JP2009255995A

JP2009255995A - エスカレーターの手摺ベルト

Info

Publication number: JP2009255995A
Application number: JP2006357311A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Kinoshita; 桂一木下
Original assignee: AD KK
Current assignee: AD KK
Priority date: 2006-12-20
Filing date: 2006-12-20
Publication date: 2009-11-05

Abstract

【課題】手摺ベルトの表面に、この手摺ベルトの移動方向を見易く表示し、もって転倒事故等を防止するとともにいたずらによるはがし防止を図り得るエスカレーターの手摺ベルトを提供する。
【解決手段】手摺ベルト５の表面に、この手摺ベルト５と色を異にするとともに、手摺ベルト５の移動方向を表示する方向表示マーク部６Ａ等と、その貼付け端部に手摺ベルト５の表面色と同系色に着色された幅ｍの着色縁６Ｂを有する長尺シート６を貼付けて設けた。
【選択図】図４

Description

本発明は、移動する踏段が傾斜路あるいは水平路を形成して乗客輸送を行うエスカレーターに係り、特にその手摺ベルトの構成に関する。

従来においてエスカレーターの手摺ベルト表面に印刷シートを貼付けて広告表示を行う構成は、たとえば特許文献１に開示されているように、既に提案されている。

上記特許文献１に記載のエスカレーターの手摺ベルトは、手摺ベルトの表面長手方向に広告のみを表示した長尺の印刷シートを貼付けた構成である。

特開２００３−２１２４６８号公報

上記特許文献１に記載のものは、それの出願時の特許請求の範囲の請求項１に「移動手摺の表面長手方向に広告物の印刷シールを貼付けた」とあるように広告媒体の提供を主眼としたものであって、この印刷シールによって乗客に対して転倒防止等の安全作用をもたらすという思想は皆無であった。

一方、最近のエスカレーター利用においては、利用者の高齢化もあって、エスカレーターの乗り場で動く踏段に乗り移る際の体重移動のタイミングを失して転倒する事故が多く発生している。これは、乗り移らんとして凝視する踏段の色が黒っぽい連続移動体の集合で、踏段の動き（速度）が認識できないことに起因している。また、エスカレーターの動き方向が認識できず、降り場側から逆乗り込みをしてしまう事象も発生している。さらに、上記特許文献１に記載の広告印刷のものは、単に文字や図柄を付したもので、手摺ベルトが動いていると文字や図柄があたかも一本の帯のように見えて方向表示の機能を発揮し難いという問題もあった。また、重大な問題として、断面略Ｃ字形の手摺ベルトの両縁部において長尺シートの貼付け端部が乗客のいたずらではがされる事象が深刻であった。これは踏段上で暇な乗客が、手摺ベルトの色調と異なる長尺シートとの色差を察知して貼付け端部であることに気付いてはがし始めるもので、はがされてめくれた端部が安全装置を動作させたり機械に巻きつく事故の原因となっていた。

本発明の目的は、手摺ベルトの表面にこの手摺ベルトの移動方向を示す方向表示部を印刷した長尺シートを貼付けて転倒事故を低減する構成とし、かつこの長尺シートの端部がはがされ難い構成としたエスカレーターの手摺ベルトを提供することにある。

本発明は上記目的を達成するために、往路から復路にかけて反転して移動し、表面平坦部と両縁部で形成される断面略Ｃ字形の手摺ベルトを備えたエスカレーターにおいて、前記手摺ベルトの表面に、この手摺ベルトの移動方向を表示する方向表示マーク部等を有し、かつ前記手摺ベルトの両縁部に位置する貼付け端部の色調を手摺ベルトと同系色とした着色縁を有する長尺シートを貼付けて設けたのである。

このように手摺ベルトの表面の長尺シートに、その移動方向を表示する一定間隔の方向表示マーク部を設けたことによって、エスカレーターに乗り込まんとする利用者（乗客）が、手摺ベルト反転部の正面方向からエスカレーターの移動速度と方向が視覚的に認知できて、結果として踏段への乗り込みタイミング取りが容易となり、かつ逆乗り込み防止に役立つという安全性に優れた構成となる。また、前記長尺シートの、前記手摺ベルトの両縁部に位置する貼付け端部の色調を手摺ベルトと同系色とした着色縁を設けたことによって、その端部と手摺ベルトが同色となって境目が目立たず、結果としてはがされる現象がなくなる効果がある。

本発明によれば、エスカレーターへの乗り込みタイミング取りの失敗による転倒事故の防止と、逆乗り込みの防止効果に加えて、長尺シートのはがされ事故を防止することができる。

以下、本発明によるエスカレーターの手摺ベルトの一実施の形態を図１〜図４に示すエスカレーターに基づいて説明する。

一般のエスカレーター１は、上階床２Ａと下階床２Ｂに装架される主フレーム３と、無端状に連結されて往路から復路にかけて反転して移動する多数の踏段４と、この踏段４と同期して往路から復路にかけて反転して移動するものでその断面形状が表面平坦部５Ａとこれに連なる両側の両縁部５Ｂとで断面が略Ｃ字形をなす幅Ｗ１の手摺ベルト５と、この手摺ベルト５の長手方向に沿い、その表面平坦部５Ａから両縁部５Ｂにかけて接着固定（図示省略）される長尺シート６が設けられている。この長尺シート６は、通常手摺ベルト５の全長に対して１枚の長物か分割した場合でも数メートルの長さをもって接着固定されるものである。

前記手摺ベルト５は、駆動歯車７の動力をチェーン８を介して駆動ローラ９等に伝達された動力によって摩擦駆動されるもので復路を案内ローラ１０、往路を欄干１１に案内され反転部１１Ａ，１１Ｂで折り返して移動する構成となっている。

また、長尺シート６は手摺ベルト５の全長に貼付けられるとともに、その表面層には移動方向を表示する方向表示マーク部６Ａが、目立ち易いように表面平坦部５Ａに幅Ｗ２をもって印刷によって設けられている。そして、方向表示マーク部６Ａは、手摺ベルト５の反転部の半円周範囲Ｈ（図１，図２）内に少なくても１個存在する間隔Ｐａをおいて複数個配置されており、いま乗り込まんとする利用者（乗客）がエスカレーター１を見ると正面となる符号Ｈの範囲内に１個存在する方向表示マーク部６Ａにより移動速度の速度感と動き方向を確実に視覚に訴えるという作用を発揮するものである。さらに、方向表示マーク部６Ａは、長尺シート６の地色とは色が異なり（例えば黄色）、そのマークも図示に例示した菱形に限らず大き目の矢印、三角印、小判印などでも不都合はない。また、間隔Ｐａは必要に応じて適宜設定されるものである。

さらに、本発明になる長尺シート６にはその貼付け端部（図３に示す手摺ベルト５の両縁部５Ｂに位置する所）には幅ｍで手摺ベルト５の表面色と同系の色調で印刷された着色縁６Ｂが設けられている。補足すれば、図４の上側に示した長尺シート６を点線の矢印のように手摺ベルト５に貼付ける構成であり、これにより、両端部が色によって手摺ベルト５と同化してその境目の端部が隠されて端部はがしのいたずらを防止するものである。

ここで、長尺シート６の詳細は、接着層、印刷が施されるシート層に加え、表面のラミネート層などで形成される。

以上説明したように、本実施形態によれば、エスカレーターの正面から手摺ベルト５の移動方向を見易く表示し、もってエスカレーターでの転倒事故防止、逆乗り等の防止、サービスの向上に寄与できる。また、以上の説明以外に手摺ベルト５の両縁部５Ｂに位置する所に方向表示マーク部を追加してエスカレーター周辺の側方からでも移動方向と移動速度が視覚的に認知できる構成としてもよい。さらに、長尺シート６の方向表示マーク部６Ａと方向表示マーク６Ａの間に商業的広告部やエスカレーターの安全な利用を促す文字や模様部等を印刷して設けてもよい。

なお、上記実施の形態は、一般のエスカレーターを一例に説明したが、隣接踏段同士に段差を有しないで動く歩道と通称されるエスカレーターにもそのまま適用することができる。

本発明によるエスカレーターの手摺ベルトの一実施の形態を示す全体側面図。本発明の図１のＸ−Ｘ線に沿う正面図。本発明の図２のＹ−Ｙ線に沿う断面図。本発明の手摺ベルトと長尺シートの概念的な斜視図。

符号の説明

１…エスカレーター，４…踏段，５…手摺ベルト，５Ａ…表面平坦部
５Ｂ…両縁部，６…長尺シート
６Ａ…方向表示マーク部，６Ｂ…着色縁，ｍ…幅

Claims

往路から復路にかけて反転して移動し、表面平坦部と両縁部で形成される断面略Ｃ字形の手摺ベルトを備えたエスカレーターにおいて、前記手摺ベルトの表面に、この手摺ベルトの移動方向を表示する方向表示マーク部等を有し、かつ前記手摺ベルトの両縁部に位置する貼付け端部の色調を手摺ベルトと同系色とした着色縁を有する長尺シートを貼付けて設けたことを特徴とするエスカレーターの手摺ベルト。