JP2009079192A - 粉落ち防止用樹脂組成物及びそれを用いた支持基材付き接着剤 - Google Patents

粉落ち防止用樹脂組成物及びそれを用いた支持基材付き接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面から粒子状物質が飛散し基板に対して凹凸や配線パタ−ンの断線或いはショ−ト等を発生させる原因を除去するため基板端面に接着層を設けて基板の端面から粒子状物質の落下を防止する端面処理に好適な接着層を構成する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面に、支持基材に接着剤層を形成した支持基材付き接着剤の接着剤層を転写して前記端面に接着剤層を形成して前記端面から粒子状物質の落下又は飛散を防止する端面処理において、接着剤層に官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材を含む組成物を用いる基板の粉落ち防止用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面から粒子状物質の落下又は飛散を防止するため端面に接着剤層を転写して形成する端面処理に用いられる接着剤に関し、特に基板端面への転写性に優れた粉落ち防止用樹脂組成物及びそれを用いた支持基材付き接着剤に関する。
半導体素子搭載用パッケージ基板は、ガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸し、両面に銅箔等の金属箔を張り合わせた金属箔張り積層基板(両面銅張り積層板)と言われるものが用いられている。両面銅張り積層板は、ガラスクロスをベースとしこれに熱硬化性樹脂組成物を複合化していることから、両面銅張り積層基板の端部からのガラスクロスや組成物の粒状物の脱落が問題となっている。また近年、電子機器の小型化,軽量化,高速化の要求が高まり,薄型化、高密度化により、チップと同じサイズのチップサイズパッケージ(CSP)や同時に複数のチップを搭載するマルチチップモジュール(MCM)の需要が増えている。このため、両面銅張り積層基板に使用されるガラスクロス含浸の樹脂組成物も、半導体基板の成型後の接続信頼性を向上するために、低そり、低熱膨張、低誘電率などの特性が望まれている。これらの特性を向上する手段として、無機充填材を多量に添加したり、高Tgの樹脂を使用するなどの手法をとることから、やはり同様に両面銅張り積層基板やこれを回路加工した印刷回路基板(多層を含む)の端部からの樹脂等の脱落が問題となっている。熱膨張係数を低下させるため無機充填材を多量に添加したり、Tgを高くするためには高官能基の樹脂を用いるため樹脂が脆くなり、両面銅張り積層基板やこれを回路加工した印刷回路基板の各辺を切り落とし寸法を調整する際に基板の端面から粒子状物質の落下や飛散が生じる。
従来の粉落ち防止は、両面銅張り積層基板を構成するプリプレグでは切断端面を加熱溶融し切断により発生する樹脂粉等を溶融し冷却することで落下や飛散する粒状物質を再付着させ固定していた。また、プリプレグの端面近傍に溶剤を付着させて粒状物質表面を溶解させて溶剤を蒸発させることにより再付着させたり、プリプレグの端面を液状被覆材で被覆された状態で加熱加圧成形していた(特許文献1、2参照)。
さらに、プリプレグ自体からの粉落ち防止手段として、樹脂配合面からの検討がなされ、ガラスクロスに含浸させる樹脂にエラストマーを含有することで、高分子量化し、粉落ちを防止する手法がとられている(特許文献3、4参照)。しかし、これらの手法では樹脂組成の低Tg化により、これを使用した両面銅張り板の熱膨張係数、誘電率が高くなるという問題点が生じてしまう。
上記の方法では、金属箔とプリプレグを積層し加熱加圧成形した金属張り積層基板やこれを回路加工した印刷回路基板、印刷回路基板にプリプレグを介して金属箔を積層し加熱加圧成形した多層印刷回路基板では、プリプレグが既に硬化反応して前記の加熱溶融処理や溶剤処理等による粉落ち防止の手段を採用することはできない。
前記のように、基板を高密度化し半導体素子等のチップ類を搭載する基板には、電気的、機械的、熱的な面から信頼性が要求され、これに対処するため充填材を多量に配合した基板が用いられるようになり、エラストマー等を配合したプリプレグでも対応が困難で、成形した基板の端面から基板を構成するガラスクロス粉、樹脂粉、充填材粉などからなる粒子状物質が発生するようになってきた。粒子状物質は、ガラスクロス粉、樹脂粉、充填材粉がそれぞれ単独であることは珍しく、ガラスクロス粉に樹脂粉が付着していたり、充填材粉に樹脂粉が付いていたりするなどの複合物からなることが多い。これらの硬化した基板端部からのガラスクロス、充填材や樹脂などの複合物粉の脱落は、金属張り積層基板の表面に付着し、基板同士を重ねて搬送したり回路加工処理工程で、金属層に付着した粒子状物質が他の金属張り積層基板の金属層に挟まれ圧縮され、その部分の金属層がわずかに凹んだり、粒子状物質が押し潰されて広がった状態で付着してしまい、洗浄等では落としにくくなり、これを回路加工すると印刷回路基板に対して凹凸や配線パタ−ンの断線或いはショ−ト等を発生させる原因となる。また、印刷回路基板にプリプレグを介して金属箔を積層し加熱加圧成形して、積層した金属箔を回路加工する際にも前記と同様なことが生じてしまう。特には高密度配線が要求される多層回路基板等を製作する際には顕著な問題となる。
特公平06−000334号公報 特開昭61−152436号公報 特開2006−299175号公報 特開2006−342238号公報
本発明は、上記のように金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面から粒子状物質が飛散し基板に対して凹凸や配線パタ−ンの断線或いはショ−ト等を発生させる原因を除去するため基板端面に接着層を設けて基板の端面から粒子状物質の落下を防止する端面処理に好適な接着層を構成する樹脂組成物を提供するものである。接着剤には多くの種類があり、これらの中から本発明に好適な組成を見出し、また、基板の端面から粒子状物質の落下を防止する効果に加え、回路加工に伴う、エッチング液、現像液、剥離液、表面処理液等の種々の薬液に対しても溶解や剥離が生じ難く、また、基板の端面から基板側にはみ出したりしない転写性の良好な粉落ち防止用樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、[1]金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面に、支持基材に接着剤層を形成した支持基材付き接着剤の接着剤層を転写して前記端面に接着剤層を形成して前記端面から粒子状物質の落下又は飛散を防止する端面処理において、接着剤層に官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材を含む組成物を用いることを特徴とする基板の粉落ち防止用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]前記官能基を含有するエラストマーの官能基が、グリシジル基またはカルボキシル基である上記[1]に記載の粉落ち防止用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3]前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、硬化剤がフェノール樹脂である上記[1]又は上記[2]に記載の粉落ち防止用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4]粉落ち防止用樹脂組成物の硬化物のデスミア液に対する溶解度が50重量%未満である上記[1]ないし上記[3]のいずれかに記載の粉落ち防止用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[5]上記[1]ないし上記[4]のいずれかに記載の粉落ち防止用樹脂組成物を支持基材に設けた支持基材付き接着剤に関する。
本発明の粉落ち防止用樹脂組成物や支持基材付き接着剤を用いて基板の端面を転写法により端面処理することにより、基板端面からの粒子状物質の落下又は飛散を防止でき、凹凸や配線パタ−ンの断線或いはショ−ト等の発生を防止することができる。また、回路形成の際に、エッチング、スルーホール、デスミア、めっき工程などの製造工程を経て、回路基板となるが、端部の粉落ち防止樹脂組成物には、これらの工程で、脱落や、溶解により、工程の汚染がなく、これらの液組成に影響を及ぼすことがなく液寿命が向上し、維持管理が軽減される。本発明は、特にデスミア工程での強アルカリ液に対する耐性に優れ、また、基板の端面から基板側にはみ出したりしない転写性の良好な粉落ち防止用樹脂組成物を提供することができ、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、フェノール樹脂系、ポリエステル樹脂系、トリアジン-ビスマレイミド樹脂系、ポリフェニレンオキサイド樹脂系等の基板の種類を問わず使用することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明では、基板の端面処理に転写法により基板端面に接着剤層を形成する。この接着剤層は、官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材を含む組成物を用いる。
本発明に使用される官能基を含有するエラストマーは、接着剤層の被膜を形成し、強化する機能を有し、また、酸、アルカリ、溶剤等への耐性、接着性を付与するためエラストマーとして、アクリルゴム、アクリル酸アルキルエステル(メタアクリル酸エステルも含む、以下同じ)を主成分としビニル単量体と必要に応じてアクリロニトリル、スチレン等を含む共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、カルボキシル基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、水酸基末端スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロイル基またはモルホリン基をポリマ末端に含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、水酸基末端ポリ(オキシプロピレン)、アルコキシシリル基末端ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリオレフィングリコール、ポリ−ε−カプロラクトン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ブチルゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などがあげられ、これらに制限するものではない。
本発明で使用するエラストマーは、分子量、組成等に特に制限なく使用することができる。
上記の本発明で使用されるエラストマーの官能基として、カルボキシル基、エポキシ基が好ましく、本発明で用いる熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等との反応性が期待される。
本発明で使用される熱硬化性樹脂は硬化させて、耐熱性、強度、接着性等を付与し、反応性、耐熱性の点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のいずれか又はこれら2種類以上の混合物であればよく、分子量、軟化点、水酸基当量などは特に制限されるものではない。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、水素添加物などが例示される。エポキシ樹脂は、1種類のものを単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドを酸またはアルカリを触媒として加え反応させたもので、フェノール類としては、フェノール、メタクレゾール、パラクレゾール、オルソクレゾール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール等が使用され、アルデヒド類として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられ、特に制限されるものではない。一般にはホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドが使用される。この他に、植物油変性フェノール樹脂を用いることもできる。植物油変性フェノール樹脂は、フェノール類と植物油とを酸触媒の存在下に反応させ、ついで、アルデヒド類をアルカリ触媒の存在下に反応させることにより得られる。酸触媒としてはパラトルエンスルホン酸などが挙げられる。アルカリ触媒としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン系触媒が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂として、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いることができる。
本発明で用いる硬化剤は、熱硬化性樹脂の硬化剤であり、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、ジエチレントリアミン等のアミン系硬化剤またはノボラツク型フェノール系もしくはクレゾール系樹脂硬化剤が用いられる。さらに、硬化促進剤としては、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールのようなイミダゾール類、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのような第3級アミンが使用されエポキシ樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部配合される。
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂の場合、ヘキサメチレンテトラミン等のポリアミン、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、ポリホルムアルデヒド化合物、あるいはレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。その他の熱硬化性樹脂でも周知の硬化剤が使用できる。
本発明では、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂で、その硬化剤がフェノール樹脂であると好ましい。これらの組合せでは、接着性、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れる。
本発明の組成物には、必要に応じ可とう化剤、カツプリング剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤などが配合されてもよい。
本発明では充填材を使用し、接着剤層を基板の端面に付着する際に、転写性を良好にする。すなわち、支持基材に接着剤層を形成した支持基材付き接着剤の接着剤層を転写する際に、基板の端面から基板側にはみ出したりしないで基板端面の厚みと同等の幅で転写でき、基板の厚みである端面の厚み以上になることを防止でき、いわゆる、切れがよくなる。また、転写の際に、接着層から糸を引くことなく支持基材からの剥離性もよくなる。さらに、支持基材付き接着剤を加熱して転写する際の温度の対する粘度変化を小さくでき、転写条件の温度幅を広げることができる。本発明で用いる充填材は無機系の充填材、有機系の充填材を使用することができるが、無機充填材が上記の効果に優れるので無機充填材が好ましい。無機充填剤としては、特に制限はなく、本質的に電気絶縁性のものであれば使用することができる。例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。本発明においては、特に水酸化アルミニウムが好ましい。水酸化アルミニウムは、イオン性不純物が少なく、低コストであることから、電子材料用途として汎用されていることから好適である。これらは、単独あるいは必要に応じて2種以上併用して用いることができる。無機充填材の形状、粒径については特に制限はなく、通常、粒径0.01〜50μm、好ましくは0.1〜15μmのものが好適に用いられる。
本発明の対象となる金属箔張り積層基板または印刷回路基板は、強化基材として、ガラス布が一般的であるが、不織布、これらの併用等であり、特に制限はない。
ガラス布(クロス)に含浸される樹脂としては、特に制限はないが、一般的に低熱膨張の樹脂としては、高Tgのエポキシ樹脂を主成分として、シリカ等の無機充填材を含むものが使用される。
本発明の粉落ち防止用樹脂組成物は、官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材からなり、官能基を含有するエラストマーは熱硬化性樹脂100重量部に対して、10〜200重量部の範囲で用いることが好ましい。10重量部未満では、皮膜性が劣り、衝撃により脱落することあり、目的とする粉落ち防止の効果が十分でないという問題点があり、200重量部を超えると耐熱性、耐デスミア液性に劣る傾向にある。
また、本発明で用いる硬化剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いることが好ましい。0.1重量部未満では、反応が不十分であり、未反応成分が薬液に溶解するという問題点が生じる。10重量部を超えると過剰な硬化剤が薬液に溶解し、たとえば、メッキ液のメッキ障害などの悪影響を与える。
また、本発明で用いる充填材は、エラストマー+熱硬化性樹脂の和の100重量部に対して、1〜300重量部の範囲で用いることが好ましい。1重量部未満では、切れ性が十分でなく、300重量部を超えるとその充填材自体が、脱落するとう問題点が生じる。
本発明の粉落ち防止用樹脂組成物を支持基材に設けた支持基材付き接着剤は、支持基材の片面に樹脂組成物を設けて構成される。支持基材としては、プラスチックフィルム、離型処理した紙(離型紙)などが用いられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム(OPP,CPP)、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム、アセテートフィルムなどが挙げられる。接着剤を設けた支持基材付き接着剤は、接着剤層の反対側の支持基材から100〜230℃程度に加熱したロールに接触して基板端面に接着剤を転写させるので、これらの温度に短時間耐える必要があり、これらの中ではポリエステルフィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムや離型紙が好ましく用いられる。支持基材の厚みは、5〜100μmであり、好ましくは、20〜75μmである。支持基材の接着剤層を設ける側には、離型処理されていることが好ましい。
印刷回路基板製造工程のデスミア液を用いたデスミア処理工程は、一般的に酸化性水溶液を用い処理する工程である。この酸化性水溶液は、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを水酸化ナトリウムで強アルカリにした水溶液が一般的である。また、クロム酸や重クロム酸ナトリウムを硫酸水溶液とした酸化性水溶液も使用可能であるが、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを水酸化ナトリウムで強アルカリにした水溶液が通常用いられる。
例えば過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを水酸化ナトリウムで強アルカリにした水溶液で処理する場合、60〜85℃で5〜20分間処理するのが通常であり、好ましくは、70〜80℃で10〜15分間処理する。例えば、クロム酸や重クロム酸ナトリウムを硫酸水溶液で処理する場合は、30〜50℃で5〜20分間処理するのが通常であり、好ましくは、35〜45℃で10〜15分間処理する。なお、この酸化性水溶液で処理する前に、スウェラーと呼ばれている、ジエチレングリコールモノブチルエーテルと水酸化ナトリウムの水溶液で処理しても良い。このスウェラーは、絶縁樹脂に層間接続のためのビアホールをレーザやドリルで形成した際の樹脂残渣除去に有効である。その条件は、例えば60〜85℃で2〜20分間処理するのが通常であり、好ましくは、70〜80℃で5〜15分間処理する。
酸化性水溶液で処理した後は、酸化性水溶液中成分のマンガンやクロムを中和する必要がある。中和液としては、例えばマンガンの場合、硫酸ヒドロキシルアミン水溶液、硫酸/過酸化水素水水溶液を用いて、40〜45℃で3〜10分間処理するか、あるいはSnCl/HClの水溶液に室温(25℃)で3〜10分間処理する。また例えばクロムの場合は、亜硫酸水素ナトリウムで室温(25℃)、5〜10分間処理する。
これらの処理で、若干の樹脂の溶解は問題ではないが、皮膜が全て脱落していまい、粉落ち防止効果が低減することのないように溶解率が、50%未満であることが好ましい。
以下に、本発明を、実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
(1)粉落ち防止用樹脂組成物溶液の調整
官能基を含有するエラストマーとして官能基にカルボンキシル基を有するアクリルゴムWS023DR(アクリルゴム;帝国化学産業株式会社製)を50重量部、熱硬化性樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN703(東都化成株式会社製)を30重量部、硬化材としてレゾール型フェノール樹脂ヒタノール2181(日立化成工業株式会社製)を20重量部、充填材としてハイジライトH−42M(水酸化アルミニウム;昭和電工株式会社製)80重量部をメチルエチルケトンに溶解ないし分散させた。さらに、この混合液に、エポキシ樹脂の硬化剤として2-エチル-4-メチルイミダゾール(2E4MZ)0.5重量部を混合したものを粉落ち防止用樹脂組成物溶液とした。
(2)基板端部への接着剤の転写処理
支持基材として厚み50μmのリエチレンテレフタレートフィルムに離型処理を施したものを用い、前記の粉落ち防止用樹脂組成物溶液を用いて支持基材の離型処理面上に塗布し、乾燥後の接着層の厚みが25μmになるようにして支持基材付き接着剤を作製した。金属箔張り積層基板として、エポキシ樹脂に多量のシリカを充填したワニスをガラスクロスに含浸して得られるプリプレグを用い、その両側に厚み35μmの銅箔を積層した厚み0.8mmの両面銅箔張り積層基板(MCL−E−679F;Tg160〜170℃、日立化成工業株式会社製)を用いた。直径250mmの金属ロールを180℃に加熱し、3m/分の速度で上記の支持基材付き接着剤の支持基材側をロールに接触させると共に基板端面を支持基材付き接着剤の接着剤側に押し付けることにより両面銅張り基板の端部へ接着剤を転写した。同じようにして、両面銅箔張り積層基板の4辺の端部に接着剤を転写した後、190℃、1時間熱処理を行い、接着剤を硬化させた。
(耐デスミア液試験)
上記で得られた基板端面に接着剤層を形成した基板を用いて、下記のスウェラー処理に続きデスミア液で処理してデスミア工程における耐スミア液性を試験した。処理前後の重量変化を精密測定し、溶解率50%未満のものを「○」として、溶解率50%以上のものを「×」として評価した。
スウェラー:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(200ml/L)と水酸化ナトリウム(5g/L)の水溶液に70℃、5分間浸漬処理した。
デスミア液:過マンガン酸カリウム(60g/L)を水酸化ナトリウム(40g/L)で強アルカリにした水溶液を作製し、80℃に加温して10分間処理した。
中和液:引き続き、中和液(SnCl:30g/L、HCl:300ml/L)の水溶液に室温(25℃)で5分間基板を浸漬処理して中和処理した。
(粉落ちの評価)
粉落ちの評価は、端面を処理した基板(500mm角)の中心を300mm方形のジャッキ台に載せ、サンドグラインダからサンドペーパーを外した状態で基板の中心付近に乗せて60秒間振動させた際に落下した粒子状物質の有無を観察し、ジャッキ台の下に敷いた黒色の紙の上に基板からの粒子状物質の落下があるものを「有り」と、粒子状物質の落下が見られなかったものを「無し」として評価した。
(実施例2)
実施例1と同様であるが、アクリルゴムの代わりに官能基としてカルボキシル基を有するNBRを50重量部用い、そのほかは実施例1と同様にした。
(比較例1)
官能基を含有するエラストマーを用いず、実施例1と同様のエポキシ樹脂50重量部、フェノール樹脂50重量部としたこと以外は実施例1と同様に行った。
(比較例2)
官能基を含有するエラストマー100重量部と充填材80重量部、硬化促進剤0.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
(比較例3)
接着剤の転写処理を行わなかったものを比較例3とした。
(比較例4)
支持基材付き接着剤の接着剤層をポリエステル樹脂バイロン300(東洋紡製)100重量部に対し、硬化剤として多官能イソシアネートコロネートHL3(日本ポリウレタン製)3重量部を混合したものを用いた以外は実施例1と同様に行った。
(比較例5)
支持基材付き接着剤の接着剤層をEVA系ホットメルト接着剤 ハイボン9880(日立化成ポリマー株式会社製)とした以外は実施例1と同様に行った。
(比較例6)
粘着剤付きのポリエステルテープを用い、両面銅箔張り積層基板の4辺の端部に貼り付けたこと以外は実施例1と同様に行った。
(比較例7)
イソシアネート、アミノシラン、DAP(ジアリルフタレート)、有機溶剤よりなるプライマーを基板端面に塗布乾燥して端面処理を行った以外は、実施例1と同様に行った。
これらの配合と測定結果を表1にまとめて示した。
Figure 2009079192
タック:指への付着あり×、無し○
表1の結果から、ポリエステル硬化樹脂系(比較例4)、ホットメルト系接着剤(比較例5)、粘着テープ(比較例6)、プライマー処理(比較例7)で粉落ちに関しては、効果はあるが、回路板の作製工程で溶解したり、剥がれたりしてしまう。これに対し、本発明の官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材を含む組成物とすることで粉落ちを防止する上に、回路板の作製工程で最も厳しい強アルカリ性のデスミア液に対しても膨潤や溶解が少なく、また、基板端面の転写性に優れ基板の端面から基板側にはみ出したりせず、端面処理した基板を重ねても嵩張ることがなく、また端面処理剤同士が接着することもなく取り扱いが容易であった。これを用いて印刷配線基板を作製したが、基板の凹凸や配線パタ−ンの断線或いはショ−ト等は発生せしなかった(500mm角の基板、500枚)。一方、官能基を含有するエラストマーを用いない比較例1では、接着剤がエポキシ樹脂であり、硬いためか粉落ちは発生し、デスミア液に溶解した。また、官能基を含有するエラストマーとエポキシ樹脂を用いない比較例2では、粉落ちはないがデスミア液に溶解した。さらに、接着剤にタック性がありこれらの基板を重ねると接着してしまい、剥がし難く作業性に劣る。基板の端面を処理しない比較例3では、粉落ちが発生してしまい、実施例1、2の場合と同様に印刷配線基板を水洗により粒子状物質の除去処理をすることなくそのまま作製したが、500枚中23枚に凹凸、配線パタ−ンの断線、ショ−トのいずれかが発生した。

Claims (5)

  1. 金属箔張り積層基板または印刷回路基板の端面に、支持基材に接着剤層を形成した支持基材付き接着剤の接着剤層を転写して前記端面に接着剤層を形成して前記端面から粒子状物質の落下又は飛散を防止する端面処理において、接着剤層に官能基を含有するエラストマー、熱硬化性樹脂、硬化剤及び充填材を含む組成物を用いることを特徴とする基板の粉落ち防止用樹脂組成物。
  2. 前記官能基を含有するエラストマーの官能基が、グリシジル基またはカルボキシル基である請求項1に記載の粉落ち防止用樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、硬化剤がフェノール樹脂である請求項1又は請求項2に記載の粉落ち防止用樹脂組成物。
  4. 粉落ち防止用樹脂組成物の硬化物のデスミア液に対する溶解度が50重量%未満である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粉落ち防止用樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粉落ち防止用樹脂組成物を支持基材に設けた支持基材付き接着剤。
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