JP2009072872A - 交差穴のバリ取り方法およびバリ取り用ロボットシステム - Google Patents

交差穴のバリ取り方法およびバリ取り用ロボットシステム Download PDF

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Abstract

【課題】内部に交差穴を有するワークにおける交差穴のバリ取り方法およびバリ取り用ロボットシステムを提供する。
【解決手段】外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク7における交差穴のバリ取り方法において、外部開口部74から棒状のバリ取り工具6を挿入するとともに、バリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより、内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークに明けられた開口部に発生しているバリをバリ取り工具によって除去する技術に関し、特に、内部に交差穴を有するワークにおける交差穴のバリ取り方法およびバリ取り用ロボットシステムに関する。
例えば、ワーク7が油圧の方向切換弁としてのソレノイドバルブを構成する部材の一つであるバルブケース等である場合は、図1に示すように、ワーク7の内部に、外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有している。これら第1の穴71および第2の穴72の加工においては、一般に、長軸ドリルを用いて第1の穴71を穿設した後、この第1の穴71と直交する方向にドリルを切り込ませて第2の穴72を穿設するようにしている。
係る加工においては、第2の穴72を穿設したときに、図1に示すように、第1の穴71と第2の穴72との交差部において、ドリルの切り込み出口となる第2の穴72の内部開口部73にバリ75が発生する。前述のバルブケースにおいてこのバリ75を除去しないまま製品化すると、使用中にバルブケース内を流れる油の圧力によりバリ75が剥離し、油圧回路内の装置に不具合を与えることになる。そのため、第2の穴72の内部開口部73に発生するバリ75を除去するバリ取り作業は、バルブケースの製造工程において必須作業となっている。
この第2の穴72の内部開口部73に発生するバリ75を除去する方法としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1では、対応する前述した図1を参照して説明すると、第1の穴71内にバリ取り工具を挿入するに際して、前述した第2の穴72と略同径のピンをワーク7の外部から第2の穴72の外部開口部74に挿入することにより、第2の穴72の内部開口部73を閉塞し、これによりバリ取り工具の挿入によりバリ75が第2の穴72へ倒れ込むことを防止し、バリ75を残すことなく完全に除去することができるものとされている。
特開2000−254846号公報
ところで、ワーク7が前述した方向切換弁としてのソレノイドバルブを構成するバルブケースの場合、第2の穴72は複数個存在することになる。具体的には、バルブケースの場合、作動油が流入するPポート、作動油が流出するTポート、方向切換に関与するAポートおよびBポートの合計4つの第2の穴72が存在することになる。このような第2の穴72が複数個存在するワーク7に対して前述した特許文献1に開示されている方法を適用すると、バリ取りの際に全ての穴にピンを挿入する必要があり、さらに複数個存在する第2の穴72の径がそれぞれ異なる場合は、各穴72の径に対応するピンを用意しておかなければならないという問題が生ずる。
なお、特開昭61−230807号公報等にはバリ取り作業をロボットにより行わせる技術が開示されている。しかし、それらの多くは、この特開昭61−230807号公報に開示されているようにワーク表面のバリを除去するというものであり、前述したワーク7の内部、特に交差穴に発生するバリの除去作業をロボットにより行わせる技術は開示されていない。
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、内部に交差穴を有するワークにおける交差穴のバリ取り方法およびバリ取り用ロボットシステムを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、請求項1に係る発明では、外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク7における交差穴のバリ取り方法において、前記外部開口部74から棒状のバリ取り工具6を挿入するとともに、前記バリ取り工具6の軸線61を前記第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより、前記内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにしたことを特徴とする交差穴のバリ取り方法を提供した。なお、前述した「バリ取り工具6の軸線61」とは、棒状を呈するとともにその長手方向の軸廻りに回転することによりバリ取りを行うバリ取り工具6の回転中心線を意味する。また、前述した「第2の穴72の軸線62」とは、長手方向に円筒形状を呈する第2の穴72の中心線を意味する。
ここで請求項1に係る構成における作用について説明する。外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク7においては、第1の穴71および第2の穴72の穿孔過程において両穴の交差部すなわち第2の穴72の内部開口部73にバリ75が発生する。このバリ75を除去するために、請求項1に係る発明においては、第2の穴72の外部開口部74から棒状のバリ取り工具6を挿入するとともに、このバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させるようにした。これにより、棒状のバリ取り工具6の切削部が第2の穴72の内部開口部73に接触し、この内部開口部73に生じたバリ75を除去することができる。
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、内部開口部73に生じたバリ75を除去する際には、外部開口部74が上面になるようにワーク7を配置するようにした。係る構成としたことにより、上面になった外部開口部74から挿入された棒状のバリ取り工具6により内部開口部73に生じたバリ75を除去する際には、除去されたバリは第1の穴71の第2の穴72との交差部上に堆積することになる。そのため、バリ取り中に、バリ取り工具6を挿入している第2の穴72とバリ取り工具6との間隙に除去されたバリが噛み込むといった事態は生じなくなるので、バリ取り工具6やワーク7が損傷するといった不具合を回避することができるとともに、バリ取り工具6の寿命を延ばすことができる。さらに、係る構成においては、除去されたバリが第1の穴71の交差部上に堆積することになるわけであるから、この時点において除去されたバリがワーク7の外部に飛散することはなく、したがって、このバリ取り工程自体においては除去されたバリを収集するための付帯設備を別途設ける必要はなくなる。
請求項3に係る発明では、請求項1または2に係る発明において、内部開口部73に生じたバリ75を除去する際には、ワーク7はアーム先端にワーク把持装置3を具備する多関節ロボット2により把持されるようにした。係る構成としたことにより、多関節ロボット2のアーム先端に装着されたエンドエフェクタとしてのワーク把持装置3によりワーク7が把持されることになるので、バリ取り作業中においてもワーク7を様々な姿勢に変化させることが可能になる。そのため、バリ取り工具6を第2の穴72に挿入している状態においても、多関節ロボット2を動作させることによって、バリ取り工具6の軸線61に対して第2の穴72の軸線62を様々な角度に傾斜させることが可能になる。さらに、内部開口部73の全周に渡ってバリ75が生じている場合でも、多関節ロボット2を動作させることによってワークの姿勢を円錐状の軌跡で変化させることにより、全てのバリを除去することが可能になる。
請求項4に係る発明では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明において、バリ取り工具6はこれを回転駆動可能にするスピンドル装置5を具備するバリ取り装置4に設けるようにした。係る構成としたことにより、バリ取り装置4を構成する構造物の剛性を十分に確保することにより、バリ取り作業中にバリ取り工具6が受ける加工反力に十分に対処できるものとなり、バリ取り作業において高い精度を確保できるものとなる。
請求項5に係る発明では、外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク7における内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにした交差穴のバリ取り用ロボットシステムにおいて、アーム先端にワーク把持装置3を具備する多関節ロボット2と、バリ取り工具6を回転駆動可能にするスピンドル装置5を具備するバリ取り装置4と、を有し、前記バリ取り工具6を前記ワーク把持装置3が把持したワーク7の前記外部開口部74から挿入するとともに、前記バリ取り工具6の軸線61を前記第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより、前記内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにしたことを特徴とする交差穴のバリ取り用ロボットシステムを提供した。
係る構成としたことにより、多関節ロボット2のアーム先端に装着されたエンドエフェクタとしてのワーク把持装置3によりワーク7を把持し、このワーク7の第2の穴72の外部開口部74にバリ取り装置が具備する棒状のバリ取り工具6が挿入されるとともに、このバリ取り工具6の軸線61がワーク7の第2の穴72の軸線62に対して傾斜するよう、バリ取り工具6に対してワーク7の位置および姿勢を変化させるべく多関節ロボット2を動作させることが可能になる。そして、係る多関節ロボット2の動作により、第2の穴72の外部開口部74から棒状のバリ取り工具6が挿入されるとともに、このバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させ、これにより、棒状のバリ取り工具6の切削部が第2の穴72の内部開口部73に接触し、この内部開口部73に生じたバリ75を除去することができるようになる。
本発明によれば、外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク7における交差穴のバリ取り方法において、第2の穴72の外部開口部74から棒状のバリ取り工具6を挿入するとともに、このバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させるようにしたので、棒状のバリ取り工具6の切削部が第2の穴72の内部開口部73に接触し、この内部開口部73に生じたバリ75を除去することができるものとなった。
また、本発明によれば、アーム先端にワーク把持装置3を具備する多関節ロボット2と、バリ取り工具6を回転駆動可能にするスピンドル装置5を具備するバリ取り装置4と、を有し、前記バリ取り工具6を前記ワーク把持装置3が把持したワーク7の前記外部開口部74から挿入するとともに、前記バリ取り工具6の軸線61を前記第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより、前記内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにした交差穴のバリ取り用ロボットシステムとしたので、多関節ロボット2の動作によりバリ取り工具6に対してワーク7の位置および姿勢を様々に変化させることが可能になり、よって内部開口部73の様々な部位にバリ75が発生している場合でも、これらをすべて除去することが可能になった。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る交差穴のバリ取り方法の概念を示す図であり、(a)図は交差穴を有するワーク7の外形図、(b)図は交差穴に生じたバリ75をバリ取り工具6により除去する様子を示した説明図である。また、図2は、本実施形態に係る交差穴のバリ取り用ロボットシステムの全体構成図である。
まず、図2を参照して、本実施形態に係る交差穴のバリ取り用ロボットシステムの構成について説明する。設置面1の上には多関節ロボット2が配置され、この多関節ロボット2のアーム先端にはワーク7を把持することが可能にされたエンドエフェクタとしてのワーク把持装置3が設けられている。また、設置面1の上には多関節ロボット2のワーク把持装置3が接近可能な位置にスピンドル装置5を備えたバリ取り装置4が配置され、スピンドル装置5の先端にはバリ取り工具6が回転駆動可能に装着されている。
ここで、前述した構成についてさらに詳述する。前述した多関節ロボット2は、設置面1上に固定載置された固定ベース21と、この固定ベース21に載置されるとともに設置面1に対して垂直な軸回りに固定ベース21に対して旋回可能にされた旋回フレーム22と、この旋回フレーム22に連結されるとともに設置面1に対して水平な軸回りに旋回フレーム22に対して傾動可能にされた前後軸アーム23と、この前後軸アーム23に連結されるとともに設置面1に対して水平な軸回りに前後軸アーム23に対して傾動可能にされた上下軸アーム24と、この上下軸アーム24の先端に連結されるとともにR軸、B軸、T軸の3軸の自由度を有する手首部25とから構成され、さらにこの手首部25にはワーク7を把持可能にされた前述したエンドエフェクタとしてのワーク把持装置3が設けられている。これにより、多関節ロボット2は、全体として6軸の自由度を有する垂直多関節型のロボットとなっており、そのアーム先端に把持されたワーク7は多関節ロボット2の動作可能範囲内においてあらゆる位置および姿勢をとることが可能となっている。
また、前述したバリ取り装置4は、多関節ロボット2と共通の設置面1に立設した支持台41と、この支持台41の上端に多関節ロボット2の方向に延設された取り付け具42と、この取り付け具42に取り付けられたスピンドル装置5と、このスピンドル装置5に回転可能に取り付けられた棒状のバリ取り工具6とから構成されている。このバリ取り工具6は、図1(b)に示すように、その外径は第2の穴72の内径よりも小さくされているとともに、その棒状の先端部から長手方向の中程まで研削部が設けられており、スピンドル装置5が回転駆動して前述の研削部がバリと接触することによりバリの除去が行われるようにされている。なお、この棒状のバリ取り工具6は、その長手方向の軸線61が設置面1に対して垂直となるように、すなわちその先端が鉛直下向きとなるようにスピンドル装置5に取り付けられている。また、スピンドル装置5は外部より供給される圧縮空気を駆動源とするエアスピンドルとしている。
また、本実施形態に係る被加工物(バリ取りの対象物)としてのワーク7は、図1に示すように、外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように第1の穴71の内面に交差するようにされた交差穴を有する形態となっている。詳細には、第1の穴71はワーク7の水平方向に貫通して明けられており、一方、第2の穴72はその外部開口部74から第1の穴71と交差する内部開口部73まで垂直方向(第2の穴72の軸線62の方向)に明けられている。これら第1の穴71および第2の穴72の加工においては、長軸ドリルを用いて第1の穴71を穿設した後、この第1の穴71と直交する方向にドリルを切り込ませて第2の穴72を穿設するようにしているので、第2の穴72を穿設したときに、第1の穴71と第2の穴72との交差部において、ドリルの切り込み出口となる第2の穴72の内部開口部73にバリ75が発生している。
次に、図1および図2を参照して、本実施形態に係る交差穴のバリ取り方法について説明する。前工程、例えば第1の穴71と第2の穴72の穴明け工程から送られてきたワーク7は、図示しないワーク載置台またはコンベア上に載置されており、このワーク7を、多関節ロボット2を動作させることによりそのアーム先端に具備するワーク把持装置3により把持させる。そして、さらに多関節ロボット2を動作させることにより、把持されたワーク7はバリ取り装置4が具備するバリ取り工具6の真下に移動される。なお、この移動の途中には、前述した多関節ロボット2の手首部25の3軸(R軸、B軸、T軸)を動作させることにより、ワーク7の姿勢はその外部開口部74が上面になるように、より具体的には、その先端が鉛直下向きとなるようにスピンドル装置5に取り付けられているバリ取り工具6の先端にワーク7の外部開口部74が対向するように配置される。これにより、図1(b)において、バリ取り工具6の軸線61と第2の穴72の軸線62とは略同軸となるように、ワーク7の位置および姿勢がとらされることになる。
次に、多関節ロボット2を動作させることにより、これに把持されたワーク7が上昇し、これによりその外部開口部74からバリ取り工具6が第2の穴72の内部に挿入され、上昇はバリ取り工具6の先端がワーク7の内部開口部73を過ぎた時点で停止される。次いで、手首部25の3軸(R軸、B軸、T軸)を動作させることにより、図1(b)に示すように、第2の穴72の軸線62がバリ取り工具6の軸線61に対して傾斜するようにワーク7の姿勢を変化させる。これにより、ワーク7の内部開口部73に発生しているバリ75とバリ取り工具6の切削部とが接触し、バリが除去されることになる。
なお、前述の動作においては、バリの除去はワーク7の内部開口部73の一部に発生しているバリに対してしか行われないことになるが、内部開口部73のその他の部位に発生しているバリの除去についても前述と同様の動作で行えばよい。すなわち、バリ75が存在する内部開口部73の部位にバリ取り工具6の切削部が接触するように、手首部25の3軸(R軸、B軸、T軸)を動作させることにより、第2の穴72の軸線62がバリ取り工具6の軸線61に対して所定の方向(バリ75が存在する方向)に傾斜するようにワーク7の姿勢を変化させるようにすればよい。
さらに、ワーク7の内部開口部73の全部位に渡ってバリ75が発生しているような場合は、ワーク7の内部開口部73とバリ取り工具6の切削部との前述した接触状態を保ったまま、内部開口部73の全部位に渡ってバリ取り工具6の切削部が順次接触していくように、例えばワーク7の姿勢を円錐状の軌跡で変化させるように、手首部25の3軸(R軸、B軸、T軸)を動作させるようにすればよい。
以上の動作によりワーク7の内部開口部73に発生しているすべてのバリ75の除去作業が終了すると、手首部25の3軸(R軸、B軸、T軸)を動作させることにより、バリ取り工具6の軸線61と第2の穴72の軸線62とが略同軸となるようにワーク7の姿勢をとらせた後、すなわちバリ取り工具6と第2の穴72の内面とが干渉しないようにした後、多関節ロボット2が動作することによりワーク7を下降させ、バリ取り工具6を第2の穴72から抜き出す。しかる後、ワーク7を把持した状態にある多関節ロボット2は、ワーク7を後工程、例えば洗浄工程に送るために、図示しないワーク載置台やコンベア上にワーク7を載置し、これにより一連のバリ取り工程を終了することになる。
なお、前述した一連のバリ取り工程においては第2の穴72が一つだけのものについて説明したが、前述した方向切換弁としてのソレノイドバルブを構成するバルブケースのように第2の穴72が複数個存在するワークに対しても、前述した一つの穴に対するバリ取り作業を繰り返すことにより容易に対処することができる。
また、以上述べた一連のバリ取り工程においては、ワーク7とバリ取り工具6との姿勢を含む相対的な位置関係を動作制御するわけであるが、本実施形態においては固定設置されたバリ取り工具6の位置や姿勢は不変であるから、多関節ロボット2に把持されたワーク7の位置や姿勢を変化させることにより、ワーク7とバリ取り工具6との姿勢を含む相対的な位置関係が変化することになる。この多関節ロボット2の動作制御については、多関節ロボット2に対して前述した一連のバリ取り工程を含む所定の教示動作作業(いわゆるティーチング作業)を事前に行わせることにより可能となる。
また、以上述べた一連のバリ取り工程においては、前述したようにバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにしているので、バリ取り工具6の選定については以下の点に留意する必要がある。すなわち、図1(b)に示すようにバリ取り作業中にバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させた際に、バリ取り工具6がワーク7の外部開口部74等のバリ取り対象部位以外の箇所に接触しないように、バリ取り工具6の外径を選定する必要がある点に留意しなければならない。このバリ取り工具6の外径の選定に際しては、第2の穴72の内径および軸方向長さ(第2の穴72の軸線62方向の長さ)に加えて、バリ75を除去するために必要なバリ取り工具6の傾斜の度合い(傾斜角)を考慮する必要がある。例えば、第2の穴72についてその内径が大きく軸方向長さが短いような場合はバリ取り工具6の外径は比較的大きくできるが、その一方、第2の穴72についてその内径が小さく軸方向長さが長いような場合はバリ取り工具6の外径は可能な限り小さくする必要がある。
ところで、前述した実施形態においては、内部開口部73に生じたバリ75を除去する際には、外部開口部74が上面になるようにワーク7を配置するようにしていたが、係る構成としたことにより以下の利点がある。すなわち、係る構成としたことにより、上面になった外部開口部74から挿入された棒状のバリ取り工具6により内部開口部73に生じたバリ75を除去する際には、除去されたバリは第1の穴71の第2の穴72との交差部上に落下し堆積することになる。そのため、バリ取り中に、バリ取り工具6を挿入している第2の穴72とバリ取り工具6との間隙に除去されたバリが噛み込むといった事態は生じなくなるので、バリ取り工具6やワーク7が損傷するといった不具合を回避することができるとともに、バリ取り工具6の寿命を延ばすことができるという利点がある。
さらに、係る構成においては、前述したように除去されたバリが第1の穴71の交差部上に堆積することになるわけであるから、この時点において除去されたバリがワーク7の外部に飛散することはなく、したがって、このバリ取り工程自体においては除去されたバリを収集するための付帯設備を別途設ける必要はなくなるという利点もある。例えば、このバリ取り工程を含む生産ラインがバリ取り工程の後工程として洗浄工程を有するものであった場合は、除去されたバリを第1の穴71の交差部上に堆積させた状態のままでワーク7を後工程である洗浄工程に搬送できるので、第1の穴71の交差部上に堆積した除去済みのバリはこの洗浄工程においてワーク7から排出されることになり、よってバリ取り工程自体においては除去されたバリを収集するための付帯設備は必要ないことになる。
また、前述した実施形態においては、バリ取り工具6はこれを回転駆動可能にするスピンドル装置5を具備するバリ取り装置4に設けるようにしていたが、係る構成としたことにより以下の利点がある。すなわち、係る構成としたことにより、バリ取り装置4を構成する支持台41や取り付け具42などの構造物の剛性を十分に確保するようにすれば、バリ取り作業中にバリ取り工具6が受ける加工反力に十分に対処できるものとなり、その結果、バリ取り作業において高い精度を確保できるという利点がある。
以上のように、本実施形態によれば、第1の穴71の内面に外部開口部74を有する第2の穴72が内部開口部73を形成するように交差する交差穴を有するワーク7における交差穴のバリ取り方法において、第2の穴72の外部開口部74から棒状のバリ取り工具6を挿入するとともに、このバリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させるようにしたので、棒状のバリ取り工具6の切削部が第2の穴72の内部開口部73に接触し、この内部開口部73に生じたバリ75を除去することができるものとなった。
また、本実施形態によれば、アーム先端にワーク把持装置3を具備する多関節ロボット2と、バリ取り工具6を回転駆動可能にするスピンドル装置5を具備するバリ取り装置4と、を有し、バリ取り工具6をワーク把持装置3が把持したワーク7の外部開口部74から挿入するとともに、バリ取り工具6の軸線61を第2の穴72の軸線62に対して傾斜させることにより、内部開口部73に発生しているバリ75を除去するようにした交差穴のバリ取り用ロボットシステムとしたので、多関節ロボット2の動作によりバリ取り工具6に対してワーク7の位置および姿勢を様々に変化させることが可能になり、よって内部開口部73の様々な部位にバリ75が発生している場合でも、これらをすべて除去することが可能になった。
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、前述した実施形態においてはスピンドル装置5は外部より供給される圧縮空気を駆動源とするエアスピンドルとしていたが、本発明は係る形態に限定されるものではなく、例えば電力により動作する汎用モータやサーボモータ等の電気モータを駆動源とするスピンドル装置であってもよい。
また、前述した実施形態においては多関節ロボット2は垂直多関節型のものであったが、本発明は係る形態に限定されるものではなく、把持したワーク7の位置や姿勢を変化させることが可能なものであれば、具体的には、バリ取り工具6を第2の穴72に挿入している状態においても、バリ取り工具6の軸線61に対して第2の穴72の軸線62を様々な角度に傾斜させることが可能なものであれば、垂直多関節型以外の構造の多関節ロボットであってもよい。
また、前述した実施形態においては多関節ロボット2は設置面1に固定設置されていたが、本発明は係る形態に限定されるものではなく、例えば多関節ロボット2が図示しない走行装置上を移動可能にされた形態であってもよい。詳細には、本実施形態のような内部に交差穴を有するワーク7の生産ラインにおいては、一般に、第1の穴71および第2の穴72の穴明け工程や加工後のワーク7を洗浄する洗浄工程を有している。近年の生産ラインの自動化の流れにともない、各工程間のワークの搬送には前述した多関節ロボット2のような産業用ロボットが使用されるようになってきている。係るワーク搬送用の産業用ロボットでは、一般に前述したワーク把持装置3のようなワーク7を把持するエンドエフェクタを有している。したがって、穴明け工程や洗浄工程を有するとともに各工程間のワーク7の搬送に産業用ロボットを既に使用している生産ラインにおいて、前述した本実施形態に係る構成を適用してバリ取り作業を自動化する場合は、例えば以下のようにすればよい。
すなわち、穴明け工程を行う穴明け装置と洗浄工程を行う洗浄装置との間に前述したバリ取り装置4を配置し、さらにこれら穴明け装置、バリ取り装置4、および洗浄装置に渡って前述した多関節ロボット2を載置可能にされた走行装置を配置するように生産ラインを構成する。係る構成により、ワーク把持装置3を有する多関節ロボット2は、まず走行装置上を穴明け装置の近傍まで移動し、穴明け工程を終了したワーク7を把持し、このワーク7を把持した状態のまま、走行装置上をバリ取り装置4の近傍まで移動し、前述した一連のバリ取り作業を行い、しかる後、走行装置上を洗浄装置の近傍まで移動し、把持していたワーク7を洗浄装置に渡すよう動作させることができる。したがって、穴明け工程や洗浄工程を有するとともに各工程間のワーク7の搬送に産業用ロボットを既に使用している生産ラインにおいて本実施形態を適用すれば、バリ取り装置4を追加配置するとともに、ワーク7の搬送作業のみを行っていた多関節ロボット2に対して、前述したバリ取り作業を追加して教示(ティーチング)するといった比較的簡単な追加構成により、容易にバリ取り作業の自動化を図ることができる。
また、前述した実施形態においては、第2の穴72にバリ取り工具6が挿入される前にバリ取り工具6の軸線61と第2の穴72の軸線62とを略同軸となるようにし、第2の穴72にバリ取り工具6が完全に挿入された後に第2の穴72の軸線62がバリ取り工具6の軸線61に対して傾斜するようにワーク7の姿勢を変化させるようにしていたが、本発明は係る動作形態に限定されるものではない。例えば、係る動作形態とは逆に、第2の穴72にバリ取り工具6が挿入される前に第2の穴72の軸線62がバリ取り工具6の軸線61に対して傾斜するようにワーク7の姿勢を変化させ、しかる後に第2の穴72にバリ取り工具6が挿入されるような動作形態とすることも可能である。ただし、係る動作形態の場合は、第2の穴72の軸線62に対して傾斜して挿入されるバリ取り工具6が、その挿入過程において第2の穴72の内面等のバリ75が発生している部位以外の箇所に接触しないようにする必要がある。
このように、バリ取り工具6の第2の穴72への挿入過程において、バリ75が発生している部位以外の箇所にバリ取り工具6が接触しないようにワーク7の位置および姿勢を変化させるという前提であれば、第2の穴72の軸線62がバリ取り工具6の軸線61に対して傾斜するようにワーク7の姿勢を変化させる動作は、バリ取り工具6が第2の穴72に挿入される前であってもよいし、後でもよいし、その途中であってもよいことになる。
本実施形態に係る交差穴のバリ取り方法の概念を示す図であり、(a)図は交差穴を有するワーク7の外形図、(b)図は交差穴に生じたバリ75をバリ取り工具6により除去する様子を示した説明図である。 本実施形態に係る交差穴のバリ取り用ロボットシステムの全体構成図である。
符号の説明
1 設置面
2 多関節ロボット
21 固定ベース
22 旋回フレーム
23 前後軸アーム
24 上下軸アーム
25 手首部
3 ワーク把持装置
4 バリ取り装置
5 スピンドル装置
6 バリ取り工具
61 バリ取り工具6の軸線
62 第2の穴72の軸線
7 ワーク
71 第1の穴
72 第2の穴
73 第2の穴72の内部開口部
74 第2の穴72の外部開口部
75 バリ

Claims (5)

  1. 外部開口部(74)を有する第2の穴(72)が内部開口部(73)を形成するように第1の穴(71)の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク(7)における交差穴のバリ取り方法において、
    前記外部開口部(74)から棒状のバリ取り工具(6)を挿入するとともに、前記バリ取り工具(6)の軸線(61)を前記第2の穴(72)の軸線(62)に対して傾斜させることにより、前記内部開口部(73)に発生しているバリ(75)を除去するようにしたことを特徴とする交差穴のバリ取り方法。
  2. 前記バリ(75)を除去する際には前記外部開口部(74)が上面になるように前記ワーク(7)を配置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の交差穴のバリ取り方法。
  3. 前記ワーク(7)はアーム先端にワーク把持装置(3)を具備する多関節ロボット(2)により把持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の交差穴のバリ取り方法。
  4. 前記バリ取り工具(6)はこれを回転駆動可能にするスピンドル装置(5)を具備するバリ取り装置(4)に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の交差穴のバリ取り方法。
  5. 外部開口部(74)を有する第2の穴(72)が内部開口部(73)を形成するように第1の穴(71)の内面に交差するようにされた交差穴を有するワーク(7)における前記内部開口部(73)に発生しているバリ(75)を除去するようにした交差穴のバリ取り用ロボットシステムにおいて、
    アーム先端にワーク把持装置(3)を具備する多関節ロボット(2)と、
    バリ取り工具(6)を回転駆動可能にするスピンドル装置(5)を具備するバリ取り装置(4)と、
    を有し、
    前記バリ取り工具(6)を前記ワーク把持装置(3)が把持した前記ワーク(7)の前記外部開口部(74)から挿入するとともに、前記バリ取り工具(6)の軸線(61)を前記第2の穴(72)の軸線(62)に対して傾斜させることにより、前記内部開口部(73)に発生しているバリ(75)を除去するようにしたことを特徴とする交差穴のバリ取り用ロボットシステム。
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