JP2009082149A - 玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末は、玉葱の薄皮101、球部外皮104、球根頂部切除部、および底部の細根を含む切除部を原料とするものである。本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の製造方法は、玉葱の薄皮、球部外皮等を収集するステップと、前記玉葱残屑を破砕するステップと、前記破砕済の玉葱残屑をさらに粉砕乾燥して粉状にするステップとから構成されている。
【選択図】図2
Description
本件発明者等は、家畜特に豚を用いて後述のような種々の実験を行った結果、玉葱屑の薄皮や外皮に含まれるケルセチンを始めとする成分が、生体に相乗的に作用して、生体の健康維持促進に顕著な効果を奏することを見いだした。
本発明の目的は、より安価な材料、すなわち従来は産業廃棄物とされていた玉葱屑を使用した玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末およびその製造方法を提供することにある。
玉葱残屑を原料として粉砕乾燥したケルセチン含有粉末であって、
前記原料は、玉葱の薄皮、球部外皮、球根頂部切除部、および底部の細根を含む切除部からなり、前記球部外皮は薄皮に接する最外側の屑皮であり、水分70〜90%を含んでおり、玉葱の薄皮とその他の残屑の重量比は1:24〜98であり、
前記粉末の水分は、15%以下とするものである。
玉葱の薄皮、球部外皮、球根頂部切除部、および底部の細根を含む玉葱残屑を収集するステップと、
前記玉葱残屑を破砕するステップと、
前記破砕済の玉葱残屑をさらに粉砕乾燥して粉状にするステップと、
を含む玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の製造方法であって、
前記粉状にするステップは、圧力空気噴射装置に圧力空気を接続し、ラバル管状のノズル複数本から破砕された玉葱残屑に噴射し、さらに粉砕乾燥させることを特徴とするものである。
請求項2記載の圧力空気噴射装置は本件出願人の出願に係る上記特許文献2記載の出願に詳細に説明されている。
したがって、原料は極めて安価である。そして、薄皮の成分はもとより、球部の成分を含み、玉葱のもつ様々な効用を濃縮したものであり、少量の使用で健康な豚の成長に寄与し、養豚業者の生産コストの低下に著しく寄与している。すなわち、この動物実験により、本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末が生体に極めて良い影響を与えることが判明した。
さらに、本発明による前記玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の製造方法は、従来の玉葱の飼料の製造方法のように圧搾とか消石灰などを使わない点で優れている。
従来方法に比べ、ランニングコストおよびイニシャルコストを2分の1にする等、コスト面でも優れている。
すなわち、養豚経営者は、本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末を数%程度飼料に混合することにより、従来使用していた抗生物質の使用を省略することができる。
その結果食肉等の生産コストを下げることができる。さらに良い肉質の食肉を提供することができる。
また玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末は水溶性であり、子豚期のミルクに添加して使用することができる。これにより抗生物質を使用することなく子豚の疾病防御と発育促進を図ることができる。本願玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末を添加した飼料で肥育した豚の肉には、残留抗生物質がないから安全である。
図1は、本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の原料を説明するための玉葱の正面図であり、図2は前記玉葱の断面図である。
本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の原料は玉葱残屑であり、玉葱の鱗茎の中心部の使用を予定していない。生産者が収穫した玉葱100は上下が切り落とされる。本発明による玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末は玉葱の薄皮101、球部外皮(鱗茎部の最外側)104、球根頂部切除部102、および底部の細根を含む切除部103を原料とするものである。これらの玉葱残屑が取り去られた部分は市場に食用として出荷される。なお、図2中、105に囲まれる部分は食用にして供される部分である。
玉葱の薄皮:その他の残屑=2:98(重量比)程度である。この量は玉葱の種類により変動するが概ね1:24〜98(重量比)の範囲にあると考えられる。
玉葱の外皮の部分は食用に供される部分と略同じ成分で含硫有機化合物、糖質を豊富に含むものである。その他の屑、主として褐色の薄皮部分は、抗酸化作用をもつケルセチン(フラボノイド)ペクチン,タンニンが多く含まれている。しかし薄皮には玉葱の前記含硫有機化合物は含まれていない。
何れも添加区における効果が圧倒的に優れていた。
これは、次のような因果関係によるものと推定される。外皮104の部分は、含硫有機化合物、糖質(フラクトオリゴ糖)が含まれている。その他の部分、特に薄皮101にはケルセチン(フラボノイドの一種)が含まれている。含硫有機化合物は、血行促進、ビタミンB1 吸収促進、殺菌作用がある。糖質(フラクトオリゴ糖)は豚の腸内にビフィズス菌の増殖を促進させる。前記血行促進、ビタミンB1 吸収促進の作用のために、豚の精神を安定させ、健康な豚が飼育され肉質が改善される。また殺菌作用および腸内環境改善により免疫力が高まるため、現在使用されている抗生物質の使用を避けても疾病発生の率を抑え、発育性を改善することができる。薄皮に含まれるケルセチンは抗酸化作用があるので、血圧降下に寄与するなどその他の疾病に全般的に有効に作用する。
図6のグラフは、肥育中期(体重約60kg,肥育日数40日)以後、発育性改善効果大であったことを示している。乾燥たまねぎ中のフラクトオリゴ糖が腸内環境を改善し、その効果を得るためには毎日一定量以上の摂取が有効であり、乾燥たまねぎの摂取量の増加に伴いフラクトオリゴ糖の摂取量が前記一定量以上となり毎日継続摂取した結果、発育性を改善したといえる。
図7に110kgの到達日数を棒グラフにして示してある。110kgの到達日数が短い方が肥育が早いと考えて良い。対照区はバラツキが大きい上に平均でも所要日数が長い。
これに対して添加区はバラツキは少なく平均でも所要日数が短い。
飼料要求率=飼料摂取量/増体重(生産量)
たまねぎ添加区は2.95、対照区では3.12
たまねぎ添加区の方が生産性において有利であった。
たまねぎ添加区 対照区
NO.109 軽胸膜肺炎 NO.83 重胸膜肺炎
NO.111 肝うっ血 NO.85 胸膜肺炎 中SEP 軽褪色 大腸炎
NO.80 重SEP NO.82 肝うっ血
NO.86 結節廃棄 NO.94 結節廃棄
SEPとは、豚流行性肺炎の略語。
対照区は疾病の発生、種類も多い。添加区と対照区を比較して、対照区のみに大腸炎が発生しているのは、添加区ではフラクトオリゴ糖の効果により腸内のビフィズス菌を増殖させ大腸炎の発生を抑止していると考えられる。肺炎を主とした疾病についても添加区の方が軽いのは、同様にフラクトオリゴ糖の効果によるものと考えられる。
薄皮に含まれるケルセチンの抗酸化作用が、豚の健康維持に全体として寄与していると考えることができる。
軟らかさを5段階で評価した。最も軟らかいを5、かたいを1とする。
パネラー A B C
添加区 5 5 5
対照区 4 3 3
多汁性も同様に5段階で評価した。良いものを5、悪いものを1とする。
パネラー A B C
添加区 5 4 4
対照区 4 3 3
テクスチャー分析を行なった結果、硬さについては対照区が添加区よりも硬いという分析結果が得られ、軟らかさの5段評価によく対応している。
多汁性については、保水性について分析し、添加区の保水性が対照区の保水性よりも大きいという結果を得ている。
2 原料ホッパ
3 圧力空気供給機
4 熱風発生装置
5 圧力空気噴射装置
6 乾燥機
7 サイクロン
8 選別機
9 製品タンク
10 製品
Claims (2)
- 玉葱残屑を原料として粉砕乾燥したケルセチン含有粉末であって、
前記原料は、玉葱の薄皮、球部外皮、球根頂部切除部、および底部の細根を含む切除部からなり、前記球部外皮は薄皮に接する最外側の屑皮であり、水分70〜90%を含んでおり、玉葱の薄皮とその他の残屑の重量比は1:24〜98であり、
前記粉末の水分は、15%以下である玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末。 - 玉葱の薄皮、球部外皮、球根頂部切除部、および底部の細根を含む玉葱残屑を収集するステップと、
前記玉葱残屑を破砕するステップと、
前記破砕済の玉葱残屑をさらに粉砕乾燥して粉状にするステップと、
を含む玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の製造方法であって、
前記粉状にするステップは、圧力空気噴射装置に圧力空気を接続し、ラバル管状のノズル複数本から破砕された玉葱残屑に噴射し、さらに粉砕乾燥させることを特徴とする玉葱残屑を原料とするケルセチン含有粉末の製造方法。
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KR101459707B1 (ko) | 2013-07-03 | 2014-11-12 | 목포대학교산학협력단 | 양파의 퀘르세틴 함유 액비 및 이의 제조방법 그리고 이를 이용한 기능성 쌀의 생산방법 |
WO2019177171A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 味の素株式会社 | 飼料用添加剤及び飼料 |
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2009
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