JP2009083318A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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源太郎 古川
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Abstract

【課題】インクと反応してインクに含有される色材を凝集させる色材固定材料(処理液)を用いる画像形成方式において、最終画像の高品質を維持しつつ色材固定材料の使用量を必要最小限に抑えることで、色材固定材料が中間転写体上に残存及び蓄積することを抑制する画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】最初の画像記録では中間転写体12の画像形成領域の全面に色材固定材料濃度が通常濃度の処理液を付与し、1次画像データを形成したのちに転写記録を行う。2回目以降の画像記録では直前の画像記録においてインクが打滴されたインク打滴領域には色材固定材料濃度が通常濃度の処理液を塗布し、インクが打滴されなかった非インク打滴領域には色材固定材料濃度が通常よりも低濃度の低濃度処理液を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置及び画像形成方法に係り、特に中間転写体に1次画像を形成した後に記録媒体に中間転写体上の1次画像を転写記録する転写記録方式における1次画像の形成技術に関する。
現在、デジタルカメラにより撮影された画像や印刷物の複製画像などを出力する汎用の画像形成装置としてインクジェット記録装置が好適に用いられている。インクジェット記録装置は、紙のみならず樹脂シートや金属シートなど多種多様な記録媒体を用いることが可能であり、最近の動向として、記録媒体の種類によらず高品位画像を出力したいという要望が高くなっている。
しかし、記録媒体の違い、例えば、OHP、合成紙や普通紙、インクジェット専用紙などの紙質の違いにより印字状態が異なるといった印字品質上の問題を有している。特に、汎用性のある水溶性インクでの普通紙への印字の場合は、印字の滲みや裏うつりの発生により印字の解像度が低下するといった問題があるほか、印字後の記録媒体上のインクの乾燥性により該記録媒体排出の際の未乾燥状態の印字画像を乱してしまうという問題も有している。このような問題を解消するために、中間転写体上に1次画像を形成し、その後、該1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録方式が提案されている。
しかし、転写記録方式では非浸透性を有する中間転写体上における着弾干渉が問題となる。着弾干渉とは、中間転写体上で複数のインク液滴が接触したときにインク液滴同士が合一して所定のサイズ、形状のドットが形成されない現象である。着弾干渉が発生すると中間転写体上に形成される1次画像の品質を低下させてしまい、記録媒体に転写記録される最終画像の品質も低下させてしまう。そこで、着弾干渉を防止するために、インクに含有される色材を凝集または不溶化させる機能を有する液体(処理液)を用いる画像形成方式が提案されている。
特許文献1に記載の発明は、中間転写体の表面に予め前記液滴により溶解又は膨潤可能で、該液滴の粘度を増大させることができ、前記中間転写体から剥離可能な粉体の層を形成することができる中間転写体を塗布ローラにより形成し、その後、画像信号に応じてインク液滴を付与して所望の画像を形成し、画像の滲み防止、カラーの混色防止、及び裏うつりをなくすように構成されている。
また、特許文献2に記載の発明は、転写ドラム上に画像固定成分(反応液)を塗布し、次いで、YMCK各色に対応する記録ヘッドから各色のインクを付与することにより、インク像を形成する。次いで、インク像上に補助液を付与し、そのインク像を記録媒体へ転写し、ビーディングやブリーディングが生じない高品位かつ耐擦過性に優れた画像を形成するように構成されている。
特開2000−158794号公報 特開2005−170036号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、インクを増粘または流動性低下させる材料(中間転写媒体)は中間転写体上の記録画像領域全面に塗布されているので、インクが着弾した部分の中間転写媒体はインク内部に溶解し、インクが着弾しない部分では中間転写媒体がそのまま存在し、該中間転写媒体は記録媒体に転写される。一方、PPC等の普通紙のような表面に凹凸のある記録媒体を用いる場合には、中間転写媒体の一部は記録媒体に転写されずに中間転写に残留する。中間転写体に中間転写媒体が残留すると中間転写体の両端部分のようにインク付着頻度が少ない部分では中間転写媒体が蓄積されてしまい、蓄積された中間転写媒体が湿度変化や転写部材の振動等により記録媒体に転写されると、記録媒体の発色性や光沢性が変化する問題が生じる。
また、特許文献2に記載の発明では、画像固定成分が液体であるためPPC等の普通紙を用いる場合には、該画像固定成分は記録媒体に吸収され残存しないが、一方、塗工紙のような非浸透媒体(緩浸透媒体)を用いる場合は、転写ドラムのインクが付着しない部分は画像固定成分が残存するので、転写ドラムのインク付着頻度が少ない部分では画像固定成分が蓄積されてしまう。
更にまた、特許文献1に記載の発明及び特許文献2に記載の発明では、中間転写体(転写ドラム)の表面をクリーニングする構成を備え、クリーニングの後に中間転写体及び画像固定成分の塗布工程を行っているので、中間転写体に蓄積された反応処理材料(転写ドラムに蓄積された画像固定成分)は1回の画像記録ごとに除去される。しかし、中間転写体(転写ドラム)の表面のクリーニングをする際に、中間転写体(画像固定成分)の除去と同時に転写されずに残留したインクも除去してしまい、クリーニング部材上でクリーニングの際に除去したインクと中間転写体(画像固定成分)が反応した結果、クリーニング部材にインク(中間転写体(画像固定成分)と反応して固化したインク)が固着する。更に、当該固着したインクはそれが核となって中間転写体(画像固定成分)やインクを更に固着させて蓄積してしまい、クリーニング部材のクリーニング性能を低下させるだけでなく、クリーニング部材に蓄積された中間転写体(画像固定成分)やインクが中間転写体(転写ドラム)に再付着してしまうと、当該インク等は記録媒体に転写され画像欠陥を引き起こしてしまうことが懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インクと反応してインクに含有される色材を凝集(不溶化)させる反応処理材料(処理液)を用いる画像形成方式において、最終画像(記録画像)の高品質を維持しつつ反応処理材料の使用量を必要最小限に抑えることで、反応処理材料が中間転写体上に残存及び蓄積することを抑制する画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、前記通常濃度処理液に比べて色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、を備え、少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は1次画像形成前に前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されなかった非インク打滴領域に対して選択的に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、インク打滴領域の色材固定材料は、転写記録時にインクとともに記録媒体に転写され、非インク打滴領域の色材固定材料は転写記録後も一定の割合で中間転写体に残留するので、直前に転写記録された画像のインク打滴領域には所定の色材固定材料濃度の通常濃度処理液を補充するとともに、直前に転写記録された画像の非インク打滴領域には所定の色材固定材料濃度よりも低濃度の低濃度処理液を付与することで、次の画像記録における1次画像を形成するときに中間転写体上に存在する色材固定材料の量が均一になり、中間転写体への色材固定材料の蓄積が防止される。
最初の画像記録とは、複数枚の連続画像記録における最初の画像でもよいし、初期化処理(イニシャライズ)後の最初の画像でもよい。なお、ここでいう「画像記録」とは、中間転写体に1次画像を形成し、当該1次画像を記録媒体に転写記録する一連の処理を含む概念である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置の一態様に係り、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果に基づいて、前記インク打滴手段の打滴異常を検出する打滴異常検出手段と、を備え、前記打滴異常検出手段によって打滴異常が検出されると、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記通常濃度処理液を付与しないように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、インク打滴手段の打滴異常に対応する中間転写体の領域は実質的にインクが付着しないので、当該領域には通常濃度処理液を補充せずに非インク打滴領域と同様に低濃度処理液を付与することで中間転写体上の色材固定材料の量が均一となり、更なる打滴異常に対応する中間転写体の領域への色材固定材料の蓄積が抑制される。
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は、前記中間転写体の全面にわたって均一に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、インク打滴領域の色材固定材料は、転写記録時にインクとともに記録媒体に転写され、非インク打滴領域の色材固定材料は転写記録後も一定の割合で中間転写体に残留するので、インク打滴領域には所定の色材固定材料濃度の通常濃度処理液を補充するとともに、中間転写体の全面にわたって均一に所定の色材固定材料濃度よりも低濃度の低濃度処理液を付与することで、1次画像を形成するときに中間転写体上に存在する色材固定材料の量が均一になり、中間転写体への色材固定材料の蓄積が防止される。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置の一態様に係り、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果に基づいて、前記インク打滴手段の打滴異常を検出する打滴異常検出手段と、を備え、前記打滴異常検出手段によって打滴異常が検出されると、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記通常濃度処理液を付与しないように前記通常濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、インク打滴手段の打滴異常に対応する中間転写体の領域は実質的にインクが付着しないので、当該領域には通常濃度処理液を付与せずに低濃度処理液を付与することで、更なる打滴異常に対応する中間転写体の領域への色材固定材料の蓄積が抑制される
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果に基づいて、前記1次画像における前記中間転写体上にインクが打滴されたインク打滴領域及びインクが打滴されていない非インク打滴領域を判断する判断手段と、を備え、少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は、直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は、直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記非インク打滴領域に対して選択的に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、インク打滴手段に打滴異常が発生した場合にも、インク打滴手段の打滴異常に対応する中間転写体の領域には通常濃度処理液を補充せずに非インク打滴領域と同様に低濃度処理液を付与するので、当該領域への色材固定材料の蓄積が防止される。
また、上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明に係る画像形成装置は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、前記読取手段の読取結果に基づいて、前記1次画像における前記中間転写体上にインクが打滴されたインク打滴領域及びインクが打滴されていない非インク打滴領域を判断する判断手段と、を備え、少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は、前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は前記中間転写体の全面にわたって均一に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、インク打滴手段に打滴異常が発生した場合にも、インク打滴手段の打滴異常に対応する中間転写体の領域には通常濃度処理液を補充せずに非インク打滴領域と同様に低濃度処理液を付与するので、当該領域への色材固定材料の蓄積が防止される。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の画像形成装置の一態様に係り、転写記録後の記録媒体の光沢を検出する光沢検出手段と、前記光沢検出手段の検出結果に基づいて前記転写記録後の光沢の変化量を判断する光沢判断手段と、前記光沢判断手段によって判断された光沢の変化量が予め決められた基準より大きい場合には、前記低濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするように変更する低濃度処理液濃度変更手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、環境変化や中間転写体の経時変化、クリーニング手段の経時変化によって、転写記録後に中間転写体に残留する色材固定材料の割合が変化した場合であっても、1次画像を形成するときに中間転写体に付着している色材固定材料の量が均一になるように低濃度処理液を付与することが可能になる。
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の画像形成装置の一態様に係り、前記光沢判断手段によって判断された光沢の変化量が予め決められた基準より大きい場合には、前記通常濃度処理液の色材固定材料濃度を標準濃度よりも低くするように変更する通常濃度処理液濃度変更手段を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、環境変化や中間転写体の経時変化、クリーニング手段の経時変化によって、転写記録後に中間転写体に残留する色材固定材料の割合が変化した場合であっても、1次画像を形成するときに中間転写体に付着している色材固定材料の量が均一になるように通常濃度処理液を付与することが可能になる。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8記載の画像形成装置の一態様に係り、前記光沢検出手段は、転写記録後の記録媒体のインク付着領域の光沢を検出する第1の光沢検出手段と、前記転写記録後の非インク付着領域の光沢を検出する第2の光沢検出手段と、前記第1の光沢検出手段の検出結果に基づいて転写記録後の記録媒体におけるインク付着領域の光沢の変化量を判断するとともに、前記第2の光沢検出手段の検出結果に基づいて転写記録後の記録媒体における非インク付着領域の光沢の変化量を判断するとともに、光沢判断手段と、を備え、前記通常濃度処理液濃度変更手段は、前記光沢判断手段によって判断された前記インク付着領域の光沢の変化量が予め決められた基準よりも大きい場合には、前記通常濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするよう変更するとともに、前記光沢判断手段によって判断された前記非インク付着領域の光沢の変化量が予め決められた基準よりも大きい場合には、前記低濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするように変更することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、環境変化や中間転写体の経時変化、クリーニング手段の経時変化によって、転写記録後に中間転写体に残留する色材固定材料の割合が変化した場合であっても、1次画像を形成するときに中間転写体に付着している色材固定材料の量が均一になるように通常濃度処理液及び低濃度処理液を付与することが可能になる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の画像形成装置の一態様に係り、前記記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、前記通常濃度処理液付与制御手段は、前記記録媒体判断手段によって直前の転写記録において表面に密着性を有する記録媒体が使用されたと判断されると、前記中間転写体の全面にわたって前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段による通常濃度処理液付与を変更するとともに、前記低濃度処理液付与手段は、前記中間転写体に前記低濃度処理液を付与しないように前記低濃度処理液付与手段による低濃度処理液付与を変更することを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、記録媒体の種類に応じて通常濃度処理液付与及び低濃度処理液付与の少なくとも何れか一方の付与制御を変更するので、記録媒体の種類によらず中間転写体上の色材固定材料の量が均一になるように通常濃度処理液及び低濃度処理液が付与される。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の画像形成装置の一態様に係り、前記通常濃度処理液付与手段及び前記低濃度処理液付与手段の前記中間転写体移動方向下流側に前記中間転写体を乾燥させる乾燥手段を備えたことを特徴とする。
乾燥手段によって中間転写体に付与された通常濃度処理液及び低濃度処理液を乾燥させることで処理液及び低濃度処理液が増粘するので、色材固定材料を中間転写体に固定され、中間転写体に打滴されたインク液滴の中間転写体上における移動が抑制される。
また、上記目的を達成するための方法発明を提供する。即ち、請求項12に記載の発明に係る画像形成方法は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、最初の画像記録では、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、前記通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程の後に、直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されていない非インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、を含み、2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項13に記載の発明に係る画像形成方法は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程の後に、直前の画像データに基づいて直前の1次画像における前記中間転写体にインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、前記中間転写体の全面にわたって均一に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、を含み、2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項14に記載の発明に係る画像形成方法は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、前記通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取工程と、前記読取工程の読取結果に応じて、前記1次画像が形成された中間転写体におけるインクが打滴されたインク打滴領域と、インクが打滴されていない非インク打滴領域と、を判断する判断工程と、前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程の後に、前記判断工程における判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、前記判断工程における判断結果に基づいて前記非インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、を含み、2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項15に記載の発明に係る画像形成方法は、中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取工程と、前記読取工程の読取結果に応じて、前記1次画像が形成された中間転写体におけるインクが打滴されたインク打滴領域と、インクが打滴されていない非インク打滴領域と、を判断する判断工程と、前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程の後に、前記判断工程における判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、前記中間転写体の全面にわたって均一に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、を含み、2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする。
本発明によれば、インク打滴領域の色材固定材料は、転写記録時にインクとともに記録媒体に転写され、非インク打滴領域の色材固定材料は転写記録後も一定の割合で中間転写体に残留するので、直前に転写記録された画像のインク打滴領域には所定の色材固定材料濃度の通常濃度処理液を補充するとともに、直前に転写記録された画像の非インク打滴領域には所定の色材固定材料濃度よりも低濃度の低濃度処理液を付与することで、次の画像記録における1次画像を形成するときに中間転写体上に存在する色材固定材料の量が均一になり、中間転写体への色材固定材料の蓄積が防止される。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態、装置構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、1次画像(鏡像画像)が形成される中間転写体12と、1次画像を形成する前に中間転写体12に付着するインク等の付着物を除去するクリーニングブレード11Aを含むクリーニング装置11と、クリーニング装置11の中間転写体移動方向(図1に符号Aで図示)下流側に設けられ、中間転写体12の画像形成面12Aの画像形成領域(不図示)に処理液を塗布する塗布ローラ13Aを有する第1塗布装置13と、第1塗布装置13の中間転写体移動方向の下流側に設けられ、第1塗布装置13によって塗布される処理液とは色材固定材料濃度の異なる処理液を液滴化して打滴する第2塗布装置14と、第2塗布装置14の中間転写体移動方向下流側に設けられ、中間転写体12に付着した処理液を増粘させる乾燥処理部16と、乾燥処理部16の中間転写体移動方向下流側に設けられ、画像データに応じて打滴されるK(黒),Y(イエロー),M(マゼンダ),C(シアン)の各色インクに対応するインクジェットヘッド18K,18Y,18M,18Cを含む印字部18と、中間転写体12と記録媒体20を対向ローラ22A及び転写加熱ローラ22Bの間に挟み込んだ状態で押圧するとともに、転写加熱ローラ22Bに内蔵されたヒータ22Cによって所定の温度に加熱して、中間転写体12に形成された1次画像を記録媒体20(供給方向を矢印線Bで図示)に転写記録する転写記録部22と、を備えて構成されている。
また、図示は省略するが、印字部18と転写記録部22との間には、1次画像が形成された後に中間転写体12上の溶媒を除去する溶媒除去部と、溶媒除去後の中間転写体12(1次画像)を予備加熱する予備加熱部と、を備え、更に、転写記録部22の後段に転写記録後の記録媒体20と中間転写体12を冷却する冷却部を備え、冷却部の後段側に転写記録後の記録媒体20と中間転写体12を剥離する剥離部を備えるとともに、剥離部の後段側に記録媒体20に転写記録された画像を定着させる定着部と、画像定着処理後の記録媒体20をインクジェット記録装置10の外部に排出する排出部と、を備えている。
更にまた、記録媒体20を収容する供給トレイ(不図示)と、記録媒体20を供給トレイから転写記録部22に供給する給紙部と、を備えている。なお、長尺の記録媒体を所定のサイズにカットして使用する場合には、記録媒体を所定のサイズにカットするカッターを備えている。
クリーニング装置11は、中間転写体12の画像形成領域に残留するインク液滴や処理液などを払拭除去するクリーニングブレード11Aを備えている。また、クリーニングブレード11Aの可動範囲であるクリーニング領域では、中間転写体12は画像形成面12Aの反対側をプラテン24で支持され、クリーニングブレード11Aと中間転写体12の画像形成面が均一に接触するように構成されている。
なお、クリーニング処理時に中間転写体12に洗浄液を付与する態様も好ましい。また、クリーニングブレード11Aに代わりローラ状部材やブラシなどの払拭部材を適用してもよいし、払拭方式に代わり洗浄液を噴出させる方式や吸引方式など他の方式を適用することも可能である。
図1に示す中間転写体12には無端状ベルトが適用され、中間転写体12は複数のローラ(張架ローラ28、30及び転写加熱ローラと兼用される転写加熱ローラ22B)に巻きかけられた構造を有し、張架ローラ28、30の少なくとも1つにモータ(図1中不図示、図9に符号88として図示)の動力が伝達されることにより、中間転写体12は、図1において反時計回り方向に所定の搬送速度で駆動される。本例では、中間転写体12の搬送速度(最大値)は500mm/sとなっている。
中間転写体12の画像形成面12Aを含む表面層には、ポリイミド系樹脂などの非浸透性を有する材料が用いられる。なお、非浸透性を有する材料(媒体)に代わりまたは併用して、処理液に対する浸透速度が遅い媒体を適用することも可能である。「浸透速度が遅い媒体」とは、処理液が付与されてから印字部18の直下に移動するまでに処理液の量(厚み)の減少が1%を超え10%以下の低浸透性を有する媒体や、処理液が付与されてから印字部18の直下に移動するまでに処理液の量(厚み)の減少が1%以下の緩浸透性を有する媒体をいう。
中間転写体12の画像形成面12Aを含む表面層に用いられる好ましい材料としては、ポリイミド系樹脂の他に、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等の公知の材料が挙げられる。
また、中間転写体12の表面層の表面張力は10mN/m以上40mN/m以下とする態様が好ましい。中間転写体12の表面層の表面張力を40mN/mを超える値とすると、1次画像が転写記録される記録媒体20との表面張力差がなくなり(または、極めて小さくなり)、1次画像(インク凝集物)の転写性が悪化する。
また、中間転写体12の表面層の表面張力が10mN/m未満であると、処理液のぬれ性を考慮した場合に、処理液の表面張力を中間転写体12の表面層の表面張力未満にする必要があるが、処理液の表面張力を10mN/m未満とすることは処理液の組成上困難である。したがって、中間転写体12の表面層の表面張力を10mN/m未満とすると、中間転写体12及び処理液の設計自由度(選択範囲)が狭くなってしまう。
なお、中間転写体12の表面層に表面粗さRa0.3μm程度の凹凸があると、インク液滴やインク凝集物の移動が抑制される効果があり、より好ましい。
第1塗布装置13は、塗布ローラ13Aを用いて中間転写体12の画像形成領域の全面にわたって(実際には、画像形成領域よりも広い領域に)均一に処理液を塗布する方式と、塗布ローラ13Aを用いて処理液を中間転写体12の決められた領域に選択的に塗布する方式が併用される。塗布ローラ13Aを用いて処理液を中間転写体12の決められた領域に選択的に塗布する手法の一例を挙げると、塗布ローラ13Aの全面に付着した処理液のうち、中間転写体12に塗布しない部分の処理液をエアの吹き付け等の手法によって除去し、中間転写体12の決められた領域に選択的に処理液を塗布する手法が挙げられる。なお、ここで例示した中間転写体12の決められた領域に選択的に処理液を塗布する塗布方法の詳細は後述する。
図1に示すように、第1塗布装置13による処理液の塗布領域(塗布ローラ13Aの稼動範囲)では、中間転写体12は画像形成面12Aの裏側からプラテン24で支持され、処理液を塗布する際に塗布ローラ13Aと中間転写体12の画像形成面12Aが均一に接触するように構成されている。
塗布ローラ13Aには、多孔質材料や表面に凹凸がある材料が望ましく、例えば、グラビアロール状のもの等を用いることができる。
第1塗布装置13による処理液の塗布量を制御するには、塗布ローラ13Aと中間転写体12との接触時間を制御する態様が好ましい。塗布ローラ13Aと中間転写体12との接触時間を相対的に長くすると処理液の塗布量は相対的に大きくなり、塗布ローラ13Aと中間転写体12との接触時間を相対的に短くすると処理液の塗布量は相対的に小さくなる。なお、中間転写体12に対する塗布ローラ16Aの押圧制御を併用する態様がより好ましい。
第1塗布装置13によって塗布される処理液(通常濃度処理液)は、印字部18(ヘッド18K,18Y,18M,18C)から付与されるインク液滴に含有している色材を凝集または不溶化させる成分である色材凝集材料と、凝集または不溶化後のインク液滴(凝集体)を中間転写体12の所定の位置に固定する機能を有する色材固定材料と、含有している。
色材凝集材料に用いられる酸の種類は、リン酸、ピコリン酸、カルボン酸、スルホン酸、酢酸またはこれらの化合物などが挙げられる。本例では、2−ピロリドン−5−カルボン酸が10%の水溶液が適用される。
色材固定材料には、高分子樹脂ポリマーが好適に用いられる。高分子樹脂ポリマーは透明体であるため、記録媒体20に付着しても記録媒体20の発色性を損なうことがなく好ましい。また、記録媒体20に付着する量がごく微量の場合(例えば、0.1μm以下の薄層状となって記録媒体20に付着する場合)、記録媒体20に付着しても光沢性を損なうことがないことが実験により確認されている。
本例では、通常濃度処理液の色材固定材料濃度を8%としている。通常濃度処理液の色材固定材料濃度の好ましい範囲は6.5%以上10%以下である。
第2塗布装置14には、インクジェット方式が適用される。即ち、第2塗布装置では、インクジェットヘッド(処理液ヘッド、図4(b)に符号14Aで図示)を用いて、第1塗布装置13によって塗布される通常濃度処理液よりも色材固定材料濃度が低い低濃度処理液を所定の吐出データに基づいて中間転写体12の予め決められた領域に選択的に付与するように構成されている。
なお、ここでいう「予め決められた領域」とは、中間転写体12の画像形成領域の全面でもよく、第2塗布装置14によって中間転写体12の画像形成領域の全面にわたって低濃度処理液を付与してもよい。
本例では、低濃度処理液の色材固定材料濃度を3%としている。低濃度処理液の色材固定材料濃度の好ましい範囲は2.5%以上4.0%以下である。また、低濃度処理液に含有する色材凝集材料には、通常濃度処理液と同じ種類の酸が用いられるとともに、同じ濃度の酸が用いられる。
乾燥処理部16には赤外線ヒータが好適に用いられ、処理液塗布後の中間転写体12を加熱して中間転写体12上の水分(溶媒成分)を蒸発させている。本例では、加熱温度は80℃以上150℃以下の範囲であり、加熱時間は0.5秒以上5.0秒以下(加熱時間は中間転写体12の搬送速度で決められる)である。なお、加熱温度及び加熱時間の設定は、環境温度、使用される処理液の物性やインクの物性に応じて適宜変更するように構成するとよい。
印字部18の各ヘッド18K,18Y,18M,18C及び第2塗布装置14に用いられる処理液ヘッドは、中間転写体12における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し(図2参照)、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたりノズル(図1中不図示、図6に符号51で図示)が複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
ヘッド18K,18Y,18M,18Cは、中間転写体12の搬送方向に沿って上流側から黒(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の色順に配置され、それぞれのヘッド18K,18Y,18M,18Cが中間転写体12の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。また、印字部18の中間転写体12の搬送方向上流側(更に、乾燥処理部16の上流側)に設けられた処理液ヘッドも同様に、中間転写体12の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
中間転写体12の幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッドを各色インク及び処理液に対してそれぞれ設ける構成によれば、中間転写体12の搬送方向(副走査方向、図6参照)について、中間転写体12と印字部18及び処理液ヘッドを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、中間転写体12の画像形成領域に1次画像を記録することができる。これにより、ヘッド18K,18Y,18M,18C及び処理液ヘッドが中間転写体12の搬送方向と直交する主走査方向(図6参照)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
本例では、KYMCの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
図1に示す各ヘッド18K,18Y,18M,18Cに供給する各色のインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部(不図示)は、各ヘッド18K,18Y,18M,18Cに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク(図8に符号60で図示)を有し、各色のインクタンクは所要の流路を介して各色のヘッド18K,18Y,18M,18Cと連通されている。また、インク貯蔵/装填部は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。処理液ヘッドについても、インク貯蔵/装填部と同様の構成を有する処理液貯蔵/装填部を備えている。
予備加熱部は、中間転写体12の画像形成面12Aの裏面側に平板加熱ヒータ(図1中不図示、図9に複数の種類のヒータを代表して符号89で図示)が配置されており、1次画像が形成された中間転写体12を50℃以上150℃以下の範囲で予備加熱が可能に構成されている。なお、平板加熱ヒータを中間転写体12に内蔵する態様も好ましい。
また、予備加熱における中間転写体12の温度は、転写時の加熱温度よりも低く設定することが好ましい。更に、予備加熱温度は処理液やインクに含有する微粒子(樹脂微粒子)の溶解温度やガラス転移点温度に応じて設定すると、転写記録時の転写性向上を図ることができ好ましい。
このように、中間転写体12の画像形成領域を予備加熱しておくことで、予備加熱を行わない場合に比べて、転写記録部22において所定の転写温度になるまでの時間を短縮することができ、転写記録部22における転写工程の全体に要する時間を短縮可能である。
本例に適用される記録媒体20の具体例を挙げると、普通紙、インクジェット専用紙などの浸透性媒体、コート紙などの非浸透性又は低浸透性の媒体、裏面に粘着剤と剥離ラベルの付いたシール用紙、OHPシートなどの樹脂フィルム、金属シート、布、木など様々な媒体がある。
転写記録部22は、ヒータ22Cを内蔵した転写加熱ローラ22Bが配置されており、この転写加熱ローラ22Bと、これに対向して配置される加熱加圧ニップ用の対向ローラ22Aとによって中間転写体12と記録媒体20とを挟み込み、所定の温度(例えば、インクに含有する樹脂微粒子の軟化点以上の温度)に加熱しながら、所定の圧力(ニップ圧)で加圧することにより、中間転写体12上に形成された1次画像を記録媒体20に転写する構成となっている。
転写記録部22による転写時の加熱温度は50℃以上150℃以下が好ましい。転写記録部22による転写時の加熱温度が150℃以上になると、中間転写体12の変形等の問題があり、一方、50℃以下になると転写性が悪化するという問題がある。
転写記録部22におけるニップ圧は0.5MPa以上3.0MPa以下とする態様が好ましい。なお、転写時のニップ圧を調整するための手段としては、例えば、対向ローラ22Aを図1の上下方向(符号Cで図示)に移動させる機構(駆動手段)が挙げられる。
不図示の冷却部は、転写記録部22を通過して中間転写体12と記録媒体20が張り合わさった状態のものを冷却する。冷却部には、冷却ファン等で冷気を送風する態様が適用され、冷却温度等を調整可能であることが好ましい。本例の冷却部は、中間転写体12及び記録媒体20を所望の温度まで冷却するための中間転写体12の移動時間(冷却時間)が確保されている構成となっている。所望の温度に冷却した後に中間転写体12と記録媒体20と剥離することで、温度ムラ等に起因した転写不良を防止することができ、安定した画像の転写(剥離)が可能となる。
不図示の剥離部は、中間転写体12の剥離ローラ(不図示)の巻き付け曲率によって、記録媒体20自身の剛性(腰の強さ)で中間転写体12から記録媒体20を剥離するように構成されている。剥離部には、剥離爪等の剥離を促進させる手段を併用してもよい。
不図示の定着部は、50℃以上200℃以下の範囲で温度調整可能な加熱ローラ対を含んで構成され、所定の定着温度において0.5MPa以上3.0MPa以下の加圧力を付与して記録媒体20に本画像を定着させる。
本例では、処理液及びインクの少なくとも何れか一方にポリマー微粒子を含有しているので、当該ポリマー微粒子を造膜させる(画像の最表面にポリマー微粒子が溶解した薄膜が形成される)ことで、定着性・耐擦過性を向上させることができる。転写記録部22にて転写性と造膜化が両立することができれば、定着部を省略する態様も可能である。
〔画像形成方法の説明〕
次に、図1に示すインクジェット記録装置10に適用される画像形成方法について詳説する。
図3(a)〜(f)は、本実施形態に係る画像形成方法の各工程を模式的に図示した説明図である。以下に、図1に示すインクジェット記録装置10の構成と、図3(a)〜(f)の各工程と、を対比しながら本例の画像形成方法について説明する。
本例の画像形成方法は、2枚以上の画像記録を連続して行う場合に適している。「2枚以上の画像記録を連続して行う場合」とは、同一画像を複数枚印刷してもよいし、異なる画像や異なる画像サイズを複数枚印刷してもよいが、複数枚の印刷処理が一連の流れとして行われ、途中で初期化処理(イニシャライズ、リセット)が行われない場合をいう。
先ず、最初の画像記録では、図1に示すクリーニング装置11による洗浄工程を経た中間転写体12(画像形成面12A)に、第1塗布装置13によって色材固定材料40と色材凝集成分(不図示)を含有する処理材料(通常濃度処理液)42が均一に塗布される。図3(a)には、通常濃度処理液42が中間転写体12に均一に塗布された状態を図示する。
中間転写体12に通常濃度処理液42が付与されると、図1に示す乾燥処理部16によって通常濃度処理液42の水分を蒸発させ通常濃度処理液42を高粘度化させる。
図3(b)には、通常濃度処理液42が高粘度化し、色材固定材料40の中間転写体12に対する固定性が良化された状態を図示する。なお、上述した乾燥処理工程では通常濃度処理液42の水分を完全に蒸発させる必要はなく、色材固定材料40の移動が抑制される程度に通常濃度処理液が増粘すればよい。
次に、図1に示す印字部18によってインクが打滴される。通常濃度処理液42が付与された中間転写体12にインク液滴が着弾すると、通常濃度処理液42に含有される色材凝集材料とインク液滴が反応して、中間転写体12上でインク凝集物(ドット)44と溶媒46に分離する。図3(c)には、中間転写体12上でインク液滴がインク凝集物44と溶媒46に分離した状態を図示する。
図3(c)に示すように、インク凝集物44の凝集力と色材固定材料40によって形成された凹凸によるアンカー効果によってインク凝集物44は色材固定材料40に密着する。一方、色材凝集材料とインク溶媒46が混合されると、インク(インク凝集物44)が存在する部分において、中間転写体12と色材固定材料40との固定性(接着力)が弱くなり、転写記録時に1次画像が中間転写体12からはがれやすくなる。
このようにして中間転写体12上に1次画像が形成されると、中間転写体12上の溶媒が除去される。
次に、図1に示す転写記録部22において、中間転写体12に形成された1次画像が記録媒体20に転写記録される。図3(d)には、転写記録工程を模式的に図示する。図3(d)に示すように、転写記録工程では熱及び圧力を付与してインク凝集物44(1次画像)を記録媒体20に転写する。このとき、色材固定材料40は熱及び圧力によって軟化して薄層化するとともに、インク凝集物44が存在しない部分では記録媒体20に密着する。
また、溶媒46(図3(d)には不図示)は、記録媒体20が浸透性を有する場合には記録媒体20に浸透し、記録媒体20が非浸透性を有する場合には、記録媒体20と中間転写体12の両方に付着する。
転写記録工程が終了すると、中間転写体12から記録媒体20が剥離される。図3(e)には、記録媒体20が中間転写体12から剥離された状態を図示する。
図3(e)に示すように、記録媒体20には、インク凝集物44とともにインク凝集物44に密着した色材固定材料40’が転写され、中間転写体12におけるインク液滴が打滴されなかった(インク液滴が付着しなかった)非インク打滴領域には、色材固定材料40が残留する。また、中間転写体12には、記録媒体20に転写されなかった少量のインク(インク凝集物)44’が残留することがある。
なお、記録媒体20に塗工紙などの表面に粘着性のある媒体を用いると、本来は中間転写体12に残留するはずの非インク打滴領域の色材固定材料40のうち、80%〜90%が記録媒体20に転写される。
次に、図3(f)に示すように、図1のクリーニング装置11を用いて中間転写体12に残留したインク凝集物44’が除去される。図1に示すクリーニングブレード11Aによるクリーニング処理では、中間転写体12に残留する色材固定材料40は完全に除去されず、中間転写体12に残留した色材固定材料40のうち30%〜50%程度はそのまま残留する。
仮に、洗浄液を付与して色材固定材料40の完全除去を図ったとしても、洗浄液を付与してからクリーニングブレード11Aによる払拭を行うまでの時間は、装置の構造上の制約により非常に短くなってしまう。したがって、色材固定材料40と洗浄液との十分な接触時間を確保することができず、中間転写体12から色材固定材料40を完全に除去することは困難である。
本例の画像形成方法では、2回目以降の画像記録(1次画像形成)において、中間転写体12上に色材固定材料40が残留したとしても、図1の印字部18によるインク打滴時に中間転写体12上に色材固定材料40が均一に存在するように、処理液の塗布が制御される。
具体的には、2回目の画像記録のときには、1回目の画像記録の画像データ(インク打滴データ)に基づいて、1回目の画像記録の1次画像においてインクが打滴されたインク打滴領域とインクが打滴されていない非インク打滴領域とを判断する。即ち、nを2以上の整数とするときに、n回目の(次の)画像記録のときには、n−1回目の(前回の)画像記録の画像データに基づいてインク打滴領域と非インク打滴領域を判断している。
なお、中間転写体12に2つ以上1次画像が同時に形成される場合には、直前の転写記録に対応する画像データに基づいてインク打滴領域と非インク打滴領域が判断される。例えば、n回目の1次画像が転写記録される前にn+1回目の1次画像が形成される場合には、n+2回目の画像記録の処理液補充工程におけるインク打滴領域と非インク打滴領域との判断は、n回目の画像記録における画像データに基づいて行われる。
インク打滴領域は色材固定材料40がほとんど存在していないので、所定の色材固定材料の濃度を有する通常濃度処理液が選択的に塗布され、当該領域には1回目画像記録における通常濃度処理液塗布と同じ条件で色材固定材料40が補充され、一方、非インク打滴領域は初回の処理液塗布時に塗布された色材固定材料40がある程度残留しているので、通常濃度処理液よりも色材固定材料濃度が低い低濃度処理液が選択的に付与され、当該領域には1回目画像記録における処理液塗布に比べて色材固定材料40の量を減らした条件で色材固定材料40が補充される。
また、本例ではクリーニング工程の後に中間転写体12に残留する色材固定材料の量(割合)を実験やシミュレーションによって予め把握しておき、低濃度処理液の色材固定材料濃度が決められる。通常濃度処理液及び低濃度処理液の色材固定材料濃度の一例を挙げると、通常濃度処理液の色材固定材料濃度を8%とするときに、低濃度理液の色材固定材料濃度は3%とするとよい。以降、通常濃度処理液と低濃度処理液を区別する必要がない場合には通常濃度処理液と低濃度処理液を含む概念を単に「処理液」と記載することとする。
図4(a)には、塗布ローラ(塗工ローラ)13A(図1の第1塗布装置13)を用いて中間転写体12のインク打滴領域に選択的に通常濃度処理液を塗布する処理液補充工程を模式的に図示する。図4(a)中、略球形状で図示された色材固定材料40”は、当該処理液補充工程において新たに補充されたものであり、略だ円形状で図示された色材固定材料40は、先の画像記録時に塗布されて中間転写体12に残留しているものである。
なお、図4(a)の符号13Cは、処理液収容部13Bから通常濃度処理液42を汲み上げる機能を持つ給水ローラ(汲み上げローラ)であり、符号13Dは処理液収容部13Bから汲み上げられた通常濃度処理液42を塗布ローラ13Aに移す機能を持つ中間ローラ(受け渡しローラ)である。また、符号13Eで図示するエアノズルは、塗布ローラ13Aに付着した通常濃度処理液42のうち、不要部分(非インク打滴領域に対応する部分)の通常濃度処理液を除去するためのものである。図4(a)における中間ローラ13Dは省略可能である。
図4(b)には、処理液ヘッド14A(図1の第2塗布装置14)を用いて中間転写体12の非インク打滴領域に選択的に低濃度処理液48を付与する状態を図示する。
より精密な処理液の塗布制御を行う場合には、多数のノズルを備えたヘッドを用いたインクジェット方式の塗布装置が好ましいが、塗布面積が広くなると塗布装置(ヘッド)は大型化するとともに高価になるという欠点がある。また、酸性の色材凝集材料を含有する処理液による腐食の懸念もある。特に、多数のノズルを備えるヘッドではノズル数が多くなればなるほどメンテナンスの負荷が著しく増大する。
一方、塗布ローラはヘッドに比べて構成が簡易であり、安価である。また、ヘッドに比べて交換も容易でありメンテナンス性にも優れている。しかし、塗布ローラは精密な塗布制御は困難(精密な塗布制御には不向き)である。したがって、塗布ローラとヘッドとを組み合わせることで、精密な塗布制御と安価な構成の両立を果たすことが可能となる。
このようにして、所定の(通常の)色材固定材料濃度を有する通常濃度処理液42と、通常濃度処理液42よりも色材固定材料濃度が低い低濃度処理液48を併用し、インク打滴領域には通常濃度処理液42を補充して、インク打滴領域の記録媒体20に転写された色材固定材料(図3(e)の符号40’)に対応する量の色材固定材料が補充されるとともに、非インク打滴領域には低濃度処理液を塗布して、非インク打滴領域の記録媒体20に転写された色材固定材料に対応する量と、クリーニングによって中間転写体12から除去された色材固定材料に対応する量の色材固定材料が補充される。
したがって、1次画像を形成するときには中間転写体12上の色材固定材料40の量は常に均一(一定)となり、好ましい1次画像が形成されるとともに、好ましい転写記録が実現される。
なお、図4(a),(b)に示す処理液補充工程において、第1塗布装置13を用いて低濃度処理液48を塗布し、第2塗布装置14を用いて通常濃度処理液42を付与してもよい。図5(a),(b)には、塗布ローラ13Aを用いて中間転写体12に低濃度処理液48を塗布し、処理液ヘッド14Aを用いて中間転写体12に通常濃度処理液42を付与する態様を示す。
図5(a),(b)に示す態様では、先ず、処理液補充工程において塗布ローラ13Aによって中間転写体12の全面にわたって均一に低濃度処理液48が塗布され、更に、処理液ヘッド14Aを用いて中間転写体12の全面にわたって均一に通常濃度処理液42が付与される。
通常濃度処理液42をインク打滴領域に対して選択的に塗布するとともに、低濃度処理液48を中間転写体12に全面塗布する態様では、通常濃度処理液42の色材固定材料濃度は5%、低濃度処理液48の色材固定材料濃度は3%とするとよい。
図5(a),(b)に示す態様によれば、第1の塗布装置13には酸と色材固定材料濃度が3%の低濃度処理液48を用い、第2の塗布装置14(処理液ヘッド14’)には色材固定材料濃度5%の通常濃度処理液42を用いることが腐食防止の観点から好ましいといえる。
なお、本例では、塗布ローラによる塗布とインクジェット方式による打滴を併用する態様を例示したが、インクジェット方式ほどの分解能を必要としない場合には、2つ以上の塗布ローラを組み合わせて、一方の塗布ローラで色材固定材料濃度が低濃度の低濃度処理液を全面塗布し、他方の塗布ローラで所定の色材固定材料濃度の通常濃度処理液をインク打滴領域に選択的に塗布することも可能である。なお、最初の処理液塗布では、他方のローラを用いて通常濃度処理液が中間転写体の全面にわたって塗布される。このように、ヘッドを省略した構成は、ヘッドのメンテナンスを必要としないので、装置全体のメンテナンス負荷が低減化される。
〔ヘッドの構造〕
次に、図1及び図2に示すヘッド18K,18Y,18M,18C及び図4(a),(b)に示す処理液ヘッド14Aの構造について詳説する。インクヘッド18K,18Y,18M,18C及び処理液ヘッド14Aの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示す。
図6(a)はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図6(b)はその一部の拡大図である。また、図6(c)はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図6はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図6(a),(b)中の7−7線に沿う断面図)である。
中間転写体12上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図6(a),(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する副走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
中間転写体12の搬送方向と略直交する方向に中間転写体12の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図6(a)の構成に代えて、図6(c)に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで中間転写体12の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図7中不図示、図8に符号60で図示)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図7の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えた圧電素子58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
本例では、ヘッド50に設けられたノズル51から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子58を適用したが、圧力室52内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図6(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、中間転写体12の幅方向の長さに満たない短尺のヘッドを中間転写体12の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると中間転写体12を幅方向と直交する方向に所定量だけ移動させて、次の印字領域の中間転写体12の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して中間転写体12の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
〔供給系の構成〕
図8はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。なお、処理液ヘッド14Aについても図8に図示するインク供給系と同様の構成を有する処理液供給系が備えられている。
インク供給タンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部に含まれる。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図8に示したように、インク供給タンク60とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図8には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ヘッド50のインク吐出面の清掃手段としてクリーニングブレード66が設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、圧電素子58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(圧電素子58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)圧電素子58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
なお、中間転写体12に向けてインク及び処理液を打滴して予備吐出を行う態様も可能である。例えば、複数の画像を連続的に形成する場合には、画像間で予備吐出を実行することが可能である。特に、同一画像を複数枚形成する場合には、特定のノズルにおいてインク(処理液)吐出の頻度が低くなり、吐出異常の発生する可能性が高くなり、当該特定のノズルについて画像間で予備吐出を行うことが好ましい。
中間転写体12に予備吐出を行う場合には、溶媒除去ローラや対向ローラ22Aに予備吐出によるインク(処理液)が付着しないように、溶媒除去ローラ及び対向ローラ22Aを移動させて、溶媒除去ローラ及び対向ローラ22Aと中間転写体12との間に所定のクリアランス(例えば、10mm程度)を設けるとよい。
また、ヘッド50内のインク或いは処理液(圧力室52内)に気泡が混入した場合、圧電素子58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合にはヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66はゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面に摺動可能である。インク吐出面にインク液滴または異物が付着した場合、クリーニングブレード66をインク吐出面に摺動させることでインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清掃する。
〔制御系の説明〕
図9はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、転写記録制御部79、プリント制御部80、処理液塗布制御部81、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバである。図9には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号88で図示されている。例えば、図9に示すモータ88には、図1のローラ28(ローラ30)の駆動ローラを駆動するモータや、溶媒除去ローラの移動機構のモータ、対向ローラ22Aの移動機構のモータ、クリーニングブレード11Aの移動機構のモータなどが含まれている。
ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って、ヒータ89を駆動するドライバである。図9には、インクジェット記録装置10に備えられる複数のヒータを代表して符号89で図示されている。例えば、図9に示すヒータ89には、図1に示す乾燥処理部16の赤外線ヒータや、予備加熱部の加熱ヒータ、定着部のヒータなどが含まれている。
転写記録制御部79は、転写記録部22の対向ローラ22Aの押圧制御やヒータ22Cの温度制御を行う。記録媒体20の種類やインクの種類ごとに、対向ローラ22Aの押圧最適値やヒータ22Cの温度最適値が予め求められ、データテーブル化されて所定のメモリ(例えば、メモリ74)に記憶され、記録媒体20の情報や使用インクの情報を取得すると、当該メモリを参照して対向ローラ22Aの押圧やヒータ22Cの加熱温度が制御される。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
処理液塗布制御部81は、図1に示す第1塗布装置13及び第2塗布装置14における処理液の塗布量及び塗布領域を制御する。例えば、図4(a),(b)に示す処理液補充工程では、プリント制御部80から処理液塗布制御部81へ直前に転写記録が行われた画像に対応する画像データが送られると、処理液塗布制御部81は当画像データに基づいて直前に転写記録が行われた画像のインク打滴領域及び非打滴領域を判断し、インク打滴領域には通常濃度処理液を塗布するように第1塗布装置に指令信号を送出するとともに、非インク打滴領域には低濃度処理液を塗布するように第2塗布装置に指令信号を送出する。
また、図5(a),(b)に示す処理液補充工程では、プリント制御部80から処理液塗布制御部81へ直前に転写記録が行われた画像に対応する画像データが送られると、処理液塗布制御部81は当画像データに基づいて直前に転写記録が行われた画像におけるインク打滴領域を判断し、インク打滴領域には通常濃度処理液を塗布するように第2塗布装置に指令信号を送出するとともに、第1塗布装置には中間転写体12の全面にわたって均一に低濃度処理液を塗布するように指令信号を送出する。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる画像データに基づいてヘッド50(インクヘッド18K,18Y,18M,18C)の圧電素子58に印加される駆動信号を生成するとともに、該駆動信号を圧電素子58に印加して圧電素子58を駆動する駆動回路を含んで構成される。なお、図9に示すヘッドドライバ84には、ヘッド50の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。なお、第2塗布装置に処理液ヘッド14Aを備える態様では、処理液塗布制御部81にヘッドドライバ84と同様の構成が含まれている。言い換えると、第2塗布装置14に処理液ヘッド14Aを備える態様では、処理液塗布制御部81は、処理液ヘッドドライバとしての機能を有している。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータ及び凝集処理液のドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行うとともに、図4(b)に示す態様(非インク打滴領域に低濃度処理液を付与する態様)では低濃度処理液のドットデータ(非インク打滴領域に対応するドットデータ)に変換する処理を行い、図5(b)に示す態様(インク打滴領域に通常濃度処理液を付与する態様)では通常濃度処理液のドットデータ(インク打滴領域に対応するドットデータ)に変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
なお、中間転写体12上に形成される1次画像は、転写の際に反転することを考慮して、最終的に記録媒体20に形成される本画像の鏡面画像としなければならない。即ち、インクヘッド18K,18Y,18M,18C及び処理液ヘッド14Aに供給される駆動信号は鏡面画像に対応した駆動信号であり、プリント制御部80にて入力画像に対して反転処理を施す必要がある。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
センサ92は、インクジェット記録装置10に備えられる複数のセンサを代表して図示した。センサ92には、処理液の残量検出センサや、中間転写体12に形成された1次画像を読み取るセンサ、記録媒体20の種類を検出するセンサ、転写記録部22における記録媒体20と1次画像の位置合わせに用いられるセンサ(記録媒体20の位置を検出するセンサ、中間転写体12(1次画像)の位置を検出するセンサ)、クリーニング後の中間転写体12のクリーニング状態(付着物の有無)を検出するセンサ、乾燥処理部16の温度センサ、転写記録部22の温度センサ、予備加熱部の温度センサなどが挙げられる。
また、図1に示す第1塗布装置13における処理液収容部13B内の処理液の残量を検出するセンサや、第2塗布装置に処理液を補充する供給系のタンク(例えば、図8の符号60)に処理液の残量を検出するセンサを備え、処理液塗布制御部81は該センサから得られる情報に基づいて処理液収容部13Bや処理液タンク内の処理液の残量を判断し、残量が所定量以下になると、その旨を報知する態様も好ましい。
〔塗布ローラを用いた部分的な処理液塗布の説明〕
次に、図4(a)に示した塗布ローラ13Aを用いて中間転写体12のインク打滴領域に通常濃度処理液を選択的に塗布する具体例について説明する。
(第1例)
図10は、図4(a)に示す第1塗布装置13(塗布ローラ13A)に適用される構成例(第1例)を示す構成図である。なお、同図において、中間転写体12は左から右へと搬送されるものとする。図10に示す第1塗布装置13は、搬送される中間転写体12に対して、グラビアローラ101(塗布ローラ13A)を押し当て、該グラビアローラ101を中間転写体12の搬送方向と逆方向(同図において反時計回り方向)に所定の一定速度で回転駆動することにより、中間転写体12の所望領域に対して選択的に処理液とを付与する装置(ここでは、中間転写体搬送方向についての塗布領域の制御を行うもの)である。
本例の第1塗布装置13は、処理液を貯留した処理液供給タンク102のから送液ポンプ104によって処理液が汲み上げられ、処理液収容部13Bに処理液が導入される。処理液収容部13Bの底面から所定の高さ位置にドレイン流路106が設けられており、オーバーフローした液はドレイン流路106を介して処理液供給タンク102に戻るため、処理液収容部13B内における処理液108の液面高さが一定に保たれる。
グラビアローラ101は、その表面にピラミッド型や格子型(角錐台型)などに彫られた精密なセル(図11(a),(b)参照)が所定の密度で多数形成された塗布用ローラであり、中間転写体12の被塗布面の幅寸法と同等以上の長さ(幅寸法)を有する。ローラ面上におけるセルの配列形態は特に限定されないが、回転方向に対して直交しない斜め方向の線に沿ってセルが並ぶ形態が好ましい。セルの形状、深さ、セル容積、密度等は、塗布すべき液量(塗布後の液膜の厚さ)に応じて適宜選択される。なお、グラビアローラは、別名アニロックスローラ、プレシジョンローラとも呼ばれる。
このグラビアローラ101の一部(図10において下側の部分)を図10に示すように、処理液収容部13B内の処理液108に浸すことで、セル内に処理液が入り込み、ローラ表面に処理液が付着する。
処理液収容部13B内には、グラビアローラ101の表面から処理液の余剰分を掻き落とす手段としてのスキージブレード110が立設されている。このスキージブレード110は、その先端部がグラビアローラ101に接するように配設され、該先端部はグラビアローラ101の周面を押す方向に付勢されている。当該付勢力はスキージブレード110自体の弾性変形によるものであってもよいし、バネその他の付勢部材(図示せず)を用いて外部から付与するものでもよい。
処理液108に浸漬させたグラビアローラ101を回転させながら、スキージブレード110で余剰液を掻き落とすことにより、セル内に保持された処理液のみがスキージブレード110を抜けてくる。
また、本実施形態では、中間転写体12の搬送方向について処理液の塗布範囲を制御する観点から、第1塗布装置13において、グラビアローラ101の回転方向に対して、スキージブレード110の下流側に、グラビアローラ101表面の開口範囲を回転方向に絞る(制限する)ように遮蔽部材112が配置され、この遮蔽部材112とスキージブレード110との間(上記の開口範囲)に露出するグラビアローラ101の表面に対して、図示のように斜め上方から水などの液体や空気などの気体(以下これらを包括して「置換流体」という。)を噴射する置換流体噴射部114が配設される。
置換流体噴射部114(13E)は、グラビアローラ101の全幅に対して置換流体を吹き付ける噴射範囲を有する。置換流体噴射部114から置換流体を噴射することにより、グラビアローラ101のセルから処理液が除去される。即ち、置換流体として液体を用いる場合には、セル内の処理液が置換流体の液体に置換される。その一方、エア噴射など気体を用いた場合には、セル内から処理液が吹き飛ばされる(空気により置換される)。
置換流体の噴射によるグラビアローラ101上からの処理液の除去範囲を制御することにより、中間転写体12への処理液の塗布範囲(中間転写体搬送方向についての領域)を制御できる。中間転写体12上の非インク打滴領域に相当する領域に対して、選択的に置換流体を噴射することで、中間転写体12上の非インク打滴領域への処理液の塗布は行われず、インク打滴領域のみについて処理液を塗布することができる。
なお、グラビアローラ101の表面(特に凹部)に無電解PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)共析メッキやPFA(パラホルムアルデヒド)コーティングなどの撥液処理を施し表面エネルギーを25〜40mN/m(=mJ/m)程度にしておけば凝集処理材料の離型性が向上して好ましく、凝集処理材料の表面張力は18〜28mN/mと低いため塗布性の確保も可能である。
グラビアローラ101の回転駆動手段(図示せず)は、インバータモータによるダイレクト駆動(軸直結)が好ましい態様であるが、かかる構成に限らず、各種モータと減速機(ギア等)との組み合わせや、各種モータとタイミングベルト等の巻き掛け伝動手段との組み合わせなどであってもよい。
また、グラビアローラ101は、図示せぬ移動機構(当接/離間機構)によって図10の上下方向に移動自在に支持されており、中間転写体12に対してグラビアローラ101を押し当てた状態(図10に示したニップ状態)と、中間転写体12から離間(退避)させた状態とに切り替える制御を行うことができる。
中間転写体12を挟んでグラビアローラ101の反対側(図10における上側)には、押さえローラ116,117が配置されている。2本の押さえローラ116,118は、中間転写体12の搬送方向に所定の間隔で平行に並んで配置されており、グラビアローラ101は、中間転写体12搬送方向に関して2本の押さえローラ116,118の略中間に位置する。
塗布時には図示のように、グラビアローラ101を中間転写体12に押し当て、押さえローラ116,118の間に中間転写体12を押し上げる。押さえローラ116,118とグラビアローラ101の間に挟まれた中間転写体12はグラビアローラ101の上部周面に沿って湾曲し、グラビアローラ101との密着性が高まり、接触面積も確保される。中間転写体12に対するグラビアローラ101の押し付け量を制御することにより、グラビアローラ101に対する中間転写体12の巻き付け角を調整できる。
このニップ状態で中間転写体12を一定速度で搬送し、かつ中間転写体搬送方向に対してグラビアローラ101を逆回転させることにより、被塗布部材たる中間転写体12の画像形成面12Aに均質な膜厚による薄膜塗布が可能である。なお、このとき、押さえローラ116,118は中間転写体12の搬送に伴い、搬送方向に追従した回転方向に回転する。また、待機中などの非塗布時にはグラビアローラ101を離間させておくことでクリーニング装置11でのクリーニングが安定して行え、中間転写体12のダメージも軽減できる。
本例の第1塗布装置13において、特に、グラビアローラ101のセルの密度を100〜250線/インチにすれば塗布パターンの視認性が低く、塗布厚も1〜25μm程度の均質な薄膜塗布が可能である。更に、セルの密度を150〜200線/インチにすれば2〜10μm程度の均質な液膜が形成でき、中間転写体上での液流れを生じず、インク打滴時の色材固定性も良好となる点で一層好ましい。
なお、塗布用のローラ部材としては、グラビアローラ101に限定されず、図11(c)
に示すように、表面にらせん状の溝が形成されたスパイラルローラ101’(例えば、オーエスジー株式会社製の「D−Bar」(商品名)のような塗工用バーや公知のワイヤーバーなど)を用いることも可能である。スパイラルローラ101’の溝の形状、ピッチa、溝深さb等は、塗布すべき液量(塗布後の液膜の厚さ)に応じて適宜選択される。例えば、本例の第1塗布装置13の場合、ピッチa=0.08〜0.2mm、溝深さb=5〜20μmのスパイラルローラが好適である。
更に、本例の第1塗布装置13では、置換流体の噴射により除去された処理液が噴射位置からスキージブレード110に沿って略下方向に流れ落ちるようにスキージブレード110及び置換流体噴射部120が配設されている。即ち、スキージブレード110の先端部は図10において、概ねグラビアローラ101の3時の位置に当接し、該スキージブレード110と遮蔽部材112との間の領域に噴射された置換流体によってグラビアローラ101から除去された液(置換流体が液体の場合、この置換流体も含む)は、スキージブレード110の斜面110Aを伝って略重力方向に流下する。これにより、スキージブレード110先端部への液溜まりを防止し、除去の制御性を向上させながら除去液の飛散も防止している。
また、本例のスキージブレード110は、処理液収容部13Bの内部を区画する仕切り部材(隔壁部材)として兼用されている。図10においてスキージブレード110を境にその左側が処理液108を貯める領域(塗布液皿として機能する部分)であり、右側は置換流体によって除去された除去液を回収するための回収領域となる。処理液収容部13Bの処理液108を貯める領域の底部には、処理液を加熱するためのヒータ122が設けられるとともに、処理液排出口124が形成されている。該処理液排出口124は処理液排出弁126を介して処理液回収タンク128に接続されている。
処理液排出弁126を開放すれば、処理液収容部13Bから処理液108を抜くことができ、処理液排出弁126を閉じて送液ポンプ104を駆動することにより、処理液収容部13B内に処理液108を貯めることができる。
一方、スキージブレード110で区画された除去液の回収領域の底部には、除去液排出口130が形成されており、該除去液排出口130は除去液排出弁132を介して除去液回収タンク134に接続されている。
このように、スキージブレード110自体で隔壁を形成することで凝集処理液と除去液との分離が可能であり、除去液の独立回収が可能となる。なお、置換流体として空気を用いれば簡単な構成での除去が可能であり、また、クリーニング装置11(図1参照)を通過した中間転写体12に僅かに残存した界面活性剤や高沸点溶媒が潤滑剤の役目を果たすので、空気を用いてローラ表面の塗布液を除去した場合でも中間転写体12の損傷を防止できる。更に、除去液として回収した液を塗布用の処理液として再利用することも可能である。
その一方で、置換流体として液体や液体ミストを用いれば潤滑効果が向上し、特に、精製水などの水を用いれば凝集処理剤が効果的に希釈洗浄され15〜30mN/m程度の前述の低表面エネルギーの中間転写体12では凝集処理剤の付着量も少なく、凝集処理剤加熱部での乾燥も可能なため、一層安定な除去が可能となる。
置換流体噴射部114に適用される噴射部材の一例として、空気噴射の場合は図12のように、噴射面にφ0.5〜1mm程度のノズル140が1〜3mmピッチで幅方向に並んだラインスプレー142を用いることができる。このようなラインスプレー142を図13のように複数並べることで所要の噴射幅を実現し、圧力0.1〜0.5MPaの範囲で、吹き付け面の全域に概ね均等な衝撃力(インパクト)500〜1500mNを与えることができる。
また、液体噴射の場合は、例えば、オリフィス径0.2〜0.6mm程度で噴射角60〜100°の一流体フラットスプレーノズルを用いることができる。図14のように、フラットスプレーノズルは、噴射角αで流体が噴射されるため、ノズルボディ144の吐出面と吹き付け面146との距離Lによって、噴射範囲148の実質的な噴射幅Wspが規定される。なお、フラットスプレーノズルは、単数で用いる態様に限らず、複数をグラビアローラ101の幅方向に並べて用いてもよい。この場合は、搬送方向の他、幅方向の除去制御も可能となる。
本例の第1塗布装置13を備えたインクジェット記録装置10によれば、装置の待機中や停止時には、処理液排出弁126を開けて処理液収容部13Bから処理液108を抜き、グラビアローラ101の浸漬状態を解消した状態で、置換流体を一定時間噴射しながらグラビアローラ101を回転させることにより、ローラ表面の処理液が確実に除去され、残留処理液の固着や酸性の残留処理液によるローラ表面の変質も防止でき、装置の安定稼動が可能となる。
(第2例)
次に、図4(a)に示す第1塗布装置13の第2例を説明する。上記に例示した一流体フラットスプレーノズルは、噴射圧力を調整することにより、噴射角(スプレー角度)を制御することができる。また、エアと液の混合により微粒子化した状態で噴射を行う加圧式二流体フラットスプレーノズル(二流体エアーアトマイジングノズル)を用いても、エア圧と液流量の組み合わせを制御することにより、噴射角を制御できる。
したがって、このような噴射角可変の噴射ノズルを用いてグラビアローラ101への処理液の付与を行うことにより、幅方向に複数の除去ノズルを並べなくとも中間転写体搬送方向の塗布液付与領域のみならず、これと直交する幅方向の付与幅の変更も可能である。
図15に示す第1塗布装置の第2例は、中間転写体12の幅方向及び搬送方向について塗布範囲を制御できる装置である。図15において、図10で説明した構成と同一又は類似する部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図15に示す第2例に係る塗布装置13’は、グラビアローラ101に処理液を付与する手段として、処理液噴射部152を備える。この処理液噴射部152の噴射部材として、噴射角を制御できる一流体フラットスプレーノズル、或いは加圧式二流体フラットスプレーノズルが適用される。具体的には、例えば、オリフィス径0.2〜0.4mm程度で噴射角60〜100°が実現される一流体フラットスプレーや、これと同等サイズの加圧式二流体フラットスプレーが挙げられる。
処理液噴射部152は、図15のように、グラビアローラ101の下方からスキージブレード110の先端付近に向けて処理液の噴射を行う。その際、画像形成領域の幅に合わせた付与幅となる噴射角となるように、噴射圧力が制御される。
フラットスプレーによる液体の噴射パターンは、図16に示すように、幅方向について液量分布が生じる。また、噴射圧力によっても噴射量(流量)が変化する。しかし、本例の場合、有効画像エリアの幅よりも広い用紙幅の範囲が塗布できるよう、スキージブレード110で余分な処理液を除去するため、結果的にグラビアローラ101に対する処理液の付与量を安定に保つことができ、塗布幅を制御した均一な塗布が可能である。
置換流体噴射部114からの流体噴射によってグラビアローラ101の周方向に関して処理液を選択的に除去する構成は第1例で説明したとおりである。
また、図15におけるスキージブレード110が処理液収容部13Bの隔壁として兼用され、グラビアローラ101から掻き落とされた処理液と、置換流体によって除去された除去液とを分離する部材として機能する点も第1例と同様である。
上記構成からなる第2例の液体塗布装置によれば、処理液噴射部152によって幅方向の処理液付与幅が制御され、置換流体噴射部114によって、中間転写体搬送方向(グラビアローラ101における円周方向)の処理液付与範囲が制御される。
図17は、処理液噴射部152と置換流体噴射部114との関係を模式的に示した説明図である。図示のように、処理液噴射部152のノズルは、少なくとも2種類の噴射幅(幅方向の噴射範囲)の切り替えが可能である。図17では噴射圧力の強弱によって2種類の噴射幅を実現する例を示しているが、記録媒体20の用紙サイズの種類に対応して、3種類以上の噴射幅を実現する態様も可能である。記録媒体20の情報は、センサ等によって自動的に取得してもよいし、オペレータによって入力されることにより取得してもよい。
置換流体噴射部114のノズルは、処理液噴射部152による最大の噴射幅(図示の場合、噴射圧強のときの噴射幅)よりも大きい噴射幅を有する。この置換流体噴射部114については噴射幅の制御は不要であるため噴射圧は一定とし、置換流体の噴射(オン)/非噴射(オフ)のみが制御される。本実施形態で、装置構成の簡略化の観点から置換流体噴射部114の噴射幅は固定としているが、処理液噴射部152の噴射幅の切り替えに応じて、置換流体噴射部114の噴射幅を切り替える構成を採用してもよい。
図18は置換流体として気体(エア)を用いる場合の液体供給系の構成例である。置換流体噴射部114のノズルボディ160は、電磁弁162、手動バルブ164、及び精密レギュレータ168を介してコンプレッサー170に接続されている。コンプレッサー170からの圧縮エアを精密レギュレータ168によって所定の圧力に保ち、電磁弁162のオン/オフ制御によってノズルボディ160からのエア噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御される。これにより、ノズルボディ160からのエア噴射圧は一定となり、所定の噴射幅が実現される。
処理液噴射部152のノズルボディ180は、電磁弁182、温調器183、手動バルブ184を介して圧力容器185内の液体層186に接続される。密閉された圧力容器185内には、噴射用の液体(本例の場合、処理液)が貯留されており、該圧力容器185の気体層187は、圧力の変更制御が可能な可変精密レギュレータ188を介してコンプレッサー170に接続されている。
可変精密レギュレータ188を制御して、圧力容器185内の圧力を変えることにより、圧力容器185から送出される液体の圧力が調整される。圧力容器185から送り出された液体は温調器183によって所定の温度に加温され、電磁弁182を介してノズルボディ180に送られる。電磁弁182のオン/オフ制御によってノズルボディ180からの液の噴射(オン)/非噴射(オフ)が制御され、可変精密レギュレータ188の圧力制御により、噴射圧、即ち、ノズルボディ180からの噴射幅が変更される。なお、処理液噴射部152のノズルボディ180として、二流体エアーアトマイジングノズルを用いる場合には、ノズルボディ180のエア供給部189に対し、レギュレータ(図示せず)を介して圧縮エアが供給される構成となる。
置換流体として液体を用いる場合の供給系について詳細は図示しないが、図18に示したノズルボディ160へのエア供給系に代えて、処理液と類似の液供給系(ただし、圧力制御は不要)が適用される。
上記した第1例及び第2例の構成による中間転写体12への処理液塗布の制御例について図19を用いて説明する。図19(a)は第1例を適用して中間転写体12の搬送方向について塗布範囲(塗布面積)を制御したものである。図19(b)は第2例を適用して中間転写体12の幅方向及び搬送方向について塗布範囲を制御したものである。
中間転写体12は、転写対象となる一次画像が形成される有効画像部192の領域よりも大きい幅を有し、有効画像部192よりも広い領域(符号194で示す記録媒体サイズに相当する塗布部の領域)に対して処理液が塗布される。
図19(c)は、第1例及び第2例における置換流体の噴射制御のタイミング(図15に示した電磁弁162のオン/オフ制御のタイミングに相当)を表している。図19(d)は、第1例及び第2例におけるグラビアローラへの塗布液(処理液)の付与制御を表している。
図19(d)が示すとおり、グラビアローラ101自体には塗布液(処理液)を一定に付与し続けており、(c)に示す置換流体の制御によって、搬送方向についての塗布範囲が制御される(図16(a),(b)参照)。
また、第2例に係る塗布装置13’の構成では、記録媒体20の用紙サイズの変更に対応して、処理液噴射部152の噴射圧を制御し、幅方向の塗布範囲を変更する。
なお、上述した第1塗布装置13(13’)の構成はあくまでも一例であり、通常濃度処理液を中間転写体12のインク打滴領域に選択的に塗布できれば、他の構成を用いることも可能である。図示は省略するが、第1塗布装置13及び第2塗布装置14の何れにもインクジェット方式を適用する態様も可能である。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10によれば、複数枚の連続的な画像記録(画像形成)において、転写記録時に記録媒体20に転写されずに中間転写体12に残留する色材固定材料40の蓄積が抑制される。また、 直前に転写記録された画像に対応する画像データに基づいて色材固定材料の濃度が異なる2種類の処理液を選択的に付与することで、1次画像を形成するときに中間転写体12上には色材固定材料40が均一に付与されるので、中間転写体12上でのインク液滴(インク凝集物44)の移動が抑制され、ドットずれのない好ましい1次画像が形成される。
更にまた、転写記録後に中間転写体12から記録媒体20を剥離するときに、インク凝集物44が存在する部分では色材固定材料40ごとはがされるので、中間転写体12へのインク凝集物44の残留が防止されるとともに、記録媒体20に記録された画像の表面には色材固定材料40による薄膜が形成され、記録画像の耐刷性が向上する。
〔第2実施形態〕
次に、図20を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。図20は、第2実施形態に係るインクジェット記録装置200の全体構成を示す概略構成図である。なお、図20中、図1と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
同図に示すように、インクジェット記録装置200は、色材検出センサ202を備え、色材検出センサ202によって溶媒除去後の1次画像を読み取り、その読取結果に基づいて中間転写体12のインク打滴領域及び非インク打滴領域を判断するように構成されている。
色材検出センサ202は、中間転写体12の搬送方向と直交する幅方向の長さに対応する長さにわたって撮像素子(CCD)が1列に並べられた構造のフルライン構造を有するラインセンサであり、所定のタイミングで中間転写体12上に形成された1次画像を読み取るように構成されている。
なお、本例の色材検出センサは各色に対応する必要はなく、色にかかわらずインクの有無が判断できればよいので、モノクロ対応の撮像素子を用いもよい。モノクロ対応の撮像素子はカラー対応の撮像素子に比べて安価であり、信号処理を行う高速で行うことができる。言い換えると、撮像素子から得られる出力信号の処理回路の構成が簡単であり、信号処理を高速化するといった点でも有利であるといえる。
また、フルライン型構造を有するセンサに代わり、中間転写体12の幅方向よりも短い長さの撮像素子列を備えるセンサを中間転写体12の幅方向に走査させるシリアル方式を適用することも可能である。
本例の色材検出センサ202は、中間転写体12の幅方向に沿う撮像素子列を1列有するラインセンサでもよいし、該撮像素子列を中間転写体12の搬送方向に沿って複数並べたエリアセンサでもよい。
色材検出センサ202から得られた出力信号は、ノイズ除去、増幅などの所定の信号処理を施された後に、図9のシステムコントローラ72に送られる。システムコントローラ72は、当該出力信号に基づいてインクが存在する位置(エリア)をインク打滴領域と判断し、判断結果(データ)をプリント制御部80に送る。プリント制御部80では、当該判断結果に基づいて処理液塗布データを作成し、処理液塗布制御部81を介して第1塗布装置13及び第2塗布装置14の処理液塗布を制御する。
なお、ある打滴点(複数の打滴点が含まれる所定の撮像エリア)に1色のインクでも存在すれば、転写記録時に当該打滴点(当該撮像エリア)の色材固定材料は記録媒体20に転写されて色材固定材料の補充が必要になるので、当該打滴点(当該撮像エリア)はインク打滴領域に含まれると判断され、通常濃度処理液が付与される。
なお、撮像素子の解像度は、1次画像の解像度と同程度であることが好ましいが、実質的には、1素子で1ドットから4ドット程度を読み取る構成でも、読取方法や信号処理方法の工夫によって1ドットごとにドットの有無を確認することが可能である。したがって、撮像素子の解像度は1次画像の解像度の1/4程度とする態様も可能である。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置200によれば、ヘッド18K,18Y,18M,18Cに吐出異常(不吐出、飛翔方向異常)発生した場合にも、的確な処理液塗布を行うことができる。
なお、色材検出センサ202の検出結果に基づいてヘッド18K,18Y,18M,18Cの吐出異常を判断し、直前に転写記録された画像に対応する画像データに基づいて求められたインク打滴領域を吐出異常の判断結果に基づいて補正する態様も可能である。
〔第3実施形態〕
次に、図21及び図22を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。図21は、第3実施形態の一態様に係るインクジェット記録装置300の全体構成を示す概略構成図である。なお、図21中、図1と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図21に示すインクジェット記録装置300は、転写記録後の記録媒体20を読み取る光沢検出センサ302を備えるとともに、光沢検出センサ302の読取結果に基づいて転写記録後の記録媒体20の光沢を判断する光沢認識処理部(不図示)を備え、転写記録後の記録媒体20の光沢の変化に応じて処理液の色材固定材料濃度が変更される。なお、図21の光沢検出センサ302は図9のセンサ92に含まれ、前記光沢認識処理部は図9のシステムコントローラ72に含まれる機能ブロックである。
本例に示すインクジェット記録装置300は、色材固定材料濃度の異なる2種類の処理材料補充液をそれぞれ貯留する高濃度処理材料補充液タンク304及び低濃度処理材料補充液タンク306を備え、高濃度処理材料補充液タンク304と連通する補充流路308には流量調整弁310が設けられるとともに、低濃度処理材料補充液タンク306と連通する補充流路312には流量調整弁314が設けられている。
また、高濃度処理材料補充液タンク304は流量調整弁310及び流路316を介して処理材料バッファ容器318と連通し、低濃度処理材料補充液タンク306は流量調整弁314及び流路316を介して処理材料バッファ容器318と連通する構造を有し、処理材料バッファ容器318では、高濃度処理材料補充液と低濃度処理材料補充液が混合されるように構成されている。更に、処理材料バッファ容器318は補充流路320を介して第1塗布装置13(処理液収容部13B)と連通するように構成されている。
図21に示す流量調整弁310及び流量調整弁314は、処理材料供給弁制御装置(不図示)によって開閉が制御される制御弁である。なお、図示しない処理材料供給弁制御装置は、図9のシステムコントローラ72に含まれる機能ブロックである。
高濃度処理材料補充液タンク304に収容される高濃度処理材料補充液322及び、低濃度処理材料補充液タンク306に収容される低濃度処理材料補充液324は、少なくとも色材固定材料を含む液体であり、低濃度処理液(処理液補充工程で中間転写体12に全面塗りされる低濃度処理液)と同様の組成を有する液体(即ち、低濃度処理液の色材固定材料濃度を変えたもの)が好適に用いられる。
本例では、高濃度処理材料補充液タンク304、低濃度処理材料補充液タンク306及び処理材料バッファ容器318を含む構成は第1塗布装置13の処理液供給タンクと兼用される。したがって、高濃度処理材料補充液322と低濃度処理材料補充液324の混合比率を1:1としたときに低濃度処理液と同じ色材固定材料濃度となるように、高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324が構成されている。もちろん、第1塗布装置13の処理液供給系と、図21に示す補充液供給系を別個に設ける態様も可能である。
本例では、図5(a),(b)に示す態様では、低濃度処理液の色材固定材料濃度を3%としているので、高濃度処理材料補充液322の色材固定材料濃度を6%、低濃度処理材料補充液324の色材固定材料濃度を0%としている。
処理材料バッファ容器318は、高濃度処理材料補充液322と低濃度処理材料補充液324とを混合して、第1塗布装置13に補充するために適した色材固定材料濃度の補充液を生成するために設けられている。即ち、流量調整弁310及び流量調整弁314の開放時間を適宜調整することで、処理材料バッファ容器318内に所望の色材固定材料濃度を有する補充液が生成される。なお、補充流路320に制御弁を備え、第1塗布装置13への補充液の供給及び供給停止を制御可能とする態様が好ましい。
記録媒体の種類が同じであって転写条件が一定であれば、転写記録時に中間転写体12から1次画像とともに転写される色材固定材料の量(転写記録後に中間転写体12に残量する色材固定材料の量)は一定量であるといえる。しかし、中間転写体12の表面の磨耗や、転写記録時の温度変化、クリーニングブレード11Aの磨耗等によるクリーニング性能の劣化、乾燥等による処理材料(処理液)の高濃度化などによって、転写記録後に中間転写体12に残留する色材固定材料の量が変化してしまう。
色材固定材料が所定量よりも多く記録媒体20に移動すると、転写記録後の記録媒体の光沢が変化するので、本例に示すインクジェット記録装置300では、転写記録後の記録媒体20の光沢の変化を把握し、光沢の変化に応じて次の1次画像形成に先立って中間転写体12に全面塗りされる低濃度処理液中の色材固定材料濃度を変更するように構成されている。
本例の光沢検出センサ302には、光学反射センサ(反射型センサ)が用いられ、記録媒体20の初期状態の値(基準値)を予め検出し所定の記憶素子(例えば、図9のメモリ74)記憶しておく。
本例では、中間転写体12の全面にわたって塗布される低濃度の低濃度処理液(図5(a)参照)の色材固定材料濃度を変更しているので、記録媒体20の初期状態の値はインク打滴領域の値でもよいし非インク打滴領域の値でもよい。また、インク打滴領域の値と非インク打滴領域の値の平均値としてもよい。一方、第1塗布装置13によってインク打滴領域に対して選択的に通常濃度処理液を塗布する態様(図4(a)参照)では、記録媒体20の初期状態の値はインク打滴領域の値となり、通常濃度処理液の色材固定材料の濃度が変更される。
次に、第1塗布装置13によって塗布される低濃度処理液の色材固定材料濃度を変更する具体例について説明する。
まず、転写記録後の記録媒体20のインク打滴領域及び非インク打滴領域を光沢検出センサ302で読み取り、その読取値(インク打滴領域の読取値と非インク打滴領域の読取値の平均値)が光沢認識処理部(図9のシステムコントローラ72)に送られる。光沢認識処理部では、初期状態からの変化量(初期状態の値と読取値との差)を求め、当該変化量を処理材料供給弁制御装置(図9のシステムコントローラ72)に送出する。
処理材料供給弁制御装置では、当該変化量が予め決められた基準よりも大きい場合には、第1塗布装置13によって塗布される低濃度処理液の色材固定材料濃度を上げるように低濃度処理液の色材固定材料濃度設定を変更し、その濃度設定に応じて高濃度処理材料補充液322および低濃度処理材料補充液324の混合比率を設定し、流量調整弁310及び流量調整弁314の開放時間を設定する。
本例では、初期状態からの変化量と高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324の混合比率(処理材料補充液の色材固定材料濃度)との関係を予め実験またはシミュレーションなどによって求めておき、データテーブル化して所定の記憶素子(例えば、図9のメモリ74)に記憶されている。
即ち、処理材料供給弁制御装置は、当該データテーブルを参照して高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324の混合比率を設定するとともに、流量調整弁310及び流量調整弁314の開放時間を設定する。
処理材料供給弁制御装置は、設定された開放時間に基づいて流量調整弁310及び流量調整弁314の開閉を制御し、処理材料バッファ容器318内に高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324の混合液330が溜められる。なお、処理材料バッファ容器318の容積は1回(1画像)の低濃度処理液の塗布量に対応しているので、低濃度処理液が塗布されるたびに処理材料バッファ容器318には高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324の混合液330が溜められる。
例えば、記録媒体20の読取結果から求められた光沢の変化(変化量)が10%増加の場合には、高濃度処理材料補充液322及び低濃度処理材料補充液324の混合比率を55:45とし、低濃度処理液の塗布によって中間転写体12に付与する色材固定材料の量を増加させると、インク打滴時における中間転写体12に常に一定量の色材固定材料を付着させることができる。
図21に示すインクジェット記録装置300は、中間転写体12の全面にわたって塗布される低濃度処理液の色材固定材料濃度を変更しているので、主として経時変化や環境変化のように、中間転写体12の全体に影響する場合に有効である。なお、図4(b)に示すように、第2塗布装置14を用いて低濃度処理液を付与する態様では、第2塗布装置14の処理液供給系に対して上述した色材固定材料濃度を調整する構成を備えればよい。
一方、クリーニング不良などのようにインク打滴領域と非インク打滴領域が別々に変化する場合には、インク打滴領域と非インク打滴領域とを別々に読み取って、それぞれに対して別々に色材固定材料濃度を調整する必要がある。言い換えると、第1塗布装置13及び第2塗布装置14の両方に対して色材固定材料濃度を調整する構成を備える態様が好ましい。
図22には、第1塗布装置13及び第2塗布装置14に共通の色材固定材料濃度を調整する構成を備えたインクジェット記録装置350を図示する。なお、図22中、図21と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図22に示すインクジェット記録装置350では、処理材料バッファ容器318は三方弁352を介して第1塗布装置13及び第2塗布装置14と連通している。即ち、三方弁352の開放方向を切り換えることで、処理材料バッファ容器318に貯留されている混合液330を第1塗布装置13或いは第2塗布装置14の何れか一方に供給できるように構成されている。
なお、光沢検出センサ302の読取において、インク打滴領域と非インク打滴領域の判別は、直前に転写記録が行われた画像の画像データに基づいて判別してもよいし、図20に示す色材検出センサ202の読取結果に基づいて判別してもよい。
図21及び図22を用いて説明した色材固定材料濃度の変更は、例えば、その日の装置立ち上げ時や、週に一度や月に一度程度の定期メンテナンスのとき、所定の数量(例えば、100000枚)の画像記録が行われるごとなどに行われる。
上述した第3実施形態によれば、環境変化や中間転写体12の経時変化、クリーニングブレード11Aの経時変化などに起因して、転写記録後に中間転写体12上に残留する色材固定材料の割合が変化したとしても、処理液の色材固定材料濃度を変更することで、色材固定材料の中間転写体12への蓄積が抑制される。
〔第4実施形態〕
次に、図23を用いて、本発明の第4実施形態に係るインクジェット記録装置400について説明する。図23は、第4実施形態に係るインクジェット記録装置400の全体構成を示す概略構成図である。なお、図23中、図1と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図23に示すインクジェット記録装置400は、画像記録に使用される記録媒体20の紙種(種類)を判断し、判断結果(紙種)に応じて次の画像記録における通常濃度処理液及びう処理液の塗布制御が変更されるように構成されている。
例えば、塗工紙のように表面に密着性がある記録媒体を用いると、インクの有無にかかわらず80%〜90%の色材固定材料が中間転写体12から記録媒体20へ転写されてしまう。また、中間転写体12に残留した色材固定材料も中間転写体12のクリーニングによって中間転写体12から除去されてしまうものがあり、クリーニング後に中間転写体12に残留する色材固定材料の量は1次画像形成前に付与された量の10%以下になってしまう。
この状態で、他の種類の記録媒体を用いる場合と同様に、インク打滴領域に通常濃度処理液(色材固定材料濃度8%)を塗布し、非インク打滴領域に低濃度処理液(色材固定材料濃度3%)を塗布すると、中間転写体12上で色材固定材料の不足が生じてしまい、1次画像形成時に色材(ドット)が移動してしまうことが懸念される。
したがって、塗工紙を用いた画像記録の直後の画像記録では、通常の塗布制御ではインク打滴領域に塗布される色材固定材料濃度8%の通常濃度処理液を中間転写体12の全面にわたって塗布するように第1塗布装置13の塗布制御が変更される。
具体的には、記録媒体20を読み取る紙種検出センサ402を供給トレイ(不図示)または供給トレイと転写記録部22の間に備え、紙種検出センサ402を用いて転写記録前の記録媒体20が読み取られ、紙種検出センサ402から得られた検出信号は、図9のシステムコントローラ72に送られる。
システムコントローラ72では、紙種検出センサ402から送られた検出信号に基づいて記録媒体20の種類を判断する。なお、供給トレイに収容される記録媒体の種類の情報が記憶された情報記憶体(ICタグ等)を供給トレイに備え付けておき、該情報記憶体に記憶されている情報を読み出して記録媒体の種類を判断してもよい。
記録媒体20の種類が塗工紙以外のものと判断されると、第1塗布装置13はインク打滴領域に通常濃度処理液(色材固定材料濃度8%)を塗布するとともに、非インク打滴領域に低濃度処理液(色材固定材料濃度3%)を塗布するように制御される。
一方、記録媒体20の種類が塗工紙と判断されると、通常濃度処理液を中間転写体12の全面にわたって塗布するように第1塗布装置13の塗布制御が変更される。塗工紙を用いた直後の画像記録では、処理液補充前に中間転写体12に残存している色材固定材料量が10%以下であるので、仮に色材固定材料が中間転写体上に蓄積したとしても転写記録後の画像の光沢性が損なわれることはない。なお、記録媒体20の種類の判断は画像記録ごとに行ってもよいし、ロットの切り換わりや記録媒体20の補充時に行ってもよい。
上述した第4実施形態によれば、種類の異なる記録媒体を用いる場合にも、記録媒体の光沢性を損なうことなく良質の画像記録を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図 図1に示すインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に示すインクジェット記録装置の画像形成方法を説明する概念図 図1に示すインクジェット記録装置の処理液補充の一態様を説明する図 図1に示すインクジェット記録装置の処理液補充の他の態様を説明する図 ヘッドの構成例を示す平面透視図 図6中7−7線に沿う断面図 図1に示すインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示す概略図 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 図1に示すインクジェット記録装置の第1塗布装置の概略構成図 グラビアローラの表面に形成されるセル形状の例を示す図 置換流体噴霧部に適用される噴射部材の一例を示すラインスプレーの構成図 ラインスプレーの利用例を示した図 フラットスプレーノズルの説明図 図10に示す第1塗布装置の他の態様の概略構成図 フラットスプレーによる液体の噴霧パターンの液量分布を示すグラフ 処理液噴霧部と置換流体噴霧部との関係を模式的に示した説明図 置換流体として気体(エア)を用いる場合の液体供給系の構成例を示す図 中間転写体に対する処理液の塗布範囲の制御例を示す説明図 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図 本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図 図21に示すインクジェット記録装置の他の態様の概略構成図 本発明の第4実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成図
符号の説明
10,200,300,350,400…インクジェット記録装置、11…クリーニング装置、12…中間転写体、13…第1塗布装置、14…第2塗布装置、18…印字部、18K,18Y,18M,18C…ヘッド、20…記録媒体、22…転写記録部、18…印字部、20…処理液ヘッド、202…色材検出センサ、302…光沢検出センサ、322…高濃度処理材料補充液、324…低濃度処理材料補充液、402…紙種検出センサ

Claims (15)

  1. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、
    前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、
    前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、
    前記通常濃度処理液に比べて色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、
    前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、
    画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、
    前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、
    を備え、
    少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は1次画像形成前に前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されなかった非インク打滴領域に対して選択的に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読取結果に基づいて、前記インク打滴手段の打滴異常を検出する打滴異常検出手段と、を備え、
    前記打滴異常検出手段によって打滴異常が検出されると、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記通常濃度処理液を付与しないように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、
    前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、
    前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、
    前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、
    前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、
    画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、
    前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、
    少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は、前記中間転写体の全面にわたって均一に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読取結果に基づいて、前記インク打滴手段の打滴異常を検出する打滴異常検出手段と、を備え、
    前記打滴異常検出手段によって打滴異常が検出されると、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記打滴異常に対応する前記中間転写体の領域に前記通常濃度処理液を付与しないように前記通常濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、
    前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、
    前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、
    前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、
    前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、
    画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、
    前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読取結果に基づいて、前記1次画像における前記中間転写体上にインクが打滴されたインク打滴領域及びインクが打滴されていない非インク打滴領域を判断する判断手段と、
    を備え、
    少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は、直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は、直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記非インク打滴領域に対して選択的に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成した後に、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成装置であって、
    前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体に付与する通常濃度処理液付与手段と、
    前記通常濃度処理液付与手段を制御する通常濃度処理液付与制御手段と、
    前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を前記中間転写体に付与する低濃度処理液付与手段と、
    前記低濃度処理液付与手段を制御する低濃度処理液付与制御手段と、
    画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録手段と、
    前記転写手段による転写記録の後に、前記中間転写体をクリーニングするクリーニング手段と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段の読取結果に基づいて、前記1次画像における前記中間転写体上にインクが打滴されたインク打滴領域及びインクが打滴されていない非インク打滴領域を判断する判断手段と、
    を備え、
    少なくとも2回の画像記録を行うときに、最初の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は、前記通常濃度処理液を前記中間転写体の全面に均一に付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御し、2回目以降の画像記録では、前記通常濃度処理液付与制御手段は直前に転写記録された1次画像の読取結果に基づく前記判断手段の判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段を制御するとともに、前記低濃度処理液付与制御手段は前記中間転写体の全面にわたって均一に前記低濃度処理液を付与するように前記低濃度処理液付与手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  7. 転写記録後の記録媒体の光沢を検出する光沢検出手段と、
    前記光沢検出手段の検出結果に基づいて前記転写記録後の光沢の変化量を判断する光沢判断手段と、
    前記光沢判断手段によって判断された光沢の変化量が予め決められた基準より大きい場合には、前記低濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするように変更する低濃度処理液濃度変更手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記光沢判断手段によって判断された光沢の変化量が予め決められた基準より大きい場合には、前記通常濃度処理液の色材固定材料濃度を標準濃度よりも低くするように変更する通常濃度処理液濃度変更手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記光沢検出手段は、転写記録後の記録媒体のインク付着領域の光沢を検出する第1の光沢検出手段と、
    前記転写記録後の非インク付着領域の光沢を検出する第2の光沢検出手段と、
    前記第1の光沢検出手段の検出結果に基づいて転写記録後の記録媒体におけるインク付着領域の光沢の変化量を判断するとともに、前記第2の光沢検出手段の検出結果に基づいて転写記録後の記録媒体における非インク付着領域の光沢の変化量を判断するとともに、光沢判断手段と、
    を備え、
    前記通常濃度処理液濃度変更手段は、前記光沢判断手段によって判断された前記インク付着領域の光沢の変化量が予め決められた基準よりも大きい場合には、前記通常濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするよう変更するとともに、前記光沢判断手段によって判断された前記非インク付着領域の光沢の変化量が予め決められた基準よりも大きい場合には、前記低濃度処理液の色材固定材料の濃度を標準濃度よりも低くするように変更することを特徴とする請求項7又は8記載の画像形成装置。
  10. 前記記録媒体の種類を判断する記録媒体判断手段を備え、
    前記通常濃度処理液付与制御手段は、前記記録媒体判断手段によって直前の転写記録において表面に密着性を有する記録媒体が使用されたと判断されると、前記中間転写体の全面にわたって前記通常濃度処理液を付与するように前記通常濃度処理液付与手段による通常濃度処理液付与を変更するとともに、前記低濃度処理液付与手段は、前記中間転写体に前記低濃度処理液を付与しないように前記低濃度処理液付与手段による低濃度処理液付与を変更することを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記通常濃度処理液付与手段及び前記低濃度処理液付与手段の前記中間転写体移動方向下流側に前記中間転写体を乾燥させる乾燥手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  12. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、
    最初の画像記録では、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、
    前記通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、
    前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、
    前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程の後に、直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、
    直前に転写記録された画像の画像データに基づいて前記中間転写体のインクが打滴されていない非インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、
    を含み、
    2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
  13. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、
    最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、
    通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、
    前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、
    前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程の後に、直前の画像データに基づいて直前の1次画像における前記中間転写体にインクが打滴されたインク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、
    前記中間転写体の全面にわたって均一に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、
    を含み、
    2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
  14. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、
    最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、
    前記通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取工程と、
    前記読取工程の読取結果に応じて、前記1次画像が形成された中間転写体におけるインクが打滴されたインク打滴領域と、インクが打滴されていない非インク打滴領域と、を判断する判断工程と、
    前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、
    前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程の後に、前記判断工程における判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、
    前記判断工程における判断結果に基づいて前記非インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、
    を含み、
    2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
  15. 中間転写体上に色材を含有するインクを用いて1次画像を形成し、前記1次画像を記録媒体に転写記録する画像形成方法であって、
    最初の画像記録の前に、前記色材を凝集或いは不溶化させる色材凝集材料及び凝集或いは不溶化した色材を前記中間転写体に固定する色材固定材料を含有する通常濃度処理液を前記中間転写体の全面にわたって均一に付与する初期通常濃度処理液付与工程と、
    通常濃度処理液が付与された後の前記中間転写体に画像データに基づいて液滴化された前記インクを前記中間転写体に打滴して前記中間転写体に1次画像を形成するインク打滴工程と、
    前記中間転写体に形成された1次画像を読み取る読取工程と、
    前記読取工程の読取結果に応じて、前記1次画像が形成された中間転写体におけるインクが打滴されたインク打滴領域と、インクが打滴されていない非インク打滴領域と、を判断する判断工程と、
    前記インク打滴工程の後に、前記画像形成体に形成された1次画像を記録媒体に転写記録する転写記録工程と、
    前記転写工程の後の中間転写体をクリーニングするクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程の後に、前記判断工程における判断結果に基づいて前記インク打滴領域に対して選択的に前記通常濃度処理液を付与する通常濃度処理液補充工程と、
    前記中間転写体の全面にわたって均一に前記通常濃度処理液よりも色材固定材料の濃度が低い低濃度処理液を付与する低濃度処理液付与工程と、
    を含み、
    2回目以降の画像記録では、前記クリーニング工程、前記通常濃度処理液付与工程、前記低濃度処理液付与工程、前記インク打滴工程、前記転写記録工程を所定回数実行して所定回数の画像記録を行うことを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019130780A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置

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