以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、打球操作ハンドル(操作ノブ)30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、図4に示すカードユニット装置128が、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ために付設されてもよい。
遊技盤40は、ほぼ正方形状の合板により形成され、前面枠3の裏面側に一体的に形成された遊技盤収納枠部に収容固定される。遊技盤40の表面には、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a、42bが取り付けられている。そして、打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bにより形成される円形状の遊技領域41内に導かれるように打ち込まれる。
遊技領域41には、特別可変入賞球装置48、可変始動入賞球装置58、普通図柄表示装置63などが設けられている。その他にも、遊技領域41には、遊技球を通過させる通過領域、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。ここで、遊技球を通過させる通過領域には、通過した遊技球を遊技領域41へと流下させるものと、遊技盤40の背面に誘導して排出するものとが含まれる。特定の通過領域を遊技球が通過することは、遊技球の入賞と称することもある。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない遊技球が取り込まれるアウト口69が設けられている。遊技領域41の中央部には、表示領域80が形成されている。また、表示領域80はセンター飾り66によって囲まれている。センター飾りの上部の覆い飾り部は、発射された遊技球をセンター飾り66の左右に振り分ける構造になっている。
センター飾り66の右側方には、ゲートスイッチ62を内蔵する通過ゲート61が設けられている。遊技領域41の左側方には、普通図柄始動記憶LED64が設けられている。例えば、普通図柄始動記憶LED64は、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート61を通過した有効通過球数としての保留記憶数(普通図保留記憶数)を表示する。より具体的には、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62により検出されるごとに、普通図柄始動記憶LED64にて点灯されるLEDが1増加する。その一方で、普通図柄表示装置63による普通図柄を用いた普図ゲームが開始されるごとに、普通図柄始動記憶LED64にて点灯されるLEDが1減少する。
センター飾り66の左下方には、始動領域としての第1始動口59が設けられている。第1始動口59は、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる。第1始動口59を通過(入賞)した遊技球は、第1始動口スイッチ59aによって検出された後、遊技盤40の背面に誘導されて排出される。第1始動口スイッチ59aによって遊技球が検出されたことに基づいて、所定の第1始動入賞時払出数(例えば「3」)に対応する個数の遊技球が賞球として払い出される。また、このとき第1始動口59に入賞した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1特別図柄表示装置44aによる特図ゲームを実行するための第1始動条件(「第1実行条件」ともいう)が成立する。なお、第1始動口59は、進入した遊技球を遊技盤40の背面に誘導して排出するように形成されてもよいし、通過した遊技球を遊技領域41へと流下させるように形成されてもよい。
通過ゲート61の下方には、可変始動入賞球装置58が設けられている。可変始動入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド58aによって開閉駆動される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置である。可変始動入賞球装置58では、可動翼片が垂直位置にあるときに第2始動口60を閉鎖状態として、普通電動役物用ソレノイド58aによって可動翼片を傾動位置に移動させることで第2始動口60を開放状態とする。第2始動口60を通過(入賞)した遊技球は、第2始動口スイッチ60aによって検出された後、遊技盤40の背面に誘導されて排出される。第2始動口スイッチ60aによって遊技球が検出されたことに基づいて、所定の第2始動入賞時払出数(例えば「3」)に対応する個数の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動入賞時払出数と第2始動入賞時払出数としては、互いに同一の払出数が予め定められてもよいし、互いに異なる払出数が予め定められてもよい。また、このとき第2始動口60に入賞した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件(「第2実行条件」ともいう)が成立する。なお、第2始動口60は、進入した遊技球を遊技盤40の背面に誘導して排出するように形成されてもよいし、通過した遊技球を遊技領域41へと流下させるように形成されてもよい。
この実施の形態では、第2始動口60は、閉鎖状態のときは遊技球が入賞しない構造になっている。なお、可変入賞球装置58は、通常開放状態のときに可動翼片を比較的に狭く開放させて遊技球が第2始動口60を通過可能であるが、比較的に広く開放する拡大開放状態のときより遊技球が通過しにくい構造としてもよい。すなわち、可変入賞球装置58は、第2始動口60を遊技球が通過しやすい開放状態あるいは拡大開放状態などの有利状態と、有利状態より遊技球が通過しにくい通常開放状態又は通過しない閉鎖状態などの不利状態とに、動作可能なものであればよい。第1始動口59と第2始動口60とは、センター飾り66の左右に分散配置されているので、遊技者がどちらか一方の始動口を意図的に狙いやすい構成になっている。これに対して、例えば通常入賞口53aの位置に、第1始動口59と第2始動口60を上下に並べて配置することなどにより、どちらか一方の始動口を意図的に狙うことが困難となるように構成されてもよい。
普通図柄始動記憶LED64の下方には、普通図柄表示装置63が設けられている。普通図柄表示装置63は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、通過ゲート61を通過した遊技球がゲートスイッチ62によって検出されたことを実行条件とする普図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、普通図柄表示装置63は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示装置63は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(またはLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。
可変入賞球装置58の右側方には、第1特別図柄表示装置44aと、第2特別図柄表示装置44bと、第1特別図柄始動記憶LED46aと、第2特別図柄始動記憶LED46bとが設けられている。第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。一例として、第1特別図柄表示装置44a及び第2特別図柄表示装置44bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていてもよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。例えば、「0」〜「9」を示す数値のそれぞれに対して、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号に対して、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置44aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置44bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は、同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
第1特別図柄始動記憶LED46aは、第1始動口59に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。第2特別図柄始動記憶LED46bは、第2始動口60に入賞した有効入賞球数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を表示する。例えば、第1特別図柄始動記憶LED46a及び第2特別図柄始動記憶LED46bはそれぞれ、4個のLEDを含んで構成されている。この実施の形態では、第2特別図柄表示装置44bを、第1特別図柄表示装置44aよりも優先的に変動させる。なお、入賞した順番(保留記憶が発生した順番)で交互に変動を行ってもよいし、同時に変動を行ってもよい。
遊技領域41の中央付近には、演出表示装置44cが設けられている。演出表示装置44cは、例えば液晶表示器(LCD;Liquid Crystal Display)あるいはドットマトリクスのLEDといった、多数の画素(ピクセル)を用いて画面表示を行うものであればよい。また、演出表示装置44cに代えて、あるいは、演出表示装置44cとともに、例えば複数のリールを水平方向に並設して各リールを回転可能に収容したドラム式の可変表示装置を設けてもよい。この実施の形態における演出表示装置44cには、演出画像を表示する表示領域80が形成されている。表示領域80では、第1特別図柄表示装置44a又は第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して、例えば3つに分割された飾り図柄可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、開始条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームに含まれる。
例えば、表示領域80には、「左」「中」「右」の飾り図柄可変表示部が配置されている。そして、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図の変動と、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図の変動とのうち、いずれかが開始されることに対応して、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示(導出表示)される。なお、各飾り図柄可変表示部は、表示領域80内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。また、各飾り図柄可変表示部となる表示部位として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能となるように、設けられてもよい。
このように、演出表示装置44cが形成する表示領域80では、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、飾り図柄を可変表示する飾り図柄可変表示部の個数は、3つに限定されるものではなく、例えば2つ、あるいは、4つ、あるいは、9つといった、演出表示装置44cが形成する表示領域80に複数配置されたものであればよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれるように構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部において、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄可変表示部のうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄可変表示部など)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。なお、スクロール表示の方向は、表示領域80の下方から上方へと向かうものであってもよいし、左右方向となるようにしてもよい。また、スクロール表示に代えて、各飾り図柄を順次に切り替えて表示する切替表示を行うことにより、飾り図柄の可変表示が実現されてもよい。
演出表示装置44cの表示領域80には、第1始動口59や第2始動口60に遊技球が入賞(始動入賞)したことに基づいて、特図ゲームにおける可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。ここで、可変表示の保留は、第1始動口59や第2始動口60における始動入賞の発生により、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、発生する。
表示領域80における特別図柄始動記憶表示エリアには、例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられていればよい。そして、第1始動口59に遊技球が入賞したことに基づいて第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動口60に遊技球が入賞したことに基づいて第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、特別図柄始動記憶表示エリアは、表示色の変更により特図保留記憶数を特定可能に表示するものに限定されず、例えば所定キャラクタの表示個数や数字の表示などにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。この特別図柄始動記憶表示エリアにて特図保留記憶数が特定可能に表示されることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄始動記憶LED46a及び第2特別図柄始動記憶LED46bが設けられていれば、特別図柄始動記憶表示エリアは設けられなくてもよい。
センター飾り66の下方には、入賞球検出器55aを内蔵した通常入賞口53aが設けられている。また、特別可変入賞球装置48の右側には、入賞球検出器55bを内蔵した通常入賞口53bが設けられている。通常入賞口53aに進入(入賞)した遊技球は、入賞球検出器55aによって検出される。また、通常入賞口53bに進入(入賞)した遊技球は、入賞球検出器55bによって検出される。入賞球検出器55aや入賞球検出器55bによって遊技球が検出されたことに基づいて、所定の通常入賞時払出数(例えば「10」)に対応する個数の遊技球が賞球として払い出される。
通常入賞口53aの下方には、特別可変入賞球装置48が設けられている。特別可変入賞球装置48は、大入賞口扉用ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49によって、大入賞口となる開口部を開放状態と閉鎖状態とに変化させる。一例として、特別可変入賞球装置48では、大入賞口扉用ソレノイド65がオフ状態であるときに開閉板49が開口部を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置48では、大入賞口扉用ソレノイド65がオン状態であるときに開閉板49が開口部を開放状態にする。開放状態となった開口部から特別可変入賞球装置48の内部に進入した遊技球は、カウントスイッチ52によって検出される。カウントスイッチ52によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定の大入賞時払出数(例えば「15」)に対応した個数の遊技球が賞球として払い出される。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視できる遊技開口としての円形透視窓5が開設されている。前面扉枠4の前面側には、円形透視窓5の外周に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が設けられ、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23が設けられ、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24が設けられ、下部に前面構成部材としての下部装飾ユニット25が設けられている。上部装飾ユニット22の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果LED(Light Emitting Diode)13、14a、14cと遊技効果ランプ14b、14dとが設けられている。左装飾ユニット23の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ16a、16bが設けられている。右装飾ユニット24の内部には、前面扉枠4の前面側に臨むように、発光部材としての遊技効果ランプ17a、17bが設けられている。遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bは、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて点灯または点滅される。
前面扉枠4の前面下部に設けられた上皿開閉枠11には、例えば複数の合成樹脂製部材を組み合わせた皿部材を固着することにより構成された上皿19が形成されている。上皿19の上流側には、賞球払出口20が形成されている。上皿19の下流側には、球抜き操作部21が設けられている。また、上皿19には、遊技の進行中に遊技者が押下操作などにより操作可能な操作ボタン50が設けられている。なお、押下操作が可能な操作ボタン50に代えて、あるいは、これとともに、例えばジョグダイアルのように回動操作が可能なものや、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なもの、レバー型スイッチのように傾動操作が可能なものを設けてもよい。また、操作ボタン50に代えて、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン50は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン50に対してなされた遊技者の操作行為は、操作検出スイッチ50aによって検出される。操作検出スイッチ50aは、操作ボタン50に含まれる複数の操作部に対する遊技者の操作行為を特定可能に検出するために、複数の検出器を含んで構成されてもよい。
上皿19の上縁部や外縁部には、パチンコ遊技機1に隣接して設置されたカードユニット装置128を介して遊技球を借り受ける際に操作する球貸操作部や、カードユニット装置128に挿入されたカードの返却を指示する際に操作する返却操作部、カードユニット装置128に挿入されたカードの残高等を表示する残高表示部などが設けられていてもよい。球貸操作部や返却操作部、残高表示部は、図4に示す残高表示基板104などに実装されていればよい。上皿19には、賞球払出口20から払い出された遊技球が貯留される。上皿19に貯留された遊技球は、遊技領域41内への発射位置に供給される。また、球抜き操作部21が押圧操作された場合には、上皿19に貯留された遊技球が、所定の球抜き通路や球抜き穴を通じて下皿27に誘導される。上皿19の右側方には、シリンダー錠26が臨んでいる。
前面枠3の下部に設けられた下皿27には、上皿19から溢れた余剰球が貯留される。下皿27の右側には打球操作ハンドル30が設けられている。打球操作ハンドル30は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調節するものである。打球操作ハンドル30には、図4に示す打球発射装置130が備える打球発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられている。
前面扉枠4における上部装飾ユニット22の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声を含む)などを発生するスピーカ12a、12bが設けられている。左装飾ユニット23の上部右側方には、賞球LED10が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24の上部左側方には、球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。賞球LED10及び球切れLED9は、パチンコ遊技機1にて行われる遊技演出とは別に遊技に関する情報を報知するために発光する遊技関連情報発光部材であり、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払い出されたことを賞球LED10により報知し、払い出すべき賞球が不足したことを球切れLED9により報知する。また、下部装飾ユニット25の側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
パチンコ遊技機1では、遊技者が打球操作ハンドル30を操作したことに応じて、図4に示す打球発射装置130に内蔵された打球発射モータが駆動され、その回転力を利用して遊技球が遊技領域41に発射される。打球発射装置130から発射された遊技球は、誘導レール42a、42bを通って遊技領域41に入り、その後、遊技領域41を下りてくる。
遊技領域41に入った遊技球が通過ゲート61を通過してゲートスイッチ62により検出されると、普通図柄表示装置63により普通図柄の可変表示が開始される。この実施の形態では、7セグメントのLEDにより普図ゲームにおける可変表示が行われ、普図変動時間が経過すると普図ゲームにおける可変表示結果としての普図表示結果が導出表示される。例えば、可変表示の終了時に「−」を示す記号が点灯した場合には、「普図ハズレ」の普図表示結果が導出表示されたことになる。これに対して、普通図柄表示装置63における可変表示の終了時に「7」を示す数字が点灯した場合には、「普図当り」の普図表示結果が導出表示されたことになる。普図表示結果が「普図当り」となった場合には、可変始動入賞球装置58にて普通電動役物用ソレノイド58aの駆動力によって第2始動口60が開放状態とされ、所定の開放時間が経過すると閉鎖状態に戻される動作が、所定の開放回数に達するまで実行される。
遊技領域41に入った遊技球が第1始動口59に入賞して第1始動口スイッチ59aで検出されると、第1特図の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示装置44aにより第1特図の可変表示(変動)が開始されるとともに、表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特図及び飾り図柄の可変表示は、第1始動口59への入賞に基づいて実行される。第1特図の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1加算することにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
遊技領域41に入った遊技球が第2始動口60に入賞して第2始動口スイッチ60aで検出されると、第2特図の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示装置44bにより第2特図の可変表示(変動)が開始されるとともに、表示領域80において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特図及び飾り図柄の可変表示は、第2始動口60への入賞に基づいて実行される。第2特図の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1加算することにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。この実施の形態では、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行する。すなわち、第1始動口59への入賞による第1始動条件と第2始動口60への入賞による第2始動条件のいずれが先に成立したかに関わりなく、第2保留記憶数が「0」以外の値であれば、第1保留記憶数も「0」以外の値であったとしても、第2開始条件を第1開始条件よりも先に成立させ、第2特図を用いた特図ゲームを開始させる。
第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が停止表示(導出表示)される。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特図ゲームでの可変表示結果が特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「2」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とし、「3」の数字を示す特別図柄を7ラウンド大当り図柄とし、「5」の数字を示す特別図柄を10ラウンド大当り図柄とし、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態である15ラウンド大当り状態では、特別可変入賞球装置48の開閉板49が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間など)あるいは所定個数(例えば10個など)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口となる開口部を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置48を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技にて大入賞口となる開口部を開放状態とした開閉板49は、遊技領域41にて遊技盤40の表面を落下する遊技球を受け止め大入賞口へと誘導可能にする。その後に大入賞口が閉鎖状態となることにより、特別可変入賞球装置48が遊技者にとって不利な第2状態に変化して、1回のラウンド遊技を終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1回数としいての「15」となる。ラウンド遊技の実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として10ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態である10ラウンド大当り状態では、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置48を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板49により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態と同様の第1期間となる。その一方で、10ラウンド大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数よりも少ない第2回数としての「10」となる。ラウンド遊技の実行回数が「10」となる10ラウンド大当り状態における遊技は、10回開放遊技とも称される。なお、10ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置48を第1状態とする期間を、15ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技とは異ならせるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として7ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態である7ラウンド大当り状態では、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置48を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間が、15ラウンド大当り状態や10ラウンド大当り状態と同様の第1期間となる。その一方で、7ラウンド大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数や10ラウンド大当り状態における第2回数よりも少ない第3回数としての「7」となる。ラウンド遊技の実行回数が「7」となる7ラウンド大当り状態における遊技は、7回開放遊技とも称される。なお、7ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置48を第1状態とする期間を、15ラウンド大当り状態や10ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技とは異ならせるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態である2ラウンド大当り状態では、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置48を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間が、15ラウンド大当り状態や10ラウンド大当り状態、7ラウンド大当り状態よりも短い第2期間(例えば0.5秒間など)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンド遊技の実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1回数や10ラウンド大当り状態における第2回数、7ラウンド大当り状態における第3回数よりも少ない第4回数としての「2」となる。ラウンド遊技の実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技では、特別可変入賞球装置48を第1状態とする期間を、15ラウンド大当り状態や10ラウンド大当り状態、7ラウンド大当り状態における各ラウンド遊技と同様の第1期間としてもよい。
この実施の形態では、特図ゲームで停止表示された大当り図柄が複数種類のいずれであるかに応じ、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行態様として、ラウンド遊技の実行回数、及び/又は、各ラウンド遊技で特別可変入賞球装置48を第1状態に変化させる期間を、異ならせている。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、例えば2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置48を第1状態に変化させる可変入賞動作が実行される。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置48にて開閉板49が大入賞口を第2期間にわたり開放状態としてから第2状態に戻す動作が、第4回数に達するまで実行される。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。
第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出表示装置44cが形成する表示領域80に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部における確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、表示領域80にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部など)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄可変表示部(例えば「中」の飾り図柄可変表示部など)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、表示領域80に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行されることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置44cが形成する表示領域80における表示動作のみならず、スピーカ12a、12bによる効果音出力動作や、遊技効果LED13、14a、14c及び遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bといった発光部材の点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」ともいう)が異なる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されてもよい。可変表示演出としては、例えば「滑り」、「擬似連」、「メイン予告」、「発展チャンス目」といった、複数種類の演出動作の全部又は一部のうち、いずれか1つが選択的に、あるいは、複数の演出動作が順次に、実行されるものであればよい。可変表示演出は、対応する演出動作が実行されるか否かに応じて特図変動時間が変化するものであればよい。例えば、可変表示演出が実行される場合には、可変表示演出が実行されない場合に比べて、特図変動時間が長くなるものであればよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄可変表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部など)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄可変表示部のうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄可変表示部(例えば「左」の飾り図柄可変表示部と「右」の飾り図柄可変表示部のいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更可能とする演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄可変表示部にて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄可変表示部にて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類の飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。そして、「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の実行回数が多くなるに従って、特図ゲーム等での可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せが仮停止表示されることで「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の実行回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。例えば、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、複数の演出用LEDのうちで点灯されるLEDが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、点灯されるLEDが変更されるように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出用の可動部材が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出表示装置44cの表示領域80にて特定のキャラクタ画像を表示するように制御されてもよい。
これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、LEDの点灯又は点滅、演出用の可動部材の動作、キャラクタ画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる可能性や、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が多くなる可能性などが、高まるようにしてもよい。
再変動演出として実行される演出動作は、例えばスピーカ12a、12bからの音声出力や、遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bといった各種の発光部材の点灯動作など、任意の演出動作を含んだものであってもよい。また、例えばスピーカ12a、12bによる音声や効果音の出力の違い、演出対象物(例えば演出用の可動部材)の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)、演出表示装置44cの表示領域80に表示されるキャラクタ画像の動きの違い(動作速度の違い、動作する距離の違い、動作方向の違いなど)によって再変動演出における演出態様を相違させたり、演出表示装置44cの表示領域80においてキャラクタ画像ではなく文字表示を変化させたり背景画像の表示を変化させたりして、再変動演出における演出態様を相違させてもよい。さらに、飾り図柄の変動中に実行される再変動演出とは別に、擬似連チャンス目となる飾り図柄の仮停止表示時などに、例えばスピーカ12a、12bからの音声出力や、遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bといった各種の発光部材の点灯動作など、任意の演出動作によりチャンス目が仮停止表示されたことを遊技者が認識できるようにしてもよい。
「メイン予告」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄可変表示部にて確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に、例えばリーチ演出と予め関連づけられた演出表示あるいは予め関連づけられた演出表示とは異なる演出表示により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄可変表示部にて、発展チャンス目として予め定められた複数種類の飾り図柄の組合せのいずれかが仮停止表示される。その後、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となって所定のリーチ演出が開始されることもあれば、仮停止表示された飾り図柄が確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)され、リーチ状態とはならないこともあるようにすればよい(いわゆる「ガセ」)。
その他にも、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や可変表示演出とは異なり、例えば所定のキャラクタ画像やメッセージ画像を表示することなどといった、飾り図柄の可変表示態様以外の演出態様により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するためのサブ予告演出が実行されてもよい。サブ予告演出としては、例えば「キャラクタ表示」、「ステップアップ動作」、「ボタン操作予告」といった、複数種類の演出動作の全部又は一部のうち、いずれか1つが選択的に、あるいは、複数の演出動作が同時又は順次に、実行されるものであればよい。サブ予告演出は、対応する演出動作が実行されるか否かによっては特図変動時間に変化が生じないものであればよい。
「キャラクタ表示」のサブ予告演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄可変表示部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄可変表示部など)にて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置44cの表示領域80における所定位置に予め用意されたキャラクタ画像を表示させる演出動作が行われる。
「ステップアップ動作」のサブ予告演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部における全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄可変表示部にて飾り図柄を仮停止表示させる以前に、演出表示装置44cの表示領域80にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するようなステップアップ演出動作が行われることがある。なお、「ステップアップ動作」のサブ予告演出では、予め用意された複数種類の演出画像のうち、いずれか1つ(例えば所定の順番において最初に表示される演出画像など)が表示された後、演出画像が切り替えられることなく、サブ予告演出における演出表示を終了させることがあるようにしてもよい。また、「ステップアップ動作」のサブ予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば演出用の可動部材を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがあってもよい。なお、「ステップアップ動作」の予告演出では、演出用の可動部材が1種類の動作態様で演出動作を行った後、2段階目の演出動作に切り替えられることなく、サブ予告演出における演出動作を終了させることがあるようにしてもよい。
このように、「ステップアップ動作」のサブ予告演出は、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して実行される特別図柄や飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の一種であり、特に演出動作の態様(表示、音声、ランプ、可動物等)が複数段階に変化(ステップアップ)する演出動作である。一般的には変化する回数(ステップ数)が多い程に特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となる可能性(信頼度)が高くなる。また、「ステップアップ動作」のサブ予告演出におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数、特定のリーチ演出が実行されることなどが、予告されるようにしてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や色等が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者から見て予告する手段(表示、音声、ランプ、可動物等)の状態が段階的に変化したと認識可能なものであればよい。
「ボタン操作予告」のサブ予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、遊技者により操作ボタン50が操作されたことに応じて、例えば演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示を変更することや、スピーカ12a、12bから出力させる音声などを変更することにより、演出動作を変化させる。一例として、「ボタン操作予告」の予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、ボタン操作促進演出となる所定の演出動作が行われる。ボタン操作促進演出は、例えば演出表示装置44cの表示領域80における所定位置に、予め用意されたキャラクタ画像やメッセージ画像といった演出画像を表示させることなどにより、遊技者による操作ボタン50の操作を促す演出動作であればよい。遊技者による操作ボタン50の操作を促す演出動作としては、演出表示装置44cの表示領域80に演出画像を表示させるものに限定されず、スピーカ12a、12bから所定の音声を出力させるもの、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bの全部又は一部を所定の点灯パターンで点灯あるいは点滅させるもの、演出用の可動部材を所定の動作態様で動作させるもの、あるいは、これらのいずれかを組み合わせたものであってもよい。こうしたボタン操作促進演出が行われるときには、遊技者による操作ボタン50の操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン50の操作が操作検出スイッチ50aによって検出されると、その操作が検出されたタイミングにて、ボタン操作促進演出の実行を停止するとともに、例えば予め用意された複数種類の演出画像のうちいずれかの演出画像を演出表示装置44cの表示領域80に表示させることや、予め用意された複数種類の音声パターンのうちいずれかの音声パターンに対応する効果音をスピーカ12a、12bから出力させることといった、各種の演出動作が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄、10ラウンド大当り図柄、7ラウンド大当り図柄のいずれかとなる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば演出表示装置44cの表示領域80における「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて可変表示される複数種類の飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「15ラウンド大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が10ラウンド大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「10ラウンド大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が7ラウンド大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「7ラウンド大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄又は小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、例えば図2に示すような2回開放チャンス目TC1〜TC4として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄又は小当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。なお、2ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、確定飾り図柄が2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなることもあれば、リーチハズレ組合せとなることもある一方で、小当り図柄が停止表示される場合には、確定飾り図柄が2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれにもなることがないもの、又は、リーチハズレ組合せとなることがないものとしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「2ラウンド大当り」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄が小当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「小当り」となる場合における「小当り」の可変表示態様(「小当り種別」ともいう)と称される。
図3は、パチンコ遊技機1における遊技状態の移行を示している。この実施の形態では、大当り遊技状態や小当り遊技状態とは異なる遊技状態として、低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態という、4つの遊技状態が予め用意されている。なお、低確低ベース状態と低確高ベース状態は、まとめて低確状態とも称される。高確低ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて高確状態とも称される。低確低ベース状態と高確低ベース状態は、まとめて低ベース状態とも称される。低確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて高ベース状態とも称される。高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態は、通常状態(通常遊技状態)としての低確低ベース状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に含まれる。通常遊技状態としての低確低ベース状態は、大当り遊技状態等の特定遊技状態や小当り遊技状態等の所定遊技状態、及び、特別遊技状態とは異なる遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態であるときには、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が、低確状態のときよりも向上する確率変動制御(確変制御)が行われる。パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース状態であるときには、例えば普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間である普図変動時間を低ベース状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率を低ベース状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変始動入賞球装置58にて第2始動口60を開放状態とする開放時間や開放回数を低ベース状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態としての開放状態や拡大開放状態となる頻度を向上させて第2始動条件が成立する可能性を高めることで、遊技者にとって有利となる有利開放制御(高開放制御)が行われる。また、高ベース状態であるときには、特図ゲームにおける特図変動時間や飾り図柄の可変表示時間が、低ベース状態のときよりも短縮される時間短縮制御(時短制御)も行われる。
この実施の形態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となったときに、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(通常遊技状態)としての低確低ベース状態であれば、当該可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、高確高ベース状態となる。また、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となったときに、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確高ベース状態や高確低ベース状態といった高確状態であれば、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)には、当該大当り遊技状態が終了した後に、必ず高確高ベース状態となる。これに対して、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)には、当該大当り遊技状態が終了した後に、低確高ベース状態として、高確状態への制御を終了する。このように、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したことに基づいて、当該大当り遊技状態が終了した後に高確状態への制御を終了することを、リミット到達による確変リミッターの作動ともいう。確変リミッターが作動したときには、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が初期化(クリア)されて「0」となり、再びリミットに到達するまでは、大当り遊技状態の終了後に必ず高確高ベース状態となるようにすればよい。
低確高ベース状態にて特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合には、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が初期化されて「0」であることから、当該大当り遊技状態が終了した後には、高確高ベース状態となる。高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されるより前に、高ベース終了条件として決定された所定の終了条件が成立したことに基づいて、有利開放制御や時短制御が終了して、低ベース状態となる。例えば、高確高ベース状態にて高ベース終了条件が成立したときには高確低ベース状態となり、低確高ベース状態にて高ベース終了条件が成立したときには低確低ベース状態となる。高ベース終了条件は、遊技状態が高ベース状態となるときなどに、予め用意された複数種類の条件のいずれかに決定される。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態となった後、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるまで、継続して高確状態に制御される。これに対して、パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース状態となった後には、所定の高ベース終了条件が成立したときに、高ベース状態が終了して低ベース状態となる。そのため、例えば高確高ベース状態である場合に、可変表示結果が「大当り」となるより前に高ベース終了条件の成立により高ベース状態が終了した後にも、可変表示結果が「大当り」となるまでは継続して高確状態に制御されることになる。なお、高ベース終了条件としては、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されたことにも決定可能である。この場合には、可変表示結果が「大当り」となるまで継続して高確高ベース状態に制御されることになる。
特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「小当り」となった場合には、当該可変表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態が終了した後に、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となるより前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、高ベース終了条件が成立していれば、小当り遊技状態の終了後に、高ベース状態が終了して低ベース状態となることがある。小当り遊技状態では、大当り種別が「2ラウンド大当り」である場合の大当り遊技状態におけるラウンド遊技と同様の実施態様(ラウンド遊技の実行回数や大入賞口の開放時間が同じ)となる可変入賞動作が行われる。これにより、リミット到達による確変リミッターの作動までに大当り遊技状態に制御すると決定される残り回数を、遊技者に認識させにくくすることができる。
飾り図柄の可変表示中には、リミット到達による確変リミッターの作動までに大当り遊技状態に制御すると決定される残り回数を、遊技者が認識可能に報知する残回数報知演出が実行されることがあるようにしてもよい。例えば、複数種類の変動パターンのうちには、残回数報知演出を実行可能に予め設定された変動パターンが含まれており、その変動パターンによる飾り図柄の可変表示中では、残回数報知演出を実行することができるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図4に示すような主基板31や演出制御基板90、音声枠ランプ基板92、ランプドライバ基板93、電源基板97、払出制御基板98、残高表示基板104といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、周辺電源中継基板47、周辺コマンド中継基板57、図柄中継基板84及びスイッチ中継基板95といった中継基板、特別図柄基板850、普通図柄基板86及び普通図柄記憶基板87なども搭載されている。
主基板31には、遊技盤40に設けられた各検出器55a、55bや各スイッチ52、62からの信号が、スイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板31には、第1始動口スイッチ59aや第2始動口スイッチ60aからの信号も入力される。主基板31からは、遊技盤40に設けられた各ソレノイド58a、65を駆動制御するための駆動制御信号が出力され、スイッチ中継基板95によって各部位へと中継される。また、主基板31からは、遊技状態に応じた電飾信号及び効果音信号等の情報信号が出力され、周辺コマンド中継基板57や演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92へと伝送される。さらに、主基板31からは、演出表示装置44cの表示状態を制御するための演出制御コマンドが出力され、周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へと伝送される。加えて、主基板31からは、第1特別図柄表示装置44a等の表示状態を制御するための表示制御信号が出力され、図柄中継基板84を介して特別図柄基板850や普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87などへと伝送される。主基板31には盤用外部端子板96が接続され、各種の遊技情報が伝送される。
主基板31には、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92及びランプドライバ基板93を介して、各種装飾LED・ランプ32が接続されている。遊技効果LED13、14a、14c、遊技効果ランプ14b、14c、16a、16b、17a、17bは、それぞれプリント配線基板等に実装され、スピーカ12a、12bとともに、周辺コマンド中継基板57及び演出制御基板90や音声枠ランプ基板92を介して、主基板31に接続されている。
主基板31には、電源基板97からの電力が供給され、各種遊技効果LED・ランプ13、14a〜14d、16a、16b、17a、17b、各種装飾LED・ランプ32及びスピーカ12a、12b等を駆動させるための電力を、周辺電源中継基板47を介して音声枠ランプ基板92に供給する。電源基板97は、一次電源となるAC24Vの交流電源を、電源コードを介して受け、二次電源としての電力を、主基板31と払出制御基板98とに供給する。電源基板97には、パチンコ遊技機1における全ての動作をクリアするためのクリアスイッチ97aも搭載されている。周辺電源中継基板47は、主基板31からの電力を音声枠ランプ基板92へと中継する。また、主基板31からは、各検出器55a、55bや各スイッチ52、59a、60aからの検出信号に基づいて賞球個数信号が出力され、払出制御基板98へと伝送される。
主基板31から演出制御基板90へと出力される情報信号としての演出制御コマンドは、周辺コマンド中継基板57により中継される。主基板31には、例えばI/O114などに、周辺コマンド中継基板57に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ99との間には、出力バッファ回路を含んだ出力ポートが接続されている。出力ポートに含まれる出力バッファ回路は、主基板31から周辺コマンド中継基板57を介して演出制御基板90へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、周辺コマンド中継基板57から主基板31への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板90や周辺コマンド中継基板57の側から主基板31の側に信号が伝わる余地はない。
周辺コマンド中継基板57には、例えば主基板31から演出制御基板90に対して情報信号を伝送するための配線ごとに、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板31に対応する主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板90に対応する演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されていればよい。このような構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板90から周辺コマンド中継基板57への信号の入力を阻止して、主基板31から演出制御基板90へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板90の側から主基板31の側に信号が伝わる余地がない。
周辺コマンド中継基板57を介して主基板31から演出制御基板90に対して伝送される情報信号としての演出制御コマンドには、例えば演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドなどが含まれている。図5(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示している。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図6(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図5(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置44cの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部で可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図5(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれとなるかの決定結果や、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様(大当り種別)が「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「2ラウンド大当り」のいずれとなるかの決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「15ラウンド大当り」となる旨の決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「10ラウンド大当り」となる旨の決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「7ラウンド大当り」となる旨の決定結果を示す第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別が「2ラウンド大当り」となる旨の決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C05Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の決定結果を示す第6可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置44cの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部で飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えば図5(C)に示すように、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド9500Hは、遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)であることを示す第1遊技状態指定コマント゛である。コマンド9501Hは、遊技状態が低確高ベース状態であることを示す第2遊技状態指定コマンドである。コマンド9502Hは、遊技状態が高確低ベース状態であることを示す第3遊技状態指定コマンドである。コマンド9503Hは、遊技状態が高確高ベース状態であることを示す第4遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、可変表示結果や大当り種別の決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り開始指定コマンドでは、可変表示結果や大当り種別の決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数(例えば「1」〜「15」)や、10ラウンド大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数(例えば「1」〜「10」)、7ラウンド大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数(例えば「1」〜「7」)、2ラウンド大当り状態又は可変入賞動作における大入賞口の開放回数(例えば「1」又は「2」)に対応したEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに関わりなく、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、可変表示結果や大当り種別の決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、可変表示結果や大当り種別の決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。なお、2ラウンド大当り状態及び/又は小当り遊技状態に制御されるときには、当り開始指定コマンドや大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、当り終了指定コマンドの一部又は全部が伝送されず、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンにより、2ラウンド大当り状態中及び/又は小当り遊技状態中における演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、第1始動口59に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、第2始動口60に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、演出表示装置44cの表示領域80に設けられた特別図柄始動記憶表示エリアなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板31から演出制御基板90に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図19に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応したEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板90の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板31から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。なお、保留記憶数通知コマンドは、第1始動口入賞指定コマンドを送信した後には第1保留記憶数を通知する一方、第2始動口入賞指定コマンドを送信した後には第2保留記憶数を通知するようにしてもよい。すなわち、保留記憶数指定コマンドは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に指定するようにしてもよい。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)100と、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)111と、プログラムに従って遊技の進行を制御するCPU(Central Processing Unit)112と、CPU112とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路113と、演出制御基板90等に制御信号となるコマンドを送信するI/O114とを含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100から読み出した遊技制御用のプログラムを実行し、RAM111をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ99を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU112の他にRAM111が内蔵されていればよく、ROM100や乱数回路113は、外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O114は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ99では、CPU112がROM100に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ99(又はCPU112)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU112がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板31では、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ99が備える乱数回路113などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図6は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2−1、リーチ決定用の乱数値MR2−2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路113は、これらの乱数値MR1〜MR6の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU112は、例えば図19に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路113とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR6の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路113によりCPU112とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2−1、MR2−2、MR3〜MR6を示す数値データは、CPU112がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路113により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR6の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ99は、乱数回路113が更新する数値データの初期値を設定する機能を有してもよい。例えば、ROM100等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ99のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ99の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路113が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路113が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれとするかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2−1は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「2ラウンド大当り」のいずれとするかを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。リーチ決定用の乱数値MR2−2は、可変表示結果を「ハズレ」とする場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「239」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「241」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。
普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「201」の範囲の値をとる。すなわち、普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける可変表示結果に基づき普通可変入賞球装置15が形成する第2始動口60を遊技球が通過しがたい状態(閉鎖状態あるいは通常開放状態)から遊技球が通過しやすい状態(開放状態あるいは拡大開放状態)へと変化させるか否かなどの決定を行うために用いられる。高ベース終了条件決定用の乱数値MR6は、高ベース状態を終了するための高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「311」の範囲の値をとる。
図7は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターンを示している。図7に示す変動パターンのうち、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4と、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−4は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応して、予め用意された変動パターンである。これらの変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。図7に示す変動パターンのうち、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−6は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応して、予め用意された変動パターンである。これらの変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。
図7に示す変動パターンのうち、変動パターンPA4−1〜変動パターンPA4−6は、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」のいずれかとなる場合に対応して、予め用意された変動パターンである。これらの変動パターンは、大当り専用変動パターンと称される。図7に示す変動パターンのうち、変動パターンPA5−1〜変動パターンPA5−4は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2ラウンド大当り」となる場合や、可変表示結果が「小当り」となる場合に対応して、予め用意された変動パターンである。これらの変動パターンは当り兼用変動パターンと称される。大当り専用変動パターンと当り兼用変動パターンは、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図8は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターン種別を示している。図7に示す各変動パターンは、図8に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−8が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3が、予め用意されている。
可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」のいずれかとなる場合に対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−6が、予め用意されている。また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2ラウンド大当り」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合とに対応した変動パターン種別として、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3が、予め用意されている。
図8に示す変動パターン種別の設定例では、まず、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、大当り専用変動パターン、当り兼用変動パターンに分類している。その上で、非リーチ変動パターンであれば、低ベース状態と高ベース状態のいずれに対応しているかや、特図保留記憶数(合計保留記憶数)に対応して可変表示時間が短縮されるか否か、可変表示演出の有無などに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−8のそれぞれを設定している。また、リーチ変動パターンであれば、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるかに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のそれぞれを設定している。大当り専用変動パターンであれば、リーチ演出がノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβのいずれであるかや、可変表示演出の有無などに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−6のそれぞれを設定している。当り兼用変動パターンであれば、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかとなる確定飾り図柄を停止表示するかリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を停止表示するかや、可変表示演出の有無などに応じて分類した1つ以上の変動パターンが含まれるように、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別4−3のそれぞれを設定している。
なお、変動パターン種別の構成は、図8に示すものに限定されず、飾り図柄の可変表示中に実行される任意の演出動作に基づき各変動パターンを分類したものなどであればよい。一例として、リーチ変動パターンや当り変動パターンについて、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かや、実行される場合における擬似連変動の実行回数(初回変動を除く)などに応じて分類した変動パターンにより、各変動パターン種別を構成するようにしてもよい。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるROM100には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM100には、CPU112が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM100には、CPU112が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図9は、ROM100に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図9(A)に示す低確時特図表示結果決定テーブル130Aと、図9(B)に示す高確時特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。低確時特図表示結果決定テーブル130Aは、遊技状態が低確状態であるときに、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれとするかを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。高確時特図表示結果決定テーブル130Bは、遊技状態が高確状態であるときに、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおいて、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「ハズレ」、「小当り」、「大当り」のいずれとするかを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
低確時特図表示結果決定テーブル130Aや高確時特図表示結果決定テーブル130Bでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」及び「小当り」及び「ハズレ」の可変表示結果のいずれかに割り当てられている。なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通の決定テーブルを用意している。これに対して、第1特別図柄表示装置44aと第2特別図柄表示装置44bとで決定値の割当てが異なる決定テーブルを使用して、特図ゲームにおける可変表示結果を決定するようにしてもよい。一例として、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームに比べて、「小当り」の可変表示結果に割り当てられる決定値の個数が少なくなるようにしてもよい。このような設定により、第2特図を用いた特図ゲームでは、第1特図を用いた特図ゲームに比べて、可変表示結果が「小当り」となる確率を低下させて、高ベース状態における遊技に間延びが生じることによる遊技興趣の減退を抑制することができる。
高確時特図表示結果決定テーブル130Bでは、低確時特図表示結果決定テーブル130Aに比べて多くの決定値が、「大当り」の可変表示結果に割り当てられている。すなわち、高確時特図表示結果決定テーブル130Bでは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する決定割合が、低確時特図表示結果決定テーブル130Aよりも高くなるように、決定値が各可変表示結果に割り当てられている。そして、遊技状態が低確状態であるときには低確時特図表示結果決定テーブル130Aを用いて特図ゲームにおける可変表示結果を決定する一方、遊技状態が高確状態であるときには高確時特図表示結果決定テーブル130Bを用いて特図ゲームにおける可変表示結果を決定する。これにより、遊技状態が高確状態であるときには、低確状態であるときに比べて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が向上する。
なお、低確時特図表示結果決定テーブル130Aと高確時特図表示結果決定テーブル130Bは、別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて異ならせるように構成されたものであってもよい。すなわち、遊技状態が高確状態であるときには、低確状態であるときに比べて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御する決定割合が高くなるように設定された決定用データとなるものであればよい。
図10は、ROM100に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り種別決定テーブルとして、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aと、図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bとが、予め用意されている。第1特図大当り種別決定テーブル131Aは、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とすることが決定された場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特図大当り種別決定テーブル131Bは、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」とすることが決定された場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bでは、大当り種別決定用の乱数値MR2−1と比較される数値(決定値)が、大当り図柄となる特別図柄や、各大当り図柄に対応する大当り種別などに、割り当てられている。第1特図大当り種別決定テーブル131Aと第2特図大当り種別決定テーブル131Bは、図19に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「3」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
第1特図大当り種別決定テーブル131Aと第2特図大当り種別決定テーブル131Bとでは、各大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。例えば、第1特図大当り種別決定テーブル131Aでは、「2ラウンド大当り」と「10ラウンド大当り」の大当り種別に対して決定値が割り当てられる一方、第2特図大当り種別決定テーブル131Bでは、「7ラウンド大当り」と「15ラウンド大当り」の大当り種別に対して決定値が割り当てられている。これにより、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合と、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合とで、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の種類を異ならせることができる。したがって、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合と、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合とでは、複数種類のラウンド遊技のそれぞれに決定される割合が異なることになる。
なお、第1特図大当り種別決定テーブル131Aと第2特図大当り種別決定テーブル131Bは、別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、第1特図を用いた特図ゲームの場合と第2特図を用いた特図ゲームの場合とで異ならせるように構成されたものであってもよい。すなわち、第1始動口59に遊技球が入賞したことによる第1開始条件の成立に基づき可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたか、第2始動口60に遊技球が入賞したことによる第2開始条件の成立に基づき可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたかに応じて、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の種類を異ならせるように設定された決定用データとなるものであればよい。この実施の形態では、第1始動口59に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示結果が「大当り」に決定された場合と、第2始動口60に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示結果が「大当り」に決定された場合とで、ラウンド遊技の種類を異ならせることにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の決定態様を異ならせ、複数種類のラウンド遊技のそれぞれに決定される割合を異ならせている。また、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて異なる割合で各大当り種別が決定されるように、第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bを設定するようにしてもよい。すなわち、第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bでは、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。
図11は、ROM100に記憶されるリーチ決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ決定テーブルとして、図11(A)に示す低ベース時リーチ決定テーブル132Aと、図11(B)に示す高ベース時リーチ決定テーブル132Bとが、予め用意されている。低ベース時リーチ決定テーブル132Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とする決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを決定するために参照されるテーブルである。高ベース時リーチ決定テーブル132Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とする決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時リーチ決定テーブル132Aでは、合計保留記憶数に応じて、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される数値(決定値)が、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5といったリーチ状態にしない旨の非リーチ決定結果や、リーチHA2−1〜リーチHA2−3といったリーチ状態にする旨のリーチ決定結果に割り当てられている。高ベース時リーチ決定テーブル132Bでは、合計保留記憶数に応じて、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される数値(決定値)が、非リーチHB1−1、非リーチHB1−2といった非リーチ決定結果や、リーチHB2−1といったリーチ決定結果に割り当てられている。
例えば、図11(A)に示す低ベース時リーチ決定テーブル132Aの設定では、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、「1」〜「204」の範囲の値が非リーチHA1−1に割り当てられ、「205」〜「239」の範囲の値がリーチHA2−1に割り当てられている。合計保留記憶数が「1」である場合に対応して、非リーチHA1−1に割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「217」の範囲の値が、非リーチHA1−2に割り当てられている。合計保留記憶数が「2」である場合に対応して非リーチHA1−1や非リーチHA1−2に割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「220」の範囲の値が、非リーチHA1−3に割り当てられている。合計保留記憶数が「3」又は「4」である場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−3のそれぞれに割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「230」の範囲の判定値が、非リーチHA1−4に割り当てられている。合計保留記憶数が「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、非リーチHA1−1〜非リーチHA1−4のそれぞれに割り当てられる決定値の個数よりも多い「1」〜「233」の範囲の判定値が、非リーチHA1−5に割り当てられている。このような設定によって、特図ゲームの保留数である合計保留記憶数が所定数(例えば、「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にする旨の決定がなされる割合が低くなる。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がリーチ変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なるリーチ決定テーブルを参照することにより、リーチ状態とするか否かを決定する。これに対して、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、異なるリーチ決定テーブルを参照するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに応じて、異なるリーチ決定テーブルを参照するようにしてもよい。リーチ決定テーブルは、遊技状態に応じて別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態に応じて異ならせるように構成されたものでもよい。
図12は、ROM100に記憶される大当り変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、大当り変動パターン種別決定テーブルとして、図12(A)に示す低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと、図12(B)に示す高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bとが、予め用意されている。低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、可変表示結果を「大当り」とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、可変表示結果を「大当り」とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aや高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bでは、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−6、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3のいずれかに割り当てられている。各変動パターン種別に対する決定値の割当ては、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて異なるように、設定されている。例えば、低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aでは、大当り種別が「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−6のそれぞれに対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。例えば、低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aにおいて、「10ラウンド大当り」や「15ラウンド大当り」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA3−6に対して決定値が割り当てられる一方で、「7ラウンド大当り」の大当り種別である場合には変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA3−6に対して決定値が割り当てられていない。これにより、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
大当り種別が「2ラウンド大当り」である場合には、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3といった、大当り種別が「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」のいずれかである場合には決定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、決定値が割り当てられている。こうして、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2ラウンド大当り」に応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、7ラウンド大当り状態や10ラウンド大当り状態、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
例えば大当り種別が「10ラウンド大当り」である場合において、遊技状態が低ベース状態であるときに用いられる低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと、高ベース状態であるときに用いられる高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bとでは、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−6に対する決定値の割当てが異なっている。このように、大当り種別が「2ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」のいずれかに決定された場合に、遊技状態に応じて選択される低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bとを比較すると、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てが異なることがある。こうして、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、遊技状態に応じて異なる変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにしてもよい。例えば、大当り種別が「7ラウンド大当り」である場合に、低ベース状態であれば変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA3−6に対して決定値が割り当てられない一方で、高ベース状態であれば変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CA3−4、変動パターン種別CA3−6に対して決定値が割り当てられている。この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なる大当り変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を決定する。これに対して、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、異なる大当り変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに応じて、異なる大当り変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。大当り変動パターン種別決定テーブルは、遊技状態に応じて別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態に応じて異ならせるように構成されたものでもよい。
図13は、ROM100に記憶される小当り変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、小当り変動パターン種別決定テーブルとして、図13(A)に示す低確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Aと、図13(B)に示す高確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Bとが、予め用意されている。低確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Aは、遊技状態が低確状態であるときに、可変表示結果を「小当り」とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。高確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Bは、遊技状態が高確状態であるときに、可変表示結果を「小当り」とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
低確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Aや高確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Bでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−3のいずれかに割り当てられている。低確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Aにて決定値の全部が割り当てられている変動パターン種別CA4−1には、図12(A)に示す低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aや図12(B)に示す高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bにおいて、大当り種別が「2ラウンド大当り」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。高確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Bにて決定値の一部が割り当てられている変動パターン種別CA4−2には、図12(A)に示す低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aにおいて、大当り種別が「2ラウンド大当り」である場合に応じて決定値の一部が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2は、大当り種別が「2ラウンド大当り」となる場合と、可変表示結果が「小当り」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、大当り変動パターン種別決定テーブルにて大当り種別が「2ラウンド大当り」に対応したテーブルデータと、小当り変動パターン種別決定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
この実施の形態では、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、異なる小当り変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を決定する。これに対して、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なる小当り変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに応じて、異なる小当り変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。小当り変動パターン種別決定テーブルは、遊技状態に応じて別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態に応じて異ならせるように構成されたものでもよい。
図14は、ROM100に記憶されるリーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図14(A)に示す低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aと、図14(B)に示す高ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Bとが、予め用意されている。低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とし飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。高ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とし飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aや高ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Bでは、リーチ状態とする決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3、リーチHB2−1のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−3のいずれかに割り当てられている。
低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aでは、リーチ状態とする決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている。例えば、リーチHA2−1の決定結果に対応して、「1」〜「190」の範囲の値(決定値)が変動パターン種別CA2−1に割り当てられ、その他の値が変動パターン種別CA2−2や変動パターン種別CA2−3に割り当てられている。また、リーチHA2−2の決定結果に対応して、「1」〜「195」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割り当てられている。さらに、リーチHA2−3の決定結果に対応して、「1」〜「215」の範囲の値が変動パターン種別CA2−1に割り当てられている。リーチHA2−1には、図11(A)に示す低ベース時リーチ決定テーブル132Aによって、合計保留記憶数が「0」である場合に対応して、リーチ決定用の乱数値MR2−2と比較される決定値が割り当てられている。リーチHA2−2には、合計保留記憶数が「1」や「2」である場合に対応して、決定値が割り当てられている。リーチHA2−3には、合計保留記憶数が「3」又は「4」である場合や「5」〜「8」のいずれかである場合に対応して、決定値が割り当てられている。これらの設定によって、合計保留記憶数が所定数(例えば、「1」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ)が実行される変動パターン種別CA2−1に決定される割合が高くなる。そして、ノーマルリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間がスーパーリーチとなるリーチ演出を実行する変動パターンにおける平均的な特別図柄の変動時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な特別図柄の変動時間を短縮することができる。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なるリーチ変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を決定する。これに対して、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、異なるリーチ変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに応じて、異なるリーチ変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。リーチ変動パターン種別決定テーブルは、遊技状態に応じて別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態に応じて異ならせるように構成されたものでもよい。
図15は、ROM100に記憶される非リーチ変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、非リーチ変動パターン種別決定テーブルとして、図15(A)に示す低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aと、図15(B)に示す高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bとが、予め用意されている。低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とし飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とし飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としない決定結果に対応して、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aでは、リーチ状態としない決定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−4のいずれかに割り当てられている。高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bでは、リーチ状態としない決定結果が非リーチHB1−1及び非リーチHB1−2のいずれであるかや、特図ゲームにおいて変動させる特別図柄である変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−4〜変動パターン種別CA1−8のいずれかに割り当てられている。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、異なる非リーチ変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を決定する。これに対して、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、異なる非リーチ変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。あるいは、遊技状態が低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態のいずれであるかに応じて、異なる非リーチ変動パターン種別決定テーブルを参照するようにしてもよい。非リーチ変動パターン種別決定テーブルは、遊技状態に応じて別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、遊技状態に応じて異ならせるように構成されたものでもよい。
図16は、ROM100に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図16(A)に示す当り変動パターン決定テーブル137Aと、図16(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル137Bとが、予め用意されている。当り変動パターン決定テーブル137Aは、可変表示結果を「大当り」又は「小当り」にすると決定されたときに、大当り種別及び/又は変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを複数種類用意された当り変動パターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル137Bは、可変表示結果を「ハズレ」にすると決定されたときに、リーチ状態にするか否かや変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターンを複数種類用意されたハズレ変動パターンのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
当り変動パターン決定テーブル137Aやハズレ変動パターン決定テーブル137Bでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、各変動パターン種別に含まれる1つ又は複数の変動パターンに割り当てられている。
ハズレ変動パターン決定テーブル137Bでは、変動パターン種別CA1−4となる場合に対応して、変動パターンPA1−4といった可変表示演出が実行される変動パターン(図7参照)に、決定値が割り当てられている。そして、図15(A)に示す低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aや、図15(B)に示す高ベース時非リーチ変動パターン決定テーブル136Bにおいて、変動パターン種別CA1−4に対して決定値が割り当てられている箇所がある。これにより、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となる場合でも、変動パターンPA1−4に決定することにより、可変表示演出を実行することができる。
ハズレ変動パターン決定テーブル137Bの設定では、変動パターン種別CA1−4となる場合に対応して変動パターンPA1−4に決定され、変動パターン種別CA1−5となる場合に対応して変動パターンPA2−1に決定され、変動パターン種別CA1−6となる場合に対応して変動パターンPA2−2に決定される。また、変動パターン種別CA1−7となる場合に対応して変動パターンPA2−3に決定され、変動パターン種別CA1−8となる場合に対応して変動パターンPA2−4に決定される。ここで、図7に示す変動パターンの設定において、変動パターンPA1−4に対応した特図変動時間T4や変動パターンPA2−1に対応した特図変動時間T5、変動パターンPA2−2に対応した特図変動時間T6は、いずれも変動パターンPA2−3に対応した特図変動時間T7や変動パターンPA2−4に対応した特図変動時間T8よりも長く設定されている。
図11(B)に示す高ベース時リーチ決定テーブル132Bでは、合計保留記憶数が「0」や「1」である場合に非リーチHB1−1の非リーチ決定結果となることがあり、合計保留記憶数が「2」〜「8」のいずれかである場合に非リーチHB1−2の非リーチ決定結果となることがある。そして、図15(B)に示す高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bにより、非リーチ決定結果が非リーチHB1−1であるときに、変動特図が第1特図であれば、変動パターン種別CA1−4及び変動パターン種別CA1−5のいずれかに決定され、変動特図が第2特図であれば、変動パターン種別CA1−7に決定される。また、非リーチ決定結果が非リーチHB1−2であるときに、変動特図が第1特図であれば、変動パターン種別CA1−6に決定され、変動特図が第2特図であれば、変動パターン種別CA1−8に決定される。したがって、遊技状態が高ベース状態であるときには、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームでの特図変動時間を、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームでの特図変動時間に比べて長い時間に設定する。ここで、大当り遊技状態が終了して遊技状態が高ベース状態に移行するときには、例えば大当り遊技状態中に開始された普図ゲームの影響などにより、有利開放制御が直ちに開始されるとは限らず、高ベース状態であっても第2始動口60に遊技球が入賞しがたい期間が生じることがある。このような場合において、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームでの特図変動時間が長い時間に設定されることで、第1特図を用いた特図ゲームの消化が遅くなり、その間に有利開放制御により第2始動口60に遊技球が入賞しやすくなれば、以後は第1開始条件より優先して成立する第2開始条件に基づき第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される頻度を高めることができる。
図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bの設定では、第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合に、第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合よりも、ラウンド遊技の平均的な実行回数が増大する。こうして、大当り遊技状態が終了して高ベース状態に移行するときには、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームの消化を遅らせる一方で、その第1特図を用いた特図ゲームを1回又は数回実行している間に、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高められ、ラウンド遊技の実行回数が遊技者にとって有利となる大当り遊技状態に制御される可能性を高めるとともに、第1特図を用いた特図ゲームよりも特図変動時間が短い第2特図を用いた特図ゲームの消化を早めることができる。さらに、変動パターンPA2−2に対応した特図変動時間T6は、変動パターンPA2−1に対応した特図変動時間T5よりも短く設定されていればよく、変動パターンPA2−4に対応した特図変動時間T8は、変動パターンPA2−3に対応した特図変動時間T7よりも短く設定されていればよい。このような設定により、遊技状態が高ベース状態である場合に、合計保留記憶数が「2」以上のときの平均的な特図変動時間を「1」以下のときより短くすることができる。
図17は、ROM100に記憶される高ベース終了条件決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、高ベース終了条件決定テーブルとして、図17(A)に示すリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aと、図17(B)に示すリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bとが、予め用意されている。リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)に対応して、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件を決定するために参照されるテーブルである。リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応して、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件を決定するために参照されるテーブルである。
リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aでは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときの遊技状態である大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、大当り種別と複数種類の高ベース終了条件とが対応付けられている。リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bでは、大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかや、大当り種別に応じて、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6と比較される数値(決定値)が、複数種類の高ベース終了条件のいずれかに割り当てられている。
図17(A)に示すリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aの設定では、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「次回大当り」となる。これにより、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。その一方で、大当り種別が「2ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「変動50回」となり、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「変動100回」となる。高ベース終了条件が「変動50回」の場合には、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が「50」に達するまで、又は、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。高ベース終了条件が「変動100回」の場合には、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が「100」に達するまで、又は、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。こうしたリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aを用いて高ベース終了条件を決定することにより、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かと、大当り種別の決定結果に対応したラウンド遊技の種類とに基づいて、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに設定することができる。また、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおいて、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて各大当り種別の決定割合を異ならせるようにした場合には、大当り時遊技状態が高確状態であるか否かに応じて異なる割合で、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定することができる。
図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bの設定により、第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合には、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「10ラウンド大当り」に決定されることから、第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合よりも、大当り時遊技状態が高ベース状態であることに基づく大当り遊技状態の終了後に、高ベース状態が短期間で終了する可能性が高くなる。そして、高ベース状態では、第2始動口60を遊技球が通過しやすくなる有利開放制御が行われ、第2特図を用いた特図ゲームの実行頻度が向上する。したがって、高ベース状態にて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御することが決定された後には、その大当り遊技状態の終了後に高ベース状態が長期間にわたり継続する可能性が高くなり、確変リミッターが作動するまで、短期間のうちに可変表示結果が「大当り」となる特図ゲームが多数回実行される可能性が高まり、効率よく大当り遊技状態におけるラウンド遊技での賞球を獲得することができる。
なお、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aでは、大当り時遊技状態が低ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」のときにも、高ベース終了条件が「次回大当り」となるようにしてもよい。これにより、低ベース状態にて第1特図を用いた特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」となった場合にも、大当り遊技状態の終了後に、さらに可変表示結果が「大当り」となるまで、継続して高ベース状態に制御する場合を設けることができる。また、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aにおいて、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合には、大当り種別に関わりなく、高ベース終了条件が「次回大当り」となるようにしてもよい。これにより、高ベース状態であるときに特図ゲームでの可変表示結果が一旦「大当り」となれば、確変リミッターが作動するまでは、大当り遊技状態の終了後に、さらに可変表示結果が「大当り」となるまで、常に継続して高ベース状態に制御することができ、短期間のうちに大当り遊技状態へと多数回制御される可能性がより高まり、さらに効率よくラウンド遊技での賞球を獲得することができる。
リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bでは、高ベース終了条件として、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が、比較的に少ない第1回数よりも、比較的に多い第2回数に対して、より多くの決定値が割り当てられている。例えば、大当り時遊技状態が低ベース状態である場合に、大当り種別が「2ラウンド大当り」であれば、「変動10回」の高ベース終了条件に対して「1」〜「140」の範囲の決定値が割り当てられる一方、「変動100回」の高ベース終了条件に対して「141」〜「311」の範囲の決定値が割り当てられる。したがって、確変リミッターが作動する大当り遊技状態の終了後には、高ベース終了条件となる高ベース状態における特図ゲームの実行回数が、比較的に少ない第1回数に決定される第1割合よりも、第1回数よりも比較的に多い第2回数に決定される第2割合の方が、高くなる。
リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bでは、高ベース終了条件として、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り時遊技状態が低ベース状態である場合よりも多い回数となりやすいように、決定値が割り当てられている。例えば、大当り時遊技状態が低ベース状態である場合に、大当り種別が「7ラウンド大当り」であれば、「変動20回」の高ベース終了条件に対して「1」〜「120」の範囲の決定値が割り当てられる一方、「変動100回」の高ベース終了条件に対して「121」〜「311」の決定値が割り当てられる。これに対して、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「7ラウンド大当り」であれば、「変動40回」の高ベース終了条件に対して「1」〜「60」の範囲の決定値が割り当てられる一方、「変動150回」の高ベース終了条件に対して「61」〜「311」の範囲の決定値が割り当てられる。したがって、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合には、低ベース状態である場合に決定される「変動20回」の高ベース終了条件よりも多い「変動40回」の高ベース終了条件や、低ベース状態である場合に決定される「変動100回」の高ベース終了条件よりも多い「変動150回」の高ベース終了条件を決定可能であり、また、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に「変動150回」の高ベース終了条件に決定される割合は、大当り時遊技状態が低ベース状態である場合に「変動100回」の高ベース終了条件に決定される割合よりも、高くなる。
このようなリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bの設定により、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)には、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かに応じて、異なる高ベース終了条件に決定することができる。また、大当り時遊技状態が高ベース状態であるときには、大当り時遊技状態が低ベース状態であるときよりも、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数が多くなる割合が高められて、大当り遊技状態の終了後に高ベース終了条件が成立するまでの期間が長くなる可能性が高くなり、遊技者にとってより有利となるように、高ベース終了条件を決定することができる。こうしたリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bを用いて高ベース終了条件を決定することにより、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かと、大当り種別の決定結果に対応したラウンド遊技の種類とに基づいて、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに設定することができる。また、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおいて、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて各大当り種別の決定割合を異ならせるようにした場合には、大当り時遊技状態が高確状態であるか否かに応じて異なる割合で、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定することができる。
なお、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bは、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6を用いて高ベース終了条件を決定するためのものに限定されず、例えばリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aと同様に、大当り時遊技状態と大当り種別とに対応して、高ベース終了条件が決定されるように構成されたものであってもよい。あるいは、大当り種別に関わりなく、大当り時遊技状態のみに対応して、高ベース終了条件が決定されるように構成されたものであってもよい。一例として、大当り時遊技状態が低ベース状態であれば「変動50回」の高ベース終了条件に決定される一方、大当り時遊技状態が高ベース状態であれば「変動100回」の高ベース終了条件に決定されるように、テーブルデータが構成されていればよい。また、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aは、大当り時遊技状態と大当り種別とに対応して高ベース終了条件を決定するためのものに限定されず、例えばリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bと同様に、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6を用いて高ベース終了条件が複数種類のいずれかに決定されるように構成されたものであってもよい。
図18は、ROM100に記憶される普図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、普図表示結果決定テーブルとして、図18(A)に示す低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aと、図18(B)に示す高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bとが、予め用意されている。低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、普通図柄表示装置63による普図ゲームでの可変表示結果を「普図当り」として第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定するために参照されるテーブルである。高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、普図ゲームでの可変表示結果を「普図当り」として有利状態とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aや高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bでは、普図表示結果決定用の乱数値MR5と比較される数値(決定値)が、「普図当り#1」〜「普図当り#4」の一部や「普図ハズレ」の各普図表示結果に割り当てられている。低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aや高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bは、「普図当り#1」〜「普図当り#4」及び「普図ハズレ」のそれぞれに対応して、普図変動時間を複数種類のいずれかに設定するための設定用データや、普図表示結果が「普図当り」となった場合に対応して第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする制御を行う時間(開放時間)と回数(開放回数)を設定するための設定用データなどを、含んでもよい。
低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aの設定では、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「60」のいずれかであるときに普図表示結果を「普図当り」とすることが決定される。その一方で、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bの設定では、普図表示結果決定用の乱数値MR5が「1」〜「180」のいずれかであるときに普図表示結果を「普図当り」とすることが決定される。これにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率が高くなり、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度を向上させることができる。また、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bを用いて設定される普図変動時間TH3、TH4は、低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aを用いて設定される普図変動時間TH1、TH2よりも短い。したがって、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて、普図ゲームにおける普図変動時間が短くなり、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度を向上させることができる。
低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aを用いて設定される普図変動時間TH1、TH2は、高ベース状態であるときに第1特図を用いた特図ゲームで設定される特図変動時間T4、T5、T6(図7、図15(B)及び図16(A)参照)よりも短い。したがって、遊技状態が高ベース状態であるときには、第1特図を用いた特図ゲームでの特図変動時間が、普図ゲームにおける普図変動時間に比べて長い時間となる。また、遊技状態が高ベース状態であるときには、開放時間と開放回数が「3.0秒×2回」となり、遊技状態が低ベース状態であるときよりも第2始動口60の有利状態が長時間で多数回となる。したがって、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度を向上させることができる。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるRAM111は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM111の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM111には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図19に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図19に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、第1始動口59を遊技球が通過して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動口59への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU112により乱数回路113等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、第2始動口60を遊技球が通過して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動口60への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU112により乱数回路113等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート61を通過して始動条件は成立したが開始条件は成立していない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部151Cは、通過ゲート61の通過順に保留番号と関連付けて、各遊技球の通過による始動条件の成立に基づいてCPU112により抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、小当りフラグ、高確フラグ、高ベースフラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図26のステップS55や図27に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示装置63による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために実行される図26のステップS16や図34に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。小当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するとの決定結果に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、小当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
高確フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確低ベース状態や高確高ベース状態といった高確状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、高確状態が終了することや、RAM111のクリアなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。高ベースフラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、高ベース状態が終了することや、RAM111のクリアなどに対応して、クリアされてオフ状態となる。こうして、パチンコ遊技機1における遊技状態は、高確フラグ及び高ベースフラグの状態から特定することができる。すなわち、高確フラグ及び高ベースフラグがいずれもオフであれば、遊技状態は通常状態としての低確低ベース状態である。高確フラグがオフであり高ベースフラグがオンであれば、遊技状態は低確高ベース状態である。高確フラグがオンであり高ベースフラグがオフであれば、遊技状態は高確低ベース状態である。高確フラグ及び高ベースフラグがいずれもオンであれば、遊技状態は高確高ベース状態である。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間である特図変動時間といった、特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間である普図変動時間といった、普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板31の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1始動入賞判定カウンタ、第2始動入賞判定カウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、高ベース中カウンタ、大当り発生カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路113とは別個に、あるいは、乱数回路113から抽出された数値データを用いて、CPU112がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2−1、MR2−2、MR3〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU112によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU112がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路113における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路113から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1始動入賞判定カウンタは、第1始動口スイッチ59aから伝送される遊技球の検出信号となる第1始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第1始動口スイッチ59aからの第1始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第1始動口59に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第1始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第1始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第2始動入賞判定カウンタは、第2始動口スイッチ60aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号における信号状態がオンであることが、続けて判定された回数をカウントするためのものである。例えば、第2始動口スイッチ60aからの第2始動入賞信号における信号状態がオンであると判定されるごとに、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が1加算される。そして、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値が予め定められた入賞判定値に達したときに、第2始動口60に進入した遊技球を正常に検出した旨の判定がなされる。また、第2始動入賞判定カウンタにおける格納値は、第2始動入賞信号における信号状態がオフであると判定されたときや、入賞判定値に達したと判定されたときなどに、クリアされて「0」に初期化されればよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
高ベース中カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース状態であるときに、高ベース終了条件が成立するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、高ベース中カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに決定された高ベース終了条件が「次回大当り」以外の条件(例えば「変動50回」など)であれば、その条件で示される変動回数に対応したカウント初期値(例えば「50」など)を示すデータが、高ベース中カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、高ベース中カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、高ベース中カウント値が「0」に達したときには、高ベースフラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、高ベース状態を終了して低ベース状態へと移行する制御が行われる。
大当り発生カウンタは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づき大当り遊技状態に制御された回数を特定可能にカウントするためのものである。一例として、大当り発生カウンタには、初期状態として「0」のカウント初期値が設定されており、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されるごとに、格納値である大当り発生カウント値が1加算される。そして、大当り遊技状態に制御された回数がリミット値となる上限回数に達したリミット時には、その大当り遊技状態の終了時に遊技状態を高確状態とする制御が終了して低確状態へと制御されるとともに、大当り発生カウンタがクリアされて、大当り発生カウント値が「0」に初期化されればよい。その後、さらに可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されるごとに、次のリミット時となるまで大当り発生カウント値が1加算されればよい。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンドが終了して次回のラウンドが開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。
遊技制御バッファ設定部155パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板31からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM100における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動口59と第2始動口60のいずれを通過した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口59を通過した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口60を通過した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図10(A)に示すような第1特図大当り種別決定テーブル131A及び図10(B)に示すような第2特図大当り種別決定テーブル131Bでの設定に基づき、大当り種別が「2ラウンド大当り」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「7ラウンド大当り」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定され、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば大当り種別バッファ値には「2」が設定され、大当り種別が「15ラウンド大当り」であれば大当り種別バッファ値には「3」が設定される。
図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ99が備えるI/O114は、遊技制御用マイクロコンピュータ99に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ99の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図4に示す演出制御基板90には、例えば図20に示すような演出制御用マイクロコンピュータ170が搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ170は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、周辺コマンド中継基板57を介して主基板31から伝送された演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置44cにおける表示制御などを行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声枠ランプ基板92を介して、遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bといった発光部材の点灯制御や、スピーカ12a、12bにおける音声出力制御を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ170は、CPU181と、ROM182と、RAM183と、乱数回路184と、入出力ポート185とを含んでいる。演出制御用マイクロコンピュータ170では、CPU181がROM182から読み出した演出制御用のプログラムを実行し、RAM183をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における演出動作を制御するための処理が実行される。演出制御用マイクロコンピュータ170を構成する1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU181の他にRAM183が内蔵されていればよく、ROM182や乱数回路184は、外付けであっても内蔵されていてもよい。あるいは、乱数回路184が設けられていなくてもよい。また、入出力ポート185は、外付けであってもよい。
CPU181は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を含む表示制御部171に演出表示装置44cの表示制御を行わせる。表示制御部171において、例えばVDPが演出制御用マイクロコンピュータ170とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを一時記憶(展開)するためのバッファメモリである。そして、VDPは、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置44cに出力する。
CPU181は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令を表示制御部171に出力する。CGROMは、演出表示装置44cに表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。表示制御部171において、例えばVDPがCPU181からの指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDPは、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
入出力ポート185に含まれる所定の入力ポートには、操作検出スイッチ50aからの情報信号としての操作検出信号を伝送するための配線が接続されている。入力ポート185に入力された操作検出信号は、演出制御用マイクロコンピュータ170へと伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ170では、操作検出スイッチ50aからの操作検出信号に基づいて、例えば予告演出等の遊技の演出を行うための処理を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板90において、例えば所定の入力ドライバ等を介して演出制御用マイクロコンピュータ170へと伝送される。入力ドライバは、周辺コマンド中継基板57から入力された信号を演出制御基板90の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板90の内部から周辺コマンド中継基板57への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路であればよい。
CPU181は、入出力ポート185に含まれる所定の出力ポートを介し、音声枠ランプ基板92に対して発光部材を駆動する信号を出力する。音声枠ランプ基板92において、発光部材を駆動する信号は、所定の入力ドライバ等を介してランプドライバやLEDドライバに入力される。ランプドライバは、ランプを駆動する信号に基づいて、例えば遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bなどの発光部材に電流を供給する。LEDドライバは、LEDを駆動する信号に基づいて、例えば遊技効果LED13、14a、14cなどの発光部材に電流を供給する。
CPU181は、入出力ポート185に含まれる所定の出力ポートを介し、音声枠ランプ基板92に対して音番号データを出力する。音声枠ランプ基板92において、音番号データは、所定の入力ドライバ等を介して音声合成用ICに入力される。音声枠ランプ基板92が備える音声データROMには、音番号データに応じた音声データが格納されている。音番号データに応じた音声データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生させるための音声データを音声データROMから読み出して所定の音声RAM等に一時記憶(展開)した後、音声データに対応して生成した音声信号(アナログ音声信号)を増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ12a、12bに出力する。
演出制御基板90に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ170では、内蔵又は外付けの乱数回路184などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出制御用マイクロコンピュータ170に内蔵又は外付けの乱数回路184は、演出用乱数の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU181は、例えば図24に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路184とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、演出用乱数の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、演出制御用マイクロコンピュータ170に内蔵又は外付けの乱数回路184により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、演出用乱数の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板90に乱数回路184が搭載されていない場合には、CPU181がランダムカウンタを用いて、演出用乱数の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ170に内蔵又は外付けのROM182には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM182には、CPU181が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。こうしたテーブルデータを記憶する領域として、例えば図21に示す演出制御用テーブル格納エリア160が設けられている。この実施の形態では、演出制御用テーブル格納エリア160に、最終停止図柄決定テーブル161と、仮停止図柄決定テーブル162と、演出実行決定テーブル163と、演出パターン決定テーブル164と、演出制御パターンテーブル165とが格納されている。
最終停止図柄決定テーブル161は、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄としての最終停止図柄を決定するために参照されるテーブルである。例えば、最終停止図柄決定テーブル161では、可変表示結果や可変表示態様などに応じて、最終停止図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、最終停止図柄となる飾り図柄などに割り当てられていればよい。
仮停止図柄決定テーブル162は、飾り図柄の可変表示中に仮停止表示される飾り図柄としての仮停止図柄を決定するために参照されるテーブルである。例えば、仮停止図柄決定テーブル162では、可変表示演出の種類などに応じて、仮停止図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、仮停止図柄となる飾り図柄などに割り当てられていればよい。
演出実行決定テーブル163は、例えばサブ予告演出のように、演出制御基板90の側において演出動作の有無や実行内容を決定可能な演出動作について、実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。例えば、演出実行決定テーブル163では、演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、各演出動作を実行するか否かの決定結果などに割り当てられていればよい。
演出パターン決定テーブル164は、例えば演出実行決定テーブル163を用いて実行すると決定された演出動作について、その実行内容に対応する演出パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。例えば、演出パターン決定テーブル164では、演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、各演出パターンなどに割り当てられていればよい。
演出制御パターンテーブル165には、CPU181が各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンが複数種類格納されている。例えば、演出制御パターンテーブル165には、図柄変動制御パターンテーブルと、各種演出制御パターンテーブルと、残回数報知演出制御パターンテーブルとが、含まれている。この実施の形態では、演出制御パターンテーブル165に含まれる図柄変動制御パターンテーブルとして、図22(A)に示す図柄変動制御パターンテーブル165Aが予め用意され、演出制御パターンテーブル165に含まれる各種演出制御パターンテーブルとして、図22(B)に示す各種演出制御パターンテーブル165Bが予め用意され、演出制御パターンテーブル165に含まれる残回数報知演出制御パターンテーブルとして、図22(C)に示す残回数報知演出制御パターンテーブル165Cが予め用意されている。その他にも、演出制御パターンテーブル165は、例えば可変表示演出やサブ予告演出といった、各種の演出動作を制御するために使用する演出制御パターンが複数種類格納された1つ又は複数のパターンテーブルを、含むように構成されていればよい。
図柄変動制御パターンテーブル165Aには、複数の変動パターン等に対応して、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置44cの表示領域80における飾り図柄の可変表示動作や、リーチ演出における演出表示動作、可変表示演出における飾り図柄の表示動作といった、各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されていればよい。各種演出制御パターンテーブル165Bには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータが、各種演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。残回数報知演出制御パターンテーブル165Cには、残回数報知演出における各種の演出制御の内容を示すデータが、残回数報知演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。
図23(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。図柄変動パターンテーブル165Aに格納された図柄変動制御パターンや、各種演出制御パターンテーブル165Bに格納された各種演出制御パターン、残回数報知演出制御パターンテーブル165Cに格納された残回数報知演出制御パターンといった、各種の演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データの全部又は一部から構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、図24に示す演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ170において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ12a、12bからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ12a、12bからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果LED13、14a、14cや遊技効果ランプ14b、14d、16a、16b、17a、17bといった、発光部材の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光部材の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン50に対する操作を有効に検出する操作有効期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、操作ボタン50を用いた演出動作態様を示すデータが含まれている。
図23(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ170において、CPU181は演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置44cの表示領域80に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ12a、12bから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光部材を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にて操作ボタン50に対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ170において、CPU181は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM182から読み出してRAM183の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM182における記憶アドレスを、RAM183の所定領域に一時記憶させて、ROM182における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU181は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(演出表示装置44c、スピーカ12a、12b、遊技効果LED13、14a、14c等の発光部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ170から表示制御部171や音声枠ランプ基板92などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ170からの指令を受けた表示制御部171では、例えばVDPなどがその指令に示される画像データをCGROMから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ170からの指令を受けた音声枠ランプ基板92では、例えば音声合成用ICなどがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
演出制御用マイクロコンピュータ170に内蔵又は外付けされたRAM183には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図24に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図24に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板31では、電源基板97からの電力供給が開始されたことに応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ99が起動し、CPU112がROM100から読み出した遊技制御用のプログラムに基づき、図25のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。
図25に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU112は、まず、割込禁止に設定し(ステップS1)、割込モード[2]に設定する(ステップS2)。ここで、割込モード[2]は、遊技制御用マイクロコンピュータ99の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビットは“0”)とを合成することにより割込アドレスが生成されるマスク可能割込の割込モードである。マスク可能な割込みが発生したときには、CPU112が自動的に割込禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
ステップS2の処理に続いて、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS3)。また、内蔵レジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)やPIO(パラレル入出力ポート)の設定が行われる(ステップS5)。ステップS5の処理を実行した後には、RAM111をアクセス可能に設定する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、電源基板97に設置されたクリアスイッチ97aから伝送されるスイッチ信号(クリア信号)の信号状態などに基づき、クリアスイッチ97aがオン操作されたかを判定する(ステップS7)。なお、ステップS7の処理では、クリアスイッチ97aから伝送されるクリア信号を複数回チェックし、連続してオン状態となったときに、クリアスイッチ97aがオン操作されたと判定してもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7にてクリアスイッチ97aがオフであるときには(ステップS7;No)、遊技制御フラグ設定部152などに設けられたバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS8)。バックアップフラグの状態は、遊技制御用マイクロコンピュータ99への電力供給が停止するときに、遊技制御フラグ設定部152などに設定される。そして、このバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、バックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS8では、例えばバックアップフラグの値として「55H」が遊技制御フラグ設定部152に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。
ステップS8にてバックアップフラグがオンであるときには(ステップS8;Yes)、RAM111のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9の処理では、例えばRAM111の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM111の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS9におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS9;Yes)、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ99の内部状態といった主基板31における制御状態や、サブ側の制御基板(例えば演出制御基板90など)の制御状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行い、電断前の遊技状態に復旧させる(ステップS10)。具体的な一例として、ステップS10の処理では、ROM100に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM111内のワークエリアに設定する。ここで、RAM111のワークエリアはバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていてもよい。
ステップS7にてクリアスイッチ97aがオンであるときや(ステップS7;Yes)、ステップS8にてバックアップフラグがオフであるとき(ステップS8;No)、あるいは、ステップS9にてチェック結果が正常ではないときには(ステップS9;No)、停電復旧時でない電源投入時やシステムリセット時に対応した初期化処理を実行する。この初期化処理では、RAM111のクリア(初期化)を行い(ステップS11)、作業領域となるワークエリアを設定する(ステップS12)。なお、ステップS11の処理では、所定のデータ(例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられたランダムカウンタにおける格納データなど)が任意の値あるいは予め定められている初期値などに設定されてもよい。また、RAM111の全領域を初期化してもよいし、一部の領域を初期化する一方で所定のデータはそのままにしてもよい。ステップS11の処理が実行されるときには、乱数回路113の動作状態も初期化してもよい。
ステップS12の処理により、遊技制御フラグ設定部152、遊技制御タイマ設定部153、遊技制御カウンタ設定部154、遊技制御バッファ設定部155などに初期値が設定されればよい。したがって、ステップS11及びステップS12の処理が実行されることにより、高確フラグや高ベースフラグといった遊技状態を示すフラグがクリア(初期化)されて、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態としての低確低ベース状態に設定される。パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態から低確状態となるのは、大当り遊技状態に制御される場合を除けば、ステップS11及びステップS12の処理によりRAM111がクリアされて初期設定される場合と、リミット到達による確変リミッターの作動がなされた場合とに、限定される。ステップS12の処理を実行したときには、演出制御基板90を含むサブ側の各制御基板を初期化するための制御コマンド(初期化指定コマンド)といった、初期設定時のコマンドを送信するための設定を行う(ステップS13)。例えば、演出制御基板90では、初期化指定コマンドの受信に応答して、演出表示装置44cの表示領域80においてパチンコ遊技機1における制御が初期化されたことを報知するための画像を表示させるなどの初期化報知が実行されればよい。
ステップS10にて電断前の遊技状態に復旧した後や、ステップS13の処理を実行した後には、乱数回路113の設定を行う(ステップS14)。そして、例えばステップS5におけるCTCの設定などに基づき所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに遊技制御用のタイマ割込みが発生するようにして割込み許可状態にするといった、タイマ割込みの設定を行う(ステップS15)。この後、遊技要覧数更新処理が繰り返し実行される(ステップS16)。
遊技制御用マイクロコンピュータ99では、例えば所定のリセット/割込みコントローラがCTCからの割込み要求を受け付けたことなどに基づき、CPU112が図26のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図26に示す遊技制御用タイマ割込み処理において、CPU112は、まず、割込み禁止状態としてから、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ中継基板95を介して遊技球検出用の各スイッチ等59a、60a、62、55a、55b、52から入力される検出信号(通過球検出信号)の状態を判定する(ステップS51)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS52)。例えば、メイン側エラー処理では、賞球過多や賞球不足、その他の動作エラーが発生した場合に対応して、異常動作の発生を報知するための設定などが行われてもよい。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS53)。
情報出力処理に続いて、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS54)。この後、CPU112は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS55)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置48における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS56)。CPU112は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示装置63における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や可変始動入賞球装置58における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU112は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板90などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS57)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O114に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板90に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理が終了すると、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理として、図26に示すステップS55にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU112は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図28及び図29は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図28及び図29に示す始動入賞判定処理において、CPU112は、まず、所定の入力ポートレジスタに格納された入力ポートデータを読み出す(ステップS201)。ここで、入力ポートレジスタは、例えばI/O114に含まれる入力ポートにおける外部信号の入力状態を示すビット値などが、格納されるレジスタである。この実施の形態では、入力ポートレジスタのビット番号[0]に格納される入力ポートデータが、第1始動口スイッチ59aから伝送される検出信号となる第1始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示し、入力ポートレジスタのビット番号[1]に格納される入力ポートデータが、第2始動口スイッチ60aから伝送される遊技球の検出信号となる第2始動入賞信号の入力状態(オフ/オン)を示している。
ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[1]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS202)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS202;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2始動入賞判定カウンタの格納値である第2始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS203)。これに対して、ステップS202にて“0”であると判定された場合には(ステップS202;No)、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS204)。
ステップS203、S204の処理のいずれかを実行した後には、ステップS201にて読み出した入力ポートレジスタのビット番号[0]におけるビット値が“1”であるか否かを判定する(ステップS205)。このとき、ビット値が“1”であれば(ステップS205;Yes)、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1始動入賞判定カウンタの格納値である第1始動入賞判定カウント値を、例えば1加算するなどしてカウントアップするように、更新する(ステップS206)。これに対して、ステップS205にて“0”であると判定された場合には(ステップS205;No)、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、その格納値を「0」に初期化する(ステップS207)。
ステップS206、S207の処理のいずれかを実行した後には、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値として予め定められた所定の判定値(例えば「2」)に達したか否かを判定する(ステップS208)。このとき、第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS208;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS209)。また、第1始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS210)。
ステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS208;No)、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したか否かを判定する(ステップS211)。このとき、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していなければ(ステップS211;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達していれば(ステップS211;Yes)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS212)。また、第2始動入賞判定カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS213)。
ステップS210、S213の処理のいずれかを実行した後、CPU112は、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を読み出す(ステップS214)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み出し、始動口バッファ値が「2」であるときには、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み出す。そして、ステップS214における読出値が、所定の上限値(例えば「4」)に達しているか否かを判定する(図29のステップS215)。このとき、ステップS214での読出値が上限値に達していなければ、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するための始動条件が有効に成立することになる。例えば、図28に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第1始動条件が成立する。また、図28に示すステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定された後に、ステップS215にて読出値が上限値に達していないと判定されたときには、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームや、飾り図柄の可変表示を実行するための第2始動条件が成立する。
このように、ステップS215にて読出値が上限値に達していないときには(ステップS215;No)、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算する(ステップS216)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留記憶数カウント値を1加算し、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留記憶数カウント値を1加算する。そして、CPU112は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を示す合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算する(ステップS217)。
ステップS217の処理に続いて、CPU112は、乱数回路113やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データを、抽出する(ステップS218)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1、MR2−1を示す数値データがセットされる。
ステップS219にて乱数値を記憶した後には、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS220)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、ROM100における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、始動口バッファ値が「2」であるときには、ROM100における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図26に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板90に対して伝送される。
また、CPU112は、例えばROM100における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板90に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。なお、第1始動口入賞指定コマンドテーブルが、第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されるとともに、第2始動口入賞指定コマンドテーブルが、第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定データと、保留記憶数通知コマンドを送信するための設定データとを含むように構成されている場合には、ステップS220、S221の処理として第1始動口入賞指定コマンドテーブルと第2始動口入賞指定コマンドテーブルのうち、始動口バッファ値に応じたコマンドテーブルの記憶アドレスだけを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すればよい。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図26に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドに続いて、主基板31から演出制御基板90に対して伝送される。
ステップS215にて読出値が上限値に達している場合や(ステップS215;Yes)、ステップS221の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS222)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS222;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS223)、図28に示すステップS211の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS222;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS224)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ59aと第2始動口スイッチ60aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、2ミリ秒内で実行される処理によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、図28に示すステップS208にて第1始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図28に示すステップS209、S210、S214の処理を実行してから、図29に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS223の処理を実行してから、図28に示すステップS211の処理に進む。そして、ステップS211にて第2始動入賞判定カウント値が入賞判定値に達したと判定されたときには、図28に示すステップS212〜S214の処理を実行してから、図29に示すステップS215〜S221の処理を実行した後、ステップS222にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS224の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ59aと第2始動口スイッチ60aの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図27に示すステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果や、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かのリーチ決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置44bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「2ラウンド大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」及び「7ラウンド大当り」のいずれかであることに対応して15ラウンド大当り状態、10ラウンド大当り状態及び7ラウンド大当り状態のいずれかに制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」、「10回」及び「7回」のうちで対応する回数に設定する。これに対して、大当り種別が「2ラウンド大当り」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンド遊技の実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ52によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用ソレノイド65に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置44cやスピーカ12a、12b、各種の発光部材などといった演出用の電気部品(演出装置)により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を設定する処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用ソレノイド65に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置44cやスピーカ12a、12b、各種の発光部材などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、高確フラグや高ベースフラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図30は、図27のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出すことにより、第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、第2保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS232)。続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS234)。
ステップS231にて第2保留記憶数が「0」であると判定された場合には(ステップS231;Yes)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第1保留記憶数カウント値を読み出すことにより、第1保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。このとき、第1保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS236)。続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS237)。そして、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新する(ステップS239)。このように、ステップS231では第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第2保留記憶数が「0」である場合にステップS235にて第1保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。したがって、第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されている場合には、たとえ第1特図保留記憶部151Aに保留データが記憶されていても、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件を成立させる。すなわち、この実施の形態では、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームが、第1特別図柄表示装置44アによる第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される。
ステップS239の処理を実行した後、CPU112は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果を決定するための使用テーブルとして、図9(A)に示す低確時特図表示結果決定テーブル130Aと、図9(B)に示す高確時特図表示結果決定テーブル130Bとのうちで、遊技制御フラグ設定部151に設けられた高確フラグの状態に対応するテーブルを選択してセットする(ステップS240)。例えば、ステップS240の処理では、高確フラグがオフである場合に対応して、ROM100における低確時特図表示結果決定テーブル130Aの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。その一方で、高確フラグがオンである場合に対応して、ROM100における高確時特図表示結果決定テーブル130Bの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。CPU112は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、ステップS232又はステップS236にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定する(ステップS241)。
ステップS241にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aと、図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bとのうちで、変動特図指定バッファ値に対応するテーブルを選択してセットする(ステップS243)。例えば、ステップS243の処理では、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に対応して、ROM100における第1特図大当り種別決定テーブル131Aの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。その一方で、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に対応して、ROM100における第2特図大当り種別決定テーブル131Bの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。
CPU112は、こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、ステップS232又はステップS236にて読み出された大当り種別決定用の乱数値MR2−1を示す数値データが、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」という予め複数種類用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS244)。なお、ステップS234の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおける設定により、大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定される。これに対して、ステップS238の処理で変動特図指定バッファ値を「1」に設定した場合には、第1特図大当り種別決定テーブル131Aにおける設定により、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「10ラウンド大当り」に決定される。このように、ステップS244における大当り種別の決定態様は、変動特図指定バッファ値に応じて、すなわち、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームであるか第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、異なるものとなる。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を更新することなどにより、決定された大当り種別を記憶するための設定を行う(ステップS245)。一例として、大当り種別が「2ラウンド大当り」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「7ラウンド大当り」であれば「1」とし、「10ラウンド大当り」であれば「2」とし、「15ラウンド大当り」であれば「3」とすればよい。また、例えば高確フラグや高ベースフラグの状態から、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定し、特定された遊技状態を大当り時遊技状態として記憶するための設定を行う(ステップS246)。例えば、遊技制御バッファ設定部155に大当り時遊技状態バッファを設け、その格納値である大当り時遊技状態バッファ値を、特定された遊技状態が低確低ベース状態であれば「0」とし、低確高ベース状態であれば「1」とし、高確低ベース状態であれば「2」とし、高確高ベース状態であれば「3」とすればよい。
ステップS241にて可変表示結果を「大当り」としない旨の決定がなされた場合には(ステップS241;No)、ステップS232又はステップS236にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「小当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを決定する(ステップS247)。このとき、可変表示結果を「小当り」とする旨が決定されれば(ステップS247;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS248)。
ステップS247にて可変表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合や(ステップS247;No)、ステップS246又はステップS248の処理を実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS249)。一例として、ステップS247にて可変表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS247にて可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「2ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「7ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、7ラウンド大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「10ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、10ラウンド大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「15ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS249にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。また、ステップS235にて第1保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS251)、特別図柄通常処理を終了する。
図31は、図27のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す変動パターン設定処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Aと高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS262)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかは、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高ベースフラグの状態から特定すればよい。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS263;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、低確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Aと高確時小当り変動パターン種別決定テーブル134Bのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS264)。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかは、遊技制御フラグ設定部152に設けられた高確フラグの状態から特定すればよい。
ステップS263にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、低ベース時リーチ決定テーブル132Aと高ベース時リーチ決定テーブル132Bのいずれかを選択し、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS265)。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS266)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、リーチ決定用の乱数値MR2−2を抽出する(ステップS267)。そして、ステップS267にて抽出したリーチ決定用の乱数値MR2−2に基づき、ステップS265にてセットしたリーチ決定テーブル132A、132Bのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を決定し(ステップS268)、その決定結果がリーチ状態ありとするものであるか否かを判定する(ステップS269)。
ステップS269にて可変表示状態をリーチ状態とするリーチ決定結果であると判定された場合には(ステップS269;Yes)、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Aと高ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Bのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。これに対して、可変表示状態をリーチ状態としない非リーチ決定結果である場合には(ステップS269;No)、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aと高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bのいずれかを選択し、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS271)。
ステップS262、S264、S270、S271の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を抽出する(ステップS272)。そして、ステップS272にて抽出した変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS262、S264、S270、S271のいずれかにてセットした変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS273)。なお、ステップS262にて低ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133A又は高ベース時大当り変動パターン種別決定テーブル133Bを選択してセットした場合には、ステップS273の処理を実行する際に、例えば大当り種別バッファ値などに基づいて大当り種別が「2ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」のいずれに決定されたかを特定し、特定された大当り種別に応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。ステップS270にて低ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135A又は高ベース時リーチ変動パターン種別決定テーブル135Bを選択してセットした場合には、ステップS268におけるリーチ決定結果がリーチHA2−1〜リーチHA2−3及びリーチHB2−1のいずれであるかに応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。ステップS271にて低ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Aを選択してセットした場合には、ステップS268における非リーチ決定結果が非リーチHA1−1〜非リーチHA1−5のいずれであるかに応じて変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。ステップS271にて高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bを選択してセットした場合には、ステップS268における非リーチ決定結果が非リーチHB1−1及び非リーチHB1−2のいずれであるかや、変動特図指定バッファ値が「1」及び「2」のいずれであるかに対応した変動特図などに応じて、変動パターン種別の決定が行われるようにすればよい。
ここで、ステップS272、S273の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置44aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置44bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS272、S273の処理では、ステップS268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS273の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM100のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定を行うようにすればよい。
こうしてステップS273にて変動パターン種別が決定された後には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの決定結果に応じて、当り変動パターン決定テーブル137Aとハズレ変動パターン決定テーブル137Bのいずれかを選択し、変動パターンを予め複数用意された変動パターンのいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS274)。続いて、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、変動パターン決定用の乱数値MR4を抽出する(ステップS275)。そして、ステップS275にて抽出した変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS274にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS276)。
ここで、ステップS275、S276の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置44aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置44bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかに関わりなく、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する。また、ステップS275、S276の処理では、ステップS268におけるリーチ状態の有無の決定結果に関わりなく、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。一例として、ステップS276の処理では、決定テーブルポインタにセットされたROM100のアドレスに記憶された決定テーブルを参照して変動パターンが決定されればよい。
このようなステップS276における変動パターンの決定に続いて、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS277)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示44aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS278)。一例として、変動特図指定バッファ値が“1”であれば、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が“2”であれば、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS278の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS279)。例えば、変動特図指定バッファ値が“1”である場合に、CPU112は、主基板31から演出制御基板90に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM100における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が“2”である場合に、CPU112は、主基板31から演出制御基板90に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM100における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
こうしたステップS279での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図26に示すステップS57のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板31から演出制御基板90に対して、各種の演出制御コマンドが順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。ステップS279の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS280)、変動パターン設定処理を終了する。
図32は、図27のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板90に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM100における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。その後、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。そして、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた大当り発生カウンタの格納値である大当り発生カウント値を、1加算するなどして更新する(ステップS295)。
ステップS295の処理に続いて、高確フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS296)、高ベースフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS297)。また、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた高ベース中カウンタをクリアして、その格納値である高ベース中カウント値を「0」に初期化する(ステップS298)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS299)、特別図柄停止処理を終了する。なお、図30に示すステップS246の処理に代えて、ステップS291にて大当りフラグがオンであると判定されたときに、ステップS296の処理が実行されるより前に、例えば大当り時遊技状態バッファなどを用いて、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を大当り時遊技状態として記憶するための設定が行われるようにしてもよい。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS300)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS300;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS301)。例えば、ステップS301の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、ステップS293の処理と同様に、当り開始指定コマンドを主基板31から演出制御基板90に対して送信するための設定を行う(ステップS302)。その後、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS303)。また、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新する(ステップ304)。
ステップS300にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS300;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS305)。ステップS304、S305の処理のいずれかを実行した後には、高ベース中カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、高ベース中カウント値は、遊技状態が低ベース状態である場合や、遊技状態が高ベース状態でも高ベース終了条件が「次回大当り」である場合に、「0」となる。これに対して、遊技状態が高ベース状態で高ベース終了条件が「次回大当り」以外の条件である場合には、高ベース終了条件が成立するまで高ベース中カウント値が「0」以外の値となる。
ステップS306にて高ベース中カウント値が「0」であれば(ステップS306;Yes)、特別図柄停止処理を終了する。これに対して、ステップS306にて高ベース中カウント値が「0」以外の値であれば(ステップS306;No)、高ベース中カウント値を1減算する(ステップS307)。そして、ステップS307で1減算した後の高ベース中カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS308)。このとき、高ベース中カウント値が「0」であれば(ステップS308;Yes)、可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立したことから、高ベースフラグをクリアした後に(ステップS309)、特別図柄停止処理を終了する。こうして高ベースフラグがクリアされてオフ状態となることにより、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御することができる。また、ステップS308にて高ベース中カウント値が「0」以外の値であれば(ステップS308;No)、未だ高ベース終了条件が成立していないことから、ステップS309の処理を実行せずに、特別図柄停止処理を終了する。
図33は、図27のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す大当り終了処理において、CPU112は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図27に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、大当り発生カウント値がリミット到達判定値として予め定められた値(例えば「10」など)に達したか否かを判定する(ステップS322)。このとき、リミット到達判定値に達していなければ(ステップS322;No)、高確フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS323)、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aを選択し、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS324)。ステップS323の処理にて高確フラグをオン状態にセットすることにより、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる所定の上限回数に達していないリミット前には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を必ず高確状態に制御することができる。
ステップS322にて大当り発生カウント値がリミット到達判定値に達している場合には(ステップS322;Yes)、大当り発生カウンタをクリアして、その格納値である大当り発生カウント値を「0」に初期化する(ステップS325)。このときには、高確フラグをオン状態にセットせずに、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bを選択し、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS326)。また、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどから、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6を抽出する(ステップS327)。こうして、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる所定の上限回数に達したリミット時には、大当り遊技状態の終了時に高確フラグをオン状態にセットしないことにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を低確状態に制御して、高確状態への制御を終了することができる。
ステップS324又はステップS327の処理を実行した後には、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り時遊技状態バッファの格納値である大当り時遊技状態バッファ値などから、大当り時遊技状態を特定する(ステップS328)。なお、大当り時遊技状態バッファ値は、図30に示すステップS246の処理が実行されたとき、あるいは、図32に示すステップS291にて大当りフラグがオンであると判定されたときなどに、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて更新されるものであればよい。
ステップS328の処理に続いて、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出す(ステップS329)。続いて、ステップS328にて特定された大当り時遊技状態や、ステップS329にて読み出した大当り種別バッファ値に対応する大当り種別、さらには、ステップS327にて抽出された乱数値MR6を示す数値データなどに基づき、ステップS324又はステップS326にてセットした高ベース終了条件決定テーブルを参照することにより、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定する(ステップS330)。このときには、ステップS330にて決定された高ベース終了条件が「次回大当り」であるか否かを判定する(ステップS331)。
ステップS331にて高ベース終了条件が「次回大当り」以外の条件である場合には(ステップS331;No)、ステップS330にて決定された高ベース終了条件に対応した高ベース中カウンタ初期値を設定する(ステップS332)。例えば、ステップS330にて高ベース終了条件が「変動10回」に決定された場合には、高ベース中カウンタに「10」のカウント初期値を設定する。また、高ベース終了条件が「変動50回」に決定された場合には、高ベース中カウンタに「50」のカウント初期値を設定し、「変動100回」に決定された場合には、高ベース中カウンタに「100」のカウント初期値を設定する。こうして、高ベース終了条件が「次回大当り」以外の条件である場合に、ステップS330にて決定された高ベース終了条件に対応した設定を行うことができる。
ステップS331にて高ベース終了条件が「次回大当り」である場合や(ステップS331;Yes)、ステップS332の処理を実行した後には、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS333)。これにより、大当り遊技状態の終了後には、遊技状態が高ベース状態に制御されることになる。より具体的には、リミット前であれば必ず高確高ベース状態に制御される一方、リミット時であれば低確高ベース状態に制御される。こうして、高ベース終了条件が「次回大当り」である場合には、ステップS332の処理を実行せずにステップS333にて高ベースフラグをオン状態にセットすることにより、図32に示すステップS309の処理が実行されないようにして、大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態となるまで高ベース状態を継続させる設定を行うことができる。また、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS334)、大当り終了処理を終了する。
図34は、図26のステップS56にて実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU112は、まず、通過ゲート61に設けられたゲートスイッチ62からの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、通過ゲート61を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(ステップS131)。遊技球が通過ゲート61を通過してゲートスイッチ62からの検出信号がオン状態となった場合には(ステップS131;Yes)、ゲート通過時処理を実行する(ステップS132)。他方、ゲートスイッチ62からの検出信号がオフ状態である場合には(ステップS131;No)、ステップS132の処理をスキップする。
ステップS132にて実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。すなわち、まず、普図保留記憶部151Cに記憶されている保留データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球検出は無効として、そのままゲート通過時処理を終了する。これに対して、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、例えばCPU112が、遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタなどにより更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データを抽出する。そして、抽出した乱数値MR5を示す数値データを保留データとして、普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットする。以上のようなゲート通過時処理を実行した後や、ステップS131にてゲートスイッチ62からの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普図プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS140〜S144の各処理を実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示装置63による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS141の普通図柄判定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄判定処理では、普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データに基づき、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて選択した低ベース時普図表示結果決定テーブル139A又は高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bを参照して、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果としての普図表示結果を、「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかの決定などが行われる。ここで、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bでは、低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aよりも普図表示結果が「普図当り」に決定される割合が高くなるように、乱数値MR5と比較される決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて普図表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、可変始動入賞球装置58が形成する第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態となる頻度が向上する。
また、普通図柄判定処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。ここで、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bでは、低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aを用いた場合の普図変動時間TH1、TH2よりも短い普図変動時間TH3、TH4となるように設定されている。これにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変始動入賞球装置58が形成する第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態となる頻度が向上する。
さらに、普通図柄判定処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動口60を有利状態とするための開放時間や開放回数などを設定してもよい。ここで、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bでは、低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aよりも開放時間や開放回数が増加するように設定されている。これにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて第2始動口14が有利状態となる時間が長くなるとともに有利状態となる回数が多くなり、有利状態となる頻度が向上する。なお、開放時間や開放回数の設定は、ステップS143の普通図柄停止処理やステップS144の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS142の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示装置63による普図ゲームにおいて普通図柄を変動させるための設定が行われる。こうした設定に基づいて変動する普通図柄は、ステップS143の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動が停止して普通図柄の可変表示結果となる普図表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS143の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示装置63にて普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定が行われる。なお、普通図柄の可変表示結果を停止表示させるための設定は、ステップS142の普通図柄変動処理にて、計測された経過時間が普図変動時間に達したときに、普図プロセスフラグの値を“3”に更新する以前に、行われるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、例えば可変始動入賞球装置58が備える可動翼片に連結された普通電動役物用ソレノイド58aを駆動するための普電作動パターンの設定といった、可動翼片を傾動位置とする傾動制御のための設定を行ってから、普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。
ステップS143の普通図柄停止処理にて普電作動パターンを設定する場合には、ステップS141の普通図柄判定処理で決定された普図表示結果に対応する普電作動パターンを選択することにより、普図表示結果に応じて異なる開放時間及び開放回数が設定されるようにすればよい。あるいは、ステップS142にて普電作動パターンを設定するときに、高ベースフラグがオンであるか否かを判定して、判定結果に対応した普電作動パターンを設定してもよい。この場合、普通図柄の可変表示を開始するときには、例えば大当り遊技状態であることなどに対応して高ベースフラグがオフであったものの、普通図柄の可変表示結果が停止表示されるときには、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となったことに対応して高ベースフラグがオンとなっている場合に、高ベース状態において普図表示結果が「普図当り」となったことに対応した第2始動口60の開放時間や開放回数を設定することができる。これにより、例えば高ベース状態となる以前に普通図柄の可変表示が開始されたために高ベース状態となってから普図表示結果が「普図当り」となっても第2始動口60を遊技球が通過し難くなってしまうことを防止できる。ステップS143の普通図柄停止処理にて、普図表示結果が「普図ハズレ」であると判定された場合には、普図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
ステップS144の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、可変始動入賞球装置58が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動口60を不利状態から有利状態に変化させる傾動制御の設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS143の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用ソレノイド58aを駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用ソレノイド58aを駆動して第2始動口60を有利状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した開放時間(傾動制御時間)に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が開放時間に達した場合には、普通電動役物用ソレノイド58aの駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動口60を有利状態から不利状態に変化させるための設定を行う。そして、第2始動口60を有利状態とする回数が普電作動パターンに対応した開放回数に達したときには、普図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化すればよい。
次に、演出制御基板90における動作を説明する。演出制御基板90では、電源基板97等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ170におけるCPU181が起動し、図35のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図35に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU181は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、演出制御用マイクロコンピュータ170におけるRAM183のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板90に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御用マイクロコンピュータ170におけるRAM183の演出制御カウンタ設定部193などに設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板90の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、CPU181は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。CPU181は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、例えば図20に示す入出力ポート185のうちで、周辺コマンド中継基板57を介して主基板31から伝送された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御用マイクロコンピュータ170におけるRAM183の演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、CPU181は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS406)。この演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作、スピーカ12a、12bからの音声出力動作、各種の発光部材における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図36は、図35のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す演出制御プロセス処理において、CPU181は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S166の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板31から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、演出表示装置44cの表示領域80に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部における飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされれば、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じた最終停止図柄となる確定飾り図柄や仮停止図柄、サブ予告演出の有無、各種の演出パターン等を決定し、その決定結果に応じて、予め用意された複数種類の演出制御パターンのいずれかを、使用パターンとして選択して設定する処理などが含まれている。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、例えば演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値などに対応して、使用パターンとなる演出制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。そして、例えば演出制御プロセスタイマ値が所定の可変表示終了値(例えば「0」)となったこと、あるいは、主基板31から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御プロセスタイマ値が可変表示終了値となったことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板90の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板31から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される可変表示結果が「大当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新され、可変表示結果が「小当り」である場合には、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置44cの表示領域80に表示させることや、音声枠ランプ基板92に対する音番号データの出力によりスピーカ12a、12bから音声や効果音を出力させること、音声枠ランプ基板92に対する駆動信号出力により各種の発光部材を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板31から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS165の小当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「小当り」となったことなどに対応した各種演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置44cの表示領域80に表示させることや、音声枠ランプ基板92に対する音番号データの出力によりスピーカ12a、12bから音声や効果音を出力させること、音声枠ランプ基板92に対する駆動信号出力により各種の発光部材を点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板31から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS166のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了することなどに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることや、音声出力基板70に対する音番号データの出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプドライバ基板35に対する信号出力により枠LED28及び装飾LED25等の発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。このときには、例えば図3に示す演出モードの移行例に従い、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了に対応した演出モードの設定が行われればよい。
図37は、図36のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この飾り図柄変動設定処理において、CPU181は、まず、例えば可変表示結果通知コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、可変表示結果が「ハズレ」であるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、可変表示結果が「ハズレ」であれば(ステップS501;Yes)、例えば変動パターン指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち演出表示装置44cの表示領域80における「左」の飾り図柄可変表示部に停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち演出表示装置44cの表示領域80における「右」の飾り図柄可変表示部に停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち演出表示装置44cの表示領域80における「中」の飾り図柄可変表示部に停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチハズレ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち演出表示装置44cの表示領域80における「左」と「右」の飾り図柄可変表示部にて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれる中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち演出表示装置44cにおける「中」の飾り図柄可変表示部にて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチハズレ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて可変表示結果が「ハズレ」以外である場合には(ステップS501;No)、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2ラウンド大当り」又は可変表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS505)。このとき、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は可変表示結果が「小当り」であると判定されれば(ステップS505;Yes)、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかといった、大当り種別が「2ラウンド大当り」の場合や可変表示結果が「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA5−1及び変動パターンPA5−3のいずれかが指定された場合に対応して、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、最終停止図柄決定テーブル161に含まれるチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、2回開放チャンス目TC1〜TC4のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPA5−2及び変動パターンPA5−4のいずれかが指定された場合には、例えばステップS504と同様の処理を実行することなどにより、リーチハズレ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS505にて可変表示結果が「大当り」で「2ラウンド大当り」以外の大当り種別であると判定された場合には(ステップS505;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いて最終停止図柄決定テーブル161に含まれる大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置44cの表示領域80における「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部に揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS503、S504、S506、S507の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中の演出動作を設定する(ステップS508)。例えば、ステップS508の処理では、「滑り」や「擬似連」などといった可変表示演出において仮停止表示される飾り図柄を決定したり、可変表示演出に伴って実行される各種の演出動作における演出パターンを決定したり、サブ予告演出の有無やサブ予告演出における予告演出パターンを決定したりといった、演出制御基板90の側で決定される可変表示中の各種演出動作に関する設定が行われればよい。
ステップS508の処理に続いて、演出制御パターンを予め複数用意されたいずれかに決定する(ステップS509)。このとき、CPU181は、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応して、図柄変動制御パターンテーブル165Aに複数格納された図柄変動制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばステップS508にて設定された可変表示演出やサブ予告演出といった、各種の演出動作に対応して、演出制御パターンテーブル165に含まれる各種のパターンテーブルに複数格納された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。
ステップS509の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS510)。このときには、例えばステップS509にて使用パターンとしてセットされた図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をCPU181が表示制御部171に対して伝送させることなどにより、演出表示装置44cの表示領域80における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄可変表示部にて飾り図柄の変動を開始するための設定を行う(ステップS511)。その後、演出プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。遊技領域41に設けられた第1始動口59を通過した遊技球が第1始動口スイッチ59aにより検出されると、図28に示すステップS206にて更新した第1始動入賞判定カウント値がステップS208にて入賞判定値に達したと判定されたことや(ステップS208;Yes)、ステップS214にて読み出した第1保留記憶数カウント値が図29に示すステップS215にて所定の上限値(例えば「4」など)に達していないと判定されたことに基づいて(ステップS215;No)、ステップS218にて抽出した乱数値MR1、MR2−1を示す数値データなどを、ステップS219にて保留データとして第1特図保留記憶部151Aに記憶させることにより、第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件を成立させる。また、遊技領域41に設けられた第2始動口60を通過した遊技球が第2始動口スイッチ60aにより検出されると、図28に示すステップS203にて更新した第2始動入賞判定カウント値がステップS211にて入賞判定値に達したと判定されたことや(ステップS211;Yes)、ステップS214にて読み出した第2保留記憶数カウント値が図29に示すステップS215にて所定の上限値(例えば「4」など)に達していないと判定されたことに基づいて(ステップS215;No)、ステップS218にて抽出した乱数値MR1、MR2−1を示す数値データなどを、ステップS219にて保留データとして第2特図保留記憶部151Bに記憶させることにより、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件を成立させる。
その後、図30に示すステップS235にて第1保留記憶数が「0」以外の値であると判定したときには(ステップS235;No)、例えばステップS238にて変動特図指定バッファ値を「1」に設定することなどにより、第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件を成立させる。あるいは、ステップS231にて第2保留記憶数が「0」以外の値であると判定したときには(ステップS231;No)、例えばステップS234にて変動特図指定バッファ値を「2」に設定することなどにより、第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件を成立させる。
こうして第1開始条件又は第2開始条件が成立したときには、ステップS240にて使用テーブルにセットした低確時特図表示結果決定テーブル130A又は高確時特図表示結果決定テーブル130Bを参照することなどにより、ステップS241にて可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定を行う。そして、可変表示結果を「大当り」とする判定がなされた場合には(ステップS241;Yes)、ステップS243にて変動特図指定バッファ値に応じてセットした第1特図大当り種別決定テーブル131A又は第2特図大当り種別決定テーブル131Bを参照することなどにより、ステップS244にて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する。このときには、第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおける設定により、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかに応じて、大当り種別の決定態様が異なる。より詳細には、第1開始条件が成立したときには、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「10ラウンド大当り」に決定され、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「2」又は「10」となる。これに対して、第2開始条件が成立したときには、大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定され、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「7」又は「15」となる。したがって、第1始動口59を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたか、第2始動口60を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたかに応じて、大当り種別に対応した大当り遊技状態におけるラウンド遊技の決定内容を異ならせて、ラウンド遊技の種類の決定態様を異ならせることができる。
可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときには、図30に示すステップS246にて大当り時遊技状態が記憶される。また、ステップS242にて大当りフラグをオン状態にセットしたことにより、図32に示すステップS291にて大当りフラグがオンであると判定され(ステップS291;Yes)、ステップS295にて大当り発生カウント値が1加算されるなどして更新される。そして、大当り遊技状態が終了するときには、図33に示すステップS322にて大当り発生カウント値がリミット到達判定値(例えば「10」など)と合致するか否かを判定する。
このとき、リミット到達判定値と合致しなければ(ステップS322;No)、ステップS323にて高確フラグをオン状態にセットする。したがって、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット到達判定値に対応した所定の上限回数(例えば「10」など)に達するまでの間は(リミット前)、大当り遊技状態の終了後に必ず高確状態へと制御される。これに対して、リミット到達判定値と合致した場合には(ステップS322;Yes)、例えば図32に示すステップS296の処理により大当り遊技状態となるときにクリアされた高確フラグがオン状態にセットされることがない。したがって、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット到達判定値に対応した所定の上限回数に達したときには(リミット時)、大当り遊技状態の終了後に高確状態には制御されない。
図33に示すステップS330の処理では、ステップS324にてセットされたリミット前高ベース終了条件決定テーブル138A、又は、ステップS326にてセットされたリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bを参照することなどにより、大当り遊技状態の終了後に制御される高ベース状態が終了する条件となる高ベース終了条件を、複数種類のいずれかに決定する。このときには、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aやリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bにおける設定により、図30に示すステップS246などにて記憶された大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに基づいて、高ベース終了条件が決定される。また、リミット前の場合には、大当り種別が複数種類のいずれであるかに対応して、高ベース終了条件が決定される。リミット時の場合には、大当り種別や高ベース終了条件決定用の乱数値MR6に応じて、高ベース終了条件が決定される。ここで、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aにおける設定により、大当り時遊技状態が高ベース状態であり、かつ、大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット到達判定値に対応した所定の上限回数に到達する以前(上限回数に達していない)のリミット前である場合には、高ベース終了条件を「次回大当り」として、再び大当り遊技状態に制御されたことが高ベース状態を終了する条件となるようにしてもよい(図17(A)に示す例では、大当り時遊技状態が「高ベース」で大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」の部分)。その後、図33に示すステップS333にて高ベースフラグをオン状態にセットすることにより、大当り遊技状態の終了後には、遊技状態が高ベース状態に制御される。
遊技状態が高ベース状態であるときには、例えば図34に示すステップS141の普通図柄判定処理にて、図18(B)に示す高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bを参照して普図ゲームにおける可変表示結果となる普図表示結果などを決定することにより、遊技状態が低ベース状態であるときに比べて、可変始動入賞球装置58が形成する第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度が向上する。その一方で、大当り遊技状態に制御されるときには、図32に示すステップS297の処理が実行されて高ベースフラグがクリアされる。また、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでの期間においても、図26に示すステップS56にて普通図柄プロセス処理が実行されることにより、普通図柄表示装置63による普通図柄を用いた普図ゲームが実行される。そして、大当り遊技状態であるときには高ベースフラグがクリアされていることから、遊技状態が低ベース状態であるときと同様の設定により普図ゲームにおける普図表示結果が決定され、「普図当り」となった場合には、図18(A)に示す低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aの設定により開放時間及び開放回数が高ベース状態のときより減少した「1.5秒×1回」や「0.3秒×1回」に決定される。
前述したように、大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が高ベース状態に制御される。そして、高ベース状態への制御が開始された後に開始条件が成立した普図ゲームについては、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度を向上させるための設定がなされる。しかしながら、高ベース状態への制御が開始される前の大当り遊技状態中などに開始された普図ゲームについては、既に普図表示結果の決定などが完了しているため、第2始動口60を有利状態とする頻度を向上させる設定がなされない。したがって、例えば図38(A)に示すように、大当り遊技状態が終了するタイミングTi2の直前となるタイミングTi1にて、図38(B)に示すように普図ゲームにおける普通図柄の変動が開始された場合には、遊技状態が高ベース状態となったことに対応した有利開放制御により第2始動口60を有利状態とする頻度が向上するのは、その普図ゲームにおける普通図柄の変動が終了してからということになる。
こうして、遊技状態が高ベース状態に制御されても、大当り遊技状態の終了直後には、第2始動口60を有利状態とする頻度を向上させることができず、例えば第2始動口60を遊技球が頻繁に通過することによる出玉(賞球)を得ることや、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行されて7ラウンド大当り状態や15ラウンド大当り状態に決定される可能性が高まるといった、高ベース状態において得られる利益を、遊技者が十分に得られないおそれがある。
そこで、この実施の形態では、例えば低ベース時普図表示結果決定テーブル139Aにより、遊技状態が低ベース状態であるときなどに対応した普図変動時間TH1、TH2は、図38(C)に示すような、遊技状態が高ベース状態であるときの第1特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間T4、T5、T6よりも、短くなるように設定される。したがって、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高ベース状態となるときには、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間を、高ベース状態ではない低ベース状態における普通図柄表示装置63による普通図柄を用いた普図ゲームにおける普図変動時間に比べて長い時間に設定する。
これにより、大当り遊技状態の終了直後に遊技状態が高ベース状態となったときには、第1特図を用いた特図ゲームが1回終了するよりも前に、大当り遊技状態中などに開始された普図ゲームを確実に終了させるとともに、高ベース状態に対応して高ベースフラグがオンであることに基づく普図ゲームを開始させることが可能になり、第2始動口60を有利状態とする頻度が向上した状態に移行できる。そして、第2始動口60を遊技球が通過した場合には、図30に示すステップS231にて第2保留記憶数が「0」以外の値であると判定されることにより、第1特図を用いた特図ゲームよりも第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される。したがって、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となったときには、例えば図38(C)に示すように、第1特図を用いた特図ゲームが1回実行されれば、図38(D1)に示すように、以降は第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される可能性が高まり、高ベース状態において第2始動口60を有利状態とする頻度が向上することによる利益を、遊技者が十分に得ることが可能になる。
また、高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bにおける設定などにより、遊技状態が高ベース状態であるときの第1特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間T4、T5、T6は、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間T7、T8よりも、長い時間となる。これにより、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となったときには、第1特図を用いた特図ゲームが多数回実行されないうちに、大当り遊技状態中に開始された普図ゲームを終了させるとともに、高ベース状態に対応して高ベースフラグがオンであることに基づく普図ゲームを開始させることが可能になり、第2始動口60を有利状態とする頻度が向上した状態に移行できる。そして、第2始動口60を遊技球が通過した場合には、図30に示すステップS231にて第2保留記憶数が「0」以外の値であると判定されることにより、第1特図を用いた特図ゲームよりも第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される。したがって、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となったときには、第1特図を用いた特図ゲームが多数回連続して実行されることを防止して、第2特図を用いた特図ゲームが優先して実行される可能性を高め、高ベース状態において第2始動口60を有利状態とする頻度が向上することによる利益を、遊技者が十分に得ることが可能になる。
演出制御基板90では、第1開始条件又は第2開始条件の成立に基づいて、主基板31から伝送された第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドを受信する。これに対応して、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンなどに基づき、例えば演出制御用マイクロコンピュータ170のCPU181が図37に示すステップS511にて所定の表示制御指令を表示制御部171へと伝送させる。こうして、演出表示装置44cの表示領域80に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄可変表示部にて、飾り図柄の変動が開始される。
また、図37に示すステップS508の処理では、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンなどに基づいて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達するまでの残り回数として、リミット到達までの残回数を報知する残回数報知演出を実行するための処理が実行されてもよい。一例として、ステップS508の処理では、図39(A)のフローチャートに示すような残回数報知演出決定処理を実行する。
図39(A)に示す残回数報知演出決定処理において、CPU181は、まず、例えば主基板31から伝送された遊技状態指定コマンドのEXTデータを読み取ることなどにより、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態であるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、遊技状態が高確状態でなければ(ステップS521;No)、リミット到達までの残回数を報知しないと判断して、残回数報知演出決定処理を終了する。
ステップS521にて遊技状態が高確状態である場合には(ステップS521;Yes)、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、リミット到達までの残回数を報知可能な変動パターンとして予め定められた変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。ここで、リミット到達までの残回数を報知可能な変動パターンとしては、例えば当り変動パターンに含まれる変動パターンといったように、遊技状態が高確状態である場合でも、比較的に使用頻度が少ない変動パターンが、予め定められていてもよい。あるいは、リミット到達までの残回数を報知可能な変動パターンとして、例えば変動パターンPA2−3及び変動パターンPA2−4といった、遊技状態が高確高ベース状態である場合などに、比較的に使用頻度が高くなる変動パターンが、予め定められていてもよい。また、当り変動パターンの一部と、ハズレ変動パターンの一部を、リミット到達までの残回数を報知可能な変動パターンに設定して、リミット到達までの残回数を報知する残回数報知演出が実行されるか否かに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせるようにしてもよい。
ステップS522にてリミット到達までの残回数を報知可能な変動パターンではない場合には(ステップS522;No)、リミット到達までの残回数を報知しないと判断して、残回数報知演出決定処理を終了する。これに対して、報知可能な変動パターンであれば(ステップS522;Yes)、さらに残回数報知演出の有無を決定してから(ステップS523)、残回数報知演出決定処理を終了する。一例として、ステップS523の処理では、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される残回数報知演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM182などに予め記憶された残回数報知演出決定テーブルを参照することなどにより、残回数報知演出を実行するか否かを決定すればよい。このときには、残回数報知演出決定テーブルにおける設定などにより、変動パターンが複数種類のいずれであるかに応じて、残回数報知演出を実行するか否かの決定割合を異ならせるようにしてもよい。あるいは、可変表示結果が「大当り」であるか否かに応じて、残回数報知演出を実行するか否かの決定割合を異ならせるようにしてもよい。あるいは、リミット到達までの残回数に応じて、残回数報知演出を実行するか否かの決定割合を異ならせるようにしてもよい。あるいは、ステップS522にて報知可能な変動パターンであると判定された場合には、常に残回数報知演出を実行すると決定してもよい。
ステップS523にて残回数報知演出を実行すると決定された場合には、図37に示すステップS509の処理により、リミット到達までの残回数に対応して、残回数報知演出制御パターンCZH1、残回数報知演出制御パターンCZH2、…といった、複数種類の残回数報知演出制御パターンのいずれかを選択して、使用パターンに決定すればよい。このとき、リミット到達までの残回数は、演出制御基板90の側において、例えば主基板31から伝送された当り開始指定コマンドの受信回数などに基づいてカウントするようにしてもよいし、リミット到達までの残回数を示す演出制御コマンドを主基板31から演出制御基板90へと伝送することにより、特定できるようにすればよい。なお、残回数報知演出により報知されるリミット到達までの残回数は、例えば可変表示結果が「小当り」である場合にも減算されることなどにより、実際のリミット到達までの残回数よりも少ない回数を報知(減算報知)するようにしてもよい。あるいは、低確状態から大当り遊技状態へと制御された後の高確状態では、始めから残回数報知演出により報知されるリミット到達までの残回数として、実際の残回数よりも少ない回数を報知するようにしてもよい。また、減算報知などにより実際の残回数よりも少ない回数が報知された後に、実際のリミット到達までの残回数を報知する上乗せ演出が行われるようにしてもよい。こうした上乗せ演出により、確変リミッターが作動して高確状態が終了するまでに大当り遊技状態となる回数が増加したと遊技者に認識させて喜悦感を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
図37に示すステップS509にて残回数報知演出制御パターンを決定した後には、例えば図36に示すステップS162の飾り図柄変動中処理にて、残回数報知演出制御パターンに応じた演出動作の制御が行われる。これにより、例えば図39(B)に示すような演出画像を演出表示装置44cの表示領域80に表示させるといった、残回数報知演出となる演出動作を実行することができる。なお、残回数報知演出では、例えば「ボタン操作予告」のサブ予告演出と同様のボタン操作促進演出を行い、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン50の操作が操作検出スイッチ50aによって検出されたことに応じて、リミット到達までの残回数を報知する演出動作が実行されるようにしてもよい。
こうして、図39(A)に示すような残回数報知演出決定処理を実行した場合には、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンが所定の変動パターンであることや、ステップS523にて残回数報知演出を実行すると決定されたことといった、所定の報知条件が成立したときに、残回数報知演出によりリミット到達までの残回数を報知することができる。さらに、操作促進演出を実行する場合には、操作有効期間内に遊技者による操作ボタン50の操作が操作検出スイッチ50aによって検出されたことも、残回数報知演出により残回数を報知するための報知条件に含められる。
なお、残回数報知演出により残回数を報知するための報知条件としては、変動パターンや乱数値によるもの、操作ボタン50の操作によるものの他、様々な条件の一部又は全部を、予め設定してもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後における高確状態での特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば「10回」など)に達したこと、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が高確状態となってからの経過時間が所定時間(例えば1分)に達したこと、単に大当り遊技状態が終了して遊技状態が高確状態となったことなどを、報知条件として予め設定してもよい。
以上説明したように、この発明によれば、図33に示すステップS330の処理にて、リミット前高ベース終了条件決定テーブル138A又はリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bを参照し、大当り遊技状態に制御するとの決定時における遊技状態である大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かと、大当り種別の決定結果に対応したラウンド遊技の種類とに基づいて、高ベース状態が終了する条件となる高ベース終了条件が複数種類のいずれかに設定される。そして、大当り時遊技状態が高ベース状態であり、かつ、大当り遊技状態に制御するとの決定が所定の上限回数に達していなければ、高ベース状態終了条件を「次回大当り」として、その決定に基づく大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態に制御されるまで、高ベース状態を継続することができる。また、図30に示すステップS244の処理にて、第1特図大当り種別決定テーブル131A又は第2特図大当り種別決定テーブル131Bを参照し、第1始動口59を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたか、第2始動口60を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたかに応じて、ラウンド遊技の決定内容(決定割合)が異なるように、大当り種別に対応したラウンド遊技の種類を決定することができる。これにより、例えば終了条件が異なる高ベース状態を含めた特別遊技状態といった、制御される遊技状態の多様化を図ることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
図33に示すステップS323にて高確フラグをオン状態にセットすることにより遊技状態を高確状態に移行させるとともに、ステップS333にて高ベースフラグをオン状態にセットすることにより遊技状態を高ベース状態に移行させた後には、図32に示すステップS308にて高ベース中カウント値が「0」になればステップS309にて高ベースフラグがクリアされてオフ状態となる一方で、高確フラグはステップS296にてクリアされるまで、オン状態に維持される。したがって、高ベース状態が終了して低ベース状態に移行した後でも、継続して高確状態に制御することがある。これにより、リミット到達による確変リミッターの作動がなされるまでは、高ベース状態の終了後にも可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御されることへの期待感を持続させ、遊技の興趣を向上させることができる。
図33に示すステップS330の処理では、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bにおける設定などにより、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したことに基づき、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かに応じて、高ベース状態終了条件を異ならせる。これにより、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かに応じた多様な遊技が可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bにおける設定などにより、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したときには、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの回数が、比較的に少ない第1回数に決定される割合よりも、比較的に多い第2回数に決定される割合が高くなる。これにより、確変リミッターが作動して大当り遊技状態の終了後に高確状態へと制御されない場合でも、再び大当り遊技状態となることへの期待感が高められ、遊技の興趣を向上させることができる。
図30に示す特別図柄通常処理では、ステップS231にて第2保留記憶数が「0」であると判定されてから、ステップS235にて第1保留記憶数が「0」であるか否かの判定を行い、ステップS231にて第2保留記憶数が「0」以外の値であれば、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームより優先して実行される。また、高ベース時普図表示結果決定テーブル139Bにおける設定などにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときよりも第2始動口60を有利状態とする頻度が向上する。そして、高ベース時非リーチ変動パターン種別決定テーブル136Bにおける設定などにより、遊技状態が高ベース状態であるときには、第1特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間T4、T5、T6を、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間T7、T8よりも長い時間に設定する。これにより、大当り遊技状態の終了直後に遊技状態が高ベース状態となるときに、第1特図による特図ゲームが連続して多数回実行されないうちに、遊技状態が高ベース状態であることに基づく有利開放制御による普図ゲームを開始可能として、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態とする頻度が向上し、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることによる利益を、遊技者が十分に得ることが可能になる。
図39(A)に示す残回数報知演出決定処理などを実行することにより、例えば所定の変動パターンが指定されたことや、乱数値に基づく決定結果といった、所定の報知条件が成立したときに、図37に示すステップS509にて残回数報知演出制御パターンを決定して、リミット到達までの残回数を報知する演出動作を実行する。これにより、大当り遊技状態の終了後に確変リミッターの作動により高確状態には制御されなくなるまでに大当り遊技状態となる残り回数を、遊技者が認識できる場合を設けて、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態では、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bを用いて大当り種別を決定することにより、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、別個の大当り種別に対応したラウンド遊技の種類が決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわりなく、同一種類のラウンド遊技に決定可能とする一方で、各種類のラウンド遊技に対する決定割合を異ならせることで、ラウンド遊技の決定態様を異ならせるようにしてもよい。
一例として、図10(A)及び(B)に示した大当り種別決定テーブルに代えて、図40(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Cと、図40(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Dとを用いる。図40(A)及び(B)に示す大当り種別決定テーブルの設定では、第1特図を用いた特図ゲームの場合も、第2特図を用いた特図ゲームの場合も、大当り種別は「2ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定される。その一方で、第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、それぞれの大当り種別への決定割合を異ならせている。すなわち、第1特図大当り種別決定テーブル131Cでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」及び「15ラウンド大当り」のそれぞれに1/2の決定割合で決定されるように、決定値が各大当り種別に割り当てられている。これに対して、第2特図大当り種別決定テーブル131Dでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」に1/4の決定割合で決定され、「15ラウンド大当り」に3/4の決定割合で決定されるように、決定値が各大当り種別に割り当てられている。したがって、第1始動口59を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたか、第2始動口60を遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御すると決定されたかに応じて、大当り種別に対応した大当り遊技状態におけるラウンド遊技の決定割合を異ならせて、ラウンド遊技の種類の決定態様を異ならせることができる。このようにしても、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合と、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された場合とでは、複数種類のラウンド遊技のそれぞれに決定される割合が異なることになる。また、第1特図を用いた特図ゲームの場合と、第2特図を用いた特図ゲームの場合とで、共通する種類のラウンド遊技と、異なる種類のラウンド遊技とに、決定することができるようにしてもよい。一例として、第1特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「7ラウンド大当り」に決定される一方で、第2特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定されるようにしてもよい。この場合には、第1特図を用いた特図ゲームの場合も、第2特図を用いた特図ゲームの場合も、共通する「2ラウンド大当り」の大当り種別に決定することができる。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの場合には、「7ラウンド大当り」の大当り種別に決定できる一方で、「15ラウンド大当り」の大当り種別には決定することができない。また、第2特図を用いた特図ゲームの場合には、「15ラウンド大当り」の大当り種別に決定できる一方で、「7ラウンド大当り」の大当り種別には決定することができない。他の一例として、第1特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「7ラウンド大当り」に決定される一方で、第2特図を用いた特図ゲームでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定されるようにしてもよい。この場合には、第2特図を用いた特図ゲームの場合に限り、第1特図を用いた特図ゲームの場合とは異なる「15ラウンド大当り」の大当り種別に決定することができ、第1特図を用いた特図ゲームの場合には、第2特図を用いた特図ゲームと共通する「2ラウンド大当り」又は「7ラウンド大当り」の大当り種別に決定されることになる。
第1特図大当り種別決定テーブル131Aにおいて大当り種別が「2ラウンド大当り」に決定される割合よりも、第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおいて大当り種別が「7ラウンド大当り」に決定される割合の方が、低くなるように、決定値を割り当てるようにしてもよい。一例として、第1特図大当り種別決定テーブル131Aでは、大当り種別が「2ラウンド大当り」に3/10の決定割合で決定され、第2特図大当り種別決定テーブル131Bでは、大当り種別が「7ラウンド大当り」に3/20の決定割合で決定されるように、各大当り種別決定テーブルにて決定値が大当り種別に割り当てられるように設定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」となった場合には、第1特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」となった場合よりも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が多くなって遊技者により有利となる可能性が高まり、第2特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図32に示すステップS309にて高ベースフラグをクリアして高ベース状態を終了するときには、高確フラグをクリアして高確状態を終了することがあるようにしてもよい。一例として、ステップS309の処理では、遊技制御カウンタ設定部153に設けられたランダムカウンタ等により更新される高確終了決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM100などに予め記憶された高確終了決定テーブルを参照することなどにより、高確状態を終了するか否かを決定すればよい。あるいは、ステップS309の処理が実行されるときには、常に高確フラグもクリアしてオフ状態とすることにより、高確状態を終了するようにしてもよい。これにより、高確高ベース状態といった遊技者にとって有利な遊技状態から、低確低ベース状態といった遊技者にとって不利な遊技状態に移行する場合を設けて、特別遊技状態に関わる多様な遊技を可能とし、遊技の興趣を向上させることができる。
リミット到達判定値に対応したリミット値となる上限回数は、「10」に限定されず、パチンコ遊技機1の仕様に基づく任意の値であればよい。
上記実施の形態では、図30に示すステップS241にて特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づき可変表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされた後に、ステップS244にて大当り種別を複数種類のいずれかに決定するものとして説明した。また、ステップS247にて特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づき可変表示結果を「小当り」とするか否かを判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの判定と、大当り種別の決定などとが、同時に行われるようにしてもよい。一例として、「2ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「15ラウンド大当り」といった各大当り種別とともに、「小当り」の可変表示結果に対しても、1種類の乱数値(特図表示結果決定用の乱数値)と比較される決定値を割り当てた設定データ(決定用データ)などから構成される特図表示結果決定テーブルを、第1特図と第2特図のそれぞれに対応して用意する。そして、図27に示すステップS101の始動入賞判定処理では、特図表示結果決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶させる。この場合、図30に示すステップS232では第2特図保留記憶部151Bから特図表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読み出し、ステップS236では第1特図保留記憶部151Aから特図表示結果決定用の乱数値を示す数値データを読み出す。そして、ステップS240〜S248の処理に代えて、第1特図を用いた特図ゲーム(第1開始条件の成立)であるか第2特図を用いた特図ゲーム(第2開始条件の成立)であるかに応じた特図表示結果決定テーブルを参照することで、特図ゲームにおける可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの決定や、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定などが、行われるようにすればよい。
上記実施の形態では、音声枠ランプ基板92やランプドライバ基板93が演出制御基板90と別個に配されるものとして説明した。また、演出表示装置44cの表示領域80における表示動作の制御を行う表示制御部171が演出制御基板90に搭載されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、音声の制御や各種発光部材の制御が演出制御基板90にて行われるようにしてもよい。また、演出表示装置44cの表示領域80における表示動作の制御を演出制御基板90とは別個に配された表示制御基板により実行されるようにしてもよい。さらに上記実施の形態と同様の動作を実現できれば、各演出装置(音声、ランプ、表示)を制御する制御装置は任意の組合せの、または単一の制御装置により実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1及び第2特別図柄表示装置44a、44bのそれぞれに対応して別個の第1及び第2特図保留記憶部151A、151Bを設けるものとして説明した。これに対して、第1及び第2特別図柄表示装置44a、44bに共通する特図保留記憶部に、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データや大当り種別決定用の乱数値を示す数値データ、始動入賞データなどを保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。ここで、始動入賞データは、遊技球が第1始動口59と第2始動口60とのいずれに入賞したかを特定可能に示すデータであればよい。
大当り種別は複数種類が設けられていれば任意のものであればよく、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数も、互いに実行態様が異なる複数種類のラウンド遊技を実行可能なものであれば、任意に設定可能である。このときには、第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合よりも、第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となった場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の種類が有利に決定されることが望ましい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置44cの表示領域80における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。