JP2009078895A - 用紙搬送機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】 用紙の搬送を妨げることなく、低コストで用紙搬送時に搬送経路内部で発生する騒音を低減する用紙搬送機構を提供するにある。
【解決手段】 用紙搬送機構においては、搬送経路の下流側及び上流側に夫々第1及び第2の膨出空間を設け、前記第2の膨出空間が搬送経路に沿って長さL1を有し、第1及び第2の膨出空間の間の搬送経路が長さL2に定められ、長さL1,L2は、搬送経路内を伝播する雑音の周波数に対して所定の関係を満たすように設定される。
【選択図】図2
【解決手段】 用紙搬送機構においては、搬送経路の下流側及び上流側に夫々第1及び第2の膨出空間を設け、前記第2の膨出空間が搬送経路に沿って長さL1を有し、第1及び第2の膨出空間の間の搬送経路が長さL2に定められ、長さL1,L2は、搬送経路内を伝播する雑音の周波数に対して所定の関係を満たすように設定される。
【選択図】図2
Description
この発明は、ローラ対或いはガイドによって用紙を搬送する用紙搬送装置に関する。
MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺機器)等の画像形成装置や用紙搬送機構には、騒音を低減させるための工夫がなされている。この騒音を低減させる工夫の多くは、ガイドが用紙に衝突して発生される衝突音を防止する衝突音・ばたつき音防止対策、或いは、音が漏れ出る隙間を塞ぐ防音機構・吸音機構である。しかし、これらの対策は吸音材に代表されるように付加的な材料を伴う対策であり、新たにコスト高につながる。また、衝突防止等の対策は、衝撃音が低減できても、対策方法を誤ると搬送性能を劣化させる要因にもなる。搬送性能を維持し、コスト高を抑える消音方法としては、特許文献1に代表されるような音の干渉を利用したヘルムホルツ共鳴(特定周波数で共鳴する空洞内共鳴)が知られている。この方法は、具体的には共鳴空間を確保、共鳴空間に音が伝わるように穴をあけて、卓越した周期音を低減するものである。この方法は、回転により発生するモータ電磁音或いはファン羽切音などの離散的周期音(1つの周波数が大きく卓越している)に対して効果的な手法であるが、ローラ回転音、紙すり音、ファン乱流騒音など複数の騒音からなる用紙搬送騒音は周期音以外にも広帯域に分布する騒音であることから、特許文献1に開示される対策を適用しても広帯域での低減は期待にしにくい。
特許第3816678登録
用紙搬送機構における騒音低減の為の工夫の多くは、ガイドによる用紙衝突音防止・ばたつき音防止対策、或いは、隙間を塞ぐ防音機構・吸音機構である。しかし、これらは吸音材に代表されるように新たにコスト高につながり、対策方法によっては搬送性能を劣化させる要因にもなる。形状を改良することで搬送性能を劣化させず、コスト高にもつながらないヘルムホルツ共鳴利用の形状改良対策は離散的周期音で効果はあるものの、広帯域騒音の低減は困難である。そこで、形状を工夫することで吸音材などの新たな材料を使わずにコストを抑え、搬送性能を維持した状態でありながら、周期音以外に広帯域に分布する騒音を低減させる対策が課題となる。
また、搬送経路内に膨張した空間が存在すると、そこを通過する騒音は増大する傾向にあることが知られている。上記空間は騒音低減以外の用紙の搬送を補助するとの理由で必要なため、搬送経路に結果的に膨張空間が存在することが多く、搬送性能の維持から簡単にこの空間を塞ぐことはできない。そこで、搬送経路の工夫で膨張空間の増音を抑制させる対策も課題となる。
上述したように、用紙搬送機構における騒音低減手段の多くは、ガイドによる用紙衝突音防止・ばたつき音防止対策、或いは、隙間を塞ぐ防音機構・吸音機構である。しかし、これらは吸音材に代表されるように新たにコスト高につながり、対策方法によっては搬送性能を劣化させる要因にもなる。形状を改良することで搬送性能を劣化させず、コスト高にもつながらないヘルムホルツ共鳴利用の形状改良対策は離散的周期音で効果はあるものの、広帯域騒音の低減は困難である。そこで、形状を工夫することで吸音材などの新たな材料を使わずにコストを抑え、搬送性能を維持した状態でありながら、周期音以外に広帯域に分布する騒音を低減させる対策が課題となる。
また、搬送経路内に膨張した空間が存在すると、そこを通過する騒音は増大する傾向にあることが知られている。そこで、騒音以外に必要なため、膨張空間があることが多く、簡単にこの空間を塞ぐことはできない。そこで、搬送経路の工夫で膨張空間の増音を抑制させる対策も課題となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされてものであり、その目的は、用紙の搬送を妨げることなく、低コストで用紙搬送時に搬送経路内部で発生する騒音を低減する用紙搬送機構を提供することにある。
この発明によれば、
紙状媒体を搬送する一対の搬送ローラと、
前記紙状媒体を搬送ローラに導くための搬送ガイドと、
前記紙状媒体が搬送される搬送経路を定める搬送用筐体であって、当該搬送経路の下流側及び上流側に夫々第1及び第2の膨出空間を設け、前記第2の膨出空間が前記搬送経路に沿って長さL1を有し、前記第1及び第2の膨出空間の間の前記搬送経路が長さL2に定められ、前記長さL1,L2は下記数式1の関係を満たしている搬送用筐体と、
を具備する用紙搬送機構が提供される。
紙状媒体を搬送する一対の搬送ローラと、
前記紙状媒体を搬送ローラに導くための搬送ガイドと、
前記紙状媒体が搬送される搬送経路を定める搬送用筐体であって、当該搬送経路の下流側及び上流側に夫々第1及び第2の膨出空間を設け、前記第2の膨出空間が前記搬送経路に沿って長さL1を有し、前記第1及び第2の膨出空間の間の前記搬送経路が長さL2に定められ、前記長さL1,L2は下記数式1の関係を満たしている搬送用筐体と、
を具備する用紙搬送機構が提供される。
この数式1及び2において、cは音速を表し、fは、前記搬送経路内を伝播する雑音の周波数であって、当該搬送筐体内で減衰されるべき騒音の周波数帯域の中心周波数を表している。
以上説明したように、本発明によれば、用紙搬送時に搬送経路内部で発生する騒音を、用紙の搬送を妨げることなく、低コストで低減することができる用紙搬送機構が提供される。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る画像形成装置の用紙搬送機構を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置である電子写真装置の用紙搬送部を示す概略構成図である。図1に示される筐体14には、画像が形成される板金や樹脂などの紙葉状の部材或いは用紙10(紙状の媒体を意味し、単に用紙と称して紙状の媒体を含むものとする。)を収容する給紙カセット9a、9b及び用紙10を供給する為の手差しトレイ11が設けられている。給紙カセット9a、9bからは、用紙10がピックアップローラ1で取り出され、給紙ローラ2で用紙が搬送経路に搬送される。また、手差しトレイ11からは、用紙10が手差し給紙ローラ8により搬送経路に取り出される。
取り出された用紙10は、中間搬送ローラ対3により搬送経路を定める搬送ガイド12a、12bに沿って搬送され、レジストガイド13によってレジストローラ対4へ導かれ、画像形成部5へと送られる。画像形成部5では、画像データに従って形成された画像が用紙10に転写される。用紙10上に転写された画像は、定着部6において加熱加圧されて画像が用紙10に定着され、用紙10を搬送装置外に排紙するための排紙用の用紙搬送部7へ搬送される。用紙搬送部7は、用紙10が導入される導入口22及び用紙10を装置外部に排紙する為の排紙口24を備える扁平箱状の筐体(ダクト)20で形成されている。実施形態の説明から明らかなように、この筐体20は、装置内で発生した騒音或いは用紙10の搬送中に発生される騒音がこの筐体20の導入口22から筐体20内に伝達され、筐体20内で減衰されるような構造に形成されている。従って、この筐体20内に伝達された騒音は、筐体20の排紙口24から外部に漏れ出ることが抑制される。
(第1の実施形態)
図2(a)は、本発明を適応した第1の実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送部を示している。図2(a)に示されるように、用紙搬送部7は、用紙10を搬送する搬送ローラ対15―1〜15−4と、板金や樹脂などの紙葉状の部材或いは用紙10を搬送ローラに導くための搬送ガイドから形成される用紙搬送経路16とを備えている。用紙搬送経路16を定める筐体20は、用紙10を搬送する狭小な空間としての用紙搬送経路19を規定する矩形偏平状の筐体部(ダクト部)20A、この筐体部20Aの下流側に設けられた膨出筐体部20B及び図2(b)に示されるように筐体部20Aの上流側に設けられた膨出筐体部20Cから構成されている。また、この筐体10においては、膨出筐体部20Bと排紙口24との間には、筐体部20Aと同様な矩形偏平状の筐体部20Dに形成され、また、膨出筐体部20Cと導入口22との間も筐体部22Aと同様な矩形偏平状の筐体部20Eに形成されている。ここで、用紙10は、導入口22が設けられた上流側か導入口22が設けられた下流側に搬送される。
図2(a)は、本発明を適応した第1の実施形態に係る画像形成装置の用紙搬送部を示している。図2(a)に示されるように、用紙搬送部7は、用紙10を搬送する搬送ローラ対15―1〜15−4と、板金や樹脂などの紙葉状の部材或いは用紙10を搬送ローラに導くための搬送ガイドから形成される用紙搬送経路16とを備えている。用紙搬送経路16を定める筐体20は、用紙10を搬送する狭小な空間としての用紙搬送経路19を規定する矩形偏平状の筐体部(ダクト部)20A、この筐体部20Aの下流側に設けられた膨出筐体部20B及び図2(b)に示されるように筐体部20Aの上流側に設けられた膨出筐体部20Cから構成されている。また、この筐体10においては、膨出筐体部20Bと排紙口24との間には、筐体部20Aと同様な矩形偏平状の筐体部20Dに形成され、また、膨出筐体部20Cと導入口22との間も筐体部22Aと同様な矩形偏平状の筐体部20Eに形成されている。ここで、用紙10は、導入口22が設けられた上流側か導入口22が設けられた下流側に搬送される。
搬送ローラ対15―1によって導入口22を介して用紙搬送経路16に供給された用紙10は、筐体部20E内の矩形偏平状の搬送経路を介して膨出筐体部20C内の凸型に広がった矩形の膨張空間を有する搬送経路18に搬送される。搬送経路18から用紙10は、搬送ローラ対15―2によって取り出され、筐体部20A内の矩形偏平状の搬送経路18に搬送され、搬送ローラ対15―3によって筐体部20B内の凸型に広がった矩形の膨張空間を有する搬送経路17に搬送される。そして、搬送経路17から搬送ローラ対15―4で用紙10が取り出され、筐体部20D内の矩形偏平状の搬送経路を介して排紙口24から用紙10が排紙される。
上述したように、膨出搬送経路17が用紙搬送経路の下流側に設けられる場合、その上流側にも搬送方向に沿った長さL1の搬送経路18が設けられ、2つ膨出搬送経路17、18間に搬送方向に沿った長さL2の用紙搬送経路19が設けられている。この搬送経路長L1,L2は、下記数式1の関係を満す場合には、下記数式2で示す周波数帯域を中心に搬送経路内を伝播する騒音を低減させることができる。
ここで、長さL1は、図2(b)及び図2(c)に示されるように、膨出搬送経路18の用紙進入側及び排出側の搬送経路断面の中心を結ぶ最短行路の長さを表し、長さL2は、膨出搬送経路18の排出側の搬送断面中心と、下流側にある膨出搬送経路17の排出側の搬送経路断面の中心とを結ぶ最短行路の長さを表している。また、cは音速を表している。
膨出搬送経路18の長さL1は、装置の物理的なディメンションを考慮すると、最大80cmとなり、この長さL1は、80cmよりも小さいことが好ましい。また、抑制すべき騒音の周波数fは、用紙搬送経路内で発生する紙すり音或いはファンの騒音が1kHz以下にあることから、人が耳障りと感じる周波数帯域である500Hz〜1kHzに定められることが好ましい。
ここで、一般的な搬送経路内部を伝わる音の性質について図3〜図6を参照して説明する。
図3に示されるように搬送経路内に音圧P0、粒子速度U0からなる音響パワーW0の音源がある場合における、膨張及び圧縮ダクト通過後の音響パワー減音効果について考察する。
搬送経路のある断面T通過後の音響パワーをWtとすると、通過後のパワー低減効果Attは以下のようになる。
ここで、音源は、機械騒音であることから、ダクト外に音源があっても、また、ダクト内部に音源が設置されても変化しない。従って、粒子速度(振動速度)U0=U1となり、数式4における第三項は、無視することができる。
したがって、搬送経路内部を伝わることで変化する音響パワーは数式7となる。
そこで、いま、簡単に原理を説明するために、図5(a)に示す膨張から圧縮、並びに、図5(b)に示す圧縮から膨張という2つの空間伝播時について概要を説明する。近似式は以下のようになる。
圧縮空間の場合は、S1>>S2のときは、
ここで、kは定数並びにS1、S2は、搬送経路中の膨出空間及び狭小空間の断面積を示し、S1>>S2であることは、図5(a)に示すように音響パワーが膨出空間から狭小空間に伝達されることを意味している。
ここで、kは定数並びにS1、S2は、搬送経路中の膨出空間及び狭小空間の断面積を示し、S1>>S2であることは、図5(a)に示すように音響パワーが膨出空間から狭小空間に伝達されることを意味している。
断面積が小さくなる程、図7に示すように20log(S1/S2)だけ減音する。
これらの関係は、図7で示される。図7中の矢印分が(dB)の低減量となる。
これらの関係は、図8で示される。
したがって、膨張・圧縮が連続した空間の場合は、膨張空間から圧縮空間に音波が伝播するときに減音効果があり、その減音量については、断面積比が効く。
但し、膨張空間の長さL1による共鳴周波数にて増音することから、圧縮空間をつくる上でも、その上流側の膨張空間の長さL1には十分注意する必要がある。
一方、圧縮空間から膨張空間に音波が伝播するときは、圧縮空間の長さL2(上図ではL1)による共鳴周波数にて増音する。したがって、極力、圧縮空間の下流側には膨張空間をつくらない方が望ましい。しかしながら、実際他の制約からこれが無理な場合が多い。したがって、この経路を通過すると増音を招く恐れがある。
そこで、本発明の実施形態では、このような場合でも、両者の空間長さL1,L2の関係を検討することで、圧縮空間による減音効果を維持させることも可能となる。
この場合の結果は、図9(a)に示されるように増音を招いてしまう。図9(a)は、図7に対応する図9(b)の周波数特性に図9(c)の周波数特性を加算した関係にあることが理解される。図9(b)に示されるように膨張から圧縮効果で一度は低減した周波数帯域の音が図9(c)に示されるように周波数特性から膨張空間では共鳴してしまい、結果的に音響パワーが増大される。
したがって、図10(b)に示すように上流側圧縮による減音した周波数は、図10(c)に示すように膨張空間では、変化なしの帯域に相当し、膨張空間自体の特性が影響を及ぼさなくなる。したがって、図10(a)に示すように、圧縮空間で減音した帯域は最終的にも減音を維持できる。
換言すれば、下流側になんらかの理由で膨張空間が存在すると、上記の理由により、増大してしまう。しかし、数式26を満たす配置条件下で、膨張空間の上流側に圧縮空間を追加することで、膨張空間での騒音の増大を防ぎ、さらに、圧縮空間の効果で最終的に膨張空間通過後の騒音を減少させることができる。
図10は、一例であり、数式26を満たす別の関係で計算した結果から図11(a)〜(f)の関係が得られる。この図11(a)〜(f)の周波数特性では、少なくとも、圧縮空間で低減した周波数帯域が膨張空間通過後も維持されていることが理解できる。
図12には、実際の搬送経路の構造例が示されている。図12に示される構造では、図12の左側の膨張空間に加えて膨張空間の上流側にも膨張空間の搬送経路が設けられている。これにより図13(a)に示すように低音域で低減可能となる。図13(a)は、図13(b)に示されるディメンションd、L2,L1を有する搬送径路を基にして導出されている。図13(b)に示すように最適条件をn=1,m=2としてL2=4L1に設定されている場合において、図13(a)に示す周音響パワーに対する周波数特性が得られる。
(第2の実施形態)
図14(a)〜(c)は、夫々本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を示している。
図14(a)〜(c)は、夫々本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を示している。
図14(a)に示すように搬送経路に沿って長さL1を有する搬送経路18は、矩形偏平状の筐体部20A及び筐体部20Eの内底面(用紙通過面)に連続する底面を有する筐体部20C内に形成され、この筐体部20Cが筐体部20A及び筐体部20Eよりも高さhを有する対向面を有するように上方に凸型に膨出されて形成されても良い。また、図14(b)に示すように搬送経路に沿って長さL1を有する搬送経路18は、筐体部20Cが矩形偏平状の筐体部20A及び筐体部20Eの内底面(用紙通過面)及び内定面に対向する対向面に対して段差を有する内底面及び内定面に対向する対向面を有し、内底面及び対向面間に高さhを有するように上方及び下方に両凸型に膨出されて形成されても良い。更に、図14(c)に示すように搬送経路に沿って長さL1を有する搬送経路18は、筐体部20Cが矩形偏平状の筐体部20A及び筐体部20Eの内底面(用紙通過面)及び内定面に対向する対向面に対して段差を有する内底面及び内定面に対向する対向面を有し、内底面及び対向面間に高さhを有するように上方及び下方に両凸型に膨出されて形成され、しかも、筐体部20Cの膨出部が異なる形状に形成されても良い。
したがって、例えば、図15に示すように奥行方向の長さがdw、高さがhの直方体の搬送経路場合は、高さhがdw以下であれば、図14(c)に示すように、経路の形が異なっても伝播することとなる。
(第3の実施形態)
図16は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置を示している。図16に示されるように、凸型の膨張空間に広げられた長さL1(搬送方向)の搬送経路18は、その上流側に2つの搬送経路32,34が連結され、2つの用紙侵入口を有しても良い。この2つの搬送経路32,34は、夫々矩形偏平状の筐体部20E及び20Fで規定される。
図16は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置を示している。図16に示されるように、凸型の膨張空間に広げられた長さL1(搬送方向)の搬送経路18は、その上流側に2つの搬送経路32,34が連結され、2つの用紙侵入口を有しても良い。この2つの搬送経路32,34は、夫々矩形偏平状の筐体部20E及び20Fで規定される。
2つの用紙侵入口が設けられる場合でも各々から長さL1(搬送方向)の搬送経路への音の伝わり方は、実施例2と同様である。したがって、それぞれから侵入した音響パワーは、搬送経路内で伝播し、実施例1で示した音響パワーの変化を伴い、排出されていく。もちろん、用紙侵入時、互いに逆位相、時間遅れを持った音波同士が2つの用紙侵入口から別々に伝播する場合は、侵入時に干渉し音響パワーは小さくなるが、数式上は侵入時に2つ同時に音響パワーをまとめて扱うか、最後にまとめて扱うかの違いであり、同一結果を得ることができる。
(第4の実施形態)
図17は、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置を示している。
図17は、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置を示している。
凸型形状に膨張空間に広げられた長さL1(搬送方向)の搬送経路18は、その下流側に2つの搬送経路19,36が連結され、2つの用紙排出口を有しても良い。この図17に示される搬送経路18内には、図示しない搬送路切り換え機構(スイッチバック)が設けられ、搬送経路18に供給された用紙10は、この搬送路切り換え機構によって2つの用紙排出口の一方に向けて搬送される。
図17に示す装置では、一方の搬送経路19は、矩形偏平状の筐体部20Aで規定され、他方の搬送経路36は、筐体部20Aと同様に矩形偏平状の筐体部20Gで規定され、この筐体20Fに膨出筐体部20Hを連結して膨出空間を有する搬送経路38が設けられている。他方の搬送経路36には、搬送経路19と同様なローラ対15−5,15−6が設けられ、搬送経路38の排出側にもローラ対15−7が設けられ、用紙10が排出口40に向けて排出される。
膨張空間を有する搬送経路18に2つの用紙排出口が設けられる場合にあっても、各々から長さL1(搬送方向)の搬送経路18から放射される音の伝わり方は実施例2と同様であり、同様に騒音が減衰される。
1…ピックアップローラ、2…給紙ローラ、3a、3b…中間搬送ローラ対、4…レジストローラ対、5…画像形成部、6…定着部、7…排紙部、8…手差し給紙ローラ、9a、9b…給紙カセット、10…用紙、11…手差しトレイ、12a、12b…搬送ガイド、13…レジストガイド、14…筐体、15―1〜15−7…搬送ローラ対、16…用紙搬送経路、17…膨出空間を有する搬送経路、18…膨出空間を有する搬送経路、19…膨出空間を有する搬送経路間の搬送経路
Claims (6)
- 前記搬送用筐体は、前記第1及び第2の膨出空間を夫々定める第1及び第2筐体部を含み、前記第1及び第2筐体部は、夫々前記紙状媒体が進入する導入口及び紙状媒体が排出される排出口を有し、
前記長さL1は、前記第1筐体部の前記導入口の断面中心と前記第1筐体部の前記排出口の断面中心を結ぶ最短長さに相当し、前記長さL2は、前記第1筐体部の前記排出口の断面中心と前記第2筐体部の前記導入口の断面中心を結ぶ最短長さに相当することを特徴とする請求項1の用紙搬送機構。 - 前記搬送用筐体は、前記第1及び第2の膨出空間を夫々定める第1及び第2筐体部及び第1及び第2筐体部を連結する第3の筐体部を含み、前記第1、第2及び第3の筐体部は、共通の用紙通過面を有し、前記第1の筐体部は、前記共通の用紙通過面及び当該用紙通過面に対向する対向面の間に膨出した空間を形成していることを特徴とする請求項1記載の用紙搬送機構。
- 前記搬送用筐体は、前記第1及び第2の膨出空間を夫々定める第1及び第2筐体部及び前記第1及び第2筐体部を連結する第3の筐体部を含み、前記第3の筐体部は、用紙通過面を有し、前記第1の筐体部は、前記用紙通過面に対して段差を有する一対の対向面間に膨出した空間を形成していることを特徴とする請求項1記載の用紙搬送機構。
- 前記搬送用筐体は、前記第1及び第2の膨出空間を夫々定める第1及び第2筐体部及び前記第1及び第2筐体部を連結する第3の筐体部を含み、第1の筐体部は、その上流側に2つの搬送経路が連結される2つの用紙侵入口を有することを特徴とする請求項1記載の用紙搬送機構。
- 前記搬送用筐体は、前記第1及び第2の膨出空間を夫々定める第1及び第2筐体部、前記第1及び第2筐体部を連結する第3の筐体部、第3の膨出空間を定める第4筐体部、前記第1及び第4筐体部を連結する第5の筐体部を含み、第1の筐体部は、その下流側に前記第3及び第5の筐体部内に定められる2つの搬送経路が連結される2つの用紙排出口を有することを特徴とする請求項1記載の用紙搬送機構。
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