JP2007240360A - マイクロバルブ - Google Patents

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一喜 山本
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弘司 福井
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Abstract

【課題】 本発明は、マイクロ全分析システムに容易に組み込むことができる簡単な構造で、微細流路内の流体の流れを完全に遮断しうるマイクロバルブを提供することにある。又、異なる目的は、微細流路の下流に圧力損失の大きいモジュールが存在しても流体を速やかに輸液しうるマイクロバルブを提供する。
【解決手段】 少なくとも2枚の基板の間に形成されている微細流路に、粘弾性体収納槽の一端部に形成された開口部が開口され、粘弾性体収納槽の他端部はガス排出微細流路によりポンプに連通されていると共に、粘弾性体収納槽には粘弾性体が収納されており、ポンプにより加圧することにより粘弾性体が微細流路内に移動され、微細流路が閉鎖可能になされていることを特徴とするマイクロバルブ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ全分析システムにおいて微細流路内の流体の流れを遮断しうるマイクロバルブ、及び、微細流路の下流に圧力降下の大きいモジュールが存在しても流体を速やかに輸液しうるマイクロバルブに関する。
最近、医療診断を患者の近傍で行うベッドサイド診断、大気や水や土壌中の環境汚染材料のモニタリング、食品の安全性検査等現場において短時間に安価に診断したり分析する技術のニーズは非常に高くなってきている。
例えば、従来、高価且つ大型の装置を必要とした分析を、持ち運び可能な小型の分析装置が代替できれば、大病院にしか設置できなかった分析装置を開業医でも設置、利用することが可能になり、診断結果を患者に簡便に早期にフィードバックすることが可能になる。
又、高齢者の健康指標を高齢者の家族が測定し、その健康指標数値を在宅管理したり、病院に定期的に送信して病院で管理することにより在宅医療環境がより優れたものとなる。
又、環境ホルモン、ダイオキシン等の環境汚染材料を、高価且つ大型装置を使用することなく、簡易測定することができれば、簡単且つ安価に環境診断することができる。更に、持ち運び可能な小型の分析装置を用いて現場で環境汚染材料を分析することができれば、よりきめ細かい安全環境を供出することができる。
このような測定を簡易に行うために、基板内又は基板上に微細流路、輸液デバイス、反応槽、電気泳動カラム、膜分離機構、液体クロマトグラフカラム、キャピラリーガスクロマトグラフィー(CGC)、誘導型プラズマ(ICP)、質量分析計(MS)、電気化学的測定装置等が内臓されたマイクロ全分析システムの研究が盛んになされており、微細流路の開閉や流量調整のためのマイクロバルブの研究も盛んになされている。
例えば、表面に溝を有する部材(A)の溝が形成された面に、0.5〜500μmの厚みを有する部材(B)が接着され、部材(A)の溝と部材(B)とで幅1〜1000μm、高さ1〜1000μmの毛細管状の流路が形成され、該流路の途上に、幅が毛細管状の流路幅の0.5〜100倍で、該空隙部の最大高さ/最大幅の比が1以下である空隙部が形成されたマイクロ流体デバイスであって、(i)部材(A)の少なくとも空隙部周辺部が引張弾性率0.1MPa以上、700MPa未満の範囲にある素材で形成され、(ii)部材(B)の少なくとも空隙部周辺部が、引張弾性率0.7〜10GPaの範囲にある素材で形成され、かつ厚みが0.5〜500μmである、マイクロ流体デバイスの該空隙部を、部材(B)側から選択的に圧迫することにより、マイクロ流体デバイス内の空隙部の断面積を可逆的に減少させて、空隙部を通過する流体流量を調節するマイクロ流体デバイスの流量調節方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特開2002−219697号公報
上記マイクロ流体デバイスの流量調節方法においては、マイクロ流体デバイスの外部からマイクロ流体デバイス内の空隙部にペンチのような治具で機械的圧力を付加し、空隙部の断面積を可逆的に減少させて、空隙部を通過する流体流量を調節するのであり、流体の流れを毎回確実に完全に遮断することは難しかった。
又、フィルター、液体クロマトグラフカラム等の圧力損失の大きい分離モジュールが設置されている場合、流体を低圧で輸液すると時間がかかり、高圧で輸液すると液漏れが発生するという欠点があった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、マイクロ全分析システムに容易に組み込むことができる簡単な構造で、微細流路内の流体の流れを完全に遮断しうるマイクロバルブを提供することにある。又、異なる目的は、微細流路の下流に圧力損失の大きいモジュールが存在しても流体を速やかに輸液しうるマイクロバルブを提供することにある。
請求項1記載のマイクロバルブは、少なくとも2枚の基板の間に形成されている微細流路に、粘弾性体収納槽の一端部に形成された開口部が開口され、粘弾性体収納槽の他端部はガス排出微細流路によりポンプに連通されていると共に、粘弾性体収納槽には粘弾性体が収納されており、ポンプにより加圧することにより粘弾性体が微細流路内に移動され、微細流路が閉鎖可能になされていることを特徴とする。
粘弾性体収納槽は、粘弾性体を収納しておき、ポンプにより加圧することにより粘弾性体を微細流路内に移動させるのであり、微細流路側からの圧力により粘弾性体が元の位置に帰らないように、平面形状が凹凸又は屈曲部を有する流路状形状が好ましい。
請求項1記載のマイクロバルブを図面を参照して説明する。図1は請求項1記載のマイクロバルブの一例を示す模式図である。
図中1は上流側微細流路、11は下流側微細流路であり、上流側微細流路1と下流側微細流路11は平面形状が円形の粘弾性体受納槽2を介して、上流側微細流路1と下流側微細流路11と粘弾性体受納槽2の中心が一直線になるよう接続されている。
3は、平面形状が粘弾性体受納槽2と略同一大きさの円形の粘弾性体収納室31及び32が接続された、平面形状が串団子状の粘弾性体収納槽であり、粘弾性体収納槽3の一端部(粘弾性体受納槽2側の粘弾性体収納室31の一端部)に形成された開口部が粘弾性体受納槽2に開口されており、粘弾性体収納槽3の他端部(粘弾性体受納槽2と反対側の粘弾性体収納室32の他端部)は加圧用微細流路12を介してポンプ4に接続されている。
尚、粘弾性体受納槽2の中心、粘弾性体受納槽2と加圧用微細流路12の接続部の中心、粘弾性体収納槽3の各粘弾性体収納室31及び32の中心及び粘弾性体収納槽3と加圧用微細流路12の接続部を結ぶ線は一直線になされており、上流側微細流路1と下流側微細流路11と粘弾性体受納槽2の中心を結ぶ線に対して略垂直になるように形成されている。即ち、加圧用微細流路12は、粘弾性体収納槽3の他端側の粘弾性体収納室32の、粘弾性体収納室31の開口部から最も遠い面付近で接続されており、粘弾性体の中心を粘弾性体受納槽2方向に押出すようになされている。
又、粘弾性体収納槽3(粘弾性体収納室31)の開口部の大きさは、粘弾性体収納槽3に収納されている粘弾性体はポンプ4により加圧しなければ粘弾性体受納槽2に移動せず、ポンプ4により加圧するとそのままの形状で粘弾性体受納槽2に移動しうる大きさが好ましく、円の中心に対する角度が90〜160度の大きさが好ましく、より好ましくは100〜150度である。
上記上流側微細流路1、下流側微細流路11及び加圧用微細流路12の幅及び深さは、特に限定されるものではないが、マイクロ全分析システムの場合は小さくなりすぎると液体を輸液する際に圧力損失により輸液が困難になり、大きくなると測定するための試料が多量に必要になり、測定が困難になるので、1〜3000μmが好ましく、より好ましくは50〜1000μmである。
上記粘弾性体収納槽3は平面形状が粘弾性体受納槽2と略同一大きさの円形の粘弾性体収納室1個で形成されていてもよいし、2個以上の粘弾性体収納室が接続されて形成されていてもよい。粘弾性体収納槽3に収納されている粘弾性体を粘弾性体受納槽2に移動させて、上流側微細流路1と下流側微細流路11の間を確実に閉鎖するには粘弾性体収納室の数は多い方が好ましいが、多くなると圧力を高くしないと粘弾性体を粘弾性体受納槽2に移動することが不可能になり、閉鎖するタイミングの精度が低下するので、粘弾性体収納室の数は2又は3が好ましい。
又、粘弾性体受納槽2と粘弾性体収納槽3(粘弾性体収納室)の深さは、粘弾性体収納槽3内に収納されている粘弾性体を粘弾性体受納槽2に移動するのであるから同一であるのが好ましい。粘弾性体受納槽2と粘弾性体収納室3の面積は、小さいと上流側微細流路1と下流側微細流路11の間を確実に閉鎖することができず、大きくなると圧力を高くしないと粘弾性体を粘弾性体受納槽2に移動することが不可能になり、閉鎖するタイミングの精度が低下するので、5μm2 〜27mm2 が好ましく、より好ましくは7500μm2 〜3mm2 である。
上記上流側微細流路1、下流側微細流路11、粘弾性体受納槽2、粘弾性体収納槽3(粘弾性体収納室)及び加圧用微細流路12は少なくとも2枚の基板の間に形成されている。又、ポンプ4は基板の外部から接続されてもよいが、マイクロ流路による圧力損失の問題、簡便性の問題、小型化の問題のために、2枚の基板の間に形成されているほうが好ましい。
上記ポンプを2枚の基板の間に形成する場合には、ポンプはマイクロポンプが好ましい。マイクロポンプとは、その駆動部の総体積が1cm3 以下のポンプを意味し、例えば、ダイヤフラム構造をMEMS加工技術によりそのまま小型化したダイヤフラムポンプ(例えば、特開2001−132646号公報)、微小ピストンによる断続的に送液するポンプ(例えば、特開2002−021715号公報)、微細流路上に電気浸透流を発生させる方法による送液媒体の送液を行うポンプ(例えば、特開平10−10088号公報)等が挙げられる。
又、マイクロポンプとしては、ガスポンプが好ましく、水素ポンプ(例えば、USP3,489,670号公報)が好適に使用できる。前記マイクロポンプは、構造が複雑であり、濃縮部や検出部を作成する労力に比べてポンプの作成労力が非常に大きい、ダイヤフラム構造やピストン構造のポンプは送液媒体に脈動が生じる、電気浸透流を用いるポンプは高電圧の印加が必要であったり、溶液の電気分解によるpH変化があったり等の欠点があるが、水素ポンプはこのような欠点がなく、電極および配線以外の全ての材質を加工性の良い高分子樹脂で形成することが可能であり、極限的に微小化することも容易なので好ましい
又、ポンプはガス排出微細流路のみが接続されている密閉室に、光応答ガス発生性樹脂組成物が封入されてなるガスポンプであってもよい。
このガスポンプは密閉室に封入されている光応答ガス発生性樹脂組成物が光照射されることにより、ガスを発生し、発生ガスにより粘弾性体を加圧して移動する。尚、このガスポンプの場合、光応答ガス発生性樹脂組成物を光照射するために、密閉室に接して光学窓を設置してもよい。光学窓は、光応答ガス発生性樹脂組成物からガスを発生させるのに必要な波長の光を透過させる目的で設置されるものであり、必要な波長に対して透明な、ガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で成形される。
上記光応答ガス発生性樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂を主体とし、光照射によりガスを発生する樹脂組成物であれば特に限定されないが、330nmから410nmの光照射でガスを発生する樹脂組成物が好ましい。
上記樹脂組成物としては熱可塑性樹脂と光照射することにより気体を発生する気体発生剤からなる樹脂組成物であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等を選ぶことができる。
光照射することにより気体を発生する気体発生剤としては、上記気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾイリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾイリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミダイン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。なかでも2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマーなどのアジド基を有するポリマー等が挙げられる。
また、上記光応答ガス発生性樹脂組成物中に応答性を挙げる目的で、公知の増感剤が含有されていてもよい。
増感剤として例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンジエート、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン、脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのように窒素が環系の一部をなしているもの、アリルチオ尿素、O−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル系化合物、トリ−n−ブチルフォスフィン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒドかアセトアルデヒドとジアミンの縮合物、アントラセン(又はその誘導体)、キサンチン、N−フェニルグリシン、フタロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニン等のシアニン色素類ポルフィリン(又はその誘導体)等が挙げられる。
上記基板の素材は、特に限定されるものではなく、例えば、従来からマイクロ全分析システムに使用されている、ガラス、石英、シリコン等の無機材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
上記無機材料は精度、加工性等が優れており、例えば、半導体微細加工技術において広く用いられている光リソグラフィー技術を利用すれば、ガラスやシリコン基板上にミクロンオーダーの溝や貫通孔を自在に形成することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、耐酸性、耐アルカリ性を有する熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂が好ましい。
又、熱硬化性樹脂は、前駆体が液状のため、転写金型の形状をより忠実に転写するという利点があり、低い線膨張率、低い成形収縮率を示すので有利に用いることができる。このような熱硬化樹脂としては、コストや易取扱い性の点から、エポキシ樹脂を有利に用いることができる。
上記板状基板の大きさは特に限定されるものではないが、大きくなるとマイクロ全分析システムとしてのハンドリング性が低下するので400cm2 以下が好ましく、厚さは0.01〜10mmが好ましい。
図中5は、粘弾性体収納槽3(受納室31及び32)に収納されている粘弾性体である。粘弾性体5を粘弾性体収納槽3(受納室31及び32)に充填する時期は用途により適宜決定されればよいが、マイクロ全分析システムではマイクロ全分析システムを使用する直前に充填されるのが好ましく、基板に直径3μm以下の注入口を形成しておき、注射針等で粘弾性体収納槽3(受納室31及び32)が充満されるように注入し、注入口を接着剤等で蓋をするのが好ましい。
上記粘弾性体5は、弾性を有し、加圧することにより粘弾性体収納槽から粘弾性体受納槽に移動しうるものであればよく、例えば、エラストマー、ゲル等が挙げられる。又、検体が水溶液の場合は非水溶性粘弾性体が好ましく、有機溶媒溶液の場合は非有機溶媒溶解性粘弾性体が好ましい。非水溶性粘弾性体としては、例えば、ポリウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、ポリアニリンエラストマー、ポリシロキサンエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ、非有機溶媒溶解性粘弾性体としてはポリアルギン酸ナトリウムゲル、寒天、ポリビニルアルコールゲル等が挙げられる。
従って、上流側微細流路1と粘弾性体受納槽2と下流側微細流路11は連通されており、上流側から供給された液体(検体)は上流側微細流路1及び粘弾性体受納槽2を通って下流側微細流路11に供給されるようになされている。一方、ポンプ4と粘弾性体受納槽2の間は粘弾性体5により閉鎖されている。
上流側微細流路1と下流側微細流路11の連通を閉鎖するには、図1に示したように粘弾性体収納槽3(受納室31及び32)に収納されている粘弾性体5を、ポンプ4を作動させることにより加圧して、図2に示したように粘弾性体を収納室32と粘弾性体受納槽2に移動し、上流側微細流路1と下流側微細流路11の連通を閉鎖する。
上記マイクロバルブにおいては、粘弾性体収納槽の平面形状が串団子状の粘弾性体収納槽で説明したが、粘弾性体収納槽の平面形状は粘弾性体を収納することができ、加圧することにより粘弾性体が微細流路に移動され微細流路が閉鎖しうる形状であれば、特に限定されるものではない。
粘弾性体収納槽の平面形状は、両壁が平行な筒状であってもよいが、この粘弾性体収納槽では幅の狭窄部がないので、自然に粘弾性体が移動して微細流路を閉鎖したり、閉鎖後、微細流路内の液体により加圧され元の位置に戻り、閉鎖が解除される心配がある。
従って、加圧しなければ粘弾性体が移動せず、加圧により粘弾性体収納槽内の粘弾性体を粘弾性体受納槽に移動し、微細流路を閉鎖した後は粘弾性体が元の位置に戻らないように、粘弾性体収納槽は狭窄部を有するか、粘弾性体が加圧により移動する程度に屈曲されているのが好ましい。図1で示した粘弾性体収納槽3は狭窄部を有する粘弾性体収納槽の一例であり、屈曲部を有する粘弾性体収納槽の例としては、図3に示したような波型の粘弾性体収納槽が挙げられる。
請求項9記載のマイクロバルブは、微細流路の下流側が液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターに接続され、ガス排出微細流路の途中にバッファ液収納槽が接続されており、且つ、ガス排出微細流路の接続されている粘弾性体収納室の側面と、粘弾性体受納槽と液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターの間の微細流路との間がバッファ液供給用微細流路により連通されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のマイクロバルブである。
請求項9記載のマイクロバルブを図面を参照して説明する。図4は請求項9記載のマイクロバルブの一例を示す模式図である。
図中1’は上流側微細流路、11’は下流側微細流路であり、上流側微細流路1’と下流側微細流路11’は平面形状が円形の粘弾性体受納槽2’を介して、上流側微細流路1’と下流側微細流路11’と粘弾性体受納槽2’の中心が一直線になるよう接続されている。
又、下流側微細流路11’の下流側には液体クロマトグラフ用カラム6が接続されており、液体クロマトグラフ用カラム6には液体クロマトグラフ用充填剤が充填されている。
3’は、平面形状が粘弾性体受納槽2’と略同一大きさの円形の粘弾性体収納室31’及び32’が接続された、平面形状が串団子状の粘弾性体収納槽であり、粘弾性体収納槽3’の一端部(粘弾性体受納槽2’側の粘弾性体収納室31’の一端部)に形成された開口部が粘弾性体受納槽2’に開口されており、粘弾性体収納槽3’の他端部(粘弾性体受納槽2’と反対側の粘弾性体収納室32’の他端部)は加圧用微細流路12’を介してポンプ4’に接続されている。
尚、粘弾性体受納槽2’の中心、粘弾性体受納槽2’と加圧用微細流路12’の接続部の中心、粘弾性体収納槽3’の各粘弾性体収納室31’及び32’の中心及び粘弾性体収納槽3’と加圧用微細流路12’の接続部を結ぶ線は一直線にになされており、上流側微細流路1’と下流側微細流路11’と粘弾性体受納槽2’の中心を結ぶ線に対して略垂直になるように形成されている。
即ち、加圧用微細流路12’は、粘弾性体収納槽3’の他端側の粘弾性体収納室32’の、粘弾性体収納室31’の開口部から最も遠い面付近で接続されており、粘弾性体の中心を粘弾性体受納槽2’方向に押出すようになされている。
粘弾性体収納室32’の下端部から下流側微細流路11’にバッファ液供給用微細流路13が連通されている。又、加圧用微細流路12’の途中にバッファ液収納槽7が接続され、バッファ液収納槽7にはバッファ液が収納されている。
粘弾性体収納槽3’(粘弾性体収納室31’及び32’)には粘弾性体5’が収納されている。従って、上流側微細流路1’と粘弾性体受納槽2’と下流側微細流路11’と液体クロマトグラフ用カラム6は連通されており、上流側から供給された液体(検体)は上流側微細流路1’、粘弾性体受納槽2’及び下流側微細流路11’を通って液体クロマトグラフ用カラム6に供給されるようになされている。
一方、ポンプ4’と粘弾性体受納槽2’の間及びポンプ4’とバッファ液供給用微細流路13の間は粘弾性体5’により閉鎖されている。
上流側微細流路1’と下流側微細流路11’及び液体クロマトグラフ用カラム6の連通を閉鎖するには、ポンプ4’を作動させることにより加圧して、バッファ液収納槽7内のバッファ液を加圧すると、バッファ液により粘弾性体収納槽3’(粘弾性体収納室31’及び32’)に収納されている粘弾性体5’が押圧され、図5に示したように粘弾性体5’が粘弾性体収納室332’と粘弾性体受納槽2’に移動し、上流側微細流路1’と下流側微細流路11’の連通が閉鎖される。
同時に、バッファ液供給用微細流路13が連通され、バッファ液はバッファ液供給用微細流路13を通って液体クロマトグラフ用カラム6に加圧状態で供給される。従って、液体クロマトグラフは加圧バッファ液によって行われるので短時間で実行される。
尚、下流側微細流路11’の下流側に液体クロマトグラフ用カラム6のかわりにフィルターが接続されても同様に輸液される。
請求項1記載のマイクロバルブの構成は上述の通りであり、マイクロ全分析システムに容易に組み込むことができる簡単な構造であり、ポンプを作動することにより微細流路内の流体の流れを容易且つ精度よく完全に遮断することができる。
又、請求項9記載のマイクロバルブの構成は上述の通りであり、微細流路の下流に圧力損失の大きいモジュールである液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターが存在しているが、微細流路内の流体の流れを遮断すると同時に、バッファ液を液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターに加圧して供給するので流体を速やかに輸液することができる。
請求項1記載のマイクロバルブの一例を示す模式図である。 請求項1記載のマイクロバルブにおいて、粘弾性体が粘弾性体受納槽に移動され、微細流路が閉鎖された状態を示す模式図である。 粘弾性体収納槽の異なる例を示す模式図である。 請求項9記載のマイクロバルブの一例を示す模式図である。 請求項9記載のマイクロバルブにおいて、粘弾性体が粘弾性体受納槽に移動され、微細流路が閉鎖された状態を示す模式図である。
符号の説明
1 上流側微細流路
11 下流側微細流路
12 ガス排出微細流路
13 バッファ液供給用微細流路
2 粘弾性体受納槽
3 粘弾性体収納槽
31 粘弾性体収納室
32 粘弾性体収納室
4 ポンプ
5 粘弾性体
6 液体クロマトグラフ用カラム
7 バッファ液収納槽

Claims (9)

  1. 少なくとも2枚の基板の間に形成されている微細流路に、粘弾性体収納槽の一端部に形成された開口部が開口され、粘弾性体収納槽の他端部はガス排出微細流路によりポンプに連通されていると共に、粘弾性体収納槽には粘弾性体が収納されており、ポンプにより加圧することにより粘弾性体が微細流路内に移動され、微細流路が閉鎖可能になされていることを特徴とするマイクロバルブ。
  2. 粘弾性体収納槽は、平面形状が凹凸を有する流路状形状であることを特徴とする請求項1記載のマイクロバルブ。
  3. 粘弾性体収納槽は、平面形状が略同一大きさの円形である複数の粘弾性体収納室が接続されてなり、その平面形状が串団子状であることを特徴とする請求項1、又は2記載のマイクロバルブ。
  4. 微細流路の途中に、粘弾性体収納室と略同一大きさの円形の粘弾性体受納槽が形成されており、粘弾性体収納槽の一端部側の粘弾性体収納室に形成された開口部が該粘弾性体受納槽に開口されていることを特徴とする請求項3記載のマイクロバルブ。
  5. 粘弾性体収納槽の他端部側の粘弾性体収納室の、開口部から最も遠い面付近に、ポンプと連通するガス排出微細流路が接続されていることを特徴とする請求項2〜4ののいずれか1項記載のマイクロバルブ。
  6. ポンプが、ガスポンプであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のマイクロバルブ。
  7. ポンプが、ガス排出微細流路のみが接続されている密閉室に、光応答ガス発生性樹脂組成物が封入されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のマイクロバルブ。
  8. 光応答ガス発生性樹脂組成物が、光を照射することでガスを発生する気体発生剤を含有することを特徴とする請求項7記載のマイクロバルブ。
  9. 微細流路の下流側が液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターに接続され、ガス排出微細流路の途中にバッファ液収納槽が接続されており、且つ、ガス排出微細流路の接続されている粘弾性体収納室の側面と、粘弾性体受納槽と液体クロマトグラフ用カラム又はフィルターの間の微細流路との間がバッファ液供給用微細流路により連通されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のマイクロバルブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009084128A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Sekisui Chem Co Ltd ガス発生剤及びマイクロポンプ

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