JP2009073888A - チオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体、及びそれを用いたカラーフィルター用顔料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、チオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体、それを用いた液晶表示装置のカラーフィルターの青色画素部の作製に好適な顔料組成物、及び当該顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターに関する。
液晶表示装置のカラーフィルターは、赤色画素部(R)、緑色画素部(G)及び青色画素部(B)を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、青色画素部を形成するための青色有機顔料としては、一般に、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに紫色有機顔料のジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23)が少量併用されている。
カラーフィルターを作成する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)、或いは、同じく表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)等の要求がある。この様な要求に応じるため、平均一次粒子径が100nm以下となる様に微細化された粉体の有機顔料が多用されているが、微細化した有機顔料を用いて調製したカラーレジストインキは流動性や光透過性について解決すべき課題が残っていた。例えば、液晶ディスプレイ用カラーフィルター向けインキに適用した場合、ガラス基板上へのスピンコート時にはインキのニュートン流動性低下等による塗布ムラの発生、画素形成後には光線透過率の不足によるカラーフィルターの明るさおよびコントラストの不足といった欠点が未解決のままであった。
特許文献1では、有機顔料の酸性誘導体およびカチオン性櫛形グラフトポリマーを必須成分とする青系顔料分散体組成物は、微細分散化され、ニュートン流動性が大きいと報告されている。ところが、この方法で得られる青色顔料粒子の平均粒径は約100nmとまだ大きく、更にニュートン流動性の尺度である6rpm/60rpmの粘度比は約2.2と非ニュートン流動性の影響が強く残っており、所望するレベルには到達していなかった。
特許文献2では、熱硬化性樹脂およびポリオレフィン系材料の着色剤としてポリオキシアルキレン変性フタロシアニン系着色剤が有用であることが報告されている。ところが、当該文献にはカラーフィルター用途に関する記述は皆無である。
従来の銅フタロシアニンスルファモイル化合物は、不純物を多量に含有するため、カラーフィルター用途にはそのままでは不向きであった。そこで、溶剤洗および水洗といった精製工程を施すものの、その化学構造に親水性アルキレンオキサイド部分を含有するため、特に水洗時の分液性が低く、精製に長時間が必要であった。例えば、特許文献3に記載されている銅フタロシアニンスルファモイル化合物は、1剤で顔料分散性を発揮するものの、不純物を多量に含有するため、カラーフィルター用途にはそのままでは不向きであるので、溶剤洗および水洗といった精製工程を施すものの、その化学構造に親水性アルキレンオキサイド部分を含有するため、特に水洗時の分液性が低く、精製に長時間(12時間以上)が必要であった。
以上の様に、これまでの有機顔料分散体では、カラーフィルター用途として所望されるレベルに達していないか、分散剤が有効な効果を発揮しても、分散剤合成時における精製工程において長時間が必要とされ、工業生産において課題の解決が必要とされていた。
以上の様に、これまでの有機顔料分散体では、カラーフィルター用途として所望されるレベルに達していないか、分散剤が有効な効果を発揮しても、分散剤合成時における精製工程において長時間が必要とされ、工業生産において課題の解決が必要とされていた。
本発明は、前述の課題を解決しうるチオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体の提供と、それを用いた表示画面がよりハッキリ見える高コントラストで、表示画面がより明るい高輝度の液晶表示装置が得られる青色画素部を有するカラーフィルター及び当該カラーフィルターが得られる顔料組成物を得ることを課題とする。
本発明者らは、カラーフィルターに好ましく用いることのできる顔料組成物の検討を行ったところ、添加剤としてある特定の銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料とを用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明は、一般式(1)
即ち、本発明は、一般式(1)
(但し、Q1は炭素数1〜20の非環状炭化水素基、Q2は炭素数3または4の非環状アルキレンオキサイド、Q3は炭素数1〜30の非環状炭化水素基、nは1以上100以下の整数、Xは1から4の整数を表す。)
で表される銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料組成物、ならびに該カラーフィルター用顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供する。
で表される銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料組成物、ならびに該カラーフィルター用顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供する。
本発明によれば、表示画面がよりハッキリ見える高コントラストで、表示画面がより明るい高輝度の液晶表示装置が得られる青色画素部を有するカラーフィルター及び当該カラーフィルターが得られる顔料組成物を提供することができる。また、本発明のチオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体は、その製造において精製が容易であり、工業生産における精製工程時間を大幅に短縮することができる。
本発明では、一般式(1)
(但し、Q1は炭素数1〜20の非環状炭化水素基、Q2は炭素数3または4の非環状アルキレンオキサイド、Q3は炭素数1〜30の非環状炭化水素基、nは1以上100以下の整数、Xは1から4の整数を表す。)
で表される銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料組成物、ならびに該カラーフィルター用顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供する。
で表される銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料を含有することを特徴とするカラーフィルター用顔料組成物、ならびに該カラーフィルター用顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供する。
本発明の銅フタロシアニン誘導体、すなわち一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニン環が少なくとも1個以上のスルファモイル基で置換された化合物を挙げることができる。導入されるスルファモイル基は、フタロシアニン環1個あたり少なくとも1個であれば特に限定なく用いることができるが、好ましくは1または2個、より好ましくは1個である。置換される位置は、特に限定はない。
本発明の一般式(1)におけるスルファモイル基はチオエーテル構造を有することに特徴がある。従来の分散剤ではエーテル構造(例えば、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基等)を有するものが知られているが、これらの分散剤では、親水性が高く、製造工程時における分液操作において、長時間を必要とされることが問題となっていた。しかし、本発明の銅フタロシアニン誘導体におけるスルファモイル基は、より疎水性の高いチオエーテル構造を有するため精製工程における分液性が良好となり、製造工程時の操作時間の大幅な短縮が可能となる。
一般式(1)におけるQ1は、炭素数1〜20の非環状炭化水素基を示し、直鎖状炭化水素基または分岐状炭化水素基を示し、炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基のどちらでもよい。一例を挙げると、メチレン基、エチレン基、ビニレン基、プロピレン基、プロペニレン基、ヘキサメチレン基、2−エチル−ヘキサメチレン基等のアルキル基またはアルキレン基を挙げることができる。
また、一般式(1)におけるQ2は、炭素数3または4のアルキレンオキシド構造を示す。アルキレンオキシド構造の個数を指定するnは、1以上100以下の整数が好ましく、カラーフィルター用顔料組成物で用いる溶媒に応じて、その親水性や親油性を最適化するために、必要に応じて調整することができる。例えば、より好ましくは5以上80以下、更により好ましくは10以上50以下である。4未満では分散媒との親和性が不足し、100を超えると分散安定性が低下する傾向がある。このようなアルキレンオキシドとしては、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシドを挙げることができるが、これに限られるものではない。
また、一般式(1)におけるQ3は、炭素数1〜30に非環状炭化水素基として、直鎖状炭化水素基または分岐状炭化水素基を示し、炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基のどちらでもよい。このような非環状炭化水素基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2-エチル-ヘキシル基、n−ドデシル基、ステアリル基、n−テトラコシル基、n−トリアコンチル基等の直鎖状或いは分岐状飽和炭化水素基を挙げることができる。
また、直鎖状或いは分岐状不飽和炭化水素基としては、炭化水素基が二重結合または三重結合を有してもよく、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、イソプレン基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ゲラニル基、エチニル基、2-プロピニル基、2-ペンテン-4-イニル基等の直鎖状或いは分岐状不飽和炭化水素基を挙げることができる。
このうち一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体のうち、特に好ましい銅フタロシアニン誘導体としては、以下の一般式(2)で表される銅フタロシアニン誘導体を挙げることができる。
このうち一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体のうち、特に好ましい銅フタロシアニン誘導体としては、以下の一般式(2)で表される銅フタロシアニン誘導体を挙げることができる。
(但し、nは1以上100以下の整数、Xは1から4の整数を表す。)
本発明で用いる一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体は、公知慣用の方法を組み合わせることにより、例えば、銅フタロシアニンスルホニルクロライドとチオエーテル基含有ポリオキシアルキレン主鎖の末端にアミンを持つポリエーテルアミンとを反応させて製造できる。原料となる銅フタロシアニンスルホニルクロライドは、銅フタロシアニンとクロロスルホン酸または塩化チオニルとの反応により得ることができる。他方の原料であるチオエーテル基含有ポリオキシアルキレンモノアミンは、通常公知の方法である、アリル化合物とアミノチオールとの反応により得ることができる。
本発明で用いる青色有機顔料は、フタロシアニン顔料またはインダンスロンブルー顔料を用いることができる。カラーフィルター青色画素部への適用を考えると、色相等からε型フタロシアニン顔料を用いることがより好ましい。また、ε型フタロシアニン顔料の中でも特にε型銅フタロシアニンが好ましい。
また、赤味つけのためにバイオレット顔料を併用することもできる。バイオレット顔料としては、例えばジオキサジン系バイオレット顔料であるC.I.Pigment Violet 23、同37等が挙げられる。
本発明の顔料組成物中、一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料との質量比は、特に制限されるものではないが、銅フタロシアニン誘導体/青色有機顔料=5/95〜95/5を挙げることができ、5/95〜70/30が好ましく、より好ましくは10/90〜60/40、更に好ましくは20/80〜50/50である。一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体が5質量部未満ではコントラストが期待できず、70質量部を超えると色相への影響が大きくなり好ましくない。
本発明にいう顔料組成物は、一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体と、青色有機顔料ならびに必要に応じて調色用顔料を含有する混合物であって、粉末状或いはペースト状である。調食用顔料としては、通常用いられる調色用顔料を挙げることができ、例えば、紫色顔料として前記のC.I.Pigment Violet23、37、赤色顔料としてC.I.ピグメント122等を挙げることができるが、これらの顔料に限られるものではない。
また、本発明にいう分散体は、顔料組成物を有機溶媒に分散せしめた混合液をいう。
また、本発明にいう分散体は、顔料組成物を有機溶媒に分散せしめた混合液をいう。
本発明の顔料組成物は、液媒体中への分散性、分散安定性が高く、後記する青色顔料分散液中の顔料粒子は微細な粒子に分散しており、分散液の粘度は低く、かつニュートン流動性も高いまま安定し、それでカラーフィルター青色画素部を製造した場合に、均質な塗膜を形成して輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルターを得ることができる。ここで顔料分散体は、顔料組成物を有機溶媒に分散せしめた液をいう。用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物の様なカルバミン酸エステル等が挙げられる。
ここでコントラストとは、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を垂直にして被測定物を挟み込んだ時の透過光強度で除したものである。
また本発明の顔料組成物だけをカラーフィルター青色画素部の青色顔料として用いても良いが、必要応じて、カラーフィルター用分散液及びインキの粘度特性の向上と分散安定性の向上のために、顔料誘導体を添加することも有効である。このような顔料誘導体としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、下記一般式(3)の顔料誘導体が好ましい。
(式中、Pはフタロシアニン、インダンスロンブルー、ジオキサジンバイオレット残基を、Aは直接結合又は二価の連結基を、Yは第1〜3級アミノ基又は複素環残基を、そしてnは1〜4を表す。)具体的には、フタロシアニン、インダンスロンブルー、ジオキサジンバイオレットのフタルイミドメチル誘導体、同スルホン酸誘導体、同N−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、同N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体が好ましい。これらの顔料誘導体には、更に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アミン塩、エチレンジアミン等のアミンを添加して用いることも好ましい。
本発明の顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルター青色画素部の形成に使用することができる。この顔料組成物を使用してカラーフィルター青色画素部を製造するに当たっては、顔料分散法が好適である。
この方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルターを製造することができる。本発明の顔料組成物からは、青色画素部を形成することができる。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料を使用することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
カラーフィルターの青色画素部を形成するための光硬化性組成物は、本発明方法の顔料組成物と、光硬化性化合物とを必須成分とし、必要に応じて有機溶剤と分散剤と熱可塑性樹脂とを併用し、これらを混合することで調製することができる。青色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明方法の顔料組成物と、必要に応じて有機溶剤と分散剤とを併用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルターの青色画素部を形成するための顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤としては、例えば、ビックケミー社製のDisperBYK130、同161、同162、同163、同170、エフカ社製のEFKA46、EFKA47等が挙げられる。また、レベリング剤、カップリング剤、各種界面活性剤等も併せて使用可能である。
有機溶剤としては、特にプロピオネート、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系等の極性溶媒で水可溶のものが好ましく、具体例としては前記有機溶媒が挙げられる。また、水可溶の有機溶剤を使用する場合には、それに水を併用することもできる。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。
前記した様な各材料を使用して、質量換算で、本発明の方法で製造された顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、必要に応じて1〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることができる。次いでこの顔料分散液に、本発明の顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、必要に応じて光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルター青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルター青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルター青色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の方法で製造された顔料組成物を使用して調製されたカラーフィター青色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で青色画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
カラーフィルターは、赤色顔料、緑色顔料、ならびに本発明の方法で製造された顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルター着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルター着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることができる。
本発明の方法で製造されたカラーフィルター青色画素部用顔料組成物は、鮮明性と明度、さらには貯蔵安定性と耐熱性に優れたより赤味の色相を有する青色顔料であり、カラーフィルター用途の他、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、もとより本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」はいずれも質量基準である。
(実施例1)
アミノエタンチオール・塩酸塩45部とメトキシ−ポリプロピレングリコール−アリルエーテル(数平均分子量2,000)200部をメタノール300部に溶解させたものを35℃で5時間かけて添加した後、更に40℃にて5時間反応させた。5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調整した上でメタノールを減圧留去し、クロロホルム500部に再度溶解させ、飽和食塩水で水洗した。クロロホルムおよび水を減圧留去し、析出した食塩をろ過により除去し、淡黄色液体180部を得た。この淡黄色液体180部に炭酸ナトリウム22部と氷180部を加えた反応混合物に、銅フタロシアニンスルホニルクロリド(スルホン化度=1)80部を添加し、5℃〜室温で6時間反応させた。トルエン500部を加え、飽和食塩水で水洗後、分液して得た青色トルエン層からトルエンを減圧留去して、チオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体(S1)120部を得た。得られた銅フタロシアニン誘導体(S1)は下記式(4)の構造を有する。
アミノエタンチオール・塩酸塩45部とメトキシ−ポリプロピレングリコール−アリルエーテル(数平均分子量2,000)200部をメタノール300部に溶解させたものを35℃で5時間かけて添加した後、更に40℃にて5時間反応させた。5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調整した上でメタノールを減圧留去し、クロロホルム500部に再度溶解させ、飽和食塩水で水洗した。クロロホルムおよび水を減圧留去し、析出した食塩をろ過により除去し、淡黄色液体180部を得た。この淡黄色液体180部に炭酸ナトリウム22部と氷180部を加えた反応混合物に、銅フタロシアニンスルホニルクロリド(スルホン化度=1)80部を添加し、5℃〜室温で6時間反応させた。トルエン500部を加え、飽和食塩水で水洗後、分液して得た青色トルエン層からトルエンを減圧留去して、チオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体(S1)120部を得た。得られた銅フタロシアニン誘導体(S1)は下記式(4)の構造を有する。
(実施例2〜7)
使用原料を表1記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S2)〜(S7)を得た。ここで、表1に記載するスルホン化度は、一般式(1)におけるXを表し、ポリエーテルアミンのnは一般式(1)のnを表す。
使用原料を表1記載の組合せとした以外は実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S2)〜(S7)を得た。ここで、表1に記載するスルホン化度は、一般式(1)におけるXを表し、ポリエーテルアミンのnは一般式(1)のnを表す。
(実施例8)
実施例1におけるアミノエタンチオールの替わりに、替わりにアミノヘキサンチオールを用いた他は、実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S8)を得た。
(実施例9)
実施例1におけるアミノエタンチオールの替わりに、替わりにアミノプロペニレンチオールを用いた他は、実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S9)を得た。
実施例1におけるアミノエタンチオールの替わりに、替わりにアミノヘキサンチオールを用いた他は、実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S8)を得た。
(実施例9)
実施例1におけるアミノエタンチオールの替わりに、替わりにアミノプロペニレンチオールを用いた他は、実施例1と同様にして、銅フタロシアニン誘導体(S9)を得た。
(比較例1)
ポリエーテルモノアミンとして、アメリカ合衆国Huntsman Corporation製「Surfonamine B−200」(商品名)(第一アミン−末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)(5/95)コポリマー、数平均分子量約2 ,000)692部と炭酸ナトリウム66部と水150部の混合物に、銅フタロシアニンスルホニルクロリド(スルホン化度=1)210部を投入し、5℃〜室温で6時間反応させた。得られた反応混合物を真空下で90℃に加熱して水を除去し、銅フタロシアニンスルファモイル化合物(5)を得た。
ポリエーテルモノアミンとして、アメリカ合衆国Huntsman Corporation製「Surfonamine B−200」(商品名)(第一アミン−末端ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)(5/95)コポリマー、数平均分子量約2 ,000)692部と炭酸ナトリウム66部と水150部の混合物に、銅フタロシアニンスルホニルクロリド(スルホン化度=1)210部を投入し、5℃〜室温で6時間反応させた。得られた反応混合物を真空下で90℃に加熱して水を除去し、銅フタロシアニンスルファモイル化合物(5)を得た。
(但し、式中、Qは水素原子またはメチル基を表す。nは4〜100である。)
本実施例及び比較例で作製した銅フタロシアニンを表1に示す。
次に、本願銅フタロシアニン誘導体及び式(5)で表される銅フタロシアニンスルファモイル化合物製造時の分液性を評価した。
評価基準は、1時間以内に分液したものを◎、3時間以内に分液したものを○、それ以外を×とした。
その結果、(S1)〜(S18)については、全ての化合物で1時間以内に分液し、評価は全て◎であった。一方、式(5)で表される化合物については、分液までの時間が12時間以上必要であり、評価は×であった。
評価基準は、1時間以内に分液したものを◎、3時間以内に分液したものを○、それ以外を×とした。
その結果、(S1)〜(S18)については、全ての化合物で1時間以内に分液し、評価は全て◎であった。一方、式(5)で表される化合物については、分液までの時間が12時間以上必要であり、評価は×であった。
<物性評価>
以下の方法でカラーフィルターを製造し、その評価結果を表2に示した。
以下の方法でカラーフィルターを製造し、その評価結果を表2に示した。
[試験用カラーフィルターの製造方法]
(応用例1)
実施例1で得られた(S1)3.0部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)10.0部、FASTOGEN SUPER VIOLET RVS(商品名:大日本インキ化学工業(株)製、Pigment Violet 23)0.20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49部に、0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、青色顔料分散液(B1)を得た。この青色顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックスM7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。カラーレジストは1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後60℃で5分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム水溶液中で洗浄した後、純水で更に洗浄し、次いで得られた塗膜を230℃で15分間加熱処理して塗膜を硬化させ、カラーフィルター青色画素部とした。
(応用例1)
実施例1で得られた(S1)3.0部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)10.0部、FASTOGEN SUPER VIOLET RVS(商品名:大日本インキ化学工業(株)製、Pigment Violet 23)0.20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49部に、0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、青色顔料分散液(B1)を得た。この青色顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックスM7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。カラーレジストは1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後60℃で5分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム水溶液中で洗浄した後、純水で更に洗浄し、次いで得られた塗膜を230℃で15分間加熱処理して塗膜を硬化させ、カラーフィルター青色画素部とした。
(応用例2〜18) 上記の実施例で得られた銅フタロシアニン誘導体(S2)〜(S18)を(S1)に代えて用いた以外は応用例1と同様にしてカラーフィルター青色画素部を製造した。
(比較例2)
銅フタロシアニン誘導体を使用せず応用例1と同様にして青色顔料分散液(B19)を得、カラーフィルター青色画素部を製造した。
(比較例2)
銅フタロシアニン誘導体を使用せず応用例1と同様にして青色顔料分散液(B19)を得、カラーフィルター青色画素部を製造した。
(比較例3)
銅フタロシアニン誘導体3.0部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)10.0部の代わりに、
アジスパーPB−814(商品名:味の素ファインテクノ(株)製、不揮発分40%)7.5部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)9.5部、銅フタロシアニンモノスルホン酸(フタロシアニン誘導体)0.5部を用いて、応用例1と同様にして青色顔料分散液(B20)を得、カラーフィルター青色画素部を製造した。
(青色顔料分散液のニュートン流動性評価)
B型粘度計を用いて、青色顔料分散液の25℃における6rpmと60rpmとの粘度比γを測定した。粘度比γが1.8未満の場合、ニュートン流動性に優れる(○)、γ値が1.8以上の場合、非ニュートン流動性が優勢(×)と判定した。
銅フタロシアニン誘導体3.0部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)10.0部の代わりに、
アジスパーPB−814(商品名:味の素ファインテクノ(株)製、不揮発分40%)7.5部、ε型銅フタロシアニン顔料(Pigment Blue 15:6、平均一次粒径50nm品)9.5部、銅フタロシアニンモノスルホン酸(フタロシアニン誘導体)0.5部を用いて、応用例1と同様にして青色顔料分散液(B20)を得、カラーフィルター青色画素部を製造した。
(青色顔料分散液のニュートン流動性評価)
B型粘度計を用いて、青色顔料分散液の25℃における6rpmと60rpmとの粘度比γを測定した。粘度比γが1.8未満の場合、ニュートン流動性に優れる(○)、γ値が1.8以上の場合、非ニュートン流動性が優勢(×)と判定した。
(光透過率)
当該カラーフィルター青色画素部を、JISZ8722に規定する第一種分光測光器(前記した分光光度計)を使用して分光透過率スペクトルの光透過率が最大となる波長(λmax=463nm)の光透過率(Tmax)を測定した。
当該カラーフィルター青色画素部を、JISZ8722に規定する第一種分光測光器(前記した分光光度計)を使用して分光透過率スペクトルの光透過率が最大となる波長(λmax=463nm)の光透過率(Tmax)を測定した。
(耐熱性)
当該カラーフィルター青色画素部を、250℃で1時間加熱し、加熱前後の輝度(Y値)の変化を評価した。この時の変化率の差△Yが0.5未満のものを○、0.5以上のものを×とした。
(表面平滑性)
当該カラーフィルター青色画素部を原子間力顕微鏡にて表面平滑性を測定した。
(輝度)
輝度(Y値)は、オリンパス(株)製顕微鏡MX−50と大塚電子(株)製分光光度計MCPD−3000を使用して、F10光源測色で色度座標x値とy値を算出し、両色度座標x、y値を合わせてCIE発色系色度におけるY値を測定した。
当該カラーフィルター青色画素部を、250℃で1時間加熱し、加熱前後の輝度(Y値)の変化を評価した。この時の変化率の差△Yが0.5未満のものを○、0.5以上のものを×とした。
(表面平滑性)
当該カラーフィルター青色画素部を原子間力顕微鏡にて表面平滑性を測定した。
(輝度)
輝度(Y値)は、オリンパス(株)製顕微鏡MX−50と大塚電子(株)製分光光度計MCPD−3000を使用して、F10光源測色で色度座標x値とy値を算出し、両色度座標x、y値を合わせてCIE発色系色度におけるY値を測定した。
(コントラスト)
当該カラーフィルター青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側にはCCDカメラを設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。
当該カラーフィルター青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側にはCCDカメラを設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。
以上の応用例、比較例の結果を表2、表3及び表4に示す。
表2及び3の結果から、応用例1〜18で得られた、一般式(1)で表される銅フタロシアニン誘導体(S1)〜(S18)を用いた青色顔料分散液のニュートン流動性は、銅フタロシアニン誘導体を有しない場合よりも優れている。更に、化合物(S1)〜(S18)を用いたカラーフィルターは、銅フタロシアニン誘導体を有しない場合に得られたカラーフィルターよりも光透過率、輝度、コントラスト、耐熱性、表面平滑性、並びに分液性が優れており、カラーフィルターの青色画素部として有用である。
Claims (10)
- 前記一般式(1)または(2)で表される銅フタロシアニン誘導体において、nは5以上80以下であり、Xは1または2である請求項1または2に記載の銅フタロシアニン誘導体。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の銅フタロシアニン誘導体と青色有機顔料を含有するカラーフィルター用青色顔料組成物。
- 前記青色有機顔料が、フタロシアニンである請求項4に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物。
- 前記フタロシアニンが、ε型フタロシアニンである請求項5に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物。
- 前記ε型フタロシアニンが、ε型銅フタロシアニンである請求項6に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の銅フタロシアニン誘導体を0.1〜30質量%含む、請求項4乃至7のいずれか一項に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物。
- 請求項4乃至8のいずれか一項に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物を配合してなるカラーフィルター用青色顔料分散体。
- 請求項4乃至8のいずれか一項に記載のカラーフィルター用青色顔料組成物、または請求項9に記載のカラーフィルター用青色顔料分散体を青色画素部に用いてなるカラーフィルター。
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JP2007242229A JP2009073888A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | チオエーテル基含有ポリオキシアルキレン付加銅フタロシアニン誘導体、及びそれを用いたカラーフィルター用顔料組成物 |
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CN111675938A (zh) * | 2020-08-05 | 2020-09-18 | 常熟世名化工科技有限公司 | 一种酞菁颜料色浆及其制备方法和应用 |
-
2007
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CN111675938B (zh) * | 2020-08-05 | 2022-11-25 | 常熟世名化工科技有限公司 | 一种酞菁颜料色浆及其制备方法和应用 |
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