JP2009074756A - 圧縮機マフラ - Google Patents

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真一 岡本
Kenji Yano
賢司 矢野
Tomohisa Matsui
友寿 松井
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Abstract

【課題】簡単な構成により安価で耐久性の高いサイクロン式油分離機能付きの圧縮機マフラが望まれている。
【解決手段】圧縮機マフラMは冷媒回路の圧縮機から吐出された冷媒ガスの脈動の低減、消音および冷凍機油分離を行なうものであって、円筒状に形成された竪胴部1と、竪胴部1の上面開口縁1Aに接合された上側蓋部2と、竪胴部1の下面開口縁1Bに接合された下側蓋部3とから成る本体ケーシング7を備え、圧縮機の冷媒吐出側と連結された流入管4、および冷媒回路の高圧側熱交換器の冷媒吸入側と連結された吐出管5が上側蓋部2を貫通して設けられ、流入管4の先端部4Aが本体ケーシング7内で竪胴部1の内周方向を指向して配置され、圧縮機の冷媒吸入側と連結された返油管6が下側蓋部3を貫通して設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に空調機、給湯機、または冷凍機などの冷媒回路に配備される圧縮機マフラに係り、圧縮機から吐出された冷凍機油混じりの冷媒ガスを冷凍機油と冷媒ガスとに分離する、サイクロン効果を利用した油分離機能を有する圧縮機マフラに関する。
従来、この種の圧縮機マフラは、図11に示すように、圧縮機80、高圧側熱交換器81、絞り装置82、および低圧側熱交換器83を冷媒配管84などで順次環状に接続して成る冷媒回路に使用されている。この冷媒回路において、圧縮機マフラMMは、圧縮機80の冷媒吐出側80Aに連結されて、圧縮機80から吐出された冷媒ガスの脈動の低減、消音および冷凍機油分離を行なうようになっている。
前記の圧縮機マフラMMは下記する特許文献1に記載されており、その構造を図12および図13に示す。圧縮機マフラMMの本体ケーシング101は、上下両端をテーパ状に絞った円筒形状に形成されている。本体ケーシング101の上部には、圧縮機80の冷媒吐出側80Aと連結された流入管4aaが水平方向に貫通して接続されている。流入管4aaの先端部は本体ケーシング101内で内周方向を指向するように配置されている。また、高圧側熱交換器81の冷媒吸入側81Aと連結された吐出管5が、本体ケーシング101の上側テーパ部の頂部を上下貫通して本体ケーシング101と同軸に固定されている。圧縮機80の冷媒吸入側80Bと連結された返油管6が、本体ケーシング101の下側テーパ部の頂部を上下貫通して本体ケーシング101と同軸に固定されている。
次に、圧縮機マフラMMの動作について説明する。冷媒回路の圧縮機80から吐出された冷媒ガスおよび冷凍機油より成る圧縮ガスは、圧縮機マフラMMの流入管4aaから本体ケーシング101内へ流入する。本体ケーシング101内へ流入した圧縮ガスは、本体ケーシング101の内周面に沿って周方向に回転運動を行いながら重力により降下することで、螺旋状に旋回降下する。このとき、遠心力を受けた圧縮ガス中の霧状の冷凍機油は冷媒ガスと比較して比重が重いために、本体ケーシング101の内周面へ追いやられて衝突し付着して液粒化するというサイクロン効果が発生する。これにより、圧縮ガス中に含まれていた霧状の冷凍機油が次第に冷媒ガスから分離する。冷凍機油が分離された冷媒ガスは前述の吐出管5を通り高圧側熱交換器81に向けて吐出される。また、分離した冷凍機油は重力により本体ケーシング101の内壁を伝って底部に溜まり、やがて返油管6から圧縮機80の冷媒吸入側80Bへ戻るようになっている。
特開2002−61993号公報(段落番号[0026]〜[0031]、図1〜3)
本体ケーシング101の外周部の曲面部に流入管4aaを取り付けるための貫通孔を設けることで、手間およびコストがかかるという課題がある。また、本体ケーシング101の円筒胴部に接線方向に形成された貫通孔に流入管4aaが取り付けられるので、溶接の溶込みが不均一になり、内圧が作用した際に流入管4aaの取付け部分が疲労破壊の起点となって耐久性が低いという課題もあった。そして、当然ながら、これまでよりも運転圧力の高い冷媒ガスを用いようとすると、必然的に本体ケーシング101の肉厚を厚くせざるを得なかったのである。そうすると、上記した従来の圧縮機マフラMMのように、上下をテーパ状に絞った構造の本体ケーシング101はその製作自体が容易でなくコストが高くなる。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な構成により安価で耐久性の高いサイクロン式油分離機能付きの圧縮機マフラを提供することを目的とする。
この発明に係る圧縮機マフラは、圧縮機、高圧側熱交換器、絞り装置、および低圧側熱交換器を順次接続して成る冷媒回路の前記圧縮機の冷媒吐出側に配備されて、前記圧縮機から吐出された冷媒ガスの消音および冷凍機油分離を行なう圧縮機マフラであって、円筒状に形成された竪胴部と、前記竪胴部の上面開口縁に接合された上側蓋部と、前記竪胴部の下面開口縁に接合された下側蓋部とから成る本体ケーシングを備え、前記圧縮機の冷媒吐出側と連結された流入管、および前記高圧側熱交換器の冷媒吸入側と連結された吐出管が前記上側蓋部を貫通して設けられ、前記流入管の先端部が前記本体ケーシング内で前記竪胴部の内周方向を指向して配置され、前記圧縮機の冷媒吸入側と連結された返油管が前記下側蓋部を貫通して設けられていることを特徴とするものである。
この発明の圧縮機マフラは、上側蓋部に流入管および吐出管を設けるとともに下側蓋部に返油管を設けたので、完全な円筒形状の竪胴部を用いることができる。これにより、竪胴部は構成が簡素で済み、安価かつ容易に入手できる。このような竪胴部は管心方向長を容易に変えられるので、本体ケーシングの容量を自由に選定できるという利点がある。また、竪胴部は流入管などの取付け部がないので、疲労破壊の起点とならない。そして、上側蓋部に流入管および吐出管が集約して取り付けられるので、加工が容易となり製造コストの低減化を図ることができる。また、上側蓋部に対し流入管を斜めに取り付けなくて済むので、内圧が作用した際に上側蓋部における流入管取付け部分が疲労破壊の起点となりにくいことから、耐久性の高いサイクロン式油分離機能付きの圧縮機マフラとなる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における圧縮機マフラを示す縦断面図、図2は 図1におけるA−A線矢視断面を示す横断面図である。
図において、圧縮機マフラMは、円筒状の竪胴部1と、竪胴部1の上面開口縁1Aに溶接で接合された円盤状の上側蓋部2と、竪胴部1の下面開口縁1Bに溶接で接合された円盤状の下側蓋部3とから成る本体ケーシング7を備えている。
ここで用いる竪胴部1は、円筒状の鋼管材(例えば、圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG))を管心方向に所定の長さに切断して得た切断鋼管を使用してある。但し、このような切断鋼管としては、前記のSTPGに限らず、冷媒設備の高圧部分に使用可能な材料であれば特に限定されない。このような使用可能材料は、例えば低温配管用鋼管(STPL)や圧力容器用鋼(SPV)などのように、高圧ガス保安法に基づいて日本冷凍空調機学会が規定した冷凍保安規則関係例示基準に列記されている鋼材を適宜選定して用いることができる。このように、既存の標準サイズの鋼管をカットして用いることで、1本の鋼管から複数本の切断鋼管を安価に得ることができる。また、切断鋼管の所定長さを適宜選定することにより、所望の内容量の本体ケーシング7を製作することができる。
一方、上側蓋部2の平面中心部には、竪胴部1と同軸となる貫通孔8が上下貫通して形成されている。上側蓋部2における貫通孔8と外周縁部との間には、貫通孔9が上下貫通して形成されている。下側蓋部3には、貫通孔10が上下貫通して形成されている。上側蓋部2の貫通孔8には、高圧側熱交換器81の冷媒吸入側81Aと連結された吐出管5が挿通され溶接などで封着されている。上側蓋部2の貫通孔9には、圧縮機80の冷媒吐出側80Aと連結された流入管4が挿通され溶接などで封着されている。この流入管4の先端部4Aは本体ケーシング7内で竪胴部1のほぼ内周方向(図2中の矢印Yの方向)を指向するように水平方向に曲げて配置されている。そして、下側蓋部3の貫通孔10には、圧縮機80の冷媒吸入側80Bと連結された返油管6が挿通され溶接などで封着されている。
このように構成された圧縮機マフラMは、図11に示した流入管4aaを有する圧縮機マフラMMに替えて、冷媒回路に配備される。
次に、圧縮機マフラMの動作について説明する。冷媒回路の圧縮機80から吐出された冷媒ガスおよび冷凍機油より成る圧縮ガスは、流入管4を通って本体ケーシング7内に流入する。このとき、圧縮ガスは流入管4の先端部4Aから竪胴部1の内周方向に沿って噴出する。本体ケーシング7内に流入した圧縮ガスは、竪胴部1の内周面1Cに沿って回転運動を行いながら重力により降下することで、螺旋状に旋回降下する。このとき、遠心力を受けた圧縮ガス中の霧状の冷凍機油は冷媒ガスと比較して比重が重いために、竪胴部1の内周面1Cに衝突し付着して液粒化するというサイクロン効果が発生する。これにより、圧縮ガス中に含まれていた霧状の冷凍機油は次第に冷媒ガスから分離する。冷凍機油が分離された冷媒ガスは吐出管5を通り高圧側熱交換器81に向けて吐出される。また、分離した冷凍機油は重力により竪胴部1の内周面1Cを伝って本体ケーシング7の底部に溜まり、やがて返油管6から圧縮機80の冷媒吸入側80Bへ戻る。
上記したように、この圧縮機マフラMは、完全な円筒形状、構成が簡素で安価、かつ、容易に入手可能な竪胴部1が用いられる。そして、管心方向長Lを簡単に変えられる竪胴部1は本体ケーシング7の容量を容易に選定することができ、疲労破壊の起点とならない。また、上側蓋部2に対し流入管4が直角に取り付けられているので、上側蓋部2における流入管4の取付け部分が疲労破壊の起点となりにくい。従って、耐久性の高い圧縮機マフラMが得られる。そして、上側蓋部2に流入管4および吐出管5が集約して取り付けられるので、加工が容易となり低コストの圧縮機マフラMが得られる。
他方で、本発明者はこの圧縮機マフラMを完成するにあたり多大な試験を重ねた結果、下記する条件を満たせば、圧縮ガスから冷凍機油を分離する分離効率が高くなることがわかった。その条件のひとつとして、上側蓋部2の下面2Aと下側蓋部3の上面3Aとの距離L(すなわち、竪胴部1の管心方向所定長さ:管全長)に対する、上側蓋部2,2aの下面から吐出管5の先端部5Aまでの差込み深さY1の比率Y1/Lが、1/4≦Y1/L≦3/4となるように設定されていることである。また、別の条件として、吐出管5の差込み深さY1に対する、上側蓋部2,2aの下面から流入管4の先端部4Aまでの差込み深さY2の比率Y2/Y1が、Y2/Y1≦1となるように設定されていることである。上記した2つの条件を同時に満たすことにより、圧縮ガスから冷凍機油を極めて高い効率(分離効率80%以上)で分離できる。
ここで、図3に圧縮機マフラMにおけるY1/Lと分離効率との関係を示す。竪胴部1の管全長Lに対する吐出管5の差込み深さY1の比率Y1/Lが1/4を超えると、吐出管5から流入する霧状の冷凍機油混じりの冷媒ガスに対する前述のサイクロン効果は高まる為、分離効率は上昇することがわかる。しかしながら、比率Y1/Lが3/4を超えると、いったん分離された冷凍機油が、本体ケーシング内を旋回して舞う冷媒ガスにより巻き上げられて吐出管5から持ち出される為、分離効率は低下するのである。
また、図4に圧縮機マフラMにおけるY2/Y1と分離効率との関係を示す。吐出管5の差込み深さY1に対して、流入管4の差込み深さY2が短い場合は、流入管4より流入する霧状の冷凍機油混じりの冷媒ガスに対するサイクロン効果は十分に得られる。しかしながら、Y2/Y1が1/2を超え始めると冷凍機油が十分に分離されることなく吐出管5より吐き出される為、分離効率は低下する。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る圧縮機マフラを図5および図6に示す。図示の圧縮機マフラMaは、実施の形態1における円板状の上側蓋部2および下側蓋部3に替えてフランジ付きの上側蓋部2aおよび下側蓋部3aを用いたこと以外、実施の形態1と同様の構成にされている。前記の上側蓋部2aは、竪胴部1の上面開口11を被う平板部13と、平板部13の下面周縁に垂下して形成されて竪胴部1の上面開口縁1Aに接合される筒状フランジ部14とから構成されている。また、下側蓋部3aは、竪胴部1の下面開口12を被う平板部15と、平板部15の上面周縁に起立して形成されて竪胴部1の下面開口縁1Bに接合される筒状フランジ部16とから構成されている。これら、上側蓋部2a、下側蓋部3a、および竪胴部1から、圧縮機マフラMaの本体ケーシング7aが構成される。ここで、上下筒状フランジ部14の形状は、実施の形態に示される形状に限らず、プレス成形した、おわん形や皿形等の形状であっても問題はない。
上記のように、圧縮機マフラMaでは、筒状フランジ部14,16付きの蓋部2a,3aと竪胴部1の開口縁1A,1Bとが突合せ溶接されているので、上記した冷凍保安規則関係例示基準に記載されているように、材料の最小厚さを算出するために用いられる肉厚選定係数√(K)(接合方法により定まる係数)は√(0.25)となる。これに対し、実施の形態1のように、円形平板の蓋部2,3を竪胴部1の開口縁1A,1Bに溶接した場合は、肉厚選定係数√(K)が√(0.5)となる。すなわち、この実施の形態2に係る圧縮機マフラMaは、上下側蓋の肉厚が圧縮機マフラM(実施の形態1)の70%(=√(0.25/0.5))の肉厚で済むことがわかる。
つまり、上側蓋部2aと下側蓋部3aと、竪胴部1とを突合せ溶接により接合することで、筒状フランジ部14,16付きの蓋部2a,3aの内側コーナーに形成されているアール部Rの応力集中を緩和させることが可能となる。よって、運転圧力の高い冷媒ガスを用いる場合でも、筒状フランジ部14,16付きの蓋部2a,3aを採用することで、溶接部に作用する応力を緩和させて、高い内圧が作用した際でも十分な耐力を持たせることが可能となる。また、上下側蓋の肉厚を薄くすることが可能なので、軽量で安価な圧縮機マフラMaを提供することができる。尚、蓋部2a,3aの内側コーナーは、アール部Rでなく、2点鎖線で示すような隅部Sを形成したものであっても、突合せ溶接のおかげで比較的高い強度のものが得られることは言うまでもない。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3として、図7および図8に圧縮機マフラMb示す。図示の圧縮機マフラMbは、本体ケーシング7内にバッフル板17を配備したこと以外、実施の形態1と同様の構成にされている。この圧縮機マフラMbでは、本体ケーシング7内における竪胴部1の下部に、バッフル板17がその平面を水平方向に向けて配置されている。すなわち、バッフル板17は、竪胴部1の内周面1Cに内接して固設される外周部と、外周縁部が径方向内向きに切り欠かれた3箇所の開口部18,18,18とを有しており、これらの開口部18,18,18を通じて冷凍機油が下方に通過できるようになっている。
この圧縮機マフラMbにおいて、サイクロン効果により本体ケーシング7内で液粒化した冷凍機油は竪胴部1の内周面1Cを流下してバッフル板17の開口部18,18,18,・・・を通り抜け、バッフル板17下方の本体ケーシング7の底部に至る。一方、竪胴部1内を旋回降下する冷媒ガスはその多くがバッフル板17の平板部に当るので、開口部18からバッフル板17下方に流れ込むものは少ない。従って、本体ケーシング7の底部に溜まった冷凍機油は冷媒ガスに巻き上げられない。たとえ巻き上げられたとしても、バッフル板17の下面に当って留まり本体ケーシング7の底部に落下する。
このように、本体ケーシング7内の下部にバッフル板17を設けることで、本体ケーシング7内の底部にいったん溜まった冷凍機油が、本体ケーシング7内を旋回して舞い上がる冷媒ガスにより巻き上げられて、吐出管5から持ち出されるといったことを防止できる。
尚、バッフル板は上記のバッフル板17に限定されない。例えば、図9(a)に示すように半円状に切り欠かれた開口部18aが多数形成されたバッフル板17aや、同図(b)に示すように外周縁の大部分が開口部18bとなったバッフル板17bなどが挙げられる。また、同図(c)に示すように、竪胴部1の内周面1Cに垂直方向に延びる縦スリット部19,19,19,・・・を形成してもよい。このように縦スリット部19,19,19,・・・を設けることにより、内周面1Cで液粒化した冷凍機油は縦スリット部19,19,19,・・・を伝い本体ケーシング7の底部に向けて流下しやすくなる。
このようなバッフル板17,17a,17bまたは縦スリット部19を用いる態様は、実施の形態1の圧縮機マフラMに限らず、実施の形態2の圧縮機マフラMaなどにも適用可能である。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4として、図10に示すように、圧縮機マフラM,Ma,またはMbの本体ケーシング7または7aと圧縮機80の本体シェル81とを一体に連結しても構わない。この場合、圧縮機マフラM,Ma,Mbの本体ケーシング7,7aと圧縮機80の本体シェル80Cとは鋼材製の支え板20を介して溶接などで一体に固設されている。無論、圧縮機80の所要性能を損なわないのであれば、圧縮機マフラM,Ma,Mbの本体ケーシング7,7aと圧縮機80の本体シェル80Cとを直に溶接付けしてよい。
このように、圧縮機80の本体シェル80Cの側面に圧縮機マフラM,Ma,Mbを一体に固設することにより、吐出配管(流入管4および吐出管5)の脈動が抑制されるので、吐出配管に働く応力を低減させた耐久性の高い圧縮機80が提供される。
尚、この発明の圧縮機マフラは、運転圧力の高い冷媒ガス、例えば二酸化炭素を用いた冷凍サイクルに適用することにより特に有効となる。二酸化炭素は冷凍サイクルの標準条件にて高圧側の運転圧力が10MPaである。すなわち、二酸化炭素の運転圧力は、冷凍機用のフロン冷媒R404A(2.3MPa)の4.3倍(10/2.3)、空調機用のフロン冷媒R410A(3.1MPa)の3.2倍(10/3.1)というほどに高い。このように、運転圧力の高い二酸化炭素を用いる冷媒回路であっても、この発明に係る圧縮機マフラを使用することにより、安全性が高いことは言うまでもなく、簡単な構造により安価なシステムが提供されるのである。
この発明の実施の形態1における圧縮機マフラを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線矢視断面図である。 この発明の実施の形態1におけるY1/Lと分離効率との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるY2/Y1と分離効率との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2における圧縮機マフラを示す縦断面図である。 図5におけるB−B線矢視断面図である。 この発明の実施の形態3における圧縮機マフラを示す縦断面図である。 図7におけるC−C線矢視断面図である。 この発明の実施の形態3におけるバッフル板の変形例および竪胴部を示す横断面図である。 この発明の実施の形態4における圧縮機マフラおよび圧縮機を示す側面図である。 一般的な冷媒回路を示す概略構成図である。 従来の圧縮機マフラを示す縦断面図である。 図12におけるD−D線矢視断面図である。
符号の説明
1 竪胴部、1A 上面開口縁、1B 下面開口縁、1C 内周面、2,2a 上側蓋部、2A 下面、3,3a 下側蓋部、3A 上面、4 流入管、4A 先端部、5 吐出管、5A 先端部、6 返油管、7,7a 本体ケーシング、8 貫通孔、9 貫通孔、10 貫通孔、11 上面開口、12 下面開口、13 平板部、14 筒状フランジ部、15 平板部、16 筒状フランジ部、17,17a,17b バッフル板、18,18a,18b 開口部、19 縦スリット部、20 支え板、80 圧縮機、80A 冷媒吐出側、80B 冷媒吸入側、80C 本体シェル、81 高圧側熱交換器、82 絞り装置、83 低圧側熱交換器、Y1,Y2 差込み深さ、L 距離、M,Ma,Mb 圧縮機マフラ、Y 矢印。

Claims (7)

  1. 圧縮機、高圧側熱交換器、絞り装置、および低圧側熱交換器を順次接続して成る冷媒回路の前記圧縮機の冷媒吐出側に配備されて、前記圧縮機から吐出された冷媒ガスの消音および冷凍機油分離を行なう圧縮機マフラであって、円筒状に形成された竪胴部と、前記竪胴部の上面開口縁に接合された上側蓋部と、前記竪胴部の下面開口縁に接合された下側蓋部とから成る本体ケーシングを備え、前記圧縮機の冷媒吐出側と連結された流入管、および前記高圧側熱交換器の冷媒吸入側と連結された吐出管が前記上側蓋部を貫通して設けられ、前記流入管の先端部が前記本体ケーシング内で前記竪胴部の内周方向を指向して配置され、前記圧縮機の冷媒吸入側と連結された返油管が前記下側蓋部を貫通して設けられていることを特徴とする圧縮機マフラ。
  2. 本体ケーシングの上側蓋部が、竪胴部の上面開口を被う円盤部と、前記円盤部の下面に形成されて前記竪胴部の上面開口縁に接合される筒状フランジ部とから構成され、本体ケーシングの下側蓋部が、竪胴部の下面開口を被う円盤部と、前記円盤部の上面に形成されて前記竪胴部の下面開口縁に接合される筒状フランジ部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機マフラ。
  3. 竪胴部が、円筒状の鋼管材を管心方向所定長さで切断して得られた切断鋼管であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮機マフラ。
  4. 上側蓋部の下面と下側蓋部の上面との距離Lに対する、前記上側蓋部の下面から吐出管の先端部までの差込み深さY1の比率Y1/Lが、1/4≦Y1/L≦3/4となり、かつ、前記吐出管の差込み深さY1に対する、前記上側蓋部の下面から前記流入管の先端部までの差込み深さY2の比率Y2/Y1が、Y2/Y1≦1となる関係にあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧縮機マフラ。
  5. 本体ケーシング内の下部に、横向きのバッフル板を油通過可能に配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧縮機マフラ。
  6. 冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧縮機マフラ。
  7. 圧縮機マフラの本体ケーシングと圧縮機の本体シェルとを一体に連結したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機マフラ。
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