JP2009084128A - ガス発生剤及びマイクロポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤であって、光が照射されるとガスを効率的に発生し、マイクロ流体を搬送することができ、しかも送液効率を高めることができるガス発生剤、及び該ガス発生剤を用いたマイクロポンプを提供する。
【解決手段】基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤であって、アゾ化合物とバインダー樹脂とを含むガス発生剤、及び該ガス発生剤13が内部に収納されているマイクロポンプ10。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤に関し、より詳細には、光の照射によりマイクロ流体を搬送するためのガスを発生し、マイクロ流体の送液効率を高めることを可能とするガス発生剤、及び該ガス発生剤を用いたマイクロポンプに関する。
近年、様々な分野で分析装置の小型化が進められている。例えば、医療診断を患者の近傍で行うベッドサイド診断では、結晶検査機器の小型化が強く求められている。また、大気、水、または土壌中の環境汚染物質の分析に際しては、屋外で行う必要があるため、このような用途においても、分析装置の小型化が強く求められている。さらに、食品の安全性を、工場や販売場所等において検査する際にも、非常に小型の分析機器が求められている。
このようなニーズを満たすものとして、マイクロ流体デバイスが注目されている。マイクロ流体デバイスは、例えば、手で容易に持ち運び、取り扱い得る大きさの基板を有する。この基板内に、試薬、希釈液、及び検体などを搬送する複数の微細流路が形成されている。そして、基板内には、上記微細流路に接続される部分として、試薬収納部、検体供給部、希釈液収納部、反応室、混合部等が適宜設けられている。
マイクロ流体デバイスでは、小型化が進められているため、上記基板の大きさは、通常、平面積が1000cm以下程度であり、基板の厚みは0.5mm〜10mm程度である。従って、内部に形成される微細流路の径は、通常、5μm〜1mm程度と非常に細い。ここで流路が平坦である場合には、微細流路の径は平坦流路の断面の狭い方の幅でもって規定される。
従って、検体、希釈液、試薬等のマイクロ流体は、上記のような非常に小さな径の流路を搬送されるため、通常の液体が送液される回路と異なり、液体の表面張力や微細流路の壁面の濡れ性などに大きく影響を受ける。従って、従来、このようなマイクロ流体デバイスの様々な部分について、種々の検討がなされている。
マイクロ流体デバイスにおいても、他の流体回路と同様に、流体を搬送するための駆動源が必要である。下記の非特許文献1には、このようなマイクロ流体デバイスの駆動源として、マイクロ流体デバイスの外部に配置された微量送液ポンプを接続した構造が示されている。微量送液ポンプとしては、マイクロシリンジが取り付けられたシリンジポンプなどが挙げられている。
しかしながら、マイクロ流体デバイスの外部にシリンジポンプなどを接続した構造では、マイクロ流体デバイス以外に外付けの微量送液ポンプを必要とする。従って、持ち運びに際し、マイクロ流体デバイスの他に、微量送液ポンプも運ばねばならず、使用に際しても、両者を接続する煩雑な作業が強いられていた。また、使用後にも、マイクロ流体デバイスから、微量送液ポンプを取り外し、微量送液ポンプを持ち帰ったりしなければならなかった。
このような煩雑性を解消するものとして、マイクロ流体デバイスの基板内にマイクロポンプを構成する方法が研究されている。ここで、マイクロポンプとは、上記のような微細流路にマイクロ流体を送液する駆動源であって、典型的には、総体積が1cm以下程度の非常に小さなポンプをいうものとする。例えば、特許文献1には、MEMS加工技術により、非常に小型化されたダイヤフラム構造を備えたマイクロポンプが開示されている。また、下記の特許文献2には、微小ピストンにより断続的に送液するマイクロポンプが開示されている。また、下記の特許文献3には、微細流路上に電気浸透流を発生させる方法により、送液を行うポンプが開示されている。また、下記の特許文献4には、固体電解質を用いた水素ポンプからなるマイクロポンプが開示されている。
他方、下記の特許文献5には、基板内に構成されたマイクロポンプ室に、熱または光線によりガスを発生する材料が充填されているマイクロポンプが開示されている。ここでは、マイクロポンプ室に配置された熱または光線によりガスを発生する材料に対し、熱エネルギーを与えたり、あるいは光を照射することにより、ガスが発生される。そして、この発生したガスの圧力により、微細流路内のマイクロ流体が送液される。特許文献5では、熱または光線によりガスを発生する材料としては、酸素含有量が15〜55重量%のポリオキシアルキレン樹脂が示されている。
「サイエンス」(1998年、第282巻、第484頁) 特開2001−132646号公報 特開2002−021715号公報 特開平10−10088号公報 米国特許第3,489,670号明細書 特開2005−297102号公報
特許文献1〜4に記載の様々なマイクロポンプでは、構造が複雑であり、小型化が困難であった。特に、ダイヤフラム構造や微小ピストンを用いた特許文献1,2に記載のポンプでは、機械的な構造を有するため、小型化が困難であるだけでなく、送液されるマイクロ流体において脈動が生じるという問題があった。
他方、特許文献3に記載のように、電気浸透流を発生させるポンプは、高い電圧を印加する必要があるため、別途高電圧の電源が必要であった。
他方、特許文献4に記載の固体電解質を用いた水素ポンプでは、組み立てが煩雑であり、かつ導電線ならびにガス流路等の引き回しの制約が大きく、従って、マイクロ流体デバイスの基板内に多くのポンプを高密度に実装することが困難であった。
これに対して、特許文献5に記載のマイクロポンプでは、熱または光によりガスを発生する材料が、光の照射によりガスを発生するため、複雑な機械的構造を必要とせず、また導電線も必要としない。従って、マイクロポンプの構造の簡略化及び小型化を進め、ポンプを高密度に実装することができる。しかも、上記光線によりガスを発生する材料を充填するマイクロポンプ室を形成すればよいだけであるため、マイクロ流体デバイスの基板への加工も容易である。
しかしながら、特許文献5に記載のマイクロポンプでは、酸素含有量が15〜55重量%のポリオキシアルキレン樹脂を用いてマイクロポンプが構成されているが、十分なガス圧を得るために光の照射強度を高くする必要があったり、流体駆動までに時間がかかるという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤であって、光が照射されるとガスを効率的に発生し、マイクロ流体を搬送することができ、しかも送液効率を高めることができるガス発生剤、及び該ガス発生剤を用いたマイクロポンプを提供することにある。
本発明によれば、基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤であって、アゾ化合物と、バインダー樹脂とを含むことを特徴とする、ガス発生剤が提供される。
本発明に係るガス発生剤は、光増感剤をさらに含むことが好ましい。ガス発生剤が光増感剤を含む場合には、光の照射によりガスがより一層速やかに発生する。
また、本発明では、上記アゾ化合物としては様々なアゾ化合物を用いることができるが、アゾ化合物としては、アゾアミド系化合物、アゾニトリル系化合物、アゾアミジン系化合物及びサイクリックアゾアミジン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。これらのアゾ化合物を用いた場合には、光の照射によりアゾ化合物が効率的に分解し、ガスの発生効率がより一層高められる。
また、本発明では、上記バインダー樹脂の重量平均分子量は、5万〜60万の範囲が好ましい。この場合、ガスの発生効率がさらに一層高められる。
本発明に係るガス発生剤の他の特定の局面では、過酸化物が添加されている。
本発明に係るガス発生剤のさらに他の特定の局面では、ラジカルスカベンジャーが添加されている。
本発明に係るマイクロポンプは、基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスに用いられ、マイクロポンプ内に本発明のガス発生剤が収納されていることを特徴とする。
本発明に係るマイクロポンプのある特定の局面では、前記基板内にガス発生室が形成されており、前記ガス発生室が臨むように前記基板の一面に光学窓が設けられており、前記ガス発生室内に前記ガス発生剤が収納されている。
本発明に係るマイクロポンプにおける他の特定の局面では、前記マイクロポンプ内に収納されている前記ガス発生剤に380nmの紫外線を24mW/cmの照射強度で200秒照射したときに、ガス発生量が、前記ガス発生剤1gあたり1mL以上とされている。
本発明では、ガス発生剤がアゾ化合物とバインダー樹脂とを含むので、光の照射によりアゾ化合物が効率的に分解し、ガスを速やかに発生する。よって、基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに、本発明のガス発生剤を用いることにより、マイクロ流体を搬送することができ、しかも送液効率を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロポンプを備えるマイクロ流体デバイスの模式的正面断面図及び該マイクロポンプの構造を示す部分切欠拡大正面断面図である。
図1(a)に示すように、マイクロ流体デバイス1は、複数のプレートを積層してなる基板2を有する。基板2は、ベースプレート3と、ベースプレート3上に積層された中間プレート4〜6と、中間プレート6上に積層されたトッププレート7とを有する。なお、基板2の積層構造はこれに限定されるものではない。
上記基板2内に複数の微細流路8,9が設けられている。微細流路9には、図示しない試薬貯留部や検体供給部が接続されている。上記微細流路8に、マイクロポンプ室10が接続されている。図1(a)及び(b)に示すように、マイクロポンプ室10は、基板2内に形成されている。より具体的には、本実施形態では、ベースプレート3の上面に開いたガス発生室11がベースプレート3に設けられている。ガス発生室11の下面には、光学窓12が設けられている。光学窓12は、後述する光応答性ガス発生部材に光を照射した際に、光を発生させるための該光を透過する材料により構成されている。
本実施形態では、ベースプレート3が透明部材からなり、ベースプレート3を構成する透明部材により、光学窓12がベースプレート3に一体に形成されている。このような透明部材としては、ガラスまたは透明性を有する合成樹脂を用いることができ、その材料は特に限定されるものではない。
上記基板2のベースプレート3以外の中間プレート4〜6及びトッププレート7等を構成する材料についても、合成樹脂等の適宜の材料により形成することができる。
他方、光学窓12は、ベースプレート3と別部材で形成されていてもよい。すなわち、ベースプレート3の一部に開口を設け、該開口に光学窓12を構成する透明部材をガス発生室11を気密封止するように固定してもよい。このような構成をとる場合、ベースプレートを着色することで迷光を防ぎ、マイクロポンプを多数並べた場合でもひとつひとつを誤動作なく確実に制御できる。
また、ベースプレート3において、ガス発生室11が上方に開口しており、ベースプレート3の下面に透明なプレートをさらに積層して、光学窓12を形成してもよい。
このとき、光学窓を形成する透明なプレートには、光学窓以外を遮光する目的で、塗装もしくはフィルム貼合がなされてもよい。
ガス発生室11は、ベースプレート3の上面に開口している。そして、ガス発生室11内には、光応答性ガス発生部材13が収納されている。
上記ガス発生室11の平面形状は特に限定されず、円形または矩形等の適宜の形状とし得る。また、ガス発生室11の深さは、光応答性ガス発生部材13が収納され得る限り、特に限定されるものではない。
通常、ガス発生室11の大きさは、小型のマイクロポンプを構成する必要があるため、平面積が400mm以下程度、深さが0.5mm〜10mm程度とされることが望ましい。更に望ましくは、平面積9mm以下、深さが1mm〜1.5mm程度である。特にマイクロポンプのパワーが必要とされる場合には、ガス発生室を複数を連結して使用することもできる。
上記光応答性ガス発生部材13は、本発明のガス発生剤と、該ガス発生剤が付着されている支持部材とを有する。光応答性ガス発生部材13は、例えば支持部材にガス発生剤を含浸させて暗室にて乾燥させて得ることができる。また、光応答性ガス発生部材13では、支持部材が発泡されて多孔質とされているものであってもよい。支持部材は、一体とされていることは必ずしも必要ではなく、複数の支持部材がガス発生室に納められていてもよい。表面積を稼ぐために支持部材に微粒子を加えてもよい。
本発明のガス発生剤は光応答性ガス発生樹脂組成物であり、アゾ化合物と、バインダー樹脂とを含む。本発明のガス発生剤は、アゾ化合物及びバインダー樹脂を含むので、光が照射されると、ガスを速やかに発生する。上記アゾ化合物は、光の照射だけでなく、熱によっても分解が促進され、ガスを発生する。
上記アゾ化合物としては、特に限定されないが、アゾアミド系化合物、アゾニトリル系化合物、アゾアミジン系化合物またはサイクリックアゾアミジン化合物等が挙げられる。これらのアゾ化合物以外のその他のアゾ化合物を用いてもよい。アゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光の照射によりアゾ化合物が効率的に分解し、ガスの発生効率が高められるので、上記アゾ化合物は、アゾアミド系化合物、アゾニトリル系化合物、アゾアミジン系化合物及びサイクリックアゾアミジン化合物からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
上記アゾアミド系化合物としては特に限定されないが、例えば2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシメチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシメチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
上記アゾニトリル系化合物としては特に限定されないが、例えば2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(シアノ−1−メチル)アゾ]ホルムアミド(2−(カルバモイルアゾ)イソブチルニトリル)等が挙げられる。
上記アゾアミジン系化合物としては特に限定されないが、例えば2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンジアド]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物等が挙げられる。
上記サイクリックアゾアミジン化合物としては特に限定されないが、例えば2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルファトジヒドライト、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジン−2−メチルプロパン)ジヒドロクロライド等が挙げられる。
上述したアゾ化合物以外のその他のアゾ化合物としては、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。
特に、ケトン基およびアミド基を多く含むアゾ化合物は、非常に極性が大きくバインダー樹脂に静電的結合しやすくなり、ガスの発生効率がより一層高められるので、上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}プロピオンアミド及び2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)からなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましく、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]及び2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}プロピオンアミドからなる群から選ばれた少なくとも1種がさらに好ましい。
上記バインダー樹脂100重量部に対して、上記アゾ化合物は2〜80重量部の割合で含有されていることが好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。アゾ化合物が少なすぎると、光の照射によりガスが充分に発生しないことがある。アゾ化合物が多すぎると、アゾ化合物がバインダー樹脂に効率よく含有あるいは付着されずに粉体となり、マイクロ流路を汚染することがある。
本発明では、バインダー樹脂によりガス発生剤を上記支持部材の表面に効率よくかつ容易に付着させることもでき、ガスの発生効率が高められる。
上記バインター樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミドなどの高分子材料や、ビニル系モノマーを用いることができる。また、これらの共重合体を用いてもよく、これらを併用してもよい。なかでも、ガスの発生効率がより一層高められるので、ポリ(メタ)アクリレート及び/又はビニル系モノマーが好ましい。バインダー樹脂の紫外光吸収帯は、上記アゾ化合物や光増感剤の紫外光吸収帯よりも短波長であることが望ましい。
上記ポリ(メタ)アクリレートを得るのに用いられる(メタ)アクリレートモノマーは、鎖状化合物または環状化合物のいずれであってもよい。上記鎖状化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。上記環状化合物としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート類等のカルボキシル基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニルモノマー等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。鎖状化合物の場合、(メタ)アクリレートモノマーの分子量は87〜241の範囲が好ましく、より好ましい上限は101である。また、環状化合物の場合、(メタ)アクリレートモノマーの分子量は155〜237の範囲が好ましい。
上記ビニル系モノマーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレートなどの窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。これらのビニル系モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2種以上のバインター樹脂を用いる場合、上記、ポリ(メタ)アクリレートとビニル系モノマーとを共重合して用いたり、各モノマーの単独重合体であるバインダー樹脂をブレンドして使用することが好ましい。
上記バインダー樹脂の重量平均分子量は、5万〜60万の範囲が好ましく、より好ましくは15万〜35万の範囲である。バインダー樹脂の重量平均分子量が小さすぎると、アゾ化合物を十分量吸着させることができないことがあり、多すぎると、不織布等にしみこませることができないことがある。
上記ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、上述した(メタ)アクリレートモノマーと、該(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なビニル系モノマーとを共重合することにより得られたものであってもよい。
上記(メタ)アクリレートモノマーと上記ビニル系モノマーとの組合せとしては特に限定されないが、例えば(メタ)アクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルと(メタ)アクリルアミド、または(メタ)アクリル酸とN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドとの組合せ等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマーと上記ビニル系モノマーとの共重合比(重量比)は、98:2〜51:49の範囲が好ましい。
バインダー樹脂が共重合体である場合には、該共重合体であるバインダー樹脂の重量平均分子量は、5万〜10万の範囲が好ましく、より好ましくは6.5万〜9万の範囲である。
ガスの発生効率がより一層高められるので、上記ポリ(メタ)アクリレートとしては、ポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸共重合体及び(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリルアミド共重合体から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ガスの発生効率がより一層高められるので、ポリ(メタ)アクリレートは、アミノ基あるいはカルボニル基を有することが好ましい。
上記ガス発生剤100重量%中に、バインダー樹脂は20〜98重量%の割合で含有されていることが好ましく、より好ましくは60〜90重量%である。バインダー樹脂が少なすぎると、アゾ化合物をバインダー樹脂に効率よく吸着させることが出来ず、バインダー樹脂が多すぎると、バインダー樹脂に占めるアゾ化合物の割合が少なくなりガスが十分に発生しないことがある。
上記ガス発生剤は、光増感剤をさらに含むことが好ましい。ガス発生剤が光増感剤を含む場合には、光の照射によりガスをより一層速やかに発生させることができる。
上記光増感剤としてはアゾ化合物にエネルギーを移動してアゾ化合物の分解を促進する化合物であればよく、特に限定されないが、例えばチオキサントン、ベンゾフェノン、アセトフェノン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンジエート、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのように窒素が環系の一部をなしているもの、アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物、トリ−n−ブチルフォスフィン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドかアセトアルデヒドとジアミンの縮合物、アントラセン(又はその誘導体)、キサンチン、N−フェニルグリシン、フタロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニン等のシアニン色素類ポルフィリン(又はその誘導体)等が挙げられる。これらの光増感剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記光増感剤を用いる場合、光増感剤の配合割合は特に限定されないが、増感作用を充分に得るためには、上記バインダー樹脂100重量部に対して、光増感剤は、0.1〜10重量部の範囲で含有されることが好ましい。光増感剤が少なすぎると、増感作用を充分に得ることができないことがあり、多すぎると、増感作用が飽和したり、アゾ化合物の光分解が抑制されたりすることがある。
上記ガス発生剤は、過酸化物、ラジカルスカベンジャーや溶剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の気体発生剤に過酸化物が添加されている場合には、過酸化物からラジカルと酸素とが発生する。ラジカルはアゾ骨格を攻撃して窒素を発生させるので、また過酸化物自身から酸素が発生するので、ガスの総発生量が増加する。
上記過酸化物としては特に限定されないが、過酸化ベンゾイル;ジ−t−ブチルペルオキシド等;o−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等;2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類;アゾビスイソブチロニトリル;ベンゾイルパーオキサイド;クメンパーオキシド等がある。
上記バインダー樹脂100重量部に対して、上記過酸化物は、0.1〜10重量部の割合で添加されていることが好ましい。
本発明の気体発生剤にラジカルスカベンジャーが添加されている場合には、光源のオン/オフに対するガス発生の応答が改善され、パルス発振によるポンプの出力抑制が可能になる。例えば、光源の同期パルス発生により、ガス発生量の抑制が可能になる。
例えばLEDの発光では、発光時間を制御したパルス発振をしているので、ラジカルスカベンジャーを加えることで、光のパルス応答に準じてガスが発生、停止するため、パルス応答によりガス発生量の制御が可能になる。
具体的には、光照射により生じたラジカルによってガスが発生した後、光照射を停止すると、ラジカルスカベンジャーがラジカルを速やかにトラップするので、ガスの発生が速やかに停止する。ラジカルスカベンジャーを添加していない場合には、光照射を停止した後に、ガスの発生が徐々に停止する。ラジカルスカベンジャーを加えることで光に対するガスの応答速度が高められる。
上記ラジカルスカベンジャーとしては特に限定されないが、t−ブチルカテコール、ヒロドキノン、メチルエーテル、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドディスムターゼ系酵素、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類、リノレイン酸等がある。
上記バインダー樹脂100重量部に対して、上記ラジカルスカベンジャーは、0.1〜10重量部の割合で添加されていることが好ましい。
上記溶剤としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なかでも、エタノールとテトラヒドロフランとの混合溶媒が好ましく、該エタノールとテトラヒドロフランとの混合比は3:1〜1:3の範囲が好ましい。
図1(a),(b)に戻り、光応答性ガス発生部材13では、上記支持部材の表面に、本発明のガス発生剤が付着されている。ここで、支持部材としては、発生したガスを速やかに放出し得る適宜の支持部材を用いることができる。
本実施形態では、上記支持部材は、不織布により形成されている。不織布の表面に、上記ガス発生剤を付着させた光応答性ガス発生部材13を用いることにより、ガス発生室内にガス発生剤のみを充填させた場合に比べて、ガス発生剤の単位体積当りの表面積を増加させ、それによって、ガスの発生効率を高めることができる。すなわち、繊維状部材である不織布では、多数の繊維が集合されて絡み合っており、繊維間の隙間から発生したガスが速やかに外部に放出される。上記不織布の各繊維の表面に上記ガス発生剤が付着されるように、ガス発生剤が不織布に含浸されて付着されている。この場合、光応答性ガス発生部材13においては、支持部材を構成している不織布に、ガス発生剤が付着した段階においても、不織布の繊維間の隙間が残存する程度のガス発生剤が付着されている。そのため、光の照射によりガスが発生すると、ガスが上記隙間から速やかに外部に放出されることとなる。
本実施形態では、光応答性ガス発生部材13の上記支持部材として、不織布が用いられているが、不織布以外の、他の繊維状部材を用いてもよい。すなわち、綿、ガラス繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)やアクリルなどの合成繊維、パルプ繊維、金属繊維などが集合し、絡み合っている適宜の繊維状部材を支持部材として用いることができる。
また、繊維状部材に限らず、発生したガスが外部に速やかに放出され得る限り、繊維状部材だけでなく、繊維状部材を含む様々な多孔性部材を支持部材として用いることができる。ここで、多孔性部材とは、外表面に連なった多数の孔を有する部材を広く含むものとし、上記不織布などのように、繊維間の隙間が外部に連なっている部材もまた多孔性部材に含めることとする。
従って、上記繊維状部材以外に、内部から外表面に連なる多数の孔が形成されている、例えば、スポンジ、破泡処理発泡体、多孔質ゲル、粒子融着体、ガス圧補助拡厚成形体、ハニカム構造体、筒状ビーズ、波折チップスなどの多孔性材料も上記支持部材を構成する多孔性部材として好適に用いることができる。また、ピラー等の表面積を大きくする工夫も好ましく施される。
また、上記支持部材の材質は、特に限定されず、様々な無機材料または有機材料を用いることができる。このような無機材料としては、ガラス、セラミック、金属、または金属酸化物、有機材料としては、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ナイロン、セルロース、アセタール樹脂、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド、またはポリイミドなどを用いることができる。
また、上記支持部材は、上記繊維状部材を含む多孔性部材からなることが好ましいが、より好ましくは、上記孔が、光学窓12側の表面から光学窓12が設けられている側とは反対側の面に連なっている連続気孔のようなガス流路が孔として存在している多孔性部材が望ましい。その場合には、外部で発生した熱が、より速やかに、微細流路8側に放出されることになる。
本実施形態のマイクロポンプ10では、光応答性ガス発生部材13が、上記支持部材にガス発生剤を付着させた構成を有するため、光の照射により発生したガスが、速やかに光応答性ガス発生部材13の外表面から放出されることとなる。従って、単にガス発生剤の塊を収納した場合に比べ、ガス発生効率を、例えば10倍以上と飛躍的に高めることが可能となる。
ガスを発生するのに用いられる光は、アゾ化合物または光増感剤が吸収をもつ波長であれば、特に限定されず、好ましくは、波長が10〜400nmの紫外線および紫外線に近い400〜420nmの青色光が好ましい。より好ましくは、300〜400nmの近紫外線であり、光源としては、市販の安価な380nmのLED等の発光素子を利用できる。
また、上記光応答性ガス発生部材13においては、上記支持部材の表面にガス発生剤が付着された形態を有するが、好ましくは、図1(a)に示すように、光応答性ガス発生部材13と光学窓12との間に空気層14が形成されることが望ましい。空気層14が形成されている場合には、発生したガスが、空気層14の空間を経由して速やかに微細流路8側に排出される。より望ましくは、図1(b)に示すように、光学窓12と光応答性ガス発生部材13との間に設けられた空気層14が中間プレート4に設けられた貫通孔4aに連なるように、光応答性ガス発生部材13の側面の外側に、ガス流路15が形成される。そのためには、光応答性ガス発生部材13の平面積は、ガス発生室11の平面積よりも小さいことが望ましい。
また、本実施形態では、上記光応答性ガス発生部材13の光学窓12側の面には、多数の凹凸が設けられており、それによって、空気層14の体積が大きくされている。従って、このような凹凸を設けることが望ましい。
また、本実施形態では、上記光応答性ガス発生部材13の光学窓12とは反対側の面に、反射部材17が設けられている。反射部材17は、光学窓12から照射されてきた光を反射する適宜の反射性材料により構成される。このような反射性材料としては、金属、鏡等を用いることができるが、好ましくは、薄く、マイクロ流体デバイスの低背化を進め得るため、金属箔や金属蒸着膜等を用いることができる。好ましくは、反射性に優れ、安価であるアルミニウム箔などの金属箔が好適に用いられる。また、Alなどの適宜の金属もしくは合金を蒸着することにより、より薄い反射層を形成することも可能である。
上記反射部材17の厚みは特に限定されないが、薄い方が好ましい。金属箔からなる場合、反射部材17の厚みは1μm〜500μm程度であり、蒸着膜などの薄膜形成法により形成された薄膜により反射部材17が形成される場合には、1μm以下程度の厚みとすればよい。
なお、反射部材17には、貫通孔17aを形成する必要がある。貫通孔17aは、排出孔16に重なり合う位置に設けられている。貫通孔17aを形成することにより、発生したガスを貫通孔17aを経由して貫通孔4aに排出することができる。貫通孔4aは、中間プレート4に形成されており、かつ微細流路8に連なっている。微細流路8は、中間プレート5に、流路幅に応じた貫通開口部を設けることにより形成されており、該貫通開口部が、下方に中間プレート4及び上方の中間プレート6により閉成されて、微細流路8が形成されている。該微細流路8は、中間プレート6に設けられた接続用貫通孔6aに連ねられている。接続用貫通孔6aは、微細流路9に開口している。接続用貫通孔の大きさは、気体は通過しうるが流体は通過しない5〜20μmが望ましい。また赤穂室でしきられても良い。微細流路9は、トッププレート7の下面に、微細流路9の平面形状に応じた凹部を形成することにより設けられている。
前述したように、マイクロ流体デバイスでは、微細流路の幅は、通常、5μm〜1mm程度と非常に小さく、従って、微細流路を送液されるマイクロ流体は、基板2の内面との間の表面張力の影響を大きく受け、毛細管現象の影響も大きく受ける。従って、通常の大きな流路を有する流体回路とは異なる挙動をマイクロ流体が示すこととなる。このようなマイクロ流体デバイス1では、流路の長さ部分の一部において、流路の横断面の全面積を占めるものの、該流体の前後に空気層が存在する状態で、すなわちマイクロ流体は液滴の状態で送液されることができる。このような場合には、マイクロポンプ10により湧出するガスの排除体積効果により、マイクロ流路中の液滴が速やかに輸送される。そして、この場合、マイクロポンプ10におけるガスの圧力が急激に高まることが、マイクロ流体を速やかに送液する上で望ましい。
本実施形態のマイクロポンプ10では、上記のように、光応答性ガス発生部材13が、支持部材に本発明のガス発生剤を付着した構造を有し、ガスが速やかに外部に放出されるので、光の照射によりガスを発生させた場合、ガス圧を急激に高めることができる。しかも、上記反射部材17が設けられているので、光が効果的に利用され、それによっても、マイクロポンプ10の送液効率が高められる。
よって、同じ量のガス発生剤を用いた場合のガス発生効率及び応答性を高めることができ、ひいてはマイクロポンプ10の小型化を進め、マイクロ流体デバイス1全体の小型化を進めることが可能となる。
上記実施形態では、光応答性ガス発生部材13は、支持部材表面にガス発生剤が付着された形態を有していた。しかしながら、光応答性ガス発生部材は、必ずしもガス発生剤が支持部材に付着されている形態を有する必要はない。すなわち、上記第1の実施形態のマイクロポンプ10において、光応答性ガス発生部材13に代えて、本発明のガス発生剤のみをガス発生室11内に収納してもよい。そして、その他の構造は、上記第1の実施形態と同様とした場合、本発明の第2の実施形態としてのマイクロポンプを備えるマイクロポンプ装置が構成される。この場合、上記第1実施形態と同様に、反射部材17が、光応答性ガス発生部材の光学窓12とは反対側に配置されているので、反射部材17の存在により、光が効果的に利用され、それによってマイクロポンプの送液効率が高められる。
また、支持部材を用いない場合には、ガス発生剤は、塗布部分、例えばガス発生室11内に、ジェットディスペンサーやインクジェットで微小な液滴で塗布されてもよい。
上記本発明における第2の実施形態の説明として、上記第1の実施形態におけるマイクロポンプ10の説明の上記支持部材以外の構成についての説明を援用することとする。また、以下の図2を参照して行う変形例のマイクロポンプ20の説明及びマイクロ流体デバイス1の説明についても、本発明の第1の実施形態としてのマイクロポンプの説明に援用することとする。すなわち、第2の発明の実施形態も、以下の変形例と同様に変形でき、また以下のマイクロ流体デバイス1に適用することができる。
図2は、上記第1の実施形態におけるマイクロポンプ10の変形例を説明するための模式的部分切欠正面断面図である。この変形例のマイクロポンプ20では、光応答性ガス発生部材21は、光学窓12に対して、多点接触をしている。すなわち、本変形例では、光応答性ガス発生部材21は、光学窓12側において、凹凸を有し、上記第1の実施形態の場合と同様に、多数の山部が連ねられた形状を有する。この多数の山部の頂点が、光学窓12の内面に接触し、多点接触している。従って、光応答性ガス発生部材21は、光学窓12の内面に多点接触している。この場合には、複数の山間の谷部において、ガスが放出される空間すなわち空気層が形成されているため、発生したガスを速やかに放出することができる。しかも、光応答性ガス発生部材21の上記多数の山が、光学窓12の内面に点接触的に接触しているので、マイクロ流体デバイス1を持ち歩いた場合等において、振動や外力が加えられたとしても、ガス発生室11内で光応答性ガス発生部材21が移動し難いため、上記山部間の空気層を確実に確保することができる。また、ガス発生室11内で、光応答性ガス発生部材21が動き難いため、光応答性ガス発生部材21の移動に伴う変形等もう生じ難い。よって、マイクロポンプ20では、信頼性も高められる。
上記マイクロ流体デバイス1は、前述のように、マイクロ流体が搬送される微細流路8,9を基板2の内部に有し、微細流路9に、図1(a)に破線で示す測定セル18が接続されている。この測定セル18内において、微細流路9から送られてきたマイクロ流体が光学的検出方法や電気化学的検出法等を用いて測定されることになる。このような測定セルとしては、光学的な測定を行うために、液状の検体を収納するセルの他、他の方法により測定セル内の検体を検出する適宜の方法に適した測定セルが形成され得る。
また、マイクロ流体デバイス1では、上記測定セルの他、適宜、検体を希釈するための希釈部や、混合するための混合部等が設けられる。このような構成は、従来より公知のマイクロ流体デバイスの公知の構造に従って適宜変形することができる。
上記マイクロポンプ10,20では、マイクロポンプに収納されている上記ガス発生剤に380nmの紫外線を24mW/cmの照射強度で200照射したときに、ガス発生量は、ガス発生剤1gあたり1mL以上であることが好ましく、1.5mL以上であることがより好ましい。ガス発生量が、ガス発生剤1gあたり1.0mL以上であると、送液効率がより一層高められ、1.5mL以上であると、送液効率がさらに一層高められる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
テトラヒドロフランとエタノールとの1:1(重量比)混合溶媒100重量部に、バインダー樹脂としてのメタクリル酸メチル・アクリルアミド共重合体(メタクリル酸メチルとアクリルアミドとを85:15の共重合比(重量比)で共重合したもの、重量平均分子量65500)77.6重量部と、アゾ化合物としての2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}22.4重量部とを配合し、ガス発生剤を得た。
(実施例2〜9)
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}の代わりに、下記の表1に示すアゾ化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガス発生剤を得た。
(比較例1)
アゾ化合物を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてガス発生剤を得た。比較例1では、アゾ化合物を配合しなかったので、紫外線を照射してもガスを発生しなかった。
(比較例2)
バインダー樹脂を配合しなかったこと以外は実施例9と同様にしてガス発生剤を得た。比較例2では、バインダー樹脂を配合しなかったので、紫外線を照射しても、充分なガスは発生せず、ガス発生剤1gあたりのガス発生量は0.5mL未満であった。
(評価)
得られた各ガス発生剤を厚さ1mmのベンコットンに染み込ませて暗所にて乾燥させ、5×5cmに切り抜いて、光応答性ガス発生部材を作製した。
また、紫外線透過性ガラスで密閉されており、ガスが通るチューブ及びガス量測定用のメスピペットを備えるガス発生定量測定装置を用意した。該ガス発生定量測定装置は、チューブの一方から水を流し込み、メスピペットの基準線まで水を満たした状態を初期状態として、この初期状態からチャンバーから発生したガスにより変化する水位を計測するものである。
上記ガス発生定量測定装置のチャンバー内にガス発生剤を含む光応答性ガス発生部材を収納した。光応答性ガス発生部材に365nmの紫外線を、高圧水銀灯にて光照射強度24mW/cm(365nm)で200秒照射し、ガス発生量を測定した。紫外線を照射してから200秒経過後に、ガス発生剤1gあたりのガス発生量を測定し、下記の評価基準で評価した。
〔ガス発生量の評価基準〕
◎:1.5mL以上
○:1.0mL以上、1.5mL未満
△:0.5mL以上、1.0mL未満
×:0.5mL未満
結果を下記の表1に示す。
Figure 2009084128
(実施例10)
光増感剤としての2,4−ジメチルチオキサントン2.4重量部をさらに配合したこと、並びに、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}の配合量を22.4重量部から20重量部に代えたこと以外は実施例1と同様にして、ガス発生剤を得た。
(実施例11〜20)
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}の代わりに、下記の表2に示すアゾ化合物を用いたこと以外は実施例10と同様にして、ガス発生剤を得た。
(評価)
実施例10〜20で得られたガス発生剤において、実施例1と同様にして、ガス発生量を評価した。結果を下記の表2に示す。
Figure 2009084128
(実施例21〜29)
バインダー樹脂としてメタクリル酸メチル・アクリルアミド共重合体の代わりに、下記の表3に示すバインダー樹脂を用いたこと以外は実施例10と同様にして、ガス発生剤を得た。
(評価)
実施例21〜29で得られたガス発生剤において、実施例1と同様にして、ガス発生量を評価した。
結果を下記の表3に示す。なお、下記の表3において、メタクリル酸メチル・アクリル酸共重合体は、メタクリル酸メチルとアクリル酸とを85:15の共重合比(重量比)で共重合したものを示し、メタクリル酸・N−イソプロピルアクリルアミド共重合体は、メタクリル酸とN−イソプロピルアクリルアミドとを85:15の共重合比(重量比)で共重合したものを示す。
Figure 2009084128
(実施例30〜32)
バインダー樹脂としてのメタクリル酸メチル・アクリルアミド共重合体と、アゾ化合物としての2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}の配合割合を下記の表4に示すように代えたこと以外は実施例1と同様にして、ガス発生剤を得た。
(評価)
実施例30〜32で得られたガス発生剤において、実施例1と同様にして、ガス発生量を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2009084128
(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロポンプを備えるマイクロ流体デバイスの略図的正面断面図及び該マイクロポンプの構造を拡大して示す部分正面断面図。 本発明のマイクロポンプを備えるマイクロポンプ装置の変形例を示す部分正面断面図。
符号の説明
1…マイクロ流体デバイス
2…基板
3…ベースプレート
4〜6…中間プレート
4a…貫通孔
6a…貫通孔
7…トッププレート
8,9…微細流路
10…マイクロポンプ
11…ガス発生室
12…光学窓
13…光応答性ガス発生部材
14…流路
17…反射部材
17a…貫通孔
18…測定セル
20…マイクロポンプ
21…光応答性ガス発生部材

Claims (9)

  1. 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスのマイクロポンプに用いられるガス発生剤であって、
    アゾ化合物と、バインダー樹脂とを含むことを特徴とする、ガス発生剤。
  2. 光増感剤をさらに含む、請求項1に記載のガス発生剤。
  3. 前記アゾ化合物が、アゾアミド系化合物、アゾニトリル系化合物、アゾアミジン系化合物及びサイクリックアゾアミジン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載のガス発生剤。
  4. 前記バインダー樹脂の重量平均分子量が、5万〜60万の範囲にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス発生剤。
  5. 過酸化物が添加されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス発生剤。
  6. ラジカルスカベンジャーが添加されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス発生剤。
  7. 基板内に微細流路が形成されているマイクロ流体デバイスに用いられるマイクロポンプであって、
    前記マイクロポンプ内に請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス発生剤が収納されていることを特徴とする、マイクロポンプ。
  8. 前記基板内にガス発生室が形成されており、前記ガス発生室が臨むように前記基板の一面に光学窓が設けられており、前記ガス発生室内に前記ガス発生剤が収納されている、請求項7に記載のマイクロポンプ。
  9. 前記マイクロポンプ内に収納されている前記ガス発生剤に380nmの紫外線を24mW/cmの照射強度で200秒照射したときに、ガス発生量が、前記ガス発生剤1gあたり1mL以上である、請求項7または8に記載のマイクロポンプ。
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