JP2009081250A - スピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1Pa・sオーダーの粘度の高いレジストをスピンコートした場合、顕著に観察されるレジスト膜のレジストエッジビードの課題について解決するためになされたものであり、スピンコート工程中のレジスト膜の外周のみの粘度を低下させ、レジストエッジビードを発生させることのないスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板を真空吸着によって密着させ、レジストを回転塗布する際に用いるスピンコーター用チャックであって、前記スピンコーター用チャックの外周部にヒーターを備えたことを特徴とするスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法である。
【選択図】図1
【解決手段】基板を真空吸着によって密着させ、レジストを回転塗布する際に用いるスピンコーター用チャックであって、前記スピンコーター用チャックの外周部にヒーターを備えたことを特徴とするスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、半導体マスクや半導体素子の製造工程において、半導体ウェハ上に、フォトリソグラフィ用、電子線リソグラフィ用のレジストを塗布するスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法に関する。
従来からチャックは基板を密着させる為の治具のことを指す。また、基板を密着させる方法としては基板の裏面を真空吸着させたり、あるいは、基板を機械的に押さえ付けたりする方法等、多様な方法が知られている。
また、チャックは主に機械加工や製造の分野における装置等に搭載され、多くの分野で利用されている。例えば、半導体マスクや半導体素子製造等で用いられている。そして、半導体製造分野では、基板裏面を真空吸着するチャックが多く用いられている。
また、半導体製造分野におけるレジスト塗布装置用のチャックは、スピンコーターの装置部品として設けられている。前記スピンコートは、最も良好な塗膜の平滑性を得られる方法として、特に、高いパターニング精度を求められる工程で採用されている。さらに、レジスト塗布用のチャックは、回転軸の上端に取り付けられている。そして、回転軸はモーターで回転駆動されるようになっている。
この回転軸、および、この回転軸が連結されるチャックの中心軸部は中空状態になっている。そして、中心軸部の中空部は、チャック表面に開口されている。
したがって、この中心軸部および回転軸の中空部を介して真空排気することにより、チャック上に基板を真空吸着固定させることができるようになっている。
上記のように構成されているスピンコーターを用いて、基板上にレジストを塗布する場合は、まず、レジストを塗布する基板をチャック上に載置する。そして、その後、チャックの中心軸部および回転軸の中空部を介して真空排気することにより、前記基板がチャック上に真空吸着固定される。
また、真空吸着固定された基板上にレジストを滴下し、その後にモーターを動作させることで、回転軸およびチャックと一体に基板が回転される。そして、遠心力により、レジストは基板上の全面に広がり、基板上にレジストが均一に塗布される。
このように、回転によってレジストの膜厚を均一に制御する塗布方法は、スピンコート法と呼ばれる。
また、スピンコート法によるレジストの塗布は、レジストの粘度あるいは基板の回転速度によってレジストの膜厚を決定するが、使用する基板の表面の材質やレジストの粘度の違い等によって、レジストの塗り広がりやすさに違いが生じる。
特に粘度の高いレジストをスピンコート法で塗布する場合、塗り広がりやすさに応じて基板への滴下量を調整する。そして、回転塗布後のレジスト膜は、レジスト膜の外周部が、レジスト膜の中央部に対して盛り上がる現象、すなわちレジストエッジビードが発生する。
前記レジストエッジビードの発生は、回転塗布中に遠心力で基板の外周部へ移動するレジストが、基板の外周部との表面張力によって残留することに起因する。
したがって、スピンコートでレジストを塗布する際に、粘度の高いレジストほど、レジスト膜のレジストエッジビードが顕著に発生する傾向がある。
また、レジスト膜のレジストエッジビードは、フォトマスクをレジスト膜にコンタクトさせて露光を行う工程、すなわちコンタクト露光工程において、露光特性を劣化させる原因となる。
本来、コンタクト露光によってレジストのパターニングを行う上では、レジスト膜とフォトマスクをコンタクトさせるのが望ましい。しかし、レジスト膜にレジストエッジビードがあった場合には、隆起している分だけレジスト膜とフォトマスクの間にギャップが生じてしまう。
この場合、レジスト膜とフォトマスクの間のギャップ長だけ、光の発散、露光エネルギーの減衰等の影響が大きくなり、この結果露光特性を劣化させる原因となる。
また、一般に基板を保持し、その保持した基板を回転して、基板の表面に薬液の塗布等を行うチャックは基板の裏面を真空吸着によって保持する構造になっている。
ところが、その強い吸着力によって、基板裏面にチャック跡が残り、このチャック跡が前工程からの汚染に加わり、基板表面の高さにズレを生じる。そして、例えばフォトレジストの露光時のフォーカス異常を発生させる問題がある。
また、基板に付着したパーティクルが離脱し、カセットに収容する場合に、下側に収容されている基板の表面を汚染するとか、あるいは、基板搬送装置に転移して他の基板を汚染するといった問題がある。
また、基板が半導体ウェハの場合、チャックで回転させて裏面に処理を行う場合、表側には半導体装置が設けられているが、これらを不良品としてしまうといった問題がある。
上述した問題を解決するための、スピンチャック(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
このスピンチャックは、 基板を保持してその表面に処理を行うために回転するスピンチャックを基板の裏面の周辺部のみを支持して裏面の内部の主要部分に汚れ、キズ等をつけないように構成したものにおいて、基板の搬送装着に際してのスピンチャックと基板との回転方向の高精度な位置合わせを不要とする。
以下に先行技術文献を示す。
特開2000−286185号公報
しかしながら、従来におけるチャックの構造として、パーティクルやキズ等の課題に対する多くの提案がなされているが、粘度の高い、特に1Pa・sオーダーのレジストをスピンコートした場合において顕著に観察されるレジスト膜のエッジビードの課題についての改善に対する提案はなされていない。
また、レジスト膜のレジストエッジビードは、特にコンタクト露光の露光特性が劣化してしまう問題につながり、高精度のパターニングを行う上で弊害となり、改善が必要である。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、1Pa・sオーダーの粘度の高いレジストをスピンコートした場合において顕著に観察されるレジスト膜のレジストエッジビードの課題について解決するためになされたものであり、スピンコート工程中のレジスト膜の外周のみの粘度を低下させ、レジストエッジビードを発生させることのないスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
基板を真空吸着によって密着させ、レジストを回転塗布する際に用いるスピンコーター用チャックであって、
前記スピンコーター用チャックの外周部にヒーターを備えたことを特徴とするスピンコーター用チャックである。
基板を真空吸着によって密着させ、レジストを回転塗布する際に用いるスピンコーター用チャックであって、
前記スピンコーター用チャックの外周部にヒーターを備えたことを特徴とするスピンコーター用チャックである。
次に、本発明の請求項2に係る発明は、
請求項1記載のスピンコーター用チャックを用いて、レジスト液を塗布することを特徴とするスピンコート方法である。
請求項1記載のスピンコーター用チャックを用いて、レジスト液を塗布することを特徴とするスピンコート方法である。
本発明のスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法は以上の構成からなるので真空吸着した基板の外周部を加熱することができる。
また、本発明のスピンコーター用チャックを用いて基板にレジストを塗布した際に、スピンコート工程中のレジスト膜の外周のみの粘度を低下させることができるので、レジストエッジビードが発生することがない。
さらに、真空吸着した基板の外周部を加熱することができるので、基板の中央部上にあるレジストの粘度に比べて、基板の外周部上にあるレジストの粘度を低下させることが出来る。
また、基板の外周部上のレジストは、チャック回転中の遠心力に対して動きやすくなり、基板の中央部上にあるレジスト膜厚に対して、基板の外周部上にあるレジスト膜厚を低下させることが可能となる。
本発明のスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法を実施の形態に沿って以下に図面を参照にしながら詳細に説明する。
図1は、本発明のスピンコーター用チャックの一実施例の平面の概略を示す平面図である。また、図2は図1のA−A′線断面の一実施の断面を示す断面図である。図3は本発明のスピンコーター用チャックの他の一実施例の断面を示す断面図である。
電動モーター(図示せず)の駆動によって鉛直方向の軸芯周りで図2〜図5に示す回転する回転軸7の上端に、基板11の周縁を載置して保持するチャック1が一体回転可能に取り付けられている。
前記チャック1は、回転軸7に一体回転可能に連結される底板6、基板11を小さな接触面積で支持する部材となる外側の基板支持部材3及び内側の基板支持部材4、基板支持部材間の真空吸着孔2、そして基板11の外周部を加熱する部材となるヒーター5等から構成されている。
外側の基板支持部材3及び内側の基板支持部材4の間については、その頂面に開口する真空吸着孔2が設けられている。
前記真空吸着孔2は、底板6、回転軸7内に設けられた通気路8を介して、図示していないが吸気ポンプに接続されている。
また、回転軸7、底板6、外側の基板支持部材3及び内側の基板支持部材4を作製する材料として、例えば、加工が簡便なアルミニウム等を使用する。そして、レジスト、HMDS等の有機溶剤に対する耐腐食性を高める為に、全体をアルマイト処理されていることが望ましい。
また、チャック1としての外径は、例えば、4インチウェハに対応させるならば少なくとも100mm以上、ヒーター5の幅としては基板11の外周部のレジストエッジビード領域から考慮して10mm程度が望ましいが、各種の基板のサイズに対応できるようにするため、各種寸法はこの限りでない。
また、底板6上に載置するヒーター5の材料は、例えば、載置スペースに対し周状に曲げられること。そして、耐腐食性の条件を満たすことから、薄型テープヒータを用いることが望ましい。
前記薄型テープヒータは幅10mm、厚さ1mm、耐腐食性を高める為、外装膜にポリイミドフィルムを採用したものが用いられる。
また、ヒーター5の電源は、底板6の一部を開口した上でリード線を通し、電動モーターにも用いられている系統に端子を接続し電源供給されることによって、ヒーター上の基板11を加熱可能な機構となっている。
前記ヒーター5を加熱することによって、基板11をチャック1で真空吸着しながらスピンコート工程を行うことで、ヒーター5が載置されている上の基板11が加熱され、基板11上のレジスト粘度が低下する。
この結果、スピンコート中の遠心力によって、基板11中央部のレジスト膜厚に対して、基板11外周部のレジスト膜厚が薄くなる作用によって、基板11上のレジスト膜としてエッジビード9が改善されるという効果を有する。
また、ヒーター5は温度制御可能な機構を持っていることが望ましく、これによって基板11の外周部のレジスト粘度を調整する作用を得て、最適な基板11の外周のレジスト膜厚に制御できる。
さらに、スピンコート中に、一定の回転数および一定の回転保持時間が経過した後、基板11の中央部のレジスト膜厚が決定される。そして、その時点からヒーター5を一定時間加熱した直後、回転を終了させる方法を用いることにより、基板11の中央部のレジスト膜厚に影響を与えることなく、基板11の外周部のレジスト膜厚だけ薄く形成することができる。このため、レジストエッジビードが改善される。
4インチベアシリコン基板に対し、粘度7400Pa・sのSU−8レジスト(化薬マイクロケム株式会社製)をスピンコートした。
チャックは、本発明のスピンコーター用チャック1を用いて、ヒーター5を従来条件として加熱しない場合と、本発明のスピンコート方法の条件として95℃で加熱した場合で比較し、本発明のスピンコート方法でレジストエッジビードが改善されることを実験した。
レジストエッジビードの測定箇所としては、基板11の最外周から5mm内側の部分を触針段差計で測定した。
スピンコート工程における共通条件としては、レジストの滴下量を4cc、回転数は700rpm、回転保持時間は60秒間一定とした。また、加熱する場合については保持時間が40秒経過した時点からヒーター5を95℃に加熱した。
プリベーク工程における共通条件としては95℃で2時間、クリーンオーブン内でベークした後、常温にて30分間クーリングした。
実験結果として、従来条件においてはレジストエッジビード膜厚が220μmであったのに対し、本発明のスピンコート方法の条件においては、レジストエッジビード膜厚が100μmであった。
したがって、本発明のスピンコート方法の条件での効果を確認できたと同時に、本発明の有意性を示すことができた。なお、基板11の中央部におけるレジスト膜厚は、どちらの条件においても120μmで変化は無かった。
本実施例のスピンコート中における従来条件でのレジストエッジビード9の概念図を図4に示す。また、本発明のスピンコート方法の条件でのレジストエッジビード10の概念図を図5に示す。
本発明のスピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法は、例えばMEMS分野の厚膜レジストリソグラフィーにおいて、フォトマスクのコンタクト露光を行う際の高精度化に寄与することができる。
1…チャック
2…真空吸着孔
3…外側の基板支持部材
4…内側の基板支持部材
5…ヒーター
6…底板
7…回転軸
8…通気路
9…レジストエッジビード
10…レジストエッジビード
11…基板
2…真空吸着孔
3…外側の基板支持部材
4…内側の基板支持部材
5…ヒーター
6…底板
7…回転軸
8…通気路
9…レジストエッジビード
10…レジストエッジビード
11…基板
Claims (2)
- 基板を真空吸着によって密着させ、レジストを回転塗布する際に用いるスピンコーター用チャックであって、
前記スピンコーター用チャックの外周部にヒーターを備えたことを特徴とするスピンコーター用チャック。 - 請求項1記載のスピンコーター用チャックを用いて、レジスト液を塗布するこスピンコート方法。
Priority Applications (1)
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JP2007248910A JP2009081250A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | スピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法 |
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Publications (1)
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JP2007248910A Pending JP2009081250A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | スピンコーター用チャック及びそれを用いたスピンコート方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013136211A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Lintec Corp | 積層装置および積層方法 |
JP2014011420A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Tokyo Electron Ltd | 塗布膜形成方法、塗布膜形成装置、基板処理装置及び記憶媒体 |
TWI556878B (zh) * | 2014-02-26 | 2016-11-11 | 辛耘企業股份有限公司 | 流體加速裝置 |
KR20230042915A (ko) * | 2021-09-23 | 2023-03-30 | 이병철 | 초발수 스핀코팅 방법 및 초발수 스핀코팅 장치 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248910A patent/JP2009081250A/ja active Pending
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