JP2009077480A - 回転電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、線径の太い素線を用いても、スロット内で容易に転移でき、かつコイルエンドの軸方向長さを短くでき、自動車用過給機に使用できる回転電動機を得る。
【解決手段】固定子コイルが、ティース6のそれぞれに集中巻きに巻回された1ターンの相コイル9を有する。各相コイル9は、複数の素線を積み重ねて2層の素線列に構成されてティース6を挟む両側のスロット7内にそれぞれ収納される一対の素線転移導体11と、ティース6の一端面に沿って配置され、両側のスロット7の一端側に延出する一対の素線転移導体11の端部同士を電気的に接続する平導体板12と、ティース6の他端面に沿って配置され、両側のスロット7の他端側に延出する一対の素線転移導体11の端部にそれぞれ電気的に接続された一対の引き出し導体板13,14と、を有する。一対の素線転移導体11のそれぞれを構成する素線が180度転移されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば自動車用過給機に使用される、低電圧大電流の電力が供給されて高速運転される回転電動機に関するものである。
固定子鉄心のスロット内に電機子巻線を構成する多重素線導体を収納し、これらの多重素線導体をスロット外に突出した両端部で互いに接続している回転機において、多重素線導体に交流電流が流れる場合、導体の長手方向の各部分における素線間に電圧が誘起される。そして、任意の素線対において、導体の全長に亘る各素線の誘起電圧に大きな差が生じると、閉ループ状の素線対には大きな循環電流が流れ、損失が増大するという問題があった。
これを解決するために、導体内の各素線を例えば360度や540度転移させて、導体の全長にわたって各素線間に誘起される電圧をほぼ等しくして循環電流が流れないようにする多重素線転移導体が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。なお、素線の転移は、導体内における各素線の位置を順次変更してなされるが、導体断面において、ある素線が断面中心の回りに円状に移動すると考え、その回転の角度で転移の度合いを表す。例えば、各素線が、導体断面において、全ての位置を経て、スロットの反対端で出発した位置と同じ位置になる転移を、360度転移という。
特開昭59−139836号公報
しかし、自動車用過給機に使用される回転電動機では、低電圧大電流の電力が供給され、そのトルク発生用の固定子コイルは太く、かつ巻数が少ない。そこで、従来の多重素線転移導体を自動車用過給機に使用される回転電動機の固定子コイルに適用しようとすると、線径の太い各素線を360度や540度転移させる必要があり、素線転移導体の作製が極めて困難であった。
しかも、各素線をスロット外で折り曲げる際に、各素線の線径が太いので、曲率半径を小さくできず、コイルエンドの軸方向長さが長くなり、回転電動機の共振危険速度が低下するという新たな問題を生じる。特に、自動車用過給機に使用される回転電動機では、高速運転されることから、共振危険速度(機械的な臨界速度)の低下は好ましくない。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、線径の太い素線を用いても、スロット内で容易に転移でき、かつコイルエンドの軸方向長さを短くでき、自動車用過給機に使用できる回転電動機を得ることを目的とする。
この発明による回転電動機は、回転軸に同軸に固着された回転子と、上記回転子を囲繞するように配置され、内周側に開口するスロットを画成するようにティースが周方向に等角ピッチで配列された固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装されたトルク発生用駆動コイルを有する固定子と、を備えている。上記トルク発生用駆動コイルが、上記ティースのそれぞれに集中巻きに巻回された1ターンの相コイルを有し、上記相コイルのそれぞれは、複数の素線を積み重ねて複数層の素線列に構成されて上記ティースを挟む両側の上記スロット内にそれぞれ収納される一対の素線転移導体と、上記ティースの一端面に沿って配置され、両側の上記スロットの一端側に延出する上記一対の素線転移導体の端部同士を電気的に接続する平導体板と、上記ティースの他端面に沿って配置され、両側の上記スロットの他端側に延出する上記一対の素線転移導体の端部にそれぞれ電気的に接続された一対の引き出し導体板と、を有している。そして、上記一対の素線転移導体のそれぞれを構成する素線が、180度転移されている。
この発明によれば、各素線転移導体を構成する素線のスロット内での転移角度が180度と小さいので、線径の太い素線であっても、簡易に素線転移導体を作製できる。素線転移導体が複数層の素線列で構成され、かつ各相コイルの巻数が1ターンであるので、素線の線径を太くでき、低電圧大電流を流すことができる。
また、相コイルが集中巻きの巻線に構成されているので、コイルエンド同士の干渉が無く、コイルエンドの軸方向長さを短くできる。また、コイルエンド同士の干渉が無いので、平導体板および引き出し導体板をティースの端面に沿わせて配置してコイルエンドを構成できる。これにより、線径の太い素線を用いても、コイルエンドの軸方向長さを著しく短くすることができる。そこで、回転子の固有振動周波数が上がり、機械的な臨界速度を上げて円滑な高速運転ができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機の構成を模式的に示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルのスロット内導体部を示す斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルの巻装状態を一面側から見た要部斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルの巻装状態を他面側から見た要部斜視図、図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルを構成する1相のコイルを示す斜視図である。
図1において、回転電動機1は、回転軸2に同軸に固着された回転子3と、回転子3を囲繞するように配設された固定子鉄心5にトルク発生用駆動コイルとしての固定子コイル8を巻装してなる固定子4と、を備えている。
固定子鉄心5は、所定形状に成形された多数枚の磁性鋼板を積層一体化して作製され、例えば、6つのティース6が内周側に突出するように周方向に等角ピッチで配列されている。内周側に開口するスロット7が、周方向に隣り合うティース6間に画成されている。
固定子コイル8は、スロット7を跨がないで単一のティース6に巻回した、いわゆる集中巻き方式に巻装された6相の相コイル9を有する。
なお、この実施の形態1では、回転子3の構成は特に限定されるものではなく、例えば、永久磁石を装備したもの、界磁コイルを巻装したものが用いられる。
つぎに、固定子コイル8を構成する各相コイル9について図2乃至図5を参照しつつ説明する。
固定子コイル8を構成する各相コイル9は、16本の素線10を積み重ねて2層の素線列に構成されてスロット7内に収納される一対の素線転移導体11と、スロット7の一端側に延出する両素線転移導体11の端部に半田付け、ロウ付け、ヒュージングなどにより電気的に接続され、一対の素線転移導体11同士を電気的に接続する平導体板12と、スロット7の他端側に延出する各素線転移導体11の端部に半田付け、ロウ付け、ヒュージングなどにより電気的に接続された一対の引き出し導体板13,14と、を備えている。
そして、相コイル9は、平導体板12をティース6の一端面に沿わせ、一対の素線転移導体11を当該ティース6を挟む一対のスロット7内にそれぞれ収納し、一対の引き出し導体板13,14を当該ティース6の他端面に沿わせて、1ターンの集中巻きで巻装される。そして、16本の素線10が一方の引き出し導体板13と平導体板12との間に並列に接続されて2層となってティース6の一側のスロット7内に収納され、一方の引き出し導体板13から平導体板12に至るまでに180度転移されている。また、16本の素線10が平導体板12と他方の引き出し導体板14との間に並列に接続されて2層となってティース6の他側のスロット7内に収納され、平導体板12から他方の引き出し導体板14に至るまでに180度転移されている。そして、平導体板12および引き出し導体板13,14がコイルエンドを構成する。
このようにして、相コイル9が各ティース6に巻装される。そして、固定子コイル8が3相交流巻線であれば、相対する3対のティース6に巻装された2相ずつの相コイル9が、それぞれ、U相、V相およびW相のコイルを構成する。
ここで、素線10には、例えば、導線としての銅線にポリアミドイミド樹脂やポリエステルイミド樹脂などのエナメル層(対地間絶縁層)を被覆したエナメル線が用いられる。平導体板12および引き出し導体板13,14には、例えば対地間絶縁層であるエナメル層を被覆した銅薄板が用いられる。但し、素線10、平導体板12および引き出し導体板13,14の電気的接続部では、エナメル層が除去されている。そして、素線10と平導体板12および引き出し導体板13,14との電気的接続部は接続後、絶縁コートされる。
この実施の形態1によれば、素線転移導体11を構成する各素線10がスロット7内で180度転移されているので、端部磁束によって各素線10の両端部に誘起される電流は互いに相殺される方向に流れ、閉ループを構成する素線対に流れる循環電流が小さくなり、銅損を低減できる。
また、素線転移導体11を構成する各素線10のスロット7内での転移角度が180度と小さいので、線径の太い素線であっても、簡易に素線転移導体11を作製できる。
また、素線転移導体11が2層の素線列で構成され、かつ各相コイル9の巻数が1ターンであるので、素線10の線径を太くでき、低電圧大電流を流すことができる。
また、相コイル9が集中巻きの巻線に構成されているので、コイルエンド同士の干渉が無く、コイルエンドの軸方向長さを短くできる。また、コイルエンド同士の干渉が無いので、平導体板12および引き出し導体板13,14をティース6の端面に沿わせて配置してコイルエンドを構成できる。これにより、線径の太い素線10を用いても、コイルエンドの軸方向長さを著しく短くすることができる。そこで、回転軸2を回転子3の両端で軸支する軸受(図示せず)間の距離を短くできる。これにより、回転子3の固有振動周波数が上がり、機械的な臨界速度を上げて円滑な高速運転ができる。
従って、この実施の形態1によれば、低電圧大電流を流すことができ、高速運転が可能となり、自動車用過給機に使用できる回転電動機を実現できる。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る回転電動機に適用される固定子コイルを構成する1相のコイルを示す斜視図である。
図6において、相コイル15は、16本の素線10を積み重ねて2つの素線列に構成され、スロット7内に収納される一対のスロット内導体部分17と一対のスロット内導体部分17の素線10同士を連結するスロット外導体部分18とからなる素線転移導体16と、素線転移導体16の両端部に半田付け、ロウ付け、ヒュージングなどにより電気的に接続された一対の引き出し導体板13,14と、を備えている。
なお、この実施の形態2は、相コイル9に代えて相コイル15を用いている点を除いて上記実施の形態1と同様に構成されている。
この実施の形態2では、図示していないが、相コイル15は、スロット外導体部分18をティース6の一端面に沿わせ、一対のスロット内導体部分17を当該ティース6を挟む一対のスロット7内にそれぞれ収納し、一対の引き出し導体板13,14を当該ティース6の他端面に沿わせて、1ターンの集中巻きで巻装される。そして、16本の素線10が一対の引き出し導体板13,14間に並列に接続されている。
素線転移導体16を構成する素線10は、一方の引き出し導体板13から他方の引き出し導体板14に至るまでに180度転移されている。即ち、一対のスロット内導体部分17を構成する素線10の部分が、それぞれ90度転移されている。そして、スロット外導体部分18を構成する素線10の部分は、固定子鉄心5の端面上に8列2層となって、両スロット7から延出した一対のスロット内導体部分17を構成する素線10の部分の端部同士を、それらの径方向位置および軸方向位置を維持して連結している。つまり、スロット外導体部分18を構成する素線10の部分は、素線転移導体16内の位置が維持され、転移されていない。そして、スロット外導体部分18および引き出し導体板13,14がコイルエンドを構成する。
この実施の形態2においても、一対のスロット内導体部分17を構成する素線10の部分が、それぞれ90度転移されており、素線転移導体16全体として180度転移されているので、上記実施の形態1と同様に、端部磁束によって各素線10の両端部に誘起される電流は互いに相殺される方向に流れ、閉ループを構成する素線対に流れる循環電流が小さくなり、銅損を低減できる。
また、スロット7内に収納される一対のスロット内導体部分17がそれぞれ90度転移されているので、各スロット7内で転移させる角度が一層小さくなり、素線転移導体16をより簡易に作製できる。
また、素線転移導体16が2層の素線列で構成され、かつ各相コイル15の巻数が1ターンであるので、素線10の線径を太くでき、低電圧大電流を流すことができる。
また、スロット外導体部分18を構成する素線10の部分が、固定子鉄心5の端面上に8列2層となって、両スロット7から延出した一対のスロット内導体部分17を構成する素線10の部分の端部同士を、それらの径方向位置および軸方向位置を維持して連結しているので、各素線10を小さな曲率半径で曲げることができ、コイルエンドの軸方向長さの増大を抑えることができる。また、相コイル15が集中巻きの巻線に構成されているので、コイルエンド同士の干渉が無く、コイルエンドの軸方向長さを短くできる。これにより、線径の太い素線10を用いても、コイルエンドの軸方向長さを著しく短くすることができ、機械的な臨界速度の低下を防止できる。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係る磁気誘導子形同期回転機の構成を示す一部破断斜視図である。
図7において、回転電動機としての磁気誘導子形同期回転機20は、回転軸2に同軸に固着された回転子21と、回転子21を囲繞するように配設された固定子鉄心26にトルク発生用駆動コイルとしての固定子コイル30を巻装してなる固定子25と、界磁起磁力発生用コイルとしての界磁コイル31と、回転子21、固定子25および界磁コイル31を収納するケース32とを備えている。
回転子21は、例えば所定形状に成形された多数枚の磁性鋼板を積層一体化して作製された第1および第2磁性体22,23と、所定枚の磁性鋼板を積層一体化して作製され、軸心位置に回転時挿入孔(図示せず)が穿設された円盤状の隔壁24とを備える。第1および第2磁性体22,23は、同一形状に作製され、軸心位置に回転軸挿入孔が穿設された円筒状の基部22a,23aと、基部22a,23aの外周面から径方向外方に突設され、かつ軸方向に延設されて、周方向に等角ピッチで4つ設けられた突極22b,23bとから構成されている。第1および第2磁性体22,23は、周方向に半突極ピッチずらして、隔壁24を介して相対して互いに密接して配置され、それらの回転軸挿入孔に挿通された回転軸2に固着されて構成されている。隔壁24の外径は第1および第2磁性体22、23の外径(突極22b、23bの外径)に一致している。
固定子鉄心26は、所定形状に成形された多数枚の磁性鋼板を積層一体化して作製された第1および第2固定子鉄心27,28を備える。第1および第2固定子鉄心27,28は、同一形状に作製され、円筒状のコアバック27a,28aと、コアバック27a、28aの内周面から径方向内方に突設されて周方向に等角ピッチで6つ設けられたティース27b,28bと、を備える。内周側に開口するスロット27c,28cが、周方向に隣り合うティース27b,28b間に画成されている。第1および第2固定子鉄心27,28は、ティース27b,28bの周方向位置を一致させて、隔壁24の軸方向厚み分離間して配置され、それぞれ第1および第2磁性体22,23を囲繞する。
そして、相コイル29は、上記実施の形態1における相コイル9と同じものであり、平導体板12をティース28bの一端面に沿わせ、一対の素線転移導体11をティース27bとティース28bとの対を挟む一方のスロット27c,28c内および他方のスロット27c,28c内にそれぞれ収納し、一対の引き出し導体板13,14を当該ティース27bの他端面に沿わせて、1ターンの集中巻きで巻装される。そして、16本の素線10が一方の引き出し導体板13と平導体板12との間に並列に接続されて2層となって一方のスロット27c、28c内に収納され、一方の引き出し導体板13から平導体板12に至るまでに180度転移されている。また、16本の素線10が平導体板12と他方の引き出し導体板14との間に並列に接続されて2層となって他方のスロット27c、28c内に収納され、平導体板12から他方の引き出し導体板14に至るまでに180度転移されている。そして、平導体板12および引き出し導体板13,14がコイルエンドを構成する。
図7では、ティース27bとティース28bとの1つの対に集中巻きに巻回された1相の相コイル29のみを示しているが、固定子コイル30は、実際には、ティース27bとティース28bとの6つの対に対して、順次U,V,Wの3相を2回繰り返して集中巻きに巻回して構成されている。
界磁コイル31は、導体線を円筒状に巻回したものであり、第1および第2固定子鉄心27,28のコアバック27a,28a間に介装されている。第1および第2磁性体22,23と隔壁24とを一体に固着する回転軸2が軸受部(図示せず)に支持される。
ついで、このように構成された磁気誘導子形同期回転機20の動作について説明する。
界磁コイル31に通電されると、図7に矢印で示されるように、第1磁性体22の突極22bから第1固定子鉄心27に流れ、その後軸方向に流れ、第2固定子鉄心28から第2磁性体23の突極23bに戻る磁束が形成される。この時、第1および第2磁性体22,23の突極22b,23bが周方向に半突極ピッチずれているので、磁束は、軸方向から見ると、N極とS極とが周方向に交互に配置されたように作用する。これにより、磁気誘導子形同期回転機20は、無整流子モータであり、磁気的には、8極6スロットの集中巻き方式の永久磁石式回転電機と同様に動作する。
この実施の形態3では、上記実施の形態1における相コイル9と同じ構成である相コイル29を用いているので、素線転移導体11を構成する各素線10がスロット27c,28c内で180度転移され、閉ループを構成する素線対に流れる循環電流が小さくなり、銅損を低減できる。
また、素線転移導体11を構成する各素線10の転移角度が180度と小さいので、線径の太い素線であっても、簡易に素線転移導体11を作製できる。
また、素線転移導体11が2層の素線列で構成され、かつ各相コイル29の巻数が1ターンであるので、素線10の線径を太くでき、低電圧大電流を流すことができる。
また、相コイル29が集中巻きの巻線に構成されているので、コイルエンド同士の干渉が無く、コイルエンドの軸方向長さを短くできる。また、コイルエンド同士の干渉が無いので、平導体板12および引き出し導体板13,14をティース27b,28bの端面に沿わせて配置してコイルエンドを構成できる。これにより、線径の太い素線10を用いても、コイルエンドの軸方向長さを著しく短くすることができる。そこで、回転軸2を回転子21の両端で軸支する軸受(図示せず)間の距離を短くできる。これにより、回転子21の固有振動周波数が上がり、機械的な臨界速度を上げて円滑な高速運転ができる。
なお、上記実施の形態3では、相コイル29として上記実施の形態1における相コイル9と同じ構成のものを用いるものとしているが、上記実施の形態2における相コイル15を用いてもよい。
実施の形態4.
上記各実施の形態では、銅線に対地間絶縁層であるエナメル層を被覆したエナメル線を素線として用いるものとしているが、この実施の形態4では、絶縁性の酸化膜層として二酸化ケイ素などの酸化ケイ素を銅線の全面に被覆し、その後エナメル層を被覆して素線を作製している。
この素線転移導体を作製するには、多数本の素線群に撚り加工を施すことになる。この撚り加工では、エナメル層などの対地間絶縁層に圧縮或いは引っ張り応力が作用し、最悪の場合には、対地間絶縁層に損傷が発生する。
この実施の形態4では、二酸化ケイ素などの絶縁性の酸化物層が対地間絶縁層の下層に被覆されているので、対地間絶縁層に損傷が発生した場合でも、十分な絶縁性を確保することができる。
ここで、銅線の全面に被覆された二酸化ケイ素をエナメル層の下層としているので、十分な絶縁性が確保される。しかし、本回転電動機が車両用などの低電圧で使用される場合には、二酸化ケイ素などの優れた絶縁性を有する酸化物層をエナメル層の下層に形成する必要はなく、絶縁性を有する酸化物層としての亜酸化銅(CuO)を銅線自体を酸化してその表面に形成し、その後エナメル層を被覆してなるエナメル線を素線として用いても、エナメル層の損傷に起因する素線間の短絡を防止できる。
なお、上記各実施の形態では、素線転移導体は複数の素線を積み重ねて2層の素線列に構成されているものとしているが、素線転移導体を構成する素線列の層数は2層に限定されるのではなく、複数層であればよく、例えば3層、4層でもよい。
また、上記各実施の形態では、素線としてエナメル線を用いるものとしているが、カプトン巻線、マイカテープ巻線などを素線として用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、素線の導線として銅線を用いるものとしているが、導線は銅線に限定されるものではなく、例えばニッケルメッキ銅線、アルミ線などを用いてもよい。
ここで、アルミ線を導線とした素線を用いた場合には、銅線を導線とした素線を用いた場合に比べ、相コイルの軽量化が図られるので、回転電動機が軽量化され、回転電動機の取付支持部の強度を下げることができ、支持構造を含めた機器全体としてのサイズの小型化を実現できる。そこで、アルミ線を導線とした素線を用いた本回転電動機を、自動車用過給機の加速をアシストする電動アシストターボ等の車両の狭い搭載スペースに設置される用途に適用することは、特に有効である。
また、アルミ線にアルマイト処理を施してアルミ線の表面に形成されるアルマイト被膜は優れた絶縁性を有する。そこで、アルミ線にアルマイト処理を施して得られる電線、即ちアルマイト処理電線を素線に用いれば、素線間の絶縁性を確保することができるとともに、エナメル層の形成が不要となり、低コスト化が図られる。
はこの発明の実施の形態1に係る回転電動機の構成を模式的に示す断面である。 この発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルのスロット内導体部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルの巻装状態を一面側から見た要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルの巻装状態を他面側から見た要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電動機に適用される固定子コイルを構成する1相のコイルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電動機に適用される固定子コイルを構成する1相のコイルを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る磁気誘導子形同期回転機の構成を示す一部破断斜視図である。
符号の説明
1 回転電動機、2 回転軸、3 回転子、4 固定子、5 固定子鉄心、6 ティース、7 スロット、8 固定子コイル(トルク発生用駆動コイル)、9 相コイル、10 素線、11 素線転移導体、12 平導体板、13,14 引き出し導体板、15 相コイル、16 素線転移導体、17 スロット内導体部分、18 スロット外導体部分、20 磁気誘導子形同期回転機(回転電動機)、21 回転子、22 第1磁性体、22a 基部、22b 突極、23 第2磁性体、23a 基部、23b 突極、25 固定子、26 固定子鉄心、27 第1固定子鉄心、27b ティース(第1ティース)、27c スロット(第1スロット)、28 第2固定子鉄心、28b ティース(第2ティース)、28c スロット(第2スロット)、29 相コイル、30 固定子コイル(トルク発生用駆動コイル)、31 界磁コイル(界磁起磁力発生用コイル)。

Claims (5)

  1. 回転軸に同軸に固着された回転子と、
    上記回転子を囲繞するように配置され、内周側に開口するスロットを画成するようにティースが周方向に等角ピッチで配列された固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装されたトルク発生用駆動コイルを有する固定子と、を備え、
    上記トルク発生用駆動コイルが、上記ティースのそれぞれに集中巻きに巻回された1ターンの相コイルを有し、
    上記相コイルのそれぞれは、複数の素線を積み重ねて複数層の素線列に構成されて上記ティースを挟む両側の上記スロット内にそれぞれ収納される一対の素線転移導体と、上記ティースの一端面に沿って配置され、両側の上記スロットの一端側に延出する上記一対の素線転移導体の端部同士を電気的に接続する平導体板と、上記ティースの他端面に沿って配置され、両側の上記スロットの他端側に延出する上記一対の素線転移導体の端部にそれぞれ電気的に接続された一対の引き出し導体板と、を有し、
    上記一対の素線転移導体のそれぞれを構成する素線が、180度転移されていることを特徴とする回転電動機。
  2. 回転軸に同軸に固着された回転子と、
    上記回転子を囲繞するように配置され、内周側に開口するスロットを画成するようにティースが周方向に等角ピッチで配列された固定子鉄心、および該固定子鉄心に巻装されたトルク発生用駆動コイルを有する固定子と、を備え、
    上記トルク発生用駆動コイルが、上記ティースのそれぞれに集中巻きに巻回された1ターンの相コイルを有し、
    上記相コイルのそれぞれは、複数の素線を積み重ねて複数層の素線列に構成され、上記ティースの一端面に沿って配置されたスロット外導体部分および該スロット外導体部分から両側に延在して上記ティースを挟む両側の上記スロット内にそれぞれ収納される一対のスロット内導体部分からなる素線転移導体と、上記ティースの他端面に沿って配置され、両側の上記スロットの他端側に延出する上記素線転移導体の端部にそれぞれ電気的に接続された一対の引き出し導体板と、を有し、
    上記素線転移導体を構成する素線が、上記一対のスロット内導体部分の一方で90度転移され、上記スロット外導体部分で上記素線転移導体内位置を維持され、上記一対のスロット内導体部分の他方で更に90度転移されて、全体として180度転移されていることを特徴とする回転電動機。
  3. 上記回転子は、それぞれ突極が軸心位置に回転軸挿入孔を有する円筒状の基部の外周に周方向に等角ピッチで配設された第1および第2磁性体を、該突極を周方向に半突極ピッチずらして、かつ軸方向に所定間隔離間して同軸に配置し、上記回転軸を上記回転軸挿入孔に挿通、固着して構成され、
    上記固定子鉄心は、上記第1磁性体を囲繞するように配置され、内周側に開口する第1スロットを画成するように第1ティースが周方向に等角ピッチで配列された第1固定子鉄心と、内周側に開口する第2スロットを画成するように第2ティースが周方向に等角ピッチで配列され、上記第1固定子鉄心と軸方向に所定間隔離間して、かつ上記第2ティースを上記第1ティースに軸方向に対向させて、上記第2磁性体を囲繞するように配置された第2固定子鉄心と、を備え、
    上記相コイルのそれぞれが、軸方向に対向する上記第1ティースと上記第2ティースとの対に集中巻きに巻回されており、
    さらに、界磁起磁力発生用コイルが、上記回転軸を周回して円筒状に巻回されて、上記第1固定子鉄心と上記第2固定子鉄心との間に介装されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電動機。
  4. 上記素線が、導線と、上記導線に被覆された絶縁性の酸化膜層と、絶縁性樹脂を上記酸化膜層上に被覆してなる対地間絶縁層と、から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電動機。
  5. 上記素線が、アルマイト処理電線であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転電動機。
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