JP2009074969A - 6軸力センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状のアウタ部材2と、その内側に配置されたインナ部材3と、アウタ部材2の外側素子設置面24とインナ部材3の内側素子設置面34との間に挟持された荷重センサ素子5とを有する。第1内側素子設置面34(a)は、Z軸上に頂点710を有する第1多角錐71の側面の少なくとも一部に相当し、第2内側素子設置面34(b)は、第1多角錐71と反対方向に向いた同形状の第2多角錐72の側面の少なくとも一部に相当するよう設けられている。第1外側素子設置面24(a)は第1内側素子設置面34(a)と平行に配置され、第2外側素子設置面24(b)は第2内側素子設置面34(b)と平行に配置されており、1組の内側素子設置面34と外側素子設置面24との間に存在する1つのセンサ設置領域には2個以上の荷重センサ素子5が配設されている。
【選択図】図2
Description
そのため、これまでも、例えば特許文献1〜10にあるような、多軸力センサの開発がなされてきた。
また、歪みゲージの使用を避けた構成も提案されてきてはいるが、いわゆる6軸力センサとしては、非常に構成が複雑で小型化が困難な場合が多い。
上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面上において座標原点を中心とする環状のアウタ部材と、
該アウタ部材の内周面の内側に隙間を設けて配置された外周面を有するインナ部材と、
上記アウタ部材の内周面に設けられた外側素子設置面と上記インナ部材の上記外周面に設けられた内側素子設置面との間に挟持された複数の荷重センサ素子とを有し、
上記インナ部材の上記内側素子設置面は、上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面を挟んで両側に対向して凹所を形成するよう設けられ、かつ、上記内側素子設置面のうち、上記基準平面を挟んで一方の側に存在する複数の第1内側素子設置面は、上記基準平面における上記Z軸上に頂点を有する第1多角錐の側面の少なくとも一部に相当し、上記基準平面を挟んで他方の側に存在する複数の第2内側素子設置面は、上記基準平面における上記Z軸上に頂点を有し上記第1多角錐と反対方向に向いた同形状の第2多角錐の側面の少なくとも一部に相当するよう設けられており、
上記アウタ部材の上記外側素子設置面は、上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面を挟んで両側に互いに逆方向を向いて上記凹所に収容される凸部を形成するよう設けられ、かつ、上記外側素子設置面のうち、上記基準平面を挟んで一方の側に存在する複数の第1外側素子設置面は、それぞれ上記第1内側素子設置面と略平行に配置され、上記基準平面を挟んで他方の側に存在する複数の第2外側素子設置面は、それぞれ上記第2内側素子設置面と略平行に配置されており、
対向する1組の上記内側素子設置面と上記外側素子設置面との間に存在する1つのセンサ設置領域には、それぞれ2個以上の上記荷重センサ素子が配設されていることを特徴とする6軸力センサにある(請求項1)。
また、上記のごとく、1つの上記センサ設置領域には、それぞれ2個以上の上記荷重センサ素子が配設されるので、合計4n個以上の荷重センサ素子が配設される。
したがって、本発明によれば、構造が簡単で、高い信頼性が得られる6軸力センサを提供することができる。
上記第1多角錐と第2多角錐とは、同じ形状で頂点のある方向を180°逆方向に向けたものである。そして、両者が互いに重なり合わないように頂点を対向させるか、頂点だけを重ね合わせるか、或いは、両者が互いに重なり合って一方の頂点が他方の多角錐内部に入り込んだ状態とするかは、選択可能である。また、上記第3多角錐は上記第1多角錐と同じ姿勢で、第1内側素子設置面と第1外側素子設置面との間の距離分だけずらして配置され、同様に、上記第4多角錐は上記第2多角錐と同じ姿勢で、第2内側素子設置面と第2外側素子設置面との間の距離分だけずらして配置されたものとなる。
上記荷重センサ素子としては、自己が受けた荷重を電気的な特性として出力できるものであれば採用可能である。多数の荷重センサ素子の中でも、上記ピエゾ抵抗効果を有する感圧体を上記電気絶縁性の一対の受圧体の間に挟持した構成のものが特に有効である。
また、上記感圧体の両面には、電気的絶縁性を有するセラミックス等よりなる絶縁材料よりなる上記受圧体を設けることが好ましい。これにより、アウタ部材およびインナ部材と荷重センサ素子との間の電気的絶縁性を容易に確保することができる。
また、上記受圧体としては、例えば、ジルコニア等のセラミックス等を採用することができる。
また、上記荷重センサ素子は、圧縮応力のみを検知するよう構成されていることが好ましい。すなわち、圧縮応力のみを検知し、せん断応力を検知しない荷重センサ素子を使用することにより、せん断応力が入力された場合でも、精度よく6軸力を求めることができる。
また、五角錐以上の多角錐でも勿論よく、センサ設置領域の数が増えるほど理論上精度が高くなると考えられるが、製造コストや部品点数の増加によるデメリットも考慮する必要がある。実用的には、3〜8角錐の範囲が好ましく、最も好ましくは上記の四角錐であると考えられる。
また、本発明での多角錐は、最も好ましくは「正多角錐」であって、上記底面が正多角形であることが好ましく、構造的安定性の向上及び演算の容易化を図ることができる。
この場合には、上記インナ部材を外部入力部材に固定する際の安定性を高めることができる。
この場合には、上記インナ部材の作製が容易であると共に、アウタ部材及び荷重センサ素子の組付けを容易に行うことができる。
本発明の実施例に係る6軸力センサにつき、図1〜図15を用いて説明する。
本例の6軸力センサ1は、図1、図2に示すごとく、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に作用する座標軸方向の力と、上記X軸、上記Y軸及び上記Z軸回りのモーメントを検出可能な6軸力センサである。
そして、対向する1組の上記内側素子設置面34と上記外側素子設置面24との間に存在する1つのセンサ設置領域には、それぞれ2個の上記荷重センサ素子5が配設されている。
以下、さらに詳しく説明する。
また、第1インナ部31には、第2インナ部32と一体化するためのインナ締結ボルト挿入用のボルト穴315が4箇所に設けられ、中央部には、外径がアウタ部材2と略同じの鍔状のインナ固定部6と連結するための中央穴316が設けられている。これらの曲面部435、ボルト穴315、及び中央穴316を設ける構成は、第2インナ部32においても同様である(図示略)。
そして、図2に示すごとく、第2インナ部32を、後述するスペーサ部材81を介して一体的に連結することによって、インナ部材3の外周面に設けられた内側素子設置面34は、上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面Pを挟んで両側に対向して凹所39を形成するよう設けられることとなる。
凸部29は、その両面に、それぞれ、Z軸から所定角度α分だけ傾斜した(図9)テーパ状の平面よりなる4つの外側素子設置面24(a)、24(b)を有してなる。
また、外側素子設置面24のうち、上記基準平面を挟んで他方の側に存在する複数の第2外側素子設置面24(b)は、それぞれ上記第2内側素子設置面34(b)と略平行に配置されている。つまり、第2外側素子設置面24(b)も、上記第2多角錐(四角錐)72と同形状の四角錐74(図9)の側面の一部に相当するように設けられている。
また、アウタ部材2の上記各外側素子設置面24よりも外周側には、アウタ固定穴23が表側に4つ設けられ、裏側には後述するノックピン85を挿入するノックピン挿入穴26が2つ設けられている。
また、感圧体50は、図15に示すごとく、電気絶縁性を有するセラミックスよりなる母材509中に圧力抵抗効果を有するセンサ材料508が電気的につながるように分散してなる複合セラミックスよりなる。上記母材509となるセラミックスとしては様々な材料を使用することができるが、本例ではジルコニアを採用した。また、上記圧力抵抗効果を有するセンサ材料508としても様々な材料を使用することができるが、本例では(La,Sr)MnO3を採用した。この感圧体50を用いた荷重センサ素子5は、圧縮応力のみを検知するよう構成される。
なお、上記感圧体50としては、受圧した圧力に応じて電気的特性を変化しうる材料であれば、上記以外の構成のものを採用可能であることは勿論である。
この荷重センサ素子5は、受圧体51、感圧体50及び受圧体52を積層して一体的に焼成してなる積層体を形成後、切削加工を施して、上記形状に仕上げたものを用いた。
次に、ノックピン85を、インナ固定部6のノックピン挿通穴612を貫通させてアウタ部材2のノックピン挿入穴26に挿入する。このノックピン85は、6軸力の入力部であるインナ固定部6と、6軸力の出力部であるアウタ部材2とのZ軸回りの角度位相を合致させるという役割を果たす。
次に、実施例1の6軸力センサ1を用いて、その性能を評価する実験を行った。実施例1の6軸力センサ1の構成をわかりやすくするために、図16〜図18に示すごとく、荷重センサ素子5の配置を平面的にモデル化して示し、それぞれS1〜S16という符号を付した。各荷重センサ素子5の配置は、Fx入力角度を示すS1、S2、S5、S6、S9、S10、S13、S14に対する傾きとFy入力角度を示すS3、S4、S7、S8、S11、S12、S15、S16に対する傾きとはいずれも同じでα1とすると、α1は67.5°である。また、Fz入力角度を示すS1〜S16に対する傾きα2が22.5°である。また、基準平面上におけるX軸又はY軸からの長い距離L1が12.3mm、短い距離L2が6.8mm、Z軸からの距離L3が13.5mmである。そのため、X軸方向の応力をFx(出力)、Y軸方向の応力をFy(出力)、Z軸方向の応力をFz(出力)、X軸回りのモーメントをMx(出力)、Y軸回りのモーメントをMy(出力)、Z軸回りのモーメントをMz(出力)とし、各荷重センサ素子S1〜S16の出力値をF1〜F16とした場合、上記の幾何学的配置から、次のような演算式1(数1)を用いることができる。
そして、上記6軸力センサ1に対して、X軸方向の並進力Fx(入力)、Y軸方向の並進力Fy(入力)、Z軸方向の並進力Fz(入力)、X軸回りのモーメントMx(入力)、Y軸回りのモーメントMy(入力)、及びZ軸回りのモーメントMz(入力)をそれぞれ単独で加えて、16個すべての荷重センサ素子S1〜S16からの出力F1〜F16を測定して、上記演算式1によって、すべての出力値、つまり、Fx(出力)、Fy(出力)、Fz(出力)、Mx(出力)、My(出力)、及びMz(出力)を測定した。その結果を図19〜図22に示す。これらは、横列に入力の種類を、縦列に出力の種類をとってマトリックス状の枠を作り、その中に、横軸に入力の大きさ、縦軸に出力の大きさをとったものである。
次に、実施例1の6軸力センサ1の性能を客観的に評価するために、市販の歪みゲージ式の多軸力センサを準備して、比較した。
比較項目は、表1に示すごとく、形状、容積、並進力定格、モーメント定格、剛性、及び共振周波数である。
形状は、最大外径(Φ)×高さ(h)mmにより表した。
<容積>
容積は、上記の((最大外径)/2)2×πにより求めて(cc)の単位に揃えたものである。
<剛性>
剛性は、定格Fz入力時におけるZ軸方向に生じた変形量を測定したものである。
<共振周波数>
共振周波数は、ハンマリング法による振動測定により求めたものである。
本例は、図23〜図25に示すごとく、上記第1内側素子設置面、第2内側素子設置面、第1外側素子設置面、及び第2外側素子設置面の基となる基本多角錐を、三角錐に変更した例である。その他の構成は、実施例1と同様である。
この場合、図23〜図25に示すごとく、荷重センサ素子5の配置を平面的にモデル化して示した場合、12個の荷重センサ素子S1〜S12は、それぞれ同図に示す位置に配置される。この場合にも、上述した演算式1を変形した式によって、各センサからの出力値F1〜F12に基づいて、X軸方向の応力Fx(出力)、Y軸方向の応力Fy(出力)、Z軸方向の応力Fz(出力)、X軸回りのモーメントMx(出力)、Y軸回りのモーメントMy(出力)、及びZ軸回りのモーメントMz(出力)を求めることができる。
2 アウタ部材
24(a) 第1外側素子設置面
24(b) 第2外側素子設置面
3 インナ部材
31 第1インナ部
32 第2インナ部
34(a) 第1内側素子設置面
34(b) 第2内側素子設置面
5 荷重センサ素子
71 第1多角錐
72 第2多角錐
Claims (7)
- 互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に作用する座標軸方向の力と、上記X軸、上記Y軸及び上記Z軸回りのモーメントを検出可能な6軸力センサであって、
上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面上において座標原点を中心とする環状のアウタ部材と、
該アウタ部材の内周面の内側に隙間を設けて配置された外周面を有するインナ部材と、
上記アウタ部材の内周面に設けられた外側素子設置面と上記インナ部材の上記外周面に設けられた内側素子設置面との間に挟持された複数の荷重センサ素子とを有し、
上記インナ部材の上記内側素子設置面は、上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面を挟んで両側に対向して凹所を形成するよう設けられ、かつ、上記内側素子設置面のうち、上記基準平面を挟んで一方の側に存在する複数の第1内側素子設置面は、上記基準平面における上記Z軸上に頂点を有する第1多角錐の側面の少なくとも一部に相当し、上記基準平面を挟んで他方の側に存在する複数の第2内側素子設置面は、上記基準平面における上記Z軸上に頂点を有し上記第1多角錐と反対方向に向いた同形状の第2多角錐の側面の少なくとも一部に相当するよう設けられており、
上記アウタ部材の上記外側素子設置面は、上記X軸及び上記Y軸を含む基準平面を挟んで両側に互いに逆方向を向いて上記凹所に収容される凸部を形成するよう設けられ、かつ、上記外側素子設置面のうち、上記基準平面を挟んで一方の側に存在する複数の第1外側素子設置面は、それぞれ上記第1内側素子設置面と略平行に配置され、上記基準平面を挟んで他方の側に存在する複数の第2外側素子設置面は、それぞれ上記第2内側素子設置面と略平行に配置されており、
対向する1組の上記内側素子設置面と上記外側素子設置面との間に存在する1つのセンサ設置領域には、それぞれ2個以上の上記荷重センサ素子が配設されていることを特徴とする6軸力センサ。 - 請求項1において、上記荷重センサ素子は、電気絶縁性の一対の受圧体の間に感圧体を介在させて一体的に積層した積層体よりなり、上記感圧体は、ピエゾ抵抗効果を有していることを特徴とする6軸力センサ。
- 請求項1又は2において、上記多角錐は四角錐であり、上記インナ部材及び上記アウタ部材は、それぞれ上記Z軸周りの周方向4箇所に上記内側素子設置面及び上記外側素子設置面を有していることを特徴とする6軸力センサ。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記内側素子設置面及び上記外側素子設置面の上記Z軸となす角度は、10°〜80°の範囲にあることを特徴とする6軸力センサ。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記インナ部材の軸方向一端部にはインナ固定部が設けられており、該インナ固定部は、上記アウタ部材と接触することなく該アウタ部材の内径よりも大径化した外径を有する鍔状に形成されていることを特徴とする6軸力センサ。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記インナ部材は、上記第1内側素子設置面を備えた第1インナ部と上記第2内側素子設置面を備えた第2インナ部とを別部材で作製し、両者を合体させて構成してあることを特徴とする6軸力センサ。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記インナ部材の厚さを調整すること、若しくは該インナ部材を第1インナ部と第2インナ部とにより構成し両者の間に配設したスペーサ部材の厚さを調整することによって、荷重センサ素子に加える予圧を調整可能に構成されていることを特徴とする6軸力センサ。
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