以上の例の除湿装置では、冷媒が蒸発器104を通過している間に過熱度を付与することになり、蒸発器104の冷媒流路の途中まで二相流だった冷媒は途中からガス冷媒となり温度が上昇する。このため蒸発器104の冷媒流路の後流側では、空気側の表面温度も上昇し、除湿対象空気105の水分凝縮に利用できない部分が存在することになる。そして除湿性能が低下する、あるいは、除湿能力を確保するために蒸発器104を大きくする必要があるという課題を有していた。
また、冷却効果の増大やフラッシュガス抑制のために過冷却度を増加するには、凝縮器102での冷却を増加させる必要があり、凝縮器102を大きくする、あるいは、送風量を増やすために送風手段106を大型化する必要があり装置が大型化する、という課題を有していた。
また、蒸発器104から圧縮機101に至る配管部分は低温冷媒が通過する部分であり、空気条件によっては配管外壁に水分が結露する可能性があり、その結露水が装置外へ漏水する恐れがある課題や漏水を防ぐために配管を断熱するなどコストがかかるという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するものであり、過熱度の付与のために、一部水分凝縮に利用できなかった蒸発器104の全体を除湿対象空気105からの水分凝縮に利用するにより除湿能力を向上することを目的とし、さらに、過冷却度を増加させ冷却効率を向上することにより除湿能力を向上することを目的とし、蒸発器104から圧縮機101に至る配管に結露水が付着するのを抑制し、漏水の危険性を回避する除湿装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明が講じた第1の課題解決手段は、冷媒を圧縮する圧縮機と冷媒を凝縮し供給空気に放熱する凝縮器と冷媒を膨張させて減圧する減圧機構と冷媒を蒸発し供給空気から吸熱する蒸発器とを配管接続した蒸気圧縮式のヒートポンプを有し、前記蒸発器において供給空気から水分を凝縮することにより除湿する除湿装置であって、冷媒が前記蒸発器から流出し前記圧縮機に至るまでの間に所定の過熱度を付与されるものである。
そして、上記第1の課題解決手段による作用は、ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器を流出してから圧縮機に流入するまでの間に付与することにより、蒸発器内部の最後流で二相流から気相に相変化し冷媒温度が上昇する部分を極力少なくすることになり、通常であれば蒸発器温度が高くなって水分を凝縮させるのに利用できなかった部分も水分凝縮に利用できるようにするものである。これにより、除湿能力が向上できる。
また、第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、冷媒が蒸発器から流出するまでは過熱度を付与しないものである。
そして、第2の課題解決手段による作用は、ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器を通過している間に付与しないことにより、確実に蒸発器全体を供給空気の水分凝縮に利用できるようにするものである。これにより除湿能力向上できる。
また、第3の課題解決手段は、上記第1または第2の課題解決手段において、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備え、前記高温冷媒の過冷却度を増加させるものである。これにより、ヒートポンプの冷却能力が向上し除湿能力が向上できる。
そして、第3の課題解決手段による作用は、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、装置内の高温部分と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるとともに、ヒートポンプを効率よく動作させるために冷媒が減圧機構流入までに確保すべき過冷却度も低温冷媒との熱交換により同時に増加させるものである。これにより、過熱度および過冷却度を蒸発器、凝縮器にて確保する必要がなくなり、その分ともに小型化できる。
また、第4の課題解決手段は、上記第3の課題解決手段において、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて凝縮器に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備え、前記高温冷媒の過冷却度を増加させるものである。
そして、第4の課題解決手段による作用は、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて凝縮器に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、ヒートポンプを流れる冷媒の中で一番高温となる圧縮機吐出直後の冷媒と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるとともに、ヒートポンプを効率よく動作させるために冷媒が減圧機構流入までに確保すべき過冷却度も上記温度差が大きいことによる熱交換効率増大により同様に増加させるものである。これにより、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できる。
また、第5の課題解決手段は、上記第3の課題解決手段において、蒸発器から流出する低温冷媒と凝縮器から流出し減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備え、前記高温冷媒の過冷却度を増加させるものである。
そして、第5の課題解決手段による作用は、蒸発器から流出する低温冷媒と凝縮器から流出し減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、装置内の高温部分と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるとともに、凝縮器では冷媒をまず空気で冷却した後流側で空気よりも低温の低温冷媒により冷却することになり、より大きな過冷却度を付与するものである。これにより、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できる。
また、第6の課題解決手段は、上記第3乃至第5のいずれかのの課題解決手段において、冷媒熱交換手段を、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を有する二重管熱交換器により構成したものである。
そして、第6の課題解決手段による作用は、冷媒熱交換手段を、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を有する二重管熱交換器により構成することにより、二重管の内部配管内を流れる冷媒と内部配管と外部配管の間を流れる冷媒が、内部配管の壁面を介して熱交換するものである。これにより、二重管の内部配管内を流れる冷媒と内部配管と外部配管の間を流れる冷媒が、内部配管の壁面を介して熱交換するので熱交換の高効率化、小型化が図れ、安価で除湿効率の良い除湿装置を提供できる。
また、第7の課題解決手段は、上記第6の課題解決手段において、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を鉛直に構成するものである。
そして、第7の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を鉛直に構成することにより、ガス冷媒と液冷媒の二相流となっていると想定される冷媒の管内でのガス冷媒および液冷媒の滞留や偏りを抑制するものである。これにより、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できる。
また、第8の課題解決手段は、上記第7の課題解決手段において、高温高圧冷媒流路を下方流とするものである。
そして、第8の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路を下方流とすることにより、高温高圧冷媒中の液部分を下方に溜め込みながら流れるので、冷媒熱交換手段から高温冷媒が流出する際には液冷媒となって流出することになり、その後段に続く減圧機構に確実に液冷媒を供給するものである。これにより、減圧機構にガス冷媒が混入することによる冷媒の不安定が抑制され、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できる。
また、第9の課題解決手段は、上記第6乃至第8のいずれかの課題解決手段において、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、前記内部配管の内部を高温高圧冷媒流路とし、前記内部配管と前記外部配管の間を低温低圧冷媒流路とするものである。
そして、第9の課題解決手段による作用は、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、前記内部配管の内部を高温高圧冷媒流路とし、前記内部配管と前記外部配管の間を低温低圧冷媒流路とすることにより、低温冷媒は高温冷媒および周囲の空気の両方から吸熱することができ必要な過熱度をより小型の冷媒熱交換手段で付与するものである。これにより、装置の小型化が図られ、安価でコンパクトで効率の良い除湿装置を提供できる。
また、第10の課題解決手段は、上記第6乃至第8のいずれかの課題解決手段において、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、前記内部配管の内部を低温低圧冷媒流路とし、前記内部配管と前記外部配管の間を高温高圧冷媒流路とするものである。
そして、第10の課題解決手段による作用は、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、内部配管の内部を低温低圧冷媒流路とし、内部配管と外部配管の間を高温高圧冷媒流路とすることにより、高温冷媒は低温冷媒および周囲の空気の両方に放熱することができ過冷却度を増加できるとともに、低温冷媒が周囲を高温冷媒により囲まれているので低温冷媒流路の周りに水分の結露が生じないものである。これにより、結露水の装置外への漏洩などの不具合を生じることがなく、信頼性の高い除湿装置を提供できる。
また、第11の課題解決手段は、上記第3乃至第5のいずれかの課題解決手段において、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧流路の配管を接合することにより冷媒熱交換手段を構成するものである。
そして、第11の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合することにより冷媒熱交換手段を構成することにより、高温冷媒と低温冷媒が配管の接合部を介して熱交換をするものである。これにより、簡単な構成で冷媒の熱交換が可能となり、効率の良い除湿装置を安価で提供できる。
また、第12の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合する接合部は溶接(ロー付け)されているものである。
そして、第12の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合する接合部は溶接(ロー付け)されていることにより、接合部での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するものである。これにより、ヒートポンプをより効率よく動作させ除湿能力を高めることができ除湿性能の高い除湿装置を提供できる。
また、第13の課題解決手段は、上記第11の課題解決手段において、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧流路の配管を押圧により接合するものである。
そして、第13の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を押圧により接合することにより、押圧が接合部での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するとともに、簡単な構成で製作できるものである。これにより安価な構成で冷媒熱交換を実現でき、ヒートポンプの高効率化が図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できる。
また、第14の課題解決手段は、上記第12または第13の課題解決手段において、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧流路の配管を接合する接合部にはそれぞれ平面部を設けるものである。
そして、第14の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合する接合部にはそれぞれ平面部を設けることにより、接合部の面積すなわち伝熱面積を拡大し、熱交換効率を高めるとともに、製作する際に位置決めを簡単にできるようにするものである。これにより、安価な構成で冷媒熱交換を実現でき、ヒートポンプの高効率化が図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できる。
また、第15の課題解決手段は、上記第3乃至第14のいずれかの課題解決手段において、高温高圧冷媒流路と低温低圧冷媒流路を対向させるものである。
そして、第15の課題解決手段による作用は、高温高圧冷媒流路と低温低圧冷媒流路を対向させることにより、所謂対向流の熱交換器とすることができ、理想状態ではそれぞれの冷媒の入口温度まで他方の冷媒は熱交換を行うことができ、熱交換効率を高めるものである。これにより、ヒートポンプの高効率化がより図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できる。
また、第16の課題解決手段は、上記第1乃至第15のいずれかの課題解決手段において駆動手段によって回転し吸湿領域では供給空気から吸湿するとともに放湿領域では加熱されて水分を放出するデシカントローターを備え、室内空気を凝縮器、放湿領域、蒸発器、吸湿領域の順に供給し、除湿運転を行うものである。
そして、第16の課題解決手段による作用は、駆動手段によって回転し吸湿領域では供給空気から吸湿するとともに放湿領域では加熱されて水分を放出するデシカントローターを備え、室内空気を凝縮器、放湿領域、蒸発器、吸湿領域の順に供給し、除湿運転を行う除湿装置に冷媒熱交換手段を備えることにより、再生領域から放出される高温高湿空気を全面が低温となり水分凝縮に活用できるようなった蒸発器に供給することができ水分凝縮効率が向上するものである。これにより、除湿効率の高い除湿装置を提供できる。
本願発明は、かかる構成とすることにより以下に記載されるような効果を奏するものである。すなわち、過熱度の付与のために、一部水分凝縮に利用できなかった蒸発器の全体を除湿対象空気からの水分凝縮に利用するにより除湿能力を向上することができ、さらに、過冷却度を増加させ冷却効率を向上することにより除湿能力を向上することができ、蒸発器から圧縮機に至る配管に結露水が付着するのを抑制し、漏水の危険性を回避することができる除湿装置を提供できるという効果を奏する。
そして、本発明の請求項1記載の除湿機は、ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器を流出してから圧縮機に流入するまでの間に付与することにより、蒸発器内部の最後流で二相流から気相に相変化し冷媒温度が上昇する部分を極力少なくすることになり、通常であれば蒸発器温度が高くなって水分を凝縮させるのに利用できなかった部分も水分凝縮に利用できるようにするので、水分凝縮量が増え、除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2記載の除湿機は、ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器を通過している間に付与しないことにより、確実に蒸発器全体を供給空気の水分凝縮に利用できるようにするので水分凝縮量が増加し除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項3記載の除湿機は、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、装置内の高温部分と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を増加できるので、冷媒熱交換手段の小型化が図れ安価な除湿装置を提供できるとともに、ヒートポンプを効率よく動作させるために冷媒が減圧機構流入までに確保すべき過冷却度も低温冷媒との熱交換により同時に増加させるので、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項4記載の除湿機は、蒸発器から流出する低温冷媒と圧縮機から吐出されて凝縮器に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、ヒートポンプを流れる冷媒の中で一番高温となる圧縮機吐出直後の冷媒と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるので、冷媒熱交換手段の小型化が図れ安価な除湿装置を提供できるとともに、ヒートポンプを効率よく動作させるために冷媒が減圧機構流入までに確保すべき過冷却度も上記温度差が大きいことによる熱交換効率増大により同様に増加させるので、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項5記載の除湿機は、蒸発器から流出する低温冷媒と凝縮器から流出し減圧機構に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段を備えることにより、装置内の高温部分と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるので、冷媒熱交換手段の小型化が図れ安価な除湿装置を提供できるとともに、凝縮器では冷媒をまず空気で冷却した後流側で空気よりも低温の低温冷媒により冷却することになり、より過冷却度を増加できるので、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項6記載の除湿機は、冷媒熱交換手段を、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を有する二重管熱交換器により構成することにより、二重管の内部配管内を流れる冷媒と内部配管と外部配管の間を流れる冷媒が、内部配管の壁面を介して熱交換するので熱交換の高効率化、小型化が図れ、安価で除湿効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項7記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路および低温低圧冷媒流路を鉛直に構成することにより、ガス冷媒と液冷媒の二相流となっていると想定される冷媒の管内でのガス冷媒および液冷媒の滞留や偏りを抑制するので、滞留や偏りによる冷媒の不安定が抑制され安定して効率よく熱交換が行われ、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項8記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路を下方流とすることにより、高温高圧冷媒中の液部分を下方に溜め込みながら流れるので、冷媒熱交換手段から高温冷媒が流出する際には液冷媒となって流出することになり、その後段に続く減圧機構に確実に液冷媒を供給するので、減圧機構にガス冷媒が混入することによる冷媒の不安定が抑制され、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項9記載の除湿機は、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、前記内部配管の内部を高温高圧冷媒流路とし、前記内部配管と前記外部配管の間を低温低圧冷媒流路とすることにより、低温冷媒は高温冷媒および周囲の空気の両方から吸熱することができ必要な過熱度をより小型の冷媒熱交換手段で付与するので、装置の小型化が図られ、安価でコンパクトで効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項10記載の除湿機は、二重管熱交換器を外部配管の内部に内部配管を設置した構成とし、内部配管の内部を低温低圧冷媒流路とし、内部配管と外部配管の間を高温高圧冷媒流路とすることにより、高温冷媒は低温冷媒および周囲の空気の両方に放熱することができ過冷却度を増加できるのでヒートポンプを効率よく動作させ、除湿効率のよい除湿装置を提供できるとともに、低温冷媒が周囲を高温冷媒により囲まれているので低温冷媒流路の周りに水分の結露が生じないので、結露水の装置外への漏洩などの不具合を生じることがなく、信頼性の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項11記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合することにより冷媒熱交換手段を構成することにより、高温冷媒と低温冷媒が配管の接合部を介して熱交換をするので、簡単な構成で冷媒の熱交換が可能となり、効率の良い除湿装置を安価で提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項12記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合する接合部は溶接(ロー付け)されていることにより、接合部での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するので、ヒートポンプをより効率よく動作させ除湿能力を高めることができ除湿性能の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項13記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を押圧により接合することにより、押圧が接合部での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するとともに、簡単な構成で製作できるので、安価な構成で冷媒熱交換を実現でき、ヒートポンプの高効率化が図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項14記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路の配管と低温低圧冷媒流路の配管を接合する接合部にはそれぞれ平面部を設けることにより、接合部の面積すなわち伝熱面積を拡大し、熱交換効率を高めるとともに、製作する際に位置決めを簡単にできるようにするので、ヒートポンプの高効率化が図られ除湿能力が高く、しかも製作が容易な除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項15記載の除湿機は、高温高圧冷媒流路と低温低圧冷媒流路を対向させることにより、所謂対向流の熱交換器とすることができ、理想状態ではそれぞれの冷媒の入口温度まで他方の冷媒は熱交換を行うことができ、熱交換効率を高めるので、ヒートポンプの高効率化がより図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項16記載の除湿機は、駆動手段によって回転し吸湿領域では供給空気から吸湿するとともに放湿領域では加熱されて水分を放出するデシカントローターを備え、室内空気を凝縮器、放湿領域、蒸発器、吸湿領域の順に供給し、除湿運転を行う除湿装置に冷媒熱交換手段を備えることにより、放湿領域から放出される高温高湿空気を全面が低温となり水分凝縮に活用できるようなった蒸発器に供給することができ水分凝縮効率が向上するので、除湿効率の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一の構成要素については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図1〜3に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図である。図1に示すように、この除湿装置は本体1内に、圧縮機101、凝縮器102、減圧機構103、蒸発器104を配管接続し密閉回路を形成している。この密閉回路内に作動流体である冷媒として例えば、HCFC系冷媒(分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む)、HFC系冷媒(分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む)、炭化水素、二酸化炭素等の自然冷媒などの何れかを充填して蒸気圧縮式のヒートポンプを形成している。凝縮器102および蒸発器104は、ヘアピンチューブに複数枚のフィンを嵌入して空気流通を可能に構成したフィンチューブ型の熱交換器で構成され、凝縮器102と蒸発器104を接続する配管中には減圧機構103として、例えば、キャピラリチューブや膨張弁等を介在させている。ここで、凝縮器102は周囲空気に対して放熱する放熱器として作用し、蒸発器104は、周囲空気から吸熱する吸熱器として作用する。
また、蒸発器104から流出する低温低圧冷媒と、凝縮器から流出する高温高圧冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段2を設置している。本実施例では、蒸発器104から圧縮機101に至る間の冷媒と凝縮器102から減圧機構103に至る間の冷媒を熱交換させる構成となっている。
そして、本体1には吸込口3と吹出口4を開口し、送風手段106の運転によって、室内の除湿対象空気105を吸込口3より本体1内に導入している。本体1内に供給された除湿対象空気105は蒸発器104、凝縮器102の順に供給されて吹出口4より本体1外部に流出する。この送風手段106はケース内で羽根が回転駆動することにより送風する所謂シロッコファンとして構成されている。
吸込口3から吸引された除湿対象空気105は、蒸発器104に供給され飽和温度以下まで冷却される。この冷却過程で飽和した水分は凝縮し結露水として下方に滴下し、蒸発器104の下部に設置してある水受け部5を介して貯水タンク107に貯水される。水分を凝縮除湿された除湿対象空気105は、凝縮器102に供給され加熱されたのち除湿空気として吹出口4から室内に供給される。
次に除湿装置の動作を説明する。
図2は、従来の除湿装置の冷媒の状態変化と、図1に示した本実施の形態の除湿装置における冷媒の状態変化を示すモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)である。図2に示した点a、点b、点c、点dを点線で結んだサイクルは、従来の除湿装置の冷媒回路内を循環する冷媒の状態変化を示しており、冷媒は圧縮機101において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点dから点aの状態変化を行い、凝縮器102において供給される室内空気に対して放熱することによりエンタルピが減少して点aから点bの状態となる。この時、点bは飽和液線を越えて冷却される。この飽和液線との温度差は過冷却度と呼ばれ、冷却効果の増大やフラッシュガス抑制の効果があり、所定量付与されている。次に冷媒は減圧機構103において膨張して減圧することにより圧力が低下して点bから点cの状態変化を行い、蒸発器104において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点cから点dの状態に戻る。この時、点dは飽和液線を越えて過熱される。この飽和液線との温度差は過熱度と呼ばれ、圧縮機101が液冷媒を吸込む液戻りを防止するために必要であり、所定量付与されている。このような冷媒の状態変化により、蒸発器104において吸熱し、凝縮器102において放熱するヒートポンプが動作し、この時、点aと点bのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が凝縮器102における放熱量、点c(点b)と点dのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が蒸発器104における吸熱量となり、放熱量と吸熱量の差、即ち点dと点aのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が圧縮機101の圧縮仕事量になる。
一方、本実施の形態の除湿装置においては、冷媒の状態変化は点A、点B、点C、点D、点E、点Fを実線で結んだサイクルとなる。冷媒は圧縮機101において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点Fから点Aの状態変化を行い、凝縮器102において供給される除湿対象空気105に対して放熱することによりエンタルピが減少して点Aから点Bの状態になる。さらに冷媒熱交換手段2において蒸発器104から流出する低温冷媒と熱交換を行い更に点Bから点Cまで冷却され、過冷却度を増加される。次に減圧機構103において膨張して減圧することにより圧力が低下して点Cから点Dの状態変化を行い、蒸発器104において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点Dから点Eの状態変化を行う。さらに冷媒熱交換手段2により凝縮器102から流出する高温冷媒と熱交換を行い点Eから点Fまで所定の過熱度を付与されるように状態変化を行う。このような状態変化を行いヒートポンプが動作している。
この時、点Aと点Bのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が凝縮器102における放熱量であり、点Bと点Cのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が冷媒熱交換手段2の熱交換量となり、点Eと点Fのエンタルピ差に冷媒循環量を乗じた値と等しくなる。また、点D(点C)と点Eのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が蒸発器104における吸熱量となり、点Fと点Aのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が圧縮機101の圧縮仕事となる。
そして、従来であれば蒸発器104において過熱度を付与する必要があるため、二相流で流入してきた冷媒は、蒸発がすすみ、蒸発器104の冷媒流路において途中から過熱度が付与され、ガス状態となり、温度が上昇し始める。この場合、蒸発器104の空気側表面の一部も温度が上昇してしまい、水分凝縮に活用できなくなる。本発明の除湿装置においては、過熱度の付与を冷媒熱交換手段2に行わせることにより蒸発器104は冷媒流路のほとんどが二相流状態となり、蒸発器104表面は低温を維持することができる。このため、空気の水分凝縮面積を最大化することができ、除湿能力を向上させることができる。そして、この状態でも圧縮機101には、所定の過熱度が付与されたガス冷媒を吸込ませることができ、圧縮機101に対する液戻りなどの不具合もない。
また、凝縮器102では、凝縮器102において冷媒を冷却した後に、冷媒熱交換手段2にて低温冷媒と熱交換することにより、更に冷却し、過冷却度を大きくすることができる。このため、見かけ上の放熱量は増加することになり、凝縮器102を大きくしたのと同じ効果が期待できる。
図3(a)は、冷媒熱交換手段2の構成を示した断面図であり、図3(b)は図3(a)中のG−G断面を示した断面図である。入口および出口を有する内部配管6を、内部配管6より直径の大きな外部配管7の中に挿入し、外部配管7は端部を縮管し内部配管6にロー付けなどにより固定され、さらに外部配管7にも入口および出口を有している。冷媒はそれぞれ、内部配管6の内部と、内部配管6と外部配管7の間に流入し、それぞれの冷媒は混合することがない。それぞれの冷媒は、内部配管6の壁面を介して熱交換が成される二重管熱交換器8の構成となっている。
本実施例では、蒸発器104から流出してくる低温低圧冷媒を内部配管6の内部に下方から上方に向かって流通させる低温低圧冷媒流路9を構成し、凝縮器102から流出してくる高温高圧冷媒を内部配管6と外部配管7の間の流路に上方から下方に向かって流通させる高温高圧冷媒流路10を構成している。このように熱交換対象冷媒を対向流とすることにより、理論的な最大熱交換効率は100%とすることができ、熱交換効率を高めることができる。
また、高温高圧冷媒は液冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼ液冷媒となって流出することになる。上記のように高温高圧冷媒を上方から下方に向かって流通させることにより、スムーズに液冷媒を沈降させ、冷媒通路の中の淀みやそれによる熱交換の不均一を軽減する作用を有する。
そして、高温高圧冷媒が周囲空気と外部配管7の壁面を介して熱交換を行うことができるので、高温高圧冷媒の冷却が更に促進されることになる。
さらに、低温低圧冷媒は、ガス冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼガス冷媒となって流出することになる。上記のように低温低圧冷媒を下方から上方に向かって流通させることにより、冷媒の攪拌が促進され、熱伝導率を上昇させるという作用を有する。
また、蒸発器104から流出してきた低温低圧冷媒が通る配管は、室内空気の温湿度条件によっては、配管壁面で水分の結露が生じる可能性が高い。これは、壁面温度が周囲空気の露点よりも低い場合に起こる現象である。上記のように、低温低圧冷媒流路9を内部配管6の内部に通すことにより、周囲空気と低温低圧冷媒が通る配管の接触を少なくする、もしくは無くすことができるので、配管壁面での水分の結露を抑制することができ、この結露が原因となる水漏れなどの不具合をなくすことができる。
なお、配管には、銅、アルミ、ステンレスなどの熱伝導の良い金属を使用して、熱交換効率を向上させている。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機101流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器104を流出してから圧縮機101に流入するまでの間に付与することにより、蒸発器104内部の最後流で二相流から気相に相変化し冷媒温度が上昇する部分を極力少なくすることになり、通常であれば蒸発器104温度が高くなって水分を凝縮させるのに利用できなかった部分も水分凝縮に利用できるようにするので、水分凝縮量が増え、除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を供給できるという効果を奏する。
また、ヒートポンプを効率よく動作させるために圧縮機101流入までに確保すべき過熱度を冷媒が蒸発器104を通過している間に付与しないことにより、確実に蒸発器104全体を供給空気の水分凝縮に利用できるようにするので水分凝縮量が増加し除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、蒸発器104から流出する低温冷媒と凝縮器102から流出し減圧機構103に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段2を備えることにより、装置内の高温部分と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるので、冷媒熱交換手段2の小型化が図れ安価な除湿装置を提供できるとともに、凝縮器102では冷媒をまず空気で冷却した後流側で空気よりも低温の低温冷媒により冷却することになり、より過冷却度を増加できるので、ヒートポンプが効率よく動作し蒸発器104での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、冷媒熱交換手段2を、高温高圧冷媒流路10および低温低圧冷媒流路9を有する二重管熱交換器8により構成することにより、二重管の内部配管6内を流れる冷媒と内部配管6と外部配管7の間を流れる冷媒が、内部配管6の壁面を介して熱交換するので熱交換の高効率化、小型化が図れ、安価で除湿効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10および低温低圧冷媒流路9を鉛直に構成することにより、ガス冷媒と液冷媒の二相流となっていると想定される冷媒の管内でのガス冷媒および液冷媒の滞留や偏りを抑制するので、滞留や偏りによる冷媒の不安定が抑制され安定して効率よく熱交換が行われ、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10を下方流とすることにより、高温高圧冷媒中の液部分を下方に溜め込みながら流れるので、冷媒熱交換手段2から高温冷媒が流出する際には液冷媒となって流出することになり、その後段に続く減圧機構103に確実に液冷媒を供給するので、減圧機構103にガス冷媒が混入することによる冷媒の不安定が抑制され、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、二重管熱交換器8を外部配管7の内部に内部配管6を設置した構成とし、内部管の内部を低温低圧冷媒流路9とし、内部配管6と外部配管7の間を高温高圧冷媒流路10とすることにより、高温冷媒は低温冷媒および周囲の空気の両方に放熱することができ過冷却度を増加できるのでヒートポンプを効率よく動作させ、除湿効率のよい除湿装置を提供できるとともに、低温冷媒が周囲を高温冷媒により囲まれているので低温低圧冷媒流路9の周りに水分の結露が生じないので、結露水の装置外への漏洩などの不具合を生じることがなく、信頼性の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
(実施の形態2)
図4(a)は、本発明の実施形態2にかかる除湿装置の冷媒熱交換手段2の概略構成を示す簡易的な模式図であり、図4(b)は図4(a)中のH−H断面を示した断面図である。なお、上記した実施の形態1と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、入口および出口を有する内部配管6を、内部配管6より直径の大きな外部配管7の中に挿入し、外部配管7は端部を縮管し内部配管6にロー付けなどにより固定され、さらに外部配管7にも入口および出口を有している。冷媒はそれぞれ、内部配管6の内部と、内部配管6と外部配管7の間に流入し、それぞれの冷媒は混合することがない。それぞれの冷媒は、内部配管の壁面を介して熱交換が成される二重管熱交換器8の構成となっている。
本実施例では、凝縮器102から流出してくる高温高圧冷媒を内部配管6の内部に上方から下方に向かって流通させる高温高圧冷媒流路10を構成し、蒸発器104から流出してくる低温低圧冷媒を内部配管6と外部配管7の間の流路に上方から下方に向かって流通させる低温低圧冷媒流路9を構成している。このように熱交換対象冷媒を対向流とすることにより、理論的な最大熱交換効率は100%とすることができ、熱交換効率を高めることができる。
また、高温高圧冷媒は液冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼ液冷媒となって流出することになる。上記のように高温高圧冷媒を上方から下方に向かって流通させることにより、スムーズに液冷媒を沈降させ、冷媒通路の中の淀みやそれによる熱交換の不均一を軽減する作用を有する。
そして、高温高圧冷媒が内部配管6の内部を流通するので、高圧の冷媒が内部配管6および外部配管7の二重の配管に囲まれることになるので、冷媒熱交換手段2からの冷媒の漏れなどの不具合を抑制することができる。
さらに、低温低圧冷媒は、ガス冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼガス冷媒となって流出することになる。上記のように低温低圧冷媒を下方から上方に向かって流通させることにより、冷媒の攪拌が促進され、熱伝導率を上昇させるという作用を有する。
そして、低温低圧冷媒を内部配管6と外部配管7の間の冷媒流路に通すことにより、低温低圧冷媒は周囲空気との熱交換、および内部配管6の内部を通る高温高圧冷媒との熱交換の両方の熱交換を行うことができ、より効率的に吸熱することができる。これにより、低温低圧冷媒に付与すべき必要過熱度を、より小型の冷媒熱交換手段2にて付与することができる。
なお、配管には、銅、アルミ、ステンレスなどの熱伝導の良い金属を使用して、熱交換効率を向上させている。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
冷媒熱交換手段2を、高温高圧冷媒流路10および低温低圧冷媒流路9を有する二重管熱交換器8により構成することにより、二重管の内部配管6内を流れる冷媒と内部配管6と外部配管7の間を流れる冷媒が、内部配管6の壁面を介して熱交換するので熱交換の高効率化、小型化が図れ、安価で除湿効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10および低温低圧冷媒流路9を鉛直に構成することにより、ガス冷媒と液冷媒の二相流となっていると想定される冷媒の管内でのガス冷媒および液冷媒の滞留や偏りを抑制するので、滞留や偏りによる冷媒の不安定が抑制され安定して効率よく熱交換が行われ、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10を下方流とすることにより、高温高圧冷媒中の液部分を下方に溜め込みながら流れるので、冷媒熱交換手段2から高温冷媒が流出する際には液冷媒となって流出することになり、その後段に続く減圧機構103に確実に液冷媒を供給するので、減圧機構103にガス冷媒が混入することによる冷媒の不安定が抑制され、ヒートポンプの高効率化が図れ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、二重管式熱交換器8を外部配管7の内部に内部配管6を設置した構成とし、内部配管6の内部を高温高圧冷媒流路10とし、内部配管6と外部配管7の間を低温低圧冷媒流路9とすることにより、低温冷媒は高温冷媒および周囲の空気の両方から吸熱することができ必要な過熱度をより小型の冷媒熱交換手段2で付与するので、装置の小型化が図られ、安価でコンパクトで効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
(実施の形態3)
図5(a)は、本発明の実施形態3にかかる除湿装置の冷媒熱交換手段2の概略構成を示す簡易的な模式図であり、図5(b)は図5(a)中のI−I断面を示した断面図である。なお、上記した実施の形態1および2と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、高温高圧冷媒が流通し高温高圧冷媒流路10となる配管と、低温低圧冷媒が流通し低温低圧冷媒流路9となる配管を並列に配置し、それぞれの配管を接合することによりその接合部11を介してそれぞれの冷媒が熱交換を行う冷媒熱交換手段2を構成している。接合部11は、ロー付けなどにより密着度を高め、熱交換効率を高める構成となっている。また、接合部11には、平面部12を設け、接合時の位置決めや、ロー付けによる接合をやりやすいようにするとともに、伝熱面積を拡大し、熱交換効率を向上させる作用も有する。
凝縮器102から流出してくる高温高圧冷媒が通る高温高圧冷媒流路10を上方から下方に向かって流通させ、蒸発器104から流出してくる低温低圧冷媒が通る低温低圧冷媒流路9を下方から上方に向かって流通させている。このように熱交換対象冷媒を対向流とすることにより、理論的な最大熱交換効率は100%とすることができ、熱交換効率を高めることができる。
また、高温高圧冷媒は液冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼ液冷媒となって流出することになる。上記のように高温高圧冷媒を上方から下方に向かって流通させることにより、スムーズに液冷媒を沈降させ、冷媒通路の中の淀みやそれによる熱交換の不均一を軽減する作用を有する。
さらに、低温低圧冷媒は、ガス冷媒を多く含んだ二相流状態で冷媒熱交換手段2に流入し、熱交換を行いながら最終的にはほぼガス冷媒となって流出することになる。上記のように低温低圧冷媒を下方から上方に向かって流通させることにより、冷媒の攪拌が促進され、熱伝導率を上昇させるという作用を有する。
なお、配管には、銅、アルミ、ステンレスなどの熱伝導の良い金属を使用して、熱交換効率を向上させている。
また、本実施例ではロー付けすることにより接合しているが、配管を接合部11にて密接させ、押圧することにより密着度を高めながら接合してもよく、この場合、冷媒熱交換手段2を簡単な構成で作成できるので、作業工数が少なく安価に作成できる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
高温高圧冷媒流路10の配管と低温低圧冷媒流路9の配管を接合することにより冷媒熱交換手段2を構成することにより、高温冷媒と低温冷媒が配管の接合部11を介して熱交換をするので、簡単な構成で冷媒の熱交換が可能となり、効率の良い除湿装置を安価で提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10の配管と低温低圧冷媒流路9の配管を接合する接合部11は溶接(ロー付け)されていることにより、接合部11での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するので、ヒートポンプをより効率よく動作させ除湿能力を高めることができ除湿性能の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10の配管と低温低圧冷媒流路9の配管を押圧により接合することにより、押圧が接合部11での配管同士の密着度を高め、熱交換に対する接触熱抵抗を低減させ熱交換効率を向上するとともに、簡単な構成で製作できるので、安価な構成で冷媒熱交換を実現でき、ヒートポンプの高効率化が図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10の配管と低温低圧冷媒流路9の配管を接合する接合部11にはそれぞれ平面部12を設けることにより、接合部11の面積すなわち伝熱面積を拡大し、熱交換効率を高めるとともに、製作する際に位置決めを簡単にできるようにするので、ヒートポンプの高効率化が図られ除湿能力が高く、しかも製作が容易な除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、高温高圧冷媒流路10と低温低圧冷媒流路9を対向させることにより、所謂対向流の熱交換器とすることができ、理想状態ではそれぞれの冷媒の入口温度まで他方の冷媒は熱交換を行うことができ、熱交換効率を高めるので、ヒートポンプの高効率化がより図られ、除湿能力の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施形態4にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図である。なお、上記した実施の形態1、2および3と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、図6に示すように、蒸発器104から流出する低温低圧冷媒と、圧縮機101から流出する高温高圧冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段2を設置している。つまり、蒸発器104から圧縮機101に至る間の冷媒と圧縮機101から凝縮器102に至る間の冷媒を熱交換させる構成となっている。
冷媒熱交換手段2において、低温側の冷媒は、蒸発器104から流出してくる低温低圧冷媒であるが、この冷媒により多くの熱を供給し、過熱度を効率よく付与するためには、高温側の冷媒と、この冷媒との温度差を大きく取る方が望ましい。圧縮機101、凝縮器102、減圧機構103、蒸発器104により構成されるヒートポンプにおいて、この経路内を流れる冷媒の温度を見てみると、圧縮機101により圧縮された直後の冷媒が一番温度は高くなる。よって、この圧縮機101流出後の高温高圧冷媒と熱交換を行うことにより過熱度を効率よく付与することができる。
そして、上記構成とすることによって、必要な過熱度を付与するのに、より小型の冷媒熱交換手段を採用することできる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
蒸発器104から流出する低温冷媒と圧縮機101から吐出されて凝縮器102に至るまでの高温冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段2を備えることにより、ヒートポンプを流れる冷媒の中で一番高温となる圧縮機101吐出直後の冷媒と熱交換することになり温度差を確保し、効率よく過熱度を付与できるので、冷媒熱交換手段2の小型化が図れ安価な除湿装置を提供できるとともに、ヒートポンプを効率よく動作させるために冷媒が減圧機構103流入までに確保すべき過冷却度も上記温度差が大きいことによる熱交換効率増大により同様に増加させるので、ヒートポンプが効率よく動作し、蒸発器104での吸着量が増え除湿量が増えることになり効率の良い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施形態5にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図である。なお、上記した実施の形態1、2、3および4と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、この除湿装置は本体1内に、圧縮機101、凝縮器102、減圧機構103、蒸発器104を配管接続し密閉回路を形成している。この密閉回路内に作動流体である冷媒を充填して蒸気圧縮式のヒートポンプを形成している。
また、蒸発器104から流出する低温低圧冷媒と、凝縮器102から流出する高温高圧冷媒とを熱交換する冷媒熱交換手段2を設置している。本実施例では、蒸発器104から圧縮機101に至る間の冷媒と凝縮器102から減圧機構103に至る間の冷媒を熱交換させる構成となっている。
また、供給空気から吸湿する吸湿領域13および供給空気に対して放湿する放湿領域14を有するデシカントローター15を設けている。デシカントローター15は回動可能に立設されており、このデシカントローター15を周方向に毎時10回転から40回転程度の速度で回転させる駆動手段16をデシカントローター15の外周側に配設している。この駆動手段16は、デシカントローター15の外周に形設されたギアと、このギアと歯合する駆動モータを備えており、駆動モータの作動によってギアに回転力を加え、デシカントローター15を回転させるように動作するものである。このデシカントローター15は、軸方向に通風可能なハニカム構造もしくはコルゲート構造の円筒構造体に、シリカゲル、ゼオライトなどの無機質の吸着型吸湿剤、あるいは有機高分子電解質(イオン交換樹脂)などの吸湿剤、もしくは塩化リチウムなどの吸収型吸湿剤を1種類若しくは複数担持して構成されており、周囲の環境に応じて吸湿量が変化する特性を有している。
また、加熱手段17はデシカントローター15の放湿領域14に近接して配設されており、この加熱手段17の発熱によってデシカントローター15に供給される空気およびデシカントローター15自身が加熱されることになる。この加熱手段17は発熱動作を行い得るものであれば良く、例えば、ニクロムヒーター、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、シーズヒーター、PTCヒーター等を用いることができるが、輻射熱成分を多く放散する形式のものがデシカントローター15を直接高温に加熱して効率良く水分を放出させることが可能となり好ましい。
このデシカントローター15は駆動手段16によって回転しているので、デシカントローター15に担持されている吸湿剤は、吸湿領域13と放湿領域14を連続的に移動し、吸湿領域13における吸湿動作と放湿領域14における水分放出動作を連続的に行うことになる。
そして、本体1には吸込口3と吹出口4を開口し、送風手段106の運転によって、室内空気を吸込口3より本体1内に導入している。本体1内に供給された室内空気が、凝縮器102、加熱手段17、放湿領域14、蒸発器104、吸湿領域13に順に供給されて吹出口4より本体1外部に流出するメイン風路18と、吸込口3から導入された室内空気が、凝縮器102に供給されて、吹出口4より本体1外部に流出するバイパス風路19を形成している。この送風手段106は、ケース内で羽根が回転駆動することにより送風するいわゆるシロッコファンとして構成されている。なお、図示していないが、送風手段106を、ケースにファン吸込口を2つ開口するとともに主板の両側にブレードを有し、2つの風路から吸込み、それぞれのブレードからの送風が混ざらないように吹出す構成とすることにより、1つの送風手段106にて2つの風路から吸込み、それぞれ別々に吹き分ける構成とすることもできる。その場合、吹出口4をもう1つ設け、メイン風路18には吹出口を切換える吹出口ダンパーを設け、メイン風路18から室内に供給される空気がバイパス風路19と混合するか、しないかを切換を可能にすることもできる。
吸込口3から吸引された空気は、凝縮器102により加熱され、さらに加熱手段17により加熱され高温となってデシカントローター15の放湿領域14に供給され、その後、蒸発器104を通過し冷却され、デシカントローター15の吸湿領域13に供給される。このデシカントローター15に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域14において加熱された高温空気と接触することにより水分を放出して再生し、吸湿領域13において蒸発器104により冷却された空気から吸湿することになる。このデシカントローター15は駆動手段16によって回転しているので、デシカントローター15に担持されている吸湿剤は、吸湿領域13と放湿領域14を連続的に移動し、吸湿領域13における吸湿動作と放湿領域14における水分放出動作を連続的に行うことになる。放湿領域14において放出された水分を含んだ空気は、高温高湿状態となり風下側に配設された蒸発器104に供給される。この高温高湿空気はエンタルピも上昇しているので、蒸発器104内の冷媒とのエンタルピ差が拡大して高効率な吸熱動作が行われ、供給空気は飽和温度以下まで冷却される。この冷却過程で飽和した水分は結露水として下方に滴下し、図示しないドレンパンで受け止められた後に本体1の下部に配設された貯水タンク107に貯留される。
一方、吸湿領域13には、蒸発器104によりその飽和温度以下まで冷却され、相対湿度が高い状態(ほぼ飽和状態)となった空気が供給される。上述したようにデシカントローター15に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域14を通過する空気と吸湿領域13を通過する空気の相対湿度差を拡大させることができ、高効率な吸放湿動作を行うことができる。
次にヒートポンプの動作を説明する。
図8は、従来の除湿装置の冷媒の状態変化と、図7に示した本発明の除湿装置の冷媒の状態変化を示すモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)である。図8に示した点a、点b、点c、点dを点線で結んだサイクルは、従来の除湿装置の冷媒回路内を循環する冷媒の状態変化を示しており、冷媒は圧縮機101において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点dから点aの状態変化を行い、凝縮器102において供給される室内空気に対して放熱することによりエンタルピが減少して点aから点bの状態となる。この時、点bは飽和液線を越えて冷却される。この飽和液線との温度差は過冷却度と呼ばれ、冷却効果の増大やフラッシュガス抑制の効果があり、所定量付与されている。次に減圧機構103において膨張して減圧することにより圧力が低下して点bから点cの状態変化を行い、蒸発器104において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点cから点dの状態に戻る。この時、点dは飽和液線を越えて過熱される。この飽和液線との温度差は過熱度と呼ばれ、圧縮機101が液冷媒を吸込む液戻りを防止するために必要であり、所定量付与されている。このような冷媒の状態変化により、蒸発器104において吸熱し、凝縮器102において放熱するヒートポンプが動作し、この時、点aと点bのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が凝縮器102における放熱量、点c(点b)と点dのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が蒸発器104における吸熱量となり、放熱量と吸熱量の差、即ち点dと点aのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が圧縮機101の圧縮仕事量になる。
一方、本発明の除湿装置においては、冷媒の状態変化は点J、点K、点L、点M、点N、点Oを実線で結んだサイクルとなる。冷媒は圧縮機101において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点Oから点Jの状態変化を行い、凝縮102において供給される室内空気に対して放熱することによりエンタルピが減少して点Jから点Kの状態になる。さらに冷媒熱交換手段2において蒸発器104から流出する低温冷媒と熱交換を行い更に点Kから点Lまで冷却され、過冷却度を増加される。次に減圧機構103において膨張して減圧することにより圧力が低下して点Lから点Mの状態変化を行い、蒸発器104において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点Mから点Nの状態変化を行う。さらに冷媒熱交換手段2により凝縮器102から流出する高温冷媒と熱交換を行い点Nから点Oまで所定の過熱度を付与されるように状態変化を行う。このような状態変化を行いヒートポンプが動作している。
この時、点Jと点Kのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が凝縮器102における放熱量であり、点Kと点Lのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が冷媒熱交換手段2の熱交換量となり、点Nと点Oのエンタルピ差に冷媒循環量を乗じた値と等しくなる。また、点M(点L)と点Nのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が蒸発器104における吸熱量となり、点Oと点Jのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が圧縮機101の圧縮仕事となる。
そして、従来であれば蒸発器104において過熱度を付与する必要があるため、二相流で流入してきた冷媒は、蒸発がすすみ、蒸発器104の冷媒流路において途中から過熱度が付与され、ガス状態となり、温度が上昇し始める。この場合、蒸発器104の空気側表面の一部も温度が上昇してしまい、水分凝縮に活用できなくなる。本発明の除湿装置においては、過熱度の付与を冷媒熱交換手段2に行わせることにより蒸発器104は冷媒流路のほとんどが二相流状態となり、蒸発器104表面は低温を維持することができる。このため、空気の水分凝縮面積を最大化することができる。そして、この状態でも圧縮機101には、所定の過熱度が付与されたガス冷媒を吸込ませることができる。
また、凝縮器102では、凝縮器102において冷媒を冷却した後に、冷媒熱交換手段2により低温冷媒と熱交換することにより、更に冷却し、過冷却度を大きくすることができる。このため、見かけ上の放熱量は増加することになり、凝縮器102を大きくしたのと同じ効果が期待できる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
駆動手段16によって回転し吸湿領域13では供給空気から吸湿するとともに放湿領域14では加熱されて水分を放出するデシカントローター15を備え、室内空気を凝縮器102、放湿領域14、蒸発器104、吸湿領域13の順に供給し、除湿運転を行う除湿装置に冷媒熱交換手段2を備えることにより、放湿領域14から放出される高温高湿空気を全面が低温となり水分凝縮に活用できるようなった蒸発器104に供給することができ水分凝縮効率が向上するので、除湿効率の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。