以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側中央部)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示画面では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示部にて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示画面には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、可変表示パターンなどに基づいて決定された可変表示時間が経過すれば、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されることに対応して、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rは、画像表示装置5の表示画面内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示部5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
加えて、画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示部5Hが配置されている。始動入賞記憶表示部5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、発生する。
一例として、始動入賞記憶表示部5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。ここで、この実施の形態では、保留記憶表示を行う際に、可変表示ゲームの始動条件が成立したことに基づく特図保留記憶数は特定できたものの、その始動条件が第1始動条件であるか第2始動条件であるかを特定できない場合に、例えば特図保留記憶数に対応する個数の表示部位を灰色表示に変化させることなどにより、特図保留記憶数の表示態様を所定の表示態様に変更する。
なお、始動入賞記憶表示部5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示部5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示部5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示部5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイドによって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しにくい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図5に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図5に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことによる第1始動入賞の発生に基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことによる第2始動入賞の発生に基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図5に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、遊技者が所定操作(例えば押下操作)することが可能な操作ボタン30が設置されている。遊技者などによる操作ボタン30の操作は、例えば図5に示す操作検出スイッチ24によって検出される。
遊技機用枠3は、ヒンジなどを介して片開き可能となるように、パチンコ遊技機1の外枠に取り付けられている。そして、遊技機用枠3の開放端側には、図2(A)及び(B)に示すような施錠装置50が配置されている。施錠装置50は、長片の板状に形成された固定枠51と、中竿となるスライド枠52とを有し、スライド枠52は、カム板あるいはクランク軸などを介してシリンダー錠60と連結されることで、シリンダー錠60にキーを差し込んで回動させれば、スライド枠52が固定枠51に沿って上下にスライド(摺動)するように構成されている。固定枠51の上下には、係止ベース54A、54Bと、係止爪55A、55Bとから構成された係止部材が、背面側に突出するように取り付けられている。また、固定枠51の上下には、ガラス枠用爪53A、53Bが、前面側に突出するように取り付けられている。
中竿となるスライド枠52は、例えば平板状に形成されており、手持ちが可能な取っ手などは設けられていない。係止ベース54A、54Bと係止爪55A、55Bとから構成される係止部材では、係止爪55A、55Bがパチンコ遊技機1の外枠に取り付けられた受け金具70A、70Bに係止させることにより、遊技機用枠3をパチンコ遊技機1の外枠に対し施錠する。固定枠51と係止爪55A、55Bとの間には、施錠方向に付勢力を生じさせるばね部材56A、56Bが懸けられている。
図3(A)及び(B)は、施錠装置50の上部を拡大して示している。図3(A)及び(B)に示すように、係止爪55Aには、切欠部55Cが形成されており、この切欠部55Cに受け金具70Aが入り込むことにより、遊技機用枠3をパチンコ遊技機1の外枠に対して強固に係止することができる。係止ベース54Aは、連結点57Aにおいて、例えばリベットなどにより回動可能となるように、固定枠51と連結されている。係止爪55Aは、連結点58Aにおいて、例えばリベットなどにより回動可能となるように、係止ベース54Aと連結されている。施錠装置50の下部に設けられた係止ベース54Bと係止爪55Bとから構成される係止部材についても、同様の構成を有していればよい。このような構成によれば、例えば係止ベース54Aなどに指を掛けて係止ベース54Aを倒すことで解錠しようとする不正行為が行われた場合でも、切欠部55Cと受け金具70Aとが強固に係止されていることから、係止ベース54Aを倒すことができず、不正行為による解錠を防止できる。
施錠装置50の上下における係止部材の取付位置には、例えば図4に示すようなカバー59A、59Bが設けられている。カバー59A、59Bは、遊技機用枠3をパチンコ遊技機1の外枠に対して施錠したときに、遊技機用枠3と外枠との隙間から針金などを差し込んで係止爪55A、55Bを受け金具70A、70Bから取り外すことができないように、係止部材の取付位置における固定枠51の外側に配置されていればよい。
こうした施錠装置50において、シリンダー錠60にキーを差し込んで所定方向に回動させると、スライド枠52が上方向にスライドするとともに、図2(B)及び図3(B)に示すように、係止ベース54A、54Bが連結点57Aなどを支点として解錠方向に回動し、係止爪55A、55Bが連結点58Aなどを支点として、ばね部材56A、56Bの付勢力に抗して解錠方向に回動する。これにより、遊技機用枠3とパチンコ遊技機1の外枠との施錠が解除される。その後、シリンダー錠60を元に戻せば、スライド枠52が下方向にスライドして初期位置に戻るとともに、図2(A)及び図3(A)に示すように、係止ベース54A、54Bが連結点57Aなどを支点として施錠方向に回動し、係止爪55A、55Bが連結点58Aなどを支点として、ばね部材56A、56Bの付勢力に応じて施錠方向に回動する。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図5に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図5に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図5に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第1特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1回数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される第2特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置を、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態(「時短遊技状態」あるいは「時間短縮状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、通常大当り図柄(「非確変大当り図柄」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後や、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(「高確率遊技状態」あるいは「確率変動状態」ともいう)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2始動入賞が発生する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御(有利開放制御)が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。確変状態と時短状態とでは、行われる制御が異なるようにしてもよいし、行われる制御の組合せ(同一の制御を含んでも含まなくてもよい)が異なるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示画面では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示画面では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄の加速表示(全図柄加速表示)を行い、所定速度に達すれば、飾り図柄の定速表示(全図柄定速表示)を行う。その後、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の減速表示(各図柄減速表示)を行い、変動速度が「0」となれば、飾り図柄を停留して表示する一方で、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示を行う。そして、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示パターンなどに基づいて決定された可変表示時間に達したときには、可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を減速表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を減速表示(全図柄減速表示)するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示画面にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示部5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示部(例えば「中」の飾り図柄表示部5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。リーチ演出の中には、それが出現すると、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)に比べて大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチ演出をスーパーリーチという。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様、あるいは、飾り図柄の可変表示態様とは異なる演出画像の表示といった演出動作などにより、遊技者に報知するための演出動作が実行されることがある。この実施の形態では、「擬似連」の特定演出となる演出動作が実行可能に設定されている。ここで、「擬似連」の特定演出は、飾り図柄の変動表示を開始した後に全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて仮停止表示させた飾り図柄を再変動表示させる演出表示が所定回行われる演出動作である。また、この実施の形態では、第1保留記憶数や第2保留記憶数に基づいて、あるいは、操作ボタン30の操作に基づいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が、可変表示パターンに対応する可変表示時間よりも短縮される場合に、可変表示時間が短縮されることや、可変表示時間が短縮可能となったことを、遊技者が特定可能に報知するための停止準備演出が実行されることがある。
「擬似連」の特定演出では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連続変動あるいは擬似連再変動)させる演出表示を、所定回行うことができる。一例として、「擬似連」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類の飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。そして、擬似連続変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる割合が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目のいずれかが仮停止表示されることにより、擬似連続変動が行われることを認識でき、擬似連続変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が当りとなることに対する期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の特定演出において、擬似連続変動が1回〜4回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜5回続けて開始されたかのように見せることができる。以下では、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄が停止表示されるまでに実行される擬似連続変動の回数(例えば「1」〜「4」)を擬似連中再変動回数ともいい、擬似連続変動が実行されることにより見かけ上で連続して実行される飾り図柄の変動回数(例えば「2」〜「5」)を擬似連回数ともいう。すなわち、擬似連回数は、擬似連中再変動回数に「1」を加えた数値となる。
「擬似連」の特定演出が実行される飾り図柄の可変表示中には、擬似連続変動の進行に伴って、例えば画像表示装置5の表示領域に所定のキャラクタ画像を表示することや、スピーカ8L、8Rから所定の音声(特別音)を出力させること、遊技効果ランプ9を所定の点灯パターンで点灯させること、所定の演出用役物が備える複数の可動部材を動作させることといった、所定の演出動作が実行されてもよい。一例として、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄を再変動表示させるときには、キャラクタ画像の表示、特別音の出力、ランプの点灯、可動部材の動作のうち、いずれか1つ、あるいは、複数の動作を組み合わせた演出動作が行われることにより、擬似連続変動が行われることを認識可能に放置するようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態または通常状態に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様と称される。こうして「確変」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
なお、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、可変表示態様が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後に、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがあってもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となる場合でも、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの確定飾り図柄ではなく、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがあってもよい。この場合、飾り図柄の可変表示結果として確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで、15ラウンド大当り状態に制御された後に確変状態となることが確定する。その一方で、飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示された場合には、確変状態となるか否かを、飾り図柄の可変表示結果からは遊技者が認識することができなくなる。すなわち、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、大当り遊技状態に制御されることが確定する特定表示結果に含まれるとともに、確変状態に制御されることが確定する特別表示結果に含まれる。その一方で、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、確変状態に制御されることが確定しない特別表示結果以外の特定表示結果に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば突確チャンス目となる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、突確チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、突確チャンス目とは異なる非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがあってもよい。あるいは、特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となる場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあってもよい。このように特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突然確変」あるいは「突確大当り」、「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、確変状態に制御されることになる。
パチンコ遊技機1には、例えば図5に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図5に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、操作検出スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。操作検出スイッチ24も、例えばセンサと称させるものなどのように、操作ボタン30の操作を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1及び第2保留表示器25A、25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれていてもよい。図6(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示している。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図6(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて第1特図の可変表示が開始されることを指定する第1可変表示開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて第2特図の可変表示が開始されることを指定する第2可変表示開始コマンドである。
コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの可変表示パターンを指定する可変表示パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。一例として、可変表示パターン指定コマンドでは、指定する可変表示パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、可変表示パターンに対応する可変表示時間が設定される。可変表示パターン指定コマンドでは、可変表示パターンに応じたEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12の側において、指定された可変表示パターンに対応する可変表示時間を特定可能となっている。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図6(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」と「大当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」、「確変」、「突確」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「通常」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、可変表示パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、可変表示パターン指定コマンドに示される可変表示パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、可変表示パターンと可変表示結果(「ハズレ」と「大当り」のいずれか、および、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、可変表示パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、可変表示パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示を停止して可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示することによる可変表示結果の確定を指定する飾り図柄確定コマンドである。
図6(A)に示すコマンド90XXHは、特別図柄や飾り図柄の可変表示中の所定期間にて、可変表示時間を短縮させる場合に伝送され、飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させるための停止準備表示の開始を指定する停止準備コマンドである。一例として、この実施の形態では、図6(C)に示すような第1〜第3停止準備コマンドが用意されている。ここで、第1停止準備コマンドとなるコマンド9000Hは、可変表示パターンに対応する可変表示時間を短縮して、2秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させることを通知するコマンドである。第2停止準備コマンドとなるコマンド9001Hは、可変表示パターンに対応する可変表示時間を短縮して、1秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させることを通知するコマンドである。第3停止準備コマンドとなるコマンド9002Hは、遊技者が可変表示時間を短縮するために行う操作ボタン30の操作が有効化されたことを通知するコマンドである。
図6(A)に示すコマンド9100Hは、操作ボタン30の操作が有効化された後、操作検出スイッチ24により操作ボタン30の操作が検出されたことを通知する操作検出通知コマンドである。コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
図6(A)に示すコマンドA1XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば当り開始指定コマンドなどと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、当り開始指定コマンドなどにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、保留記憶数通知コマンドは、例えば第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したことに対応して、可変表示パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信されてもよい。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図13に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの合計記憶数(例えば「0」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの合計記憶数(例えば「0」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときや、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの合計記憶数を特定することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、ゲーム制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
主基板11では、例えば図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図7は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、リーチ決定用の乱数値MR3、可変表示パターン決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、飾り図柄の可変表示態様を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類の特定可変表示種別としての大当り種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ決定用の乱数値MR3は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
可変表示パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の可変表示パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「150」の範囲の値をとる。なお、飾り図柄の可変表示パターンを決定することにより、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄の変動を開始してから確定特別図柄を停止表示するまでの可変表示時間も決定される。すなわち、飾り図柄の可変表示パターンは、特別図柄の可変表示パターンにもなっている。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図8は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図8(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図8(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bはそれぞれ、図13に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、大当り決定値データやハズレ決定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図9は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、可変表示結果が「大当り」となる旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131は、図13に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図指定バッファの値(特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「通常」、「確変」、「突確」の大当り種別に割り当てる決定用データなどから構成されている。また、大当り種別決定テーブル131は、図13に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて決定された大当り種別に対応した「0」〜「2」のうちでいずれかに設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
ここで、図9に示す大当り種別決定テーブル131の設定では、特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する大当り種別決定用の乱数値MR2の割当てが異なっている。特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行される場合には「1」に設定される一方で、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には「2」に設定される。図9に示す設定例では、特図指定バッファ値が「1」である場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2のうち「83」〜「100」の範囲の値が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、特図指定バッファ値が「2」である場合には、「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。また、大当り種別が「通常」や「確変」である場合には、15回開放遊技が行われるのに対して、大当り種別が「突確」である場合には、2回開放遊技が行われる。そして、第1開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされた場合には、大当り種別が「突確」となってラウンド数が「2」の2回開放遊技が行われる可能性がある。これに対して、第2開始条件の成立に基づいて大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされた場合には、大当り種別が「通常」と「確変」のいずれかとなるため、2回開放遊技は行われず、ラウンド数が「15」の15回開放遊技が行われることになる。こうして、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに比べて多くなるように決定されることになる。
図10は、ROM101に記憶されるリーチ決定テーブル132の構成例を示している。リーチ決定テーブル132は、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定がなされたときに、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを、リーチ決定用の乱数値MR3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。リーチ決定テーブル132は、「非リーチ」とするか「リーチ」とするかのリーチ決定結果のそれぞれに対して、リーチ決定用の乱数値MR3を割り当てる決定用データなどから構成されている。
ここで、図10に示すリーチ決定テーブル132の設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「204」の範囲の値を「非リーチ」とするリーチ決定結果に割り当てる一方で「205」〜「239」の範囲の値を「リーチ」とするリーチ決定結果に割り当てる。また、合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「217」の範囲の値を「非リーチ」とするリーチ決定結果に割り当てる。さらに、合計保留記憶数が「2」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「220」の範囲の値を「非リーチ」とするリーチ決定結果に割り当てる。合計保留記憶数が「3」または「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合のそれぞれに対応して、リーチ決定用の乱数値MR3のうち「1」〜「230」の範囲の値を「非リーチ」とするリーチ決定結果に割り当てる。このような設定により、合計保留記憶数が所定数(例えば「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、「非リーチ」に対応した可変表示パターンにおける平均的な可変表示時間は、「リーチ」に対応した可変表示パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されている。これにより、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。なお、「非リーチ」とする決定結果や「リーチ」とする決定結果に対するリーチ決定用の乱数値MR3の割当ては、合計保留記憶数だけでなく、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態のいずれであるかなどに応じて、異ならせるようにしてもよい。一例として、確変状態であることに対応して確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときに比べて、「非リーチ」とするリーチ決定結果に多くのリーチ決定用の乱数値MR3が割り当てられるように設定してもよい。このような設定によれば、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合を、低くすることができる。
図11は、ROM101に記憶される可変表示パターンテーブル133の構成例を示している。可変表示パターンテーブル133は、特別図柄や飾り図柄の可変表示で使用される複数種類の可変表示パターンに関する情報を含んだテーブルデータなどから構成されている。図11に示す構成例では、特図表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、各可変表示パターンの名称、可変表示時間(秒)、可変表示時間の短縮が可能な可変表示パターン(図11では「○」で示す)であるか短縮が不可能な可変表示パターン(図11では「×」で示す)であるかを示す「短縮許可」、「擬似連」の特定演出を実行するか否か、可変表示時間の短縮が可能な可変表示パターンについては、短縮待機期間(秒)、及び、短縮禁止期間(秒)などが、対応付けられて記憶されている。ここで、特図表示結果は、図8(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aあるいは図8(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを参照することにより、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データに合致する場合には「大当り」となり、ハズレ決定値データに合致する場合には「ハズレ」となる。短縮待機期間は、可変表示パターンに応じた特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから、可変表示時間を短縮させるための条件が成立した場合でも、その可変表示開始からの経過時間が少ないために可変表示時間の短縮が認められず短縮動作の待機が行われる期間である。短縮禁止時間は、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が停止表示される以前に、可変表示時間を短縮させるための条件が成立した場合でも、その可変表示の残存時間が少ないために短縮動作が禁止される期間である。
この実施の形態では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた可変表示パターンとして、可変表示態様が「非リーチ」となる非リーチハズレパターンと、可変表示態様が「リーチ」となるリーチハズレパターンとが用意されている。非リーチハズレパターンには、図11に示す非リーチA〜非リーチDの可変表示パターンが含まれている。リーチハズレパターンには、図11に示すノーマル、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンが含まれている。ここで、ノーマルの可変表示パターンでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、例えば「中」の飾り図柄表示部5Cにて飾り図柄の減速表示が行われてから、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンでは、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、例えばノーマルの可変表示パターンとは異なる特別のリーチ演出が行われてから、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。また、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンでは、互いに異なるリーチ演出が行われる。特図表示結果が「大当り」となる場合に応じた可変表示パターンとしては、大当り種別が「通常」あるいは「確変」となる場合に対応した15ラウンド大当りパターンと、大当り種別が「突確」となる場合に対応した2ラウンド大当りパターンとが用意されている。15ラウンド大当りパターンと2ラウンド大当りパターンは、大当りパターンともいう。15ラウンド大当りパターンには、図11に示すノーマル、スーパーA〜スーパーDの可変表示パターンが含まれている。なお、これらの可変表示パターンは、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合の可変表示パターンと共通の可変表示パターンとして用意され、最終停止図柄となる確定飾り図柄だけを異ならせるものであってもよいし、可変表示結果が「ハズレ」となる場合の可変表示パターンとは別個の可変表示パターンとして用意されてもよい。2ラウンド大当りパターンには、図11に示す特異A〜特異Cの可変表示パターンが含まれている。特異A〜特異Cの可変表示パターンでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となることに対応して、特別の演出動作が行われてから、あるいは、特別の演出動作が行われることなく、最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示される。
図12(A)は、ROM101に記憶される大当りパターン決定テーブル134Aの構成例を示している。図12(B)は、ROM101に記憶されるリーチハズレパターン決定テーブル134Bの構成例を示している。図12(C)は、ROM101に記憶される非リーチハズレパターン決定テーブル134Cの構成例を示している。大当りパターン決定テーブル134Aは、可変表示結果を「大当り」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類の大当りパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。リーチハズレパターン決定テーブル134Bは、可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様を「リーチ」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類のリーチハズレパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。非リーチハズレパターン決定テーブル134Cは、可変表示結果を「ハズレ」とし可変表示態様を「非リーチ」とする決定結果に基づいて、可変表示パターンを複数種類の非リーチハズレパターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当りパターン決定テーブル134Aは、図13に示す遊技制御バッファ設定部155に格納された大当り種別バッファ値が「0」〜「2」のいずれであるかに応じて、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。リーチハズレパターン決定テーブル134Bは、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。非リーチハズレパターン決定テーブル134Cは、図13に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグや時短フラグがオフであるかオンであるかに応じて、また、合計保留記憶数に応じて、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を、複数種類の可変表示パターンに割り当てる決定用データなどから構成されている。
図12(C)に示す非リーチハズレパターン決定テーブル134Cでは、確変フラグや時短フラグがオフである場合に、合計保留記憶数が所定数(例えば「4」)以上であれば、非リーチAの可変表示パターンに対して可変表示パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられていない一方で、非リーチCの可変表示パターンに対しては乱数値MR4が割り当てられている。これに対して、合計保留記憶数が所定数未満であれば、非リーチAの可変表示パターンに対して乱数値MR4が割り当てられている一方で、非リーチCの可変表示パターンに対しては乱数値MR4が割り当てられていない。そして、図11に示すように、非リーチCの可変表示パターンでは非リーチAの可変表示パターンに比べて、可変表示時間が短くなるように設定されている。これにより、保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を短縮することができる。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図13に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図13に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aには、第1保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。第1特図保留記憶部151Aに記憶される保留データは、第1保留データとも称される。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bには、第2保留記憶数の上限値(例えば「4」)に対応した領域が確保され、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。第2特図保留記憶部151Bに記憶される保留データは、第2保留データとも称される。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cには、合計保留記憶数の上限値(例えば「8」)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する。「第1」の始動データは、第1保留データに含まれてもよい。「第2」の始動データは、第2保留データに含まれてもよい。
なお、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151B、始動データ記憶部151Cは、別々に設けるようにしてもよいし、これらを組み合わせた記憶領域を設けるようにしてもよい。一例として、図14に示すように、始動データ記憶領域と乱数値記憶領域とを組み合わせた領域を8つ含む記憶領域を設けるようにしてもよい。図14に示す構成において、始動データ記憶領域と乱数値記憶領域の各領域には、RAM102における連続したアドレスが割り当てられればよい。
図14に示す構成では、例えば合計保留記憶数に基づいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの値を更新することによって、空き領域の先頭となる始動データ記憶領域に、始動データをセットする。このとき、空き領域の先頭を特定するには、例えば1つの保留データ(始動データと乱数値を示す数値データ)におけるデータ数を合計保留記憶数に乗算した値に1加算した値(始動データ記憶領域1つ分を加算した値)を、アドレスのオフセット値として特定する。こうして特定したオフセット値に従ってポインタの値を更新すればよい。図14に示す構成では、1つの保留データに対応して始動データ記憶領域と乱数値記憶領域が1つずつの合計2つのデータ格納領域が設けられている。そこで、合計保留記憶数を2倍した値に1加算した値がアドレスのオフセット値として特定される。一例として、合計保留記憶数が「3」である場合には、オフセット値として「+7」(合計保留記憶数「3」を2倍した後に1加算した値)が特定され、このオフセット値に対応した始動データ記憶領域に始動データをセットすることになる。また、1つの保留データに対応して1つの始動データ記憶領域と2つの乱数値記憶領域との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値に1加算した値(始動データ記憶領域1つ分を加算した値)が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を図14に示す保留番号「1」に対応した始動データ記憶領域とする場合には、1つの保留データにおけるデータ数を合計保留記憶数に乗算した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。例えば、図14に示す構成では、合計保留記憶数を2倍した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。また、1つの保留データに対応して1つの始動データ記憶領域と2つの乱数値記憶領域との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合計保留記憶数を3倍した値が、アドレスのオフセット値として特定されればよい。こうして始動データ記憶領域に始動データをセットした後には、アドレスを指定するポインタの値を1加算して、加算後のポインタが指すアドレスの乱数値記憶領域に、乱数値を示す数値データを格納すればよい。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグ、第1及び第2上限値フラグ、操作有効フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために、図18のステップS15にて実行される図19に示すような特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために、図18のステップS16にて実行される普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときに、その可変表示における表示結果を「大当り」とする旨の決定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、表示結果が「大当り」となる可変表示が終了することなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。第1上限値フラグは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していることに対応してオン状態にセットされる。第2上限値フラグは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していることに対応してオン状態にセットされる。
操作有効フラグは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示時間を短縮するための遊技者による操作ボタン30の所定操作(例えば押下操作など)が有効とされたときにオン状態にセットされる。また、操作有効フラグは、操作ボタン30の操作が検出された場合や、可変表示時間の短縮が禁止される短縮禁止期間の開始に対応して、クリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、可変表示タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
可変表示タイマは、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間といった可変表示ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、可変表示タイマは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が停止表示されるまでの残存時間を計測するためのタイマ値を示すデータを、可変表示タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、可変表示タイマは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてからの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104におけるハードウェアによる更新とは異なり、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数として、特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口が開放状態となる回数を特定可能にカウントするためのものである。例えば、大入賞口開放回数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にクリアされることにより、カウント初期値となる「0」を示すデータが設定される。そして、大当り遊技状態におけるラウンドにて大入賞口が開放状態となることに対応して、大入賞口開放回数カウンタの値(大入賞口開放回数カウント値)が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。一例として、送信コマンドバッファには、主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納する演出制御コマンドバッファが含まれていればよい。そして、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、特図指定バッファの値(特図指定バッファ値)が「1」に設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、特図指定バッファ値が「2」に設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、特図指定バッファ値が「0」に設定されるようにすればよい。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様を、「通常」、「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図9に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「通常」の場合には大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)が「0」に設定され、大当り種別が「確変」の場合には大当り種別バッファ値が「1」に設定され、大当り種別が「突確」の場合には大当り種別バッファ値が「2」に設定される。
図5に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。一例として、I/O105には、図15に示すようなビット割当てを有する入力ポートIP00が含まれている。図15に示す入力ポートIP00では、第0ビット(ビット0)にカウントスイッチ23の検出信号が入力され、第1ビット(ビット1)にゲートスイッチ21の検出信号が入力され、第3ビット(ビット3)に操作検出スイッチ24の検出信号が入力され、第6ビット(ビット6)に第2始動口スイッチ22Bの検出信号が入力され、第7ビット(ビット7)に第1始動口スイッチ22Aの検出信号が入力される。
演出制御基板12には、図5に示すように、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出したプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対して情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。例えば、ROM121が記憶する決定テーブルには、複数種類の飾り図柄決定テーブルや演出決定テーブルなどが含まれている。飾り図柄決定テーブルは、画像表示装置5の表示画面における飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄などを決定するために用いられるテーブルである。
ROM121が記憶する制御パターンテーブルには、例えば図16(A)に示すような演出制御パターンテーブル160が含まれている。図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160には、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンなどに対応して選択可能となる複数種類の演出制御パターンが格納されている。また、演出制御パターンテーブル160には、大当り遊技状態に制御されている期間における各種の演出制御に対応した複数種類の演出制御パターンが格納されていてもよい。
図16(B)は、図16(A)に示す各演出制御パターンの構成例を示している。図16(B)に示すように、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ初期値を示すデータや、表示制御パターン、音声制御パターン、ランプ制御パターンを構成するパターンデータを含んでいる。ここで、演出制御プロセスタイマ初期値は、各演出制御パターンに対応した演出動作の制御を開始する際に、例えば図17に示す演出制御タイマ設定部192などに設けられた演出制御プロセスタイマにセットされるタイマ初期値である。表示制御パターンは、各種の演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させる動作の制御パターンであり、例えば表示制御用タイマ判定値や表示制御データといった制御データを含んで構成される。音声制御パターンは、スピーカ8L、8Rから演出用音声を出力させるための制御パターンであり、例えば音声制御用タイマ判定値や音声制御データといった制御データを含んで構成される。ランプ制御パターンは、遊技効果ランプ9を点灯、消灯、点滅などさせるための制御パターンであり、例えばランプ制御用タイマ判定値やランプ制御データといった制御データを含んで構成される。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図17に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図5に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作ボタン30から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各スイッチ21、22A、22B、23、24などから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のエラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4などの少なくとも一部をソフトウェアにより更新するためのメイン側乱数値更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセス処理は、第1特図と第2特図で兼用とされている。すなわち、特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームと第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームとを、共通の処理ルーチンによって制御する処理とされている。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図20及び図21は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図20及び図21に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことを検出する第1始動口スイッチ22Aと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことを検出する第2始動口スイッチ22Bとのうち、少なくともいずれかのスイッチから伝送される検出信号がオン状態であるか否か、すなわち、第1始動入賞と第2始動入賞の少なくともいずれかが発生したか否かを、判定するための処理を実行する。より具体的には、図15に示す入力ポートIP00のデータを読み出して、例えばレジスタやRAM102の所定領域にロードする(図20のステップS201)。そして、ロードした内容(ロード結果)とC0Hとのビットごとの論理積演算を行い、演算結果が「0」であるか否かを判定する(ステップS202)。あるいは、例えば前回の判定で演算結果が「0」ではないと判定された後、今回の判定で演算結果が「0」となった場合に、演算結果が「0」ではない旨の判定が行われるようにしてもよい。ここで、論理積演算に用いられる16進数の判定用データC0Hは、入力ポートIP00において、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bからの検出信号の入力ビット(第7ビット及び第6ビット)に対応する値を示している。なお、入力ポートIP00の内容を直接ロードするものに限定されず、例えばスイッチ処理(図18のステップS11)で入力ポートIP00の内容をRAM102の所定領域に設定しておき、ステップS201の処理では、その内容をロードするようにしてもよい。また、ステップS202の処理では、ロード結果の第0ビット(ビット0)〜第5ビット(ビット5)をマスク(“0”に設定)した後、00Hとの排他的論理和を求める演算を行うようにしてもよい。
ステップS202にて演算結果が「0」であれば(ステップS202;Yes)、始動入賞処理を終了する。これに対して、演算結果が「0」ではない場合には(ステップS202;No)、ロード結果の第6ビット(ビット6)が“1”であるか否かを判定する(ステップS203)。図15に示すように、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には、ロード結果の第6ビット(ビット6)が“1”となる。すなわち、ロード結果の第6ビット(ビット6)が“1”であるときには、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であることになる。また、ロード結果の第6ビット(ビット6)が“1”ではないときには、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であることになる。
ステップS203にて“1”であると判定された場合には(ステップS203;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの値(始動口バッファ値)を、「2」に設定する(ステップ204)。これに対して、ステップS203にて“1”ではないと判定された場合には(ステップS203;No)、始動口バッファ値を「1」に設定する(ステップS205)。
続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS206)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み出す。そして、ステップS206における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS207)。
ステップS207にて読出値が上限値に達していないと判定された場合には(ステップS207;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS208)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU103は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算する(ステップS209)。
ステップS209の処理に続いて、CPU103は、始動口バッファ値に応じた始動データを、始動データ記憶部151Cにおける空き領域の先頭にセットして記憶させる(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、「第1」を示す始動データをセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、「第2」を示す始動データをセットする。そして、CPU103は、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS211)。このときには、ステップS211にて抽出した各乱数値を示す数値データが始動口バッファ値に応じた第1特図保留記憶部151Aあるいは第2特図保留記憶部151Bにおける空き領域の先頭に保留データとしてセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS212)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに保留データがセットされ、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに保留データがセットされる。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図18のステップS17にてコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。そして、CPU103は、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS214)。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが、第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されるとともに、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが、第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されている場合には、ステップS213、S214の処理として第1始動口入賞指定コマンドテーブルと第2始動口入賞指定コマンドテーブルのうち、始動口バッファ値に応じたコマンドテーブルの記憶アドレスだけを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すればよい。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18のステップS17にてコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS207にて読出値が上限値に達している場合には(ステップS207;Yes)、始動口バッファ値に応じた上限値フラグをオン状態にセットする(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1上限値フラグをオン状態にセットし、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2上限値フラグをオン状態にセットする。
ステップS214、S215の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS216)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS216;Yes)、ステップS201におけるロード結果の第7ビット(ビット7)が“1”であるか否かを判定する(ステップS217)。このとき、ロード結果の第7ビット(ビット7)が“1”であれば(ステップS217;Yes)、ステップS205の処理に進む。これにより、ロード結果の第6ビット(ビット6)と第7ビット(ビット7)とがともに“1”である場合、すなわち、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとが同時にオン状態となった場合に、第6ビット(ビット6)に対応する第2始動口スイッチ22BについてステップS206〜S215の処理を実行した後、直ちに第7ビット(ビット7)に対応する第1始動口スイッチ22Aについて、ステップS206〜S215の処理を実行することができる。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時にオン状態となった場合には、2ミリ秒内(1回の遊技制御用タイマ割込み処理内)で実行される処理によって、双方のスイッチがオン状態となったことに基づく処理が実行される。これにより、例えば、遊技球を検出したスイッチから伝送される検出信号がオン状態となる期間が極めて短いような状況が生じても、確実にスイッチがオン状態となったことに基づく処理を完了できる。また、2ミリ秒内で、双方のスイッチがオン状態となったことに基づいてステップS206〜S215の処理が完了するので、ソフトウェアによって更新される乱数値が更新されないうちに乱数値を示す数値データが抽出される。そのため、入賞タイミングに対応した正確なソフトウェア乱数の値を抽出することができる。
ステップS216にて始動口バッファ値が「2」ではないと判定された場合や(ステップS216;No)、ステップS217にて第7ビット(ビット7)が“1”ではないと判定された場合には(ステップS217;No)、ステップS201におけるロード結果の第6ビット(ビット6)と第7ビット(ビット7)の双方が“1”であるか否かを判定する(図21のステップS218)。このとき、第6ビット(ビット6)と第7ビット(ビット7)のうち、少なくともいずれか一方が“1”ではない場合には(ステップS218;No)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS219)。そして、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS219;Yes)、図20のステップS201におけるロード結果の第6ビット(ビット6)が“1”であるか否かを判定する(ステップS220)。ここで、図20のステップS203、S204の処理では、第6ビット(ビット6)が“1”であることに対応して始動口バッファ値が「2」に設定される。そのため、始動口バッファ値が「2」であれば、第6ビット(ビット6)が“1”であるのが正常である。
ステップS220にて第6ビット(ビット6)が“1”ではないと判定された場合には(ステップS220;No)、図20のステップS203における判定結果とロード結果や始動口バッファ値とが整合していないことから、ステップS203における判定をやり直すための設定を行う。このときには、第2上限値フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS221)、オフであれば(ステップS221;No)、第2保留記憶数カウント値と合計保留記憶数カウント値とを1減算する(ステップS222)。また、ステップS222の処理では、例えば送信コマンドバッファのバッファ領域に格納されている第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスと、保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスとを消去することなどにより、図20のステップS213、S214にて行なわれたコマンドの送信設定を取り消せばよい。より具体的には、まず、送信コマンドバッファにおける送信コマンドポインタの値を1減算するとともに、減算後の送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域をクリアすることで、保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを消去する。その後、さらに送信コマンドポインタの値を1減算するとともに、減算後の送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域をクリアすることで、第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを消去する。なお、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データも含んでいる場合には、送信コマンドポインタの値を1減算して対応するバッファ領域をクリアする処理が、1回だけ実行されるようにすればよい。
また、ステップS219にて始動口バッファ値が「2」ではない場合には(ステップS219;No)、図20のステップS201におけるロード結果の第7ビット(ビット7)が“1”であるか否かを判定する(ステップS223)。ここで、図20のステップS203、S205の処理では、第6ビット(ビット6)が“1”ではないことに対応して始動口バッファ値が「1」に設定される。そして、図20のステップS202ではロード結果とC0Hとの論理積演算の結果が「0」ではないと判定されていることから、始動口バッファ値が「1」であれば、第7ビット(ビット7)が“1”であるのが正常である。
ステップS223にて第7ビット(ビット7)が“1”ではないと判定された場合には(ステップS223;No)、図20のステップS203における判定結果とロード結果や始動口バッファ値とが整合していないことから、ステップS203における判定をやり直すための設定を行う。このときには、第1上限値フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS224)、オフであれば(ステップS224;No)、第1保留記憶数カウント値と合計保留記憶数カウント値とを1減算する(ステップS225)。また、ステップS225の処理では、例えば送信コマンドバッファに格納されている第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスと、保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスとを消去することなどにより、図20のステップS213、S214にて行なわれたコマンドの送信設定を取り消せばよい。より具体的には、まず、送信コマンドバッファにおける送信コマンドポインタの値を1減算するとともに、減算後の送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域をクリアすることで、保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを消去する。その後、さらに送信コマンドポインタの値を1減算するとともに、減算後の送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域をクリアすることで、第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを消去する。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データも含んでいる場合には、送信コマンドポインタの値を1減算して対応するバッファ領域をクリアする処理が、1回だけ実行されるようにすればよい。
ステップ221にて第2上限値フラグがオンである場合や(ステップS221;Yes)、ステップS224にて第1上限値フラグがオンである場合(ステップS224;Yes)、あるいは、ステップS222、S225の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファをクリアするとともに(ステップS226)、上限値フラグをクリアしてから(ステップS227)、図20に示すステップS201の処理に戻る。
他方、ステップS218にて第6ビット(ビット6)と第7ビット(ビット7)の双方が“1”であると判定された場合や(ステップS218;Yes)、ステップS220にて第6ビット(ビット6)が“1”であると判定された場合(ステップS220;Yes)、あるいは、ステップS223にて第7ビット(ビット7)が“1”であると判定された場合には(ステップS223;Yes)、ロード結果と始動口バッファ値との対応関係が正常であり、図20のステップS203における判定結果とロード結果や始動口バッファ値とが整合していることから、始動口バッファをクリアするとともに(ステップS228)、上限値フラグをクリアしてから(ステップS229)、始動入賞処理を終了する。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、入力ポートIP00に入力された検出信号に基づいて図20のステップS203の処理を実行する。その後、図21のステップS220での判定や、ステップS223での判定により、ステップS203での判定結果とロード結果や始動口バッファ値とが整合していないことが判明したときには、ステップS203の処理を再度実行する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bのいずれが遊技球を検出したのかが確実に判定される。例えば、第1保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達しているときに第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出された場合には、その遊技球による始動入賞は無効とされるのが正常である。ところが、図20のステップS203にて、その始動入賞が誤って第2始動口スイッチ22Bによって検出されたものであると判定されると、第2保留記憶数が上限値に達していなければ、図20のステップS208〜S214により、第2保留記憶数が1加算されるなど、第2始動入賞口への有効な始動入賞であるとされて処理が進められてしまう。この実施の形態では、図21のステップS218〜S227の処理を実行することにより、有効な始動入賞とされるべきではないのに誤って有効な始動入賞とされてしまう状況が生じる可能性を、低減することができる。
なお、図20ステップS203の判定を繰り返し行うように構成しなくてもよい。この場合には、図21のステップS218〜S227の処理を実行せずに、ステップS228の処理に進めばよい。これにより、図20のステップS203の判定を繰り返すことができるように構成した場合に比べて、プログラム容量を削減することができる。また、図20のステップS203の判定を際限なく繰り返してしまう事態を防止するために、ステップS203の判定を所定回数(例えば2回)繰り返した後には、図21のステップS220にて第6ビット(ビット6)が“1”ではないと判定された場合やステップS223にて第7ビット(ビット7)が“1”ではないと判定された場合でも、ステップS221、S222の処理やステップS224、S225の処理を実行してから、ステップS228の処理に進んで始動入賞処理を終了させればよい。これにより、ノイズ等の影響によって図20のステップS203の判定を際限なく繰り返してしまい、パチンコ遊技機1における遊技制御が進行しなくなってしまう事態を防止することができる。
あるいは、ステップS203の判定を1回実行しただけであっても、図21のステップS220にて第6ビット(ビット6)が“1”ではないと判定された場合やステップS223にて第7ビット(ビット7)が“1”ではないと判定された場合に、ステップS221、S222の処理やステップS224、S225の処理を実行してから、ステップS228の処理に進んで始動入賞処理を終了させてもよい。ステップS222にて減算される前の第2保留記憶数カウント値に対応する第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶や、ステップS225にて減算される前の第1保留記憶数カウント値に対応する第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶、及び、ステップS222、S225のいずれかにて減算される前の合計保留記憶数カウント値に対応する始動データ記憶部151Cにおける始動データの記憶は、図20のステップS210、S212の処理が次回実行されたときに、新たな始動データや保留データによって上書きされることになる。これに対して、図21のステップS221にて第2上限値フラグがオフであると判定された場合には、ステップS222の処理を実行する前に、第2保留記憶数カウント値に対応する保留データの記憶を消去するとともに、合計保留記憶数カウント値に対応する始動データの記憶を消去するようにしてもよい。また、ステップS224にて第1上限値フラグがオフであると判定された場合には、ステップS225の処理を実行する前に、第1保留記憶数カウント値に対応する保留データを消去するとともに、合計保留記憶数カウント値に対応する始動データの記憶を消去するようにしてもよい。
こうした始動入賞処理では、図20のステップS201、S202の処理により、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号と、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号のうち、少なくともいずれか一方がオン状態となったか否かが判定される。すなわち、第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件と、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件のうち、少なくともいずれか一方が生じたか否かを、共通の処理ルーチンにより判定している。そして、ステップS202にて少なくともいずれか一方の始動条件が生じたと判定されると、図20のステップS203〜S205の処理により、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であることに対応して始動口バッファ値が「1」に設定され、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であることに対応して始動口バッファ値が「2」に設定される。その後、ステップS206〜S215の処理では、始動口バッファ値に応じた設定や処理が行われる。すなわち、第1始動条件と第2始動条件のうち少なくともいずれか一方が生じた旨の判定がなされたことに基づいて、第1始動条件と第2始動条件のうちいずれが成立したかを特定するとともに、特定された始動条件に応じた設定や処理が、共通の処理ルーチンにより実行されている。このように、ステップS203〜S215の処理は、共通の処理ルーチンにおいていずれの始動条件が成立したかを特定するなどの始動時処理となる。
図19に示すステップS101にて以上のような始動入賞処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄とハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の可変表示パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かのリーチ決定結果などに基づいて、可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄可変表示処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄可変表示処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を可変表示させるための設定を行う処理や、その特別図柄が可変表示を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が可変表示パターンに対応する可変表示時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。これに対して、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。加えて、特別図柄停止処理では、時短状態や確変状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したか否かの判定を行い、達している場合には時短状態や確変状態を終了して通常状態に制御するための処理などが実行されてもよい。一例として、時短状態を終了するときには、遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグをクリアしてオフ状態とする。他の一例として、確変状態を終了するときには、遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大入賞口開放回数最大値の設定に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大入賞口開放回数最大値が15ラウンド大当り状態に対応した「15」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定する。これに対して、大入賞口開放回数最大値が2ラウンド大当り状態に対応した「2」に設定されている場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイドに対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、その大当り遊技状態の終了に対応した各種の設定を行う処理などが含まれている。加えて、大当り終了処理では、大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を時短状態や確変状態に制御するための処理などが実行されてもよい。一例として、時短状態に制御するときには、時短フラグをオン状態にセットする。他の一例として、確変状態に制御するときには、確変フラグをオン状態にセットする。
図22(A)は、図19のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図22(A)に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値が「0」であるか否か、すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS241)。このとき、合計保留記憶数カウント値が「0」以外であれば(ステップS241;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS242)。このときには、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
ステップS242の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS243)。そして、ステップS242にて読み出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(ステップS244)。
ステップS244にて始動データが「第1」であると判定された場合には(ステップS244;第1)、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始する第1開始条件が成立したことに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた特図指定バッファの値(特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS245)。他方、ステップS244にて始動データが「第2」であると判定された場合には(ステップS244;第2)、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始する第2開始条件が成立したことに対応して、特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS246)。
ステップS245、S246の処理のいずれかを実行した後には、ステップS242にて読み出した始動データに応じた特図保留記憶部から、保留データを読み出す(ステップS247)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す。
ステップS247の処理に続いて、始動データに応じた保留記憶数カウント値を1減算するとともに、始動データに応じた特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS248)。例えば、始動データが「第1」である場合には、第1保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。これに対して、始動データが「第2」である場合には、第2保留記憶数カウント値を1減算するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる。
ステップS248の処理に続いて、可変表示結果を「ハズレ」と「大当り」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、始動データに応じた特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS249)。例えば、始動データが「第1」であれば図8(A)に示す特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルとしてセットする一方で、始動データが「第2」であれば図8(B)に示す特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルとしてセットする。CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、ステップS244にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、大当り決定値データと合致するか否かを判定する(ステップS250)。
ステップS250にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致した場合には(ステップS250;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS251)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図9に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS252)。そして、ステップS247にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、ステップS252にてセットした大当り種別決定テーブル131を参照することにより、大当り種別を、「通常」、「確変」、「突確」という複数種類のうち、いずれかの大当り種別に決定する(ステップS253)。なお、ステップS246の処理で特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、大当り種別決定テーブル131にて「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り当てられていないことから、大当り種別が「突確」に決定されることはない。ステップS253の処理では、決定された大当り種別に対応して、大当り種別バッファ値が「0」〜「2」のいずれかに設定される。
ステップS253の処理を実行した後には、大入賞口開放回数最大値を設定する(ステップS254)。このときには、例えば図22(B)に示すように、ステップS253にて設定された大当り種別バッファ値が「0」及び「1」のいずれかであれば、大入賞口開放回数最大値を15回開放遊技に対応した「15」に設定する。大当り種別バッファ値は、ステップS253にて決定された大当り種別が「通常」である場合に、「0」に設定され、ステップS253にて決定された大当り種別が「確変」である場合に、「1」に設定される。これに対して、ステップS253にて設定された大当り種別バッファ値が「2」であれば、大入賞口開放回数最大値を2回開放遊技に対応した「2」に設定する。大当り種別バッファ値は、ステップS253にて決定された大当り種別が「突確」である場合に、「2」に設定される。
ステップS250にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致しない場合や(ステップS250;No)、ステップS254の処理を実行した後には、可変表示結果の決定結果や大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS255)。一例として、ステップS250にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致しない場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS250にて乱数値MR1を示す数値データが大当り決定値データと合致した場合には、ステップS253における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。さらに、大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS255にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を可変表示パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS256)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS241にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS241;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS257)、特別図柄通常処理を終了する。
図23は、図19のステップS111にて実行される可変表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(A)に示す大当りパターン決定テーブル134Aをセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するための使用テーブルとして、図10に示すリーチ決定テーブル132を選択してセットする(ステップS263)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS264)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ決定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS265)。そして、ステップS264にて特定した合計保留記憶数やステップS265にて抽出したリーチ決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS263にてセットしたリーチ決定テーブル132を参照することにより、リーチ状態の有無を決定する(ステップS266)。その後、ステップS266でのリーチ決定結果がリーチありであるか否かを判定する(ステップS267)。
ステップS267にてリーチありと判定された場合には(ステップS267;Yes)、可変表示パターンを複数種類のリーチハズレパターンのいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(B)に示すリーチハズレパターン決定テーブル134Bをセットする(ステップS268)。他方、ステップS267にてリーチなしと判定された場合には(ステップS267;No)、可変表示パターンを複数種類の非リーチハズレパターンのいずれかに決定するための使用テーブルとして、図12(C)に示す非リーチハズレパターン決定テーブル134Cをセットする(ステップS269)。
ステップS262、S268、S269の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する(ステップS270)。そして、ステップS270にて抽出した可変表示パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS262、S268、S269のいずれかにてセットしたパターン決定テーブルを参照することにより、可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。
ステップS271における可変表示パターンの決定に続いて、その可変表示パターンの決定結果に応じた可変表示時間を設定する(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理では、CPU103が、可変表示パターンに対応した可変表示時間を、図11に示す可変表示パターンテーブル133を参照することなどにより特定し、特定された可変表示時間に対応するタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部153に設けられた可変表示タイマにセットする。この場合には、図19に示すステップS112の特別図柄可変表示処理が実行されるごとに、例えば可変表示タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるは、ステップS272の処理では、可変表示タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、可変表示時間に対応する可変表示終了判定値を設定してもよい。この場合には、図19に示すステップS112の特別図柄可変表示処理が実行されるごとに、例えば可変表示タイマの値を1加算するように更新し、その値が可変表示終了判定値に達したときに、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
加えて、ステップS272の処理では、ステップS271にて決定した可変表示パターンが可変表示時間を短縮可能な可変表示パターンである場合に、可変表示タイマの値に基づいて短縮待機期間や短縮禁止期間であるか否かを判定するためのタイマ判定値が設定されてもよい。一例として、ステップS272の処理では、短縮待機期間に対応した短縮待機期間判定値と、短縮禁止期間に対応した短縮禁止期間判定値とが、設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の可変表示を開始させるさせるための設定を行う(ステップS273)。一例として、特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図の表示を更新させる駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに対して送信するための設定を行う。他方、特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図の表示を更新させる駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに対して送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1可変表示開始コマンド、可変表示パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを、順次に送信するために予め用意された第1可変表示開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、送信コマンドバッファに含まれる演出制御コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2可変表示開始コマンド、可変表示パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを、順次に送信するために予め用意された第2可変表示開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファに含まれる演出制御コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS274での設定を行った場合には、可変表示パターン設定処理が終了してから図18のステップS17にてコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して、第1可変表示開始コマンドまたは第2可変表示開始コマンド、可変表示パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。
ステップS274での設定に続いて、特図プロセスフラグの値を特別図柄可変表示処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、可変表示パターン設定処理を終了する。
図24は、図19のステップS112にて実行される特別図柄可変表示処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す処理例では、第1保留データと第2保留データの記憶数に対応した保留記憶数に基づいて、可変表示時間を短縮するための設定が行われる。図24に示す特別図柄可変表示処理において、CPU103は、まず、可変表示パターンが可変表示時間を短縮可能な「短縮許可」の可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップS281)。このとき、「短縮許可」の可変表示パターンであれば(ステップS281;Yes)、既に可変表示時間の短縮が行われたか否かを判定する(ステップS282)。一例として、遊技制御フラグ設定部152には、可変表示時間の短縮が行われる際にオン状態にセットされる短縮完了フラグなどを設けておく。そして、ステップS282の処理では、短縮完了フラグがオンであるか否かを判定することにより、既に可変表示時間の短縮が行われたか否かを判定すればよい。
ステップS282にて未だ可変表示時間の短縮が行われていない場合には(ステップS282;No)、例えば可変表示タイマの値と短縮待機期間判定値とを比較することなどにより、短縮待機期間内であるか否かを判定する(ステップS283)。このとき、短縮待機期間外であれば(ステップS283;No)、例えば可変表示タイマの値と短縮禁止期間判定値とを比較することなどにより、短縮禁止期間内であるか否かを判定する(ステップS284)。
ステップS284にて短縮禁止期間外である場合には(ステップS284;No)、特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS285)。このとき、特図指定バッファ値が第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行中であることに対応した値である「1」となっていれば(ステップS285;「1」)、第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上であるか否かを判定する(ステップS286)。他方、ステップS285にて特図指定バッファ値が第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行中であることに対応した値である「2」となっていれば(ステップS285;「2」)、第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上であるか否かを判定する(ステップS287)。ここでは、一例として図25に示すように、第1短縮判定値が「4」に設定され、第2短縮判定値が「2」に設定されていればよい。第1短縮判定値は、第1特図保留記憶部151Aにおける第1保留データの記憶数と、第2特図保留記憶部151Bにおける第2保留データの記憶数とのうち、第1保留データの記憶数のみに基づいて、可変表示時間を短縮させるか否かを判定するために用いられる判定値である。第2短縮判定値は、第1保留データの記憶数と第2保留データの記憶数とのうち、第2保留データの記憶数のみに基づいて、可変表示時間を短縮させるか否かを判定するために用いられる判定値である。このように、ステップS285、S287の処理を実行することにより、第1保留データの記憶数と、第2保留データの記憶数とのうち、いずれか一方の記憶数に基づいて、可変表示時間を短縮させるか否かを決定することができる。
また、第1短縮判定値と第2短縮判定値とが、異なる値に設定されていることで、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれか一方の表示装置による特図ゲームを優先して消化することができる。図25に示す設定例では、第2短縮判定値の方が第1短縮判定値に比べて小さい値に設定されている。そのため、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも、可変表示時間の短縮を行う条件が成立しやすくなる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも、優先して消化させることが可能になり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとで特図ゲームの進行度合いに変化を持たせるように可変表示時間を効果的に短縮して、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値未満である場合や(ステップS286;No)、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値未満である場合には(ステップS287;No)、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上であるか否かを判定する(ステップS288)。ここでは、一例として図25に示すように、合計短縮判定値が「4」に設定されている。このように、ステップS288の処理を実行することにより、第1保留データと第2保留データの合計記憶数に基づいて、可変表示時間を短縮させるか否かを決定することができる。このときには、第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値に達していない場合や、第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値に達していない場合でも、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値に達していれば、可変表示時間を短縮させる決定が行われる。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間とを、関連して短縮させることができ、可変表示時間を効果的に短縮させて第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減して、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上である場合には(ステップS288;Yes)、第1保留記憶数カウント値が所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS289)。ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上である場合や(ステップS287;Yes)、ステップS289にて第1保留記憶数カウント値が上限値未満である場合には(ステップS289;No)、第2保留記憶数カウント値が所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(ステップS290)。
ステップS290にて第2保留記憶数カウント値が上限値に達していない場合には(ステップS290;No)、第1停止準備コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS291)。これに対して、ステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上である場合や(ステップS286;Yes)、ステップS289にて第1保留記憶数カウント値が上限値に達している場合(ステップS289;Yes)、あるいは、ステップS290にて第2保留記憶数カウント値が上限値に達している場合には(ステップS290;Yes)、第2停止準備コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS292)。図6(C)に示すように、第1停止準備コマンドは、2秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させることを通知するコマンドであり、第2停止準備コマンドは、1秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させることを通知するコマンドである。このように、ステップS291、S292の処理のいずれかを実行することにより、第1保留データや第2保留データの記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄を停止表示させるまでの時間を異ならせることができる。特に、第1保留データや第2保留データの記憶数が所定数(例えば上限値である「4」など)に達しているときには、所定数に達していないときに比べて短い時間で特別図柄や飾り図柄を停止表示させる。これにより、保留データの記憶数に応じて可変表示時間を効果的に短縮させ、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減して、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS291、S292の処理のいずれかを実行した後には、送信設定を行った停止準備コマンドの種類に応じて短縮された可変表示時間をセットする(ステップS293)。このときには、例えば可変表示タイマの値を停止準備コマンドの種類に応じた可変表示の残存時間に対応する値に更新してもよいし、可変表示終了判定値を停止準備コマンドの種類に応じた可変表示の残存時間に対応する値に更新してもよい。一例として、ステップS291にて第1停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、可変表示タイマの値を2秒間で可変表示終了判定値に達する値に更新(加算あるいは減算)する一方で、ステップS292にて第2停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、可変表示タイマの値を1秒間で可変表示終了判定値に達する値に更新(加算あるいは減算)する。他の一例として、ステップS291にて第1停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、可変表示タイマの値が2秒間で可変表示終了判定値に達するように可変表示終了判定値を更新(加算あるいは減算)する一方で、ステップS292にて第2停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、可変表示タイマの値が1秒間で可変表示終了判定値に達するように可変表示終了判定値を更新(加算あるいは減算)する。
ステップS281にて「短縮許可」の可変表示パターンではない場合や(ステップS281;No)、ステップS282にて既に短縮済みの場合(ステップS282;Yes)、ステップS283にて短縮待機期間内である場合(ステップS283;Yes)、ステップS284にて短縮禁止期間内である場合(ステップS284;Yes)、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値未満である場合(ステップS288;No)、あるいは、ステップS293の処理を実行した後には、例えば可変表示タイマの値と可変表示終了判定値とを比較することなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間(短縮した場合を含む)に達したか否かを判定する(ステップS294)。このとき、可変表示時間が経過していれば(ステップS294;Yes)、特図プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS295)、特別図柄可変表示処理を終了する。他方、ステップS294にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS294;No)、ステップS295の処理を実行せずに、特別図柄可変表示処理を終了する。
図19のステップS112にて実行される特別図柄可変表示処理の他の一例として、図26のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。図26に示す処理例では、第1保留データと第2保留データの記憶数に対応した保留記憶数に基づいて、操作ボタン30の操作を有効とした後に、操作ボタン30の操作が検出されたことにより可変表示時間を短縮するための設定が行われる。図26に示す特別図柄可変表示処理において、CPU103は、まず、可変表示パターンが可変表示時間を短縮可能な「短縮許可」の可変表示パターンであるか否かを判定する(ステップS301)。このとき、「短縮許可」の可変表示パターンであれば(ステップS301;Yes)、既に可変表示時間の短縮が行われたか否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302にて未だ可変表示時間の短縮が行われていない場合には(ステップS302;No)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた操作有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS303)。操作有効フラグは、後述するステップS308の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方で、ステップS313の処理が実行されたときなどにクリアされてオフ状態となる。ステップS303にて操作有効フラグがオフである場合には(ステップS303;No)、例えば可変表示タイマの値と短縮待機期間判定値とを比較することなどにより、短縮待機期間内であるか否かを判定する(ステップS304)。このとき、短縮待機期間外であれば(ステップS304;No)、例えば可変表示タイマの値と短縮禁止期間判定値とを比較することなどにより、短縮禁止期間内であるか否かを判定する(ステップS305)。
ステップS305にて短縮禁止期間外である場合には(ステップS305;No)、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上であるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、合計短縮判定値は、図24に示した処理例と同様に、「4」などといった所定値に定められていればよい。ステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上である場合には(ステップS306;Yes)、第3停止準備コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS307)。第3停止準備コマンドは、操作ボタン30の操作が有効となることを通知するコマンドであり、この時点では、未だ特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を短縮させるための設定は行われない。ステップS307の処理を実行したときには、操作有効フラグをオン状態にセットする(ステップS308)。
ステップS303にて操作有効フラグがオンである場合には(ステップS303;Yes)、操作検出スイッチ24からの検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS309)。このとき、操作検出スイッチ24からの検出信号がオン状態であれば(ステップS309;Yes)、操作検出通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS310)。また、短縮された可変表示時間をセットする(ステップS311)。こうして、操作ボタン30の操作が有効とされた後、遊技者による操作ボタン30の所定操作に応じて特別図柄や飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることを可能とし、遊技者の操作に応じて第1始動条件や第2始動条件といった始動条件が不成立となる可能性を低減するように可変表示時間を効果的に短縮して、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS309にて操作検出スイッチ24からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS309;No)、例えば可変表示タイマの値と短縮禁止期間判定値とを比較することなどにより、短縮禁止期間が開始されたか否かを判定する(ステップS312)。このとき、短縮禁止期間が開始されていれば(ステップS312;Yes)、操作有効フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS313)。
ステップS301にて「短縮許可」の可変表示パターンではない場合や(ステップS301;No)、ステップS302にて既に短縮済みの場合(ステップS302;Yes)、ステップS304にて短縮待機期間内である場合(ステップS304;Yes)、ステップS305にて短縮禁止期間内である場合(ステップS305;Yes)、ステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値未満である場合(ステップS306;No)、ステップS312にて短縮禁止期間が開始されていない場合(ステップS312;No)、あるいは、ステップS311、S313の処理のいずれかを実行した後には、例えば可変表示タイマの値と可変表示終了判定値とを比較することなどにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間(短縮した場合を含む)に達したか否かを判定する(ステップS314)。このとき、可変表示時間が経過していれば(ステップS314;Yes)、特図プロセスフラグの値を特別図柄停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS315)、特別図柄可変表示処理を終了する。他方、ステップS314にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS314;No)、ステップS315の処理を実行せずに、特別図柄可変表示処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が図27のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図27に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、例えば演出制御フラグ設定部192などに設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。ここで、タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号が入力される所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194などに設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作といった、演出用の電気部品を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。ステップS406にて演出制御プロセス処理を実行した後には、ステップS402の処理に戻る。
ステップS405のコマンド解析処理内では、例えば図28のフローチャートに示すような保留記憶表示更新処理が実行される。この保留記憶表示更新処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御コマンド受信用バッファに格納された演出制御コマンドをチェックすることなどにより、主基板11から伝送される保留記憶数通知コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS421)。このとき、保留記憶数通知コマンドの受信がなければ(ステップS421;No)、そのまま保留記憶表示更新処理を終了する。
ステップS421にて保留記憶数通知コマンドの受信があると判定された場合には(ステップS421;Yes)、保留記憶数通知コマンドにより保留記憶数の減少が指定されたか増加が指定されたかを判定する(ステップS422)。例えば、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられた可変表示保留カウンタの値(可変表示保留カウント値)などにより、保留記憶数を特定することができればよい。この場合、ステップS422の処理では、保留記憶数通知コマンドにより通知された保留記憶数と可変表示保留カウント値とを比較し、通知された保留記憶数の方が大きければ保留記憶数の増加が指定されたと判定する一方で、通知された保留記憶数の方が小さければ保留記憶数の減少が指定されたと判定すればよい。
ステップS422にて保留記憶数の減少が指定された場合には(ステップS422;Yes)、保留記憶数の減少に対応して始動入賞記憶表示部5Hにおける保留記憶表示を更新するための保留表示減少更新設定が行われる(ステップS423)。この保留表示減少更新設定では、例えば始動入賞記憶表示部5Hにて不透過色表示に変化している表示部位のうちの1つ(例えば不透過色となっている表示部位のうち左端の表示部位)における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ隣に移動させるための表示設定が行われる。このときには、所定の不透過色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば不透過色となっていた表示部位のうち右端の表示部位)を透過色表示に戻すための表示設定も行われる。また、ステップS423の処理を実行したときには、可変表示保留カウント値を1減算するように更新すればよい。こうした保留表示減少更新設定を行った後には、保留記憶表示更新処理を終了する。
ステップS422にて保留記憶数の増加が指定された場合には(ステップS422;No)、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのうちいずれかの始動口入賞指定コマンドを受信済みであるか否かを判定する(ステップS424)。ここで、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドについては、ステップS405のコマンド解析処理にて受信があったか否かの判定が行われ、いずれかの始動口入賞指定コマンドの受信があると判定された場合には、受信した始動口入賞指定コマンドに対応したコマンド受信フラグをオン状態にセットすればよい。一例として、第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1始動口入賞指定コマンド受信フラグをオン状態にセットする一方で、第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第2始動口入賞指定コマンド受信フラグをオン状態にセットする。そして、ステップS424の処理では、第1始動口入賞指定コマンド受信フラグと第2始動口入賞指定コマンド受信フラグのいずれかがオンであれば、始動口入賞指定コマンドを受信済みであると判定すればよい。
ステップS424にて始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定された場合には(ステップS424;No)、始動口入賞指定がないときに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための始動口入賞指定なし時表示更新設定が行われる(ステップS425)。この始動口入賞指定なし時表示更新設定では、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにて青色表示(第1始動条件の成立に対応する表示色)や赤色表示(第2始動条件の成立に対応する表示色)となっている表示部位の全部を灰色表示に変化させるための表示設定と、始動入賞記憶表示エリア5Hにて非表示となっている表示部位の1つを灰色表示に変化させるための表示設定とが行われる。こうした始動口入賞指定なし時表示更新設定を行った後には、保留記憶増加表示処理が終了する。
ステップS424にて始動口入賞指定コマンドを受信済みであると判定された場合には(ステップS424;Yes)、例えば第1始動口入賞指定コマンド受信フラグがオンであるか否かなどに応じて、受信した始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS426)。このとき、第1始動口入賞指定コマンドである旨の判定がなされれば(ステップS426;Yes)、第1保留記憶数の増加に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための第1保留表示増加更新設定が行われる(ステップS427)。この第1保留表示増加更新設定では、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口に遊技球が進入したことによる第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定が行われる。こうした第1保留表示増加更新設定を行った後には、保留記憶増加表示処理が終了する。
ステップS426にて第2始動口入賞指定コマンドである旨の判定がなされた場合には(ステップS426;No)、第2保留記憶数の増加に対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための第2保留表示増加更新設定が行われる(ステップS428)。この第2保留表示増加更新設定では、例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにて非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口に遊技球が進入したことによる第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定が行われる。こうした第2保留表示増加更新設定を行った後には、保留記憶増加表示処理が終了する。
このように、ステップS427では第1保留表示増加更新設定が行われ、ステップS428では第2保留表示増加更新設定が行われることで、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信したときに、始動口入賞指定コマンドとなる第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを正常に受信できていれば、例えば図29(A)に示すように、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、第1始動条件の成立に基づく第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの記憶数である第1保留記憶数と、第2始動条件の成立に基づく第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数である第2保留記憶数とを、特定可能に表示させることができる。
他方、ステップS425では始動口入賞指定なし時表示更新設定が行われることで、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドが保留記憶数の増加を通知するものであるときに、始動口入賞指定コマンドとなる第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドをいずれも受信していないと判定されたことに基づいて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示の表示態様を、所定の表示態様に変更する。例えば、図29(B)に示すような灰色表示とすることにより、合計保留記憶数は特定可能であるが第1保留記憶数や第2保留記憶数は特定できないように表示させることができる。その後、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信したときに、始動口入賞指定コマンドを正常に受信できていれば、ステップS427、S428の処理のいずれかが実行されることにより、灰色表示となっている表示部位での表示態様は維持したまま、受信した始動口入賞指定コマンドに対応した新たな表示を加えることができる。一例として、図29(B)に示すような保留記憶表示が行われているときに、第1始動口入賞指定コマンドを正常に受信してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、ステップS427にて第1保留表示増加更新設定が行われることにより、図29(C)に示すように、第1始動入賞口への入賞に対応した青色表示が加えられることになる。
図30は、図27のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S165の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理には、主基板11から伝送される可変表示開始コマンドとして、第1可変表示開始コマンドと第2可変表示開始コマンドのいずれかを受信したかことに応じて、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示を開始する旨の判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄可変表示設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、可変表示パターンや可変表示結果などに応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄等を決定し、その決定結果に基づいて演出制御パターン等を設定する処理などが含まれている。また、飾り図柄可変表示設定処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ初期値を、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにセットすることなどにより、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄を停止表示するまでの可変表示時間が設定される。その後、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を送ることなどにより、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させるための設定が行われる。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示中処理を実行するごとに、例えば演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)を1減算して更新することなどにより、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄を停止表示するまでの経過時間あるいは残存時間を計測する。また、演出制御プロセスタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御が行われる。そして、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示時間経過判定値に達したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を停止表示させる。ここでは、確定飾り図柄を完全に停止表示させる必要はなく、微少な揺れや伸縮などを生じさせる仮停止表示が行われるようにすればよい。このときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄可変表示終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄可変表示終了時処理には、主基板11から伝送される飾り図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。そして、所定期間内に飾り図柄確定コマンドを受信すれば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて仮停止表示されている確定飾り図柄を停止表示(確定)させる。その一方で、所定期間内に飾り図柄確定コマンドを受信できなければ、エラーが発生したものと判断して、所定のエラー処理などが実行されればよい。飾り図柄確定コマンドを受信した後には、当り開始指定コマンドを受信したか否かが判定される。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、可変表示結果が「大当り」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する効果音信号の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する電飾信号の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS165のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態が終了することなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、スピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図31は、図30のステップS162にて実行される飾り図柄可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す処理例では、図24のフローチャートに示した特別図柄可変表示処理の一例に対応して、第1保留データと第2保留データの記憶数に基づいて可変表示時間を短縮するための設定が行われる。図31に示す飾り図柄可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから、更新後の演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示時間経過判定値(例えば「0」)と比較することなどにより、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS501)。
ステップS501にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS501;Yes)、所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、飾り図柄確定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS502)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS503)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS501にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS501;No)、主基板11から伝送される第1停止準備コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS504)。このとき、第1停止準備コマンドの受信があれば(ステップS504;Yes)、例えば図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160に格納されている第1停止準備演出制御パターンを、使用パターンとしてセットする(ステップS505)。ステップS504にて第1停止準備コマンドの受信がない場合には(ステップS504;No)、主基板11から伝送される第2停止準備コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS506)。そして、第2停止準備コマンドの受信があれば(ステップS506;Yes)、例えば図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160に格納されている第2停止準備演出制御パターンを、使用パターンとしてセットする(ステップS507)。
ステップS505、S507の処理のいずれかを実行した後には、使用パターンとしてセットした停止準備演出制御パターンの種類に応じて可変表示時間を短縮するための設定を行う(ステップS508)。一例として、ステップS505にて第1停止準備演出制御パターンをセットした場合には、その第1停止準備演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットする一方で、ステップS507にて第2停止準備演出制御パターンをセットした場合には、その第2停止準備演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットすればよい。
ステップS506にて第2停止準備コマンドの受信がない場合や(ステップS506;No)、ステップS508の処理を実行した後には、例えば演出制御プロセスタイマ値に基づき、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(あるいは確定飾り図柄を停止表示するまでの残存時間)に応じた演出制御の設定を行う(ステップS509)。一例として、ステップS509の処理では、演出制御プロセスタイマ値を演出制御パターンにて示される各種のタイマ判定値と比較することなどにより、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う。そして、いずれかのタイマ判定値と合致した場合には、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)を読み出す。このとき、表示制御データが読み出された場合には、その表示制御データに従って作成した表示制御指令を表示制御部123に対して伝送させ、音声制御データが読み出された場合には、その音声制御データに従って作成した効果音信号を音声制御基板13に対して伝送させ、ランプ制御データが読み出された場合には、そのランプ制御データに従って作成した電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させればよい。こうして、ステップS509にて演出制御の設定を行った後には、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
図30のステップS162にて実行される飾り図柄可変表示中処理の他の一例として、図32のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。図32に示す処理例では、図26のフローチャートに示した特別図柄可変表示処理の一例に対応して、第1保留データと第2保留データの記憶数に基づき操作ボタン30の操作を有効とした後に、操作ボタン30の操作が検出されたことにより可変表示時間を短縮するための設定が行われる。図32に示す飾り図柄可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから、更新後の演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示時間経過判定値(例えば「0」)と比較することなどにより、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、飾り図柄確定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS522)。そして、演出プロセスフラグの値を飾り図柄可変表示終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS523)、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、主基板11から伝送される第3停止準備コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS524)。このとき、第3停止準備コマンドの受信があれば(ステップS524;Yes)、例えば図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160に格納されている第3停止準備演出制御パターンを、使用パターンとしてセットする(ステップS525)。
ステップS524にて第3停止準備コマンドの受信がない場合には(ステップS524;No)、主基板11から伝送される操作検出通知コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS526)。なお、ステップS526の処理では、操作検出通知コマンドを受信する以前に、第3停止準備コマンドを既に受信しているか否かを判定し、受信していない場合には、操作検出通知コマンドの受信を無効とするようにしてもよい。ステップS526にて操作検出通知コマンドの受信があれば(ステップS526;Yes)、例えば図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160に格納されている操作検出時演出制御パターンを、使用パターンとしてセットする(ステップS527)。その後、ステップS527にてセットした操作検出時演出制御パターンに応じて可変表示時間を短縮するための設定を行う(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、操作検出時演出制御パターンから読み出した演出制御プロセスタイマ初期値を演出制御プロセスタイマにセットすればよい。
ステップS526にて操作検出通知コマンドの受信がない場合や(ステップS526;No)、ステップS525、S528の処理のいずれかを実行した後には、例えば演出制御プロセスタイマ値に基づき、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間(あるいは確定飾り図柄を停止表示するまでの残存時間)に応じた演出制御の設定を行う(ステップS529)。ステップS529の処理としては、図31に示すステップS509と同様の処理が実行されればよい。こうして、ステップS529にて演出制御の設定を行った後には、飾り図柄可変表示中処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。演出制御基板12では、主基板11から伝送された第1可変表示開始コマンドや第2可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、可変表示パターン指定コマンドにより指定された可変表示パターンなどに基づき、例えば演出制御用CPU120が図31のステップS509や図32のステップS529にて所定の表示制御指令を表示制御部123に供給することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示が行われる。各可変表示パターンには、演出の内容に応じて、飾り図柄をどのように変動させるかを示すタイムスケジュールが割り当てられており、飾り図柄の可変表示は、選択されたタイムスケジュールに沿って演出制御用CPU120と表示制御部123との協働により実行される。このタイムスケジュールは、例えば図16(A)に示す演出制御パターンテーブル160にて各可変表示パターンに対応して格納された演出制御パターンにおいて、表示制御データなどにより予め定められていればよい。
一例として、非リーチAの可変表示パターンには、図33に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部における飾り図柄の加速(全図柄加速)、全図柄の定速変動(全図柄定速)、左図柄の減速停止、右図柄の減速停止、中図柄の減速停止、というタイムスケジュールが割り当てられている。ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示部5Lにて表示(変動表示、停止表示、仮停止表示など)される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示部5Cにて表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示部5Rにて表示される飾り図柄である。
すなわち、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための第1開始条件あるいは第2開始条件の成立により、主基板11から演出制御基板12に対して第1可変表示開始コマンドあるいは第2可変表示開始コマンドなどが伝送される。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が第1可変表示開始コマンドあるいは第2可変表示開始コマンドなどに応答して、このタイムスケジュールに従って表示制御指令を表示制御部123に供給する。これにより、まず、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動を開始させるとともに変動速度を加速させ、続いて、全図柄を定速(等速)で変動させる。その後、左図柄の減速停止、中図柄の減速停止、右図柄の減速停止という表示処理が順次に実行される。主基板11では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた可変表示タイマなどを用いて可変表示の開始時点からの経過時間を計測しており、可変表示パターンに対応した可変表示時間T5が経過したときに、飾り図柄確定コマンドを送信する。この飾り図柄確定コマンドに応答して、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に所定の表示制御指令を供給することなどにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて最終停止図柄となる確定飾り図柄を停止表示(確定)させる。
このタイムスケジュールは、所定の短縮条件が成立したことにより変更され、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される。なお、短縮条件の成立によりタイムスケジュールが変更される可変表示パターンは、図11に示す可変表示パターンテーブル133において、「短縮許可」が「○」となっている可変表示パターンである。図11に示す設定例では、特図表示結果が「ハズレ」である場合に対応した非リーチA、非リーチC、非リーチD、ノーマル、スーパーAの各可変表示パターンが、「短縮許可」の可変表示パターンとなっている。これに対して、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチB、スーパーB、スーパーCの可変表示パターンは、「短縮許可」の可変表示パターンに含まれていない。また、スーパーDの可変表示パターンは、ノーマル、スーパーA〜スーパーCなどの可変表示パターンに比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(いわゆる「大当り信頼度」)が高くなるように、図12(A)に示す大当りパターン決定テーブル134Aや図12(B)に示すリーチハズレ可変表示パターン134Bにて、可変表示パターン決定用の乱数値MR4が割り当てられている。加えて、特図表示結果が「大当り」となる場合に用いられる可変表示パターンについては、いずれも「短縮許可」の可変表示パターンには含まれていない。こうした設定により、可変表示結果が「大当り」となる場合や、「擬似連」の特定演出といった所定の演出動作が実行される場合、所定のリーチパターンによる演出動作が行われる場合には、演出動作を短縮せずに実行可能として、遊技の興趣を向上させることができる。
図33に示すタイムスケジュールにおいて、期間T1は「短縮受け付け期間」である。この短縮受け付け期間T1には、「短縮待機期間」となる期間T2と、「停止準備コマンド送信可能期間」となる期間T4とが含まれている。
一例として、短縮受け付け期間T1において、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入して第2始動入賞が発生したことにより第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値(例えば「2」)以上になると(図24のステップS287)、その第2保留記憶数カウント値が所定の上限値(例えば「4」)に達していなければ(ステップS290;No)、第1停止準備コマンドが送信される(ステップS291)。また、短縮受け付け期間T1において、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入して第1始動入賞が発生したことや、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入して第2始動入賞が発生したことにより、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値(例えば「4」)以上になると(ステップS288;Yes)、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値がいずれも所定の上限値(例えば「4」)に達していなければ(ステップS289;No、及び、ステップS290;No)、第1停止準備コマンドが送信される(ステップS291)。なお、短縮待機期間T2では、短縮条件が成立しても演出制御基板12への停止準備コマンドの送信が待機され、その短縮待機期間T2の経過後に停止準備コマンド送信可能期間T4となったときに、停止準備コマンドの送信が行われることになる。
あるいは、短縮受け付け期間T1において、第1始動入賞が発生したことにより第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値(例えば「4」)以上になると(図24のステップS286;Yes)、第2停止準備コマンドが送信される(ステップS292)。また、短縮受け付け期間T1において、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことにより、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上になり(ステップS288;Yes)、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値のいずれかが所定の上限値に達していれば(ステップS289;Yes、または、ステップS290;Yes)、第2停止準備コマンドが送信される(ステップS292)。ここでも、短縮待機期間T2では、短縮条件が成立しても演出制御基板12への停止準備コマンドの送信が待機され、その短縮待機期間T2の経過後に停止準備コマンド送信可能期間T4となったときに、停止準備コマンドの送信が行われることになる。このように、短縮待機期間T2では、主基板11から演出制御基板12に対して停止準備コマンドが送信されることはないが、仮に演出制御基板12の側において停止準備コマンドを受信した場合には、その停止準備コマンドを受け付け、短縮待機期間T2が経過した後に、可変表示時間を短縮させるための表示処理が行われればよい。
図33に示す期間T3は「短縮禁止期間」であり、この期間に短縮条件が成立しても、可変表示時間を短縮するための表示処理は行われない。こうした短縮待機期間T2や短縮禁止期間T3により、主基板11から演出制御基板12に対して第1停止準備コマンドや第2停止準備コマンドが送信されるタイミングは、飾り図柄の可変表示が開始された後、飾り図柄が定速表示されるまでに要する短縮待機期間T2が経過してから、可変表示の残存時間が短縮禁止期間T3に達するまでの停止準備コマンド送信可能期間T4に限られる。停止準備コマンド送信可能期間T4は、例えば全図柄定速となっている期間に含まれていればよい。これにより、飾り図柄の変動速度が一定速度に達してから減速を開始して、遊技者に可変表示の違和感を与えることを防止できる。また、停止準備コマンド送信可能期間T4は、例えば全図柄定速となっている期間よりも前後に0.1秒ずつ短くなるように設定されていればよい。これにより、停止準備コマンドの送受信タイミングが若干ずれたり、信号の遅延が発生しても、飾り図柄の可変表示に影響が及ぶことを防止できる。
図24に示すステップS291とステップS292のいずれかにて送信設定を行った後には、ステップS293にて短縮された可変表示時間がセットされる。すなわち、ステップS291にて第1停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、2秒後に特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了する一方で、ステップS292にて第2停止準備コマンドの送信設定を行った場合には、1秒後に特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了するように、ステップS293にて可変表示タイマの値と可変表示終了判定値のいずれかが更新される。その後、ステップS294にて可変表示時間が経過したと判定された場合には、図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行されることにより、特別図柄が停止表示される。これにより、第1特図保留記憶部151Aにおける第1保留データの記憶数を示す第1保留記憶数カウント値や、第2特図保留記憶部151Bにおける第2保留データの記憶数を示す第2保留記憶数カウント値に基づき、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることができる。また、第1保留データと第2保留データの合計記憶数を示す合計保留記憶数カウント値に基づき、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることもできる。
図24に示すステップS291での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して第1停止準備コマンドが伝送されたときには、図31に示すステップS505にてセットされた第1停止準備演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図34(A)に示すような停止準備表示スケジュールで飾り図柄を減速停止させるための表示処理が行われる。このときには、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて定速表示されていた飾り図柄について減速表示(全図柄減速)を行う。そして、第1停止準備コマンドを送信してから停止準備期間T6が経過したときには、例えば図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して飾り図柄確定コマンドが伝送される。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することなどにより、1.9秒間で全図柄の減速停止を行い、飾り図柄確定コマンドを受信したことに応答して、最終停止図柄となる確定飾り図柄を停止表示(確定)させるように、停止準備表示を実行する。なお、図34(A)に示す停止準備表示スケジュールにおいて、全図柄減速の期間が停止準備期間T6よりも0.1秒程度短いのは、飾り図柄確定コマンドの受信タイミングのばらつきを吸収し、遊技者に飾り図柄の可変表示における違和感を与えないためである。
図24に示すステップS292での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して第2停止準備コマンドが伝送されたときには、図31に示すステップS507にてセットされた第2停止準備演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図34(B)に示すような停止準備表示スケジュールで飾り図柄を減速停止させるための表示処理が行われる。このときには、第1停止準備コマンドが伝送される場合よりも短い期間で、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部にて定速表示されていた飾り図柄について減速表示(全図柄減速)を行う。そして、第2停止準備コマンドを送信してから停止準備期間T7が経過したときには、例えば図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して飾り図柄確定コマンドが伝送される。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することなどにより、0.9秒間で全図柄の減速停止を行い、飾り図柄確定コマンドを受信したことに応答して、最終停止図柄となる確定飾り図柄を停止表示(確定)させるように、停止準備表示を実行する。なお、図34(B)に示す停止準備表示スケジュールにおいて、全図柄減速の期間が停止準備期間T7よりも0.1秒程度短いのは、図34(A)に示した場合と同様の理由によるものである。
他の一例として、短縮受け付け期間T1において、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことにより、合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上になると(図26のステップS306;Yes)、第3停止準備コマンドが送信される(ステップS307)。このときには、ステップS308にて操作有効フラグがオン状態にセットされることにより、操作ボタン30の操作が有効とされる。その後、遊技者が操作ボタン30に所定操作(例えば押下操作)を施すことにより、ステップS309にて操作検出スイッチ24からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS309;Yes)、操作検出通知コマンドが送信される(ステップS310)。
ステップS310にて操作検出通知コマンドの送信設定を行った後には、ステップS311にて短縮された可変表示時間がセットされる。すなわち、ステップS310にて操作検出通知コマンドの送信設定を行った場合には、例えば図24のステップS291にて第1停止準備コマンドの送信設定を行った場合と同様にして、2秒後に特別図柄を停止表示して特図ゲームを終了するように、ステップS311にて可変表示タイマの値と可変表示終了判定値のいずれかが更新される。その後、ステップS314にて可変表示時間が経過したと判定された場合には、図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行されることにより、特別図柄が停止表示される。これにより、第1保留データと第2保留データの合計記憶数に基づいて操作ボタン30の操作を有効とした後、操作ボタン30の操作が検出されたことに対応して、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることができる。
図26のステップS310での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して操作検出通知コマンドが伝送されたときには、図32に示すステップS527にてセットされた操作検出時演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば第1停止準備コマンドが伝送された場合と同様にして、図34(A)に示すような停止準備表示スケジュールで飾り図柄を減速停止させるための表示処理が行われるようにすればよい。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することなどにより、1.9秒間で全図柄の減速停止を行い、飾り図柄確定コマンドを受信したことに応答して、最終停止図柄となる確定飾り図柄を停止表示(確定)させるように、短縮指定時表示を実行する。
図35(A)〜(F)は、飾り図柄の可変表示を開始した後、保留データの記憶数や操作ボタン30の操作に応じて、短縮された可変表示時間で飾り図柄を停止表示させる表示動作の一例を示している。この表示動作例では、まず、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図35(A)に示すように飾り図柄が停止表示された停止状態となっている。このときには、例えば、合計保留記憶数が「3」であり、始動データ記憶部151Bから「第1」の始動データが読み出されることにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立する。そこで、この第1特図を用いた特図ゲームに対応して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図35(B)に示すように全図柄加速表示が行われる。その後、例えば図35(C)に示すような全図柄定速表示が行われているときに、第2始動入賞と第1始動入賞が順次に発生したことにより、第1保留記憶数が「3」、第2保留記憶数が「2」、合計保留記憶数が「5」になったものとする。
このとき、例えば第1特図を用いた特図ゲームに対応して特図指定バッファ値が「1」となっていることから、第1保留記憶数カウント値は第1短縮判定値としての「4」未満であるが(図24のステップS286;No)、合計保留記憶数カウント値は合計短縮判定値としての「4」以上となる(ステップS288;Yes)。そして、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値がいずれも上限値としての「4」に達していないことから(ステップS289;No、及び、ステップS290;No)、第1停止準備コマンドが送信される(ステップS291)。なお、ステップS289における第1保留記憶数カウント値との比較値や、ステップS290における第2保留記憶数カウント値との比較値は、上限値としての「4」以外の値であってもよく、2.0秒間よりも短い1.0秒間で特別図柄や飾り図柄を停止表示させるために予め定められた判定値であればよい。例えば、ステップS289における第1保留記憶数カウント値との比較値を「3」に設定しておけば、図35(C)に示すように第1保留記憶数が「3」となったことに対応して、第2停止準備コマンドが送信されることになる(ステップS292)。
また、図26のステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値としての「4」以上となることから、ステップS308にて操作有効フラグがオン状態にセットされることにより操作ボタン30の操作が有効とされる。その後、遊技者による操作ボタン30の操作が検出されたことに対応して(ステップS309;Yes)、操作検出通知コマンドが送信される(ステップS310)。
こうした第1停止準備コマンド、第2停止準備コマンド、操作検出通知コマンドのいずれかが送信されたことにより、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図35(D)に示すように全図柄減速表示が行われる。そして、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図35(E)に示すように全図柄減速表示が行われる。その後、例えば図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行されることにより、飾り図柄確定コマンドが送信される。この飾り図柄確定コマンドに応答して、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rの全部において、例えば図35(F)に示すように全図柄停止表示(確定)が行われる。
図24に示すステップS291での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して第1停止準備コマンドが伝送されたときには、図31に示すステップS505にてセットされた第1停止準備演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図36(A)に示すような「短縮だよ〜」のメッセージを通知するキャラクタ画像が、画像表示装置5の表示領域に表示される。また、図24に示すステップS292での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して第2停止準備コマンドが伝送されたときには、図31に示すステップS507にてセットされた第2停止準備演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図36(A)に示すような「短縮だよ〜」のメッセージを通知するキャラクタ画像が、画像表示装置5の表示領域に表示される。さらに、図26のステップS310での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して操作検出通知コマンドが伝送されたときにも、図32に示すステップS527にてセットされた操作検出時演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図36(A)に示すような「短縮だよ〜」のメッセージを通知するキャラクタ画像が、画像表示装置5の表示領域に表示される。こうして、第1停止準備コマンド、第2停止準備コマンド、操作検出通知コマンドのいずれかを受信したときには、可変表示時間が短縮されることを特定可能な特殊演出として、例えば図36(A)に示すようなキャラクタ画像が表示される。このような特殊演出により、遊技者は可変表示時間が短縮されることを認識可能となり、可変表示時間が短縮される場合における遊技の興趣を向上させることができる。
他方、図26のステップS307での送信設定に基づき、主基板11から演出制御基板12に対して第3停止準備コマンドが伝送されたときには、図32に示すステップS525にてセットされた第3停止準備演出制御パターンに含まれる表示制御パターンなどの設定により、例えば図36(B)に示すような「ボタンを押せば短縮!!」のメッセージを通知するキャラクタ画像が、画像表示装置5の表示領域に表示される。こうして、第3停止準備コマンドを受信したときには、操作ボタン30の操作により可変表示時間を短縮させることができる旨を特定可能な特殊演出として、例えば図36(B)に示すようなキャラクタ画像が表示される。このような特殊演出により、遊技者は操作ボタン30の操作により可変表示時間を短縮可能であることを認識でき、操作ボタン30の操作を促して、可変表示時間が短縮可能な場合における遊技の興趣を向上させることができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上となったことや、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上となったこと、あるいは、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上となったことなどに基づき、ステップS293にて短縮された可変表示時間がセットされる。そして、この短縮された可変表示時間が経過すれば、図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行される。ここで、第1保留記憶数カウント値は、第1特図保留記憶部151Aや始動データ記憶部151Cにおける第1保留データの記憶数を示し、第2保留記憶数カウント値は、第2特図保留記憶部151Bや始動データ記憶部151Cにおける第2保留データの記憶数を示している。また、合計保留記憶数カウント値は、第1保留データと第2保留データの合計記憶数を示している。こうして、第1特図保留記憶部151Aや始動データ記憶部151Cにおける第1保留データの記憶数、及び、第2特図保留記憶部151Bや始動データ記憶部151Cにおける第2保留データの記憶数のうち、いずれか一方あるいは双方の記憶数に基づき、可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされると、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させる。これにより、保留記憶数に応じて特図ゲームを効率的に消化して、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値未満である場合や、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値未満である場合でも、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上となれば、ステップS293にて短縮された可変表示時間がセットされることにより、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させる。こうして、第1特図や第2特図といった2つの特別図柄のうち、開始条件の成立に基づき可変表示中である一方の特別図柄に対応する保留データの記憶数が所定数以上となっていない場合でも、開始条件が成立せずに停止表示されている他方の特別図柄に対応する保留データの記憶数との合計に基づき、可変表示時間を短縮させる旨の決定を行うことができる。このように、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示時間と、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示時間とを、関連して短縮させることで可変表示時間を効率的に短縮させて、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減して、遊技の興趣を向上させることができる。
この実施の形態では、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて第2始動条件が成立し、その第2始動条件の成立に基づいて第2開始条件が成立する。そして、確変状態では、普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御や、普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動時間を通常状態のときよりも長くする制御などにより、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2始動入賞が発生する可能性が高められる。ここで、確変状態に制御されているときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、2ラウンド大当り状態に制御された後に再び確変状態となるが、2ラウンド大当り状態では、15ラウンド大当り状態に比べて特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に遊技球を進入させることが困難であり、15ラウンド大当り状態に比べて遊技者にとって不利になる。そのため、遊技者は、確変状態において可変表示結果が「大当り」となるときには、大当り種別が「突確」となって2ラウンド大当り状態となることよりも、大当り種別が「通常」あるいは「確変」となって15ラウンド大当り状態となることに対して、高い期待感を有することがある。
そこで、図9に示すような大当り種別決定テーブル131の設定では、第2開始条件の成立により特図指定バッファ値が「2」であることに対応して、大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り種別が「通常」と「確変」のいずれかに決定され、大当り種別が「突確」に決定されることがない。加えて、例えば図25に示すように、図24のステップS287にて第2保留記憶数カウント値と比較される第2短縮判定値は、図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値と比較される第1短縮判定値である「4」よりも、小さな値である「2」に設定されている。これにより、確変状態において、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームよりも優先的に消化されることで、確変状態において特図ゲームを効率的に消化できるとともに、大当り遊技状態に制御される場合には、大当り種別が「通常」や「確変」となることによりラウンドの実行回数が2ラウンド大当り状態よりも多い15ラウンド大当り状態となる可能性が高まる。こうして、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに比べて多くなるように決定されることで、大当り遊技状態における遊技者の有利度合いを異ならせつつ、可変表示時間を効率的に短縮させて、遊技の興趣を向上させることができる。また、確変状態では2ラウンド大当り状態に比べて遊技者にとって有利な15ラウンド大当り状態に制御される可能性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したときには、図22のステップS245にて特図指定バッファ値が「1」に設定される。このときには、図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上であれば、ステップS293にて短縮された可変表示時間がセットされることにより、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることができる。これに対して、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したときには、図22のステップS246にて特図指定バッファ値が「2」に設定される。このときには、図24のステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上であれば、ステップS293にて短縮された可変表示時間がセットされることにより、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させることができる。こうして、第1保留データの記憶数と、第2保留データの記憶数のうち、いずれか一方の記憶数に基づいて可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされると、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させる。
ここで、第1短縮判定値は、第2短縮判定値である「2」よりも大きな値である「4」に設定されている。このように、第1保留データの記憶数に基づいて可変表示時間を短縮させる条件と、第2保留データの記憶数に基づいて可変表示時間を短縮させる条件とを異ならせることにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれか一方の特図ゲームを優先して消化することが可能になり、特図ゲームの進行度合いに変化を持たせるように可変表示時間を効果的に短縮して、遊技の興趣を向上させることができる。
図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上となったことや、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上となったこと、あるいは、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上となったことなどに基づき、ステップS291での送信設定により第1停止準備コマンドが送信され、ステップS292での送信設定により第2停止準備コマンドが送信される。演出制御基板12の側では、図31のステップS504にて第1停止準備コマンドの受信ありと判定されたことや、ステップS506にて第2停止準備コマンドの受信ありと判定されたことに基づき、ステップS508にて飾り図柄の可変表示時間を短縮させるための設定が行われる。こうして、第1特図保留記憶部151Aや始動データ記憶部151Cにおける第1保留データの記憶数、及び、第2特図保留記憶部151Bや始動データ記憶部151Cにおける第2保留データの記憶数のうち、いずれか一方あるいは双方の記憶数に基づき、可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされると、可変表示中の飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させるための停止準備表示が実行される。これにより、保留記憶数に応じた特図ゲームの進行状況に合わせて、飾り図柄の可変表示を効率的に消化して、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
図26のステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上となったときには、ステップS308にて操作有効フラグがオン状態にセットされることにより、操作ボタン30の操作が有効とされる。そして、ステップS309にて操作検出スイッチ24からの検出信号がオン状態となることにより操作ボタン30が操作された旨の判定がなされたときには、ステップS311にて短縮された可変表示時間がセットされる。そして、この短縮された可変表示時間が経過すれば、図19のステップS113にて特別図柄停止処理が実行される。こうして、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151B、始動データ記憶部151Cにおける保留データの記憶数に基づき操作ボタン30の操作を有効とした後、操作ボタン30が操作されたことに対応して、可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされると、可変表示中の特別図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させる。これにより、操作ボタン30の操作に応じて特図ゲームを効率的に消化して、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
図26のステップS309にて操作検出スイッチ24からの検出信号がオン状態となることにより操作ボタン30が操作された旨の判定がなされたことに基づき、ステップS310での送信設定により操作検出通知コマンドが送信される。演出制御基板12の側では、図32のステップS526にて操作検出通知コマンドの受信ありと判定されたことに基づき、ステップS528にて飾り図柄の可変表示時間を短縮させるための設定が行われる。こうして、保留データの記憶数に応じて操作ボタン30の操作を有効とした後、操作ボタン30が操作されたことに基づき可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされると、可変表示中の飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させるための停止準備表示が実行される。これにより、操作ボタン30の操作に応じた特図ゲームの進行状況に合わせて、飾り図柄の可変表示を効率的に消化して、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
図24のステップS281や図26のステップS301では、図11に示す可変表示パターンテーブル133において「短縮許可」が「○」となっている可変表示パターンであれば、可変表示時間を短縮可能とする決定処理が実行される。これに対して、「擬似連」の特定演出が実行される非リーチBの可変表示パターンや、スーパーB〜スーパーDといった所定のリーチパターンとなる可変表示パターン、あるいは、可変表示結果が「大当り」となる場合に用いられる可変表示パターンについては、いずれも「短縮許可」が「×」となっている可変表示パターンに含まれ、可変表示時間を短縮させる旨の決定が行われない。これにより、一定の演出動作が実行される可変表示パターンについては、可変表示時間を短縮させずに演出動作を実行可能として、演出効果の高い演出動作が中断されてしまうことによる遊技興趣の低下を防止でき、可変表示時間の効果的な短縮を可能としつつ、遊技の興趣を向上させることができる。
図23のステップS266にて可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する際には、図10に示すようなリーチ決定テーブル132が参照される。これにより、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする旨の決定がなされる割合が低くなる。こうして、保留データの記憶数が所定数以上となった場合に、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を効果的に短縮して、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減し、遊技の興趣を向上させることができる。
図24に示すステップS291での送信設定により第1停止準備コマンドが送信されたこと、ステップS292での送信設定により第2停止準備コマンドが送信されたこと、あるいは、図26に示すステップS310での送信設定により操作検出通知コマンドが送信されたことに基づき、可変表示時間が短縮されることを特定可能な特殊演出として、例えば図36(A)に示すようなキャラクタ画像が表示される。これにより、遊技者は可変表示時間が短縮されることを認識可能となり、可変表示時間が短縮される場合における遊技の興趣を向上させることができる。
また、図26に示すステップS307での送信設定により第3停止準備コマンドが送信されたことに基づき、操作ボタン30の操作により可変表示時間を短縮させることができる旨を特定可能な特殊演出として、例えば図36(B)に示すようなキャラクタ画像が表示される。これにより、遊技者は操作ボタン30の操作により可変表示時間を短縮可能であることを認識でき、操作ボタン30の操作を促して、可変表示時間が短縮可能な場合における遊技の興趣を向上させることができる。
図24に示すステップS291での送信設定により第1停止準備コマンドが送信されるときには、例えば図34(A)に示すような停止準備表示スケジュールに従って2秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させるように、図24に示すステップS293や図31に示すステップS508にて、可変表示時間を短縮させるための設定が行われる。これに対して、図24に示すステップS292での送信設定により第2停止準備コマンドが送信されるときには、例えば図34(B)に示すような停止準備表示スケジュールに従って1秒後に特別図柄や飾り図柄を停止表示させるように、図24に示すステップS293や図31に示すステップS508にて、可変表示時間を短縮させるための設定が行われる。そして、ステップS291での送信設定は、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上であり、かつ、ステップS290にて第2保留記憶数が上限値に達していない場合や、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上であり、かつ、ステップS289、S290にて第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値がいずれも上限値に達していない場合に、行われる。他方、ステップS292での送信設定は、ステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上である場合や、ステップS289、S290のいずれかにて第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値のいずれかが上限値に達している場合に、行われる。こうして、第1保留データや第2保留データの記憶数に応じて、可変表示時間を短縮させる場合に特別図柄や飾り図柄を停止表示させるまでの残存時間が異なるように設定する。これにより、第1保留データや第2保留データの記憶数に応じて可変表示時間を効率的に短縮し、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減して、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
上記実施の形態では、図24のステップS286にて第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上であるか否かの判定処理を実行し、ステップS287にて第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上であるか否かの判定処理を実行し、ステップS288にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上であるか否かの判定処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、これらの判定処理の一部が実行されるものであってもよい。一例として、上記実施の形態におけるステップS287での判定処理が実行される一方で、ステップS286、S288の判定処理は実行されないようにしてもよい。この場合には、第2保留データの記憶数に基づいて可変表示時間を短縮させることが可能となる一方で、第1保留データの記憶数は可変表示時間を短縮させる条件の成否に影響を与えない。他の一例として、上記実施の形態におけるステップS286での判定処理が実行される一方で、ステップS287、S288の判定処理は実行されないようにしてもよい。このように、第1保留データの記憶数と、第2保留データの記憶数のうち、いずれか一方の記憶数のみに基づいて、可変表示時間を短縮させる旨の決定がなされるようにしてもよい。これにより、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれか一方の特図ゲームを優先して消化することが可能になり、特図ゲームの進行度合いに変化を持たせるように可変表示時間を効果的に短縮して、遊技の興趣を向上させることができる。また、ステップS286〜S288における判定処理のいずれかを任意に組み合わせて、これらの判定処理の一部が実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図26のステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上である場合に、ステップS308の処理により操作ボタン30の操作を有効にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上である場合、あるいは、第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上である場合などにも、操作ボタン30の操作を有効にする設定が行われるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図26のステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上である場合に、ステップS308の処理により操作ボタン30の操作を有効とした後、ステップS309の処理により操作ボタン30が操作されたと判定した場合に、可変表示時間を短縮させるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留記憶数に応じて可変表示時間を短縮させた後、操作ボタン30の操作に応じて、さらに可変表示時間を短縮させてもよい。一例として、ステップS306にて合計保留記憶数カウント値が合計短縮判定値以上であると判定されたときには、可変表示の残存時間が第1時間(例えば3.0秒間)となるように短縮するとともに、ステップS308の処理により操作ボタン30の操作を有効とする。その後、ステップS309の処理により操作ボタン30が操作されたと判定した場合には、さらに可変表示の残存時間が第2時間(例えば1.0秒間)となるように短縮することで、可変表示時間を短縮させてもよい。
第1短縮判定値、第2短縮判定値、合計短縮判定値の設定は、図25に示すような設定のものに限定されず、可変表示時間を効果的に短縮可能とする任意の設定であればよい。一例として、第1短縮判定値と第2短縮判定値を、いずれも「4」に設定して、第1保留データの記憶数と、第2保留データの記憶数のうち、一方または双方の記憶数が上限値に達した場合に、可変表示時間を短縮させるようにしてもよい。他の一例として、第1短縮判定値を「2」に設定する一方で、第2短縮判定値を「4」に設定するといったいように、第2短縮判定値を第1短縮判定値よりも大きな値に設定してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームよりも優先的に消化されることで、大当り遊技状態に制御される場合には、大当り種別が「突確」となることによりラウンドの実行回数が15ラウンド大当り状態よりも少ない2ラウンド大当り状態となる可能性が高まる。こうして、2ラウンド大当り状態に比べて遊技者にとって有利な15ラウンド大当り状態に制御される可能性を低下させることにより、遊技の射幸性が過度に高められることを防止できる。さらに他の一例として、合計短縮判定値を「8」に設定して、合計保留記憶数が上限値に達した場合に、可変表示時間を短縮させるようにしてもよい。こうして、保留記憶数が上限値に達した場合には、直ちに可変表示時間を短縮させることで、第1始動入賞や第2始動入賞の発生時に、第1始動条件や第2始動条件が不成立となる可能性を低減できればよい。
上記実施の形態では、図11に示す可変表示パターンテーブル133において、可変表示結果が「大当り」となる場合に用いられる可変表示パターンについては、いずれも「短縮許可」が「×」となり、可変表示時間を短縮させる旨の決定が行われないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示結果が「大当り」となる場合に用いられる可変表示パターンのうちに、「短縮許可」が「○」となる可変表示パターンが含まれるようにしてもよい。一例として、ノーマルのリーチパターンについては、可変表示結果が「大当り」となる場合でも、「短縮許可」を「○」として、可変表示時間を短縮できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図24のステップS285にて、特図指定バッファ値が「1」であればステップS286の判定処理を実行する一方で、特図指定バッファ値が「2」であればステップS287の判定処理を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、開始条件の成立に基づいて可変表示中の特別図柄に対応する保留データの記憶数だけでなく、開始条件が成立せずに停止表示されている特別図柄に対応する保留データの記憶数によっても、可変表示時間を短縮させることができるようにしてもよい。一例として、ステップS284にて短縮禁止期間外である場合には、ステップS285の処理を実行せずにステップS286の処理に進み、第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値未満であれば、ステップS287の処理に進んで、第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが実行されているときに、第2始動入賞の発生に基づいて第2保留記憶数が第2短縮判定値に達すれば、実行中となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間などを短縮させる。そうすると、第1特図を用いた特図ゲームの終了後に第2特図を用いた特図ゲームが開始されるまでの時間も短縮され、第2保留記憶数が上限値に達する可能性を低減することや、第2保留記憶数が上限値に達している期間を短縮することができる。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが実行されているときに、第1始動入賞の発生に基づいて第1保留記憶数が第1短縮判定値に達すれば、実行中となっている第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間などを短縮させる。そうすると、第2特図を用いた特図ゲームの終了後に第1特図を用いた特図ゲームが開始されるまでの時間も短縮され、第1保留記憶数が上限値に達する可能性を低減することや、第1保留記憶数が上限値に達している期間を短縮することができる。こうして、第1開始条件と第2開始条件のうち、いずれか一方の開始条件の成立による特図ゲームが実行されているときには他方の開始条件が成立しないように制御される場合に、第1始動条件と第2始動条件のうちいずれか一方の始動条件の成立に対応した特図ゲームが実行されるときに他方の始動条件の成立に基づく保留記憶数が短縮判定値に達していれば、実行中の特図ゲームにおける可変表示時間などを短縮させる。これにより、一方の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されているために開始条件が成立せずに停止表示されている他方の特別図柄を用いた特図ゲームを実行するための始動条件が不成立となる可能性を低減して、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態にかかわりなく、図24のステップS286〜S288の判定処理を実行し、また、図26のステップS306の判定処理を実行することで、一定の短縮条件が成立したことにより可変表示時間の短縮を可能にするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて、可変表示時間を短縮させるための短縮条件を異ならせるようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるときには、図24のステップS286〜S288の判定処理のうち、ステップS286の判定処理のみを実行することにより、第1保留記憶数カウント値が第1短縮判定値以上となった場合に、短縮条件を成立させるようにする。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、図24のステップS286〜S288の判定処理のうち、ステップS287の判定処理のみを時刻することにより、第2保留記憶数カウント値が第2短縮判定値以上となった場合に、短縮条件を成立させるようにする。こうして、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとでは、可変表示時間の短縮が有効となる有効期間を、互いに異ならせてもよい。
上記実施の形態では、図9に示す大当り種別決定テーブル131において、特図指定バッファ値が「2」である場合には、「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り当てられないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図指定バッファ値が「2」である場合でも、「突確」の大当り種別に対して大当り種別決定用の乱数値MR2が割り当てられるようにしてもよい。この場合、特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、「突確」の大当り種別に割り当てられる大当り種別決定用の乱数値MR2の個数を異ならせることで、第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別が「突確」に決定される割合を、異ならせてもよい。そして、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り遊技状態におけるラウンドの平均的な実行回数が、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに比べて多くなるように、大当り種別が「突確」に決定される割合を異ならせてもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態として、15回開放遊技が行われる15ラウンド大当り状態と、2回開放遊技が行われる2ラウンド大当り遊技状態とが設けられている。そして、図9に示すような大当り種別決定テーブル131の設定では、第1開始条件の成立により特図指定バッファ値が「1」であることに対応して、大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り種別が「通常」、「確変」、「突確」のいずれかに決定される。これに対して、第2開始条件の成立により特図指定バッファ値が「2」であることに対応して、大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り種別が「通常」と「確変」のいずれかに決定される。ここで、大当り種別が「通常」や「確変」である場合には、15ラウンド大当り状態に制御される一方で、大当り種別が「突確」である場合には、2ラウンド大当り状態に制御される。このように、上記実施の形態では、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したときでも、大当り種別が「通常」や「確変」となれば、15ラウンド大当り状態に制御されることになる。これに対して、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときと、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときとでは、ラウンドの実行回数が同一となる大当り遊技状態には制御されることがないようにしてもよい。一例として、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、ラウンドの実行回数が「7」となる大当り遊技状態に制御する一方で、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、ラウンドの実行回数が「15」となる大当り遊技状態に制御するようにしてもよい。この場合には、第2開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときには、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が、第1開始条件の成立に基づき大当り遊技状態に制御する旨の決定がなされたときに比べて、常に多くなるように決定されることになる。このようにしても、大当り遊技状態における遊技者にとっての有利度合いを異ならせつつ、可変表示時間を効果的に短縮させて、遊技の興趣を向上させることができる。
特殊演出として実行される演出動作は、所定のキャラクタ画像を画像表示装置5の表示領域に表示させるものに限定されず、スピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させること、遊技効果ランプ9を所定の点灯パターンにより点灯させること、演出用役物が備える可動部材を所定の動作態様で動作させることのいずれか、あるいは、これらの全部もしくは一部を組み合わせて行うものであってもよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図31に示すステップS508の処理や、図32に示すステップS528の処理を実行することにより、可変表示中の飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させるための停止準備表示や短縮指定時表示などを実行する際の設定を行うものとして説明した。さらに、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図31に示すステップS505、S507の処理や、図32に示すステップS525、S527の処理を実行することにより、特殊演出となる演出動作を実行するための設定を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、停止準備表示や短縮指定時表示などを実行する際の設定や、特殊演出となる演出動作を実行するための設定などを、分担して実行するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は設けられていなくてもよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図31に示すステップS508の処理や、図32に示すステップS528の処理を実行することにより、可変表示中の飾り図柄を短縮された可変表示時間で停止表示させるための停止準備表示や短縮指定時表示などを実行する際の設定を行うようにしてもよい。あるいは、表示制御用CPUは、図31に示すステップS505、S507の処理や、図32に示すステップS525、S527の処理を実行することにより、特殊演出となる演出動作を実行するための設定を行うようにしてもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの効果音信号や電飾信号を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
また、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120が図31のステップS505、S507や、図32のステップS525、S527にてセットした演出制御パターンに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。一例として、特殊演出となる演出動作としてスピーカ8L、8Rから所定の音声を出力させる場合には、演出制御基板12における演出制御用CPU120によって、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための処理が実行され、演出制御基板12から表示制御基板に対して特殊演出を実行するための表示制御コマンドが伝送されなくてもよい。これに対して、特殊演出となる演出動作としてキャラクタ画像などの画像表示を行う場合には、特殊演出を実行するための演出制御パターンに応じた演出制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送され、表示制御基板における表示制御用CPUによって、画像表示装置5の表示領域に所定のキャラクタ画像などを表示させるための処理が実行されればよい。上記実施の形態では、図5に示す構成において、音声制御基板13やランプ制御基板14に制御用のCPU等を含んだマイクロコンピュータが搭載されず、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、音声や効果音の出力制御、及び、ランプや装飾用LED等の点灯制御といった、各種の演出動作を制御するための処理が行われるものとした。これに対して、図5に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9などにおける点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hにて、第1始動条件が成立したときには青色表示を行い、第2始動条件が成立したときには赤色表示を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1始動条件が成立したときには丸型の記号を表示し、第2始動条件が成立したときには三角型の記号を表示するといったように、互いに異なる形の記号を表示するようにしてもよい。あるいは、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した回数を示す数字を、特定可能に表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図20に示すステップS213での送信設定により始動口入賞指定コマンドを送信させてから、ステップS214での送信設定により保留記憶数通知コマンドを送信させる。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、保留データの総記憶数である合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能とする8種類の演出制御コマンドの、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。なお、この発明はこれに限定されず、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、保留データの総記憶数である合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定できるようにしたものでもよい。
上記実施の形態では、図19に示すステップS111の可変表示パターン設定処理として、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、図23のフローチャートに示すような処理が実行される。また、図23のステップS272にて可変表示タイマに可変表示パターンの決定結果に応じた可変表示時間に対応するタイマ初期値や可変表示終了判定値を設定した後、図19に示すステップS112の特別図柄可変表示処理が実行されて可変表示タイマの値が更新されることで、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとについて、共通の可変表示タイマにより特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間を計測する。これにより、第1開始条件が成立したときと第2開始条件が成立したときとで、可変表示パターンを設定するための処理を共通化するとともに、可変表示を開始してからの経過時間を計測するタイマを共通化して、プログラム容量を低減することができる。
これに対して、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とでは、互いに異なる処理を実行して、可変表示パターンを複数種類のいずれとするかの決定を行うようにしてもよい。この場合、可変表示パターンを決定するための処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、可変表示パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。
例えば、大当りパターン決定テーブル134A、リーチハズレパターン決定テーブル134B、非リーチハズレパターン決定テーブル134Cといった可変表示パターン決定テーブルとして、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて、各可変表示パターンに対する可変表示パターン決定用の乱数値MR4の割当てを異ならせたものを、予め用意してもよい。そして、第1開始条件の成立に対応して実行される可変表示パターン設定処理では、第1開始条件の成立に応じた可変表示パターン決定テーブルを使用テーブルとして選択し、可変表示パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定する。これに対して、第2開始条件の成立に対応して実行される可変表示パターン設定処理では、第2開始条件の成立に応じて第1開始条件が成立した場合とは異なる可変表示パターン決定テーブルを使用テーブルとして選択し、第1開始条件が成立した場合と共通の可変表示パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、可変表示パターンを複数種類のいずれかに決定すればよい。
また、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かの判定処理についても、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とでは、互いに異なる処理が実行されるようにしてもよい。この場合、リーチ状態とするか否かの処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、リーチ決定用の乱数値MR3を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。さらに、例えば上記実施の形態において図22に示したステップS253の処理に代えて、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する処理として、第1開始条件が成立した場合と第2開始条件が成立した場合とで互いに異なる処理が実行されるようにしてもよい。この場合、大当り種別を決定するための処理は、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて異ならせる一方で、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとしては、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに関わりなく、共通の数値データを用いるようにすればよい。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突確」となったことに基づいて2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り種別が「突確」となる場合に代えて、あるいは、この場合に加えて、可変表示結果が「小当り」となる場合や、可変表示結果が「大当り」となって大当り種別が「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。この場合、第1及び第2特図表示結果決定テーブル130A、130Bは、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、「小当り」の可変表示結果に対応した小当り決定値データに割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。あるいは、第1特図表示結果決定テーブル130Aでは小当り決定値データに乱数値MR1を割り当てる一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは小当り決定値データに乱数値MR1が割り当てられないように設定することで、特図指定バッファ値が「2」である場合には可変表示結果が「小当り」にはならないようにしてもよい。また、大当り種別決定テーブル131は、特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2を、「突然時短」や「突然通常」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。
そして、可変表示結果が「小当り」となるときには、2ラウンド大当り状態と同様にして大入賞口を開放状態とする可変入賞動作が、2回開放遊技として行われる。そして、その可変入賞動作が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態を継続させ、遊技状態の変更は行わない。これにより、たとえ2回開放遊技が行われることを遊技者が認識した場合でも、その2回開放遊技の終了後に確変状態となるか否かに対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
また、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御される。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして2ラウンド大当り状態に制御され、2ラウンド大当り状態が終了した後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御される。これにより、たとえ遊技者が2ラウンド大当り状態となることを認識できた場合でも、その2ラウンド大当り状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、確変状態や時短状態といった遊技状態に制御できるものとして説明した。そして、確変状態や時短状態では、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高めて第2始動条件が成立しやすくなることで遊技者にとって有利となる制御が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば確変状態には、継続して確変制御が行われるとともに、第2始動入賞口に遊技球が進入する可能性を高める有利開放制御が行われる高確高ベース状態と、確変制御は行われるが有利開放制御は行われない高確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。また、時短状態には、特図変動時間が短縮されるとともに有利開放制御が行われる低確高ベース状態と、特図変動時間は短縮されるが有利開放制御は行われない低確低ベース状態とが含まれるようにしてもよい。一例として、大当り種別が「確変」と「突確」のいずれであるかに対応して、大当り遊技状態の終了後に、高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御されるようにしてもよい。他の一例として、大当り種別が「確変」と「突確」のいずれであるかに応じて、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態と高確低ベース状態のいずれかに制御される割合を、互いに異ならせるようにしてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。