JP2009084151A - ニオブ酸カリウム薄膜の製造方法、表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子機器、及びKxNa1−xNb1−yTayO3薄膜の製造方法 - Google Patents
ニオブ酸カリウム薄膜の製造方法、表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子機器、及びKxNa1−xNb1−yTayO3薄膜の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】所定の酸素分圧におけるKNbO3と3K2O・Nb2O5との共晶点Eにおける温度及びモル組成比をTE、xEとするとき(xは、KxNb1−xOyで表現されるときのカリウム(K)とニオブ(Nb)とのモル比)、0.5≦x≦xEの範囲となるK、Nb、Oからなるプラズマプルームを基板11に供給する。そして、この状態における完全溶融温度をTmとし、基板11の温度TsをTE≦Ts≦Tmの範囲に保持して基板11上に堆積したKxNb1−xOyからKNbO3単結晶12を析出させ、残った液相部27を蒸発させる。
【選択図】図1
Description
しかし、図19に示すK2O−Nb2O5の二元系状態図(例えば、非特許文献6参照。)から明らかなように、KNbO3のK過剰組成側には3K2O・Nb2O5化合物が存在し、KNbO3と3K2O・Nb2O5の共晶温度845℃以下ではKNbO3と3K2O・Nb2O5がともに固相として共存し、KNbO3のNb過剰組成側には2K2O・3Nb2O5化合物が存在し、KNbO3の融点である1039℃以下ではKNbO3と2K2O・3Nb2O5がともに固相として共存する。従って、気相法で製造する場合、レーザーによってアブレーションされた出発原料が基板に到達した時点で厳密にK:Nb=50:50の組成となっていなければ、K過剰側にずれてもNb過剰側にずれても作製された薄膜は異相を含み、単一相は得られないことになる。
Eletron. Lett., vol.33 (1997) 193 Jpn. J. Appl. Phys., vol.37 (1998) 2929 Jpn. J. Appl. Phys., vol.32 (1993) 2337 Jpn. J. Appl. Phys., vol.32 (1993) L745 Appl. Phys. Lett. Vol.68 (1996) 1488 J. Am. Chem. Soc. Vol.77 (1955) 2117 J. Crystal Growth Vol.78 (1986) 431 Appl. Phys. Lett. Vol.80 (2002) 61
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、各種単結晶基板上で表面モフォロジーに優れかつ単相の高品質なKNbO3単結晶薄膜を製造する方法と、この方法で得られた薄膜を備えることによって、k2が高く広帯域化、小型化、及び省電力化に優れる表面弾性波素子、周波数フィルタ、周波数発振器、電子回路、及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係るニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法は、気相法によるニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法であって、所定の酸素分圧におけるニオブ酸カリウムと3K2O・Nb2O5との共晶点Eにおける温度及びモル組成比をTE、xEとするとき(xは、KxNb1−xOyで表現されるときのカリウム(K)とニオブ(Nb)とのモル比)、基板上に堆積させた直後の前記xが、0.5≦x≦xEの範囲となるように気相状態の原料を前記基板に供給し、前記酸素分圧及び前記xにおける完全溶融温度をTmとするとき、前記基板の温度TsをTE≦Ts≦Tmの範囲に保持して、ニオブ酸カリウム単結晶を析出させる析出工程と、固相部と液相部とが共存する前記KxNb1−xOyから液相部を蒸発させる蒸発工程とを備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記蒸発工程と前記析出工程とを繰り返してニオブ酸カリウム単一相単結晶薄膜を連続して成長させることが好ましい。
この方法によれば、基板上に堆積させた固相部と液相部とが共存するKxNb1−xOyからニオブ酸カリウム単結晶を析出させた後に、組成のずれを有する残液を蒸発させるので、組成のずれが抑えられた単一層のニオブ酸カリウム単結晶を析出させることができる。これにより、表面モフォロジーに優れたニオブ酸カリウム単結晶薄膜を得ることができ、そして、このようなニオブ酸カリウム単結晶薄膜を用いることによって、k2に優れた表面弾性波素子を作製することができる。
この方法によれば、基板を種結晶として薄膜全体にわたって配向方向がそろったニオブ酸カリウム単結晶薄膜を得ることができ、従って、このニオブ酸カリウム単結晶薄膜からk2に優れた表面弾性波素子を作製することができる。
また、前記基板として、チタン酸ストロンチウム(100)単結晶基板を用いることが好ましい。
この方法によれば、基板上にニオブ酸カリウム単結晶を斜方晶(110)配向で析出させることができる。また、汎用的なペロブスカイト型酸化物単結晶基板であるチタン酸ストロンチウム(100)単結晶基板を用いて、良好な表面モフォロジーを有するニオブ酸カリウム単結晶薄膜を得ることができ、さらに、k2が最大約30%と優れた表面弾性波素子を作製することができる。
また、前記基板として、シリコン単結晶基板と、前記シリコン単結晶基板上にエピタキシャル成長させたバッファ層とから構成されるものを用いることが好ましい。
この方法によれば、基板上にエピタキシャル成長したニオブ酸カリウム単結晶を斜方晶(001)配向で析出させることができ、また、安価な単結晶基板であるシリコン単結晶基板上に得られたニオブ酸カリウム単結晶薄膜から、k2が最大約50%と優れた表面弾性波素子を作製することができる。
また、前記バッファ層として、フルオライト型酸化物で構成される第1バッファ層と、該第1バッファ層の上にエピタキシャル成長させた層状ペロブスカイト型酸化物と該層状ペロブスカイト型酸化物上にエピタキシャル成長させた単純ペロブスカイト型酸化物とから構成される第2バッファ層とを作製することを特徴とする。
この方法によれば、シリコン単結晶とニオブ酸カリウム単結晶との間に、双方に好適なバッファ層が形成されるので、安価な単結晶基板であるシリコン単結晶基板上でもニオブ酸カリウム単結晶を製膜することができ、このニオブ酸カリウム単結晶薄膜からk2の理論値約50%により近い値の優れた表面弾性波素子を得ることができる。
この方法によれば、表面弾性波素子に好適で安価な石英、水晶、SiO2被覆シリコン、ダイヤモンド被覆シリコンなどの材料からなる基板上にも、高品質なニオブ酸カリウム単結晶薄膜を製膜することができ、このニオブ酸カリウム単結晶薄膜から、k2が最大約50%と優れた表面弾性波素子を得ることができる。
また、前記第1バッファ層をフルオライト型酸化物で作製し、前記第2バッファ層を、層状ペロブスカイト型酸化物と該層状ペロブスカイト型酸化物上にエピタキシャル成長させた単純ペロブスカイト型酸化物とで作製することを特徴とする。
この方法によれば、安価な石英、水晶、SiO2被覆シリコン、ダイヤモンド被覆シリコン等の任意の材料の基板上に、高品質なニオブ酸カリウム単結晶薄膜を製膜することができ、このニオブ酸カリウム単結晶薄膜から、k2の理論値約50%により近い値の優れた表面弾性波素子を得ることができる。
この表面弾性波素子によれば、大きなk2を有するニオブ酸カリウム単結晶薄膜を備えているので、表面弾性波素子の小型化を図ることができる。
また、本発明の周波数発振器は、本発明に係る表面弾性波素子を備えることを特徴とする。
この周波数フィルタ及び周波数発振器によれば、小型であるとともに、フィルタ特性の広帯域化を実現することができる。
この周波数発振器によれば、広帯域のフィルタ特性を有し、小型であるとともに、省電力化に対応することができる。
また、本発明の電子機器は、本発明に係る周波数フィルタ、周波数発振器、電子回路のうち少なくとも1つを備えていることを特徴とする。
この電子機器によれば、小型化、広帯域化、省電力化を向上することができる。
本実施形態に係るKNbO3単結晶薄膜10は、図1(d)に示すように、基板11と、この基板11上に斜方晶(001)配向または斜方晶(110)配向でエピタキシャル成長したKNbO3単結晶層12とを備えている。
基板11は、表面に垂直方向に(100)配向及び面内に(001)配向の結晶軸を有しているSrTiO3単結晶基板13と、このSrTiO3単結晶基板13上にエピタキシャル成長したK、Nb、Sr、Ti、Oの何れかからなる初期層14とから構成されている。
SrTiO3単結晶基板13は、その熱膨張率が11.1×10−6(K−1)であり、KNbO3単結晶層12のc軸の熱膨張率14.1×10−6(K−1)よりは小さいものの、a、b軸の熱膨張率5.0×10−6(K−1)、0.5×10−6(K−1)よりも大きいものとなっている。
初期層14は、SrTiO3からKNbO3へ構造が移行するための界面層であり、構造および組成は限定されないがSrTiO3単結晶基板13上にエピタキシャル成長していればよい。
また、成膜装置15は、反射高速電子線回折(Reflection High Energy Electron Diffraction、RHEEDと略称する)法で薄膜20を分析する際に用いるRHEED源21と、RHEED源21からSrTiO3単結晶基板13上に堆積した薄膜20に入射されて反射されたビームを検知するRHEEDスクリーン22とを備えている。
この製造方法は、所定の酸素分圧におけるKNbO3と3K2O・Nb2O5との共晶点Eにおける温度及びモル組成比をTE、xEとするとき(xは、KxNb1−xOyで表現されるときのカリウム(K)とニオブ(Nb)とのモル組成比)、基板11上に堆積させた直後の液相状態の組成xが、0.5≦x≦xEの範囲となる気相状態の原料であるプラズマプルーム24を基板11に供給し、また、この酸素分圧及びこのxにおける完全溶融温度をTmとするとき、基板11の温度TsをTE≦Ts≦Tmの範囲に保持して、プラズマプルーム24から基板11上に堆積させたKxNb1−xOyの残液を蒸発させる蒸発工程と、KxNb1−xOyからKNbO3単結晶を基板11上に析出させる析出工程とを備えている。
以下、製造方法を順に説明する。
始めに、SrTiO3単結晶基板13を有機溶媒に浸漬し超音波洗浄機を用いて脱脂洗浄を行う。有機溶媒としては、例えばエチルアルコールとアセトンが1:1で混合された混合液を使用することができるが、これに限るものではない。
SrTiO3単結晶基板13を保持部19に装填した後、プロセスチャンバ16内へ導入して、真空度が、1.33×10−6Pa(1×10−8Torr)まで減圧する。続いて、1.33Pa(1×10−2Torr)の酸素分圧になるように酸素ガスを導入し、図示しない赤外線ランプを用いて20℃/分で500℃まで加熱昇温する。このときのSrTiO3<010>方向からのRHEEDパターンには、図3(a)に示すようにストリーク状の回析パターンが観測される。
なお、昇温速度、基板温度、圧力などの条件は、これに限るものではない。
なお、プラズマプルーム24が、十分SrTiO3単結晶基板13に到達でき、初期層14としてエピタキシャル成長できるのであれば、各条件は上記に限られるものではない。
すると、750℃〜800℃で、RHEEDパターンとして図3(c)に示すようなスポットパターンが現れる。
800℃以上では、K0.6Nb0.4OyがKNbO3の固液相の共存状態から液相のほとんどが蒸発していき、残ったKNbO3がSrTiO3単結晶基板13と反応する。こうして図1(b)に示すように、K、Nb、Sr、Ti、Oの何れかからなる初期層14をエピタキシャル成長させる。
基板温度を750℃以上850℃以下、堆積時の酸素分圧が1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)以上13.3Pa(1×10−1Torr)以下の条件下で、K0.6Nb0.4Oyの成膜母材17a表面にレーザーエネルギー密度が2J/cm2以上3J/cm2以下、及びレーザー周波数が5Hz以下となるエキシマ・レーザー・ビーム23を照射する。
このパルス供給の間に、初期層14を結晶成長の核として、図1(d)に示すように、固相部26からKNbO3単結晶層12が析出し、残った液相部27が蒸発する。
こうして、KNbO3単結晶層12を200nmエピタキシャル成長させる。
得られたKNbO3単結晶層12を観察すると、図3(d)に示す回析パターン及び図4に示す平滑な表面状態を確認できる。
この結果と図5に示すX線回析結果とから、KNbO3、SrTiO3をそれぞれ斜方晶、立方晶指数表示した場合、膜面に垂直方向にKNbO3(110)/SrTiO3(100)、面内方向にKNbO3<001>//SrTiO3<001>の方位関係を有するKNbO3単結晶薄膜10が得られることを確認できる。
ここで、KNbO3が斜方晶(110)配向となるのは、降温過程において熱膨張率の比較的大きなSrTiO3単結晶基板13から圧縮応力を受け、a、b、c、3つの軸のうち一番熱膨張率の大きなc軸が基板面内に配向するためである。
なお、プラズマプルーム24が、十分SrTiO3単結晶基板13に到達でき、かつ液相部27が残留しないように堆積速度と液相部27との蒸発量バランスが取れるならば、各条件は上記に限られるものではない。
また、上述した析出工程において、成膜母材17aをx=0.6のK0.6Nb0.4Oyとしたが、当該酸素分圧下で0.5≦x≦xEの範囲内であれば、同様のKNbO3単結晶薄膜を得ることができる。
この表面弾性波素子28は、図6に示すように、上述したKNbO3単結晶薄膜10を備える。
以下、表面弾性波素子28の製造方法について説明する。
まず、金属アルミニウム(Al)を用いた真空蒸着により、基板温度45℃、真空度6.65×10−5Pa(5×10−7Torr)の条件で、KNbO3単結晶薄膜10上に一対のAl電極29a、29bを堆積する。
なお、基板温度、真空度はこれに限るものではない。
次に、Al電極29a、29bに対して、レジスト塗布、露光、ドライエッチング、レジスト除去によるパターンニングプロセスの連続プロセスを行い、一対のIDT30a、30bを形成する。
こうして、表面弾性波素子28を製造する。
KNbO3単結晶薄膜を行わなかった場合、音速は4000m/sであっても得られたk2は10%程度であることから、十分大きなk2値を得ることができた。
なお、成膜母材17aとして、ニオブ酸カリウムの代わりにニオブ酸タンタル酸カリウムナトリウムを用いても、K1−xNaxNb1−yTayO3(0≦x≦1、0≦y≦1)なる固溶体薄膜が同様に得られる。
第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態のKNbO3単結晶薄膜10は、SrTiO3単結晶基板13と初期層14とからなる基板11上にKNbO3単結晶をエピタキシャル成長させて製造するようにしたのに対して、第2の実施形態では、シリコン(以下、Si)単結晶基板31aとその上にエピタキシャル成長させたバッファ層32とからなる基板31上に、初期層14を介してKNbO3単結晶をエピタキシャル成長させ、KNbO3単結晶薄膜33を製造するようにした点である。
バッファ層32は、図7に示すように、第1バッファ層34と、第1バッファ層34上にエピタキシャル成長させた第2バッファ層35とから構成されている。
第1バッファ層34は、イットリア安定化ジルコニア(以下、YSZ)からなる第1バッファ層34aと、第1バッファ層34aの上にエピタキシャル成長させたCeO2からなる第1バッファ層34bとから構成されている。
KNbO3単結晶層12は、第2バッファ層35の上にエピタキシャル成長したK、Nb、Sr、Ti、Oの何れかからなる初期層14の上にエピタキシャル成長させた斜方晶(110)又は(001)配向のKNbO3単結晶で構成される。
第1バッファ層34を、MgOのようなNaCl構造の金属酸化物で作製する場合には、第2バッファ層35として、SrTiO3のみを立方晶(100)配向でエピタキシャル成長させても同様の効果を得ることができる。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、プラズマプルーム24から基板31上に堆積させたKxNb1−xOyの残液を蒸発させる蒸発工程と、KxNb1−xOyからKNbO3単結晶を基板31上に析出させる析出工程とを備えている。
以下、製造方法を順に説明する。
まず、第1バッファ層34aをSi単結晶基板31a上に製膜する。
脱脂洗浄したSi単結晶基板31aを保持部19に装填した後、プロセスチャンバ16内へ導入して、1.33×10−6Pa(1×10−8Torr)まで減圧し、図示しない赤外線ランプを用いて10℃/分で700℃まで加熱昇温する。途中500℃以上の温度領域で、自然酸化膜が一部SiOとして蒸発するために、真空度が1.33×10−4Pa(1×10−6Torr)まで上昇するが、700℃では6.65×10−5Pa(5×10−7Torr)以下の一定値となる。なお、Si単結晶基板31a表面に新たな熱酸化膜を形成しない範囲内であれば、昇温速度、基板温度、圧力等の条件は、これに限るものではない。
この時点では、図8(a)に示すSi<011>方向からのRHEEDパターンに回析パターンが観測されないように、Si単結晶基板31a表面は自然酸化膜に覆われたままの状態になっている。
このとき、Y、Zrプラズマが選択的に基板に到達でき、基板上の自然酸化膜をSiOとして除去しながらYSZとしてエピタキシャル成長できるのであれば、各条件は上記の範囲に限らない。
ただし、条件によっては、YSZ第1バッファ層34aが形成されても、Si単結晶基板31aとの界面に酸素が供給されて新しい酸化膜が形成される場合がある。
なお、ZrO2が立方晶として固溶体を形成するのであれば、成膜母材17aのYの代わりにLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Ca、Sr、Baの何れか1つの元素を添加してもよい。
CeO2からなる成膜母材17bがSi単結晶基板31aと対向する位置となるように母材支持部18を回転移動する。この成膜母材17bの表面に、上述と同様にKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス光を照射する。このときの照射条件はYSZの場合と同様である。
ここでは、レーザーエネルギー密度2.5J/cm2、レーザー周波数10Hz、パルス長10nsの条件とする。
そして、成膜母材17b表面にCe、Oからなるプラズマプルーム24を発生させる。このプラズマプルーム24を成膜母材17bから40mm離れた位置に配設されたSi単結晶基板31aに、基板温度700℃、酸素分圧6.65×10−3Pa(5×10−5Torr)の条件で10分間照射して、図7に示すようにCeO2第1バッファ層34bを10nmエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長は、図8(c)に示すSi<011>方向からのRHEEDパターンにスポット状の回析パターンが現れていることから確認できる。
CeO2としてエピタキシャル成長できるのであれば、各条件は上記のものに限るものではない。また、CeO2が立方晶として固溶体を形成するのであれば、Pr又はZrを添加しても同様の効果が得られる。
YBa2Cu3Oxからなる成膜母材17cがSi単結晶基板31aと対向する位置となるように母材支持部18を回転移動する。この成膜母材17cの表面に、上述と同様にKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス光を照射する。このときの照射条件は、基板温度が550℃以上650℃以下、堆積時の酸素分圧が1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)以上13.3Pa(1×10−1Torr)以下であること以外は、YSZの場合と同様である。
ここでは、レーザーエネルギー密度2.5J/cm2、レーザー周波数10Hz、パルス長10nsの条件とする。
そして、成膜母材17cの表面にY、Ba、Cu、Oからなるプラズマプルーム24を発生させる。このプラズマプルーム24を成膜母材17cから40mm離れた位置に配設されたSi単結晶基板31aに、基板温度600℃、酸素分圧1.33Pa(1×10−2Torr)の条件で2分間照射して、図7に示すようにYBa2Cu3Ox第2バッファ層35aを2nmエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長は、図8(d)に示すSi<011>方向からのRHEEDパターンにストリーク状の回析パターンが現れていることから確認できる。
)を用いても同様の効果が得られる。
SrTiO3からなる成膜母材17dがSi単結晶基板31aと対向する位置となるように母材支持部18を回転移動する。この成膜母材17dの表面に、KrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス光を照射する。このときの照射条件は、基板温度が550℃以上650℃以下、堆積時の酸素分圧が1.33×10−1Pa(1×10−3Torr)以上13.3Pa(1×10−1Torr)以下であること以外は、YSZの場合と同様である。
ここでは、レーザーエネルギー密度2.5J/cm2、レーザー周波数10Hz、パルス長10nsの条件とする。
そして、成膜母材17dの表面にSr、Ti、Oからなるプラズマプルーム24を発生させる。このプラズマプルーム24を成膜母材17dから40mm離れた位置に配設されたSi単結晶基板31aに、基板温度600℃、酸素分圧1.33Pa(1×10−2Torr)の条件で30分間照射して、図7に示すようにSrTiO3第2バッファ層35bを100nmエピタキシャル成長させる。
エピタキシャル成長は、図8(e)に示すSi<011>方向からのRHEEDパターンにスポット状の回析パターンが現れていることから確認できる。
本実施形態では、レーザーエネルギー密度2.5J/cm2、レーザー周波数10Hz、パルス長10nsの条件でKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス光を成膜母材17eに入射する。そして、成膜母材17eの表面に、気相状態の原料となるK、Nb、Oからなるプラズマプルーム24を発生させる。このプラズマプルーム24を成膜母材17eから40mm離れた位置に配設されたSi単結晶基板31aに、基板温度800℃、酸素分圧1.33Pa(1×10−2Torr)の条件で5分間照射して、図7に示すようにK0.6Nb0.4Oy層25を5nm堆積する。
なお、プラズマプルーム24が、十分Si単結晶基板31aに到達でき、初期層14としてエピタキシャル成長できるのであれば、各条件は上記に限られるものではない。
本実施形態では、レーザーエネルギー密度2.5J/cm2、レーザー周波数10Hz、パルス長10nsの条件でKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス光を入射する。そして、成膜母材17eの表面にK、Nb、Oからなるプラズマプルーム24を発生させる。このプラズマプルーム24を成膜母材17eから40mm離れた位置に配設され、基板温度800℃、酸素分圧1.33Pa(1×10−2Torr)の条件下にあるSi単結晶基板31aに360分間照射して、図7に示すようにK0.6Nb0.4Oy層25aを200nm堆積する。
堆積直後のK0.6Nb0.4Oy層25aに対し、第1の実施形態と同様にKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス供給の間に、初期層14を結晶成長の核として固相部26からKNbO3単結晶層12を析出させ、残った液相部27を蒸発させる。
こうして、KNbO3単結晶層12を200nmエピタキシャル成長させる。
エピタキシャル成長は、図8(f)に示すSi<011>方向からのRHEEDパターンにスポット状の回析パターンが現れていることから確認できる。
ここで、KNbO3が斜方晶(001)配向となるのは、降温過程において熱膨張率の比較的小さなSi単結晶基板31aから引張応力を受け、a、b、c、3つの軸のうち一番熱膨張率の小さなb軸が基板面内に配向するためである。
なお、プラズマプルーム24が、十分Si単結晶基板31aに到達でき、かつ液相部27が残留しないように堆積速度と液相部27との蒸発量バランスが取れるならば、各条件は上記に限られるものではない。
また、上述した析出工程において、成膜母材17eをx=0.6のK0.6Nb0.4Oyとしたが、当該酸素分圧下で0.5≦x≦xEの範囲内であれば、同様のKNbO3単結晶薄膜を得ることができる。
得られた表面弾性波素子36において、IDT30a、30b間を伝播する表面弾性波の遅延時間Vopenから求めた音速は5000m/sであった。また、IDT30a、30b間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めたk2は、KNbO3単結晶薄膜33が(001)配向であるため35%と、第1の実施形態で得られる表面弾性波素子28よりも高い値であった。
なお、成膜母材17aとして、ニオブ酸カリウムの代わりにニオブ酸タンタル酸カリウムナトリウムを用いても、K1−xNaxNb1−yTayO3(0≦x≦1、0≦y≦1)なる固溶体薄膜が同様に得られる。
また、KNbO3単結晶を斜方晶(001)配向で析出させるので、このKNbO3単結晶薄膜33から、k2が最大約50%と優れた表面弾性波素子36を作製することができる。
第3の実施形態が上記第2の実施形態と異なる点は、第2の実施形態では、Si単結晶基板31a上にバッファ層32を作製し、KNbO3単結晶をエピタキシャル成長させるようにしたのに対して、第3の実施形態では、水晶基板(基板本体)40上にバッファ層32を作製した上にKNbO3単結晶をエピタキシャル成長させるようにした点である。
基板42は、水晶基板40と、この水晶基板40上に形成されたバッファ層32とから構成されている。
水晶基板40の構成材料は、水晶以外の石英、SiO2被覆シリコン、ダイヤモンド被覆シリコンの何れかの材料であってもよく、多結晶YSZ基板のようなセラミックスや、ガラス基板のようなアモルファスであってもよい。また、ペロブスカイト型酸化物がエピタキシャル成長できないような結晶構造を有していても良い。ここでは、汎用的であり、表面弾性波素子用基板として重要な水晶としている。水晶基板40は、その熱膨張率が0.5×10−6(K−1)であり、KNbO3単結晶層12のb軸の熱膨張率0.5×10−6(K−1)と同程度であるものの、a、c軸の熱膨張率5.0×10−6(K−1)、14.1×10−6(K−1)よりは小さいものとなっている。
第1バッファ層34は、金属酸化物で構成される。この金属酸化物としては、NaCl構造又はフルオライト構造の金属酸化物が挙げられる。これらの中でも、Siよりも熱力学的に酸素と結合しやすい金属を含む、MgO、CaO、SrO、BaO、若しくはこれらを含む固溶体のうち少なくとも1種、又はYSZ、CeO2、ZrO2、若しくはこれらを含む固溶体のうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。さらに面内配向方向は、基板面の結晶方位とは無関係であって構わない。
なお、第1バッファ層34にYSZ或いはYSZ/CeO2のようなフルオライト型酸化物を用いる場合には、以下に示す構造のものをエピタキシャル成長させて使用する。
すなわち、第2バッファ層35として、YBa2Cu3Oxなどの層状ペロブスカイト構造の金属酸化物を、正方晶又は斜方晶(001)配向でエピタキシャル成長させ、さらにその上に、SrTiO3を立方晶(100)配向でエピタキシャル成長させた構成とする。
KNbO3単結晶層12は、KNbO3単結晶が、斜方晶(110)又は(001)配向で構成されている。
本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、プラズマプルーム24から基板42上に堆積させたKxNb1−xOyの残液を蒸発させる蒸発工程と、KxNb1−xOyからKNbO3単結晶を基板42上に析出させる析出工程とを備えている。
以下、製造方法を順に説明する。
まず、水晶基板40を有機溶媒に浸漬し超音波洗浄機を用いて脱脂洗浄を行う。有機溶媒としては、例えばエチルアルコールとアセトンが1:1で混合された混合液を使用することができるが、これに限るものではない。
まず、第1バッファ層32を水晶基板40上に製膜する。
脱脂洗浄した水晶基板40を保持部19に装填した後、プロセスチャンバ16内へ導入し、アルゴン:酸素=100:1の分圧比で1.33×10−2Pa(1×10−4Torr)の圧力となるよう混合ガスを導入する。
なお、圧力条件は、これに限るものではない。
なお、MgOとして面内配向成長できるのであれば、各条件はこれに限るものではない。
基板温度は、特にヒータ等による温度制御をするものではないが、アルゴンイオンビームの衝撃により基板温度は50〜70℃に上昇する。
成膜したバッファ層32の上に、上述した第2の実施形態と同様の方法にて初期層14を5nm堆積させる。
同様に蒸発工程及び析出工程に移行して、初期層14の上にK0.6Nb0.4Oy層25aを200nm堆積する。
堆積直後のK0.6Nb0.4Oy層25aに対し、第1の実施形態と同様にKrFエキシマ・レーザー・ビーム23のパルス供給の間に、初期層14を結晶成長の核として固相部26からKNbO3単結晶層12を析出させ、残った液相部27を蒸発させる。
こうして、KNbO3単結晶層12を200nmエピタキシャル成長させる。
ここで、KNbO3が斜方晶(001)配向となるのは、降温過程において熱膨張率の比較的小さな水晶基板40から引張応力を受け、a、b、c、3つの軸のうち一番熱膨張率の小さなb軸が基板面内に配向するためである。
なお、プラズマプルーム24が、十分水晶基板40に到達でき、かつ液相部27が残留しないように堆積速度と液相部27との蒸発量バランスが取れるならば、各条件は上記に限られるものではない。
また、上述した析出工程において、成膜母材17aをx=0.6のK0.6Nb0.4Oyとしたが、当該酸素分圧下で0.5≦x≦xEの範囲内であれば、同様のKNbO3単結晶薄膜を得ることができる。
得られた表面弾性波素子43において、IDT30a、30b間を伝播する表面弾性波の遅延時間Vopenから求めた音速は3000m/sであった。また、IDT30a、30b間を金属薄膜で覆った場合の表面弾性波の遅延時間Vshortとの差から求めたk2は、KNbO3単結晶薄膜41が(001)配向であるため35%と、本実施形態においても第1の実施形態で得られる表面弾性波素子28より高い値であった。
なお、成膜母材17aとして、ニオブ酸カリウムの代わりにニオブ酸タンタル酸カリウムナトリウムを用いても、K1−xNaxNb1−yTayO3(0≦x≦1、0≦y≦1)なる固溶体薄膜が同様に得られる。
図13に示す周波数フィルタ60は、KNbO3単結晶薄膜10、33、41の何れか一つからなる表面弾性波素子61と、表面弾性波素子61の表面を伝播する表面弾性波を吸収する一対の吸音部62a、62bとを備えている。
表面弾性波素子61の上面には、一対のIDT63a、63bが形成されている。このIDT電極63a、63bは、Al又はAl合金で構成され、厚さがIDTピッチの100分の1程度に設定されている。
IDT電極63aには、高周波信号源64が接続されており、IDT63bには、端部に端子65a、65bとを備える信号線65が接続されている。
吸音部62a、62bは、IDT63a、63bを挟み込むように形成されている。
残りの大部分は、IDT63bを通過して吸音部62bに吸収される。
表面弾性波素子71の上面には、IDT72と、このIDT72を挟み込んで一対のIDT73a、73bが形成されている。これらのIDT72、73a、73bは、Al又はAl合金で構成され、厚さがIDTピッチの100分の1程度に設定されている。
IDT72は、さらに、一対の櫛歯状電極72a、72bを備えている。一方の櫛歯状電極72aには、高周波信号源74が接続されており、他方の櫛歯状電極72bには端子75a、75bを有する信号線76が接続されている。
これらの表面弾性波のうちの特定の周波数成分の表面弾性波が、IDT73a、73bそれぞれで反射され、IDT73a、73bの間に定在波が発生する。この定在波のうち、特定の周波数成分が共振して振幅が増大する。
この周波数成分、又は、特定の帯域における周波数成分を有する表面弾性波の一部が、櫛歯状電極72bから取り出されて、IDT73a、73bの共振周波数に応じた周波数(又は、ある程度の帯域を有する周波数)の電気信号が端子75a、75bから取り出される。
周波数発振器84が具備する表面弾性波素子85上には、IDT86a、86b、86cが形成されている。SAW基板82上には、IC83と周波数発振器84とを電気的に接続するための配線87がパターンニングされている。IC83及び配線87が金線等のワイヤ線88a、88bによって接続されて電気的にも接続される。
位相比較器93は、入力端子92から入力される信号の位相(又は周波数)とを比較し、その差に応じて値が設定される誤差電圧信号を出力する。低減フィルタ94は、位相比較器93から出力される誤差電圧信号の位置の低周波数成分のみを通過させ、増幅器95は、低減フィルタ94から出力される信号を増幅する。VCO91は、入力される電圧値に応じてある範囲で連続的に発振周波数が変化する発振回路である。
この周波数発振器70によれば、KNbO3単結晶薄膜10、33、41の何れか一つを備えているので、小型で安価であるとともに、広帯域の信号に対応できる高機能なフィルタ特性を得ることができる。
電子回路100は、送話器104、送信信号処理回路105、送信ミキサ106、送信フィルタ107、送信電力増幅器108、送受分波器109、アンテナ110、低雑音増幅器111、受信フィルタ112、受信ミキサ113、受信信号処理回路114、受話器115、周波数シンセザイザ116、制御回路117、及び入力/表示回路118とを備えている。
送受分波器109は、増幅されたRF信号をアンテナ110から電波の形で送信する。また、アンテナ110から受信した受信信号を分波して、低雑音増幅器111へ出力する。
受信ミキサ113は、周波数シンセサイザ116から出力される信号を用いて受信フィルタ112から出力される信号をミキシングする。
受信信号処理回路114は、受信ミキサ113から出力される電気信号に対して、D/A変換処理、復調処理等の処理を行っている。
受話器115は、電波信号を音声等の音波信号に変換する小型スピーカ等で構成されている。
入力/表示回路118は、携帯電話機101の使用者に対して機器の状態を表示したり、使用者の指示を入力するためのものであり、図18に示す液晶表示部102及び操作釦103に相当する。
制御回路117は、上記の送信信号処理回路105、受信信号処理回路114、周波数シンセサイザ116、及び入力/表示回路118を制御することによって、携帯電話機101の全体動作を制御する。
この電子回路100及び携帯電話機101によれば、KNbO3単結晶薄膜10、33、41の何れか一つを備えているので、小型化、広帯域化、省電力化を向上することができる。
例えば、上記実施形態では電子機器として携帯電話機101とし、電子回路として携帯電話機101内に設けられた電子回路100としたが、本発明は、携帯電話機に限られるものではなく、種々の移動体通信機器及びその内部に設けられる電子機器に適用することができる。
Claims (17)
- 気相法によるニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法であって、
所定の酸素分圧におけるニオブ酸カリウムと3K2O・Nb2O5との共晶点Eにおける温度及びモル組成比をTE、xEとするとき(xは、KxNb1−xOyで表現されるときのカリウム(K)とニオブ(Nb)とのモル比)、
基板上に堆積させた直後の前記xが、0.5≦x≦xEの範囲となるように気相状態の原料を前記基板に供給し、
前記酸素分圧及び前記xにおける完全溶融温度をTmとするとき、
前記基板の温度TsをTE≦Ts≦Tmの範囲に保持して、ニオブ酸カリウム単結晶を析出させる析出工程と、
固相部と液相部とが共存する前記KxNb1−xOyから液相部を蒸発させる蒸発工程とを備えていることを特徴とするニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。 - 前記蒸発工程と前記析出工程とを繰り返して、ニオブ酸カリウム単一相単結晶薄膜を連続して成長させることを特徴とする請求項1記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記基板として、該基板表面の垂直及び面内方向ともに配向した結晶軸を表面に有するものを用い、
前記基板上に、前記単結晶をエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項1又は2記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。 - 前記基板として、ニオブ酸カリウムより大きい熱膨張率を有し、かつ、ペロブスカイト構造擬立方晶単位格子が(100)配向で前記基板表面全体に面内配向しているものを用いることを特徴とする請求項3記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記基板として、チタン酸ストロンチウム(100)単結晶基板を用いることを特徴とする請求項4記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記基板として、ニオブ酸カリウムより小さい熱膨張率を有し、かつ、ペロブスカイト構造擬立方晶単位格子が(100)配向で前記基板表面全体に面内配向しているものを用いることを特徴とする請求項3記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記基板として、シリコン単結晶基板と、前記シリコン単結晶基板上にエピタキシャル成長させたバッファ層とから構成されるものを用いることを特徴とする請求項6記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記バッファ層として、NaCl型酸化物で構成される第1バッファ層と、該第1バッファ層の上にエピタキシャル成長させた単純ペロブスカイト型酸化物で構成される第2バッファ層とを作製することを特徴とする請求項7記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記バッファ層として、フルオライト型酸化物で構成される第1バッファ層と、該第1バッファ層の上にエピタキシャル成長させた層状ペロブスカイト型酸化物と該層状ペロブスカイト型酸化物上にエピタキシャル成長させた単純ペロブスカイト型酸化物とから構成される第2バッファ層とを作製することを特徴とする請求項7記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記基板として、石英、水晶、SiO2被覆シリコン、ダイヤモンド被覆シリコンの何れかの材料で構成される基板本体と、該基板本体上に形成されたバッファ層とから構成されるものを用い、
該バッファ層として、前記基板上に該基板面の結晶方位とは無関係に面内配向成長させた第1バッファ層と、該第1バッファ層上にエピタキシャル成長させた酸化物からなる第2バッファ層とを、イオンビーム照射を伴う気相法によって作製することを特徴とする請求項6記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。 - 前記第1バッファ層をNaCl型酸化物で作製し、前記第2バッファ層を単純ペロブスカイト型酸化物で作製することを特徴とする請求項10記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 前記第1バッファ層をフルオライト型酸化物で作製し、前記第2バッファ層を、層状ペロブスカイト型酸化物と該層状ペロブスカイト型酸化物上にエピタキシャル成長させた単純ペロブスカイト型酸化物とで作製することを特徴とする請求項10記載のニオブ酸カリウム単結晶薄膜の製造方法。
- 請求項1から12の何れか記載の製造方法によって作製されるニオブ酸カリウム単結晶薄膜を備えていることを特徴とする表面弾性波素子。
- 請求項13記載の表面弾性波素子を備えていることを特徴とする周波数フィルタ。
- 請求項13記載の表面弾性波素子を備えていることを特徴とする周波数発振器。
- 請求項15記載の周波数発振器を備えていることを特徴とする電子回路。
- 請求項14記載の周波数フィルタ、請求項15記載の周波数発振器、請求項16記載の電子回路のうち少なくとも1つを備えていることを特徴とする電子機器。
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