx軸方向の位置が、光不透過領域が存在するx軸方向の範囲以外になるように配置する。
実施の形態7において、上記以外の点は、上記実施の形態1乃至3の場合と同じである。
1 光源系、 2 インテグレータ光学系、 3 偏光変換素子、 4 コンデンサレンズ、 5 フィールドレンズ、 6 偏光板、 7 ライトバルブ、 8 投射光学系、 9,126 光量調整手段、 11 光源、 12 反射鏡、 21 第1のレンズアレイ、 22 第2のレンズアレイ、 31 偏光分離膜、 32 反射膜、 33 λ/2位相差板、 91,121〜126,128,129 回動式遮光部、 91L,91R,91T,91B,91L2,91R2,128L,128R 遮光体、 91LA,91RA,91L2A,91R2A,91TA,91BA,128LA,128RA, 回動軸、 91LB,91RB,91L2B,91R2B 遮光量増加方向の回動時における遮光体の回動方向先頭の辺、 92 回動機構、 93 回動制御部、 94 信号検知部、 95 モータ、 95a,96,96a,97 歯車、 101,105 投射型表示装置、 201〜204 第2光源像の間の暗い領域、 AX 光軸、 SC スクリーン。