JP2009080511A - インパルス応答測定装置及びインパルス応答測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、コンサートホールや劇場などの音響空間におけるインパルス応答を測定するための技術に関する。
近年、ユーザが家庭などの部屋において音楽を聴く場合に、あたかもコンサートホールや劇場などで生演奏を聴いているかのような臨場感を味わえるようにする技術として、コンサートホールなどの音響空間の音場を別の音響空間に再現するための音場再現技術が知られている。この音場再現技術におていは、評価音を音響室内に放ったときのインパルス応答を音響特性として測定するといったことが行われている。また、上記評価音としては、例えばM系列信号や図5及び図6に示す時間伸張パルス(TSP:Time Stretched Pulse)信号、ピンクノイズ等が用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2000−69597号公報
特許第2725838号公報
しかしながら、M系列信号及び時間伸張パルス信号は、図6に示すように、周波数領域における信号レベルが略一定であるため、これらM系列信号或いは時間伸張パルス信号を評価音として用いた場合、低周波数領域のパワーが相対的に大きくなるといった周波数特性を有するノイズが音響空間に存在したときに、低周波数領域におけるインパルス応答の測定精度(S/N比)が劣化するといった問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、低周波数領域におけるパワーが相対的に大となる周波数特性を有したノイズが存在する場合などのように、音響空間のノイズに応じて適したパワースペクトラムの時間伸張パルスを生成することができるインパルス応答生成装置及びインパルス応答生成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、音響空間に配置された発音点に評価音信号を入力して評価音を発せさせ、受音点にて測定された測定信号と前記評価音信号とに基づいて前記発音点と前記受音点間のインパルス応答を測定するインパルス応答測定装置において、次式に基づいて、音響空間のノイズに応じた時間伸張パルスを前記評価音信号として生成することを特徴とする。
ただし、評価音信号の周波数領域における振幅特性をA(ω)、位相特性をP(ω)とする。
ただし、評価音信号の周波数領域における振幅特性をA(ω)、位相特性をP(ω)とする。
本発明によれば、音響空間のノイズに応じて適したパワースペクトラムの時間伸張パルスを生成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るインパルス応答測定システムSの構成を模式的に示す図である。この図に示すように、インパルス応答測定システムSは、インパルス応答測定装置1と、音響特性の測定対象となる音響空間Rに配置された放音装置としてのスピーカ2及び収音装置としてのマイク3とを備えている。
インパルス応答測定装置1は、インパルス応答の測定用信号としての評価信号4を生成し、上記スピーカ2に出力して評価音を発せさせると共に、当該評価音をマイク3が収音した際の収音信号5を受け取り、評価信号4及び収音信号5に基づいて、スピーカ2とマイク3間、すなわち、発音点と受音点間のインパルス応答を算出するものであり、上記評価信号4を生成する音源装置や、インパルス応答算出演算を実行する演算装置などを備えて構成されている。
なお、スピーカ2(発音点)やマイク3(受音点)の数は適宜に変更可能である。また、マイク3の代わりに、人体の頭部を模したダミーヘッドを用いても良い。このように発音点と受音点との数を増やした場合には、インパルス応答測定装置1は、発音点の各々と受音点の各々との間のインパルス応答をそれぞれ算出する。
インパルス応答の生成について詳細には、評価信号4のフーリエ変換をX(ω)、音響空間Rにおけるスピーカ2とマイク3間のインパルス応答のフーリエ変換をH(ω)、マイク3にて収音された収音信号5のフーリエ変換をY(ω)とすると、次式(1)の関係が成り立つ。
そこで、インパルス応答測定装置1は、評価信号4及び収音信号5に基づいて、次式(1)に示すH(ω)(いわゆる伝達周波数特性)を求め、このH(ω)を逆フーリエ変換することで上記インパルス応答を算出することとしている。
ところで、図2に示すように、音響空間Rにノイズが存在する場合、そのノイズ信号のフーリエ変換をN(ω)とすると、マイク3で測定される信号は、Y(ω)+N(ω)となり、そのときのインパルス応答の測定値H’(ω)は次式(2)のようになる。
したがって、音響空間Rにノイズが存在する場合には、そのノイズ信号により、測定されたインパルス応答に誤差が含まれる。特に、ノイズ信号が周波数領域において一定の信号レベルではなく、低周波数領域において比較的信号レベルが大きくなるといった周波数特性を有している場合には、低周波数領域において、上記(2)式の第2項の値が大きくなるため、当該低周波数領域における誤差が増大する。
そこで、本実施の形態では、低周波数領域における誤差を抑えるために、上記評価信号4として次のような信号を用いることとしている。すなわち、高周波数領域のパワーよりも低周波数領域のパワーが大きく、なおかつ、信号の平均パワーに対する信号の最大振幅の比が所定範囲内(すなわち、突出した最大振幅を有しない)となる信号である。
詳述すると、評価信号4として、高周波数領域のパワーよりも低周波数領域のパワーが大きい信号を用いることで、低周波数領域における上記(2)式第2項の値を小さくし、当該低周波数領域での誤差を抑え、結果として、インパルス応答の測定精度を向上させることができるのである。
さらに、評価信号4として、評価信号4の平均パワーに対する評価信号4の最大振幅の比が所定範囲内となる信号を用いることで、インパルス応答測定装置1が有する測定可能範囲(ダイナミックレンジ)を最大限に生かした測定が可能となる。すなわち、平均パワーに対する評価信号4の最大振幅の比が所定範囲内であるため、評価信号4の平均パワーを大としても、評価信号4の最大振幅が突出することがなく、これにより、当該評価信号4をスピーカ2に入力して評価音を発せさせた場合であっても、音響空間Rの応答が線形性を維持する範囲内でインパルス応答を測定できる。この結果、インパルス応答測定装置1が有する測定可能範囲(ダイナミックレンジ)を有効に活用してのインパルス応答測定が可能となる。
以下、上記のような特性を有する評価信号4について詳述する。
周波数領域における振幅特性をA(ω)、位相特性をP(ω)とした場合、上記評価信号4は次式(3)を満たせば良い。
すなわち、この評価信号4に対して逆フーリエ変換処理を施し、時間波形を求めると、振幅特性がA(ω)であり、その信号波形が、時間領域において略一定となるエンベロープを有する信号となる。
次いで、このような信号波形を有するN個のデジタル信号列xi(i=0・・・N−1)を生成する場合について説明する。サンプリング周波数をfsとした場合、周波数ωは式(4)のように離散化され、また、上記振幅特性A(ω)及び位相特性P(ω)はそれぞれ式(5)、式(6)にて表される。
また、デジタル信号列xiの逆フーリエ変換であるXkは、次式(7)、式(8)のように示され、そして、式(9)に示すように、これらのXkを離散フーリエ逆変換することでデジタル信号列xiを得ることができる。したがって、振幅特性Ak及び位相特性Pkが上記式(3)を満足するように与えられることで、上記のような信号波形を有するデジタル信号列xiを得ることができる。
ここで、振幅特性A(ω)が周波数によらず一定である場合には、P(ω)∝ω2となり、従来のTSP信号と同じになる。これに対して、本実施の形態では、振幅特性A(ω)に周波数特性を持たせた信号を生成することとしている。例えば、データ数がNであり、信号パワーが1/f特性(周波数に反比例する特性)を有する信号は、周波数領域での振幅特性Akと位相特性Pkとを次式(10)乃至(14)ように設定し、式(15)を用いて離散フーリエ逆変換することで生成することができる。但し、mは任意の整数である。
例えば、上記式(10)乃至(15)において、N=216、m=215とすれば、図3に示すように、時間領域においてエンベロープが略一定値となる信号波形であり、なおかつ、図4に示すように、低周波数領域の信号パワーが高周波数領域よりも高いデジタル信号列xiを得ることができ、上記評価信号4として用いるに好適なデジタル信号列xiが得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、インパルス応答測定装置1が、高周波数領域のパワーよりも低周波数領域のパワーが大きくなる周波数特性を有する時間伸張パルスを評価音信号を生成し、スピーカ2に入力して音響空間Rのインパルス応答を測定するようにしたため、低周波数領域におけるパワーが相対的に大となる周波数特性を有したノイズが音響空間Rに存在する場合であっても、当該低周波数領域におけるインパルス応答の測定精度(S/N比)を向上させることができ、以って、高精度にインパルス応答を測定することができる。
また、評価信号4として、評価信号4の平均パワーに対する評価信号4の最大振幅の比が所定範囲内となる信号を用いるため、評価信号4の平均パワーを大としても、評価信号4の最大振幅が突出することがなく、結果として、当該評価信号4をスピーカ2に入力して評価音を発せさせた場合であっても、音響空間Rの応答が線形性を維持する範囲内でインパルス応答を測定できる。これにより、インパルス応答測定装置1が有する測定可能範囲を有効に活用してのインパルス応答測定が可能となる。
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形可能である。例えば、上述した実施の形態では、インパルス応答測定対象の音響空間Rにスピーカ2とマイク3とを実際に配置してインパルス応答を測定するようにしたが、これに限らず、例えば、上記音響空間Rの構造や壁材等の音響特性を予めデータ化し、インパルス応答測定装置1が当該データ化された音響空間Rに対してコンピュータシミュレーションによりインパルス応答を算出する構成としても良い。
1 インパルス応答測定装置
2 スピーカ(発音点)
3 マイク(受音点)
4 評価信号
5 収音信号
R 音響空間
S インパルス応答測定システム
2 スピーカ(発音点)
3 マイク(受音点)
4 評価信号
5 収音信号
R 音響空間
S インパルス応答測定システム
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JP2013205049A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Tokyo Metropolitan Sewerage Service Corp | 回転機械の健全性診断における音測定点の決定方法 |
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