JP2009082996A - 回転工具 - Google Patents

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Atsushi Wada
篤 和田
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Abstract

【課題】砥粒の自生作用を促進させ、効率的な切削を行うことが可能な回転工具を提供する。
【解決手段】ソーブレード10は、台金12と刃部14とを備える。刃部14は、砥粒層16A〜16Cと、ダミー層18A,18Bとを有する。砥粒層16A〜16Cは、刃部14の高さ方向に複数の砥粒20が一列に並んだ砥粒列20A〜20Cと、結合剤22とを含む。ダミー層18A,18Bの摩耗量は、砥粒層16A〜16Cの摩耗量よりも大きくなっている。砥粒層16A、ダミー層18A、砥粒層16B、ダミー層18B、砥粒層16Cは、この順に、刃部14の幅方向に並んで配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、台金の先端部に刃部が設けられた、ソーブレード、コアドリル、バンドソー等の回転工具に関する。
従来から、ダイヤモンド等の砥粒を含む砥粒層が中央部に配置され、中央部に含まれる砥粒よりも粒度の細かいダイヤモンド等の砥粒を含む砥粒層がその両側に配置された多層構造のソーブレードが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−300166号公報
ところで、セメントコンクリートやアスファルトコンクリートといった極めて硬いワークを切削する際、ワークの切削場所や周囲の環境に与える影響を考慮すると、クーラント液や水を用いた湿式の切削ができないことがあり、クーラント液や水を用いない乾式での切削が要求される場合がある。
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来のソーブレードでは、砥粒層に含まれている砥粒が不規則に配置されて、結合剤(ボンド)によって砥粒同士が強固に結合されていた。そのため、このようなソーブレードを用いてコンクリート等の極めて硬いワークを乾式切削すると、(1)対象物が硬いので、砥粒が摩滅しやすくなり、砥粒の脱落すなわち自生作用が小さくなる。また、(2)目詰まりが起こりやすくなる。その結果、頻繁にドレッシング(目立て作業)を行う必要が生じ、ワークの切削を効率的に行うことができないという問題があった。
本発明は、砥粒の自生作用を促進させ、効率的な切削を行うことが可能な回転工具を提供することを目的とする。
本発明に係る回転工具は、台金の先端部に、全周にわたって刃部が設けられた回転工具であって、刃部は、複数の砥粒を含むと共に複数の砥粒を結合する結合材を含む第1及び第2の部分と、第1及び第2の部分よりも摩耗量が多い第3の部分とを有し、第1〜第3の部分は、第1の部分、第3の部分、第2の部分の順に、刃部の幅方向に並んで配置されており、刃部の幅方向における第1〜第3の部分のそれぞれの厚さは、いずれも砥粒の最大粒径の1倍〜2.5倍であることを特徴とする。
本発明に係る回転工具では、刃部が第1〜第3の部分によって構成され、第1の部分、第3の部分、第2の部分が、この順に、刃部の幅方向に並んでおり、第3の部分の摩耗量が第1及び第2の部分の摩耗量が多いものとなっている。そのため、回転工具を用いてワークを切削した場合、第1の部分と第2の部分との間にある第3の部分が第1及び第2の部分よりも早く摩耗して除去されることとなるので、第1及び第2の部分が第3の部分よりも刃部の高さ方向に突出しやすくなる。
また、本発明に係る回転工具では、刃部の幅方向における第1〜第3の部分のそれぞれの厚さが、いずれも砥粒の最大粒径の1倍〜2.5倍となっている。刃部の幅方向における第1〜第3の部分のそれぞれの厚さが砥粒の最大粒径の1倍未満であると、本発明に係る回転工具を製作することが困難となる。刃部の幅方向における第1〜第3の部分のそれぞれの厚さが砥粒の最大粒径の2.5倍を超えると、砥粒の自生作用が十分に発揮されない傾向にある。
また、第3の部分は、結合剤によって構成されていることが好ましい。このようにすると、第3の部分の摩耗量がより多くなるので、砥粒がより脱落しやすくなる。
また、第1及び第2の部分は、前記刃部の高さ方向に複数の砥粒が一列に並んだ砥粒列を複数含んでいることが好ましい。このようにすると、第1及び第2の部分での砥粒の保持力が弱くなるので、第1及び第2の部分が刃部の高さ方向に突出したときに、第1及び第2の部分における砥粒の保持力が低下するようになることに伴い、砥粒が極めて脱落しやすくなる。その結果、砥粒の自生作用が促進されるので、効率的な切削を行うことが可能となる。
また、刃部の長さ方向において、第1の部分は、第1の部分の一の砥粒と当該一の砥粒の次列にある他の砥粒とが一対一に対応する関係を、刃部の全長にわたって満たしており、刃部の長さ方向において、第2の部分は、第2の部分の一の砥粒と当該一の砥粒の次列にある他の砥粒とが一対一に対応する関係を、刃部の全長にわたって満たしていることが好ましい。このようにすると、第3の部分の摩耗量がより多くなるので、刃部の長さ方向において均一に砥粒が脱落するようになる。
また、第1の部分の一の砥粒と、第2の部分の一の砥粒とは、刃部の幅方向において一対一に対応していることが好ましい。
また、第1及び第2の部分は、第3の部分よりも高さ方向に突出していることが好ましい。このように、予め、第1及び第2の部分を第3の部分よりも台金から刃部に向かう方向に突出させておくことで、ワークの切削開始直後から砥粒の自生作用が効果的に発揮されるようになる。
また、刃部は、第2の部分に隣接する第4の部分と、第4の部分に隣接し、刃部の高さ方向に複数の砥粒が一列に並んだ砥粒列を複数含むと共に複数の砥粒を結合する結合剤を含む第5の部分とを更に有し、第4の部分は、第1、第2及び第5の部分よりも摩耗量が多くなっており、刃部の幅方向における第4及び第5の部分のそれぞれの厚さは、いずれも砥粒の最大粒径の1倍〜2.5倍であることが好ましい。このようにすると、本発明に係る回転工具を用いてワークを切削した場合、第2の部分と第5の部分との間にある第4の部分が第1、第2及び第5の部分よりも早く摩耗して除去されることとなるので、第1、第2及び第5の部分が第3及び第4の部分よりも刃部の高さ方向に突出しやすくなる。また、刃部の幅方向における第4及び第5の部分のそれぞれの厚さが砥粒の最大粒径の1倍未満であると、本発明に係る回転工具を製作することが困難となる。刃部の幅方向における第4及び第5の部分のそれぞれの厚さが砥粒の最大粒径の2.5倍を超えると、砥粒の自生作用が十分に発揮されない傾向にある。
また、第1及び第5の部分は、第3及び第4の部分よりも刃部の高さ方向に突出しており、第2の部分は、第1及び第5の部分よりも刃部の高さ方向に突出していることが好ましい。このように、予め、第1、第2及び第5の部分を第3及び第4の部分よりも台金から刃部に向かう方向に突出させておくことで、ワークの切削開始直後から砥粒の自生作用が効果的に発揮されるようになる。
本発明によれば、砥粒の自生作用を促進させ、効率的な切削を行うことが可能な回転工具を提供することができる。
本発明に係る回転工具の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、回転工具の一つであるソーブレード10を例にとって説明している。
図1に示されるように、ソーブレード10は、セメントコンクリートやアスファルトコンクリートといった極めて硬いワークを切削加工又は溝入れ加工する際に使用されるソーブレードである。そして、このソーブレード10は、台金12と、刃部14とを備えている。
台金12は、略円盤形状を呈している。台金12には、回転駆動装置(図示せず)にソーブレード10を取り付けるための穴12aが中央部に設けられている。台金12の外周部には、台金12の外周縁から台金12の中心部に向かうスリット12bが30本設けられている。そのため、台金12は、周方向に隣り合うスリット12b同士の間に位置するセグメント12cを30個有するものとなっている。各セグメント12cの外周縁には、刃部14がそれぞれ設けられている。従って、台金12の全周にわたって刃部14が設けられている。
台金12の各セグメント12cの外周縁に設けられた刃部14は、図2に示されるように、砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bを有する。砥粒層(第1の部分)16A、ダミー層(第3の部分)18A、砥粒層(第2の部分)16B、ダミー層(第4の部分)18B、砥粒層(第5の部分)16Cは、この順に、刃部14の幅方向(矢印Y方向)に並んで配置されている。実際のソーブレード10の刃部14では、砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18B同士の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
砥粒層16A〜16Cは、複数の砥粒20と、これらの複数の砥粒20を結合する結合剤22とを含んで構成されている。ダミー層18A,18Bは、砥粒20を含んでおらず、結合剤22のみによって構成されている。砥粒20としては、例えば、ダイヤモンド砥粒やCBN(Cubic Boron Nitride:立方晶窒化ホウ素)砥粒を用いることができる。結合剤22としては、例えば、タングステンカーバイド(WC)及びコバルト(Co)を含有する金属結合剤を用いることができる。
刃部14の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bの厚さは、砥粒20の最大粒径の1倍〜2.5倍に設定することができる。刃部の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bのそれぞれの厚さが砥粒20の最大粒径の1倍未満であると、ソーブレード10を製作することが困難となる。刃部14の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bのそれぞれの厚さが砥粒20の最大粒径の2.5倍を超えると、砥粒20の自生作用が十分に発揮されない傾向にある。なお、本実施形態においては、刃部14の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bの厚さが、砥粒20の最大粒径よりも僅かに大きくなるように設定されている。
砥粒層16A〜16Cにおいては、複数の砥粒20が刃部14の高さ方向(台金12から刃部14に向かう方向、矢印Z方向)に一列に並んで配置された砥粒列20A〜20Cがそれぞれ構成されている。また、砥粒層16Aの砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、砥粒層16Bの砥粒列20Bを構成する複数の砥粒20とは、それぞれが刃部14の幅方向において一対一に対応している(砥粒列20Bと砥粒列20Cとについても同様である)。そのため、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、砥粒列20Bを構成する複数の砥粒20Bと、砥粒列20Cを構成する複数の砥粒20とは、それぞれが刃部14の幅方向に一列に並ぶように配置されている。
また、砥粒層16A〜16Cにおいては、複数の砥粒列20A〜20Cが刃部14の長さ方向(ソーブレード10の回転方向、矢印X方向)にも一列に並んで配置されている。具体的には、図3に示されるように、複数の砥粒列20A(図3では、複数の砥粒列20Aのうち5つの砥粒列20A〜20Aを示している)が刃部14の長さ方向に一列に並んで配置されている(図示しないが、砥粒層16B,16Cについても同様である)。砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、刃部14の長さ方向において砥粒列20Aの次位にある砥粒列20Aを構成する複数の砥粒とは、それぞれが刃部14の長さ方向において一対一に対応している(砥粒列20Aと砥粒列20A、砥粒列20Aと砥粒列20A、及び、砥粒列20Aと砥粒列20Aについても同様である)。
そのため、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20Bと、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20とは、それぞれが刃部14の長さ方向に一列に並ぶようになっている。従って、砥粒層16Aは、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、刃部14の長さ方向において砥粒列20Aと隣り合う砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20とが、それぞれ刃部14の長さ方向において一対一に対応する関係を、刃部14の長さ方向の全域にわたって満たしている(砥粒層16B,16Cについても同様である)。
以上のようなソーブレード10においては、刃部14が砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bによって構成され、砥粒層16A、ダミー層18A、砥粒層16B、ダミー層18B、砥粒層16Cが、この順に、刃部14の幅方向に並んでおり、結合剤22のみによって構成されたダミー層18A,18Bの摩耗量が砥粒層16A〜16Cの摩耗量よりも多いものとなっている。そのため、ソーブレード10を用いてセメントコンクリートやアスファルトコンクリートといった極めて硬いワークを切削した場合、図4に示されるように、ダミー層18A,18Bが砥粒層16A〜16Cよりも早く摩耗して除去されることとなるので、砥粒層16A〜16Cがダミー層18A,18Bよりも刃部14の高さ方向に突出しやすくなる。また、ソーブレード10においては、砥粒層16A〜16Cに含まれる複数の砥粒20が、刃部14の高さ方向に一列に並んでいる。そのため、砥粒層16A〜16Cでの砥粒20の保持力が弱くなっており、砥粒層16A〜16Cが刃部14の高さ方向に突出したときに(図4参照)、砥粒層16A〜16Cにおける砥粒20の保持力が低下するようになることに伴い、砥粒20が極めて脱落しやすくなる。その結果、砥粒20の自生作用が促進されるので、効率的な切削を行うことが可能となる。なお、図4において、砥粒層16Bが砥粒層16A,16Cよりも刃部14の高さ方向に突出しているのは、砥粒層16A,16Cにかかる負荷が砥粒層16Bにかかる負荷よりも大きく、砥粒層16A,16Cに含まれる砥粒20が砥粒層16Bに含まれる砥粒20より脱落しやすくなっているためである。
また、ソーブレード10においては、図4に示されるように、砥粒層16Aが、砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20と、刃部14の長さ方向において砥粒列20Aと隣り合う砥粒列20Aを構成する複数の砥粒20とが、それぞれ刃部14の長さ方向において一対一に対応する関係を、刃部14の長さ方向の全域にわたって満たしている(砥粒層16B,16Cについても同様である)。そのため、ダミー層18A,18Bの摩耗量が多くなると共にダミー層18A,18Bが刃部14の長さ方向において均一に摩耗するので、刃部14の長さ方向において均一に砥粒が脱落し易くなる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においてダミー層18A,18Bが結合剤22のみによって構成されていたが、これに限られない。すなわち、ダミー層18A,18Bの摩耗量が砥粒層16A〜16Cの摩耗量よりも多ければよく、砥粒層16A〜16Cに含まれる砥粒20よりも小さな砥粒がダミー層18A,18Bに含まれていてもよい。
また、上記実施形態において、刃部14は、砥粒層16A、ダミー層18A、砥粒層16B、ダミー層18B、砥粒層16Cの順に、刃部14の幅方向に並んで配置されて構成されていたが、これに限られない。すなわち、刃部14は、砥粒層とダミー層とが刃部14の幅方向に並んで交互に配置されると共に刃部14の幅方向において砥粒層が最外層をなしていればよく、砥粒層を2層及びダミー層を1層有する3層構造、砥粒層を4層及びダミー層を3層有する7層構造、砥粒層を5層及びダミー層を4層有する9層構造等であってもよい。
また、本実施形態において、砥粒層16A〜16Cでは、複数の砥粒20が刃部14の高さ方向に一列に並んで配置された砥粒列20A〜20Cがそれぞれ構成されており、砥粒層16A(16B)の砥粒列20A(20B)を構成する複数の砥粒20と、砥粒層16B(16C)の砥粒列20B(20C)を構成する複数の砥粒20とは、それぞれが刃部14の幅方向において一対一に対応していたが、これに限られない。また、本実施形態において、複数の砥粒列20A〜20Cが刃部14の長さ方向にも一列に並んで配置されており、砥粒列20A(20A,20A,20A)を構成する複数の砥粒20と、刃部14の長さ方向において砥粒列20A(20A,20A,20A)の次位にある砥粒列20A(20A,20A,20A)を構成する複数の砥粒とは、それぞれが刃部14の長さ方向において一対一に対応していたが、これに限られない。すなわち、図5及び図6に示されるように、砥粒層20A〜20Cにおいて、複数の砥粒20が不規則(ランダム)に配置されていてもよい。
また、本実施形態において、刃部14の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bの厚さが、砥粒20の最大粒径よりも僅かに大きくなるように設定されていたが、図7に示されるように、砥粒20の最大粒径の1倍〜2.5倍の範囲内で刃部14の幅方向における砥粒層16A〜16C及びダミー層18A,18Bの厚さを変更させてもよい。
また、本実施形態において、各セグメント12cの外周縁に刃部14がそれぞれ設けられていたが、台金12の全周にわたって1つの刃部14を設けてもよい。
また、回転工具として、ソーブレードに限られず、コアドリルやバンドソー等もある。
ここで、上述のような、砥粒層及びダミー層を有する刃部14を備えるソーブレード10と、砥粒層のみでダミー層を有しない刃部を備える従来のソーブレードとについて、試験を行った。以下、実施例1−1〜1−2及び比較例1−1並びに図8に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
実施例1−1では、上述のような砥粒層16A(16B,16C)を3層有すると共に上述のようなダミー層18A(18B)を2層有する刃部14を備えるソーブレード10を用いて、コンクリートの切削を行った。ここで、砥粒層16A(16B,16C)に含まれる砥粒20の最大粒径は0.5mm、刃部14の全幅は3.2mm、刃部14の幅方向における砥粒層16A(16B,16C)及びダミー層18A(18B)のそれぞれの厚さは0.64mm(砥粒20の最大粒径の1.3倍)、ソーブレード10の直径は300mmであった。
(実施例1−2)
実施例1−2では、上述のような砥粒層16A(16B,16C)を3層有すると共に上述のようなダミー層18A(18B)を2層有する刃部14を備えるソーブレード10を用いて、コンクリートの切断を行った。ここで、砥粒層16A(16B,16C)に含まれる砥粒20の最大粒径は0.5mm、刃部14の全幅は3.22mm、刃部14の幅方向における砥粒層16A(16B,16C)のそれぞれの厚さは0.74mm(砥粒の最大粒径の1.48倍)、刃部14の幅方向におけるダミー層18A(18B)のそれぞれの厚さは0.50mm(砥粒20の最大粒径の1倍)、ソーブレード10の直径は300mmであった。
(比較例1−1)
比較例1−1では、ランダムに砥粒が配置された砥粒層を1層のみ有し、ダミー層18A(18B)を有しない刃部を備えるソーブレードを用いて、コンクリートの切断を行った。ここで、砥粒層に含まれる砥粒の最大粒径は0.5mm、刃部の全幅は3.2mm、ソーブレード10の直径は300mmであった。
(試験結果)
試験の結果、実施例1−1においては、限界送り条件を切り込み量4cm、送り速度138cm/minとすることができ、単位時間当たりに除去できるワークの断面積(除去量)が552cm/minであり、実施例1−2においては、限界送り条件を切り込み量4cm、送り速度140cm/minとすることができ、単位時間当たりに除去できるワークの断面積(除去量)が560cm/minであった。一方、比較例1−1においては、限界送り条件を切り込み量3cm、送り速度125cm/minとすることができ、単位時間当たりに除去できるワークの断面積が375cm/minであった。以上より、実施例1−1〜1−2では、単位時間当たりに除去できるワークの断面積が比較例1−1の少なくとも1.47倍となり、仕事量を大幅に向上させることができることが確認された。
また、試験の結果、実施例1−1においては、コンクリートの切断長さ20mあたりにおける刃部の高さ方向の摩耗量が0.8mmであり、実施例1−2においては、コンクリートの切断長さ20mあたりにおける刃部の高さ方向の摩耗量が0.7mmであった。一方、比較例1−1においては、コンクリートの切断長さ20mあたりにおける刃部の高さ方向の摩耗量が0.4mmであった。以上より、実施例1−1〜1−2では、比較例1−1よりも砥粒の自生作用が大きいことが確認された。
続いて、上述のような、砥粒層16A(16B,16C)及びダミー層18A(18B)を有する刃部14を備えるコアドリルと、砥粒層のみでダミー層を有しない刃部を備える従来のコアドリルとについて、試験を行った。以下、実施例2−1及び比較例2−1〜2−1並びに図9に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例2−1)
実施例2−1では、上述のような砥粒層16A(16B,16C)を3層有すると共に上述のようなダミー層18A(18B)を2層有する刃部14を備えるコアドリルを用いて、コンクリートの穿孔を行った。ここで、砥粒層16A(16B,16C)に含まれる砥粒20の最大粒径は0.4mm、刃部14の全幅は5.0mm、刃部14の幅方向における砥粒層16A(16B,16C)及びダミー層18A(18B)のそれぞれの厚さは1.0mm(砥粒20の最大粒径の2.5倍)、コアドリルの直径は52mmであった。
(比較例2−1)
比較例2−1では、ランダムに砥粒が配置された砥粒層を1層のみ有し、ダミー層18A(18B)を有しない刃部を備えるコアドリルを用いて、コンクリートの穿孔を行った。ここで、砥粒層に含まれる砥粒の最大粒径は0.4mm、刃部の全幅は5.0mm、コアドリルの直径は52mmであった。
(比較例2−2)
比較例2−2では、上述のような砥粒層16A(16B,16C)を3層有すると共に上述のようなダミー層18A(18B)を2層有する刃部14を備えるコアドリルを用いて、コンクリートの穿孔を行った。ここで、砥粒層16A(16B,16C)に含まれる砥粒20の最大粒径は0.4mm、刃部14の全幅は5.0mm、刃部14の幅方向における砥粒層16A(16B,16C)のそれぞれの厚さは1.2mm(砥粒の最大粒径の3倍)、刃部14の幅方向におけるダミー層18A(18B)のそれぞれの厚さは0.7mm(砥粒20の最大粒径の1.75倍)、コアドリルの直径は52mmであった。
(試験結果)
試験の結果、実施例2−1においては、切れ味が75.5mm/minであった。一方、比較例2−1においては、切れ味が51.5mm/minであり、比較例2−2においては、切れ味が53.0mm/minであった。以上より、実施例2−1では、切れ味が比較例2−1〜2−2の少なくとも1.42倍となり、仕事量を大幅に向上させることができることが確認された。なお、ここでいう「切れ味」は、実施例2−1及び比較例2−1〜2−2の各コアドリルを用いてコンクリートを0.35m穿孔するのに要した時間で、0.35を割ったことにより得られる値となっている。
また、試験の結果、実施例2−1においては、コンクリートを0.35m穿孔したときにおける刃部の高さ方向の摩耗量が1.45mmであった。一方、比較例2−1においては、コンクリートを0.35m穿孔したときにおける刃部の高さ方向の摩耗量が0.72mmであり、比較例2−2においては、コンクリートを0.35m穿孔したときにおける刃部の高さ方向の摩耗量が0.69mmであった。以上より、実施例2−1では、比較例2−1〜2−2よりも砥粒の自生作用が大きいことが確認された。
図1は、本実施形態に係るソーブレードの側面を示す全体図である。 図2は、図1のII−II線断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、図1のII−II線断面図において、ワークの切削を行ったときの様子を示す図である。 図5は、本実施形態に係るソーブレードの他の例を示す断面図である。 図6は、本実施形態に係るソーブレードの他の例を示す断面図である。 図7は、本実施形態に係るソーブレードの他の例を示す断面図である。 図8は、実施例1−1〜1−2及び比較例1−1の各実施条件及びそれらの評価結果を示す表である。 図9は、実施例2−1及び比較例2−1〜2−2の各実施条件及びそれらの評価結果を示す表である。
符号の説明
10…ソーブレード(回転工具)、12…台金、14…刃部、16A…砥粒層(第1の部分)、16B…砥粒層(第2の部分)、16C…砥粒層(第4の部分)、18A…ダミー層(第3の部分)、18B…ダミー層(第4の部分)、20…砥粒、20A〜20C…砥粒列、22…結合剤。

Claims (8)

  1. 台金の先端部に、全周にわたって刃部が設けられた回転工具であって、
    前記刃部は、
    複数の砥粒を含むと共に前記複数の砥粒を結合する結合材を含む第1及び第2の部分と、
    前記第1及び第2の部分よりも摩耗量が多い第3の部分とを有し、
    前記第1〜第3の部分は、前記第1の部分、前記第3の部分、前記第2の部分の順に、前記刃部の幅方向に並んで配置されており、
    前記刃部の幅方向における前記第1〜第3の部分のそれぞれの厚さは、いずれも前記砥粒の最大粒径の1倍〜2.5倍であることを特徴とする回転工具。
  2. 前記第3の部分は、前記結合剤によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載された回転工具。
  3. 前記第1及び第2の部分は、前記刃部の高さ方向に複数の砥粒が一列に並んだ砥粒列を複数含んでいることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載された回転工具。
  4. 前記刃部の長さ方向において、前記第1の部分は、前記第1の部分の一の砥粒と当該一の砥粒の次列にある他の砥粒とが一対一に対応する関係を、前記刃部の全長にわたって満たしており、
    前記刃部の長さ方向において、前記第2の部分は、前記第2の部分の一の砥粒と当該一の砥粒の次列にある他の砥粒とが一対一に対応する関係を、前記刃部の全長にわたって満たしていることを特徴とする請求項3に記載された回転工具。
  5. 前記第1の部分の一の砥粒と、前記第2の部分の一の砥粒とは、前記刃部の幅方向において一対一に対応していることを特徴とする請求項3又は4に記載された回転工具。
  6. 前記第1及び第2の部分は、前記第3の部分よりも前記刃部の高さ方向に突出していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載された回転工具。
  7. 前記刃部は、
    前記第2の部分に隣接する第4の部分と、
    前記第4の部分に隣接し、前記刃部の高さ方向に複数の砥粒が一列に並んだ砥粒列を複数含むと共に前記複数の砥粒を結合する結合剤を含む第5の部分とを更に有し、
    前記第4の部分は、前記第1、第2及び第5の部分よりも摩耗量が多くなっており、
    前記刃部の幅方向における前記第4及び第5の部分のそれぞれの厚さは、いずれも前記砥粒の最大粒径の1倍〜2.5倍であることを特徴とする請求項1に記載された回転工具。
  8. 前記第1及び第5の部分は、前記第3及び第4の部分よりも前記刃部の高さ方向に突出しており、
    前記第2の部分は、前記第1及び第5の部分よりも前記刃部の高さ方向に突出していることを特徴とする請求項7に記載された回転工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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