JP6080254B2 - グリセロール−3−ホスホエタノールアミン(gpe)に対して加水分解作用を有する酵素及びその製造方法 - Google Patents
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本発明に係る酵素は、グリセロール−3−ホスホジエステルに対して基質特異的に加水分解作用を有する酵素であって、以下の(a)から(c)のいずれかに記載のポリペプチドを含む。
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、かつ該加水分解活性を示すポ
リペプチド;または
(c)配列番号2に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつ該加水分解活性を示すポリペプチド。
本発明に係るポリヌクレオチドは、上記の酵素をコードする。
(a)配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;または
(b)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド。
本発明に係る酵素の製造方法は、グリセロール−3−ホスホジエステルに対して基質特異的に加水分解作用を有する酵素を製造する方法であって、上記のポリヌクレオチドを有する微生物から該酵素を産生させる工程を含む。
本明細書において、酵素とは、精製酵素に限定されず、粗精製物、固定化物なども含む。酵素の精製は、例えば、微生物の培養液を用いて、硫安沈澱、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーなどの、当業者に周知の方法を用いて行われる。それにより、種々の精製度の酵素(ほぼ単一までに精製された酵素を含む)が得られ得る。
グリセロホスホエタノールアミン エタノールアミンホスホジエステラーゼ(Glycerophosphoethanolamine ethanolaminephosphodiesterase、以下「GPE−EP」ともいう)は、ホスホリパーゼC(以下「PLC」ともいう)に類似した酵素活性を示す酵素である。本発明によれば、新規なGPE−EPが得られる。ホスホリパーゼCは、リン脂質及びその加水分解物(リゾリン脂質、グリセロホスホジエステル)に作用し、ホスホジエステル部位におけるグリセロール側のホスホエステル結合を加水分解する作用を有するものである。本発明によるGPE−EPでは、リン脂質やリゾリン脂質に対する活性は高くなく、それらが加水分解したグリセロホスホジエステル化合物に対して特異的に加水分解活性を有する。さらに、本発明によるGPE−EPでは、グリセロホスホジエステル化合物の中でも、グリセロホスホエタノールアミン(GPE)に対して特異的に加水分解作用を示す。グリセロホスホジエステルに対してPLC様の酵素が作用すると、グリセロールと、リン酸又はリン酸エステル化合物とを生成する。GPE−EPでは、GPEに特異的に作用し、グリセロホスホエタノールアミン(GPE)から、グリセロールと、リン酸又はホスホエタノールアミンを生成する。
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、かつ該加水分解活性を示すポリペプチド;または
(c)配列番号2に記載のアミノ酸配列と少なくとも80%の相同性を有し、かつ該加水分解活性を示すポリペプチド。
本発明におけるポリヌクレオチドは、上記のGPE−EPをコードするものである。このポリヌクレオチドは、好ましくは、以下の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドを含む。
(a)配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;または
(b)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも80%の配列同一性を有するポリヌクレオチド。
本発明では、グリセロール−3−ホスホジエステルに対して基質特異的に加水分解作用を有する酵素を製造する方法が提供される。酵素の製造方法においては、上記で説明したポリヌクレオチドを有する微生物から該酵素を産生させる工程を含んでいる。本発明による方法では、上記で説明したGPE−EPが得られる。上記のポリヌクレオチドを有する微生物は、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株に代表されるストレプトマイセス(Streptomyces)属のように微生物自体が天然に有するものであってもよく、あるいは、変異してポリヌクレオチドを有するものであってもよく、あるいは、ポリヌクレオチドが導入されて有するものであってもよい。
以上のようにして生産され得るGPE−EPは、グリセロール−3−ホスホエタノールアミンと特異的に反応する酵素である。そのため、グリセロール−3−ホスホエタノールアミンの分析に用いることができ、定量などを行うことができる。
ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株を培養し、その培養上清について、硫安分画、陰イオン交換、疎水相互作用、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。以下に詳細を示す。
ISP2培地「1%麦芽エキス(べクトン・ディッキンソン社製)、0.4%酵母エキス(オリエンタル酵母工業(株)製)、0.4%グルコース(和光純薬工業(株)製)、pH7.2」500mLを調製し、500mL容三角フラスコに100mlずつ分注して、さらに0.1〜1mM 程度のTween 80などの生化学用界面活性剤を添加した後、121℃で15分間蒸気殺菌を行った。予め終濃度10%(w/v)グリセロールでストックしたストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株を適当量とり、ISP2培地5mLを入れたφ18試験管(18×180mm)に接種し、28℃で良好な生育が得られるまで振とう培養した。この培養液を先の滅菌した培地100mLに1mlずつ接種し、28℃で72時間振とう培養した。遠心分離機を用いて、この培養液から上清(Supernatant)を回収した。
上記(a)で回収した培養上清に、80%飽和量となるように硫酸アンモニウムを添加し、生じた沈殿を遠心分離(10,000rpm、30分、4℃)により回収した(AS沈殿)。この沈殿を1M硫酸アンモニウムを含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)で可溶化し、粗酵素液を得た。
上記(b)で得られた粗酵素液を同緩衝液で予め平衡化した「TOYOPEARL PPG−600M」(20ml)カラム(東ソーバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、硫酸アンモニウム(1Mから0Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
上記(c)で得られた活性画分を集め、Viva spin(ザルトリウス社製)を用い濃縮脱塩した。これに、20mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)を加えた。これを、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)で予め平衡化した「HiTrap Q」(5ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、塩化ナトリウム(0Mから1Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
上記(d)で得られた活性画分を集め、Viva spin(ザルトリウス社製)を用い濃縮脱塩した。これに、1M硫酸アンモニウムを含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えた。これを、同緩衝液で予め平衡化した「HiTrap Plenyl HP」(5ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、硫酸アンモニウム(1Mから0Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
上記(e)で得られた活性画分を集め、Viva spin(ザルトリウス社製)を用い濃縮脱塩した。これに、1M硫酸アンモニウムを含む20mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えた。これを、同緩衝液で予め平衡化した「RESOURCE PHE」(1ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄して得られた素通り画分を活性画分として回収した。
上記(f)で得られた活性画分をViva spinを用い濃縮脱塩した。これに、20mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)を加えた。これを、20mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0)で予め平衡化した「Mono Q」(1ml)カラム(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にアプライし、同緩衝液でカラムを洗浄した後、塩化ナトリウム(0Mから1Mまで)のリニアグラジェントにより、活性画分を溶出させた。
(分子量)
上記によって得た精製酵素(GPE−EP)について、SDS−PAGE(12%(w/v)ポリアクリルアミドゲル)により分子量を解析した。
(酵素活性(GPE−EP活性))
本実施例において、酵素活性の測定は、基本的には、以下のような方法をベースとして行った。この方法を、以下、「酵素活性標準測定方法」という。この方法では、GPE(グリセロホスホエタノールアミン)に代表されるGPX(グリセロホスホジエステル)を基質として用いた場合を例示する。
上記の精製酵素(GPE−EP)の酵素学的性質について検討した。
基質(GPE)を4mM、Tris−HCl(pH8.4)を50mM、Triton X−100を0.1%(w/v)含む溶液に、精製酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液を各温度条件にて5分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
基質(GPE)を4mM、酢酸−酢酸Na、Bis−Tris、Tris−HCl、又は、Glycine−NaOHから選ばれる緩衝液(各pH)を50mM、Triton X−100を0.1%(w/v)含む溶液に、精製酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液を各pH条件にて温度37℃、5分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
酢酸−酢酸Na緩衝液:pH4.1、pH5、pH5.6。
Bis−Tris緩衝液:pH5.6、pH6.5、pH7.2。
Tris−HCl緩衝液:pH7.2、pH8、pH8.4、pH9。
Glycine−NaOH緩衝液:pH9、pH9.5、pH10、pH10.5。
基質(GPE等)を4mM、Tris−HCl(pH8.4、65℃)を50mM、Triton X−100を0.1%(w/v)含む溶液に、精製酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液を65℃にて5分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
LPls−PC: 下記Pls−PCのリゾ体、「Lyso−PlsPC」ともいう
LPLs−PE: 下記Pls−PEのリゾ体、「Lyso−PlsPE」ともいう
Pls−PC: コリン型プラズマローゲン
Pls−PE: エタノールアミン型プラズマローゲン
GPS: グリセロ−3−ホスホセリン
GPI: グリセロ−3−ホスホイノシトール
GPG: グリセロ−3−ホスホグリセロール
GPE: グリセロ−3−ホスホエタノールアミン
GPC: グリセロ−3−ホスホコリン
GPA: グリセロ−3−リン酸
LPS: PSのリゾ体(表3参照)
LPI: PIのリゾ体(表3参照)
LPG: PGのリゾ体(表3参照)
LPE: PEのリゾ体(表3参照)
LPC: PCのリゾ体(表3参照)
LPA: PAのリゾ体(表3参照)
PS: L−α−ホスファチジルセリン(L-α-Phosphatidylserine)、「POPS」ともいう
PI: L−α−ホスファチジルイノシトール(L-α-Phosphatidylinositol)
PG: 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1−rac−グリセロール)(1,2-Diacyl-sn-glycero-3-phospho-(1-rac-glycerol))、「POPG」ともいう
POPE: 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1,2-Diacyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)
DPPE: 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(1,2-Dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine)
POPC: 1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(1,2-Diacyl-sn-glycero-3-phosphocholine)
DMPA: 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール−3−ホスフェート(1,2-Dimyristoyl-sn-glycerol-3-phosphate)
表3に、基質の正式名称及び入手先、酵素反応における相対活性の結果の詳細を示す。
これにより、GPX含有液が得られた。酵素活性測定には10%(体積比)のGPX含有液を用いた。表5に、PLBによる酵素反応の反応組成を示す。
Tris−HCl(pH8.4)50mMに、精製酵素(GPE−EP)を20%(v/v)となるように加え、各温度で30分間保温した。基質(GPE)を0.8mM、Tris−HCl(pH8.4)を50mM、Triton X−100を0.5%(w/v)含む溶液に、各温度での処理後の酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH8.4、温度60℃の条件にて20分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
酢酸−酢酸Na、Bis−Tris、Tris−HCl、又は、Glycine−NaOHから選ばれる緩衝液(各pH)50mMに、精製酵素(GPE−EP)を20%(v/v)となるように加え、各pHで4℃条件下、3時間処理した。その後、基質(GPE)を0.8mM、Tris−HCl(pH8.4)を50mM、Triton X−100を0.5%(w/v)含む溶液に、各pHでの処理後の酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH8.4、温度60℃の条件にて20分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
基質(GPE)を4mM、Tris−HCl(pH8.4、65℃)を50mM、Triton X−100を0.1%(w/v)含む溶液に、精製酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、さらに各種金属イオン又はEDTAを2mM添加して、合計量25μLとなる反応液を調製した。ここで、金属イオンとしては金属塩化物(MCln:Mは金属、nは1又は2)を加えるようにした。この反応液をpH8.4、温度65℃の条件にて5分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
基質(GPE)を4mM、Tris−HCl(pH8.4、65℃)を50mM、Triton X−100を0.1%(w/v)含む溶液に、精製酵素(GPE−EP)を10%(v/v)となるように加え、さらに各種化学物質を2mM添加して、合計量25μLとなる反応液を調製した。この反応液をpH8.4、温度65℃の条件にて5分間、酵素反応させた。その後のAP処理、呈色反応は、「酵素活性標準測定方法」に従って行い、酵素活性を測定した。
酵素反応における可溶化剤(Triton X−100)の影響を調べるため、Triton X−100の添加量を変えて酵素反応を行った。
上記の精製酵素GPE−EPについて、SDS−PAGE後、エレクトロブロッティングを行い、目的とする酵素をPVDF膜に転写した。これをプロテインシーケンサーによりN末端アミノ酸配列の解析を行った。解析から、この精製酵素のN末端アミノ酸配列は、配列番号3に示すものであることが確認された。
上記の精製酵素について、SDS−PAGE後、目的とする酵素を切り出し、トリプシンを用いてゲル内消化を行った。そして、得られたペプチドサンプルについて質量分析計(nanoLC−MS/MS)により内部アミノ酸配列の解析を行った。これにより、内部アミノ酸配列は、配列番号4、5、6、7、8に示すものであることが確認された。
ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株を、2.5M塩化マグネシウム100μl、20%グリシン1.25mlYEME培地(ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、グルコース1%、スクロース34%)50mlを用いて28℃で3日間培養し、集菌した。
GPE−EPのN末端および内部アミノ酸配列とストレプトマイセス属の使用コドンに基づいて、プライマーを設計した。
ステップ2:98℃、10秒;
ステップ3:68℃、45秒;
ステップ2からステップ3を30サイクル繰り返す;
ステップ4:68℃、1分。
上記[ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来GPE−EP遺伝子のコア領域のクローニング]で決定した遺伝子配列の周辺領域の配列を明らかにするために、上記で得た染色体DNAをPstI又はSmaIで完全消化し、Ligation high Ver.2(Toyobo社製)を用いて消化断片を自己閉環させた。これを鋳型にして、GPE−EPの部分遺伝子配列に基づいて作製した二つのインバースPCRプライマー(配列番号16及び配列番号17)を用いて、PCRを行うことでGPE−EPの上流側又は下流側におけるDNA断片を増幅した。
ステップ2:98℃、10秒;
ステップ3:69℃、2分40秒;
ステップ2からステップ3を30サイクル繰り返す;
ステップ4:69℃、1分。
上記で決定した塩基配列に基づいて、ストレプトマイセス・サングリエリ(Streptomyces sanglieri)A14株由来GPE−EP遺伝子を含む領域の塩基配列(2037bp)を決定した(配列番号21)。配列番号22は、この配列(配列番号21)のコドンに対応するアミノ酸配列である。配列番号21からシグナル領域(配列の1位〜54位)を除外し、成熟酵素部分を抽出した塩基配列(1983bp)を決定した(配列番号23の上段)。さらに、構造遺伝子部分についてその塩基配列からアミノ酸配列を推定した(配列番号23の下段、配列番号24)。
配列番号2:GPE−EP(ポリペプチド)
配列番号3:GPE−EPのN末端配列
配列番号4:GPE−EPの内部配列
配列番号5:GPE−EPの内部配列
配列番号6:GPE−EPの内部配列
配列番号7:GPE−EPの内部配列
配列番号8:GPE−EPの内部配列
配列番号9:プライマーS1
配列番号10:プライマーA1−1
配列番号11:プライマーA1−2
配列番号12:プライマーA1−3
配列番号13:プライマーA1−4
配列番号14:プライマーA1−5
配列番号15:GPE−EP発現遺伝子断片(解析結果)
配列番号16:プライマー(インバースPCR)
配列番号17:プライマー(インバースPCR)
配列番号18:GPE−EP発現遺伝子断片(解析結果)
配列番号19:GPE−EPの末端配列
配列番号20:GPE−EP発現遺伝子断片(解析結果)
配列番号21:GPE−EP発現遺伝子(解析結果、シグナル含む)
配列番号22:GPE−EP(シグナル含む)
配列番号23:GPE−EP発現遺伝子(成熟部分のコドン)
配列番号24:GPE−EP(ポリペプチド)
配列番号25:GPC−CP発現遺伝子
配列番号26:GPC−CP(ポリペプチド)
Claims (10)
- グリセロール−3−ホスホジエステルに対して基質特異的に加水分解作用を有する酵素であって、以下の(a)から(c)のいずれかに記載のポリペプチドを含む、酵素:
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチド;
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を有し、かつ該加水分解活性を示すポリペプチド;または
(c)配列番号2に記載のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつ該加水分解活性を示すポリペプチド。 - グリセロール−3−ホスホエタノールアミンを基質としたときに、pH8.4で65℃にて5分間の条件での加水分解活性を100%とした場合に、30℃から70℃の範囲内で40%以上の加水分解活性を示す、請求項1に記載の酵素。
- グリセロール−3−ホスホエタノールアミンを基質としたときに、pH8.4で37℃にて5分間の条件での加水分解活性を100%とした場合に、pH7.2からpH9.5の範囲内で40%以上の加水分解活性を示す、請求項1又は2に記載の酵素。
- グリセロール−3−ホスホエタノールアミンを基質としたときに、pH8.4で65℃にて5分間の条件での加水分解活性を100%とした場合に、該条件での加水分解活性が、グリセロール−3−ホスホグリセロールに対して10%以下、グリセロール−3−リン酸、グリセロール−3−ホスホコリン、グリセロール−3−ホスホイノシトール、およびグリセロ−3−ホスホセリンに対してほぼ0%、リゾホスファチジルエタノールアミンに対して40%以下、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルグリセロールに対してほぼ0%、エタノールアミン型リゾプラズマローゲンに対して40%以下、コリン型リゾプラズマローゲンに対してほぼ0%、エタノールアミン型およびコリン型プラズマローゲンに対してほぼ0%、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびホスファチジン酸に対してほぼ0%である基質特異性を有する、請求項1から3のいずれかに記載の酵素。
- SDS−PAGEで測定した場合の分子量が60,000〜80,000の範囲内である、請求項1から4のいずれかに記載の酵素。
- ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物に由来する、請求項1から5のいずれかに記載の酵素。
- 請求項1から6のいずれかに記載の酵素をコードする、ポリヌクレオチド。
- 以下の(a)または(b)に記載のポリヌクレオチドを含む、請求項7に記載のポリヌクレオチド:
(a)配列番号1に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチド;または
(b)配列番号1に記載の塩基配列と少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド。 - ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する微生物に由来する、請求項7または8に記載のポリヌクレオチド。
- グリセロール−3−ホスホジエステルに対して基質特異的に加水分解作用を有する酵素を製造する方法であって、
請求項7から9のいずれかに記載のポリヌクレオチドを有する微生物から該酵素を産生させる工程を含む、酵素の製造方法。
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