JP2009072152A - 天然型のホスファチジルイノシトールを製造する方法およびそのための改変型ホスホリパーゼd - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定な配列からなるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基が任意のアミノ酸であり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列を含む改変型ホスホリパーゼDまたはその変異体と、原料リン脂質と、イノシトールまたはその誘導体とを反応させて、1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体を特異的に生成させる。
【選択図】なし
Description
上記改変型ホスホリパーゼDは、
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基が任意のアミノ酸であり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(B)上記(A)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む酵素であり、
それによって1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体が特異的に生成される。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基がアスパラギン酸、メチオニン、またはアラニンのいずれかであり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(b)該(a)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む。
本発明は、1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有する改変型ホスホリパーゼD(1(3)型PI特異的合成改変型PLD)を提供する。「特異的に合成する」とは、上で説明した1(3)型のPIを他の型のPIに比較して選択的に合成することをいい、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらにより好ましくは99%以上、なおさらに好ましくは100%の選択性で1(3)型のPIを合成する。
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基が任意のアミノ酸であり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(B)該(A)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のPIを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基がアスパラギン酸、メチオニン、またはアラニンのいずれかであり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(b)該(a)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のPIを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む、改変型PLDである。
本発明はまた、1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体を製造する方法を提供する。この方法は、原料リン脂質と、イノシトールまたはその誘導体と、1(3)型PI特異的合成改変型PLDとを反応させる工程を含む。それによって、それによって1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体が特異的に生成される。本発明の方法によれば、上記の1(3)型PI特異的合成改変型PLDの節で説明したように、1(3)型のPIが他の型のPIに比較して選択的に生成され、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、さらにより好ましくは99%以上、なおさらに好ましくは100%の選択性で1(3)型のPIが生成される。
pPELB−PLD1(非特許文献6の記載に基づいて調製)を制限酵素XbaIおよびXhoIで消化し、リボゾーム結合部位、pET22b(Novagen)由来のpelBシグナルおよびストレプトマイセス・アンチビオティカス由来PLD遺伝子の全長(1530bp;塩基配列は配列表の配列番号1に示す通りである)を含む断片を回収し、予めXbaIおよびXhoIで消化しておいたpBluescriptII KS+(東洋紡製)に挿入し、pPELB-PLD-KSを作成した。これを制限酵素ApaIで消化し、該PLD遺伝子の終止コドン周囲の断片とともに該PLD遺伝子の下流の逆向き繰り返し配列を除去した。一方、pSA1(非特許文献7の記載に基づいて調製)を制限酵素BamHIおよびSalIで消化し、該PLD遺伝子の後半部分を含む断片を切り出し、予めBamHIおよびSalIで消化しておいたpBluescript II SK+(東洋紡製)に挿入し、pSA1-BSを得た。pSA1-BSを制限酵素ApaIで消化し、該PLD遺伝子の終止コドン周囲の断片を切り出した。この切り出された断片と、ApaI消化したpPELB-PLD-KSとを連結し、次いでKpnIおよびXbaIで切断し、pelBシグナルおよびPLD遺伝子の全長(1530bp)を含む断片を得た。この断片を、予めSalIおよびXbaIで切断しておいたpBluescript II KS+プラスミド(東洋紡製)と連結し、プラスミドpPELB-PLD-KS IIを得た。
上記のプラスミド混合物を発現用宿主である大腸菌BL21(DE3)に導入し、実施例1に記載と同じ組成のLB寒天培地上で37℃にて16時間生育させた。得られたコロニー上にニトロセルロース膜(Hybond C;アマシャム製)を置き、コロニーを転写した。次いで、合成培地(組成は以下の通り(1Lあたりの質量を示す):KH2PO4 5g、K2HPO4 5g、Na2HPO4 4.4g、(NH2)2SO4 3g、グルコース5g、MgSO4・7H2O 3g、FeSO4・7H2O 40mg、CaCl2 40mg、MnSO4・7H2O 10mg、CoCl2・6H2O 2.9mg、CuSO4・5H2O 3mg、Na2MoO・2H2O 0.36mg、H3BO3 10mg、ZnSO4・7H2O 10mgに1.5%の寒天を添加したもの)上に膜を移して、30℃で8時間保温して膜上でコロニーを生育させた。LB寒天培地上のコロニーはマスタープレートとして、冷蔵庫に保管した。1mM IPTGを添加した上記合成培地上に膜を移し、30℃で16時間保温して、膜上でPLDの発現を誘導した。この発現系では、発現したPLDは細胞の外に放出され、膜上に吸着する。超音波洗浄機を用いて、この膜から菌体の残渣を洗い流した。
上記の膜を基質液(10%大豆レシチン(SLP−PC70 ツルーレシチン工業製)、20%イノシトール、2%塩化カルシウム、および50mM酢酸緩衝液、pH5.6)中に30℃で14時間浸漬し、膜上で酵素反応を行った。この酵素反応により酸性リン脂質であるホスファチジルイノシトール(PI)が生成すると、これらは、共存するカルシウムイオンと水不溶性の塩を形成し、反応が生じた場所に沈着する。反応後、過剰の基質液を水で洗い流し、膜を10%過ヨウ素酸ナトリウム水溶液中に室温で10分間浸漬した。この過ヨウ素酸ナトリウム処理により、沈着しているPIのグリコール部分が酸化開裂し、アルデヒドに誘導される。過剰の過ヨウ素酸ナトリウム溶液を水で洗い流し、膜にNBD−ヒドラジン水溶液(0.05%NBD−H、10%DMSO)を塗布した。NBD−Hはアルデヒドと反応してNBD−ヒドラゾンとなり、強い蛍光を呈する。この蛍光を紫外線(365nm)照射下で観察し、明るいスポットを識別した。このスポットは、膜上のPIが存在していた場所に相当する。このスポットと一致するコロニーをマスタープレートから単離し、陽性クローンを得た。これらの陽性クローンからプラスミドを調製し、PLD遺伝子の変異内容をダイデオキシ法により決定した。
実施例2に記載と同じ組成の合成培地(但し、寒天およびグルコースを含まない)50mLに、Overnight Express Auto induction System1 (Novagen社)に付属のSolution 1を1mL、Solution 2を2.5mL、Solution 3を0.05mL、および5%(w/v)酵母エキス水溶液を0.1mL添加した培地を作製し、この培地を96穴深型ウェルプレートの各ウェルに0.5mLづつ分注した。実施例3で得られた陽性クローンをこの培地に植菌し、30℃にて72時間、振盪培養した。培養液を遠心分離により除菌して得られた上清をPLD粗酵素品として使用した。
TLCプレート・・・シリカゲル60プレート(メルク社製)
展開溶媒・・・クロロホルム:メタノール:石油エーテル:酢酸=4:2:3:1(V/V/V/V)
展開時間・・・約20分
検出・・・展開後ディトマー試薬を噴霧し放置することで、リン脂質のスポットを検出した。その結果、陽性クローンから調製したPLDにおいて、イノシトールを基質として用いた場合に、ジオレオイルPIに相当する新たなスポットが検出された。
改変型PLDによって生成されるPIの異性体をHPLCによって構造解析した。このためのPI異性体標品の調製およびHPLC分離条件の検討の詳細を以下に示す。
(5.1.1. 保護イノシトール類の合成)
(5.1.1.1. (DL)-1,2:3,4-ジシクロヘキシリデン-myo-イノシトール(DL-1)、および(DL)-1,2:4,5-ジシクロヘキシリデン-myo-イノシトール(DL-2)の合成)
非特許文献9、10、および11を参考にして、イノシトールをシクロヘキシリデン基で保護した。簡単に説明すると、myo-イノシトール15g、シクロヘキサノン150mL、乾燥ベンゼン50mL、およびp-トルエンスルホン酸ピリジニウム塩0.3gを300mL容のナス型フラスコにとり、ディーンスターク管を付けて42時間還流した。反応液を室温に冷却後、溶け残った未反応のイノシトールをろ過により除去した。ろ液を0.5Nアンモニア水200mLで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ベンゼンをエバポレータで除去した。得られたシロップ状の液体約75gにヘキサン1.5Lを加えて一晩放置した。生成した沈澱をろ過により回収し、約15gの固形物を得た。
非特許文献9に記載の方法に従って、ラセミ体の(DL-2)をジアステレオマーである(-)カンファン酸ビスエステルに誘導してから分割した。簡単に説明すると、100mL容ナスフラスコに、(DL-2)を1g、(-)-カンファン酸塩化物を3.18g、ジメチルアミノピリジンを83mg、トリエチルアミンを5.8mL、およびジクロロメタンを33mL混合し、室温で24時間反応させた。反応後フラスコ内容物を同体積の水で2回、飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去し、固形物約2.4gを得た。この固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、簡単には、固形物1gに対しWakosil C-300を60g使用して、試料約1gずつを数回に分けてクロマトグラフィーに供し、必要に応じて再クロマトした(溶出溶媒はジクロロメタン/ジエチルエーテル=95/5(v/v)を用いた)。(D-2)および(L-2)のカンファン酸ビスエステル(D-3)および(L-3)を分離回収した。溶出画分をTLC(ジクロロメタン/ジエチルエーテル=9/1)で分析し、(D-3)(Rf=0.5)および(L-3)(Rf=0.43)を含む画分を回収した。収量は(D-3)が890mgおよび(L-3)が690mgであった。なお、D-3とL-3との区別は「極性の低い(less polar)ジアステレオマーがD-1,2:4,5保護体である」との非特許文献9の記載を参照した。
非特許文献12に記載の方法で、イノシトールの1,3,4,6位水酸基を保護した。簡単に説明すると、イノシトール 1g、1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン4.38g、および乾燥ピリジン20mLを混合し、24時間室温で反応させた。混合物に水2mLを加えた後、溶媒を留去した。残渣をエーテル30mLで抽出し、次いで水30mLおよび飽和食塩水30mLで順次洗浄し、溶媒を留去した。得られた固形物をエーテルから再結晶し標題化合物(4)を1.77g得た。
イノシトールの2位以外の水酸基を全て保護するため、まず非特許文献13に記載の方法でmyo-イノシトール-1,3,5-オルトフォルメート(6)を合成した。簡単に説明すると、イノシトール3g、トリエチルオルト蟻酸5mL、p-トルエンスルホン酸0.75g、および24mLジメチルホルムアミドを混合し、130℃で4.5時間反応させた。反応液を室温に戻した後、ろ過により、未反応のイノシトールを除去した。溶媒を留去した後、10mLの乾燥ピリジンおよび10mLの無水酢酸を加え、室温に16時間放置した。溶媒を留去した後、固形物を酢酸エチルから再結晶し、myo-イノシトール-1,3,5-オルトフォルメート-2,4,6-テトラアセテート(5)を単離した(収量3.6g)。化合物(5)の全量(3.6g)をメタノール20mLに加え、さらに2Mナトリウムメトキシドのメタノール溶液1.6mLを加え、湯浴上で加沸騰させ、脱アセチル化した。このまま加熱を続けメタノールを徐々に留去して濃縮し溶液がやや濁ったところで加熱を止め、溶質を再結晶し、化合物(6) 1.15gを得た。
非特許文献15の記載を参照して、保護イノシトール類とホスファチジン酸との縮合を行った。保護イノシトール類とホスファチジン酸との縮合の手順は以下により詳細に示す。
1,2-ジオレオイルホスファチジン酸(DOPA)140mg、(D-2) 136mg、塩化2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル(TPS-Cl)182mgおよび乾燥ピリジン4mLを混合し、40℃で約16時間反応させた。反応混合物に水1mLを加えた後、溶媒を除去した。残渣をエーテル20mLで抽出し、飽和炭酸ナトリウムおよび飽和食塩水各20mLを用いて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去した。
上記5.1.2.1.と同様に(L-2)にDOPAを縮合、後処理を行い、化合物(10)および(11)を含む混合物を得た。
化合物(DL-1)を用い、上記5.1.2.1.と同様にDOPAと縮合させ、後処理を行い、化合物(12)、(13)、(14)、および(15)を含む混合物を得た。
DOPA 140mg、化合物(4) 265mg、TPS-Cl 182mg、および乾燥ピリジン3mLを混合し、40℃で約16時間反応させた。次いで、上記5.1.2.1.と同様に後処理を行い、標題化合物(16)を含む混合物を得た。
DOPA 140mg、化合物(7)、172mg、TPS-Cl 182mgおよび乾燥ピリジン3mLを混合し、室温で4時間反応させた。水1mLを加えた後、溶媒を留去し、エーテル20mLで抽出し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、標題化合物(17)を含む混合物を得た。
(5.1.3.1. D-3-(sn-1,2-ジオレオイル-ホスファチジル)-myo-イノシトール(3-PI, 19)、およびD-6-(sn-1,2-ジオレオイル-ホスファチジル)-myo-イノシトール(6-PI, 20)の合成)
イノシトール部分が保護されている化合物(8)および(9)を含む混合物約10mgを、クロロホルム0.6mL、メタノール0.3mL、水0.1mL、およびトリフルオロ酢酸0.11mLに溶解し、室温で2時間放置した。水1mLを加えて混合した後、クロロホルム層を回収した。この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去後、クロロホルム/メタノール=2/1に再溶解した。この溶液を3-PI(19)および6-PI(20)の混合品として、以下の5.2.項のHPLC分析条件検討に使用した。
化合物(10)および(11)を含む混合物を上記5.1.3.1.と同様に脱保護し、1-PI(21)および4-PI(22)の混合品を得た。
化合物(12)、(13)、(14)、および(15)を含む混合物を上記5.1.3.1.と同様に脱保護し、5-PI(23)、6-PI(20)、および4-PI(22)の混合標品として、以下の5.2.項のHPLC分析条件検討に使用した。
化合物(16)を含む混合物10mgをエーテル0.2mLに溶解し、水0.1mLおよび48%フッ化水素酸0.2mLを加え、30℃で激しく混合しながら4時間反応させた。次いで、クロロホルム0.5mLおよび水0.5mLを加えて混合し、クロロホルム層を回収後、溶媒を留去した。これをクロロホルム/メタノール=2/1に再溶解した。この溶液を5-PI(23)の標品として、以下の5.2.項のHPLC分析条件検討に使用した。
化合物(17)を含む混合物7mgをクロロホルム0.2mLに溶解し、トリフルオロ酢酸0.25mLおよび水0.05mLを加えて室温に4時間放置した。水0.5mLを混合後、クロロホルム層を回収し、溶媒留去後、クロロホルム/メタノール=2/1に再溶解した。この溶液を2-PI(24)の標品とて、以下の5.2.項のHPLC分析条件検討に使用した。
上記5.1.項にて合成したPI標品を使って、各異性体の溶出位置を確認した。HPLCのランニング条件は以下の通りであり、非特許文献16の記載を参考にした:
HPLCシステム:島津プロミネンス・バイナリーグラジエントシステム
カラム:順相シリカゲルカラム(4.6×150mm、粒子径3μm、Phenomenex社製)
流速:0.5mL/分
溶媒A:[クロロホルム/メタノール/0.97M ギ酸-トリエチルアミン緩衝液(pH 3.0)=87.5/12/0.5]
溶媒B:[クロロホルム/メタノール/0.97M ギ酸-トリエチルアミン緩衝液(pH 3.0)=28/60/12]
グラジエントプログラム:0%溶媒B(0分時)→40%溶媒B(16分時)→0%溶媒B(17時)→0%溶媒B(21分まで)
検出:荷電化粒子検出器(Charged aerosol detector, CORONATM ESA社製)
ただし、標品の溶出位置確認の際は高速液体クロマトグラフィー/大気圧化学イオン化質量分析計(LC-APCI-MS)を使用(ネガティブモードで測定)。
実施例4に記載のように改変型PLDによって生成されたジオレオイルPIの異性体構造を、上記5.2項に記載の条件下でHPLCに供し、クロマトグラムを作成した。検出には荷電化粒子検出器(Charged aerosol detector, CORONATM ESA社製)を用いた。クロマトグラムのピーク面積比をそのまま異性体比と見なして算出して、生成されたPIの異性体構造を決定した。
Claims (3)
- 1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体を製造する方法であって、原料リン脂質と、イノシトールまたはその誘導体と、改変型ホスホリパーゼDとを反応させる工程を含み、
該改変型ホスホリパーゼDが、
(A)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基が任意のアミノ酸であり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(B)該(A)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む酵素であり、
それによって1(3)型のホスファチジルイノシトールまたはその誘導体が特異的に生成される、
方法。 - 前記187位のアミノ酸残基が、アスパラギン酸、メチオニン、またはアラニンのいずれかである、請求項1に記載の方法。
- 1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有する改変型ホスホリパーゼDであって、
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列の187位のアミノ酸残基がアスパラギン酸、メチオニン、またはアラニンのいずれかであり、191位のアミノ酸残基がチロシンであり、および385位のアミノ酸残基がアルギニンであるアミノ酸配列;または
(b)該(a)のアミノ酸配列において、該187位、191位、および385位に位置するアミノ酸残基とは異なる位置の少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、および/または付加を有し、かつ1(3)型のホスファチジルイノシトールを特異的に合成する能力を有するポリペプチドのアミノ酸配列
を含む、改変型ホスホリパーゼD。
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