血管及びその周辺の組織のイメージを生成するのに用いる、その他の映像技術には、光結合による断層撮影法(OCDR)がある。OCDRを用いて血管のイメージを生成する場合、ファイバー・オプティック・カテーテルを血管内に挿入する。ファイバー・オプティック・カテーテルの基部は、OCDRシステムに結合されている。OCDRシステム内において、レーザは、ソース・ビームを生成する。ビーム・スプリッタは、上記ソース・ビームを基準光ビーム及びサンプル光ビームに分ける。基準光ビームは、回析格子により回析光ビームへと回析される。サンプル光ビームは、上記ファイバー・オプティック・カテーテルを通り、上記カテーテルの終端部で血管内において発信する。一般的に、カテーテルの終端部は、サンプル光ビームを血管内に向けるプリズムを備える。サンプル光ビームの一部は、血管及び周辺の組織よりカテーテルの終端部に反射して戻ってくる。反射されたサンプル光ビームは、ファイバー・オプティック・カテーテルを介してOCDRシステムに搬送される。OCDRシステムにおいて、反射されたビームは、回析光ビームと結合され、光検出器のアレイにより検出されるコヒーレンス・ドメイン干渉パターンを生成する。
結果として生じる上記干渉パターンは、イメージ明度情報及びイメージ深度情報の両方を備える。イメージ明度情報は、干渉パターンの明るさから得られる。イメージ深度情報は、上記干渉パターンの空間的な位置により得られる。これは、構造上、体のある深さから反射してカテーテルに帰還してくるサンプル光ビームの一部が、ある空間的な位置にある回析光ビームに干渉するためである。一般的に、フォトアレイを用いる光検出器は、干渉パターン内の空間的な位置における当該干渉パターンの明度を検出できるように配列される。このように、各光検出器の出力は、ある値を持つイメージ深度用にイメージ明度情報を生成する。フォトアレイは、並列に設けられ、各光検出器の出力に対応する複数のチャンネルを出力する。フォトアレイの上記並列に出力される複数のチャンネルは、血管及びその周辺の組織のイメージを生成するために、OCDRイメージ処理装置に入力される。
上述したOCDRシステムの利点は、光検出器のアレイが、多重イメージ深度におけるイメージ明度情報を、瞬時に取得できることである。このことは、OCDRシステムが、映像信号のレート、例えば、毎秒30フレームのイメージを生成することを可能にする。
光結合による断層撮影法(OCT)は、光学的なイメージ生成技術であり、上記技術は、身体に影響を与えることなく、微細な生物学上の構造の断面を得るものである。OCTは、超音波によるイメージ作成処理に似ているが、音でなく、後方拡散された赤外線の強度を測定するものである。OTCは、高速ファイバー・オプティックを用いることにより実行され、上記高速ファイバー・オプティックは、カテーテルを用いて血管組織内をイメージするのに用いるファイバー・オプティック・内視鏡を接続するOCT互換機を形成するものである。
機械的なOCTシステムは、圧電材の取り付けられているミラーを用いて、イメージ深度の情報を機械的に取得する。しかし、これらのシステムの速度は、大きさ、圧電材の電気機械特性、及び、走査に必要な一定速度等の機械的な要因により制限される。これらの制限は、走査レートを、映像信号のレートよりもかなり遅い、換言すれば、リアルタイムで見ることのできないものにする。
OCTシステムにより生成される回析格子において、イメージ深度の情報は、連続する段々のミラーを備える回析格子を横切るビーム光により空間的に変換される。各“ミラー”は、深度に関する多数のポイントからの情報を生成するサンプルより反射されてくる光を空間的に作用させる。並列に得られる深度情報は、並列に設けられている受光素子により電気的に取得される。機械的なOCTシステムでは無く、高速な電気処理装置を用いる場合、OCTシステムは、映像信号のレートで回析格子を生成することができる。しかし、回析格子を生成するOCTシステムでは、多くの平行に並ぶ電気チャンネルを必要とする。当該多くの電気チャンネルは、大きく、複雑で、電力を必要とする。
これゆえ、OCTシステムでは、依然として、1つの電気チャンネルが映像信号の走査速度に対応することを必要としている。
本発明は、多重周波数変調信号にイメージ深度の情報を載せた検出信号を出力するOCDRシステムに関するものである。上記変調周波数の各々は、好ましくは、異なるイメージ深度に対応するものである。
第1に、本発明のOCDRシステムでは、多重周波数変調信号にイメージ深度情報を載せた検出信号を出力する。上記変調周波数の各々は、異なるイメージ深度の情報に対応する。
第2に、本発明のOCDRシステムでは、多重周波数変調信号にイメージ深度情報を載せた検出信号を出力する。上記イメージ深度情報は、所望の変調周波数に同調させることにより上記検出信号から抽出することができる。
第3に、本発明のOCDRシステムでは、多くの周波数変調信号を結合した信号を用いる。各周波数変調信号は、異なる面のイメージに対応する。
第4に、本発明のOCDRシステムでは、多くの周波数変調信号を結合した信号を用いる。各周波数変調信号は、異なるイメージ深度に対応する。
第5に、本発明のOCDRシステムでは、個々の光検出器の上に結合光ビームを合焦させることができる。
第6に、本発明のOCDRシステムでは、アバランシュ・モード・フォトダイオードを用いることができる。
第7に、本発明のOCDRシステムでは、ファイバー・オプティックから自由空間に光が漏れない多重変調器を用いた干渉計を有する。
第8に、本発明の体組織のイメージ生成方法は、イメージ深度情報を、周波数変調により信号に載せる工程と、当該信号を出力する工程とで構成される。
第9に、本発明の体組織のイメージ生成方法は、イメージ深度の情報を周波数変調により信号に載せる工程と、当該信号を出力する工程とで構成される。ここで、各変調周波数は、異なるイメージ深度情報に対応する。
第10に、本発明の体組織のイメージ生成方法は、多くの周波数変調信号を結合した信号を用意する工程で成る。ここで、各変調周波数は、異なる面のイメージに対応するものである。
第11に、本発明の体組織のイメージ生成方法は、多くの変調周波数信号を結合した信号を用意する工程で成る。ここで、各変調周波数信号は、異なるイメージ深度に対応するものである。
第12に、本発明の体組織のイメージ生成方法では、1個の光検出器の上に結合光ビームを合焦できるようにする。
第13に、本発明の体組織のイメージ生成方法では、アバランシュ・モード・フォトダイオードを利用することができる。
第14に、本発明の体組織のイメージ生成方法では、ファイバー・オプティックから自由空間に光を漏らさない多重変調器を用いた干渉計を用いる。
上記何れか1つの発明を含む発明、又は、これらの発明の組み合わせでなる発明。
本発明にかかる、他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下に添付する図面及び明細書の記載より当業者により明らかにされるであろう。上記追加のシステム、方法、特徴及び利点は、本明細書に含まれ、発明の内容に含有され、添付の請求の範囲の記載により保護される。
制御ロジックは、単一FIFOメモリバッファから出力されるデータ形式を、超音波コンソールのディジタル入力端子のデータ形式に変換することができる。
図1は、OCDRシステムと、超音波コンソールとを接続する電子インターフェースの実施例を示す図である。電子インターフェース・システムは、OCDRシステムの多重チャンネル・フォトアレイ10、及び、超音波コンソール12の間に結合される。フォトアレイ10は、多くの光検出器(図示せず)、例えば、256個の光検出器で構成される。各フォトアレイ10の光検出器は、ある値を持つイメージ深度に対するイメージ明度情報を持つ信号を出力する。光検出器には、フォトダイオードや電荷結合素子(CCD)等が用いられる。フォトアレイは、並列に並び、個々の光検出器の出力に対応する多数のチャンネルを出力している。
電子インターフェースは、多くのチャンネル処理装置15−1〜15−nを備えており、各チャンネル処理装置15−1〜15−nには、フォトアレイ10より並列に出力される多くのチャンネルの1つが接続されている。各チャンネル処理装置15−nは、アナログ処理装置20−n、A/Dコンバータ(アナログ/ディジタル・コンバータ)25−n、及び、先入れ先だし(FIFO)メモリバッファ30−nで構成される。簡単化のため、参照番号15−nで各チャンネル処理装置15−1〜15−nを表し、参照番号20−nで各アナログ処理装置20−1〜20−nを表し、参照番号30−nでFIFOメモリバッファ30−1〜30−nを表す。また、電子インターフェースは、チャンネル処理装置15−nのFIFOメモリバッファ30−nの各々の出力に結合されているデータバス35を含有している。電子インターフェースは、更に、データバス35に結合している単一FIFOメモリバッファ40、単一FIFOメモリバッファ40に結合しているD/Aコンバータ(ディジタル/アナログ・コンバータ)45、及び、コントローラ55を含有している。D/Aコンバータ45の出力は、超音波コンソール12の入力に結合している。また、コントローラ55は、A/Dコンバータ25−1〜25−n、FIFOメモリバッファ30−1〜30−n、単一FIFOメモリバッファ40、及び、D/Aコンバータ45に結合されている。超音波コンソール12及びコントローラ55は、超音波許容インターフェースユニット(PIU)の超音波モータ・エンコーダ50に結合されている。超音波モータ50は、例えば、130μs間隔の復号パルス信号を超音波コンソール12及びコントローラ55に出力する。コントローラ55は、受け取った復号パルス信号を用いて、超音波コンソール12で用いる電子インターフェースの作業を同期させる。
処理中、フォトアレイ10の各光検出器は、フォトアレイ10の並列に設けられている多くのチャンネルの1つに流れ込む信号を出力する。並列に設けられている多くのチャンネルの出力する各信号は、カテーテルに関して得られる、ある値を持つイメージ深度用のイメージ明度情報を伴うものである。電子インターフェースの各チャンネル処理装置15−nは、フォトアレイ10の並列に設けられているチャンネルの出力の1つを処理するものである。各チャンネル処理装置15−nのアナログ処理装置20−nは、対応する並列に設けられているチャンネル出力信号に対してアナログ処理を実行する。上記アナログ処理には、電流から電圧への変換、信号増幅、帯域フィルタリング、対数増幅、及び/又は、他の機能を含有する。対数増幅は、チャンネル処理装置15−n内の信号を、対数を用いて信号のダイナミックレンジ、例えば、100dBにまで増幅するように変換する。各アナログ処理装置20−nの出力は、対応するA/Dコンバータ25−nに結合されている。
コントローラ55がモータ・エンコーダ50から最初の復号パルス信号を受け取った時、コントローラ55は、各A/Dコンバータ25−nに、アナログ処理装置20−nから受け取ったアナログ信号を、予定時間、例えば、100μmの間に、ディジタル化するように指示する。この時間中、各A/Dコンバータ25−nは、生成したディジタルデータを、対応するFIFOメモリバッファ30−nに書き込む。上記予定時間の終わりに、コントローラ55は、チャンネル処理装置15−1〜15−nのFIFOメモリバッファ30−1〜30−nに対して、データバス35を介して、単一FIFO40に、連続してディジタルデータの書き込みを行うように指示する。好ましくは、コントローラ55は、より深いイメージ深度に対応するチャンネル処理装置15−1〜15−nのFIFOメモリバッファ30−1〜30−nよりも前に、浅いイメージ深度に対応するチャンネル処理装置15−1〜15−nのFIFOメモリバッファ30−1〜30−nに対して、単一FIFOメモリバッファ40にディジタルデータを書き込むように指示する。当該方法により、チャンネル処理装置15−1〜15−nからのデータは、イメージ深度の増加順にFIFOメモリバッファ40に書き込まれる。
コントローラ55は、モータ・エンコーダ50から(次に出力される)第2の復号パルス信号を受け取った時、コントローラ55は、単一FIFOメモリ40に格納している,直前の復号パルス信号のデータを、D/Aコンバータ45に出力するように指示する。好ましくは、単一FIFOメモリバッファ40は、D/Aコンバータ40にディジタルデータを出力する。好ましくは、単一FIFOメモリバッファ40は、ディジタルデータを、イメージ深度の増加順に並べられているディジタルデータを、連続するディジタルデータの形式で、D/Aコンバータ40に出力する。D/Aコンバータ45は、単一FIFOメモリバッファ40からの連続するディジタルデータを、アナログ信号に変換し、超音波コンソール12に出力する。
また、第2の復号パルス信号が出力されている間、コントローラ50は、チャンネル処理装置15−nのA/Dコンバータ25−nの各々に次の組のディジタルデータを要求するように指示する。上記次の組のディジタルデータは、第3の復号パルス信号が出力されている間、超音波コンソール12に連続して出力される。各復号パルス信号用に、電子インターフェースは、超音波コンソール12に、第1の復号パルス信号において要求されていたイメージ深度の情報を含む,連続するアナログ信号を、出力する。このようにして、電子インターフェースは、各復号パルス信号を、130μm単位で出力する。
D/Aコンバータ45により出力される連続するアナログ信号は、イメージ明度情報及びイメージ深度情報の両方の情報を持つ。イメージ明度情報は、連続するアナログ信号を増幅することにより得られる。イメージ深度情報は、連続するアナログ信号内の時間位置により得られる。連続するアナログ信号の早い時間位置は、連続するアナログ信号の遅い時間位置に比べて、浅いイメージ深度に対応する。これは、連続するアナログ信号が、イメージ深度の浅いものから深い順に並べられた連続するディジタルデータを、変換したものだからである。
D/Aコンバータ40のD/A変換の効率は、連続するアナログ信号が、例えば、8μs等の一般的なエコー信号とほぼ同じ時間長の信号となるように、調整されている。更に、ミキサ(図示せず)、即ち、両側帯域抑制搬送波(DSBSC)ミキサ又はこれに類するミキサは、連続するアナログ信号の周波数を、当該信号が超音波コンソール12に入力される前に調整、即ち変換する。例えば、ミキサは、連続するアナログ信号の周波数を、超音波コンソール12が受け付ける一般的なエコー信号の周波数に変換する。
この結果、電子インターフェースは、OCDRシステムのフォトアレイ10の並列に設けられたチャンネルの出力を、連続するアナログ信号に変換する。連続するアナログ信号は、超音波変換器のエコー信号と同じであり、一般的なエコー信号と同じ手法によりイメージ明度情報とイメージ深度情報を搬送するものである。これにより、超音波コンソール12は、電子インターフェースにより出力された連続するアナログ信号を、イメージに変換することができる。更に、連続するアナログ信号の時間長及び周波数は、超音波コンソール12の受け付ける一般的なエコー信号の時間長及び周波数となるように調整される。
図2は、別の実施例にかかる電子インターフェースを示す図である。この実施例の電子インターフェースは、OCDRシステムの多重チャンネル・フォトアレイ10と、ディジタル入力端子を備える超音波コンソール212との間に結合されている。ディジタル入力端子により、超音波コンソール212は、D/Aコンバータでディジタル化されたエコー信号を受け取ることができる。超音波コンソール212のディジタル入力端子は、例えば、VME(Versa Module Eurocard)バス、及び/又は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスによりディジタルデータを受け取る。
別の実施例にかかる電子インターフェースは、D/Aコンバータ45の場所に制御ロジック210を備える。超音波コンソール212がディジタル入力端子を備えているため、D/Aコンバータ45は不要である。制御ロジック210は、単一FIFOメモリバッファ40の出力、及び、超音波コンソール212のディジタル入力端子に接続されている。
制御ロジック210は、単一FIFOメモリバッファ40から、一連のディジタルデータを、超音波コンソール212のディジタル入力端子に搬送する。好ましくは、制御ロジック210は、ある一連のディジタルデータをモータ・エンコーダ50の各復号パルス信号に変換する。超音波コンソール212がPCIバスを用いる場合、制御ロジック210は、また、単一FIFOメモリバッファ40から出力されるデータ形式を、超音波コンソール212のディジタル入力端子のデータ形式に変換するように働く。
また、実施例にかかる超音波コンソール212は、電子インターフェースより受け取った一連のディジタルデータを解析するためのソフトウェアにより機能するモジュールを含有する。例えば、一連のディジタルデータにおけるディジタルデータは、イメージ深度が増える順に並んでおり、ディジタルデータの異なる位置は、異なるイメージ深度に対応する。この例では、ソフトウェにより機能するモジュールは、そのイメージ深度に応じて、一連のディジタルデータの中に置かれる。ディジタルデータ、及び、そのイメージ深度は、超音波コンソール212の超音波処理装置に出力され、イメージが形成される。
図3は、更に別の実施例にかかる電子インターフェースを示す図である。当該実施例の電子インターフェースは、OCDRシステムのマルチプレックス・フォトアレイ308と、超音波コンソール212との間に接続されている。マルチプレックス・フォトアレイ308は、多くの光検出器(図示せず)、例えば、256個の光検出器で構成される。マルチプレックス・フォトアレイ308の各光検出器は、ある値を持つイメージ深度用のイメージ明度情報を備えた信号を出力する。実施例にかかるマルチプレックス・フォトアレイ308は、更に、チャンネル出力端子310、及び、コントロール信号の入力端子312を含有する。マルチプレックス・フォトアレイ308の各光検出器の出力端子は、スイッチング・ネットワーク(図示せず)を介してダイナミックに結合されている。上記スイッチング・ネットワークは、特定の時間に、光検出器の1つの出力を、チャンネル出力310に結合するよう構成されており、コントロール入力端子312により制御される。
電子インターフェースは、マルチプレックス・フォトアレイ308のチャンネル出力310に接続されているチャンネル処理装置315を含有している。チャンネル処理装置315は、アナログ処理装置320及びA/Dコンバータ325を備えている。また、電子インターフェースは、RAMメモリやこれに類するメモリであって、A/Dコンバータ325の出力に接続されているメモリバッファ320を含有している。メモリバッファ330の出力は、上記電子インターフェースのデータバス35に接続されている。電子インターフェースのコントローラ55は、マルチプレックス・フォトアレイ308のコントロール信号の入力端子312に接続されている。また、コントローラ55は、A/Dコンバータ325、メモリバッファ330、D/Aコンバータ45、単一FIFOメモリ40、及び、モータ・エンコーダ50に接続されている。
コントローラ55がモータ・エンコーダ50から第1復号パルス信号を受け取った時、コントローラ55は、マルチプレックス・フォトアレイ308のスイッチング・ネットワークに、各光検出器の出力信号をチャンネル出力端子310に連続して出力するように指示する。チャンネル処理装置315のアナログ処理装置320は、図1に示したアナログ処理装置20−nと同じ手順で、チャンネル出力端子310の信号処理を行う。コントローラ55は、A/Dコンバータ325に対して、アナログ処理装置320の出力を、ディジタル信号に変換するように指示する。好ましくは、コントローラ55は、マルチプレックス・フォトアレイ308のスイッチング・ネットワークとA/Dコンバータ325とのタイミングを調節して、A/Dコンバータ325が各光検出器から少なくとも1つのデータを受け取れるようにする。A/Dコンバータ325は、生成したディジタルデータをメモリバッファ330に書き込む。好ましくは、メモリバッファ330は、受け取ったディジタルデータを、対応するイメージ深度に応じた特定のメモリアドレスに書き込む。メモリバッファ330は、例えば、イメージ深度の増加又は減少に応じて並ぶ光検出器の信号を連続して出力するマルチプレックス・フォトアレイ308のスイッチング・ネットワークにより、ディジタルデータのイメージ深度を特定する。換言すれば、スイッチング・ネットワークは、イメージ深度の浅い方から順に、深い方に対応するように、光検出器の信号を出力する。
メモリバッファ330は、ディジタルデータをデータバス35を介して単一FIFOメモリバッファ40に、イメージ深度の増加する順序で連続して出力する。コントローラ55がモータ・エンコーダ50から(次の)第2復号パルス信号を受け取った時、第1復号パルス信号において要求されたディジタルデータは、図1に示した電子インターフェースと同じ手法により連続して超音波コンソール12に出力される。ディジタル入力端子を備える超音波コンソール12の場合、ディジタルデータは、図2に示した電子インターフェースと同じ手法により、D/Aコンバータ45を用いることなく超音波コンソール12に出力することができる。
この実施例における電子インターフェースの利点は、マルチプレックス・フォトアレイ308の出力を処理するチャンネル処理装置325が1つで良いためハードウェア・コストの低減を図ることができることにある。これは、マルチプレックス・フォトアレイ308が、独立して並列に設けられている光検出器の信号の出力の代わりに単一チャンネル310上の光検出器の出力を連続して出力しているためである。
図4は、2つのチャンネルを接続したマルチプレックス・フォトアレイ408を用いる別の実施例の電子インターフェースを示す図である。マルチプレックス・フォトアレイ408は、第1チャンネル出力端子410−1、第2チャンネル出力端子410−2を含有している。マルチプレックス・フォトアレイ408の光検出器の最初の半分の各々は、第1スイッチング・ネットワーク(図示せず)を介して第1チャンネル出力端子410−1にダイナミックに結合されている。マルチプレックス・フォトアレイ408の光検出器の次の半分の各々は、第2スイッチング・ネットワーク(図示せず)を介して第2チャンネル出力端子410−2にダイナミックに結合されている。
図4の電子インターフェースは、第1及び第2チャンネル処理装置315−1,315−2を含有しており、これらは、第1及び第2チャンネル出力端子410−1,420−2に接続されている。各チャンネル処理装置315−1,315−2は、アナログ処理装置320−1,320−2、A/Dコンバータ32501,325−2、及び、メモリバッファ330−1,330−2を含有している。チャンネル処理装置315−1,315−2のメモリバッファ330−1,330−2は、データバス35に接続されている。第1及び第2チャンネル処理装置315−1,315−2は、共通のメモリバッファを共有している。チャンネル処理装置315−1,315−2の各々のA/Dコンバータ325−1,325−2の出力は、共通のメモリバッファに接続されている。
コントローラ55がモータ・エンコーダ50から第1復号パルス信号を受け取った時、コントローラ55は、マルチプレックス・フォトアレイ408の第1スイッチング・ネットワークに、光検出器の最初の半分の各々の出力を、対応する第1チャンネル出力端子410−1に連続して出力するように指示する。同様に、コントローラ55は、マルチプレックス・フォトアレイ408の第2スイッチング・ネットワークに、光検出器の次の半分の各々の出力を、対応する第2チャンネル出力端子410−2に連続して出力するように指示する。チャンネル処理装置315−1,315−2の各々のアナログ処理装置320−1,320−2は、それぞれのチャンネル出力端子410−1,410−2の信号をアナログ処理する。コントローラ55は、各A/Dコンバータ325−1,325−2に、それぞれのアナログ処理装置320−1,320−2の出力信号をディジタル化するように指示する。好ましくは、コントローラ55は、第1スイッチング・ネットワークと、第1チャンネル処理装置315−1のA/Dコンバータ325−1とのタイミング調整を行い、A/Dコンバータ325−1が各光検出器から少なくとも1つのデータを受け取れるようにする。同様に、コントローラ55は、第2スイッチング・ネットワークと、第2チャンネル処理装置315−2のA/Dコンバータ325−2とのタイミング調整を行い、A/Dコンバータ325−2が各光検出器から少なくとも1つのデータを受け取れるようにする。A/Dコンバータ325−1,325−2の各々は、対応するメモリバッファ330−1,330−2にディジタルデータを書き込む。好ましくは、各メモリバッファ330−1,330−2は、上記ディジタルデータをイメージ深度に応じた特定のアドレスに書き込む。
メモリバッファ330−1,330−2は、データバス35を介して単一FIFOメモリバッファ40に連続して、好ましくはイメージ深度が増加する順に、ディジタルデータを書き込む。コントローラ55が、モータ・エンコーダ50から(次の)第2復号パルス信号を受け取った時、第1復号パルス信号に関するディジタルデータは、図1に示した電子インターフェースと同じ手順で、一連のアナログ信号として、超音波コンソール12に出力される。ディジタル入力端子を備える超音波コンソールの場合、上記ディジタルデータは、図2に示した電子インターフェースと同じ手順で、一連のディジタル信号として、超音波コンソール12に出力される。
この実施例の電子インターフェースの利点は、図3に示した電子インターフェースに比べて、より高速なデータの読み出しが可能となることである。これは、本実施例の電子インターフェースが、2つのチャンネルを用いて、マルチプレックス・フォトアレイの2つの分離した出力信号を、同時に処理するためである。このように、電子インターフェースのハードウェア・コストは高くなるが、追加したチャンネル処理装置は、電子インターフェースのデータ読み出し速度を速くすることができる。当業者であれば、マルチプレックス・フォトアレイ及び電子インターフェースがその他のチャンネルを含有し得ることが理解できるであろう。
図5は、改良されたOCDRシステムの実施例を示す図である。OCDRシステムは、レーザ等の光源510、ビームスプリッタ520、ビーム合成器570、及び、多くの光変調器540−1〜540−nを含有する。また、OCDRシステムは、多くの、例えば、256本の光ファイバー545−nで成るオプティカル・ファイバーを含有する。個々の光ファイバー545−nは、各光変調器540−nに結合されている。簡単化のため、参照番号540−nで、各光ファイバーに対応する光変調器を表し、参照番号545−nで、各光ファイバーを表す。光変調器540−nの前段に取り付けた光ファイバーを通る光は、光変調器540−nにより受け取られる前に、自由な領域、即ち、空間に漏れないのが好ましい。回析格子を用いるOCDRシステムでは、光ビームに空間的に情報を載せるのに自由空間を利用するのに対して、この実施例では、好ましくは、光の異なる周波数に情報を載せるため、自由空間を必要としない。光ファイバーから自由空間への変換作業の削除は、ファイバー・オプティックと空間の間の接面における光の損失量を低減するため、システムの効率を改善する。また、光は、変調器540−nから光ファイバー545−nへと伝わるが、好ましくは、自由空間に漏れない。光ファイバー545−nの通路の長さは、多重化された他の光ファイバーと、例えば、20μmだけ異なる。また、OCDRシステムは、ビームスプリッタ520及び光変調器540−nの間に位置する第1光連結器535と、ビームスプリッタ520及びイメージ、例えば、体の一部のイメージについてのサンプル565の間に位置する第2光連結器560とを含む。上記OCDRシステムは、更に、基準光ビーム用の光通路555及びビーム合成器570の間に位置する第3光結合器575と、光検出器585とを含む。光検出器585は、例えば、アバランシュ・フォトダイオードである。
作業中、光源510は、ソースビーム515を生成する。ビームスプリッタ520は、上記ソースビーム515を基準光ビーム525及びサンプル光ビーム530に分割する。分割率は、50%と50%、又は、10%と90%の割合である。分割率が10%と90%の場合、ソースビーム515の10%で基準光ビーム525を生成し、ソースビーム515の90%でサンプル光ビーム530を生成する。サンプル光ビーム530と基準光ビーム525の出力量は、アプリケーションにより決まる。第2光結合器560は、イメージを生成するため、サンプル光ビーム530をサンプル565に向ける。例えば、サンプル565は、血管であり、第2結合器560は、上記サンプル光ビーム530を光ファイバー・カテーテルの端部に結合して、サンプル光ビーム530を血管に搬送する。サンプル光ビーム530の一部は、サンプル565から第2結合器560に反射される。第2結合器560は、反射されてきたサンプル光ビーム530をビームスプリッタ520に向ける。上記反射されたサンプル光ビーム530は、ビームスプリッタ520からビーム合成器570へと反射される。
第1結合器535は、基準光ビーム525を多くのビームに分割し、分割したビームの各々を光変調器540−1〜540−nの各々に結合する。各光変調器540−nは、10MHzの使用周波数の範囲内において、固有の変調周波数でそれぞれのビームを変調する。この実施例では、各光変調器540−nは、リチウム・ニオブ酸塩の水晶である。上記リチウム・ニオブ酸塩の水晶には、それぞれのビームの周波数で変調が行われるように、シヌソイドの電圧が印加される。各光変調器540−nは、オプティカル・ファイバー545−nの1つに周波数変調したビームを出力する。周波数変調されたビームは、それぞれの光ファイバー545−nを通り、例えば、レンズ(図示していない)により周波数変調された基準光ビーム555に併合される。
結果として生じる周波数変調された基準光ビーム555は、各光変調器540−nの変調周波数を包含している。更に、周波数変調された基準光ビーム555の各変調周波数は、わずかに異なる伝播遅延通路長を経ることになる。これは、光変調器540−nからの周波数変調されたビームが、上記周波数変調された基準光ビーム555に併合される前に、異なる長さの光ファイバー545−nを通って伝えられるためである。周波数変調された基準光ビーム555は、基準光ビーム通路555を通って第3光結合器575へと向けられる。第3光結合器575は、周波数変調された基準光ビーム555をビーム合成器570に向ける。ビーム合成器570は、上記周波数変調された基準光ビーム555と反射されてきたサンプル光ビーム530を合成して合成光ビーム580を生成する。結果として生じる合成光ビーム580は、光検出器585の上で、例えば、光学レンズ(図示せず)により合焦される。
合成光ビーム580は、好ましくは、サンプル565のイメージ明度情報及びイメージ深度情報を備えている。イメージ明度情報は、合成光ビーム580の明度により得られる。イメージ深度は、合成光ビーム580の互いに異なる変調周波数により得られる。これは、周波数変調された基準光ビーム555の互いに異なる変調周波数は、光ファイバー545−nの通路長の違いによる伝播遅延通路長を経ることになるためである。この結果として、合成光ビーム580に含まれる深度情報は、変調周波数の関数になる。
光変調器585は、上記合成光ビーム580を検出し、検出信号(図示せず)を出力する。上記検出信号は、多重化されたイメージ深度でのイメージ明度情報を備える。各イメージ深度は、それぞれ異なる変調周波数に対応するものである。これにより、検出信号に包含されたイメージ深度情報は、周知の無線チューナにより所望の変調周波数に同調することにより得られる。これは、掃引発振器及びヘテロダイン放棄の検出器等の標準の検出器を用いることにより達成される。
本実施例におけるOCDRシステムの利点は、光検出器及びフォトアレイの間の空間において、光エネルギーの一部を失うことなく、光検出器の上に、合成光ビーム580の光エネルギーを合焦させることである。更に、上記OCDRシステムでは、通常の受光部品よりも高感度なアバランシュ・モード・ダイオードを用いることができる。
多重周波数変調器を用いることにより、イメージ情報を処理するために構成された電気チャンネルを1つしか必要としない。単一の電気チャンネルの使用は、電子インターフェースのサイズ及び複雑さを大幅に減少及び簡単化するものである。更に、本発明は、映像信号のレート、即ち、認識し得るリアルタイム映像処理といった高速な処理にも対応し得るものである。
図6は、図5のOCDRシステムの光検出器585と超音波コンソール12の間に結合される電子インターフェースを示す図である。電子インターフェースは、OCDRシステムの光検出器585に結合されている広帯域増幅器610、上記広帯域増幅器610の出力端子に結合されている広帯域フィルタ620、及び、上記広帯域フィルタ620の出力に結合されているチューナ640を含有している。例えば、チューナ640は、無線チューナであり、広帯域フィルタ620は、バンドパスフィルタである。チューナ640は、信号線645及び647に接続されている。電子インターフェースは、更に、信号線645を介してチューナ640に結合されているA/Dコンバータ650、及び、A/Dコンバータ650の出力端子に接続されているFIFOメモリ660を含有している。上記FIFOメモリ660の出力端子は、データバス35に結合されている。単一FIFOメモリ40は、データバス35に結合されている。D/Aコンバータ45は、超音波コンソール12に結合されている。超音波コンソール12は、モータ・エンコーダ50に結合されている。本実施例におけるコントローラ55は、モータ・エンコーダ50、チューナ640、A/Dコンバータ650、FIFOメモリ660、D/Aコンバータ45、及び、単一FIFOメモリ40に結合されている。コントローラ55は、信号線647を介してチューナ640の同調周波数を調整する。
処理中、広帯域増幅器610は、光検出器585からの検出信号を増幅し、広帯域フィルタ620に増幅後の信号を出力する。広帯域フィルタ620は、増幅された検出信号の一部、即ち、OCDRシステムがチューナ640に対して用いる変調周波数帯にある信号を通過する。チューナ640は、同時に、検出信号の変調周波数の1つに同調する。
コントローラ55がモータ・エンコーダ50から第1復号パルス信号を受け取った時、コントローラ55は、チューナ640に対してOCDRシステムの全ての変調周波数帯に対して同調周波数を掃引するように指示する。これにより、チューナ640は、検出信号の各変調周波数の各々を連続して同調する。A/Dコンバータ650は、チューナ640から同調された検出信号をディジタル化する。好ましくは、コントローラ55は、チューナ640及びA/Dコンバータ650のタイミングを調節して、A/Dコンバータ650が検出信号の各同調された変調周波数における少なくとも1つのデータが得られるようにする。A/Dコンバータ650は、FIFOメモリ660に生成したディジタルデータを書き込む。好ましくは、A/Dコンバータ650は、FIFOメモリ660にイメージ深度が増加する順にディジタルデータを書き込む。これは、例えば、検出信号の低い変調周波数は、浅いイメージ深度に対応させ、検出信号の高い変調周波数は、深いイメージ深度に対応させておき、チューナ640の同調周波数を低い周波数から高い周波数へと掃引することにより実現される。
FIFOメモリ660は、データバス35を介して、単一FIFOメモリバッファ40に、ディジタルデータを、連続して、好ましくはイメージ深度が増加する順に書き込む。コントローラ55がモータ・エンコーダ50から(次の)第2復号パルス信号を受け取った時、第1復号パルス信号の間に得られたディジタル信号は、図1に示す電子インターフェースと同じ手順で、連続するアナログ形式で、超音波コンソール12に出力される。ディジタル入力端子を備える超音波コンソールの場合、上記ディジタルデータは、図2に示した電子インターフェースを同じ手順で、一連のディジタル信号として、超音波コンソール12に出力される。
図7は、図6に示した電子インターフェースを用いるチューナ640のブロック図である。チューナ640は、信号線647によりコントローラ55に結合されている掃引コントロール730、及び、掃引コントローラ730の出力に結合されている局部発振器740を含有している。上記掃引コントロール730は、信号線647を通じて、コントローラ55からの制御信号に基づいて局部発振器の発振周波数を変化させる。チューナ640は、更に、ミキサ710を含有しており、該ミキサは、発振器740の出力と、広帯域フィルタ620の出力625と、に結合されている。
ミキサ710の出力端子は、ローパスフィルタ720に接続されている整流器712に結合されている。ミキサ710は、ダウンコンバート、即ち、検出信号の変調周波数をミキシング、即ち、発振器740の出力を、広帯域フィルタ620の出力625に掛け合わせることにより低い周波数に変換する。ローパスフィルタ720は、同時に、ダウンコンバート後の検出信号の周波数変調信号の1つを通過させるように構成されている。局部発振器740の周波数は、上記ダウンコンバート後の検出信号の周波数変調信号がローパスフィルタ720を通過するように制御する。これにより、チューナ640は、掃引コントロール730を用いて発振器740の周波数を変更することにより、異なる変調周波数の検出信号に同調させることができる。ローパスフィルタ720は、対数増幅器722に結合されている。
本明細書に記載されている実施例は、例えば、必要に応じて構成要素を増減させるといった修正にも対応することができる。更に、ある実施例に他の実施例を付加することもできるし、必要に応じて削除することもできる。添付の図面及び明細書に記載より、別の実施例を構成するために異なる図面に置き換えても良い。
種々の実施例が記述されたが、当業者であれば、本発明の範囲内において使用できる、他の実施例や装置を想到し得るであろう。従って、本発明は、以下に添付する請求の範囲及びその均等なものに限定されるものではない。
10 多重チャンネル・フォトアレイ、12 超音波コンソール、15−1〜15−n チャンネル処理装置、20−1〜20−n アナログ処理装置、25−1〜25−n A/Dコンバータ、30−1〜30−n FIFOメモリバッファ、35 データバス、40 単一FIFOメモリ、45 D/Aコンバータ、50 モータ・エンコーダ、55 コントローラ、210 制御ロジック、312 マルチプレックス・フォトアレイ、510 光源、520 ビームスプリッタ、530 サンプル光ビーム、535 第1結合器、540−1〜540−n 光変調器、545−1〜545−n 光ファイバー、555 基準光ビーム、560 光結合器、565 サンプル、570 ビーム合成器、580 合成光ビーム、585 光検出器、610 広帯域増幅器、620 帯域フィルタ、640 チューナ、660 FIFOメモリ。