JP2009078441A - 溶液製膜設備及び溶液製膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流延ビードの振動を抑え、厚みムラ故障を防ぐ。
【解決手段】ケーシング24は、第1〜第3仕切り板61〜63により、流延ダイ25が配される流延室66と、流延膜14に自己支持性を発現させる自己支持性発現室67と、剥離ローラ29を含む剥離室68とに分けられる。流延室66は、各仕切り板61、62と、ケーシング24を構成する各面71〜73、76により、流延ダイ25を囲むように形成される。各面71〜73、76及び底面77の内壁面には、無数の吸音部材90が設けられる。吸音部材90は、略楔形に形成され、その先端は、ケーシング24の内部に向かうように伸びている。温調器92は、吸音部材90を、ケーシング24内における溶媒の凝縮点TR以上に保持する。
【選択図】図2
【解決手段】ケーシング24は、第1〜第3仕切り板61〜63により、流延ダイ25が配される流延室66と、流延膜14に自己支持性を発現させる自己支持性発現室67と、剥離ローラ29を含む剥離室68とに分けられる。流延室66は、各仕切り板61、62と、ケーシング24を構成する各面71〜73、76により、流延ダイ25を囲むように形成される。各面71〜73、76及び底面77の内壁面には、無数の吸音部材90が設けられる。吸音部材90は、略楔形に形成され、その先端は、ケーシング24の内部に向かうように伸びている。温調器92は、吸音部材90を、ケーシング24内における溶媒の凝縮点TR以上に保持する。
【選択図】図2
Description
本発明は、溶液製膜設備及び溶液製膜方法に関するものである。
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性を有し、低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(以下、LCDと称する)などの表示装置の構成部材である偏光板の保護フイルム、光学補償フイルムや視野角拡大フイルムなどの光学機能性フイルムとして用いられている。
主なフイルムの製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマーをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフイルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フイルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学機能性フイルムへ使用することができるような高品質のフイルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフイルムを得ることができるため、表示装置などに用いられる光学機能性フイルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
この溶液製膜方法の概要について説明する。まず、セルローストリアセテートなどのポリマーをメチレンクロライドや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解し、ドープを調製する。次に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延ドープを調製する。第3に、流延ドープを流延ダイの流出口から走行する支持体(キャスティングドラムやエンドレスバンドなど)上に流延する(以下、流延工程と称する)。このとき、流延ダイの流出口と支持体との間の流延ドープは、流延ビードを形成する。こうして、流延工程において、支持体上に流延膜が形成される。第4に、この支持体が所定の走行速度で流延膜を搬送する。そして、支持体上での冷却、或いは乾燥により自己支持性を有するものとなった流延膜を、支持体から湿潤フイルムとして剥ぎ取り、この湿潤フイルムを乾燥させる。最後に、湿潤フイルムを乾燥させたものをフイルムとして巻き取る。
流延工程において、支持体の走行により、支持体の表面近傍には、同伴風が発生する。同伴風とは、支持体の走行により生じ、支持体表面近傍の空気の流れをいう。この同伴風が流延ビードにあたることにより、流延ビードが振動し、この流延ビードの振動が、フイルムの厚さムラ故障の原因となっていた。
流延ビードの振動を抑えることを目的として、流延工程において、減圧チャンバを用いる方法(例えば、特許文献1)などが挙げられる。
減圧チャンバは、支持体の走行方向からみて上流側の流延ビードの面(以下、背面と称する)側を減圧する。この減圧チャンバを用いることにより、流延ビードの背面側の空気を吸引するため、同伴風が流延ビードにあたることを防止し、結果として、流延ビードの振動を抑えることができる。
特開平3−193316号公報
ところが、減圧チャンバを用いて、流延ビードの振動をすべて取り除くことは困難であり、残留している振動に起因して厚さムラ故障が生じていた。発明者は鋭意検討の結果、流延ビードの振動が、同伴風のみによって生ずるものではないことを見出した。
本発明は、上記課題を解決するものであり、厚さムラ故障を回避しつつ、フイルムを製造する溶液製膜設備及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから走行する支持体に流出し、前記支持体上の前記ドープから流延膜を形成し、前記流延膜を剥ぎ取ってフイルムとする溶液製膜設備において、流出した前記ドープによって前記流延ダイから前記支持体にかけて形成される流延ビードの前記支持体の走行方向下流側の面を囲むケーシングと、前記ケーシングの内壁面に設けられる第1の吸音部材と、を備えることを特徴とする。
前記ケーシングの内部に気体を供給する第1ダクトの内壁面と、前記ケーシングの内部にある気体を回収する第2ダクトの内壁面と、のうち少なくとも一方に第2の吸音部材が設けられることが好ましい。
また、前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方の温度を、前記ケーシング内における前記溶媒の凝縮点以上に保持する温調機を備えることが好ましい。更に、前記第1吸音部材を、前記ケーシングの内壁面のうち、側面または底面に設ける、或いは、前記第2吸音部材を、前記第1ダクトの内壁面または前記第2ダクトの内壁面のうち、側面または底面に設けることが好ましい。
前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方が、グラスウールを含むことが好ましい。前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方が、楔状であり、先端が前記ケーシングまたは前記ダクトの内部に向かって伸びるように形成されたことが好ましい。
本発明は、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから走行する支持体に流出し、前記支持体上の前記ドープから流延膜を形成し、前記流延膜を剥ぎ取り、フイルムとする流延方法において、流出した前記ドープによって、前記流延ダイから前記支持体にかけて形成される流延ビードの前記支持体の走行方向下流側の面を、内壁面に第1の吸音部材が設けられたケーシングを用いて囲むことを特徴とする。
内壁面に第2の吸音部材が設けられるダクトを介して、前記ケーシングの内部に気体を供給する、或いは、前記ケーシングの内部にある気体を回収することが好ましい。または、前記第1の吸音部材または前記第2の吸音部材のうち少なくとも一方の温度を、前記ケーシング内における前記溶媒の凝縮点以上に保持することが好ましい。
本発明は、吸音部材を有するケーシングを用いて、流延ビードの前面を囲むため、流延ビードの前面側の空気振動を抑え、結果として、当該空気振動に起因する流延ビードの振動を抑えることができる。したがって、本発明によれば、流延ビードの振動に起因する厚みムラ故障を抑制することができるため、厚さが略均一のフイルムを製造することができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施形態に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、フイルム製造設備10は、配管を介して接続されたドープ製造設備11より供給されるドープ12を走行(回転)する流延ドラム(キャスティングドラム)13上に流延して流延膜14を形成し、この流延膜14を流延ドラム13から剥ぎ取って乾燥させることによりフイルム15を形成する。このフイルム製造設備10は、大別して、流延装置16と、渡り部17と、テンター装置18と、乾燥室21と、冷却室22と、巻取室23とから構成されている。
流延装置16は、ケーシング24と、ドープ製造設備11より供給されるドープ12を吐出する流延ダイ(エクスクルージョンダイ)25と、流延ドラム13と、流延ドラム13から流延膜14を剥ぎ取る剥離ローラ29と、ケーシング24内の温度を調節する温調装置(図示しない)と、流延ダイ25に対し流延ドラム回転方向上流側(以下、単に上流側という)に配置された減圧チャンバ33とから構成される。なお、以下の説明では、流延ドラム回転方向下流側を単に下流側という。
流延ダイ25の先端にはドープ12を吐出するスリット状の吐出口が備えられており、この吐出口の下方には流延ドラム13が配置されている。流延ダイ25より吐出されたドープ12は、流延ドラム13のドラム周面13a上に流延される。流延ダイ25の材質は、電解質水溶液やメチレンクロライドやメタノールなどの混合液に対する高い耐腐食性や低い熱膨張率などを有する素材(例えばSUS316などの鋼材)から形成される。
円柱形状に形成される流延ドラム13は、図示しない駆動装置により回転軸13bを中心に回転する。これにより、流延ドラム13は、そのドラム周面13aが所定の走行方向に所定速度(10〜300m/分)で回転する。ドラム周面13aは、クロムメッキ処理が施され、十分な耐腐食性と強度を有する。なお、流延ドラム13の寸法や材質等は特に限定されるものではないが、ドープ12の流延幅に対して1.1〜2.0倍程度の幅を有するものが好ましく、さらに、耐腐食性や高強度性を有する材質が好ましい。
流延ドラム13及びその回転軸13bには、図示しない伝熱媒体循環装置にて所望の温度に保持されている伝熱媒体が通過する流路が形成されている。これにより、ドラム周面13aの温度が所望の温度、例えば、−10℃以上10℃以下に保たれる。また、平面性に優れる流延膜14を形成するために、ドラム周面13aには、研磨処理が施されていることが好ましい。
ドープ12が、流延ダイ25から流延ビード35として吐出されると、ドラム周面13a上に流延膜14が形成される。この流延膜14は、流延ドラム13の回転によって走行方向に所定の走行速度で搬送される。この際に温調装置は、流延室12の内部温度が略一定となるように調整する。なお、この温調装置は、後に説明する乾燥風循環装置83で代用してもよく、この場合には温調装置は省略してもよい。
吸引装置37は、減圧チャンバ33を介して、流延ビード35の背面側の空気を吸引する。こうして、減圧チャンバ33は、流延ビード35の背面側を負圧にする。これにより、流延ドラム13上への流延ビード35の着地位置がふらつくことなく固定される。この減圧チャンバ33は、本実施形態では−2000Pa〜−50Paの範囲で減圧する。流延ドラム13上での乾燥・冷却により自己支持性を備えた流延膜14は、剥離ローラ29によって流延ドラム13から剥ぎ取られて、湿潤フイルム38となる。この湿潤フイルム38は、パスローラ39(図2参照)を介して渡り部17に搬送される。パスローラ39は、本実施形態では表面材質がテフロン(登録商標)で形成されている。
渡り部17には、湿潤フイルム38を支持搬送する複数の搬送ローラと、搬送中の湿潤フイルム38に乾燥風を吹き付ける送風装置40とが配置されている。テンター装置18は、湿潤フイルム38の両側端部をテンタークリップ(図示省略)で把持しつつ乾燥させる。また、テンター装置18は、その内部で湿潤フイルム38を乾燥させながら、幅方向に延伸させる。これにより、湿潤フイルム38は、乾燥が進行した状態でフイルム15として、耳切装置41に送られる。
耳切装置41は、フイルム15の側端部(耳部)を切り取る。耳部が切り取られたフイルム15は、乾燥室21に送られる。また、切り取られた耳切り屑(耳屑フイルム)は、クラッシャ42により細かく切断処理されて再生チップとなる。この再生チップは、ドープ12の原料として再利用される。
乾燥室21には、多数のパスローラ44が備えられている。これらパスローラ44は、フイルム15を掛け渡し、フイルム15の両面をまんべんなく乾燥させる。なお、乾燥中にフイルム15から溶媒ガスが発生する。この溶媒ガスは、乾燥室21の外側に設けられた吸着回収装置45により吸着回収される。乾燥されたフイルム15は、冷却室22へと案内されて、略室温まで冷却される。
冷却室22の下流側には、フイルム15に帯電した静電気を除電する強制除電装置47(除電バー)が設けられている。また、強制除電装置47の下流側には、フイルム15の両縁にエンボス加工のナーリングを付与するナーリング付与ローラ48が設けられている。
静電気の除電処理、及びナーリングの付与処理が施されたフイルム15は、巻取室23内の巻取ローラ50により巻き取られる。また、巻取室23内には、フイルム巻き取りの際にフイルム15を押さえるプレスローラ51が、巻取ローラ50の外周に設けられている。
図2〜図3に示すように、ケーシング24の内部は、第1〜第3仕切り板(仕切り部材)61〜63により、3つのエリアに区画されている。具体的には、流延ダイ25及び減圧チャンバ33が配される流延室66と、主として、この流延室66で形成された流延膜14に自己支持性を発現させる自己支持性発現室67と、剥離ローラ29及び湿潤フイルム38の送出口24aを含む剥離室68とから構成される3つのエリアである。
流延室66は、流延ダイ25及び減圧チャンバ33の上流側に配置された第1仕切り板61と、流延ダイ25の下流側に配置された第2仕切り板62と、ケーシング24の第1側面71と、ケーシング24の第2側面72と、ケーシング24の上面73と、第4側面76とにより、流延ダイ25を囲むように形成される。第1仕切り板61は、流延ダイ25(流延ドラム13の軸芯方向)に対し略平行で、ドラム周面13aの走行方向に対して起立するように配され、その両側が第1側面71、第2側面72に接している。また、第1仕切り板61の先端部には、第1ラビリンスシール部61aとが設けられている。
第1ラビリンスシール部61aには、流延ダイ25に対して平行な長板状のフィンが複数形成されている。各フィンの寸法は例えば高さ及び幅が2mmであり、各フィン間の間隙は8mmであるが、これらは適宜変更してよい。第1ラビリンスシール部61aにより、流延室66の上流側からの乾燥風や同伴風等が流延室66内に進入することが抑制される。
第2仕切り板62は、流延ダイ25に対し略平行で、ドラム周面13aの走行方向に対して起立するように配され、その両側が第1側面71、第2側面72に接している。この第2仕切り板62の先端部には、第2ラビリンスシール部62aが設けられており、これらにより流延室66の下流側からの乾燥風等が流延室66内に進入することが抑制される。
自己支持性発現室67は、第2仕切り板62と、剥離ローラ29の上流側に配置された第3仕切り板63と、ケーシング24の第1側面71、第2側面72、上面73、第3側面75、第4側面76、底面77とにより、流延ダイ25を囲むように形成される。第3仕切り板63は、流延ダイ25に対し略平行で、ドラム周面13aの走行方向に対して起立するように配され、その両側が第1側面71、第2側面72に接している。第3仕切り板55の先端部には、ドラム周面との間のクリアランスが調節可能な第3ラビリンスシール部63aが設けられており、これらにより乾燥風や同伴風等が剥離室68内に進入することが抑制される。
また、自己支持性発現室67内で第3仕切り板63の近くには乾燥風供給ダクト81が設けられ、第2仕切り板62の近くには乾燥風排気ダクト82が設けられている(図2参照)。これら両ダクト81,82には、乾燥風循環装置83が接続されている。
乾燥風循環装置83は、乾燥風供給ダクト81より自己支持性発現室67内に乾燥風を導入する。自己支持性発現室67内に導入された乾燥風は、自己支持性発現室67内を通って乾燥風排気ダクト82から再び乾燥風循環装置83に戻る。この際に、自己支持性発現室67内で流延膜14から蒸発した溶媒ガスも乾燥風とともに乾燥風循環装置83に送られる。乾燥風循環装置83は、乾燥風に含まれる溶媒ガスを回収する回収機能を有しており、溶媒ガス成分が除去された乾燥風は再び乾燥風供給ダクト81より自己支持性発現室67内に導入される。
このように、乾燥風循環装置83により乾燥風を乾燥風供給ダクト81と乾燥風排気ダクト82との間で循環させることで、自己支持性発現室67内の雰囲気における溶媒の凝縮点TRは低く保たれ、流延膜14の乾燥が促進される。上述したように高速製膜を行う場合には、自己支持性発現室67内に導入する乾燥風量を製膜速度(ドラム回転速度)の高速化に応じて増加させる。ドラム回転速度に応じた乾燥風量は、予め実験等を行うことで決定される。
剥離室68は、第1仕切り板61及び第3仕切り板63により形成され、流延装置16からのフイルム出口となる。第3ラビリンスシール部63aにより、自己支持性発現室67内に導入された乾燥風が剥離室68内に進入することが抑制されるので、剥離室68を介して乾燥風等が流延室66内に進入することも抑制される。また、自己支持性発現室67内で発生した溶媒ガスが乾燥風と共に剥離室68内に入り込んで、送出口24aより外部に漏れることも抑制される。なお、送出口24aにはエアカーテン(図示せず)等が必要に応じて形成されており、溶媒ガスのケーシング24の外部への漏れを防止している。また、流延装置16、テンター装置18、乾燥室21、冷却室22、巻取室23は建屋内に配置され、建屋外へ溶媒ガスが漏れないようにされている。なお、ケーシング24内の雰囲気における溶媒の凝縮点TRは、流延ビード35から100mm〜200mm範囲内が−25℃〜10℃、より好ましくは−5℃〜0℃となるように調節される。
流延室66や自己支持性発現室67を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面には、定間隔ごとに、無数の吸音部材90が設けられる。図4のように、吸音部材90は略楔形に形成され、その先端はケーシング24の内部に向かうように伸びている。また、吸音部材90はステンレス鋼によりメッシュ状に形成され、その内部にはグラスウールが充填される。なお、吸音部材90の高さ、大きさなどの形状、一定の形状に形成された吸音部材90の配置パターンは、打ち消ししたい振動の周波数や製造条件等によって適宜決めればよい。
ケーシング24には、温調器92が設けられる。温調器92は、各側面71、72、75、76及び底面77に設けられた吸音部材90を、所定の範囲で略一定の温度に保持する。
次に、フイルム製造設備10(図1参照)によりフイルム15を製造する方法の一例を説明する。フイルム製造設備10の運転が開始されると、流延ドラム13が所定の回転速度、例えば30m/分以上で回転される。この際に、ドラム周面13aの温度は伝熱媒体循環装置(図示せず)により10℃以下に保たれる。また、乾燥風循環装置83(図2参照)が作動して、流延ドラム13の回転速度(製膜速度)に応じた風量の乾燥風が乾燥風供給ダクト81と乾燥風排気ダクト82との間で循環される。
次いで、ドープ供給設備11から流延ダイ25に向けてドープ12が供給されると、流延ダイ25からドープ12が流延ビード35として吐出されて、ドラム周面13a上に流延膜14が形成される。この際に、吸引装置37が作動して減圧チャンバ33により流延ビード35の背面側が−2000Pa〜−50Paの範囲で減圧される。この減圧により、一定量の流延ビード41の振動を抑えることができる。
ドラム周面上に形成された流延膜14は自己支持性発現室67を通過する際に冷却によりゲル化され、また乾燥も進行する。そして自己支持性を有した後に剥離ローラ29により流延ドラム13から剥ぎ取られて湿潤フイルム38が得られる。
湿潤フイルム38は、パスローラ39を介して渡り部17に搬送される。なお、剥離後の湿潤フイルム38は、流延ドラム13による搬送時の1.03〜1.20倍の速度で搬送される。湿潤フイルム13は、渡り部17及びテンター装置18で乾燥されて、フイルム15として耳切装置41に搬送される。フイルム15は、耳切装置41で耳部が切断された後、乾燥室21に搬送される。
フイルム15は、乾燥室21内で乾燥された後、冷却室22へと案内されて略室温まで冷却される。次いで、フイルム15は、強制除電装置47及びナーリング付与ローラ48により除電処理・ナーリング付与処理が施された後、巻取室23内の巻取ローラ50により巻き取られる。
図4のように、流延室66や自己支持性発現室67を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面に設けられた吸音部材90は、流延室66や自己支持性発現室67における雰囲気の振動を吸収するため、流延ビード35の前面側における雰囲気の振動を抑え、結果として、流延ビードの振動を抑えることができる。したがって、本発明によれば、流延ビードの振動に起因する厚みムラを抑え、膜厚が略均一のフイルムを製造することができる。
温調器92は、各側面71、72、75、76及び底面77に設けられた吸音部材90を、ケーシング24内における溶媒の凝縮点TR以上に保持するため、吸音部材90における溶媒の凝縮を防止することができる。
また、吸音部材90の形状や配置パターン、並びに、ケーシング24のサイズや形状を、適宜決定することにより、従来除去することが困難であった低周波数の振動成分を除去することも可能になる。
上記実施形態では、流延室66や自己支持性発現室67を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面に、吸音部材90を設けたが、本発明はこれに限られず、流延室66や自己支持性発現室67のいずれか一方に、吸音部材90を設けてもよい。
上記実施形態では、ケーシング24を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面に吸音部材90を設けたが、本発明はこれに限られず、ダクト81,82の内壁面81a、82aに、吸音部材90と同様の吸音部材を設けてもよい。このようなダクト81、82を介して、ケーシング24内部に乾燥風を供給する、或いは、ケーシング24内の乾燥風を回収することにより、流延室66や自己支持性発現室67内の雰囲気の振動を抑えることができる。更に、この吸音部材の温度を、温調器92により、ケーシング24内における溶媒の凝縮点TR以上に保持することが好ましい。
上記実施形態では、グラスウールからなる吸音部材90を用いたが、本発明は、これに限られず、その他の吸音材からなる吸音部材を用いてもよい。グラスウール以外のこの吸音材としては、石膏ボードやロックウールなどがある。またこれらの材料の組み合わせを、吸音部材としてもよい。
上記実施形態では、ケーシング24内に第2仕切り板62を設け、流延室66と自己支持性発現室67と区切ったが、本発明は、これに限られず、第2仕切り板62を省略し、流延室66と自己支持性発現室67とを一体とした場合にも適用することができる。
上記実施形態では、上面73に吸音部材を設けなかったが、吸音部材の温度を調節する温調器を設けるなど、吸音部材にケーシング24内の溶媒が凝縮しない条件下では、上面73に吸音部材を設けてもよい。同様にして、吸音部材にケーシング24内の溶媒が凝縮しない条件下では、第1〜第3仕切り板61〜63や、流延ダイ25の外壁面や、減圧チャンバ33の内壁面や外壁面等に吸音部材を設けてもよい。
上記実施形態では、吸音部材を用いて、流延ビード35の前面側の雰囲気の振動を抑えたが、本発明はこれに限られず、吸音部材とともに、流延室66や自己支持性発現室67内にスピーカを設けてもよい。そして、流延室66や自己支持性発現室67内の雰囲気の振動に応じ、この振動を打ち消すような音を出力することにより、雰囲気の振動を低減させつつ、残留した振動を吸音部材で吸収することができるため、好ましい。
(ドープ原料)
以下、本発明においてドープ21を調製する際に使用する原料について説明する。本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、セルローストリアセテート(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
以下、本発明においてドープ21を調製する際に使用する原料について説明する。本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、セルローストリアセテート(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、2位のアシル置換度と称する)であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、3位のアシル置換度と称する)であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、6位のアシル置換度と称する)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位および6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位,3位および6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましく、これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れた溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶媒を使用すると、優れた溶解性を示し、低粘度で濾過性に優れるドープを作製することができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでもよい。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれ、さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明においてドープとは、ポリマーを溶媒に溶解または分散させることで得られるポリマー溶液または分散液を意味している。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度および光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対して2〜25重量%が好ましく、より好ましくは、5〜20重量%である。アルコールとしては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成も検討されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、これらを適宜混合して用いる場合もある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステルおよびアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−および−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。
上記実施形態では、ポリマーとして、セルロースアシレートやTACを用いると説明したが、これらに限られない。
本発明の溶液製膜方法では、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時に共流延させて積層させる同時積層共流延、または、複数のドープを逐次に共流延して積層させる逐次積層共流延を行うことができる。なお、両共流延を組み合わせてもよい。同時積層共流延を行う場合には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いてもよいし、マルチマニホールド型の流延ダイを用いてもよい。ただし、共流延により多層からなるフィルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フィルム全体の厚みの0.5〜30%であることが好ましい。また、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましく、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
本発明は、流延ドラム32の替わりに、回転ローラに掛け渡されて移動する流延バンドを用いる溶液製膜方法にも適用可能である。また、流延ダイ、減圧室、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
以下、本発明について行った実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
フイルム製造に用いるドープ12は、セルロースアシレート及び微量の可塑剤からなる溶質を、メチレンクラロイド、メタノール、及びブタノールの混合溶液からなる溶媒に溶解したものを用いた。ドープ12中の溶質比率は、22.0〜23.0wt%となるように調製した。溶媒の組成(メチレンクラロイド:メタノール:ブタノール)は、80〜95wt%:7〜20wt%:0〜3wt%に調製した。
次いで、図1に示すドープ製造設備10を用いてフイルム15の製造を行った。ケーシング24を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面には、所定の寸法に形成された吸音部材90を、それぞれ配置した。ドープ製造設備11から適量のドープ12を流延ダイ25に送り、流延ダイ25の吐出口からドープ12を流延ビード35として回転する流延ドラム13上に吐出させて、流延ドラム25の周面に流延膜14を形成した。ドープ12の吐出量は、乾燥後のフイルム15の膜厚が80μmとなるように調整した。また、減圧チャンバ33により、流延ビード35の背面側を−100Paで減圧した。更に、乾燥風循環装置83を作動して、流延ドラム13の回転速度(略50m/分)に応じた風量の乾燥風を自己支持性発現室67内に導入した。
流延膜14が自己支持性を有するものとなった後、剥離ローラ29により流延ドラム13から剥ぎ取って湿潤フイルム38を形成し、パスローラ39を介して湿潤フイルム38を渡り部17に向けて搬送した。剥離点以降のフイルム搬送速度を流延ドラム13の走行速度の1.03〜1.20倍に設定し、パスローラ39の表面温度は20℃以下に保たれるようにした。
湿潤フイルム38は、パスローラ39を介して渡り部17に搬送した。なお、剥離後の湿潤フイルム38は、流延ドラム13による搬送時の1.03〜1.20倍の速度で搬送した。湿潤フイルム13を、渡り部17及びテンター装置18で乾燥し、乾燥されたフイルム15を耳切装置41で耳切りした。次いで、フイルム15を乾燥室21内で乾燥し、冷却室22で略室温まで冷却し、さらに強制除電装置47及びナーリング付与ローラ48により除電処理・ナーリング付与処理を施した後、巻取室23内の巻取ローラ50により巻き取った。
(比較例)
ケーシング24を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面に設けられた吸音部材90を取り外したこと以外は、実施例と同様にして、フイルムを製造した。
ケーシング24を構成する各側面71、72、75、76及び底面77の内壁面に設けられた吸音部材90を取り外したこと以外は、実施例と同様にして、フイルムを製造した。
上記実施例、及び比較例で得られたフイルムについて、厚みムラ評価を行った。厚みムラの評価では、25℃,60RH%下でアンリツ電気社製、電子マイクロメーターを用いて、フイルム15の5箇所の厚みを測定した。測定値の平均値と偏差とから相対標準偏差RSD(=偏差/平均値×100%)を算出して、以下基準に基づいて、厚みムラの評価を行った。
◎:相対標準偏差が5%未満
○:相対標準偏差が5%以上15%未満
×:相対標準偏差が15%以上
◎:相対標準偏差が5%未満
○:相対標準偏差が5%以上15%未満
×:相対標準偏差が15%以上
実施例における厚みムラ評価結果は◎であり、比較例における厚みムラ評価結果は×であった。
本発明により、厚みムラを抑えつつ、フイルムを製造することができることがわかった。
10 フイルム製造設備
12 ドープ
13 流延ドラム
14 流延膜
15 フイルム
16 流延装置
25 流延ダイ
29 剥離ローラ
33 減圧チャンバ
61 第1仕切り板
62 第2仕切り板
63 第3仕切り板
66 流延室
67 自己支持性発現室
68 剥離室
71、72、75、76 側面
77 底面
81 乾燥風供給ダクト
82 乾燥風排気ダクト
83 乾燥風循環装置
90 吸音部材
12 ドープ
13 流延ドラム
14 流延膜
15 フイルム
16 流延装置
25 流延ダイ
29 剥離ローラ
33 減圧チャンバ
61 第1仕切り板
62 第2仕切り板
63 第3仕切り板
66 流延室
67 自己支持性発現室
68 剥離室
71、72、75、76 側面
77 底面
81 乾燥風供給ダクト
82 乾燥風排気ダクト
83 乾燥風循環装置
90 吸音部材
Claims (9)
- ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから走行する支持体に流出し、前記支持体上の前記ドープから流延膜を形成し、前記流延膜を剥ぎ取ってフイルムとする溶液製膜設備において、
流出した前記ドープによって前記流延ダイから前記支持体にかけて形成される流延ビードの前記支持体の走行方向下流側の面を囲むケーシングと、
前記ケーシングの内壁面に設けられる第1の吸音部材と、
を備えることを特徴とする溶液製膜設備。 - 前記ケーシングの内部に気体を供給する第1ダクトの内壁面と、前記ケーシングの内部にある気体を回収する第2ダクトの内壁面と、のうち少なくとも一方に第2の吸音部材が設けられることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜設備。
- 前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方の温度を、前記ケーシング内における前記溶媒の凝縮点以上に保持する温調機を備えることを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜設備。
- 前記第1吸音部材を、前記ケーシングの内壁面のうち、側面または底面に設ける、或いは、前記第2吸音部材を、前記第1ダクトの内壁面または前記第2ダクトの内壁面のうち、側面または底面に設けることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の溶液製膜設備。
- 前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方が、グラスウールを含むことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の溶液製膜設備。
- 前記第1吸音部材または前記第2吸音部材のうち少なくとも一方が、楔状であり、先端が前記ケーシングまたは前記ダクトの内部に向かって伸びるように形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の溶液製膜設備。
- ポリマーと溶媒とを含むドープを流延ダイから走行する支持体に流出し、
前記支持体上の前記ドープから流延膜を形成し、前記流延膜を剥ぎ取り、フイルムとする流延方法において、
流出した前記ドープによって、前記流延ダイから前記支持体にかけて形成される流延ビードの前記支持体の走行方向下流側の面を、内壁面に第1の吸音部材が設けられたケーシングを用いて囲むことを特徴とする溶液製膜方法。 - 内壁面に第2の吸音部材が設けられるダクトを介して、前記ケーシングの内部に気体を供給する、或いは、前記ケーシングの内部にある気体を回収することを特徴とする請求項7記載の溶液製膜方法。
- 前記第1の吸音部材または前記第2の吸音部材のうち少なくとも一方の温度を、前記ケーシング内における前記溶媒の凝縮点以上に保持することを特徴とする請求項7または8記載の溶液製膜方法。
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JP2007248959A JP2009078441A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 溶液製膜設備及び溶液製膜方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010109863A1 (ja) | 2009-03-27 | 2010-09-30 | パナソニック株式会社 | 燃料電池システム |
WO2012026364A1 (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | コニカミノルタオプト株式会社 | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2012152930A (ja) * | 2011-01-24 | 2012-08-16 | Fujifilm Corp | 流延装置、流延膜の形成方法及び溶液製膜方法 |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248959A patent/JP2009078441A/ja active Pending
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