JP2009077546A - 非接触給電システムに用いられる車両及び非接触給電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触給電システムの給電線による電力損失を減らすことである。
【解決手段】台車21は、ピックアップコア27とショートバー25を有する。ショートバー25は、往路、復路の給電線22a、22bを挟み込む貫通孔25a、25bを有し、給電線22aと給電線22bとを一定の容量で短絡する機能を持っている。この容量は、給電線22a、22bとショートバー25との空間距離と対向面積を変えることで変化させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非接触給電システムとそのシステムに用いられる車両に関する。
従来、工場や倉庫において決められた走路を走行する搬送車を用いて部品や荷物を搬送することが行われていた。搬送車のモータを駆動する電力を供給する方法として、電源から給電線を介して非接触で電力を供給する非接触給電システムが実用化されている。
非接触給電システムでは、走路に沿って平行に給電線を設置して高周波電源から電力を供給し、搬送車が受電コアにより給電線から非接触で電力の供給を受ける。
非接触給電システムにおいては、搬送車の移動距離を長くすると、給電線のインピーダンスによる電力損失が大きくなるという問題点があった。
この問題を解決するために、特許文献1の発明では、図4に示すように給電線11を複数の区間に分けて、各区間の給電線11に直列に複数のスイッチSWを設け、さらに往路と復路の電流が流れる給電線11を短絡するスイッチSWを設けている。
例えば、搬送車が区間Bを走行しているときには、区間AのスイッチSW1、SW2と、区間BのスイッチSW4、SW5がオンとなり、区間Aの短絡用のスイッチSW3と区間Bの短絡用のスイッチSW6は共にオフとなる。そして、高周波電源12からの距離が、区間Bより遠い区間Cの給電線11に直列に挿入されているスイッチSW7とSW8はオフとなり、往路と復路の給電線11の間に接続されているスイッチSW9がオンとなり、区間Cの給電線11を短絡する。この結果、区間Cの給電線11のインピーダンスによる電力損失を減らすことができる。
しかしならが、特許文献1の発明は、給電線11に複数のスイッチを設ける必要があり、分割する区間数を増やすと、その分必要なスイッチの個数が増えることと、スイッチをオン、オフさせるための制御回路も複雑になるという問題点がある。また、スイッチ等の機能を維持するために一定期間毎にスイッチを交換する等のメンテナンスが必要となる。
特開2000−103263号公報
本発明の課題は、非接触給電システムの給電線による電力損失を減らすことである。
本発明は、非接触給電システムに用いられる車両であって、平行に配置された給電線から非接触で電力を受電する受電コアと、前記給電線を非接触で所望のインピーダンスで短絡する短絡用コアとを備える。
この発明によれば、車両に電力を供給するために必要な区間以外の給電線による電力損失を減らすことができる。
上記の発明の非接触給電システムに用いられる車両において、前記短絡用コアは、前記車両に電力を供給する高周波電源からの距離が、前記受電コアより遠い位置に配置されている。
このように構成することで、受電コアによる給電線からの電力の受電を妨げることなく、給電線による電力損失を減らすことができる。
上記の発明の非接触給電システムに用いられる車両において、前記短絡用コアは、平行に配置された前記給電線と所定の空間距離を持って前記給電線を挟む貫通孔を有する金属材料からなる。
このように構成することで給電線を一定の容量で短絡することができる。
本発明によれば、給電線による電力損失を減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態の非接触給電システムは、工場、倉庫等で使用される台車(車両)21に給電線22から非接触で電力を供給するシステムに関するものである。
図1(A)、(B)は、実施の形態の非接触給電システムの車両21、給電線22及びレール23の部分の上面図と側面図である。
実施の形態の非接触給電システムに用いられる台車21は、給電線22から電力を受電するためのピックアップコア27と、給電線22を所定の容量で短絡するためのショートバー25を有する。
給電線22は、図1(B)に示すように、高周波電源から電流が出力される往路の給電線22aと、高周波電源に電流が流れる込む復路の給電線22bとからなる。往路と復路の給電線22a、22bは、レール23と平行に敷設され、それらの末端が短絡されて閉ループを形成している。これら往路、復路の給電線22a、22bは、絶縁性の取り付け部材24a、24bによりレール23に取り付けられている。給電線22は、例えば、リッツ線で構成されている。
台車21には、ピックアップコア27と、ショートバー25が取り付けられている。ピックアップコア(受電コアに対応する)27は、台車21のモータを駆動する電力を給電線22から非接触で受電するためのものである。このピックアップコア27は、図1(A)に示すように、台車21の側面の高周波電源に近い方の位置に取り付けられている。
ショートバー(短絡用コアに対応する)25は、往路、復路の給電線22a、22bを挟み込む貫通孔25a、25bを有し、給電線22aと給電線22bとを所望のインピーダンスで短絡する機能を持っている。ショートバー25は、例えば、銅、鉄、アルミ等の導電性の材料で構成されており、往路の給電線22aとの間及び復路の給電線22bとの間で一定の容量を持っている。この容量は、給電線22a、22bとショートバー25との空間距離と対向面積により決まる。ショートバー25は、往路の給電線22aと復路の給電線22bを一定の容量で短絡する機能を持っている。ショートバー25は、絶縁部材26を介して台車21に固定されている。
ショートバー25は、ピックアップコア27の受電動作を妨げないように、ピックアップコア27より高周波電源からの距離が遠い位置に取り付けられている。
すなわち、台車21は、高周波電源に近い方の位置に設けられているピックアップコア27により、給電線22から電力を受電すると共に、ピックアップコア27の後方(高周波電源から離れる方向)に設けられているショートバー25により、往路と復路の給電線22a、22bを一定の容量で短絡している。
このように、ショートバー25により往路と復路の給電線22a、22bを一定の容量で短絡することで、台車が存在しない区間の給電線22a、22bに流れる電流を減らし、給電線22の電力損失を減らすことができる。
図2(A)は、従来の非接触給電システムの給電線32の等価回路を示し、図2(B)は、実施の形態の非接触給電システムの台車21と給電線22の等価回路を示す図である。
従来の非接触給電システムにおいては、給電線32のインピーダンスは、図2(A)に示すように、高周波電源33から台車31までの区間Aの給電線32の抵抗RとインダクタンスLと、台車31から給電線32の末端までの区間Bの抵抗RとインダクタンスLとで表すことができる。区間Bの抵抗RとインダクタンスLに流れる電流をIとすると、区間Bの給電線32の抵抗Rによる電力損失は、Iとなる。
一方、実施の形態の非接触給電システムにおいては、台車21がショートバー25を有することから、給電線22のインピーダンスは、図2(B)に示すように、高周波電源28から台車21までの区間Aの抵抗RとインダクタンスLと、給電線22a、22bとショートバー25の等価容量(CとCの直列容量)と、台車21から給電線22の末端までの区間Bの抵抗RとインダクタンスLで表せる。なお、CとCは、給電線22a、22bとショートバー25との間の空間距離と対向面積により決まる容量である。
ショートバー25の等価的な容量CとCに流れる電流をI、区間Bの給電線22に流れる電流をIとすると、区間Bの給電線22の抵抗Rによる電力損失は、I となる。
実施の形態の非接触給電システムにおいて、区間Bの給電線22に流れる電流Iと、給電線22a、22b及びショートバー25の等価容量C、C12に流れる電流Iの合計値が、従来の非接触給電システムにおいて、区間Bの給電線32に流れる電流Iと等しいとすると、実施の形態の非接触給電システムにおける、区間Bの給電線22の抵抗R2による電力損失はI となる。これは、電流IがI=I+Iの関係を有することから、従来の非接触給電システムにおける区間Bの給電線32の電力損失Iより小さい値である。このとき、給電線22a、22bとショートバー25の等価容量C及びCにも電流Iが流れるが、この電流Iは高周波電源28に帰還される無効電流であるので、電力損失としては無視することができる。
よって、台車21に設けたショートバー25により往路、復路の給電線22a、22bを一定の容量で短絡することで、給電線22の電力損失を減らすことができる。
図3は、従来の非接触給電システムと、実施の形態の非接触給電システムの給電線の電力損失と、高周波電源から台車までの距離との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図3の縦軸は、電力損失をパーセントで表したものであり、横軸は、高周波電源から台車までの距離を示している。
従来の非接触給電システムでは、台車31がどの位置にいても給電線32の電力損失は一定である。このときの電力損失を100%で表してある。
一方、実施の形態の非接触給電システムは、台車21が高周波電源28から離れた位置にあるときには、従来の非接触給電システムと同じ電力損失が発生しているが、台車21が高周波電源28に近づくほど給電線22の電力損失は減少する。
このシミュレーション結果からも、ショートバー25により給電線22の電力損失を減らすことができることが分かる。
上述した実施の形態によれば、台車21のショートバー25により給電線22を所望の容量で短絡することで、給電線22の電力損失を減らすことができる。使用するショートバー25は、構造がシンプルなのでメンテナンスのための手間がかからない。さらに、後から台車21に取り付けることもできるので、既存の非接触給電システムに使用することもできる。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)ショートバー25の給電線22を挟む部分の断面形状は、円に限らず、E型、その他の形状でも良い。
(2)ショートバー25を移動可能な構造にして、給電線22との空間距離を変えることができる構造にしても良い。このような構造にすることで、例えば、同じ給電線22から2台以上の台車が電力の供給を受けている場合に、高周波電源に近い位置にある台車のショートバー25を移動させて給電線22との空間距離を大きくして容量を無視できるような値にすることで、高周波電源から離れた位置にある他の台車が給電線22から電力を受電できるようにすることができる。これにより、同じ給電線22から2台以上の台車が電力を受電するシステムであって、高周波電源からの各台車の距離が変化する場合にも、本発明を適用することができる。
実施の形態の給電線と台車の上面図及び側面図である。 給電線と台車の等価回路を示す図である。 従来の非接触給電システムと実施の形態の非接触給電システムの電力損失の比較図である。 従来の非接触給電システムのスイッチの構成を示す図である。
符号の説明
11、22、32 給電線
12、28,33 高周波電源
21、31 台車
22、22a、22b 給電線
23 レール
25 ショートバー
27 ピックアップコア

Claims (4)

  1. 平行に配置された給電線から非接触で電力を受電する受電コアと、
    前記給電線を非接触で所望のインピーダンスで短絡する短絡用コアとを備える非接触給電システムに用いられる車両。
  2. 前記短絡用コアは、前記車両に電力を供給する高周波電源からの距離が、前記受電コアより遠い位置に配置されている請求項1記載の非接触給電システムに用いられる車両。
  3. 前記短絡用コアは、平行に配置された前記給電線と所定の空間距離を持って前記給電線を挟む貫通孔を有する金属材料からなる請求項1又は2記載の非接触給電システムに用いられる車両。
  4. 平行に配置された給電線から非接触で電力を受電する受電コアと、
    前記給電線を非接触で所望のインピーダンスで短絡する短絡用コアとを有する車両に電力を供給する非接触給電システム。
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