JP2009079723A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リンクとピンとの間における強い摺動を防止して、リンクに強い接触痕が生じることを防止した動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 チェーン幅方向に並ぶリンク11,21について、前挿通部12,22の後部および後挿通部13,23の前部の大きさが異なるものが使用されている。チェーン幅方向の外側に配置されるリンク21は、図に二点鎖線で示している基準リンクに対して、前挿通部22のピン可動部26および後挿通部23のインターピース可動部29が大きく、これらとピン14およびインターピース15との間の隙間が大きく設定されている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図5に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2005−233275号公報
特許文献1の動力伝達チェーンでは、チェーン幅方向に並ぶリンクについては、全て同じ形状とされているが、チェーンに作用する張力によって、あるいは、張力が作用した状態でピンがプーリ間に挟持された際に、ピンがチェーン幅方向に大きく撓み、リンクの前後挿通部(「内窓」と称されることもある)とピンとの接触状態が、チェーン幅方向の中央側とチェーン幅方向の外側とで異なってくる。このため、チェーン中央側のリンクでは、ピンとの接触痕は比較的弱いが、外側のリンクでは強い接触痕が発生しやすい。
この発明の目的は、リンクとピンとの間における強い摺動を防止して、リンクに強い接触痕が生じることを防止した動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、チェーン幅方向に並ぶリンクについて、前挿通部の後部および後挿通部の前部の大きさが異なるものが使用されており、チェーン幅方向の中央側にあるリンクとピンとの隙間が、チェーン幅方向の外側にあるリンクとピンとの隙間よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
従来、チェーン幅方向に並ぶリンクは、ピン形状に対応して同じ形状の前後挿通部が形成されていたが、この発明の動力伝達チェーンでは、同じピンに嵌められるリンクでありながら、その前挿通部の後部および後挿通部の前部の大きさがチェーン幅方向の中央側とチェーン幅方向の外側とで異なるものとされる。この際、チェーン幅方向の中央側にあるリンクでは、前後挿通部のチェーン進行方向の中央部分(前挿通部の後部および後挿通部の前部)が相対的に小さくされ、チェーン幅方向の外側にあるリンクでは、前後挿通部のチェーン進行方向の中央部分(前挿通部の後部および後挿通部の前部)が相対的に大きくされることで、チェーン幅方向の中央側にあるリンクとピンとの隙間が、チェーン幅方向の外側にあるリンクとピンとの隙間よりも小さく設定される。
チェーン幅方向の中央側にあるリンクとピンとの最小隙間は、例えば、0.03〜0.06mmとされ、チェーン幅方向の外側にあるリンクとピンとの最小隙間は、例えば、これよりも、0.01〜0.1mm大きいものとされる。
チェーン幅方向に並ぶリンクは、2種類(基準隙間のものおよび隙間大のもの)あればよいが、3種類以上(隙間が大、中、小など)としてもよい。リンクが2種類の場合、例えば、チェーン幅方向の外側に位置する1〜4層のリンクが隙間大のものとされてもよく、チェーン幅方向の中央に位置する2〜8層のリンクが隙間小のものとされてもよい。チェーンは、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されていることがある。リンク配列が、例えば、9層−8層−8層で、チェーン幅方向に並ぶリンクが25層となる場合、少なくとも中央にある5層分のリンクが隙間小のものとされることが好ましい。
ピンは、プーリ間に挟持される際に、その端部の変形量が相対的に大きくなるが、端部に嵌められているリンクには、相対的に大きい隙間が設定されているので、ピンとリンクとの間の強い摺動が防止される。これにより、強い接触痕が発生するリンクがなくなり、チェーンの耐久性および信頼性が大幅に向上する。
リンクのピッチ長については、騒音低減の点から、2種類以上とすることが好ましく、この場合には、基準ピッチ長のリンクとピッチ長が異なるリンクとがチェーン方向にランダムに配列される。そして、基準ピッチ長のリンクについて、中央側のものと外側のものとの2種類が製作され、ピッチ長が異なるリンクについても、中央側のものと外側のものとの2種類が製作される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。第2ピンは、第1ピンよりも幅が狭い形状とされることが好ましく、この場合、第2ピンの上下縁部に突出縁部が設けられることがある。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部の前側部分に設けられたピン固定部に固定されかつ他のリンクの後挿通部の前側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部の後側部分に設けられたピン可動部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部の後側部分に設けられたピン固定部に固定されていることが好ましい。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、プーリ間に挟持される際に、ピンの端部の変形量が相対的に大きくなるが、ピン端部に嵌められているリンクには、相対的に大きい隙間が設定されているので、ピンとリンクとの間の強い摺動が防止され、これにより、強い接触痕が発生するリンクがなくなり、チェーンの耐久性および信頼性が大幅に向上することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)(22)(23)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚(9層)のリンク列とリンク枚数が8枚(8層)のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
チェーン幅方向に並ぶリンクについて、図2に示す基準リンク(11)と図3に示す隙間大リンク(21)との2種類のものが使用されている。
図2に示すように、基準リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
同様に、図3に示すように、隙間大リンク(21)の前挿通部(22)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(26)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(27)からなり、後挿通部(23)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(28)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(29)からなる。
リンク(11)のピン固定部(28)とインターピース可動部(29)との境界部分には、インターピース可動部(29)の上下の凹円弧状案内部(29a)(29b)にそれぞれ連なりピン固定部(28)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(28a)(28b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(27)とピン可動部(26)との境界部分には、ピン可動部(26)の上下の凹円弧状案内部(26a)(26b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(27)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(27a)(27b)が設けられている。
図3において、二点鎖線で示しているのは、基準リンク(11)の前後挿通部(12)(13)であり、隙間大リンク(21)は、図2のものに比べて、前挿通部(22)の後部(すなわちピン可動部)(26)および後挿通部(23)の前部(すなわちインターピース可動部)(29)が大きく形成されている。この結果、インターピース可動部(29)の上下の凹円弧状案内部(29a)(29b)とインターピース(15)の上下面との間には、図2の基準リンク(11)に比べて大きい隙間が形成されており、また、ピン可動部(26)の上下の凹円弧状案内部(26a)(26b)とピンとの間にも、基準リンク(11)に比べて大きい隙間が形成されている。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)(22)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)(23)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)(23)の後部にあるピン固定部(18)(28)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)(22)の後部にあるピン可動部(16)(26)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)(23)の前部にあるインターピース可動部(19)(29)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)(22)の前部にあるインターピース固定部(17)(27)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
図1において、図2に示した基準リンク(11)は、9層のリンク列の中央の1枚、8層のリンク列の中央の各2枚の計5枚分(図1にCで示す範囲に)使用されており、その他の箇所(図1にLおよびRで示す範囲、すなわち、9層のリンク列の中央を除いた8枚および8層のリンク列の外寄り各6枚の計20枚分)には、図3に示した隙間大リンク(21)が使用されている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)(22)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)(26)内を移動し、後挿通部(13)(23)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)(29)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
図2および図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチ長である。
この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
この動力伝達チェーン(1)は、図5に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図4に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
チェーン(1)に張力が作用した状態で円錐状シーブ面(2c)(2d)間に挟持された際に、ピン(14)には撓みが発生し、リンク(11)がすべて図2の形状であると、チェーン幅方向に大きく撓んだピン(14)とピン(14)端部に嵌められたリンク(11)とが強く接触し、リンク(11)の屈曲に伴ってピン(14)とリンク(11)とが強く摺動することで、リンク(11)に強い接触痕が発生することがある。図3に示した隙間大リンク(21)は、強い接触痕を防止するためのもので、この隙間大リンク(21)が図1にLおよびRで示されている範囲においてピン(14)に嵌められていることにより、ピン(14)端部におけるピン(14)とリンク(21)との間の強い摺動が防止される。これにより、いずれのリンク(11)(21)にも強い接触痕が発生することがなく、チェーン(1)の耐久性および信頼性が大幅に向上する。
なお、上記において、図2に示したリンク(11)と図3に示したリンク(21)との比率は、25層のうちの5層が基準リンク(11)としたが、これに限られるものではなく、基準リンク(11)を7層や11層などとしてももちろんよい。また、図1に示した9層−8層−8層の配列に代えて、7層−7層−7層の配列や7層−6層−6層の配列とした場合であっても、図2に示したリンク(11)と図3に示したリンク(21)とを適宜な比率で使用することでいずれのリンク(11)(21)についても強い接触痕をなくすことができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、基準リンク、ピンおよびインターピースの形状を示す拡大側面図である。 図3は、隙間が大きいリンクの形状を示す拡大側面図である。 図4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図5は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク(基準ピッチ長リンク)
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(21) リンク(隙間大リンク)
(22) 前挿通部
(23) 後挿通部

Claims (2)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    チェーン幅方向に並ぶリンクについて、前挿通部の後部および後挿通部の前部の大きさが異なるものが使用されており、チェーン幅方向の中央側にあるリンクとピンとの隙間が、チェーン幅方向の外側にあるリンクとピンとの隙間よりも小さく設定されていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1の動力伝達装置。
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