JP2009073963A - インクジェット捺染用インクセット、インクジェット捺染方法および捺染物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、黄、青および赤の3原色インクからなるインクジェット捺染用インクセットであって、前記黄、青および赤インクが少なくとも色材、色材の分散剤および水性溶媒を含有し、前記色材が、150℃以上の融点をもつ分散染料であることを特徴とするインクジェット捺染用インクセット。
【選択図】なし
Description
下記表1に記載の分散染料を18重量部、分散剤(リグニンスルホン酸塩、アニオン性界面活性剤)を10重量部、防腐剤(サンアイバックIT20、三愛石油(株)製)を0.1重量部、消泡剤(信越シリコーンKM−70、日信化学工業(株)製)を0.05重量部、および純水71.85重量部を混合し、ガラスビーズの存在下、サンドミルで10時間湿式粉砕し微粒子化した後、吸引濾過によりガラスビーズを取り除き、下記表1に記載のインクジェット用インク(B1〜3、R1〜3、Y1およびY2)を調製した。
分散染料を10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ノニオン性界面活性剤)を5重量部、防腐剤を0.1重量部、消泡剤を0.05重量部、および純水84.85重量部を混合したほかは、調製例1と同様にしてインクジェット用インクを調製した。分散染料として、C.I.ディスパースブルー56を用いた青インクをB4、C.I.ディスパースレッド177を用いた赤インクをR4,およびC.I.ディスパースイエロー232を用いた黄インクをY4とした。
分散染料を0.08重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アニオン性界面活性剤)を0.5重量部、防腐剤を0.1重量部、消泡剤を0.05重量部、および純水99.27重量部を混合したほかは、調製例1と同様にしてインクジェット用インクを調製した。分散染料として、C.I.ディスパースブルー56を用いた青インクをB5、C.I.ディスパースレッド177を用いた赤インクをR5,およびC.I.ディスパースイエロー232を用いた黄インクをY5とした。
インクジェット捺染する前の複合繊維布帛に対して、下記処方により調製した前処理剤をディップニップ法により付与した。ディップニップ処理後、複合繊維布帛をテンター方式の乾燥機により、120℃で130秒間乾燥した。
カルボキシメチルセルロース(水溶性ポリマー、ファインガムHE、第一工業製薬(株)製)を5.0重量部、リンゴ酸(pH調整剤、扶桑化学工業(株)製)を0.3重量部、MS−リキッド(還元防止剤、明成化学工業(株)製)を2.0重量部、および純水92.7重量部を混合し、前処理剤を調製した。
オン・デマンド方式シリアル走査型インクジェット方式を使用して、布帛に対するインク付与量が20nl/mm2になるように5×5cmのパターンをプリントした。
カチオン可染ポリエステル繊維50重量部およびポリウレタン繊維50重量部からなり、上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)に対して、インクB1、R1およびY1の3種類のインクからなるインクセットを用い、上記インクジェット捺染方法により、3種類のインクを同一の印捺密度(各インク付与量6.66nl/mm2、合計インク付与量20nl/mm2)で、かつ重なるように付与した。ついで該布帛を160℃で15分間の湿熱処理し、その後、洗浄、乾燥して捺染物を得た。
カチオン可染ポリエステル繊維50重量部およびポリウレタン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB2、R2およびY2の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびナイロン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB1、R1およびY1の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびナイロン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB2、R2およびY2の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびポリブチレンテレフタレート繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびに調製例2で作製したインクB4、R4およびY4の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびポリブチレンテレフタレート繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびに調製例3で作製したインクB5、R5およびY5の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
カチオン可染ポリエステル繊維50重量部およびポリウレタン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB3、R1およびY1の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
カチオン可染ポリエステル繊維50重量部およびポリウレタン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB2、R3およびY2の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびナイロン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB3、R1およびY1の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
ポリエチレンテレフタレート繊維50重量部およびナイロン繊維50重量部からなる上記前処理を行なった複合繊維布帛(編物)、ならびにインクB2、R3およびY2の3種類のインクからなるインクセットを用い、実施例1と同様にして捺染物を得た。
実施例1〜6および比較例1〜4にて得られた捺染物について、色再現性および色相差を評価した。
実施例1〜6および比較例1〜4を2回行い、各実施例および比較例で得られた2枚の捺染物について、捺染された色を測色機(CM2600,コニカミノルタセンシング(株)製)を用いて測色し、該2枚の捺染物の色差(ΔE)を算出した。ここで色差とは、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)における色差のことで、下記式で定義される。
ΔE={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2}1/2
ここでL*は明度を表し、a*およびb*は色相と彩度を示す色度を表す。ΔL*ならびにΔa*およびΔb*は、それぞれの実施例および比較例ごとに得られた2枚の捺染物の間における明度差ならびに色度差を表す。
○:ΔE<0.2
△:0.2≦ΔE≦0.5
×:0.5<ΔE
色差(ΔE)がより小さな値である場合は色再現性が良好であり、ΔEがより大きな値である場合は色再現性が不良であることを意味する。
得られた捺染物のインク付与面と該インク付与面の反対面の色相差を目視で評価した。下記の基準による評価結果を表2に示す。
○:インク付与面とその反対面の色相差がない。
×:インク付与面の反対面に対する各インクの浸透差により、インク付与面とその反対面で色相差が生じている。
Claims (4)
- 少なくとも、黄、青および赤の3原色インクからなるインクジェット捺染用インクセットであって、前記黄、青および赤インクが少なくとも色材、色材の分散剤および水性溶媒を含有し、前記色材が、150℃以上の融点をもつ分散染料であることを特徴とするインクジェット捺染用インクセット。
- 色材として、前記黄インクがC.I.ディスパースイエロー1、64、65、114、163、231、232および235からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有し、前記青インクがC.I.ディスパースブルー56、60、77、165、183:1、214、257、284および301からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有し、前記赤インクがC.I.ディスパースレッド60、86、152、177、179、202および343からなる群より選ばれた1種以上の分散染料を含有する請求項1記載のインクジェット捺染用インクセット。
- 分散染料により染色可能な繊維を少なくとも2種類含む複合繊維布帛をインクジェット捺染する方法であって、前記複合繊維布帛に対して請求項1または2記載のインクジェット捺染用インクセットを使用してインクジェット捺染し、該インクジェット捺染した布帛を150〜180℃で熱処理することを特徴とするインクジェット捺染方法。
- 請求項3記載のインクジェット捺染方法により捺染された捺染物。
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