JP2009078914A - エスカレーター - Google Patents

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Keiichi Kinoshita
桂一 木下
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Abstract

【課題】 手摺ベルトの表面に、この手摺ベルトの移動方向を長寿命状態で見易く表示し、もって転倒事故等を防止する一方、表示部を付加した構成としたエスカレーターを提供する。
【解決手段】 手摺ベルト5の表面に方向表示マーク6Aを手摺ベルト5の反転部の半円周範囲H内に少なくても1個存在する間隔Paをもって、手摺ベルト5の全長に複数個設ける一方、欄干11の内側板11bの表面に表示部6Bを貼付けて設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、移動する踏段が傾斜路あるいは水平路を形成して乗客輸送を行うエスカレーターの構成に関する。
従来においてエスカレーターに広告、模様等の表示を行う構成は、たとえば特許文献1と文献2に開示されているように、既に提案されている。この特許文献1に記載のエスカレーターの手摺ベルトは、手摺ベルトの表面長手方向に広告のみを表示した長尺の印刷シールを貼付け、特許文献2に記載のものは模様体を埋め込んだ構成としたものである。
特開2003−212468号公報 特公平3−53235号公報
上記特許文献1に記載のものは、それの出願時の特許請求の範囲の請求項1に「移動手摺の表面長手方向に広告物の印刷シールを貼付けた」とあるように広告媒体の提供を主眼としたものであって、この印刷シールによって乗客に対して転倒防止等の安全作用をもたらすという思想はなかった。
上記特許文献2に記載のものは、手摺ベルトの表面に模様体を一体加硫する製法に関するものであって、この模様体によって乗客に対して転倒防止等の安全作用をもたらすという思想はなかった。
一方、最近のエスカレーター利用においては、利用層の高齢化もあって、エスカレーターの乗り場で動く踏段に乗り移る際の体重移動のタイミングを失して転倒する事故が相次いでいる。これは、乗り移らんとして凝視する踏段の色が黒っぽく、踏段の動き(速度)、すなわち移動方向が認識できないことに起因している。また、エスカレーターの移動方向が認識できず、逆乗り込みをしてしまう事象もある。さらに、上記特許文献1に記載の広告印刷のものは、単に文字や図柄を付したものであるため、移動方向を訴求する機能がないに等しいという問題があった。また、上記特文献2に記載の模様付きフイルムではその板厚が薄いために摩滅しやすく恒久性に欠ける問題があった。
本発明の目的は、手摺ベルトの表面にはこの手摺ベルトの移動方向を単独で見易く表示し、もって転倒事故等を防止する構成とする一方、それとは別体である表示部の欄干への貼付けによりその表示内容の変更が容易なエスカレーターを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、この手摺ベルトを案内するために設けられ、内側板およびデッキカバーからなる欄干とを備えたエスカレーターにおいて、前記手摺ベルト表面部への貼付けあるいは埋込みによって形成される方向表示マークを、前記反転部の半円周範囲に少なくても1個存在する間隔をもって設けるとともに、前記内側板には注意喚起や広告を表示した表示部を貼付けて設けたのである。
このように、特に手摺ベルト反転部の半円周範囲内に、それの移動方向を表示する方向表示マークが存在することにより、エスカレーターに乗り込まんとする利用者(乗客)がエスカレーターの移動速度と方向が視覚的に認知できて、結果として踏段への乗り込みタイミング取りが容易となる一方、逆乗り込み防止に役立つ構成を提供することができる。加えて、欄干の内側板に表示部を貼付けて設ける構成としたことにより、表示内容の変更が容易となる利点がある。
本発明によれば、転倒事故の防止と逆乗り込みを防止する効果を有する一方、注意喚起等を行う表示部の表示内容を変更(選択)も容易で目的別に各々好適な構成を提供できる。
以下、本発明によるエスカレーターの一実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
一般のエスカレーター1は、上階床2Aと下階床2Bに装架される主フレーム3と、無端状に連結されて往路から復路にかけて反転して移動する多数の踏段4と、この踏段4と同期して往路から復路にかけて反転して移動するものでその断面形状が平坦部5Aとこれに連なる両縁の半円部5Bとで略C字形をなす全体幅W1の手摺ベルト5と、この手摺ベルト5を案内する欄干11とこれを構成するデッキカバー11aと内側板11bを備えている。そして、一例として手摺ベルト5の表面には平坦部5Aと半円部5Bにかけて貼付けられ、手摺ベルト5の全長に延びる長尺シート6が設けられており、この長尺シート6の表面部には手摺ベルト5の運転状態においてそれの方向を表示する方向表示マーク6Aが印刷によって施されている。さらに、欄干11を構成する内側板11bの表面には「踏段の中央に乗ること」などの注意喚起案内文や広告を表示する表示部6Bが貼付けにより設けられている。
前記手摺ベルト5は、駆動歯車7の動力をチェーン8を介して駆動ローラ9等に伝達された動力によって摩擦駆動されるもので復路を案内ローラ10、往路を欄干11の上縁で案内され反転部11A,11Bで折り返して移動する構成となっている。
さらに、前記方向表示マーク6Aを、手摺ベルト5の反転部の半円周範囲H(図1,図2)内に少なくても1個存在する間隔Pa(図4)をおいて複数個配置して、いま乗り込まんとする利用者(乗客)がエスカレーター1を見ると真正面となる符号Hの範囲内に1個存在する方向表示マーク6Aにより移動速度の速度感と動き方向を確実に視覚に訴えるという作用を発揮するものである。加えて、方向表示マーク6Aは、手摺ベルト5の表面色とは色が異なり(例えば黄色)、そのマーク形状も図示に例示した菱形に限らず大き目の矢印、丸印、3角印などでも何ら不都合はない。
加えて、表示部6Bは貼付け式であるために注意喚起、広告利用の変更(選択)が容易に行うことができる。このように構成することにより、安全上重要な方向表示マーク6Aは手摺ベルト5に設けられて安全機能を発揮し、加えて貼付け、取外しが容易な表示部6Bを設けることにより注意喚起として、あるいは広告媒体として交換容易に適用できる利点がある。
ここで、上記一例のほかの構成としては、図5に示すように方向表示マーク6A担当部である方向表示マーク体6AAを、手摺ベルト5の製造工程において加熱形成する際に、この手摺ベルト5の表面とは異色で、かつ未加硫状態で製作されて、手摺ベルト5の移動方向を表示するための一定の板厚t(図5)を有して板厚的に耐摩滅(恒久的で長寿命)性のあるものとして手摺ベルト5の加硫ゴム表面に被せる方法によって手摺ベルト5および方向表示マーク体6AAを高温加熱条件下で加硫接合によって一体化させる構成でもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、手摺ベルト5の移動方向を見易く表示し、もってエスカレーターへの転倒事故や逆乗り等を防止することができ、かつ貼付け、取外しが容易な表示部により表示内容が選択容易となる。
なお、上記実施の形態は、一般のエスカレーターを一例に説明したが、隣接踏段同士に段差を有しない動く歩道と通称されるエスカレーターにもそのまま適用することができる。
本発明によるエスカレーターの一実施の形態を示す全体側面図。 本発明の図1のX−X線に沿う正面図。 本発明の図2のY−Y線に沿う断面図。 本発明の斜視断面図。 本発明の他の実施例の断面図。
符号の説明
1…エスカレーター,4…踏段,5…手摺ベルト,5A…平坦部 6A…方向表示マーク,6AA…方向表示マーク体,6B…表示部,11…欄干,11a…デッキカバー,11b…内側板

Claims (1)

  1. 往路から復路にかけて反転して移動し、乗客を輸送する踏段と、この踏段と同期して往路から復路にかけて反転して移動する手摺ベルトと、この手摺ベルトを案内するために設けられ、内側板およびデッキカバーからなる欄干を備えたエスカレーターにおいて、前記手摺ベルト表面部への貼付けあるいは埋込みによって形成される方向表示マークを、前記反転部の半円周範囲に少なくても1個存在する間隔をもって設けるとともに、前記内側板には注意喚起や広告を表示した表示部を貼付けて設けたことを特徴とするエスカレーター。
JP2007274387A 2007-09-25 2007-09-25 エスカレーター Pending JP2009078914A (ja)

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