JP2009078196A - 重金属固定化剤およびそれを用いた灰の処理方法 - Google Patents

重金属固定化剤およびそれを用いた灰の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄塩系重金属固定剤を重金属含有灰に添加して重金属の固定処理を行う際の、薬剤添加設備や混練機などの反応容器の金属部の腐食を防止して、処理設備の寿命の延長、メンテナンス費用の軽減を図る。
【解決手段】鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含む灰処理用重金属固定剤。鉄塩系重金属固定剤としては塩化第一鉄および/または硫酸第一鉄が好ましく、金属の腐食抑制剤としてはポリアミン化合物と有機イオウ化合物との併用が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は重金属固定化剤およびそれを用いた灰の処理方法に係り、特に、廃棄物焼却施設や発電プラントなどの焼却プラントから発生する焼却灰や、排ガスに同伴して排出され、除塵された飛灰(以下、これら焼却灰および飛灰を「重金属含有灰」と記載する)を処理して、重金属の溶出を防止するための灰処理用重金属固定剤であって、この重金属固定処理のための処理設備の腐食劣化を防止して、その寿命の延長とメンテナンス費用の軽減を図る灰処理用重金属固定剤と、この灰処理用重金属固定剤を用いた灰の処理方法に関する。
従来、重金属含有灰からの重金属の溶出防止方法として、重金属に重金属固定化剤を添加混練して重金属を固定する方法があり、重金属固定化剤としては、第一鉄化合物とリン酸系重金属固定剤とを併用するものや、第二鉄塩を用いるものなどが提案されている(例えば、特開平10−128273号公報、特開2006−110423号公報)。
特開平10−128273号公報 特開2006−110423号公報
しかしながら、上記処理において用いられる第一鉄化合物などの鉄塩系重金属固定剤は酸性物質であるため、これらを重金属含有灰に添加する際の添加設備や重金属含有灰との混練機などの反応容器の金属部を腐食させ、設備の寿命を短命化したり、メンテナンス費用を高くする問題があった。
即ち、例えば、混練機の内壁を構成する鉄またはステンレスの部分と鉄塩系重金属固定剤とが直接接触し、その部分を腐食させ、設備が短命化し、交換頻度が上がり、多額の修繕コストを要していた。また、重金属固定剤と接触するタンク、ポンプの注入ノズルなどの薬剤注入設備についても同様の問題があった。
本発明は、鉄塩系重金属固定剤を重金属含有灰に添加して重金属の固定処理を行う際の、薬剤添加設備や混練機などの反応容器の金属部の腐食を防止して、処理設備の寿命の延長、メンテナンス費用の軽減を図る技術を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、鉄塩系重金属固定剤と共に金属の腐食抑制剤を併用することにより、金属腐食を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
[2] [1]において、鉄塩系重金属固定剤が塩化第一鉄および/または硫酸第一鉄であることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
[3] [1]または[2]において、金属の腐食抑制剤が、(A)ポリアミン化合物と、(B)有機イオウ化合物とを含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
[4] [3]において、(A)ポリアミン化合物が、下記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンおよび/または下記一般式(2)で表されるポリアミンスルホンであることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
Figure 2009078196
(一般式(1)中、aは2以上の数である。)
Figure 2009078196
(一般式(2)中、bは2以上の数であり、R21,R22はそれぞれ独立にHまたはCHを表し、XはF、Cl、BrもしくはIを表す。)
[5] [3]または[4]において、(B)有機イオウ化合物がチオ尿素化合物であることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、鉄塩系重金属固定剤100重量部に対し、金属の腐食抑制剤を0.1〜10重量部含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
[7] [1]ないし[6]のいずれかに記載の灰処理用重金属固定剤を、重金属含有灰に添加することを特徴とする灰の処理方法。
本発明によれば、鉄塩系重金属固定剤を用いた重金属含有灰の重金属固定処理において、金属の腐食抑制剤を併用することにより、鉄塩系重金属固定剤による金属腐食を抑制して、処理設備の寿命の延長、メンテナンス費用の軽減を図ることができる。
以下に本発明の重金属固定化剤およびそれを用いた灰の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
[灰処理用重金属固定剤]
本発明の灰処理用重金属固定剤は、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含むものである。
<鉄塩系重金属固定剤>
鉄塩系重金属固定剤としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。これらの鉄塩系重金属固定剤のうち、特に重金属の固定効果の面からは、塩化第一鉄、硫酸第一鉄が好ましく、とりわけ塩化第一鉄が好ましい。
<金属の腐食抑制剤>
金属の腐食抑制剤としては、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物とを併用することが好ましい。
金属の腐食抑制剤として、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物とを併用することによる優れた金属の腐食抑制効果は、金属表面への(A)ポリアミン化合物のN原子および(B)有機イオウ化合物のS原子の孤立電子対による化学吸着と夫々の化合物のアルキル鎖による遮蔽作用によるものであり、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物との併用による相乗効果で、鉄塩系重金属固定剤による金属の腐食が十分に抑制される。
((A)ポリアミン化合物)
ポリアミン化合物としては、下記一般式(1)〜(9)で表されるものが挙げられる。
Figure 2009078196
(一般式(1)中、aは2以上の数、好ましくは2〜12である。)
Figure 2009078196
(一般式(2)中、bは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R21,R22はそれぞれ独立にHまたはCHを表し、XはF、Cl、BrもしくはIを表す。)
Figure 2009078196
(一般式(3)中、cは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R31,R32,R33はそれぞれ独立に炭素数が1〜3のアルキル基を表す。)
Figure 2009078196
(一般式(4)中、dは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R41は−CH−、−CHCH−、−ph−CH−(phはフェニレン基)、または−C(O)−O−CH−CH−を表し、R42,R43,R44はそれぞれ独立にHまたはCHを表し、XはF、Cl、BrもしくはIを表す。)
Figure 2009078196
(一般式(5)中、eは2以上の数、好ましくは50〜500であり、R51は−CH−、−CHCH−、または−ph−CH−(phはフェニレン基)を表す。)
Figure 2009078196
(一般式(6)中、fは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R61はピリジル基または−CHNHを表す。)
Figure 2009078196
(一般式(7)中、gは2以上の数、好ましくは2〜10である。アニリン環の結合手はメタ位であることが好ましい。)
Figure 2009078196
(一般式(8)中、hは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R81,R82はそれぞれ独立にHまたはCHを表し、XはF、Cl、BrもしくはIを表す。)
Figure 2009078196
(一般式(9)中、mは1〜4、好ましくは1〜2であり、nは2以上の数、好ましくは10〜100であり、R91は−CH−、−CHCH−、または−ph−CH−(phはフェニレン基)を表す。)
これらのポリアミン化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのうち、特に鉄塩系重金属固定剤との相互溶解性が良好で、かつ腐食抑制性能に優れていることにより、一般式(1)で表される芳香族ポリアミン、一般式(2)で表されるポリアミンスルホンが好ましい。なお、一般式(2)において、Xとしては、特にClが好ましく、R21,R22としてはHが好ましい。
((B)有機イオウ化合物)
有機イオウ化合物としては、チオ尿素、エチレンチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、フエニルチオ尿素、トリルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、S−メチルチオ尿素、N−メチルチオ尿素、ジメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、メチルイソチオ尿素、二酸化チオ尿素、グアニルチオ尿素、ベンジルイソチオ尿素、ジイソブチルチオ尿素などのチオ尿素化合物が最も好適に用いることができるが、その他の有機イオウ化合物として、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、チオグリセロール、チオ酢酸、チオグリコール、3,3−チオジプロピオン酸、チオフェノール、ベンジルメルカプタン、チオ安息香酸、チオサリチル酸、2−アミノチオフェノール、2−メルカプトイミダゾリン、2−メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸−3−メトキシブチル、β−チオプロピロール、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル、2−メルカプトベンゾチアゾール、トリグリコールジメルカプタン、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、ペンタエリストールテトラキスチオグリコレート、3,3−ジチオジプロピオン酸、2,2−ジチオエタノール、エチレングリコールジチオグリコレート、チオジグリコール、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム、チオアセトアミド、イソチアン酸アミド、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、クリオキザール重亜硫酸ナトリウム、チオ乳酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトブチル酸、チオシアン酸ベンジル、ジメチルスルオキシド、ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム、p−ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム、p−トルエンスルホンヒドラジン、メタンスルホン酸、ブタンスルフィン酸、ベンジンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ピリジンスルフィン、ベンゼンスルフィン酸アンモニウム、トルエンスルフィン酸アンモニウム、ベンゼンスルフィン酸エチル、塩化ベンゼンスルフィン酸フィニル、N-メチルベンゼンスルフィニルアミド、ブタンスルフェニルクロライド、塩化ベンゼンスルフェニル、ピリジンスルフェニルクロライド、ブタンジスルホキシド、ベンゼンスルオキシド、ピリジンスルオキシド、ブタンジスルホン、ジフェニルスルホン、ジビリジンスルホン、ベンゼンスルフィン酸、1−チオグリセロールなどを用いても同様の効果を得ることができる。
これらの有機イオウ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
((A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物の使用割合)
金属の腐食抑制剤としての(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物の使用割合は、特に制限はなく、用いるポリアミン化合物および有機イオウ化合物の種類とその組み合わせによっても異なるが、一方が過度に多く、他方が過度に少ないと、両者を併用することによる優れた金属の腐食抑制効果が得られない。
従って、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物の使用割合は、重量比で(A)ポリアミン化合物:(B)有機イオウ化合物=1〜100:1、特に2〜20:1とすることが好ましい。
<鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤との使用割合>
本発明の灰処理用重金属固定剤において、金属の腐食抑制剤の配合割合(即ち、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物との合計の配合割合)は、用いる鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤との組み合わせによっても異なるが、鉄塩系重金属固定剤100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜5.0重量部とすることが好ましい。金属の腐食抑制剤の配合割合がこの下限よりも少ないと、十分な腐食抑制効果を得ることができず、この上限よりも多くても腐食抑制効果は飽和し、また、薬剤コストの高騰を招き、好ましくない。
<その他の成分>
本発明の灰処理用重金属固定剤は、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含むものであるが、必要に応じて、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤以外の成分を含んでいても良い。
例えば、重金属固定成分として、更にリン酸、リン酸塩や、アルミニウム塩化合物の1種または2種以上を配合することができる。また、鉄塩系重金属固定剤として、塩化第一鉄を用いる場合は特に、これと塩酸および/またはリン酸とを組み合わせて用いても良い。
<調製方法>
本発明の灰処理用重金属固定剤は、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤と、更に必要に応じて配合されるその他の成分が予め混合されて一剤化されたものであっても良く、各々別々に貯留されて現場にて混合使用されるものであっても良い。
ただし、金属の腐食抑制剤が鉄塩系重金属固定剤とは別に反応容器の金属部などに塗布されて使用されることは好ましくなく、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤は混合状態で薬注されることが好ましい。これは、金属の腐食抑制剤が予め金属部に塗布されても、重金属含有灰との摩擦等で塗布された金属の腐食抑制剤が剥れ落ち、腐食抑制効果を得ることができなくなるためである。
[灰の処理方法]
本発明の灰の処理方法は、上述のような本発明の灰処理用重金属固定剤を、重金属含有灰に添加することにより、重金属含有灰からの重金属の溶出を防止するものである。
重金属含有灰に対する本発明の灰処理用重金属固定剤の添加量は、重金属含有灰の重金属量や含有される重金属の種類、用いる灰処理用重金属固定剤の薬剤や配合によっても異なるが、通常重金属含有灰に対する鉄塩系重金属固定剤の第1鉄イオン換算の添加量として0.1〜6.0重量%とすることが好ましい。これよりも少ない添加量では十分な重金属固定効果を得ることができず、多くてもそれ以上の効果の向上は望めず、従に薬剤コストが嵩み好ましくない。
通常、本発明の灰処理用重金属固定剤は、水と共に灰処理用重金属固定剤と混練される。水の使用量には特に制限はなく、取り扱い性、作業性に基いて決定されるが、通常重金属含有灰に対して10〜40重量%程度である。
本発明の灰処理用重金属固定剤は、特に、鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含む、有効成分濃度10〜40重量%程度の水溶液として重金属含有灰に添加混練することにより、簡便な操作で重金属含有灰を処理することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において用いた薬剤とその略号は次の通りである。
<(A)ポリアミン化合物>
A−1:一般式(1)で表される芳香族ポリアミン(a=2)
A−2:一般式(2)で表されるポリアミンスルホン(b=25、R21=R22=H、X=Cl)
<(B)有機イオウ化合物>
B−1:チオ尿素
B−2:ジエチルチオ尿素
<アセチレンアルコール>
AA−1:プロパギルアルコール
<第4級アンモニウム塩>
AN−1:1,8−ビス(1−ヒドロキシ−1−ベンジルイミダゾリウムクロライド)−2,2’−オクタン
[腐食試験]
A焼却プラントにおける添加設備、反応器に用いられている金属として、SS400、SUS304、SUS316Lを用いて、腐食抑制効果の確認を行った。
表1に示す配合の灰処理用重金属固定剤に、A焼却プラントから排出される飛灰5gを添加して試験液を調製し、この試験液中に、SS400、SUS304、SUS316Lの各試験片を2時間浸漬したときの腐食速度を下記の式により計算し、結果を表1に示した。
Figure 2009078196
[重金属溶出試験]
表1に示す配合の灰処理用重金属固定剤を、第1鉄イオン換算の塩化第一鉄添加量が飛灰に対して1.4重量%となるように添加すると共に、飛灰に対して25重量%の水を添加して混練した。
得られた処理灰について、環境庁告示第13号で定められた溶出試験を行い、溶出液中の重金属(Cr6+:六価クロム)濃度を分析した。溶出試験結果を表1に示した。
Figure 2009078196
[考察]
表1より次のことが分かる。
金属の腐食抑制剤を含まない比較例1ではいずれの試験片でも大きな腐食が起こる。
従来、金属の腐食抑制に有効とされているアセチレンアルコール(プロパギルアルコール)と第4級アンモニウム塩(1,8−ビス(1−ヒドロキシ−1−ベンジルイミダゾリウムクロライド)−2,2’−オクタン)を配合した実施例11でも、腐食抑制効果が得られるが、金属の腐食抑制剤として(A)ポリアミン化合物および/または(B)有機イオウ化合物を用いたものが好ましく、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物とのいずれか一方のみを用いた実施例7〜10よりも、とりわけ、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物とを併用した実施例1〜6で良好な結果が得られる。なお、実施例5,6に示されるように、(A)ポリアミン化合物と(B)有機イオウ化合物とを併用し、更にアセチレンアルコールまたは第4級アンモニウム塩を用いても、ポリアミン化合物または第4級アンモニウム塩を用いたことによる腐食抑制効果の向上効果は殆ど得られない。
また、これら金属の腐食抑制剤を鉄塩系重金属固定剤に組み合わせても、重金属の固定効果に影響はなく、良好な重金属固定効果が得られる。

Claims (7)

  1. 鉄塩系重金属固定剤と金属の腐食抑制剤とを含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
  2. 請求項1において、鉄塩系重金属固定剤が塩化第一鉄および/または硫酸第一鉄であることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
  3. 請求項1または2において、金属の腐食抑制剤が、(A)ポリアミン化合物と、(B)有機イオウ化合物とを含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
  4. 請求項3において、(A)ポリアミン化合物が、下記一般式(1)で表される芳香族ポリアミンおよび/または下記一般式(2)で表されるポリアミンスルホンであることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
    Figure 2009078196
    (一般式(1)中、aは2以上の数である。)
    Figure 2009078196
    (一般式(2)中、bは2以上の数であり、R21,R22はそれぞれ独立にHまたはCHを表し、XはF、Cl、BrもしくはIを表す。)
  5. 請求項3または4において、(B)有機イオウ化合物がチオ尿素化合物であることを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、鉄塩系重金属固定剤100重量部に対し、金属の腐食抑制剤を0.1〜10重量部含むことを特徴とする灰処理用重金属固定剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の灰処理用重金属固定剤を、重金属含有灰に添加することを特徴とする灰の処理方法。
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