JP2009074588A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクが小さくて、長期にわたって密封性能が低下しにくい密封装置を提供すること。
【解決手段】パックシールの弾性部材51を、芯金部材50の径方向延在部61に固定される基部53と、基部53から延在して、スリンガ52のフランジ部66に摺動する芯金固定部側リップ54およびスリンガ固定部側リップ55と、基部53から延在して、スリンガ52の固定部65の軸方向の端面98に摺動する第2アキシアルリップ56とで構成する。
【選択図】図2
【解決手段】パックシールの弾性部材51を、芯金部材50の径方向延在部61に固定される基部53と、基部53から延在して、スリンガ52のフランジ部66に摺動する芯金固定部側リップ54およびスリンガ固定部側リップ55と、基部53から延在して、スリンガ52の固定部65の軸方向の端面98に摺動する第2アキシアルリップ56とで構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、密封装置に関する。
従来、密封装置としては、特開2003−314698号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
この密封装置は、芯金部材と、芯金部材に固定された弾性部材と、断面L字状のスリンガとを備える。上記スリンガは、軸方向に延在する軸方向延在部と、径方向に延在するフランジ部とからなる。上記弾性部材は、上記軸方向延在部に常に摺動するラジアルリップと、上記フランジ部に摺動する第1フランジ摺動リップと、第1フランジ摺動リップの径方向の内方に位置すると共に、上記フランジ部に摺動する第2フランジ摺動リップとを有する。上記第1フランジ摺動リップおよび第2フランジ摺動リップは、フランジ部に軸方向に接触しており、アキシアルリップになっている。
このような背景において、ハブユニットにおいて、転動体を外部に対して密封する密封装置のトルクの大幅な低減が所望されている。また、従来の密封装置では、ラジアルリップの摩耗が激しくて、時間の経過とともに密封性能が低下するのを避けがたい。このため、長期に亘って密封性能が低下しにくい密封装置が所望されている。
特開2003−314698号公報(第1図)
そこで、本発明の課題は、トルクが小さくて、長期にわたって密封性能が低下しにくい密封装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の密封装置は、
筒状の固定部、および、この固定部から上記固定部の略径方向に延在する径方向延在部を有する芯金部材と、上記芯金部材に固定された弾性部材とを有するシール部材と、
筒状の固定部と、この固定部の軸方向の一端部から略上記径方向に延在するフランジ部とを有するスリンガと
を備え、
上記弾性部材は、
上記芯金部材の上記径方向延在部に固定された基部と、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記フランジ部に摺動する一つまたは複数の第1アキシアルリップと、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記固定部の上記軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップと
からなることを特徴としている。
筒状の固定部、および、この固定部から上記固定部の略径方向に延在する径方向延在部を有する芯金部材と、上記芯金部材に固定された弾性部材とを有するシール部材と、
筒状の固定部と、この固定部の軸方向の一端部から略上記径方向に延在するフランジ部とを有するスリンガと
を備え、
上記弾性部材は、
上記芯金部材の上記径方向延在部に固定された基部と、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記フランジ部に摺動する一つまたは複数の第1アキシアルリップと、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記固定部の上記軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップと
からなることを特徴としている。
尚、上記「上記弾性部材は、上記芯金部材の上記径方向延在部に固定されている基部と、上記基部から延在して、上記スリンガの上記フランジ部に摺動する一つまたは複数の第1アキシアルリップと、上記基部から延在して、上記スリンガの上記固定部における上記軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップとからなる」という記載は、最も径方向のスリンガの固定部側の第1アキシアルリップが、摩耗していない状態での、弾性部材について言及したものである。
すなわち、最も径方向のスリンガの固定部側に位置する第1アキシアルリップが如何なる状態においても、スリンガの固定部に接触しない場合が、この発明に含まれるのは勿論のこと、最も径方向のスリンガの固定部側に位置する第1アキシアルリップが一定期間使用した後に摩耗して、その第1アキシアルリップの一部が、スリンガの固定部の周面に接触して、ラジアルリップとして機能する場合も、この発明に含まれるものとする。
本発明者は、芯金部材、弾性部材および断面L字状のスリンガを有する所謂パックシール型の密封装置であって、ラジアルリップを2つ有すると共に、アキシアルリップを1つ有する密封装置において、全てのリップについて、リップの接触荷重に起因するトルクの大きさを調査した。その結果、2つのラジアルリップの接触荷重に起因するトルクの全トルクに対する割合が、8割程度にも達し、トルクの大部分は、ラジアルシールの接触荷重に起因するものであることを発見した。
本発明によれば、弾性部材が、基部と、第1および第2アキシアルリップとからなって、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップの非摩耗状態(以下、単に非摩耗状態という)で、弾性部材がラジアルリップを有していないから、非摩耗状態(または、最も径方向のスリンガの固定部側に位置する第1アキシアルリップが如何なる状態においても、スリンガの固定部に接触しない場合は、全ての状態)で、トルクを急激に低減することができる。したがって、この密封装置を有する自動車等の燃費を低減できる。
また、本発明によれば、上記基部から延在して、上記スリンガの上記固定部における上記軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップを有するから、この密封装置が、スリンガの固定部の軸方向のフランジ部側とは反対側に位置する転動体が配置された転がり軸受装置の転動体配置空間を密封している場合において、転がり軸受装置の温度上昇に伴って転動体配置空間内の気圧が上昇した場合、第2アキシアルリップが、上記スリンガの固定部の端面に軸方向に押圧されて、第2アキシアルリップと、上記スリンガの固定部の端面との間で、気密な密閉が実現される。したがって、転動体配置空間内の気圧が上昇した場合において、転動体配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを確実に防止できる。
また、本発明によれば、転動体配置空間内の気圧が上昇した場合において、転動体配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを抑制できるから、転がり軸受装置の使用後において、転がり軸受装置の温度が低下した場合において、転動体配置空間内の気圧が、負圧になりにくい。したがって、転がり軸受装置の使用後において、外部の異物が軸受装置内に引き込まれることを抑制できて、外部の異物が軸受装置内に浸入することを確実に防止することができる。
また、本発明によれば、ラジアルリップが存在しない状態で、優れた密封性能を維持できる。また、仮に、最もフランジ部の固定部側の第1アキシアルリップの上記フランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップがスリンガの固定部に接触する場合でも、その場合において、接触部に、ラジアルリップの役割を果たさせることができて、優れた密封性能を維持することができる。したがって、長期に亘って密封性能を優れたものにすることができる。
また、一実施形態では、上記第2アキシアルリップの上記フランジ部側かつ上記径方向の外側の面と、上記スリンガの上記固定部の上記端面とは、上記第2アキシアルリップと上記スリンガの上記端面との接触点において、上記軸方向の断面において、鋭角をなしている。
上記実施形態によれば、上記第2アキシアルリップの上記フランジ部側かつ上記径方向の外側の面と、上記スリンガの上記固定部の上記端面とは、上記第2アキシアルリップと上記スリンガの上記端面との接触点において、上記軸方向の断面において、鋭角をなしているから、第2アキシアルリップの上記スリンガの上記固定部の上記端面に対する接触幅を小さくできて、摩耗を抑制できる。
また、一実施形態では、上記第1アキシアルリップは、上記基部から上記径方向の上記芯金部材の上記固定部側かつ上記軸方向の上記フランジ部側に延在して、上記フランジ部に摺動する芯金固定部側リップと、上記芯金固定部側リップの上記径方向の上記スリンガの上記固定部側に、上記芯金固定部側リップに対して上記径方向に間隔をおいて位置していると共に、上記フランジ部に摺動するスリンガ固定部側リップとからなっている。
また、一実施形態では、上記スリンガ固定部側リップは、上記基部から上記径方向の上記スリンガの上記固定部側かつ上記軸方向の上記フランジ部側に延在する第1部分と、上記第1部分の上記軸方向の上記フランジ部側の先端から上記径方向の上記芯金部材の上記固定部側かつ上記軸方向の上記フランジ部側に延在して、上記フランジ部に摺動する第2部分とからなり、上記弾性部材が上記スリンガに組み込まれる前の状態において、上記第1部分の上記径方向の上記スリンガの上記固定部側の表面は、凹面である一方、上記第2部分の上記径方向の上記スリンガの上記固定部側の表面は、円錐面または凸面である。
尚、この明細書では、円錐面は、凹面に含まれる一方、凸面に含まれないものとする。
本発明者は、従来の構成の密封装置では、組込時における、径方向の内方のアキシアルリップの芯金部材側の部分の変形が大きくて、この部分に応力集中がおこって、この部分の耐久性が小さくなって、結果として、密封装置の寿命が短くなっていることを見出した。
上記実施形態によれば、上記第1部分の上記径方向の上記スリンガの固定部側の表面が、上記弾性部材が上記スリンガに組み込まれる前の組込前の状態で凹面であるから、第1部分の上記径方向の上記スリンガの固定部側の表面が凸面である場合と異なり、組込状態の初期状態において、上記スリンガ固定部側リップを、スリンガの固定部に対して非接触にするのに、スリンガ固定部側リップの第1部分の基部側の一部分を、集中的かつ過度に変形させる必要がなくて、第1部分全体を、その延在方向に略均等に変形させることによって、スリンガ固定部側リップを、スリンガの固定部に対して非接触にすることができる。したがって、第1部分の一部に局所的で過大な応力がかかることがないから、スリンガ固定部側リップの耐久力を格段に向上させることができて、密封装置の寿命を長くすることができる。
また、上記実施形態によれば、上記第2部分の上記径方向のスリンガの固定部側の表面は、上記組込前の状態で円錐面または凸面であるから、上記第2部分の上記スリンガの固定部側の表面が凹面である場合と比較して、上記スリンガ固定部側リップとスリンガのフランジ部との接触面圧を小さくすることができて、スリンガ固定部側リップの摩耗を抑制することができる。したがって、スリンガ固定部側リップが、スリンガの固定部に接触するまでの時間を、長くすることができるから、上記第2部分の上記スリンガの固定部側の表面が凹面である場合と比較して、トルクが格段に小さい状態を、長期に亘って持続することができる。
また、一実施形態では、上記弾性部材が上記スリンガに組み込まれた後の組込後の非摩耗状態において、上記スリンガ固定部側リップは、上記スリンガの上記固定部に対して上記径方向に間隔をおいて位置している一方、上記弾性部材が上記スリンガに組み込まれた後の摩耗した状態で、かつ、上記スリンガ固定部側リップの摩耗によって上記スリンガ固定部側リップの上記フランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、上記スリンガ固定部側リップの上記スリンガの上記固定部に対向している部分の一部は、上記スリンガの上記固定部に摺動するようになっている。
上記実施形態によれば、上記スリンガ固定部側リップの第2部分の摩耗によって、上記スリンガ固定部側リップのフランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、上記スリンガ固定部側リップの上記スリンガの上記固定部に対向している部分の一部が、スリンガの固定部に接触して、固定部に摺動するようになっているから、スリンガ固定部側リップの摩耗がすすんだとしても、スリンガ固定部側リップの上記一部をラジアルリップとすることができて、外部から泥水等の異物が、ハブユニットの転動体配置空間に、浸入することを抑制することができる。
また、一実施形態では、上記第2部分の上記スリンガの固定部側の表面が、滑らかにつながっている。
上記滑らかにつながるとは、密封装置の軸方向の断面において、上記第2部分の上記スリンガの固定部側の表面が、一端から他端(一端および他端は、右微分または左微分可能な状態)まで微分可能な状態であることをいう。
上記実施形態によれば、上記第2部分の上記スリンガの固定部側の表面が、滑らかにつながっているから、組込時にスリンガ固定部側リップの変形に起因して生じる応力を、第2部分全体で略均等に分配して負担することができる。また、組込時にスリンガ固定部側リップを、径方向の芯金部材側に容易に変形させることができ、かつ、芯金固定部側リップおよびスリンガ固定部側リップの非摩耗状態において、スリンガ固定部側リップと、スリンガの固定部との間に、所定のクリアランスを容易かつ正確に生成することができる。
また、一実施形態では、上記組込前の状態において、上記軸方向の断面において、上記第1部分の上記スリンガの固定部側の表面の曲率は、上記軸方向の上記フランジ部側にいくにしたがって大きくなっている。
「上記軸方向の上記フランジ部側にいくにしたがって大きくなっている」という文言には、軸方向の断面において、第1部分の上記スリンガの固定部側の表面が、軸方向のフランジ部側にいくにしたがって、部分的に曲率が一定になっている部分を含んでいる場合も含まれるものとする。このことから、例えば、上記文言には、軸方向の断面において、第1部分のスリンガの固定部側の表面が、基部側に位置する円錐面と、この円錐面に滑らかにつながると共に、回転楕円面からなる凹面とからなっている場合等が含まれる。
上記実施形態によれば、上記組込前の状態において、上記軸方向の断面において、上記第1部分の上記スリンガの固定部側の表面の曲率は、上記軸方向のフランジ部側にいくにしたがって大きくなっているから、組込時にスリンガ固定部側リップの変形に起因して生じる応力を、第1部分全体で略均等に分配して負担することができ、スリンガ固定部側リップの固定部に対する非接触状態を実現したとき、第1部分に局所的な応力の集中が発生することを確実に防止することができる。
本発明の密封装置によれば、少なくとも第1アキシアルリップが非摩耗の非摩耗状態で、弾性部材がラジアルリップを有していないから、上記非摩耗状態で、トルクを急激に低減することができる。したがって、この密封装置を有する自動車等の燃費を低減できる。
また、本発明の密封装置によれば、基部から延在して、スリンガの固定部における軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップを有するから、この密封装置が、スリンガの固定部の軸方向のフランジ部側とは反対側に位置する転動体が配置された転がり軸受装置の転動体配置空間を密封している場合において、転がり軸受装置の温度上昇に伴って転動体配置空間内の気圧が上昇した場合、第2アキシアルリップが、スリンガの固定部の端面に軸方向に押圧されて、第2アキシアルリップと、スリンガの固定部の端面との間で、気密な密閉が実現される。したがって、転動体配置空間内の気圧が上昇した場合において、転動体配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを確実に防止できる。
また、本発明の密封装置によれば、転動体配置空間内の気圧が上昇した場合において、転動体配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを抑制できるから、転がり軸受装置の使用後において、転がり軸受装置の温度が低下した場合において、転動体配置空間内の気圧が、負圧になりにくく、転がり軸受装置の使用後において、外部の異物が軸受装置内に引き込まれることを抑制できて、外部の異物が軸受装置内に浸入することを確実に防止できる。
また、本発明の密封装置によれば、外部の異物が軸受装置内に引き込まれることを抑制できる第2アキシアルリップを有するから、ラジアルリップが存在しなくても、優れた密封性能を維持できる。また、仮に、最もフランジ部の固定部側の第1アキシアルリップのフランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップの一部がスリンガの固定部に接触する場合でも、その場合において、その第1アキシアルリップの一部に、ラジアルリップの役割を果たさせることができるから、優れた密封性能を維持することができる。したがって、本発明の密封装置によれば、第1アキシアルリップのフランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップの一部がスリンガの固定部に接触するか、または、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップがスリンガの固定部に接触しないかに拘わらず、密封性能を長期に亘って優れたものにすることができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の密封装置8,9を備えるハブユニットの軸方向の断面図である。
このハブユニットは、内軸2、外輪3、内輪4、複数の転動体としての複数の第1の玉5、複数の転動体としての複数の第2の玉6、本発明の一実施形態の第1密封装置8、および、本発明の一実施形態の第2密封装置9を備える。
上記内軸2は、軸方向の一端部に、ブレーキディスク11を取り付ける径方向に広がる円板状のブレーキディスク取付用フランジ10を有する。このブレーキディスク取付用フランジ10の略中心を中心とする同心円上には、複数のボルト貫通穴が形成されている。ブレーキディスク取付用フランジ10に、ブレーキディスク11を当接させ、さらに、ブレーキディスク11にホイール部材13を当接させた状態で、ホイール部材13のブレーキディスク11側とは反対側の端面と、ブレーキディスク取付用フランジ10との間を、複数のボルト15で固定している。
上記内軸2の軸方向の他端部には、内輪4が外嵌されて固定されている。軸方向において、上記内軸2における、内輪4と、ブレーキディスク取付用フランジ10との間には、アンギュラ型の第1軌道溝16が形成されている一方、内輪4の外周面には、アンギュラ型の第2軌道溝17が形成されている。
上記外輪3は、内軸2におけるブレーキディスク取付用フランジ10よりも上記他端部側に、内軸2に径方向に対向するように、配置されている。上記外輪3は、軸方向の上記他端部側に、径方向に広がる車体側取付用フランジ14を有する。この円板状の車体側取付用フランジ14には、車体側取付用フランジ14を車体側(ナックル)に取り付けるボルトを挿入するためのボルト貫通穴が複数形成されている。上記外輪3は、外輪3の内周面に軸方向に離間配置されたアンギュラ型の第3軌道溝26および第4軌道溝27を有し、アンギュラ型の第3軌道溝26は、アンギュラ型の第4軌道溝27よりも上記一端部側に位置している。
上記第1の玉5は、内軸2の第1軌道溝16と外輪3の第3軌道溝26との間に、保持器18に保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて複数配置されている。上記第2の玉6は、内輪4の第2軌道溝17と外輪3の第4軌道溝27との間に、保持器19に保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて複数配置されている。
上記第1密封装置8は、内軸2と外輪3との間における、軸方向の上記一端部側(ブレーキディスク取付用フランジ10側)の開口付近に配置されている。上記第1密封装置8は、内軸2と外輪3との間の空間の上記一端部側の開口を密封している。一方、上記第2密封装置9は、内輪4と外輪3との間における、軸方向の上記他端部側(ブレーキディスク取付用フランジ10側とは反対側)の開口付近に配置されている。上記第2密封装置9は、内輪4と外輪3との間の空間の上記他端部側の開口を密封している。
図2は、シール部材48がスリンガ52に組み込まれた後の第1密封装置8の軸方向の断面図である。
尚、上記第2密封装置9は、第1密封装置8と同一の構造を有している。第2密封装置9についての説明は、第1密封装置8の説明をもって省略する。また、図2においては、以下に説明する第1アキシアルリップ(芯金固定部側リップ54およびスリンガ固定部側リップ55)については、スリンガ52のフランジ部66から力を受けないと仮定した場合の位置を図示している。
図2に示すように、第1密封装置(以下、単に密封装置という)8は、シール部材48と、スリンガ52とを備え、シール部材48は、芯金部材50と、弾性部材51とからなる。
上記芯金部材50は、環状に形成されている。上記芯金部材50は、断面L字状の形状を有している。芯金部材50は、筒状の固定部60と、径方向延在部61からなる。上記固定部60は、外輪3(図1参照、図2には、図示せず)の内周面に内嵌されて固定されている。上記径方向延在部61は、固定部60の内周面における軸方向の上記他端部側(図2の紙面における左側)から略径方向の内方に延在している。
上記スリンガ52は、環状に形成されている。上記スリンガ52は、断面L字状の形状を有している。上記スリンガ52は、筒状の固定部65と、固定部65につながるフランジ部66とを有する。上記固定部65の内周面68は、内軸2の外周面に外嵌されて固定されている。尚、第2密封装置9においては、スリンガが固定されている部材が、内輪4であることは言うまでもない。上記フランジ部66は、固定部65の外周面の軸方向の外方側(紙面における右側)の端部から略径方向の外方側に延在している。上記フランジ部66は、芯金部材50の径方向延在部61よりもハブユニットの軸方向の外方に位置している。上記フランジ部66の径方向の内方の一部を除いた大部分は、径方向延在部61に対して隙間を介して軸方向に対向している。
上記弾性部材51は、環状に形成されている。上記弾性部材51は、芯金部材50の固定部60の内周面全面と、その固定部60の内周面につながる径方向延在部61の軸方向の外方側の端面全面とを覆うように、芯金部材50に固着されている。上記弾性部材51は、基部53と、第1アキシアルリップとしての芯金固定部側リップ54と、第1アキシアルリップとしてのスリンガ固定部側リップ55と、第2アキシアルリップ56とを有する。上記弾性部材51は、具体的には、ゴム材からなる。ゴム材としては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、または、フッ素ゴムが好適に用いられる。
上記基部53は、芯金部材50の固定部60の内周面および径方向延在部61の軸方向の外方側の端面に沿うように配置されている。上記基部53は、上記固定部60の内周面および径方向延在部61の上記外方側の端面に固着されている。
上記芯金固定部側リップ54およびスリンガ固定部側リップ55の夫々は、基部53から延在して、スリンガ52のフランジ部66に摺動している。上記芯金固定部側リップ54は、基部53から径方向の芯金部材51の固定部側かつ軸方向の外方側に延在して、フランジ部66に摺動している。上記スリンガ固定部側リップ55は、芯金固定部側リップ54の径方向のスリンガ52の固定部65側に、芯金固定部側リップ54に対して径方向に間隔をおいて位置し、フランジ部66に摺動している。
上記スリンガ固定部側リップ55は、第1部分57と、第2部分58と、屈曲部59とを有する。上記第1部分57は、基部53から径方向の内軸2側かつ軸方向の外方側に延在している一方、第2部分58は、径方向の外輪3側かつ軸方向の外方側に延在している。上記屈曲部59は、第1部分57と第2部分58との間に位置し、第1部分57と第2部分58とを連結している。上記屈曲部59は、断面略V字状の形状を有している。軸方向の断面において、上記スリンガ固定部側リップ55において、屈曲部59の先端は、径方向の最内方に位置している。
図示はしないが、上記シール部材48の弾性部材51がスリンガ52に組み込まれる前の状態において、すなわち、弾性部材51が、スリンガ52から力を受けていない状態において、第1部分57の径方向の内方の表面90は、凹面である一方、第2部分58の径方向の内方の表面91は、円錐面になっている。
図示はしないが、上記弾性部材51がスリンガ52から力を受けていない状態において、軸方向の断面において、第1部分57の径方向の内方の表面90の曲率は、軸方向の外方(フランジ部66側)にいくにしたがって大きくなっている。具体的には、上記弾性部材51がスリンガ52から力を受けていない状態において、軸方向の断面において、第1部分57の径方向の内方の表面90は、基部53側に位置する略円錐面状の部分と、この円錐面状の部分に滑らかにつながると共に、軸方向の外方(フランジ部66側)にいくにしたがって曲率が大きくなっている略回転楕円面の一部からなる部分(円錐面よりも径方向の内方に傾くように曲率が大きくなっている)とからなっている。
一方、上記第2部分58の径方向の内方の表面91は、弾性部材51がスリンガ52から力を受けていない状態において、軸方向の断面において、一端から他端まで微分可能になっており、上記表面91は、滑らかにつながっている。
上記第2アキシアルリップ56は、基部53の径方向の最内方かつ軸方向の最内方(軸方向のフランジ部66側とは反対側)から、径方向の内方かつ軸方向の外方に斜めに延在している。上記第2アキシアルリップ56の径方向の内方の先端部における軸方向の外方の角部は、スリンガ52の固定部65の軸方向の端面98に接触している。
上記スリンガ52の軸方向の断面において、第2アキシアルリップ56とスリンガ52の固定部65の端面98との接触点94で、第2アキシアルリップ56のフランジ部66側かつ径方向の外側の面93と、スリンガ52の固定部65の軸方向の端面98とがなす角θは、鋭角になっている。
上記芯金固定部側リップ54、および、スリンガ固定部側リップ55の第2部分58は、組み付け時において、シール部材48とスリンガ52との中心軸を中心とする相対回転により、スリンガ52のフランジ部66に摺動するようになっている。また、上記第2アキシアルリップ56は、組み付け時において、シール部材48とスリンガ52との中心軸を中心とする相対回転により、スリンガ52の端面98に摺動するようになっている。また、組み付け状態、かつ、組込後の使用時の非摩耗状態において、スリンガ固定部側リップ55の一部である屈曲部59は、スリンガ52の固定部65に対して径方向に間隔をおいて位置している。
この実施形態の密封装置では、上記スリンガ固定部側リップ55の第2部分58の摩耗によって、スリンガ固定部側リップ55のフランジ部66に対する緊迫力が低下した状態においても、屈曲部59は、スリンガ52の固定部65に対して径方向に間隔をおいて位置するようになっている。尚、スリンガ固定部側リップのフランジ部に対する緊迫力が所定以上低下した状態において、屈曲部が、スリンガの固定部に接触して、固定部に摺動するようになっていても良い。すなわち、スリンガ固定部側リップのフランジ部に対する緊迫力が所定以上低下した状態で、屈曲部が、ラジアルリップ(ラビリンスシールではない接触ラジアルリップであるという意味)としての役割を担うようになっていても良い。
上記芯金固定部側リップ54と、スリンガ固定部側リップ55と、スリンガ52のフランジ部66とが形成する空間や、スリンガ固定部側リップ55と、第2アキシアルリップ56と、スリンガ52とが形成する空間には、潤滑剤として適量のグリースが封入または塗布されている。このグリースによって、芯金固定部側リップ54とスリンガ52との摺動部、スリンガ固定部側リップ55とスリンガ52との摺動部、および、第2アキシアルリップ56とスリンガ52との摺動部の潤滑が行われるようになっている。
図3は、一実験例における、比較品の密封装置における全接触荷重に対する各リップの接触荷重の比を示す図である。ここで、図3に結果を示す実験は、潤滑剤(グリース等)を使用せずに実施されたものである。また、図5は、図3に結果を示す実験で使用した比較品の密封装置の軸方向の断面図である。
図5に示すように、この比較品の密封装置は、芯金部材250、弾性部材251および断面L字状のスリンガ252を有する所謂パックシール型の密封装置である。この比較品の密封装置は、1つのアキシアルリップ271と、2つのラジアルリップ(主リップ272および補助リップ273)とを有している。尚、図5は、比較例の密封装置において、弾性部材251がスリンガ252から力を受けないと仮定した場合における、弾性部材251の組み付け位置での、弾性部材251の存在位置を示している。
図3に示すように、比較品の密封装置においては、ラジアルリップ(2つの合計)の全接触荷重に対する接触荷重比が、8割にも達する一方、アキシアルリップの全接触荷重に対する接触荷重比は、2割程度になっている。このことから、ラジアルリップの接触荷重を低減できれば、トルクを大幅に低減することができる。
上記実施形態の密封装置によれば、シール部材48がスリンガ52に組み込まれた後において、弾性部材51が、3つのアキシアルリップ(芯金固定部側リップ54、スリンガ固定部側リップ55、第2アキシアルリップ56)を有するのみで、スリンガ52の固定部65に接触するラジアルリップが存在しない状態になっているから、接触荷重を急激に低減することができて、トルクを急激に低減することができる。したがって、この密封装置を有する自動車等の燃費を低減できる。
また、上記実施形態の密封装置によれば、密封装置が、上記基部53から延在して、スリンガ52の固定部65における軸方向の端面98に摺動する第2アキシアルリップ56を有し、かつ、密封装置が、スリンガ52の固定部65の軸方向のフランジ部66側とは反対側に位置する玉配置空間を密封しているから、転がり軸受装置の温度上昇に伴って玉配置空間内の気圧が上昇した場合、第2アキシアルリップ56が、スリンガ52の固定部65の端面98に軸方向に押圧されて、第2アキシアルリップ56と、スリンガ52の固定部65の端面98との間で、気密な密閉が実現される。したがって、玉配置空間内の気圧が上昇した場合において、玉配置空間内の空気や潤滑剤(グリース等)が外部に漏れ出ることを確実に防止できる。
また、上記実施形態の密封装置によれば、玉配置空間内の気圧が上昇した場合において、玉配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを抑制できるから、転がり軸受装置の使用後の非運転時において、転がり軸受装置の温度が低下した場合において、上記玉配置空間内の気圧が、負圧になりにくい。したがって、転がり軸受装置の使用後において、外部の異物が軸受装置内に引き込まれることを抑制できて、外部の異物が軸受内に浸入することを確実に防止することができる。
また、上記実施形態の密封装置によれば、外部の異物が軸受装置内に引き込まれることを抑制できる第2アキシアルリップ56を有しているから、ラジアルリップが存在しなくても、優れた密封性能を維持できる。また、仮に、他の実施形態において、最もフランジ部の固定部側の第1アキシアルリップのフランジ部に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップの一部がスリンガの固定部に接触する場合でも、その場合において、その第1アキシアルリップの一部に、ラジアルリップの役割を果たさせることができるから、優れた密封性能を維持することができる。
したがって、この実施形態のように、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップ(スリンガ固定部側リップ55)のフランジ部66に対する緊迫力が所定力以上低下した状態で、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップ(スリンガ固定部側リップ55)が、スリンガ52の固定部65に接触しないか、または、他の実施形態のように、最もスリンガの固定部側の第1アキシアルリップの一部がスリンガの固定部に接触するかに拘わらず、長期に亘って密封性能を優れたものにすることができる。
また、上記実施形態の密封装置によれば、上記スリンガ52の軸方向の断面において、第2アキシアルリップ56とスリンガ52の固定部65の端面98との接触点で、第2アキシアルリップ56のフランジ部66側かつ径方向の外側の面93と、スリンガ52の固定部65の端面98とがなす角θが、鋭角をなしているから、第2アキシアルリップ56のスリンガ52の固定部65の端面98に対する接触幅を小さくできて、摩耗を抑制できる。
また、図1に示すハブユニットによれば、上記実施形態の密封装置を備えるから、運転時において、密封装置のトルクを小さくすることができて、このハブユニットを有する車両の燃費を小さくすることができる。
尚、上記実施形態の密封装置では、上記基部53から延在して、スリンガ52のフランジ部66に摺動する第1アキシアルリップが、二つ存在していたが、この発明では、弾性部材の基部から延在して、スリンガのフランジ部に摺動する第1アキシアルリップが、一つのみまたは三つ以上存在しても良い。
また、上記実施形態の密封装置では、図2に示すように、軸方向の断面において、上記第2アキシアルリップ56のフランジ部66側かつ径方向の外側の面93および径方向の内側の面の両方が略直線形状であって、第2アキシアルリップ56の径方向の外方および内方の表面が略円錐面状であるが、この発明では、軸方向の断面において、第2アキシアルリップのフランジ部側かつ径方向の外側の面および径方向の内側の面のうちの少なくとも一方は、直線形状ではなくて曲線形状であっても良い。要は、第2アキシアルリップは、基部から延在して、スリンガの固定部の軸方向の端面に摺動できる形状であれば、如何なる形状であっても良い。
また、上記ハブユニットでは、玉配置空間(潤滑剤封入空間)の軸方向の両側の開口の近傍に、本発明の密封装置が配置されていたが、本発明の密封装置は、ハブユニットの転動体(玉でなくて、ころであっても良い、また、玉ところの両方であっても良い)配置空間(潤滑剤封入空間)の軸方向の片側の開口の近傍のみに配置されても良い。
図4は、本発明の密封装置99を備えたウォータポンプの上記密封装置99周辺の拡大断面図である。
このウォータポンプは、ポンプ軸100と、メカニカルシール101と、ポンプハウジング102と、外輪105と、本発明の密封装置99とを有している。上記ポンプハウジング102は、ポンプハウジング102を貫通する水抜き穴107を有している。また、外輪105は、ポンプハウジング102の内周面に内嵌されて固定されている。
上記ポンプ軸100、外輪105、および、密封装置99は、ウォータポンプのウォータポンプ軸受の一部をなしている。すなわち、図示しないが、外輪105の内周面の図4に矢印aで示す側には、軸方向に間隔をおいて、密封装置99に近い方から、深溝型の軌道溝と、円筒軌道面が形成されている一方、ポンプ軸100の外周面の図4に矢印aで示す側には、軸方向に間隔をおいて、密封装置99に近い方から、深溝型の軌道溝と、円筒軌道面が形成されている。
外輪105の上記軌道溝と、ポンプ軸100の上記軌道溝との間には、保持器に保持された状態の転動体としての玉が、周方向に所定の間隔を隔てられて複数配置されている。また、外輪105の上記円筒軌道面と、ポンプ軸100の上記円筒軌道面との間には、保持器に保持された状態の転動体としての円筒ころが、周方向に所定の間隔を隔てられて複数配置されている。
上記密封装置99の芯金部150は、外輪105の内周面に内嵌されて固定されている一方、密封装置99のスリンガ152は、ポンプ軸100の外周面に外嵌されて固定されている。上記密封装置99は、外輪105と、ポンプ軸100との間における、メカニカルシール101側の開口を密封している。このようにして、メカニカルシール101から矢印bで示す方向に漏れだしたポンプ室の冷却水が、ウォータポンプ軸受の内部に入ることを防止している。
上記漏れだしたポンプ室の冷却水は、ポンプハウジング102に形成された水抜き穴107を介して矢印cに示す方向に外部に確実に排出されるようになっている。尚、図4において、111は、メカニカルシール101のゴムスリーブを示し、110は、メカニカルシール101のコイルバネを示している。
図4に示すウォータポンプのように、本発明の密封装置99を、ウォータポンプに設置すると、ウォータポンプにおけるウォータポンプ軸受のトルクを低減できて、ウォータポンプを有する自動車等の燃費を低減できる。
また、このウォータポンプによれば、密封装置99の弾性部材151が、スリンガ152の固定部165の軸方向の端面170に摺接する第2アキシアルリップ156を備えているから、ウォータポンプの転動体配置空間の温度が、低温から高温に変動した場合に、転動体配置空間から空気および潤滑剤が外部に漏れ出ることを抑制できる一方、転動体配置空間の温度が、高温から低温に変動した場合において、転動体配置空間内で負圧が発生しにくく、このことに起因して転動体配置空間に外部から異物が浸入することを抑制できる。
尚、上記実施例では、本発明の密封装置を、ハブユニットや、ウォータポンプに設定した。しかしながら、本発明の密封装置を、モータにおける、ロータとステータとの間に設定しても良く、この場合、モータの運転コストを低減することができる。本発明の密封装置を単なる転がり軸受の内輪と外輪との間に配設しても良い。本発明の密封装置は、内周面を有する第1部材と、外周面を有する第2部材とを有し、かつ、上記第1部材と、上記第2部材とが、上記第1部材の内周面の径方向に対向する装置であれば、如何なる機械にも設置することができる。そして、本発明の密封装置を設置した機械の運転コストを低減することができると共に、その機械において密封装置の性能を優れたものにすることができる。
48 シール部材
50,150 芯金部材
51,151 弾性部材
52,152 スリンガ
53 基部
54 芯金固定部側リップ
55 スリンガ固定部側リップ
56,156 第2アキシアルリップ
60 固定部
61 径方向延在部
65,165 固定部
66 フランジ部
93 第2アキシアルリップのフランジ部側かつ径方向の外側の面
94 第2アキシアルリップとスリンガの固定部の端面との接触点
98,170 スリンガの固定部の軸方向の端面
θ スリンガの軸方向の断面において、第2アキシアルリップとスリンガの固定部の端面との接触点で、第2アキシアルリップのフランジ部側かつ径方向の外側の面と、スリンガの固定部の端面とがなす角
50,150 芯金部材
51,151 弾性部材
52,152 スリンガ
53 基部
54 芯金固定部側リップ
55 スリンガ固定部側リップ
56,156 第2アキシアルリップ
60 固定部
61 径方向延在部
65,165 固定部
66 フランジ部
93 第2アキシアルリップのフランジ部側かつ径方向の外側の面
94 第2アキシアルリップとスリンガの固定部の端面との接触点
98,170 スリンガの固定部の軸方向の端面
θ スリンガの軸方向の断面において、第2アキシアルリップとスリンガの固定部の端面との接触点で、第2アキシアルリップのフランジ部側かつ径方向の外側の面と、スリンガの固定部の端面とがなす角
Claims (2)
- 筒状の固定部、および、この固定部から上記固定部の略径方向に延在する径方向延在部を有する芯金部材と、上記芯金部材に固定された弾性部材とを有するシール部材と、
筒状の固定部と、この固定部の軸方向の一端部から略上記径方向に延在するフランジ部とを有するスリンガと
を備え、
上記弾性部材は、
上記芯金部材の上記径方向延在部に固定された基部と、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記フランジ部に摺動する一つまたは複数の第1アキシアルリップと、
上記基部から延在して、上記スリンガの上記固定部の上記軸方向の他端部の端面に摺動する第2アキシアルリップと
からなることを特徴とする密封装置。 - 請求項1に記載の密封装置において、
上記第2アキシアルリップの上記フランジ部側かつ上記径方向の外側の面と、上記スリンガの上記固定部の上記端面とは、上記第2アキシアルリップと上記スリンガの上記端面との接触点において、上記軸方向の断面において、鋭角をなしていることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
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JP2007242559A JP2009074588A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007242559A JP2009074588A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 密封装置 |
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JP2009074588A true JP2009074588A (ja) | 2009-04-09 |
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Family Applications (1)
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JP2007242559A Pending JP2009074588A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 密封装置 |
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-
2007
- 2007-09-19 JP JP2007242559A patent/JP2009074588A/ja active Pending
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