JP2009083565A - ドアウエザストリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】開放されたドアの視認性を確実に向上させることのできるドアウエザストリップを提供する。
【解決手段】ドアウエザストリップ5は、車両本体2に対して前部が軸支されるとともに後側が開放されるドア3の外周に沿って設けられた取付部51に取着される取付基部22と、取付基部22と一体的に形成され、ドア3の閉鎖時において車両本体2のドア用開口部の周縁部に圧接される中空状のシール部23とを備えている。また、ドアウエザストリップ5は、ドア3の後縁部に対応する後縦辺部13において、通電に伴い発光する発光手段81を備えている。
【選択図】 図5
【解決手段】ドアウエザストリップ5は、車両本体2に対して前部が軸支されるとともに後側が開放されるドア3の外周に沿って設けられた取付部51に取着される取付基部22と、取付基部22と一体的に形成され、ドア3の閉鎖時において車両本体2のドア用開口部の周縁部に圧接される中空状のシール部23とを備えている。また、ドアウエザストリップ5は、ドア3の後縁部に対応する後縦辺部13において、通電に伴い発光する発光手段81を備えている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、自動車ボディに対して前部が軸支されるドアの外周に取付けられるドアウエザストリップに関するものである。
従来、自動車ドアの周縁部にはドアウエザストリップが取付けられる。ドアウエザストリップは、ドアの外周に沿って設けられた取付部に取付けられる取付基部と、中空部を有するシール部とを備えている。そして、ドアの閉鎖時には、ドアウエザストリップのシール部が自動車ボディに形成されたドア用開口部の周縁部に圧接されることによって、ドアと自動車ボディとの間がシールされる。
ところで、暗がりにおいてドアを開放する際には、ドアの視認性が悪く、車両への乗降に際し、乗員がドアにぶつかってしまうおそれがある。さらに、夜間に路上でドアを開放するような場合には、開放されているドアの視認性が悪いために、後続車の運転手等による当該ドアの発見が遅れてしまうおそれがある。
これに対し、蓄光材を添加した材料によりドアウエザストリップを構成することで、ドアの視認性を向上させるといった技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−210541号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、車両を暗所(例えば屋内の駐車場)に保管するような場合等、蓄光材に十分に光を蓄えられないことが懸念される。また、ドアウエザストリップは、ドアの閉鎖状態においてはドア用開口部の周縁部に圧接されているため、その間に光を蓄えられるかは甚だ疑問である。従って、上記技術では、開放されたドアの視認性を向上させるといった作用効果が十分に奏されないおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、開放されたドアの視認性を確実に向上させることのできるドアウエザストリップを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.車両本体に対して前部が軸支されるとともに後側が開放されるドアの外周に沿って設けられた取付部に取着される取付基部と、前記取付基部と一体的に形成され、前記ドアの閉鎖時において前記車両本体のドア用開口部の周縁部に圧接される中空状のシール部とを備え、
少なくとも前記ドアの後縁部に対応する後縦辺部において、通電に伴い発光する電気的発光手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
少なくとも前記ドアの後縁部に対応する後縦辺部において、通電に伴い発光する電気的発光手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。
手段1によれば、ドアに取付けられるドアウエザストリップに対し、電気的発光手段が設けられている。このため、暗がりにおいても、開放されたドアの視認性を向上させることができる。さらに、電気的発光手段は、通電に伴い発光するため、発光状態において輝度を一定以上に保つことができる。従って、例えば、蓄光材を用いてドアウエザストリップを構成する場合等とは異なり、発光手段の輝度が外的要因によって変化することに起因して、開放されたドアの視認性を向上させることができない場合があるといった事態を回避することができる。
また、本手段1の構成以外にも、ドア自体(ドア本体)に発光手段を設け、ドアの視認性を向上させるといった構成も考えられる。しかしながら、発光手段の設置位置によっては、ドアの視認性を向上させるといった作用効果が十分に奏されないおそれがある。つまり、ドアを開放した際に最も外側に位置することとなるドアの後縁部から離間した位置に発光手段が設けられる場合には、依然として開放されたドアの外縁が認知しにくい上、ドアを比較的大きく開放してからでないと、発光手段を設置した効果が十分に奏されないおそれがある。
これに対し、本手段1によれば、ドアの外周に沿って取付けられ、シール部が車両本体のドア用開口部の周縁部に圧接されるドアウエザストリップの少なくとも後縦辺部に電気的発光手段が設けられている。換言すれば、ドアを開放した際に最も外側に位置するとともに、ドアの開放時において車両の後方側に臨む部位において電気的発光手段が設けられている。このため、開放されたドアの外縁を認知させやすい。その上、ドアの開放に際して早い段階で後続車や搭乗者等に電気的発光手段からの光を認知させることができるとともに、ドアが完全に開放された場合であっても、後続車等に電気的発光手段からの光を認知させることもできる。従って、ドアの視認性をより確実に向上させることができる。
尚、電気的発光手段は、ドアの開放を検知する開放検知手段によりドアの開放が検知された場合に発光状態とされることとしてもよい。また、電気的発光手段としては、所定の光源が搭載された基板と、当該基板を覆うカバーとを具備する構成が挙げられる。さらに、電気的発光手段は、光源からの光を拡散させる拡散手段を備えることとしてもよい。この場合、カバーと拡散手段とを兼用することも可能である。加えて、発光状態においては、電気的発光手段の光源を継続的に点灯させてもよいし、点滅させてもよい。尚、開放検知手段は、明暗や距離を測るセンサであってもよいし、ドアの開閉によってオン・オフされるスイッチであってもよい。
手段2.押出成形部と、前記押出成形部の端部に接続成形されてなる型成形部とを備え、
前記型成形部において、当該型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部を備え、
前記埋設部は、前記型成形部から露出し、前記電気的発光手段を係止する係止部を備えていることを特徴とする手段1に記載のドアウエザストリップ。
前記型成形部において、当該型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部を備え、
前記埋設部は、前記型成形部から露出し、前記電気的発光手段を係止する係止部を備えていることを特徴とする手段1に記載のドアウエザストリップ。
手段2によれば、型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなる埋設部の係止部により電気的発光手段を係止させることで、電気的発光手段がドアウエザストリップに取付けられる。従って、電気的発光手段の取付状態の安定化を図ることができる。
手段3.前記電気的発光手段が取付けられる台座部を備え、
前記台座部は、前記取付基部と前記シール部との境界部に連結されていることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップ。
前記台座部は、前記取付基部と前記シール部との境界部に連結されていることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップ。
手段3によれば、ドアウエザストリップのシール性や取付状態の安定性等の低下を招くことなく、ドアウエザストリップに電気的発光手段を設けることができる。
手段4.前記取付基部と前記シール部との境界部において、前記電気的発光手段に電力を供給する電源と前記電気的発光手段とを接続する配線を保持可能な保持部を備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
手段4によれば、保持部の存在により、電気的発光手段と電源とを接続する配線を保持することができる。従って、前記配線がドアウエザストリップから脱落してしまったり、前記配線が位置ずれしてドアウエザストリップのシール性や取付安定性に悪影響を及ぼしてしまったりするといったおそれを防止することができる。また、保持部が、取付基部とシール部との境界部に設けられていることにより、ドアウエザストリップのシール性や取付安定性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
尚、電源としては、車両に搭載され、走行に伴い蓄電されるバッテリー等が挙げられる。また、車載のバッテリー以外にも、乾電池やボタン電池を電源とすることも考えられるが、乾電池等の寿命は比較的短く、定期的に交換する必要が生じてしまうため、前記バッテリーから電気的発光手段に電力が供給される構成とするのが望ましい。また、「前記保持部は、前記取付基部の長手方向に沿って連続的に形成されること」としてもよい。この場合、電気的発光手段と電源とを接続する配線の全部又は大部分が保持部によって覆われることとなる。従って、前記配線が視認されることに起因して外観品質の低下を招いてしまったり、前記配線が露出することに起因して、ドアの開閉等に際し、配線が損傷しやすくなってしまったりするといった事態をより確実に防止することができる。
手段5.前記保持部は、前記取付基部又は前記シール部を構成する素材と同じ素材により前記取付基部及び前記シール部と同時に形成されるとともに、リップ状をなしていることを特徴とする手段4に記載のドアウエザストリップ。
手段5によれば、保持部が、取付基部及びシール部とは別部品として構成される場合に比べて、製造作業性の向上を図ることができる。また、本手段5によれば、保持部はリップ状をなし、配線を抱き込む格好で保持することとなる。一般に、ドアウエザストリップは、耐候性に優れた合成ゴム等により構成されるため、保持部を中空状とし、当該保持部に配線を挿通させるといった構成を採用する場合には、挿通に際して配線のすべりが悪く、作業が比較的困難となるおそれがある。また、かかる挿通作業を容易にするためには、保持部の内側に形成される中空部を大きくする必要がある。これに対し、保持部をリップ状とすることで、保持部を押し広げつつ、保持部の内側に配線を嵌め込んでいくことができる。このため、保持部のコンパクト化を図りつつ、保持部に配線を保持させる際の作業性の向上を図ることができる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、フロントドアが開放状態にある自動車1の斜視図である。図2は、ドアウエザストリップ5を示す正面図である。図3は、ドアウエザストリップ5を示す図2のJ−J線断面図である。
図1に示すように、車両としての自動車1には、車両本体としての自動車ボディ2に対して前部が軸支されるとともに後側が開放される自動車ドア(図ではフロントドア:以下、単に「ドア3」という)が設けられている。ドア3には、その外周に沿ってドアウエザストリップ5が取着されている。また、自動車ボディ2には、ドア3に対応するドア用開口部7の周縁部において、オープニングトリム8が取着されている。
図2に示すように、ドアウエザストリップ5は、ドア3の上縁部に対応する上辺部11と、ドア3の前縁部に対応する前縦辺部12と、ドア3の後縁部に対応する後縦辺部13と、ドア3の下縁部に対応する下辺部14とを備え、ドア3の外周形状に対応して略環状をなしている。また、ドアウエザストリップ5は、その長手方向に沿った大部分が、所定の押出成形機により長尺状に形成される押出成形部によって構成され、コーナー部等(図2の散点模様を付した部分)が、隣接する押出成形部の端部同士を連結するようにして所定の金型装置によって形成される型成形部によって構成されている。さらに、本実施形態では、ドアウエザストリップ5は、基本的には発泡EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)により構成されている。
図3に示すように、ドアウエザストリップ5(上辺部11の押出成形部)は、メインシール部材21と、サブシール部材31と、両シール部材21、31を連結する連結部41とを備えている。メインシール部材21は、ドア3の外周に沿って設けられた第1取付部51に取付けられる略平板状の第1取付基部22と、第1取付基部22から膨出する中空状のシール部23とを備えている。サブシール部材31は、第1取付部51よりも車外側に位置する第2取付部52に取付けられる略平板状の第2取付基部32と、第2取付基部32から突出するシールリップ33とを備えている。
そして、ドア3が閉鎖された状態においては、シール部23及びシールリップ33が自動車ボディ2のドア用開口部7の周縁部に圧接する。これにより、ドア3と自動車ボディ2との間がシールされるようになっている。尚、メインシール部材21とサブシール部材31とが、連結部41を介して一体化されていることから、それぞれ別体で成形される場合に比べて、製造に要する工数を低減できる。また、取付時においても、それぞれ別々に独立して取付ける場合に比べて、煩わしさが少なく、作業性の向上が図られる。
また、本実施形態では、第1取付基部22の略中央部分、及び、第2取付基部32の大部分は、ソリッドEPDMよりなる第1硬質部SL1、第2硬質部SL2により構成されている。これにより、反りの発生による取付作業性の悪化等の不具合を防止することができる。一方、第1取付基部22のうち第1硬質部SL1の両側部、シール部23、シールリップ33、第2取付基部32の表層部分、及び連結部41に関しては、上記の通りスポンジEPDMにより構成されている。シール部23及びシールリップ33がスポンジEPDMにより構成されることにより、シール性を確保することができる。また、第1取付基部22のうち第1硬質部SL1の両側部がスポンジEPDMにより構成されることにより、例えば、第1取付基部22の全体がソリッドEPDMにより構成されることに起因して、第1取付部51に対する取付作業性が低下してしまうといったおそれを防止することができる。また、第1取付部51及び第2取付部52に取付状態にあるドアウエザストリップ5のうち、外観に表れる部位が全てスポンジEPDMにより構成されるため、スポンジEPDMよりなる部位とソリッドEPDMよりなる部位との境界部が視認されることに起因して外観品質の低下を招いてしまうといった事態を回避することができる。
さて、本実施形態では、上辺部11と後縦辺部13との境界部を構成し、型成形体よりなるコーナー部71において特徴があるので、以下には当該部位の構成について図面を参照しつつ説明する。図4は、コーナー部71におけるドアウエザストリップ5を示す部分斜視図である。図5は、コーナー部71のうち後縦辺部13に対応する部位におけるドアウエザストリップ5を示す図4のK−K線断面図である。
図4に示すように、コーナー部71のうち後縦辺部13に対応する部位には、通電に伴い発光する発光手段81(電気的発光手段)が設けられている。
より詳しくは、図5に示すように、当該部位におけるドアウエザストリップ5は、第1取付部51に取付けられる第1取付基部22と、第1取付基部22から膨出する中空状のシール部23と、シール部23よりもドア3の外周側に位置し、第1取付基部22とシール部23との境界部に連結された台座部75とを備え、型成形によりこれらが一体的に形成されている。また、台座部75には、スポンジEPDMよりも硬質な樹脂材料(例えばポリエチレン等)よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部76が設けられている。埋設部76には、コーナー部71から車内側に突出する係止部77が設けられている。そして、発光手段81を車内側から台座部75に押付けることで、発光手段81が係止部77に係止される。これにより、発光手段81が、ドアウエザストリップ5の後縦辺部13において取付けられることとなる。
図5に示すように、発光手段81は、複数のLED82が搭載された基板83と、透明又は半透明な樹脂材料(例えばABS樹脂等)よりなり、基板83を覆うカバー84とを備えている。発光手段81(LED82)は、自動車1に搭載され、走行に伴い蓄電される電源としての図示しないバッテリーに対し、配線87(図3参照)を介して、電気的に接続されている。また、ドア3には、当該ドア3の開放を検知する図示しない開放検知センサ(開放検知手段)と、開放検知センサの検知信号に基づいて、発光手段81を点等制御する1チップマイコンとしての図示しない制御装置とが設けられており、発光手段81は、開放検知センサによりドア3の開放が検知された場合に発光状態とされる。また、カバー84のうち基板83と対向する部位である車内側壁部84aは、係止部77よりも外方に突出しているとともに、ドアウエザストリップ5の取付部51、52への取付状態、かつ、ドア3の閉鎖状態において、自動車1の前方に向けて車内側に傾斜して延びている。加えて、カバー84(車内側壁部84a)の内側面には凹凸加工が施されており、LED82から発せられた光はカバー84を透過することにより拡散される。
尚、ドア3や自動車ボディ2において、ドア3が開放された際に、搭乗者の足元を照らすためのランプ等が設けられる場合には、開放検知センサを共用することとしてもよい。また、開放検知センサとしては、明暗や距離を測るセンサ等が挙げられる。
さらに、図3等に示すように、本実施形態では、ドアウエザストリップ5の上辺部11のうち押出成形により構成される部位に関し、第1取付基部22とシール部23との境界部において、発光手段81と前記バッテリーとを接続する配線87を保持可能なリップ状の保持部88が設けられている。シール部23は、シール部23の付根部からドア3の外周側(後方)に向けて延出するとともに、先端部が第1取付基部22側に向けて屈曲形成された略C字状をなしており、配線87を抱き込む格好で保持することとなる。また、保持部88は、スポンジEPDMにより構成されるとともに、押出成形に際し、第1取付基部22及びシール部23と同時に形成される。本実施形態では、保持部88は、上辺部11のうち押出成形よりなる部位の長手方向全域にわたって形成されている。
以上詳述したように、本実施形態では、前部が軸支され、後側が開放されるドア3に取付けられるドアウエザストリップ5に対し、発光手段81が設けられている。このため、暗がりにおいても、開放されたドア3の視認性を向上させることができる。さらに、発光手段81は、通電に伴い発光するため、発光状態において輝度を一定以上に保つことができる。従って、例えば、蓄光材を用いてドアウエザストリップを構成する場合等とは異なり、発光手段の輝度が外的要因によって変化することに起因して、開放されたドアの視認性を向上させることができない場合があるといった事態を回避することができる。
また、本実施形態の構成以外にも、ドア3自体(ドア本体)に発光手段81を設け、ドア3の視認性を向上させるといった構成も考えられる。しかしながら、発光手段81の設置位置によっては、ドア3の視認性を向上させるといった作用効果が十分に奏されないおそれがある。つまり、ドア3を開放した際に最も外側に位置することとなるドア3の後縁部から離間した位置に発光手段81が設けられる場合には、依然として開放されたドア3の外縁が認知しにくい上、ドア3を比較的大きく開放してからでないと、発光手段81を設置した効果が十分に奏されないおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、ドア3の外周に沿って取付けられ、シール部23が自動車ボディ2のドア用開口部7の周縁部に圧接されるドアウエザストリップ5の後縦辺部13に発光手段81が設けられている。換言すれば、ドア3を開放した際に最も外側に位置するとともに、ドア3の開放時において自動車1の後方側に臨む部位において発光手段81が設けられている。このため、開放されたドア3の外縁を認知させやすい。その上、ドア3の開放に際して早い段階で後続車や搭乗者等に発光手段81からの光を認知させることができるとともに、ドア3が完全に開放された場合であっても、後続車等に発光手段81からの光を認知させることができる。従って、ドア3の視認性をより確実に向上させることができる。
また、スポンジEPDMよりも硬質な素材(ポリエチレン等)よりなる埋設部76の係止部77により発光手段81を係止させることで、発光手段81がドアウエザストリップ5に取付けられている。従って、発光手段81の取付状態の安定化を図ることができる。
さらに、発光手段81が取付けられる台座部75は、第1取付基部22とシール部23との境界部に連結されている。従って、ドアウエザストリップ5のシール性や取付状態の安定性等の低下を招くことなく、ドアウエザストリップ5に発光手段81を設けることができる。
さらに、上辺部11の押出成形体よりなる部位には、保持部88が設けられている。当該保持部88の存在により、発光手段81と車載のバッテリーとを接続する配線87を保持することができる。従って、配線87がドアウエザストリップ5から脱落してしまったり、配線87が位置ずれしてドアウエザストリップ5のシール性や取付安定性に悪影響を及ぼしてしまったりするといったおそれを防止することができる。また、保持部88が、第1取付基部22とシール部23との境界部に設けられていることにより、ドアウエザストリップ5のシール性や取付安定性の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
加えて、保持部88は上辺部11の押出成形体よりなる部位の長手方向全域にわたって形成されている。このため、発光手段81とバッテリーとを接続する配線87の大部分が保持部88によって覆われることとなる。従って、配線87が視認されることに起因して外観品質の低下を招いてしまったり、配線87が露出することに起因して、ドア3の開閉等に際し、配線87が損傷しやすくなってしまったりするといった事態をより確実に防止することができる。
また、保持部88は、押出成形に際し、第1取付基部22及びシール部23と同時に形成されるため、例えば、保持部88が第1取付基部22及びシール部23とは別部品として構成される場合に比べて、製造作業性の向上を図ることができる。また、保持部88はリップ状をなしているため、例えば、保持部を中空状に構成する場合に比べ、保持部88のコンパクト化を図りつつ、保持部88に配線87を保持させる際の作業性の向上を図ることができる。
加えて、カバー84のうち基板83と対向する部位である車内側壁部84aは、係止部77よりも外方に突出しているとともに、ドアウエザストリップ5の取付部51、52への取付状態、かつ、ドア3の閉鎖状態において、自動車1の前方に向けて車内側に傾斜して延びている。このため、車内側壁部84aに関し、ドア3の開放角度が小さいときにおける自動車1の後方に臨む面積、ひいては、後方から見たときの光量を増大させることができる。従って、ドア3の開放に際して早い段階で後続車や搭乗者等に発光手段81からの光を認知させることができるといった作用効果が一層確実に奏される。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態におけるドアウエザストリップ5の断面形状は特に限定されるものではなく、少なくともドア3の外周に沿って設けられた取付部(第1取付部51)に取付けられる取付基部(第1取付基部22)と、取付基部(第1取付基部22)から自動車ボディ2側に突出する中空状のシール部(シール部23)とを備えていればよい。例えば、図6に示すように、保持部88を中空状に構成してもよい。
また、上記実施形態における保持部88や、第1硬質部SL1及び第2硬質部SL2を省略することも可能である。さらに、クリップにより取付基部と取付部とを固定するタイプのドアウエザストリップに上記実施形態の構成を適用してもよい。
(b)上記実施形態では、上辺部11と後縦辺部13との境界部を構成するコーナー部71に対して発光手段81が設けられているが、少なくとも後縦辺部13のいずれかの部位に発光手段81が設けられていればよい。例えば、後縦辺部13のうち、上下方向中間位置において発光手段81を設けることとしてもよいし、上辺部11や下辺部14に対しても発光手段81を設けることとしてもよい。
但し、押出成形部に発光手段81を設ける場合には、発光手段81を係止するための係止部を形成するべく別途工程が必要となってしまうおそれがあるため、係止部77をその他の部位と同時に形成することのできる型成形部において発光手段81を設けることが望ましい。さらに、発光手段81の取付安定性を図るべく、型成形時にインサート成形される埋設部76に係止部77を形成することが望ましい。
(c)上記実施形態では、発光手段81に電力を供給する電源として車載のバッテリーが採用されているが、例えば、乾電池やボタン電池を電源とすることも可能である。但し、乾電池等の寿命は比較的短く、定期的に交換する必要が生じてしまうため、上記実施形態のように、バッテリーから発光手段81に電力が供給される構成とするのが望ましい。
また、発光手段81の構成についても特に限定されるものではなく、少なくとも光源を具備していればよい。但し、光源を保護するカバーを設けることが望ましく、さらに、光源から発せられた光を拡散させる拡散手段を設けることが望ましい。尚、上記実施形態では、内側面に凹凸が形成されたカバー84により拡散手段が構成されることとなるが、例えば、基板83(LED82)とカバー84との間に、プリズム板やレンズ等を介在させてもよい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、発光手段81に対応して、埋設部76及び台座部75に放熱用の開口部(放熱孔)を形成することとしてもよい。この場合、発光手段81の発熱に起因する素材の劣化及び変形等を抑制することができる。さらに、埋設部76に形成される放熱孔は埋設部76の成形時に形成され、台座部75に形成される放熱孔は、埋設部76の放熱孔と連通するようにして型成形時に形成されることとしてもよい。この場合、型成形後に放熱孔を形成する工程が別途必要になってしまうといった事態を回避することができる。尚、埋設部76が台座部75の車外側の面及び車内側の面に露出する構成を採用する場合には、埋設部76にのみ放熱孔を形成することとしてもよい。また、カバー84には放熱孔等の開口部を形成しないことが望ましく、この場合、雨水等の侵入を防止することができる。
さらに、上記実施形態では、制御装置が開放検知手段としての開放検知センサの検知信号に基づいて発光手段81の点等制御を行っているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、開放検知手段として、ドアの開閉によって(自動車ボディ2とドア3とが当接することで)オン・オフされるスイッチを採用してもよい。尚、上記実施形態では特に言及していないが、制御装置は、発光手段81(基板83)に設けられてもよいし、ドア3の内部に設けられてもよいし、自動車ボディ2に設けられてもよい。加えて、発光手段81の発光状態においては、LED82を継続的に点灯させてもよいし、点滅させてもよい。
(d)上記実施形態では、フロントドアに取付けられるドアウエザストリップ5に具体化しているが、自動車ボディ2に対して前部が軸支され、後側が開放されるその他のドア(リアドア等)に取付けられるドアウエザストリップに適用することとしてもよい。
(e)上記実施形態では、ドアウエザストリップ5をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の他の素材により構成してもよい。
1…自動車、2…自動車ボディ、3…ドア、5…ドアウエザストリップ、7…ドア用開口部、11…上辺部、12…前縦辺部、13…後縦辺部、14…下辺部、21…メインシール部材、22…第1取付基部、23…シール部、31…サブシール部材、32…第2取付基部、33…シールリップ、41…連結部、51…第1取付部、52…第2取付部、71…コーナー部、75…台座部、76…埋設部、77…係止部、81…発光手段、82…LED、83…基板、84…カバー、87…配線、88…保持部。
Claims (5)
- 車両本体に対して前部が軸支されるとともに後側が開放されるドアの外周に沿って設けられた取付部に取着される取付基部と、前記取付基部と一体的に形成され、前記ドアの閉鎖時において前記車両本体のドア用開口部の周縁部に圧接される中空状のシール部とを備え、
少なくとも前記ドアの後縁部に対応する後縦辺部において、通電に伴い発光する電気的発光手段を備えていることを特徴とするドアウエザストリップ。 - 押出成形部と、前記押出成形部の端部に接続成形されてなる型成形部とを備え、
前記型成形部において、当該型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形される埋設部を備え、
前記埋設部は、前記型成形部から露出し、前記電気的発光手段を係止する係止部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のドアウエザストリップ。 - 前記電気的発光手段が取付けられる台座部を備え、
前記台座部は、前記取付基部と前記シール部との境界部に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップ。 - 前記取付基部と前記シール部との境界部において、前記電気的発光手段に電力を供給する電源と前記電気的発光手段とを接続する配線を保持可能な保持部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドアウエザストリップ。
- 前記保持部は、前記取付基部又は前記シール部を構成する素材と同じ素材により前記取付基部及び前記シール部と同時に形成されるとともに、リップ状をなしていることを特徴とする請求項4に記載のドアウエザストリップ。
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2007
- 2007-09-28 JP JP2007253048A patent/JP2009083565A/ja active Pending
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