JP2009083706A - 双輪キャスター - Google Patents

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Atsushi Yamaguchi
渥 山口
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Abstract

【課題】かばん用の双輪キャスターを小型軽量にしながら、十分な強度と旋回性能を持たせる。
【解決手段】双輪キャスターの2つの車輪1を、車軸3で回転自在に支持する。車軸3の両端を、ヨーク2に固定する。摩擦低減機構を、車輪1の間に挟む。摩擦低減機構は、円板4と10個のボール5からなる。車輪1に挟まれて支持されている円板4に、10個のボール5がゆるく支持されている。ボール5は、車軸3を中心とする円周上にある。2つの車輪1が同期して回転しているときは、ボール5は単なるスペーサとなっている。2つの車輪1が異なる速さで回転するときは、ボール5は2つの車輪1の動きに応じて、自転しながら公転するように回転する。2つの車輪1の間の摩擦は転がり摩擦となるので非常に小さく、旋回時に抵抗とならない。
【選択図】図1

Description

本発明は、双輪キャスターに関し、特に、かばん用の双輪キャスターに関する。
従来の一般的なキャスターは単輪式が普通であるが、安定性に欠けるので、特別な用途には双輪や三輪や四輪にしたものがあり、安定性を高めるとともに、支持荷重を大きくしている。2つの車輪の間で車軸を支持する外輪式の双輪キャスターが多いが、横幅が広くなるので、かばん用の双輪キャスターには適さない。2つの車輪の外側で車軸を支持する内輪式の双輪キャスターは、横幅が狭くなるので、かばん用の双輪キャスターに適する。内輪式の複輪キャスターは、複数の車輪が独立に回転しないと、旋回時に抵抗となるので、複数の車輪を独立に回転させるための工夫がなされている。以下に、これに関連する従来技術の例をいくつかあげる。
特許文献1に開示された「キャスター」は、支持軸に複数のローラーを設けることによって、連結軸を支点とする支持体の回転が円滑に行えるようにしたものである。図4(a)に示すように、ほぼコの字状に形成された支持体の中間辺に、連結軸が設けられている。連結軸は、被支持物に回転自在に連結されている。支持体の対向する一対の側辺に、支持軸が両端を連結して設けられている。支持軸に、複数のローラーが回転自在に設けられている。
特許文献2に開示された「双輪キャスター」は、車輪に車軸方向の力が作用した状態で方向変換をした場合でも、摩擦による共回り現象がなくて円滑に方向変換が行えるものである。図4(b)に示すように、支持台には、下向きに開放した車輪収納用の空洞部がある。支持台内部の対向する左右側壁の内面に溝を設ける。支持台の両溝には、車軸の両端を各々圧入して保持する。車軸の外周には、一対の車軸を回転自在に嵌合する。支持台と一体の仕切壁を両車輪の間に設けて、車輪を分離する。仕切壁と車輪との間には、若干の隙間がある。仕切壁により車輪が分離されているので、車輪同士が直に接することがなく、摩擦による共回り現象が起きない。
特許文献3に開示された「キャスター」は、方向転換が容易にできるようにしたものである。図4(c)に示すように、台座の下側に、車輪支持部材を回転自在に取り付ける。車輪支持部材に形成した軸孔に、軸を挿し通す。左右一対の車輪が個別に転動できるように、軸に取り付ける。一対の車輪の間に、車輪と周面形状を同じくするスペーサを設ける。
特許文献4に開示された「キャスター」は、方向転換時における車輪の摩擦を小さくして、容易に方向転換できるようにしたものである。図4(d)に示すように、同軸上に、略同形同大の三つの車輪が、個別に回転するように設けられている。キャスターを走行方向の前方または後方から見たときに、支えとなる中央の車輪が縦軸の真下に配置されている。
特許文献5に開示された「キャンバー型双輪キャスター」は、車輪をキャンバー形に配置して、直進安定性をよくしたものである。図4(e)に示すように、取付部に旋回自在に取付軸で取り付けられた支持ヨークに、左右一対の車輪を取り付ける。それぞれの車輪は、独立して車軸に取り付けられている。一対の車輪を前から見ると、車輪間の上側の間隔が広くなっており、下側の間隔が狭くなっている。車輪が傾斜した姿勢で回転することができるようになっている。車輪間の前方側の間隔と後方側の間隔を、直進時に一方が広がり他方が狭まるように設定してもよい。
特許文献6に開示された「キャスター」は、脚の両外側の車軸の突出部をなくして、移動中に突出部が周辺のものに衝突して損傷を与えることがないようにしたものである。図4(f)に示すように、一対の脚に、軸孔と鍔受け凹所を形成する。車軸は、車軸ボルトと、これに螺合されるナットとで構成する。車軸ボルトの角穴付きの円形鍔を、一方の脚の鍔受け凹所に埋没させる。ナットの鍔を、他方の脚の鍔受け凹所に埋没させると共に、それの角筒部を脚の角軸孔に嵌合させる。それによって、車軸の両端を脚の外側面と少なくとも面一になるように支持する。脚の両外側に、車軸による突出部がなく、キャスターの移動中に、突出部が周辺のものに衝突して損傷を与えることがない。突出部の衝突により移動が制限されることもない。
実開昭55-042619号公報 実開昭58-046605号公報 実開昭62-152802号公報 登録実用第3022677号公報 特開平11-123903号公報 特開2002-321503号公報
しかし、従来の複輪キャスターでは、次のような問題がある。複数の車輪間の摩擦を十分に小さくできないので、旋回時にスムーズに回転できない。また、かばんに取り付ける場合には、小型で軽量にする必要があるが、他の用途のキャスターに比べて十分な強度が要求されるので、従来の複輪キャスターでは、小型軽量と強度を共に満たすことができない。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、かばん用の双輪キャスターを小型軽量にしながら、十分な強度と旋回性能を持たせることである。
上記の課題を解決するために、本発明では、2つの車輪と、車輪を回転自在に支持する車軸と、車軸を両端で固定するヨークと、車輪の間に挟んだ摩擦低減機構とを具備する双輪キャスターの摩擦低減機構を、2つの車輪に挟まれてゆるく支持される円板と、円板にゆるく支持されて車軸を中心とする円周上で回転する3つ以上のボールとを備える構成とした。
上記のように構成したことにより、かばん用の双輪キャスターを小型軽量にしながら、十分な強度と旋回性能を持たせることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図3を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、2つの車輪の間に、車軸を中心とする円周上で回転する10個のボールをゆるく支持する円板を挟んだ双輪キャスターである。
図1は、本発明の実施例における双輪キャスターの概念図である。図1(a)は、双輪キャスターの外観図である。図1(b)は、双輪キャスターの車輪の外観図である。図1(c)は、双輪キャスターの車輪の断面図である。図2は、双輪キャスターの部品図である。図2(a)は、1つの車輪の外観図である。図2(b)は、1つの車輪の断面図である。図2(c)は、ヨークの3面図である。図2(d)は、車軸の概念図である。図3は、双輪キャスターの円板の図である。図3(a)は、円板の平面図である。図3(b)は、円板の側面図である。
図1〜図3において、車輪1は、硬質ゴムなどのタイヤである。ヨーク2は、かばんに旋回自在に車輪を取り付ける部材である。車軸3は、車輪を回転自在に支持する軸である。円板4は、車輪の間に挟んでボールをゆるく支持する部材である。ボール5は、車輪間の摩擦を低減するための部材である。ボールの数は10個または6個が適当であるが、3個以上ならいくつでもよい。
上記のように構成された本発明の実施例における双輪キャスターの機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、双輪キャスターの機能の概略を説明する。双輪キャスターの2つの車輪1を、車軸3で回転自在に支持する。車軸3の両端を、ヨーク2に固定する。摩擦低減機構を、車輪1の間に挟む。摩擦低減機構は、円板4と10個のボール5からなっている。車軸3に支持されている円板4に、10個のボール5がゆるく支持されている。ボール5は、車軸3を中心とする円周上にある。2つの車輪1が同期して回転しているときは、ボール5は単なるスペーサとなっている。2つの車輪1が異なる速さで回転するときは、ボール5は2つの車輪1の動きに応じて、自転しながら公転するように回転する。2つの車輪1の間の摩擦は転がり摩擦となるので非常に小さく、旋回時に抵抗とならない。2つの車輪1は、直接には接しておらず、ボール5を介してのみ互いに軸方向の力を受けているので、互いの摩擦抵抗はない。
次に、図1と図2を参照しながら、各部品について説明する。車輪1は、硬質ゴムなどのタイヤであり、強度を維持しながら軽量にするために、荷重がかからない部分は削ってある。2つの車輪1の間に、円板4の全体を包み込むようにゆるく挟む。ヨーク2は、かばんに車輪を取り付けるコの字形状の部材である。車軸の両端を支持するようになっている。車軸3は、車輪を回転自在に支持している。車軸の端部がヨーク2の外側に突出しないようになっている。ボール5は、車輪間の摩擦を低減するためのものであり、ボールベアリングのボールと似た機能を果たす。
次に、図3を参照しながら、円板について説明する。円板4は、2つの車輪1の間に挟まれて、ボール5をゆるく支持する。平らなドーナツ状の形をしており、円周上に等間隔に10個の穴があいている。ボール5を支持する部分は、単なる円形の穴であり、ボール5が所定の相対的位置を維持するための規制枠である。車輪1の中心部分を軸として、円板4の中心の穴が嵌り、自由に回転できるようになっている。円板4は、車輪1にもボール5にも軽く接しているだけであり、車輪1の動きを妨げる摩擦は働いていない。
上記のように、本発明の実施例では、双輪キャスターを、2つの車輪の間に、車軸を中心とする円周上で回転する10個のボールをゆるく支持する円板を挟んだ構成としたので、車輪間の摩擦がほとんど無くなり、かばん用の双輪キャスターの旋回性能を高めることができる。
本発明の双輪キャスターは、かばんの底部に取り付けるかばん用キャスターとして最適である。
本発明の実施例における双輪キャスターの概念図である。 本発明の実施例における双輪キャスターの部品図である。 本発明の実施例における双輪キャスターの円板の図である。 従来の複輪キャスターの概念図である。
符号の説明
1 車輪
2 ヨーク
3 車軸
4 円板
5 ボール

Claims (1)

  1. 2つの車輪と、前記車輪を回転自在に支持する車軸と、前記車軸を両端で固定するヨークと、前記車輪の間に挟んだ摩擦低減機構とを具備する双輪キャスターにおいて、前記摩擦低減機構は、前記2つの車輪に挟まれてゆるく支持される円板と、前記円板にゆるく支持されて前記車軸を中心とする円周上で回転する3つ以上のボールとを備えることを特徴とする双輪キャスター。
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