JP2009076763A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電デバイスの内部抵抗を低減させ、その生産性を向上させる。
【解決手段】負極(電極)12は、負極合材層(合材層)12cを形成するスラリー20を負極集電体(集電体)12bに塗工し、さらにフィルム材21を重ね合わせ、乾燥後にフィルム材21を剥離して作製するようにした。これにより、負極合材層12cの表面を滑らかに形成することができるため、蓄電デバイスの内部抵抗を引き下げられ、蓄電デバイスの性能を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、集電体とこれに設けられる合材層とを備える電極が組み込まれる蓄電デバイスに関する。
近年、グラファイト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2等のリチウム含有金属酸化物を用いた、いわゆるリチウムイオン二次電池が、高容量であり有力な蓄電装置として、主にノート型パソコンや携帯電話の主電源として実用化されている。リチウムイオン二次電池は、電池組立後、充電することにより正極のリチウム含有金属酸化物から負極にリチウムイオンを供給し、さらに放電では負極のリチウムイオンを正極に戻すという、いわゆるロッキングチェア型電池であり、高電圧および高容量、高安全性を有することを特長としている。
一方、環境問題がクローズアップされる中、ガソリン車にかわる電気自動車用またはハイブリッド自動車用の蓄電装置(メイン電源と補助電源)の開発が盛んに行われているが、自動車用の蓄電装置として、これまでは鉛電池が使用されてきた。しかし、車載用の電気設備や機器の充実により、エネルギー密度、出力密度の点から新しい蓄電装置が求められるようになってきている。
このような新しい蓄電装置としては、上記のリチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタが注目されている。しかし、リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高いものの、出力特性、安全性およびサイクル寿命には問題を残している。
これに対し、電気二重層キャパシタは、ICやLSIのメモリーバックアップ用電源として利用されているが、一充電当たりの放電容量は電池に比べて小さい。しかし、瞬時の充放電特性に優れ、数万サイクル以上の充放電にも耐えるという、リチウムイオン二次電池にはない高い出力特性とメンテナンスフリー性とを備えている。
電気二重層キャパシタはこうした利点を有してはいるが、従来の一般的な電気二重層キャパシタのエネルギー密度は3〜4Wh/L程度で、リチウムイオン二次電池に比べて二桁程度小さい。電気自動車用を考えた場合、実用化には6〜10Wh/L、普及させるには20Wh/Lのエネルギー密度が必要であるといわれている。
こうした高エネルギー密度、高出力特性を要する用途に対応する蓄電装置として、近年、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタとの蓄電原理を組み合わせた、ハイブリッドキャパシタとも呼ばれる蓄電装置が注目されている。ハイブリッドキャパシタでは、通常、正極に分極性電極を使用し、負極に非分極性電極を使用するもので、電池の高いエネルギー密度と電気二重層の高い出力特性とを兼ね備えた蓄電装置として注目されている。一方、このハイブリッドキャパシタにおいて、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる負極を金属リチウムと接触させて、予め化学的方法または電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵、担持(以下、ドーピングドープともいう)させて負極電位を下げることにより、耐電圧を大きくしエネルギー密度を大幅に大きくすることを意図したキャパシタが提案されている。(例えば特許文献1〜特許文献4参照)
この種のハイブリッドキャパシタでは、高性能は期待されるものの、負極にリチウムイオンをドーピングドープさせる場合に、ドーピングドープが極めて長時間を要することや負極全体に対する均一性のあるドーピングドープに問題を有し、特に、電極を捲回した円筒型装置や、複数枚の電極を積層した角型電池のような大型の高容量セルでは実用化は困難とされていた。
しかし、この問題は、セルを構成する、負極集電体および正極集電体の表裏に貫通する孔を設け、この貫通孔を通じてリチウムイオンを移動させ、同時にリチウムイオン供給源である金属リチウムと負極とを短絡させることにより、セルの端部に金属リチウムを配置するだけで、セル中の全負極にリチウムイオンをドーピングドープできることの発明により、一挙に解決するに至った(例えば特許文献5参照)。なお、リチウムイオンのドーピングドープは、通常、負極に対して行なわれるが、負極とともに、または負極の代わりに正極に行う場合も同様であることが特許文献5に記載されている。
このようにして、電極を捲回した円筒型装置や、複数枚の電極を積層した角型電池のような大型のセルでも、装置中の全負極に対して短時間にかつ負極全体に均一にリチウムイオンがドーピングドープでき、耐電圧の向上によりエネルギー密度が飛躍的に増大し、電気二重層キャパシタが本来有する大きい出力密度と相まって、高容量のキャパシタが実現する見通しが得られた。
しかし、かかる高容量のキャパシタを実用化するためには、さらに、高容量、高エネルギー密度および高出力密度とし、高い耐久性を確保することが要求されている。
ここで、上述のリチウムイオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ等の蓄電デバイスに組み込まれる電極は、金属箔からなる集電体とこれに一体となる合材層とを有している。このような電極を製造する際には、長細いシート状の集電体を水平方向に搬送しながら、活物質を含有するスラリーを集電体に塗工した後に、スラリーを乾燥させて集電体上に合材層を形成するようにしている。
特開平8−107048号公報 特開平9−55342号公報 特開平9−232190号公報 特開平11−297578号公報 国際公開WO98/033227号公報
しかしながら、蓄電デバイスの内部抵抗を引き下げて性能を向上させるためには、合材層の表面を平滑に形成し、合材層とセパレータとの密着を良くすることが重要であるが、集電体に対して単にスラリーを塗工するだけでは、合材層表面は改善できず、セパレータとの密着性を飛躍的に向上させることは困難となっていた。特に、貫通孔を備える集電体にスラリーを塗工した場合には、貫通孔に対してスラリーが入り込んでしまうことから、合材層の表面に多数の凹凸が形成されることになり、電極とセパレータとの間に不要な隙間を生じさせて内部抵抗を引き上げる要因となっていた。
本発明の目的は、蓄電デバイスの内部抵抗を低減させ、その生産性を向上させるとともに蓄電デバイスの性能を向上させることにある。
本発明の蓄電デバイスは、集電体とこれに設けられる合材層とを備える電極が組み込まれる蓄電デバイスであって、前記電極は、前記合材層を形成するスラリーを前記集電体に塗工し、板材またはフィルム材を重ね合わせた後に前記スラリーを乾燥し、前記板材または前記フィルム材を剥がすことによって形成されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記集電体には貫通孔が形成されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記電極の負極および正極の少なくともいずれかに短絡するリチウムイオン供給源を有し、前記負極および前記正極の少なくともいずれかに前記リチウムイオン供給源からリチウムイオンをドーピングさせることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、前記正極と前記負極とを短絡させたときの正極電位が2V(対Li/Li+)以下であることを特徴とする。
本発明によれば、合材層を形成するスラリーを集電体に塗工し、塗工された塗料が乾く前に、板材またはフィルム材を重ね合わせた後に乾燥し、板材またはフィルム材を剥がすことによって電極を形成するようにしたので、合材層の表面を滑らかに形成することが可能となる。これにより、合材層とセパレータとの密着性が向上し、蓄電デバイスの内部抵抗を引き下げることが可能となり、蓄電デバイスの性能を向上させることが可能となる。
図1は本発明の一実施の形態である蓄電デバイス10を示す断面図である。図1に示すように、蓄電デバイス10は、正極11と負極12とがセパレータ13を介して交互に積層される電極積層ユニット14と、この電極積層ユニット14を収容するラミネートフィルム15とを有している。また、電極積層ユニット14の最外部にはリチウム極16が負極12に対向するように配置されており、電極積層ユニット14とリチウム極16とによって三極積層ユニット17が構成されている。なお、ラミネートフィルム15内には、リチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒からなる電解液が封入されている。
図2は蓄電デバイス10の内部構造を拡大して示す断面図である。図2に示すように、正極(電極)11は、多数の貫通孔11aを備える正極集電体(集電体)11bと、この正極集電体11bに塗工される正極合材層(合材層)11cとを備えている。また、負極(電極)12は、多数の貫通孔12aを備える負極集電体(集電体)12bと、この負極集電体12bに塗工される負極合材層(合材層)12cとを備えている。相互に接続される複数の正極集電体11bには正極端子18が接続されており、相互に接続される複数の負極集電体12bには負極端子19が接続されている。また、リチウム極16(リチウムイオン供給源)は、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体からなるリチウム極集電体16aと、これに貼り付けられる金属リチウム16bとによって構成されており、リチウム極集電体16aは負極集電体12bに接続されている。
正極合材層11cには、リチウムイオンを可逆的にドーピング・脱ドーピング(以下、ドープ・脱ドープという)することが可能な正極活物質として活性炭が含有されている。また、負極合材層12cには、リチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープすることが可能な負極活物質として難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)が含有されている。なお、本発明において、ドーピング(ドープ)とは、吸蔵、担持、吸着、挿入等を意味しており、正極活物質や負極活物質に対してリチウムイオンやアニオン等が入る状態を意味している。また、脱ドーピング(脱ドープ)とは、放出、脱離等を意味しており、正極活物質や負極活物質からリチウムイオンやアニオン等が出る状態を意味している。
また、図2に示すように、負極12とリチウム極16とが短絡されることから、ラミネートフィルム15内に電解液を注入することにより、負極12に対してリチウム極16からリチウムイオンがドープされることになる。このように、負極12に対してリチウムイオンを予めドープすることにより、負極電位を低下させてセル電圧を拡大することができるため、蓄電デバイス10のエネルギー密度を向上させることが可能となっている。また、正極集電体11bや負極集電体12bに対して多数の貫通孔11a、12aが形成されることから、貫通孔11a,12aを介してリチウムイオンを積層方向に移動させることが可能となり、全ての負極合材層12cに対して均一にリチウムイオンをドープすることが可能となっている。なお、蓄電デバイス10の容量を向上させる観点から、正極11と負極12とを短絡させたあとの正極電位が2V(対Li/Li+)以下となるように、負極12に対してリチウムイオンをドープすることが望ましい。
また、図3に示すように、負極合材層12cを形成するスラリー20を負極集電体12bに塗工し、塗工されたスラリーが乾く前に、フィルム材21を重ね合わせた後に乾燥し、フィルム材21を剥がすようにしたので、負極合材層12cの表面を滑らかな平面に形成することが可能となる。すなわち、負極合材層12cの表面をフィルム材21の表面と同等に成形できることから、同じくフィルム形状をしたセパレータとの密着を高めることが可能となる。これにより、電極とセパレータとの間に生じる不要な隙間を低減することができるため、蓄電デバイスの内部抵抗を引き下げることが可能となり、蓄電デバイスの性能を向上させることが可能となる。
また、負極12表面を滑らかに形成することができるため、充電時における金属リチウムの不均一な析出を抑制することが可能となり、蓄電デバイスの耐久性を向上させることが可能となる。さらに、貫通孔12aを備える負極集電体12bを用いているため、貫通孔を有していないフィルム材21を重ねて乾燥しても、スラリー20からの蒸気は負極集電体12bの貫通孔12aを通して抜けるため、短時間で充分な乾燥が可能である。
一方、貫通孔12aを備える負極集電体12bに対して単にスラリー20を塗工した場合には、貫通孔12aに対してスラリー20が入り込んでしまうため、図4に示すように、負極合材層12cの表面に多数の凹凸が形成されることになる。このような凹凸形状は、電極とセパレータとの間に不要な隙間を生じさせてしまうことから、蓄電デバイスの内部抵抗を増大させて蓄電デバイスの性能を低下させる要因となる。しかも、負極12表面に凹凸が形成された場合には、充電時に金属リチウムが不均一に析出されることから、蓄電デバイスの耐久性を低下させてしまうのである。
以下、前述した蓄電デバイス10の構成要素について、〔A〕フィルム材、〔B〕負極、〔C〕正極、〔D〕正極集電体および負極集電体、〔E〕リチウム極、〔F〕セパレータ、〔G〕電解液、〔H〕ラミネートフィルムの順に詳細に説明する。
〔A〕フィルム材
フィルム材21としては、表面が平滑で、かつ活物質スラリーの溶剤に対して耐久性があり、乾燥温度に耐えられるものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが好適に挙げられる。また、これらのフィルム材と同等の平滑性および耐久性を有するのであれば、例えば金属箔などの板材等を用いることも可能である。
[B]負極
負極12は、負極集電体12bとこれに一体となる負極合材層12cとを有しており、負極合材層12cには負極活物質が含有されている。この負極活物質としては、イオンを可逆的にドープ・脱ドープできるものであれば特に制限はなく、例えばグラファイト、種々の炭素材料、ポリアセン系物質、錫酸化物、珪素酸化物等が挙げられる。特に、黒鉛や難黒鉛化性炭素は高容量化を図ることができるため、負極活物質として好適である。
前述した負極活物質は粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この負極活物質をバインダーと混合してスラリー20が形成される。なお、負極活物質と混合されるバインダーとしては、例えばポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート等の熱可塑性樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダーなどが挙げられ、これらの中でもフッ素系バインダーを用いることが好ましい。このフッ素系バインダーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、プロピレン−4フッ化エチレン共重合体等が挙げられる。また、負極合材層12cに対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしてもよい。
[C]正極
正極11は、正極集電体11bとこれに一体となる正極合材層11cとを有しており、正極合材層11cには正極活物質が含有されている。正極活物質としては、イオンを可逆的にドープ・脱ドープできるものであれば特に制限はなく、例えば活性炭、遷移金属酸化物、導電性高分子、ポリアセン系物質等が挙げられる。前述した正極合材層11cに正極活物質として含まれる活性炭は、アルカリ賦活処理され、かつ比表面積600m2/g以上を有する活性炭粒子から形成される。活性炭の原料としては、フェノール樹脂、石油ピッチ、石油コークス、ヤシガラ、石炭系コークス等が使用されるが、フェノール樹脂、石炭系コークスが比表面積を高くできる観点から好適である。
また、前述した正極合材層11cに正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を含有させることにより、蓄電デバイス10をリチウムイオン二次電池として機能させるようにしてもよい。さらに、この他にも、LiXCoO2、LiXNiO2、LiXMnO2、LiXFeO2等のLiXYZ(x,y,zは正の数、Mは金属、2種以上の金属でもよい)の一般式で表されうるリチウム含有金属酸化物、あるいはコバルト、マンガン、バナジウム、チタン、ニッケル等の遷移金属酸化物または硫化物を含有させることも可能である。特に、高電圧を求める場合には、金属リチウムに対して4V以上の電位を有するリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、あるいはリチウム含有コバルト−ニッケル複合酸化物が特に好適である。
活性炭やコバルト酸リチウム等の正極活物質は粉末状、粒状、短繊維状等に形成され、この正極活物質をバインダーとして混合してスラリーが形成される。なお、正極活物質と混合されるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、正極合材層11cに対して、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性材料を適宜加えるようにしてもよい。
[D]負極集電体および正極集電体
負極集電体12bおよび正極集電体11bとしては、表裏面を貫く貫通孔11a、12aを備えているものが好適であり、例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、網、発泡体等が挙げられる。貫通孔11a、12aの形状や個数等については特に制限はなく、アニオンおよび/またはリチウムイオンの移動を阻害しないものであれば適宜設定可能である。また、負極集電体12bおよび正極集電体11bの材質としては、一般に有機電解質電池に提案されている種々の材質を用いることが可能である。例えば、負極集電体12bの材質として、ステンレス鋼、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11bの材質として、アルミニウム、ステンレス鋼等が挙げられる。
[E]セパレータ
セパレータ13としては、電解液、正極活物質、負極活物質等に対して耐久性があり、連通気孔を有する電子伝導性のない多孔質体等が挙げられる。通常は、紙(セルロース)、ガラス繊維、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等からなる布、不織布あるいは多孔体が挙げられる。セパレータの厚みは、電池の内部抵抗を小さくするために薄い方が好ましいが、電解液の保持量、流通性、強度等を勘案して適宜設定することができる。
[F]電解液
電解液としては、高電圧でも電気分解を起こさない観点、リチウムイオンが安定に存在できる観点から、リチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン等を単独あるいは混合した溶媒が挙げられる。また、リチウム塩としては、例えばLiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiN(C25SO22等が挙げられる。
[G]ラミネートフィルム
ラミネートフィルム15としては、一般に電池に用いられている種々の材質を用いることが可能である。一般的には、外側にナイロンフィルム、中心にアルミニウム箔、内側に変性ポリプロピレン等の接着層を有した3層ラミネートフィルムが用いられている。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(負極の製造)
フラン樹脂炭の原料であるフルフリルアルコールを60℃で24時間保持することにより樹脂を硬化させ、黒色樹脂を得た。得られた黒色樹脂を静置式電気炉内に入れ、窒素雰囲気下にて1200℃まで3時間で昇温し、その到達温度にて2時間保持した。放冷冷却後取り出した試料をボールミルにて粉砕することにより、D50%=5.0μmの難黒鉛化性炭素粉末(水素原子/炭素原子=0.008)である試料を得た。
次に、上記試料を86重量部、アセチレンブラック粉体6重量部、アクリル系樹脂バインダー5重量部、カルボキシメチルセルロース3重量部および水200重量部となる組成にて充分混合することにより負極スラリーを得た。
次に、負極スラリーを負極集電体としての厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタルに塗工した後に、塗工された負極スラリー表面にフィルム材としての厚さ100μmのポリエチレンフィルムを重ね、60℃に設定した乾燥炉内で乾燥させた。その後、ポリエチレンフィルムを剥がすことにより、片面に負極合材層が形成された負極を得た。
さらに、上述の負極を反転し、同様に負極の片面の未塗工面に負極スラリーを塗工後、塗工された負極スラリー表面にポリエチレンフィルムを重ねて、60℃に設定した乾燥炉内で乾燥させた。その後、ポリエチレンフィルムを剥がすことにより、厚み70μm、負極活物質の目付量が4.0mg/cm2となるような負極合材層を両面に有する負極を得た。
(正極の製造)
比表面積2000m2/gの市販活性炭粉末85重量部、アセチレンブラック粉体5重量部、アクリル系樹脂バインダー6重量部、カルボキシメチルセルロース4重量部および水200重量部からなる組成にて充分混合することにより正極スラリーを得た。
厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタルの両面に非水系のカーボン系導電塗料をスプレー方式にてコーティングし、乾燥することにより導電層が形成された正極集電体を得た。全体の厚さ(集電体厚さと導電層厚さとの合計)は52μmであり、貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。正極スラリーをこの正極集電体の両面に均等に塗工し、乾燥、プレス後、厚み129μmの正極を得た。正極の正極合材層の厚みは77μm、また正極活物質の目付量は3.5mg/cm2であった。
(負極の単位重量当たりの静電容量測定)
上記負極を1.5cm×2.0cmのサイズに切り出して評価用負極とした。この評価用負極に、厚さ50μmのポリエチレン製不織布からなるセパレータを介して、対極としての金属リチウム(1.5cm×2.0cmサイズ、厚み200μm)を対向させることにより、模擬セルを組んだ。参照極としては金属リチウムを用い、電解液としてはプロピレンカーボネートにLiPF6を1.2モル/lの濃度で溶解した溶液を用いた。そして、充電電流1mAにて負極活物質に500mAh/g分のリチウムイオンを充電し、その後、放電電流1mAにて負極電位が1.5Vに達するまで放電を行った。放電開始1分後の負極電位より更に0.2Vの電位変化が生じるまでの放電時間に基づき、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ4286F/gであった。
(正極の単位重量当たりの静電容量測定)
上記正極を1.5cm×2.0cmのサイズに切り出して評価用正極とした。この評価用正極に、厚さ50μmのポリエチレン製不織布からなるセパレータを介して、対極としての金属リチウム(1.5cm×2.0cmサイズ、厚み200μm)を対向させることにより、模擬セルを組んだ。参照極としては金属リチウムを用い、電解液としてはプロピレンカーボネートにLiPF6を1.2モル/lの濃度で溶解した溶液を用いた。そして、充電電流1mAにて3.6Vまで充電した後に定電圧充電を行い、総充電時間が1時間を経過した後に、放電電流1mAにて正極電位が2.5Vに達するまで放電を行った。正極電位が3.5Vから2.5Vに達するまでの放電時間に基づき、正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ140F/gであった。
(三極積層ユニットの作製)
負極を6.0×7.5cm2(端子溶接部を除く)に12枚カットし、正極を5.8×7.3cm2(端子溶接部を除く)に11枚にカットした。セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を介して、正極集電体、負極集電体の端子溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極と負極とを交互に積層した。なお、電極の最外部が負極となるように積層した。最上部と最下部とはセパレータを配置させて4辺をテープ留めし、正極集電体の端子溶接部(11枚)、負極集電体の端子溶接部(12枚)をそれぞれ幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製正極端子および銅製負極端子に超音波溶接して電極積層ユニットを得た。
リチウム極として、金属リチウム箔を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、該リチウム極を最外部の負極と完全に対向するように電極積層ユニットの上部に1枚配置して三極積層ユニットを得た。なお、リチウム極集電体の端子溶接部は負極端子溶接部に抵抗溶接した。
(セルの作製および電解液の含浸)
電極積層ユニットの形状にあわせて3.5mmに深絞りしたラミネートフィルムの内部へ上記三極積層ユニットを設置し、ラミネートフィルムの三辺を熱融着した。熱融着を行っていない残りの一辺に漏斗を挿入し、スポイドにて電解液としてのプロピレンカーボネートに対して1モル/Lの濃度となるようにLiPF6を溶解した溶液を少量注液しては真空含浸を繰り返し、総量15gを含浸させた。その後に、残り一辺を減圧下にて融着させ、フィルム型セルを4セル組み立てた。なお、セル内に配置された金属リチウムは負極活物質重量当たり500mAh/g相当である。
(セルの初期評価)
電解液を含浸してから20日間放置後に1セルを分解したところ、金属リチウムはいずれも完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに500mAh/gのリチウムイオンが予めドープされたと判断した。
(セルの特性評価)
1000mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を30分間行った。次いで、500mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量および直流抵抗を評価した。続いて、−20℃の恒温槽内に2時間放置後、同様の3.8V−2.2Vのサイクルを500回繰り返し、室温に戻してセル容量を評価した。結果を−20℃での500サイクル後における容量保持率とともに表1に示す。ただし、データは3セルの平均である。
Figure 2009076763
(比較例1)
(負極の製造)
負極集電体としての厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタルを用い、この負極集電体の両面に上記負極スラリーを両面に均等に塗工し、乾燥、プレス後、厚み70μm、負極活物質が4.0mg/cm2となるような負極合材層を有する負極を得た。
(セルの作製)
得られた負極を用いて実施例1と同様に、フィルム型セルを4セル組み立てた。なお、セル内に配置された金属リチウムは負極活物質重量当たり500mAh/g相当である。
(セルの初期評価)
セルを組み立ててから20日間放置後に1セルを分解したところ、金属リチウムはいずれも完全に無くなっていたことから、負極活物質の単位重量当たりに500mAh/gのリチウムイオンが予めドープされたと判断した。
(セルの特性評価)
1000mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を30分間行った。次いで、500mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量および直流抵抗を評価した。続いて、−20℃の恒温槽内に放置後、同様の3.8V−2.2Vのサイクルを500回繰り返し、室温に戻してセル容量を評価した。結果を−20℃での500サイクル後における容量保持率とともに表2に示す。ただし、データは3セルの平均である。
Figure 2009076763
実施例1と比較例1とは、同じ目付量の正極および負極を用いているため、初期の放電容量は同じであるが、−20℃における500回のサイクル試験後の容量保持率は実施例1の方が優れる結果となった。また、−20℃において500サイクル経過したセルを各1セル分解したところ、比較例1の負極表面には若干の金属リチウムが析出していることが確認された。
これは、実施例1のように、ポリエチレンフィルムを用いて負極表面を平滑にしたため、負極表面とセパレータとの密着性が向上して直流抵抗が低くなったと考えられる。一方、比較例1のように直接エキスパンドメタルに塗工した場合、多孔箔集電体の凹凸の影響を受け、表面に凹凸ができるため、抵抗が高く、負極表面内において電流密度にバラツキが生じたと考えられる。したがって、−20℃のサイクルにおいては比較例1の負極表面の抵抗が高い部分に金属リチウムが析出したため、容量保持率が低くなったと推測される。
本発明を適用することが可能な蓄電デバイスとしては、前述したリチウムイオンキャパシタに限られることなく、リチウムイオンバッテリ、電気二重層キャパシタ等、他の形式のバッテリやキャパシタであってもよい。
なお、本発明の蓄電デバイスは、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動用蓄電源または補助用蓄電源として極めて有効である。また、例えば、電動自転車や電動車椅子等の駆動用蓄電源、太陽光発電装置や風力発電装置等に用いられる蓄電源、携帯機器や家庭用電気器具等に用いられる蓄電源として好適に用いることが可能である。
本発明の一実施の形態である蓄電デバイスを示す断面図である。 蓄電デバイスの内部構造を拡大して示す断面図である。 本発明の負極を示す図である。 従来の負極を示す図である。
符号の説明
10 蓄電デバイス
11 正極(電極)
11a 貫通孔
11b 正極集電体(集電体)
11c 正極合材層(合材層)
12 負極(電極)
12a 貫通孔
12b 負極集電体(集電体)
12c 負極合材層(合材層)
16 リチウム極(リチウムイオン供給源)
20 スラリー
21 フィルム材

Claims (4)

  1. 集電体とこれに設けられる合材層とを備える電極が組み込まれる蓄電デバイスであって、
    前記電極は、前記合材層を形成するスラリーを前記集電体に塗工し、板材またはフィルム材を重ね合わせた後に前記スラリーを乾燥し、前記板材または前記フィルム材を剥がすことによって形成されることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 請求項1記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記集電体には貫通孔が形成されることを特徴とする蓄電デバイス。
  3. 請求項1または2記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記電極の負極および正極の少なくともいずれかに短絡するリチウムイオン供給源を有し、
    前記負極および前記正極の少なくともいずれかに前記リチウムイオン供給源からリチウムイオンをドーピングさせることを特徴とする蓄電デバイス。
  4. 請求項3記載の蓄電デバイスにおいて、
    前記正極と前記負極とを短絡させたときの正極電位が2V(対Li/Li+)以下であることを特徴とする蓄電デバイス。
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