JP2009073967A - 表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布乾燥するのみで、長期間にわたって安定した粘着力を確保しながら、広幅の巻回体とした場合でも、巻回体を無理なく巻戻すことができる離型剤及び表面保護フィルムを提供することである。
【解決手段】基材層と、該基材層の一面に粘着剤層とを備える表面保護フィルムであって、前記基材層の粘着剤層側と反対側の他面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを含有する離型層が塗布により形成されている表面保護フィルム。
【選択図】なし
【解決手段】基材層と、該基材層の一面に粘着剤層とを備える表面保護フィルムであって、前記基材層の粘着剤層側と反対側の他面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを含有する離型層が塗布により形成されている表面保護フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明は、表面保護フィルムに関し、より詳細には、被着体表面への塵埃の付着、被着体表面の傷つきを防止するために用いられる表面保護フィルムに関する。
従来から、例えば、光学デバイス、金属板、塗装鋼板、樹脂板、ガラス板等の様々な物品や部材を、運搬、加工又は養生する際に、これらの表面への汚れの付着や表面の傷つきを防止するために表面保護フィルムが用いられている。
この種の表面保護フィルムは、例えば、合成樹脂等からなる基材層に、エラストマー等を含む粘着剤溶液の塗布、基材層と粘着剤層との共押出などにより、粘着剤層が積層されて構成されている。
近年、液晶ディスプレイ用の光学部材に表面保護フィルムが使用されている。光学部材にはプリズムシートや拡散フィルムなど表面が凹凸形状になっているものがあり、表面保護フィルムを所定の面に貼り付ける場合、接触面積が稼げないために適当な粘着力が得られず、そのために、粘着力の強い粘着剤層を形成する必要がある。
近年、液晶ディスプレイ用の光学部材に表面保護フィルムが使用されている。光学部材にはプリズムシートや拡散フィルムなど表面が凹凸形状になっているものがあり、表面保護フィルムを所定の面に貼り付ける場合、接触面積が稼げないために適当な粘着力が得られず、そのために、粘着力の強い粘着剤層を形成する必要がある。
一般に表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造されている。このような巻回体とした表面保護フィルムでは、巻回体を展開する際に、外層の表面保護フィルムを内層の表面保護フィルムから容易に剥離することができる、すなわち巻回体の巻戻しを容易にできることが強く求められている。そのため、強粘着力を有する粘着剤層が、巻き内側の表面保護フィルムの基材層の背面(基材層の粘着剤層積層側に対する反対面、以下同じ)に対して強く粘着しないように、表面保護フィルムの基材層の背面には通常よりも高い離型性を発揮する離型処理が必要になる。
表面保護フィルムの基材層の背面に離型層を形成する方法として、ポリシロキサンをグラフト鎖として有するポリエチレンからなる基材層と粘着剤層とが積層されている表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、基材層と粘着剤層との間に、ポリオレフィン系樹脂からなる中間層が設けられている構成も示されている。ポリシロキサンをグラフト鎖として有するポリエチレンを用いて基材層を構成することによって、巻回体を良好に巻戻しすることができるとされている。
また、離型処理された表面保護フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と粘着剤層とが積層され、基材層の背面が固体によって摩擦処理されている表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献2)。
また、離型処理された表面保護フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂からなる基材層と粘着剤層とが積層され、基材層の背面が固体によって摩擦処理されている表面保護フィルムが開示されている(例えば、特許文献2)。
他方、特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂を含有する表層と、熱可塑性エラストマーを含有する粘着剤層とが共押出法にて積層成膜された後、表層の背面に離型剤を含む離型層が塗工法により形成された表面保護シートが開示されている。
特開平2−252782号公報
特開平2−252777号公報
特開2003−41216号公報
特許文献2のような基材層の背面に対する固体による摩擦処理は、インラインで比較的簡便に行うことができる。しかし、摩擦処理をするのみでは、巻回体の巻戻し性を十分に高めるに至っていないのが現状である。また、基材層を構成するポリオレフィン系樹脂の選択によって、摩擦処理による巻戻し性の改善効果にばらつきがある。
また、一般に、特許文献1に記載されているポリシロキサンは離型性が高いため、比較的良好な離型性が得られるが、遊離のポリシロキサンが樹脂中に存在するため、これらが粘着剤層へ移行し、粘着力を低下させ、剥がれの原因となる。
さらに、特許文献3に記載されているように、離型剤を塗布して離型層を形成する場合、離型層の厚みを1〜1000nmに薄膜化形成すると、被着体への汚染低減効果が大きいとされている。しかし、特許文献3の実施例で用いられているような長鎖アルキルポリマー型離型剤は離型性が不足しており、UV硬化型シリコーン離型剤では、離型性は得られるが、UV硬化の反応時間が必要であるためにライン速度を自由に上げられず、生産性の低下を招く。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、塗布乾燥するのみで、広幅の巻回体とした場合でも、巻回体を無理なく巻戻すことができ、離型層からこれに接する粘着剤層へのブリード成分の移行が少ない離型剤及び表面保護フィルムを提供することである。
本発明者らは上記の課題及び既存の表面保護シートについて鋭意研究を行った結果、特定のシリコーン系エラストマーを離型剤として用いて離型層として形成することにより、巻き戻し性に優れるだけでなく、遊離シロキサンの粘着剤層への移行を抑え、粘着力の低下を防止することができることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の表面保護フィルムは、基材層と、該基材層の一面に粘着剤層とを備える表面保護フィルムであって、
前記基材層の粘着剤層側と反対側の他面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを含有する離型層が塗布により形成されていることを特徴とする。
この表面保護フィルムでは、基材層の離型層に接する面が、酸変性ポリマーを含有して形成されてなることが好ましい。
また、粘着剤層が、スチレン系の熱可塑性エラストマーを主成分として形成されてなることが好ましい。
前記基材層の粘着剤層側と反対側の他面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを含有する離型層が塗布により形成されていることを特徴とする。
この表面保護フィルムでは、基材層の離型層に接する面が、酸変性ポリマーを含有して形成されてなることが好ましい。
また、粘着剤層が、スチレン系の熱可塑性エラストマーを主成分として形成されてなることが好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、基材層の粘着剤層側と反対側の他面(以下、「基材層の背面」と記す)に特定の離型層を備えることにより、表面保護フィルムを巻回体、特に幅広の巻回体とする場合においても、離型性を確保することができ、巻回体を無理なく巻戻すことができる。また、離型層からこれに接する粘着剤層へのブリード成分の移行が少なく、粘着力の変化を抑えることができる。
本発明の表面保護フィルムは、主として、基材層と、その一面に形成された粘着剤層とから構成される。また、基材層の背面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーによって形成される離型層が配置されている。
なお、離型層は、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを主成分とするものであってもよいが、実質的に極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーのみによって形成されているものが好ましい。ここで主成分とは、離型層を構成する成分の中で最も重量が多い成分を指す。離型層の全重量に対して、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上が挙げられる。
なお、離型層は、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを主成分とするものであってもよいが、実質的に極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーのみによって形成されているものが好ましい。ここで主成分とは、離型層を構成する成分の中で最も重量が多い成分を指す。離型層の全重量に対して、通常、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上が挙げられる。
極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーとは、例えば、ポリシロキサンと極性結合を含有するブロック共重合体が挙げられる。ここで、極性結合とは、例えば、ウレア結合、ウレタン結合、アミド結合、エステル結合等が挙げられる。
また、ポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルプロピルシロキサン、ポリジプロピルシロキサン、ポリメチルオクチルシロキサン、ポリジオクチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルプロピルシロキサン、ポリジプロピルシロキサン、ポリメチルオクチルシロキサン、ポリジオクチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレア結合を含有するポリジメチルシロキサンとして市販されているもの(ワッカー・ケミー社製、品番:GENIOMERシリーズ)を用いてもよい。
具体的には、特開2005-179671号公報、特開2005-029795号公報、特開2005-002340号公報、特開2003-247173号公報、特開平11-269430号公報、特開平10-310628号公報、特表2006-521430号公報、特表2006-521420号公報等に記載されている公知の極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーをはじめとして、種々の極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを用いることができる。
本発明の離型剤には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、必要に応じて、当該分野で公知の添加剤を適宜添加することができる。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、充填剤等が挙げられる。また、帯電防止剤、顔料、可塑剤、アンチブロッキング剤等の公知のものを適宜配合してもよい。
紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の通常使用されるものが挙げられる。
酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系)、硫黄系、リン系等の通常使用されるものが挙げられる。
光安定化剤としては、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
充填剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の通常使用されるものが挙げられる。
酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、フェノール系(モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系)、硫黄系、リン系等の通常使用されるものが挙げられる。
光安定化剤としては、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
充填剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられる。
離型層は、通常、表面保護フィルムを構成する基材層の背面に、塗布、乾燥して形成されている。上記シリコーンエラストマーは高温で溶融成形すると、熱分解して遊離シロキサンを発生することがあるからである。このようなことから、溶融成形よりも低温で成形することができる塗布方式を利用することが好ましい。また、本発明の表面保護フィルムでは乾燥により溶剤を蒸発させるだけでよく、UV照射などの架橋・硬化は不要である。
離型層を塗布する場合、塗布に用いる上記シリコーンエラストマーの溶液濃度は、乾燥後の膜厚、生産性などを考慮して適宜調整することができる。具体的には、0.1〜30重量%が挙げられる。
用いる溶剤は上記熱可塑性シリコーンエラストマーを均一に溶解できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレア結合を含有するポリジメチルシロキサンの場合を例示すると、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、クロロホルムなどが挙げられる。
樹脂溶液の塗布方法は、特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。例えば、グラビアロール、マイクログラビアロール等のロールコーターによる塗布方式、スプレー等による噴霧方式等が挙げられる。
用いる溶剤は上記熱可塑性シリコーンエラストマーを均一に溶解できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ウレア結合を含有するポリジメチルシロキサンの場合を例示すると、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、クロロホルムなどが挙げられる。
樹脂溶液の塗布方法は、特に限定されるものではなく、公知の技術を用いることができる。例えば、グラビアロール、マイクログラビアロール等のロールコーターによる塗布方式、スプレー等による噴霧方式等が挙げられる。
離型層の厚さは特に制限されないが、コスト、生産性を考慮すると薄膜化することが好ましく、例えば、0.001〜5μmが挙げられる。
本発明の表面保護フィルムでは、基材層は、単層又は2層以上の積層構造のいずれでもよい。
基材層の材質は特に限定されるものでなく、例えば、ポリオレフィン系、ポリシクロオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ポリビニルアルコール系共重合体などを用いることができる。コスト及び成形性の点からポリオレフィン系が好ましい。
基材層の材質は特に限定されるものでなく、例えば、ポリオレフィン系、ポリシクロオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、エチレン−ポリビニルアルコール系共重合体などを用いることができる。コスト及び成形性の点からポリオレフィン系が好ましい。
ポリオレフィン系共重合体としては、特に制限されず、例えば、ポリプロピレン又はプロピレン成分とエチレン成分からなるブロック系、ランダム系等のプロピレン系ポリマー;低密度、高密度、リニア低密度ポリエチレン等のエチレン系ポリマー;エチレン−α−オレフィン共重合体などのオレフィン系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン成分と他モノマーとのオレフィン系ポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
表面保護フィルムにおいて、離型層、基材層、粘着剤層の各界面は密着性が良好である必要があるため、例えば、基材層と離型層との間に易接着層を設けたり、基材層表面を易接着処理してもよい。易接着層にはポリウレタン系のアンカーコート剤、塩素化ポリオレフィンなどを塗布してもよいし、酸変性ポリマーを含有する易接着層を、積層構造の基材層の一部として離型層に接する基材層の一面に配置するように、共押出等により形成してもよい。易接着処理としてはコロナ処理、紫外線処理、プラズマ処理など公知の手段を用いることができる。
ここで、酸変性ポリマーとしては、代表的には、酸変性ポリオレフィンが挙げられる。酸変性ポリオレフィンとは、カルボキシル基又は酸無水物基等を含有する変性ポリオレフィンを意味する。この酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンに、例えば、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト変性する方法、α−オレフィンと、例えば、不飽和カルボン酸又はその無水物とを共重合する方法等が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、上述したポリオレフィン等を用いることができる。これらのポリオレフィンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの無水物が挙げられる。なかでも、無水マレイン酸が好ましい。
特に、酸変性ポリオレフィンとして、無水マレイン酸変性ポリオレフィンが好ましい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、分子中に無水マレイン酸の骨格が導入されたポリオレフィン共重合体である。無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸の三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸の三元共重合体、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−α−オレフィン共重合ポリエチレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの無水物が挙げられる。なかでも、無水マレイン酸が好ましい。
特に、酸変性ポリオレフィンとして、無水マレイン酸変性ポリオレフィンが好ましい。
無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、分子中に無水マレイン酸の骨格が導入されたポリオレフィン共重合体である。無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸の三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸の三元共重合体、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸−α−オレフィン共重合ポリエチレン等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材層には、必要に応じ、添加剤を配合してもよい。このような添加剤は、離型剤と同様のもの、さらに、目ヤニ防止剤、滑剤等の公知のものを適宜配合することができる。
基材層の厚さは、特に制限されないが、コスト、成形性を考慮すると5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm程度、20〜100μm程度がより好ましい。
基材層の厚さは、特に制限されないが、コスト、成形性を考慮すると5〜180μm程度が適当であり、10〜130μm程度、20〜100μm程度がより好ましい。
粘着剤層を構成する材料としては、特に限定されないが、ゴム系樹脂成分を主成分とする粘着剤組成物が好ましく用いられる。特に、本発明の離型剤との組み合わせにおいて、優れた離型性を発揮させることができるからである。
ゴム系樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの粘着剤のベースポリマーとして用いられているものを使用することができる。なかでもスチレン系エラストマーを用いると、表面保護フィルムを共押出により容易に形成することができ、被着体に対して良好な仮着性を有する表面保護フィルムを提供することができる。
ゴム系樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの粘着剤のベースポリマーとして用いられているものを使用することができる。なかでもスチレン系エラストマーを用いると、表面保護フィルムを共押出により容易に形成することができ、被着体に対して良好な仮着性を有する表面保護フィルムを提供することができる。
スチレン系エラストマーは、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン共重合体−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体−スチレン(SEPS)等のA−B−A型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体(SEP)等のA−B型ブロックポリマー;スチレン−ブタジエンラバー(SBR)等のスチレン系ランダム共重合体;スチレン−エチレン−ブチレン共重合体−オレフィン結晶(SEBC)等のA−B−C型のスチレン−オレフィン結晶系ブロックポリマー;オレフィン結晶−エチレン/ブチレン共重合体−オレフィン結晶(CEBC)等のC−B−C型のオレフィン結晶系ブロックポリマー;エチレン−α−オレフィン、エチレン−プロピレン−α−オレフィン、プロピレン−α−オレフィン等のオレフィン系エラストマー、さらにはこれらの水添物等が挙げられる。これらのゴム系樹脂成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、ゴム系樹脂成分がオレフィンに由来する不飽和二重結合を有する場合には、この不飽和二重結合は、耐熱性、耐候性を高める観点から、少ないほうが好ましく、必要に応じて水素添加されていることが好ましい。
例えば、スチレン系エラストマーとしては、
(1)スチレン系重合体ブロックとオレフィン系又は共役ジエン系重合体ブロックとのブロック共重合体、
(2)スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー及びオレフィン系又は共役ジエン系モノマーのランダム共重合体ブロックとのブロック共重合体、及び/又は
(3)これらの水添物、を主骨格とするものが挙げられるが、これらのスチレン系エラストマーにおいて、共役ジエン重合体ブロック中又はスチレン系モノマーと共役ジエン系モノマーとのランダム共重合体ブロック中の共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が、水素添加により飽和されていることが好ましい。また、90%以上、さらに95〜100%水素添加により飽和されていることが好ましい。耐熱性及び耐候性を確保するためである。
(1)スチレン系重合体ブロックとオレフィン系又は共役ジエン系重合体ブロックとのブロック共重合体、
(2)スチレン系重合体ブロックと、スチレン系モノマー及びオレフィン系又は共役ジエン系モノマーのランダム共重合体ブロックとのブロック共重合体、及び/又は
(3)これらの水添物、を主骨格とするものが挙げられるが、これらのスチレン系エラストマーにおいて、共役ジエン重合体ブロック中又はスチレン系モノマーと共役ジエン系モノマーとのランダム共重合体ブロック中の共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が、水素添加により飽和されていることが好ましい。また、90%以上、さらに95〜100%水素添加により飽和されていることが好ましい。耐熱性及び耐候性を確保するためである。
スチレン系エラストマーのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は、30000〜400000の範囲が好ましく、より好ましくは50000〜200000の範囲である。粘着剤層の凝集力を確保するとともに、表面保護フィルムを剥離する際の被着体への糊残りを防止するためである。また、適当な粘着力を確保し、粘着剤組成物の調製又は表面保護フィルムの製造時に、溶液粘度及び/又は溶融粘度の増大を防止するためである。
粘着剤層を構成する材料として粘着付与剤を用いることにより、粘着剤層の粘着力を効果的に高めることができる。この場合には、表面保護フィルムを被着体から剥離する際の糊残りを防止できる使用量で使用することが好ましい。例えば、粘着付与剤の配合割合は、ゴム系樹脂成分100重量部に対し、40重量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系共重合体、芳香族系共重合体、脂肪族・芳香族系共重合体系や脂環式系共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルぺン系樹脂、テルぺンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂又はこれらの水添物などの、一般的に粘着剤に使用されるものを特に制限なく使用することができる。これら粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、剥離性及び耐候性などを高めるために、水添系の粘着付与剤を用いることがより好ましい。また、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。
なお、剥離性及び耐候性などを高めるために、水添系の粘着付与剤を用いることがより好ましい。また、オレフィン樹脂とのブレンド物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。
粘着剤層を構成する材料として、さらに、軟化剤を用いると、粘着剤層の粘着力を効果的に高めることができる。
軟化剤としては、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそれらの誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、例えば、片末端又は両末端にOH基、COOH基を有するものが例示される。具体的には、水添ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどが挙げられる。
なかでも、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等のジエン系ポリマーの水添物、オレフィン系軟化剤等が好ましい。粘着剤層の粘着力を適度に高めることができるからである。これら軟化剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
軟化剤としては、例えば、低分子量のジエン系ポリマー、ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエンやそれらの誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、例えば、片末端又は両末端にOH基、COOH基を有するものが例示される。具体的には、水添ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンモノオール、水添ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンモノオールなどが挙げられる。
なかでも、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等のジエン系ポリマーの水添物、オレフィン系軟化剤等が好ましい。粘着剤層の粘着力を適度に高めることができるからである。これら軟化剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
軟化剤の数平均分子量は特に制限されないが、5000〜10万の範囲が好ましく、1万〜5万の範囲がより好ましい。粘着剤層からの被着体への物質移行を抑制して重剥離化等を防止することができるとともに、粘着力の向上を確保することができるからである。
ゴム系樹脂成分と軟化剤とを含む粘着剤組成物を用いて粘着剤層を構成する場合、軟化剤の配合量は特に制限されないが、ゴム系樹脂成分と軟化剤との合計100重量部に対し、軟化剤の配合割合は40重量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。高温や屋外暴露後に被着体から剥離する際の糊残りを低減することができるからである。
なお、粘着剤層を構成する材料として、本発明の課題達成を阻害しない範囲で、必要に応じて他の添加剤を配合してもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤などの公知のものが挙げられる。
紫外線吸収剤及び酸化防止剤等は、上記と同様のものが挙げられる。
接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤及び酸化防止剤等は、上記と同様のものが挙げられる。
接着昂進防止剤としては、脂肪酸アミド、ポリエチレンイミンの長鎖アルキルグラフト物、大豆油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード251」等)、トール油変性アルキド樹脂(例えば、荒川化学社製、商品名「アラキード6300」等)などが挙げられる。
粘着剤層の厚みは特に制限されないが、0.5〜50μm程度であり、好ましくは1〜30μmであり、さらに好ましくは2〜30μmである。
従って、表面保護フィルムの総膜厚は、10〜200μm程度が適当であり、20〜150μm、さらに30〜100μmがより好ましい。
従って、表面保護フィルムの総膜厚は、10〜200μm程度が適当であり、20〜150μm、さらに30〜100μmがより好ましい。
本発明の表面保護フィルムの基材層と粘着剤層とは、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法で共押出することにより積層一体化することができる。
また、本発明の表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造される。表面保護フィルムが巻回体とされる場合には、基材層の背面に、外周の粘着剤層が密着することになる。本発明では、このような場合においても、また、表面保護フィルムが、例えば、比較的広幅の巻回体等とされた場合においても、基材層背面から粘着剤層を容易に剥離することができる。すなわち、巻回体を無理なく巻戻すことができる。
また、本発明の表面保護フィルムは、例えば、長尺状のフィルムをロール状に巻回した巻回体として工業的に製造される。表面保護フィルムが巻回体とされる場合には、基材層の背面に、外周の粘着剤層が密着することになる。本発明では、このような場合においても、また、表面保護フィルムが、例えば、比較的広幅の巻回体等とされた場合においても、基材層背面から粘着剤層を容易に剥離することができる。すなわち、巻回体を無理なく巻戻すことができる。
以下、本発明の表面保護フィルムの実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた1層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の表面に表面処理を施した後、離型剤を塗工した。
まず、基材層を構成する材料として、ブロックPP(品名:プライムポリプロJ704LB、プライムポリマー社)を用意した。
粘着剤層を構成する材料として、スチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物からなるスチレン系エラストマー(SEBS、クレイトンポリマー社製、品番:G1657)100重量部に、粘着付与剤としてのアルコンP−125(荒川化学社製)5重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用意した。
上記各材料からなる基材層と粘着剤層とをTダイ法により共押出し、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の2層構成からなる粘着フィルム(幅1300mm)とし、引き続いて、基材層の背面にコロナ処理を施した。
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた1層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の表面に表面処理を施した後、離型剤を塗工した。
まず、基材層を構成する材料として、ブロックPP(品名:プライムポリプロJ704LB、プライムポリマー社)を用意した。
粘着剤層を構成する材料として、スチレン−ブタジエン系共重合体の水素添加物からなるスチレン系エラストマー(SEBS、クレイトンポリマー社製、品番:G1657)100重量部に、粘着付与剤としてのアルコンP−125(荒川化学社製)5重量部を配合した粘着剤組成物を、2軸押出機で混練し、ペレタイズしたものを用意した。
上記各材料からなる基材層と粘着剤層とをTダイ法により共押出し、基材層(厚さ34μm)/粘着剤層(厚さ6μm)の2層構成からなる粘着フィルム(幅1300mm)とし、引き続いて、基材層の背面にコロナ処理を施した。
一方、離型剤を構成する材料として、ウレア結合を含有する熱可塑性シリコーンエラストマー(ワッカー・ケミー社製、品番:GENIOMER80)をテトラヒドロフランに7重量%になるよう溶解し、グラビアコーターを用いて上記コロナ処理面に乾燥後の塗膜厚みが0.9μmとなるように塗布、乾燥し、表面保護フィルムとした。なお、一部を巻き取る前にサンプリングし、残部を巻回体とした。
(実施例2)
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の背面に離型剤を塗工した。
基材層を構成する材料として、離型層側に無水マレイン酸変性PP(品名:OREVAC G、アルケマ社)、粘着層側に実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着層を用意した。
上記各材料をTダイにより共押出し、離型層側基材層(厚さ6μm)/粘着層側基材層(厚さ27μm)/粘着層(厚さ6μm)の3層構成からなる表面保護フィルム(幅1300mm)を得た。
コロナ処理をしないこと以外は実施例1と同様に離型層を形成して、表面保護フィルムとした。
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の背面に離型剤を塗工した。
基材層を構成する材料として、離型層側に無水マレイン酸変性PP(品名:OREVAC G、アルケマ社)、粘着層側に実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着層を用意した。
上記各材料をTダイにより共押出し、離型層側基材層(厚さ6μm)/粘着層側基材層(厚さ27μm)/粘着層(厚さ6μm)の3層構成からなる表面保護フィルム(幅1300mm)を得た。
コロナ処理をしないこと以外は実施例1と同様に離型層を形成して、表面保護フィルムとした。
(実施例3)
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の背面に離型剤を塗工した。
基材層を構成する材料として、離型層側に実施例2の無水マレイン酸変性PPと、実施例1のブロックPPの等量混合物、粘着層側に実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着剤を用意した。
実施例2と同様に離型層を形成し、表面保護フィルムとした。
この実施例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、基材層の背面に離型剤を塗工した。
基材層を構成する材料として、離型層側に実施例2の無水マレイン酸変性PPと、実施例1のブロックPPの等量混合物、粘着層側に実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着剤を用意した。
実施例2と同様に離型層を形成し、表面保護フィルムとした。
(比較例1)
この比較例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、1層の基材層と1層の粘着層とからなり、離型剤は塗工しなかった。
基材層を構成する材料として、実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着剤を用意した。
上記各材料を実施例1と同様に基材層と粘着剤層とをTダイ法により共押出し、表面保護フィルムとした。
この比較例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、1層の基材層と1層の粘着層とからなり、離型剤は塗工しなかった。
基材層を構成する材料として、実施例1のブロックPPを用意した。また、粘着層は実施例1の粘着剤を用意した。
上記各材料を実施例1と同様に基材層と粘着剤層とをTダイ法により共押出し、表面保護フィルムとした。
(比較例2)
この比較例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、離型剤は塗工しなかった。
基材層を構成する材料として、離型層側にウレア結合を含有する熱可塑性シリコーンエラストマー(ワッカー・ケミー社製、品番:GENIOMER80)、粘着層側に無水マレイン酸変性PPと、ブロックPPの等量混合物を用意した。また、粘着層は実施例1の粘着層を用意した。
上記各材料からなる基材層と粘着剤層とをTダイにより共押出し、離型層側基材層(厚さ6μm)/粘着層側基材層(厚さ27μm)/粘着層(厚さ6μm)の3層構成からなる表面保護フィルム(幅1300mm)を得た。
この比較例の表面保護フィルムは、共押出にて得られた、2層の基材層と1層の粘着層とからなり、離型剤は塗工しなかった。
基材層を構成する材料として、離型層側にウレア結合を含有する熱可塑性シリコーンエラストマー(ワッカー・ケミー社製、品番:GENIOMER80)、粘着層側に無水マレイン酸変性PPと、ブロックPPの等量混合物を用意した。また、粘着層は実施例1の粘着層を用意した。
上記各材料からなる基材層と粘着剤層とをTダイにより共押出し、離型層側基材層(厚さ6μm)/粘着層側基材層(厚さ27μm)/粘着層(厚さ6μm)の3層構成からなる表面保護フィルム(幅1300mm)を得た。
(比較例3)
離型剤に長鎖アルキル系ポリマー型(ピーロイル#1010、一方社油脂工業(株))を使用したこと以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを得た。離型剤は固形分1重量部になるようトルエンで希釈し、グラビアコーターで塗布し、乾燥後の塗膜厚みは0.8μmであった。
離型剤に長鎖アルキル系ポリマー型(ピーロイル#1010、一方社油脂工業(株))を使用したこと以外は、実施例1と同様に表面保護フィルムを得た。離型剤は固形分1重量部になるようトルエンで希釈し、グラビアコーターで塗布し、乾燥後の塗膜厚みは0.8μmであった。
(比較例4)
離型剤として、紫外線硬化型シリコーン離型剤XS56−A2982(GE東芝シリコーン社製)を用い、塗工した後、紫外線を照射して離型層を形成したこと以外は実施例1と同様にして表面保護シートを作製した。乾燥後の塗膜厚みは0.9μmであった。硬化条件はフュージョンHバルブ120W/cmの光源を用い、照射距離10cm、ライン速度15m/分で照射後に直ちに巻き取った。
離型剤として、紫外線硬化型シリコーン離型剤XS56−A2982(GE東芝シリコーン社製)を用い、塗工した後、紫外線を照射して離型層を形成したこと以外は実施例1と同様にして表面保護シートを作製した。乾燥後の塗膜厚みは0.9μmであった。硬化条件はフュージョンHバルブ120W/cmの光源を用い、照射距離10cm、ライン速度15m/分で照射後に直ちに巻き取った。
(評価)
(1)自背面剥離力
平坦なアクリル板に、各表面保護フィルムを粘着剤層側から貼り付けた。また、各表面保護フィルムを、幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを別途用意した。
アクリル板に貼り付けた実施例及び比較例の各表面保護フィルムの表層の背面に、切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/分の速度で貼り付けた。これを23±2℃の室内に30分間放置した。しかる後、JIS Z 0237に準拠し、表面保護フィルム間での剥離を行い、180度剥離強度を速度30m/分で測定し、自背面剥離力とした。
(1)自背面剥離力
平坦なアクリル板に、各表面保護フィルムを粘着剤層側から貼り付けた。また、各表面保護フィルムを、幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出したものを別途用意した。
アクリル板に貼り付けた実施例及び比較例の各表面保護フィルムの表層の背面に、切り出した実施例及び比較例の各表面保護フィルムを粘着剤層側から、2kgのゴムローラーを用いて、2m/分の速度で貼り付けた。これを23±2℃の室内に30分間放置した。しかる後、JIS Z 0237に準拠し、表面保護フィルム間での剥離を行い、180度剥離強度を速度30m/分で測定し、自背面剥離力とした。
(2)広幅の巻回体の巻戻し性
1300mmの広幅の各巻回体のフィルム端部を手で把持して引っ張り、1m程巻回体を巻き戻した。巻き戻す際に、表面保護フィルムに部分的な伸長や変形があるか否かを目視で観察した。部分的な伸長や変形がない場合を「○」、部分的な伸長や変形がある場合を「×」と判断した。
1300mmの広幅の各巻回体のフィルム端部を手で把持して引っ張り、1m程巻回体を巻き戻した。巻き戻す際に、表面保護フィルムに部分的な伸長や変形があるか否かを目視で観察した。部分的な伸長や変形がない場合を「○」、部分的な伸長や変形がある場合を「×」と判断した。
(3)移行性
巻回体として巻き取る前にサンプリングした表面保護フィルムの粘着力Aに対する巻回体として巻き取った後に23℃1日間放置後にサンプリングした表面保護フィルムの粘着力Bの粘着力の比(B/A)を評価した。すなわち、平坦なアクリル板に、2kgのゴムローラーを用いて、各表面保護フィルムから幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出した試験片を粘着剤層側から2m/分の速度で貼り付けた。これを23±2℃の室内に30分間放置した。しかる後、JIS Z0237に準拠し、アクリル板から表面保護フィルムを剥離し、180度剥離強度を速度300mm/分で測定し、粘着力A、Bとした。粘着力の比(B/A)を百分率で表し、85%以上である場合を「○」、65%以上、85%未満である場合を「△」、65%未満である場合を「×」と判断した。
結果を以下の表1及び2に示す。
巻回体として巻き取る前にサンプリングした表面保護フィルムの粘着力Aに対する巻回体として巻き取った後に23℃1日間放置後にサンプリングした表面保護フィルムの粘着力Bの粘着力の比(B/A)を評価した。すなわち、平坦なアクリル板に、2kgのゴムローラーを用いて、各表面保護フィルムから幅25mm×長さ150mmの大きさに切り出した試験片を粘着剤層側から2m/分の速度で貼り付けた。これを23±2℃の室内に30分間放置した。しかる後、JIS Z0237に準拠し、アクリル板から表面保護フィルムを剥離し、180度剥離強度を速度300mm/分で測定し、粘着力A、Bとした。粘着力の比(B/A)を百分率で表し、85%以上である場合を「○」、65%以上、85%未満である場合を「△」、65%未満である場合を「×」と判断した。
結果を以下の表1及び2に示す。
光学デバイス、金属板、塗装鋼板、樹脂板、ガラス板等の様々な物品や部材に限られず、運搬、加工又は養生する際の汚れ及び傷つきの防止を必要とするすべての被着体に対して利用することができる。
Claims (3)
- 基材層と、該基材層の一面に粘着剤層とを備える表面保護フィルムであって、
前記基材層の粘着剤層側と反対側の面に、極性結合を有する熱可塑性シリコーンエラストマーを含有する離型層が塗布により形成されていることを特徴とする表面保護フィルム。 - 離型層に接する基材層が、酸変性ポリマーを含有して形成されてなる請求項1に記載の表面保護フィルム。
- 粘着剤層が、スチレン系の熱可塑性エラストマーを主成分として形成されてなる請求項1又は2に記載の表面保護フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007245194A JP2009073967A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | 表面保護フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007245194A JP2009073967A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | 表面保護フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009073967A true JP2009073967A (ja) | 2009-04-09 |
Family
ID=40609264
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JP2007245194A Pending JP2009073967A (ja) | 2007-09-21 | 2007-09-21 | 表面保護フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009073967A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019073635A (ja) * | 2017-10-17 | 2019-05-16 | 信越化学工業株式会社 | シリカ被覆シリコーンエラストマー球状粒子の製造方法及びシリカ被覆シリコーンエラストマー球状粒子 |
-
2007
- 2007-09-21 JP JP2007245194A patent/JP2009073967A/ja active Pending
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