JP2009072111A - がん細胞の存否を判定する方法及び装置 - Google Patents

がん細胞の存否を判定する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】患者から採取された細胞を含む試料中のがん細胞の存否をより正確に判定することを課題とする。
【解決手段】患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;及び
前記第1比較工程及び前記第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定工程
を含む、がん細胞の存否を判定する方法により、上記の課題を解決する。
【選択図】図8

Description

本発明は、患者、特にがんの転移が疑われる患者から採取された細胞を含む試料中のがん細胞の存否を判定するための方法及び装置に関する。
患者から採取した試料中のがん細胞の存否を調べることは、例えばその試料が採取された組織や器官へのがん細胞の転移を判定するための指標となり得る。試料中のがん細胞の存否を判定するためには、従来、パパニコロウ染色などの組織細胞診が用いられていたが、この方法は、診断を行う人の経験などにより診断結果が異なること、検査に長時間を要することなどの問題があった。
そこで、最近では、LAMP(loop-mediated isothermal amplification method)法やPCR(polymerase chain reaction)法などを用いたがんの分子病理検査の研究が盛んに行われるようになっている。分子病理検査は、組織や細胞などに含まれるがんマーカー遺伝子(例えば、がん細胞に特異的に発現するタンパク質のmRNAなど、以下、単にがんマーカーともいう)を検出することにより行うことができる。例えば、乳がんのリンパ節転移を判定するためのがんマーカー遺伝子としては、サイトケラチン19(CK19)や癌胎児性抗原(CEA)のmRNAが有用であることが知られている。また、胃がんの転移を判定するためのがんマーカーとして、CEAのmRNAが有用であることが知られている。これらのがんマーカーは、正常な試料中のがんマーカーの発現量と転移してきたがん細胞が存在する試料中のがんマーカーの発現量との間に有意な差が認められる分子である。
がんマーカーの発現量に基づいて得られるがん細胞の存否の判定結果は、例えば医師が、患者のがん細胞の特定組織への転移を診断する指標とすることができる。
従来、このような分子検査を行う場合、試料毎に含まれる細胞数が異なるので、解析対象とするがんマーカーの量を細胞あたりの量に換算(正規化)して、試料中のがんマーカーの発現量を閾値と比較することにより、判定を行なっている。具体的には、例えば、がんマーカー遺伝子の発現量をハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞に一定量発現していると言われている遺伝子)の発現量で除してハウスキーピング遺伝子の発現量あたりのがんマーカーの量に換算することなどによる正規化(標準化)が行われている(非特許文献1)。
特開2006−223303号(特許文献1)は、胃がんの再発を予測するための情報を得る方法として、所定の遺伝子のPCR増幅反応を行い、その増幅産物を測定する方法を記載している。より具体的には、測定結果をβ−アクチンにより正規化し、胃がんの再発判定をおこなった実施例4と、正規化を行わずに再発判定をおこなった実施例5が、それぞれ別の実施例として開示されている。
2006−223303号公報 M. Inokuchi et al., British Journal of Cancer (2003) 89, 1750-1756
しかし、正規化を行った結果に基づく判定方法は、均一系(解析対象である検体中の細胞の全てが実質的に同種の細胞)であることが前提として考えられている。例えば、正常細胞とがん細胞とが混在した試料の場合、がんマーカーの発現量をハウスキーピング遺伝子の発現量で除して正規化された値は、正常細胞とがん細胞の比率によって変化してしまう。このため、判定結果が試料中の正常細胞とがん細胞との比率により左右されてしまう。
即ち、正規化を行った結果に基づく判定方法は、研究レベルで培養細胞のように均質な細胞を試料として用いた場合には有効な方法であるが、臨床検体のように患者から採取された試料には、正常細胞が混入することが通常であるため、そのまま適用することには問題があった。特に、がん転移の判定のために採取される試料は、がん細胞が存在するか否かが不明な試料であり、正規化を行った結果に基づく判定方法をそのまま適用することは困難であった。
これに対して、正規化を行わずにがんマーカーの発現量によって判定する方法は、患者から採取される試料中のがんマーカーの発現量が一定レベル以上であれば、がん細胞の検出を行うことができるため、上述した正規化における問題を解決することができる。一方、この方法においては、がんマーカーの発現量の測定に供される試料の量が一定量以上であることが必要となる。しかし、実際に、患者から採取される試料は、常に良好な状態でがんマーカーの発現量の測定に供されるわけではない。例えば、腹腔洗浄液においては、充分な量の細胞を取得することができない場合や、腹腔洗浄液中の細胞が、損傷をうけていたり破壊されていたりすることがある。このため、細胞の量自体は所定量採取できた場合でも、細胞に含まれるDNAやRNA等の核酸が分解されていて、測定対象であるがんマーカー遺伝子の絶対量が低下していることがある。
そこで、本発明者らは、試料中に含まれるがんマーカー遺伝子の発現量を閾値と比較して得られる結果と、がんマーカー遺伝子の発現量をハウスキーピング遺伝子の発現量で正規化して得られる正規化した値を閾値と比較して得られる結果とを組み合わせることにより、がん細胞の存否の判定、ひいてはがんの転移の判定をより正確に行うことができることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;及び
前記第1比較工程及び前記第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定工程
を含む、がん細胞の存否を判定する方法を提供する。
また、本発明は、患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;
前記第1比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第1判定工程;及び
前記第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第2判定工程
を含む、がん細胞の存否を判定する方法を提供する。
さらに、本発明は、患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
前記第1比較工程において、前記がんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値よりも低い場合に、前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;及び
前記第1比較工程又は第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する工程
を含む、がん細胞の存否を判定する方法を提供する。
また、本発明は、患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定手段;
前記測定手段により得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較手段;
前記測定手段により得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量を正規化する正規化手段;
前記正規化手段で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較手段;
第1比較手段及び第2比較手段により得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定手段;及び
前記判定手段により得られた判定結果を出力する出力手段
を含む、がん細胞の存否を判定する装置も提供する。
本発明のがん細胞の存否を判定する方法及び装置により、患者から採取された細胞を含む試料の状態による影響を最小限にして、より正確ながん細胞の存否の判定を行うことができる。よって、医師が患者のがん転移の判定を行うための、より正確な指標を提供することができる。
本発明の方法は、患者から採取された細胞を含む試料中のがん細胞の存否を判定する方法である。該患者は、がん細胞の存否の判定を目的とする患者、特にがんの転移の判定を目的とする患者が好ましい。該患者から採取された細胞は、リンパ節組織、血液、体腔洗浄液に含まれる細胞が好ましい。
特に、体腔洗浄液は、上述のように試料の状態が良くないことがある。また、体腔洗浄液は、採取後時間が経過したものを測定に使用する場合も多く、より試料の状態が悪化している場合がある。従って、本発明は、体腔洗浄液に含まれるがん細胞の存否を判定する方法として有用である。
上記の体腔洗浄液とは、一般的に、がんの転移の有無を調べるために、がん病巣の周囲の体腔内を生理食塩水で洗浄することにより得られる液である。患者から得られる体腔洗浄液としては、腹腔洗浄液や胸腔洗浄液等が挙げられる。また、腹腔洗浄液としては、肝下面洗浄液、左横隔膜下洗浄液、ダグラス窩洗浄液などが挙げられる。
上記の試料は、測定に供するための測定用試料を得るために、さらに処理されることが好ましい。
上記の試料がリンパ節組織である場合、上記の測定用試料は、リンパ節組織を処理液により処理して得ることができる。該処理液は、DMSO(ジメチルスルホキシド)を含むことが好ましい。該処理液中のDMSOの濃度は、約5〜30容量%が好ましく、約10〜25容量%がより好ましい。
上記の試料が体腔洗浄液である場合、体腔洗浄液中の細胞を濃縮した細胞の懸濁液から得られる核酸抽出物を測定用試料として用いることができる。細胞の懸濁液は、体腔洗浄液中の細胞を遠心分離などにより濃縮して得ることができる。核酸抽出物は、当該技術において公知の核酸抽出法により、細胞の懸濁液を処理して得ることができる。さらに、細胞の懸濁液を、処理液により処理したものを測定用試料として用いることもできる。なお、体腔洗浄液は、試料中の核酸が破壊されている場合が多い。従って、核酸抽出物を測定用試料として用いることが好ましい。
上記の処理液は、DMSOの他に必要に応じて緩衝剤、界面活性剤などを含むことができる。
該緩衝剤は、該処理液のpHを2.5〜5.0程度に保つことができるものであればよく、例えばグリシン−塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤の濃度は、該処理液のpHを上記の範囲に保つことができるものであれば特に限定されない。
上記の界面活性剤は、当該分野で通常用いられる界面活性剤であれば特に限定されないが、非イオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤がより好ましい。特に、次のような一般式:
R1−R2−(CH2CH2O)n−H
(ここで、R1は、炭素数10〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はイソオクチル基であり;R2は、−O−又は−(C64)−O−であり;nは、8〜120の整数である)
で表されるポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤が好適であり、その例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンイソオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。具体的には、Brij35(ポリオキシエチレン(35)ラウリルエーテル)などが好適である。界面活性剤の濃度は、当該分野で通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば処理液の0.1〜6容量%が好ましく、より好ましくは1〜5容量%である。
上記の処理液とリンパ節組織や細胞の懸濁液との混合割合は、特に限定されない。例えば、リンパ節組織1mgに対して0.0001〜0.005mL程度の処理液を添加して混合することができる。上記の混合は、特に限定されないが、例えば室温でリンパ節組織と処理液とが充分に混合される程度の時間行うことができる。
上記のDMSOを含む処理液とリンパ節組織との混合の後に、リンパ節組織を破砕するのが好ましい。破砕する方法としては、注射器の吸引・吐出を繰り返すことによるホモジナイズ、ホモジナイザーによるホモジナイズ、凍結融解などが挙げられる。ホモジナイザーとしては、当該分野において通常用いられるものを用いることができ、例えばワーリングブレンダー、ポッター・エルベージェム型ホモジナイザー、ポリトロン型ホモジナイザー、ダウンス型ホモジナイザー、フレンチプレス、超音波破砕機などが挙げられる。破砕の条件は、用いる方法及び装置に応じて適宜設定され、当該分野において通常用いられるものであってよい。
上記の方法により破砕された破砕液は、遠心分離、フィルターろ過、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製方法を用いて粗精製することができる。検出するがんマーカー遺伝子の種類に応じて、核酸抽出法などの方法によりさらに精製してもよい。
本発明の方法の測定工程では、試料中のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子のそれぞれの発現量に関する値を測定する。
本明細書において、「がんマーカー遺伝子」とは、がん細胞に発現する量が正常な細胞で発現する量よりも有意に多い分子マーカー遺伝子を意味する。よって、がんマーカー遺伝子はmRNA、DNAなどの核酸であるのが好ましく、より好ましくはmRNAである。
上記のがんマーカー遺伝子は、CK18、CK19、CK20などのサイトケラチン(CK)、癌胎児性抗原(CEA)、MUC1ムチン、マンマグロビン(MMG)などのタンパク質の遺伝子が好ましい。
上記のハウスキーピング遺伝子は、多くの細胞で一定量発現していることが知られている遺伝子であれば特に限定されない。上記のハウスキーピング遺伝子は、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、シクロフィリン遺伝子、β−アクチン遺伝子又はα−チューブリン遺伝子が好ましい。
上記の測定工程で測定されるがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子のそれぞれの発現量に関する値は、各遺伝子の発現量の測定法に応じて適宜選択される値である。上記のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値は、それぞれの遺伝子のmRNAの量に関する値であることが好ましい。上記のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値は、該mRNAを核酸増幅法により増幅させて測定される値が好ましい。この場合、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値は、所定のプライマーを用いてmRNA若しくは対応するcDNAを一定時間増幅することにより測定される蛍光強度、濁度、吸光度など、又は所定のプライマーを用いてmRNA若しくは対応するcDNAを増幅する際に蛍光強度、濁度、吸光度などがある一定の値に達するまでの時間又はPCRサイクル数などのような、光学的に測定される値であり得る。
上記の核酸増幅法は、当該分野で通常用いられる方法に従って行うことができる。特に、LAMP(loop-mediated isothermal amplification method)法、PCR(polymerase chain reaction)法などに基づく核酸増幅法が好ましい。がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子のmRNAを核酸増幅法により増幅させる場合には、核酸増幅反応の前に逆転写反応を含む核酸増幅法(例えば、RT−PCR法やRT−LAMP法など)を用いることができる。
上記の核酸増幅法は、具体的には、上記の試料に、がんマーカー遺伝子又はハウスキーピング遺伝子に対応するcDNAを増幅させるためのプライマー、RNA依存性DNAポリメラーゼ(逆転写酵素)、DNA依存性DNAポリメラーゼ(以下、単にDNAポリメラーゼともいう)などを添加して反応液を調製して核酸増幅を行い、増幅されたcDNAに関する値を測定することができる。
上記の逆転写反応及び核酸増幅反応は、鋳型であるがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の配列及びプライマーの配列に応じて適宜条件を変更することができる。逆転写反応及び核酸増幅反応の条件は、例えばSambrook, J. et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載されたものを用いることができる。
上記のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子に対応するcDNAを増幅するためのプライマーの配列は、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の配列に応じて適宜選択できる。プライマーの長さは、5〜100ヌクレオチドが好ましく、10〜50ヌクレオチドがより好ましい。プライマーは、当該技術において公知の核酸合成方法により製造することができる。
上記のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子に対応するcDNAを増幅するためのプライマーの好ましい例を、以下の表1に示す。
Figure 2009072111
なお、上記のプライマーの配列は、表1に示すものに限定されず、当業者は、これらの遺伝子全体の既知の配列から適切なプライマーを選択できる。
上記のプライマーは、当該技術において通常用いられる技術により修飾されていてもよい。上記プライマーの標識は、放射活性元素又は非放射活性分子を用いて行うことができる。用いられる放射活性同位体としては、32P、33P、35S、3H又は125Iを挙げることができる。非放射活性物質は、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン又はジゴキシゲニンのようなリガンド、ハプテン、色素及び放射線発光性、化学発光性、生物発光性、蛍光又はリン光性の試薬のような発光性試薬から選択される。
逆転写活性を有する酵素及びDNAポリメラーゼは、当該技術においてよく知られたものを用いることができる。逆転写活性を有する酵素としては、AMV (Avian Myeloblastosis Virus) 逆転写酵素、M-MLV (Molony Murine Leukemia Virus) 逆転写酵素などが挙げられる。また、DNAポリメラーゼとしては、Taq DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼなどを用いることができる。
上記の核酸増幅法により生成した核酸増幅産物に関する値を測定することにより、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定することができる。がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値が、該遺伝子のmRNAの量である場合は、定量RT−PCR(Quantitative Reverse Transcription-PCR)や定量RT−LAMP(Quantitative Reverse Transcription-LAMP)等が好ましく用いられる。これらの方法によると、核酸(cDNA)増幅に伴って反応液の光学的状態(濁度、吸光度、蛍光強度など)が変化するため、これをリアルタイムに測定することにより、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値の測定を行うことができる。
定量RT−PCRの具体例としては、核酸増幅反応前の反応液にSYBR Greenを予め添加しておき、増幅反応中にcDNAの増幅に伴って増加する蛍光強度をリアルタイムに測定するSYBR Green法や、TaqMan(登録商標)プローブを添加して増幅反応を行い、cDNAの増幅に伴って増加する蛍光強度をリアルタイムに測定するTaqMan(登録商標)法など、公知のものを用いることができる。がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値は、反応液の蛍光強度が所定の値に達するまでのサイクル数として測定することもできる。
また、定量RT−LAMPを用いる場合、cDNAの増幅に伴い副産物としてピロリン酸マグネシウムが多量に生成される。このピロリン酸マグネシウムは不溶性であるため、ピロリン酸マグネシウムの増加に伴って反応液が白濁する。よって、反応液の濁度(又は吸光度)をリアルタイムで光学的に測定することにより、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定することもできる。また、RT−LAMP法においても、上記SYBR Green法を用いることができる。がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値は、反応液の濁度、吸光度、蛍光強度などが所定の値に達するまでの時間として測定することもできる。
本発明の方法は、上記の測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値を、第1の閾値と比較する第1比較工程を含む。該第1の閾値は、がんマーカー遺伝子の種類及び測定工程で用いられる方法、特に核酸増幅法の種類に応じて適宜設定され得る値である。該第1の閾値は、がん細胞を含むことが確認された試料、特にがんの転移が確認された試料(陽性試料)に含まれるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値以下であって、がん細胞を含まないことが確認された試料、特にがんの転移がないことが確認された試料(陰性試料)に含まれるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値よりも高い値に設定することができる。該第1の閾値は、複数の陽性試料のがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、複数の陰性試料のがんマーカー遺伝子の発現量に関する値とを測定し、最も高確率に陽性試料と陰性試料とを区別できる値に設定することが好ましい。
本発明の方法のある態様は、上記の測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程を含む。
本明細書において「正規化」とは、ハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を基準として、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を、相対的な値に変換することを意味する。より具体的な例としては、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を、ハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値で除することが挙げられる。
本発明の方法は、上記の正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程を含む。
上記の第2の閾値は、がんマーカー遺伝子の種類、ハウスキーピング遺伝子の種類及び測定工程で用いられる方法、特に核酸増幅法の種類に応じて適宜設定され得る値である。該第2の閾値は、がん細胞を含むことが確認された試料、特にがんの転移が確認された試料(陽性試料)に含まれるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値を、該陽性試料中のハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて正規化した正規化値以下であって、がん細胞を含まないことが確認された試料、特にがんの転移がないことが確認された試料(陰性試料)に含まれるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値を、該陰性試料中のハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて正規化した値よりも高い値に設定することができる。該第2の閾値は、複数の陽性試料のがんマーカー遺伝子の発現量に関する値の正規化した値と、複数の陰性試料のがんマーカー遺伝子の発現量に関する値の正規化した値とを測定し、最も高確率に陽性試料と陰性試料とを区別できる値に設定することが好ましい。
本発明の方法は、上記の第1比較工程及び第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定工程を含む。
該判定工程は、第1比較工程におけるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値以上である場合、及び/又は前記第2比較工程における正規化した値が第2の閾値以上である場合に、試料中にがん細胞が存在すると判定することが好ましい。
すなわち、
(A)第1比較工程の比較結果が
(がんマーカー遺伝子の発現量に関する値)≧(第1の閾値)
であるが、第2比較工程の比較結果が
(正規化した値)<(第2の閾値)
である場合、
(B)第1比較工程の比較結果が
(がんマーカー遺伝子の発現量に関する値)<(第1の閾値)
であるが、第2比較工程の比較結果が
(正規化した値)≧(第2の閾値)
である場合、
(C)第1比較工程の比較結果が
(がんマーカー遺伝子の発現量に関する値)≧(第1の閾値)
であり、第2比較工程の比較結果が
(正規化した値)≧(第2の閾値)
である場合
のいずれも、試料中にがん細胞が存在すると判定されることが好ましい。
本発明の別のある態様においては、上記の判定工程は、第1比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第1判定工程と、第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第2判定工程とを含む。
上記の第1判定工程は、第1比較工程におけるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値以上である場合に、試料中にがん細胞が存在すると判定する。
上記の第2判定工程は、第2比較工程における正規化した値が第2の閾値以上である場合に、試料中にがん細胞が存在すると判定する。
本発明のさらに別のある態様においては、上記の第1比較工程において、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値よりも低い場合に、上記の正規化工程及び第2比較工程を行う。この態様では、上記の第1比較工程において、がんマーカー遺伝子の発現量が第1の閾値よりも高い場合は、試料中にがん細胞が存在すると判定できるので、正規化工程及び正規化した値を用いる第2比較工程を行わない。
上記のがん細胞の存否を判定する方法を行うためのがん細胞の存否を判定する装置も、本発明の一つである。図4は、本発明の装置を示すブロック図である。
本発明の装置は、図4に示すように、患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定手段100;
前記測定手段により得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較手段200;
前記測定手段により得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量を正規化する正規化手段300;
前記正規化手段で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較手段400;
第1比較手段及び第2比較手段により得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定手段500;及び
前記判定手段により得られた判定結果を出力する出力手段600
を含む。
上記の測定手段100は、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定することができるものであれば特に限定されないが、上記のような核酸増幅法、例えばLAMP法、PCR法などにより増幅された核酸を測定し得る核酸増幅測定装置が好ましい。該核酸増幅測定装置は、試料中のがんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子をプライマーと核酸増幅酵素とにより増幅して得られる核酸増幅産物を光学的に測定する測定部を備えることが好ましい。
第1比較手段200、正規化手段300、第2比較手段400及び判定手段500は、測定手段100に接続されたコンピュータで構成することが可能である。その場合、コンピュータは測定手段100を制御すると共に、測定手段100により得られたがんマーカー遺伝子の発現量と第1の閾値とを比較し、測定手段により得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいてがんマーカー遺伝子の発現量を正規化し、得られた正規化した値と第2の閾値とを比較し、これらの比較結果に基づいて試料中のがん細胞の存否を判定することができる。
出力手段600は、判定手段500から得られる判定結果を出力できる手段であれば特に限定されず、印刷手段、表示手段、音声出力手段などが挙げられる。具体的には、出力手段は、判定手段と接続されたモニタ、プリンタ、スピーカなどのいずれであってもよいが、好ましくはコンピュータに接続されたモニタである。
本発明の装置は、上記の測定用試料を調製するための測定用試料調製手段をさらに備えていてもよい。該測定用試料調製手段としては、試料中の細胞を濃縮するための細胞濃縮部、例えば遠心分離部、細胞から核酸を抽出するための核酸抽出部、得られた核酸を濃縮するための核酸濃縮部などを備えるものが好ましい。
本発明のがんの転移の判定装置の一実施形態を、図1〜3に示す。図1は、本発明の一実施形態による判定装置の全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した測定手段としての核酸増幅測定装置の全体構成を示した斜視図である。図3は、図2の核酸増幅測定装置の概略平面図である。
本発明のある実施形態の判定装置1は、図1に示すように、核酸増幅測定装置101と、該核酸増幅測定装置と有線又は無線による通信ができるように接続されたパーソナルコンピュータ(PC)102とにより構成され得る。パーソナルコンピュータ(PC)102は、第1比較手段200、第2比較手段400、正規化手段300及び判定手段500として機能する。
核酸増幅測定装置101は、図2に示すように分注機構部10と、試料セット部20と、チップセット部30と、チップ廃棄部40と、5つの反応検出ブロック50aからなる反応検出部50と、分注機構部10をX軸方向及びY軸方向に移送するための移送部60とを含んでいる。
また、分注機構部10は、図2に示すように、移送部60によりX軸方向及びY軸方向(水平方向)に移動されるアーム部11と、アーム部11に対してそれぞれ独立してZ軸方向(垂直方向)に移動可能な2連(2本)のシリンジ部12とを含んでいる。
また、図2及び図3に示すように、試料セット部20には、装置の手前から順番に、10個の試料容器セット孔21a〜21jと、1つの酵素試薬容器セット孔21k及び1つのプライマー試薬容器セット孔21lとが設けられている。また、10個の試料容器セット孔21a〜21jは、5行2列に配列するように設けられている。そして、試料容器セット孔21c及び21dと、試料容器セット孔21e及び21fと、試料容器セット孔21g及び21hと、試料容器セット孔21i及び21jとは、それぞれ、装置の奥側から順に、試料セット位置1、試料セット位置2、試料セット位置3及び試料セット位置4に設けられている。
また、本実施形態では、正面左側の試料容器セット孔21c、21e、21g及び21iには、予めリンパ節組織、腹腔洗浄液などの試料を処理して作製された測定用試料が収容された試料容器22がセットされるとともに、正面右側の試料容器セット孔21d、21f、21h及び21jには、上記した測定用試料を10倍に希釈した希釈試料が収容された試料容器23がセットされる。
また、試料容器セット孔21aには、増幅するべき核酸が正常に増幅することを確認するための陽性コントロールを収容した容器24が載置されるとともに、試料容器セット孔21bには、増幅するべきでない核酸が正常に増幅しないことを確認するための陰性コントロールを収容した容器25がセットされる。
また、酵素試薬容器セット孔21kには、核酸を増幅するための核酸増幅酵素試薬が収容された酵素試薬容器26がセットされている。プライマー試薬容器セット孔21lには、がん胎児性抗原(以下、単にCEAともいう)のmRNAに対応するcDNAを増幅するためのプライマー試薬が収容されたプライマー試薬容器27がセットされている。プライマー試薬容器セット孔21mには、β−アクチンのmRNAに対応するcDNAを増幅するためのプライマー試薬が収容されたプライマー試薬容器28がセットされている。
また、反応検出部50の各反応検出ブロック50aは、図2及び図3に示すように、反応部51と、2つの濁度検出部52と、蓋閉機構部53(図2参照)とから構成されている。各反応検出ブロック50aに設けられる反応部51には、図3に示すように、検出セル54をセットするための2つの検出セルセット孔51aが設けられている。各反応検出ブロック50aは、装置の奥側から順に、セルセット位置1、セルセット位置2、セルセット位置3、セルセット位置4及びセルセット位置5に配置されている。
また、濁度検出部52は、反応部51の一方の側面側に配置された基板55aに取り付けられた465nmの波長を有する青色LEDからなるLED光源部52aと、反応部51の他方の側面側に配置された基板55bに取り付けられたフォトダイオード受光部52bとによって構成されている。各反応検出ブロック50aには、1つのLED光源部52aと1つのフォトダイオード受光部52bとからなる1組の濁度検出部52が2組ずつ配置されている。
また、検出セル54は、測定用試料を収容するため2つのセル部54aと、2つのセル部54aを塞ぐ2つの蓋部54bとを有している。
また、移送部60は、図2に示すように、分注機構部10をY軸方向に移送するための直動ガイド61及びボールネジ62と、ボールネジ62を駆動するためのステッピングモータ63と、分注機構部10をX軸方向に移送するための直動ガイド64及びボールネジ65と、ボールネジ65を駆動するためのステッピングモータ66とを含んでいる。なお、分注機構部10のX軸方向及びY軸方向への移送は、ステッピングモータ63及び66により、それぞれ、ボールネジ62及び65を回転させることにより行う。
パーソナルコンピュータ102は、図1に示すように、入力機器のキーボード102a及びマウス102bと、モニタからなる表示部102cと、試料の測定結果を比較、正規化及び判定するCPU102dとを含む。
図5は、本実施形態による判定装置1の動作を示すフローチャートである。図5に基づいて、判定装置1の動作について説明する。ここでは、1)胃がん手術で患者の腹腔内を洗浄することにより得られた腹腔洗浄液中に存在するがんマーカー遺伝子(CEA)及びハウスキーピング遺伝子(β−アクチン)を、LAMP法を用いて増幅させ、2)増幅に伴い発生するピロリン酸マグネシウムによる白濁による濁度の変化を測定することにより、CEA及びβ−アクチンの発現量に関する値を測定し、3)これを閾値と比較して、腹腔洗浄液中のがん細胞の存否を判定し、4)胃がんの転移の判定を支援する情報を提供できる装置について説明する。なお、以下の記載において、主にがんマーカー遺伝子の発現量に関する値を測定する機構の動作について説明するが、ハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する機構の動作も、同様である。
まず、図2及び図3に示すように、予め腹腔洗浄液を処理(濃縮、核酸抽出など)して調製された測定用試料が収容された試料容器22を試料容器セット孔21c〜21jにセットする(ステップS1)。また、陽性コントロールが収容された容器24及び陰性コントロールが収容された容器25を、それぞれ、試料容器セット孔21a及び21b(図3参照)にセットする(ステップS2)。また、酵素試薬容器セット孔21k、プライマー試薬容器セット孔21l及びプライマー試薬容器セット孔21lに、それぞれ、核酸増幅のための核酸増幅酵素試薬が収容された酵素試薬容器26と、CEAの増幅のためのプライマー試薬(CEAのプライマー試薬)が収容されたプライマー試薬容器27と、β−アクチンの増幅のためのプライマー試薬(β−アクチンのプライマー試薬)が収容されたプライマー試薬容器28とをセットする(ステップS3)。また、チップセット部30に、それぞれ36本の使い捨て用のピペットチップ31が収納された2つのラック32を設置する(ステップS4)。
核酸増幅測定装置101の動作がスタートすると(ステップS5)、まず、図2に示した移送部60により分注機構部10のアーム部11が初期位置からチップセット部30に移動された後、チップセット部30において、分注機構部10の2つのシリンジ部12が下方向に移動される。これにより、2つのシリンジ部12のノズル部の先端が2つのピペットチップ31の上部開口部内に圧入されるので、2つのシリンジ部12のノズル部の先端にピペットチップ31が自動的に装着される(ステップS6)。そして、2つのシリンジ部12が上方に移動された後、分注機構部10のアーム部11は、CEAのプライマー試薬が収容されたプライマー試薬容器27の上方に向かってX軸方向に移動される。そして、プライマー試薬容器27の上方に位置する一方のシリンジ部12が下方向に移動されてCEAのプライマー試薬が吸引された後、その一方のシリンジ部12が上方向に移動される(ステップS7)。その後、他方のシリンジ部12が同じプライマー試薬容器27の上方に位置するように、移送部60により分注機構部10のアーム部11がY軸方向に移動される。そして、他方のシリンジ部12が下方向に移動されて同じプライマー試薬容器27からCEAのプライマー試薬が吸引された後、その他方のシリンジ部12が上方向に移動される(ステップS8)。このようにして、シリンジ部12に装着される2つのピペットチップ31によりプライマー試薬容器27内のCEAのプライマー試薬が吸引される。
CEAのプライマー試薬の吸引後、2つのシリンジ部12が上方に移動された後、分注機構部10のアーム部11は、移送部60により最も奥側(装置正面奥側)であるセルセット位置1に位置する反応検出ブロック50aの上方に移動される。そして、最も奥側の反応検出ブロック50aにおいて、2つのシリンジ部12が下方向に移動されることにより、2つのシリンジ部12に装着された2つのピペットチップ31が、それぞれ、検出セル54の2つのセル部54a内に挿入される。そして、シリンジ部12を用いて、CEAのプライマー試薬がそれぞれ2つのセル部54aに吐出される(ステップS9)。
CEAのプライマー試薬の吐出後、2つのシリンジ部12が上方に移動された後、分注機構部10のアーム部11は、移送部60によりチップ廃棄部40の上方に向かってX軸方向に移動される。そして、チップ廃棄部40において、ピペットチップ31の廃棄が行われる(ステップS10)。具体的には、2つのシリンジ部12が下方向に移動されることにより、チップ廃棄部40の2つのチップ廃棄孔40a(図3参照)内にピペットチップ31が挿入される。この状態で、分注機構部10のアーム部11が移送部60によりY軸方向に移動されることにより、ピペットチップ31が溝部40bの下に移動される。そして、2つのシリンジ部12が上方向に移動されることにより、ピペットチップ31の上面のつば部は、溝部40bの両側の下面に当接してその下面から下方向の力を受けるので、ピペットチップ31が2つのシリンジ部12のノズル部から自動的に脱離される。これにより、ピペットチップ31がチップ廃棄部40に廃棄される。
次に、同様の動作により、酵素試薬容器26から酵素試薬が上記のセル部54aに吐出され(ステップS11)、さらに同様の動作により、試料容器22及び試料容器23から試料が上記のセル部54aに吐出される(ステップS12)。
そして、上記のセル部54a内へのCEAのプライマー試薬、酵素試薬、試料の吐出が行われた後、検出セル54の蓋部54bの蓋閉め動作が行われる(ステップS13)。この蓋閉め動作が完了した後、検出セル54内の液温を約20℃から約65℃に加温することにより、RT−LAMP反応によりがんマーカー遺伝子であるCEAのmRNAに対応するcDNAを増幅する(ステップS14)。そして、増幅に伴い生成されるピロリン酸マグネシウムによる白濁を比濁法により検出する。具体的には、図3に示したLED光源部52a及びフォトダイオード受光部52bを用いて、増幅反応時の検出セル54内の濁度を検出(モニタリング)することによって、濁度データAの検出を行う(ステップS15)。
上記の動作と同様の動作により、ハウスキーピング遺伝子であるβ−アクチンの発現量に関する濁度データBの検出も行う(ステップS16)。
得られた濁度データは、核酸増幅測定装置101からパーソナルコンピュータ102へリアルタイムに送信される。パーソナルコンピュータ102のCPU102dは、がんマーカー遺伝子の濁度データAを予め決められた第1の閾値C1と比較し(ステップS17)、がんマーカー遺伝子の濁度データAをハウスキーピング遺伝子の濁度データBに基づいて正規化し(ステップS18)、得られた正規化した値Dを予め決められた第2の閾値C2と比較し(ステップS19)、得られた比較結果に基づいて、がん細胞の存否を判定し(ステップS20)、判定結果を出力する(ステップS20)。この出力結果に基づいて、例えば医師は、がんの転移の判定を行うことができる。
図7は、図1に示す表示部102cの表示例である。図7において、111はヘルプ機能など種々の機能を実行するボタンが表示されるツールバーを、112は測定用試料の各種情報を表示する測定用試料情報表示部を、113は測定用試料情報表示部112に表示される測定用試料試料の測定結果を示す測定結果表示部をそれぞれ示す表示領域である。
測定用試料情報表示部112には、検体番号表示欄112a、検体種表示欄112b、部位表示欄112c、コメント表示欄112d、測定日表示欄112e、及び測定時刻表示欄112fが設けられている。検体番号示欄112aには、測定用試料に用いられた検体番号が表示される。検体種表示欄112bには、患者から採取された試料の種類が表示される。患者から採取された試料の種類としては、例えば、リンパ節組織、血液、腹腔洗浄液、又は胸腔洗浄液等が挙げられる。部位表示欄112cには、患者から採取された試料の、採取された部位についての情報が表示される。例えば、図7では、部位表示欄112cに左横隔膜下と表示されている。このことから、この測定用試料は、左横隔膜下の腹腔洗浄液から調製されたものであることが分かる。コメント表示欄112dには、がん転移の診断に利用可能な、その他の測定用試料に関する情報が表示される。測定日表示欄112eおよび測定時刻表示欄112fには、それぞれ、測定用試料が測定された日(画面中では、「2005/09/26」)および時刻(画面中では、「12:53:06」)が表示される。
また、測定結果表示部113には、グラフ113a、第1測定結果表示欄113b、第2測定結果表示欄113c、正規化値表示欄113d、第1判定結果表示欄113e、第2判定結果表示欄113f、及び総合判定結果表示欄113gが設けられている。グラフ113aには、測定用試料情報表示部112に表示されている測定用試料の、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値と第1閾値、及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化した値(正規化値)と第2閾値との関係を示したグラフが表示される。図7のグラフ113aでは、横軸にがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と第1閾値の関係が示され、縦軸に正規化値と第2閾値との関係が示されている。第1測定結果表示欄113bには、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値が表示される。図7では、第1測定結果表示欄113bに、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値として、CEAのm−RNAの量(copy/μL)が表示されている。第2測定結果表示欄113cには、ハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値が表示される。図7では、第2測定結果表示欄113cに、ハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値として、β−アクチンのm−RNAの量(copy/μL)が表示されている。正規化値表示欄表示欄113dには、正規化値が表示される。図7では、113dに、正規化値として、CEAのm−RNAの量をβ−アクチンのm−RNAの量で除した値が表示されている。第1判定結果表示欄113eには、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値を比較した結果に基づく、測定用試料中のがん細胞の存否に関する判定結果(第1判定結果)の情報が表示される。図7では、第1判定結果表示欄113eに、第1判定結果の情報として、「−」が表示されている。ここで「−」は測定用試料中にがん細胞が存在しないことを示す。第2判定結果表示欄113fには、正規化値と第2の閾値を比較した結果に基づく、測定用試料中のがん細胞の存否に関する判定結果(第2判定結果)の情報が表示される。図7では、第2判定結果表示欄113fに、第2判定結果の情報として、「+」が表示されている。ここで「+」は測定用試料中にがん細胞が存在することを示す。総合判定結果表示欄113gには、上記の第1判定結果と第2判定結果に基づく、総合的な測定用試料中のがん細胞の存否に関する判定結果の情報が表示される。図7では、総合判定結果表示欄113gに、総合判定の結果の情報として「+」が表示されている。
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(1)腹腔洗浄液の採取及び試料の調製
50名の胃がんの患者の手術の際に、胃がんの転移の検査のために腹腔洗浄液を採取した。具体的には、開腹後、生理食塩水100mLを腹腔内(肝下面、左横隔膜下及び/又はダグラス窩)に注入して洗浄し、この液を回収した。回収した腹腔洗浄液を約3,000×gで10分間遠心分離した後、上清を除去し、約50〜100μLの試料を得た。
なお、これらの50名の患者は、細胞組織診により胃がんの転移が認められた患者17名、及び転移が認められない患者33名からなる。
(2)RT−PCR
(1)で調製した試料を、RNeasy Mini Kit(キアゲン社製)を製造業者の使用説明に従って処理して精製RNA溶液50μLを得た。
得られた精製RNA溶液について、以下のプライマーを用い、下記の組成で反応液を調製し、がんマーカー遺伝子としてのCEA及びハウスキーピング遺伝子としてのβ−アクチンのmRNA量をそれぞれ定量RT−PCR法(TaqMan(登録商標)RT-PCR)により測定した。
CEAのmRNA増幅のためのプライマー:
フォワードプライマー:5'-agacaatcacagtctctgcgga-3'(配列番号1)
リバースプライマー:5'-atccttgtcctccacgggtt-3'(配列番号2)
TaqManプローブ:5'-FAM-agctgcccaagccct-TAMRA-3'(配列番号17)
β−アクチンのmRNA増幅のためのプライマー:
フォワードプライマー:5'-ccacactgtgcccatctacg-3'(配列番号13)
リバースプライマー:5'-aggatcttcatgaggtagtcagtcag-3'(配列番号14)
TaqManプローブ:5'-FAM-atgccctcccccatgccatcctgcgt-TAMRA-3'(配列番号18)
RT−PCRの反応液組成:
1×One-step TaqMan(登録商標)RT-PCR Master mix(アプライドバイオシステムズ社製)
フォワードプライマー:300nM
リバースプライマー:300nM
TaqManプローブ:250nM
精製RNA溶液:1μL
合計:25μL
上記の反応液を、PRISM7700(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、50℃で30分間、95℃で15分間逆転写を行いcDNAを増幅させた後に、PCR反応(95℃で30秒、及び72℃で30秒のサイクル)を40回繰り返し、蛍光強度を測定した。
予め、培養細胞から各遺伝子をクローニングし、インビトロ転写により調製した既知量のmRNA溶液をスタンダードとして蛍光強度に対して標準曲線を作成しておき、該標準曲線に基づいて、試料中のCEA及びβ−アクチンのmRNAの量を定量した。単位は、mRNAのコピー数/μLである。
得られたCEAのmRNAの量を、「CEA絶対値」として表2に示す。この値を、閾値(第1の閾値)を20コピー/μLとして、閾値と比較した。閾値以上のmRNAの量を有する試料について陽性「+」と判定し、閾値より少ないmRNAの量を有する試料について陰性「−」と判定し、表2に「絶対値判定」として判定結果を示す。
得られたCEAのmRNAの量を、β−アクチンのmRNAの量で除した値(正規化した値)を求め、これを「CEA/アクチン正規化値」として表2に示す。この値を、閾値(第2の閾値)を1×10-5として、閾値と比較した。閾値以上の正規化した値を有する試料について陽性「+」と判定し、閾値より少ない正規化した値を有する試料について陰性「−」と判定し、表2に「正規化値判定」として判定結果を示す。
上記の絶対値判定及び正規化値判定の少なくとも一方が陽性である試料について、試料中のがん細胞の存在を陽性「+」と判定して、表2に「総合判定」として示す。
また、表2の結果を、横軸を「CEA絶対値」とし、縦軸を「CEA/アクチン正規化値」としてグラフに表した結果を、図8に示す。
Figure 2009072111
表2の結果から、組織診によりがん細胞の存在について陰性と判定された試料のうち、試料番号20、21、28、31、35、49及び50の試料は、本発明の方法により、がん細胞が存在すると判定された。これらの試料のうち、試料番号31を除く6検体は、試料として用いた腹腔洗浄液以外の部位から採取された別の腹腔洗浄液において、がん細胞の存在が陽性と判定されたか、胃がんの胃壁進達度が高いか、又は腹膜においてがんが再発したかのいずれかの患者からの検体であった。すなわち、組織診ではがん細胞が存在しない、すなわち胃がんの転移が陰性と判断された検体であっても、本発明の方法を用いることにより、微量のがん細胞の存在を検出して、より正確ながん細胞の存否の判定を行うことができ、ひいては胃がんの転移の判定に有効な情報を提供できることがわかる。
本発明の一実施形態による判定装置の全体構成を示した斜視図である。 図1に示した判定装置の測定手段としての核酸増幅測定装置の全体構成を示した斜視図である。 図2の核酸増幅測定装置の概略平面図である。 本発明の一実施形態による判定装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による判定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による判定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の判定装置の表示部の表示例を示す図である。 実施例の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 がん細胞の存否の判定装置
10 分注機構部
11 アーム部
12 シリンジ部
20 試料セット部
21a〜j 試料容器セット孔
21k 酵素試薬容器セット孔
21l CEAのプライマー試薬容器セット孔
21m β−アクチンのプライマー試薬容器セット孔
24 陽性コントロールを収容した容器
25 陰性コントロールを収容した容器
26 酵素試薬容器
27 CEAのプライマー試薬容器
28 β−アクチンのプライマー試薬容器
30 チップセット部
40 チップ廃棄部
50 反応検出部
50a 反応検出ブロック
51 反応部
52 濁度検出部
52a LED光源部
52b フォトダイオード受光部
53 蓋閉機構部
54 検出セル
55a、55b 基板
60 移送部
61、64 直動ガイド
62、65 ボールネジ
63、66 ステッピングモータ
100 測定手段
101 核酸増幅測定装置
102 パーソナルコンピュータ
102c 表示部
102d CPU
111 ツールバー
112 測定用試料情報表示部
113 測定結果表示部
200 第1比較手段
300 正規化手段
400 第2比較手段
500 判定手段
600 出力手段

Claims (9)

  1. 患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
    前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
    前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
    前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;及び
    前記第1比較工程及び前記第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定工程
    を含む、がん細胞の存否を判定する方法。
  2. 前記判定工程が、前記第1比較工程におけるがんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値以上である場合、及び/又は前記第2比較工程における正規化した値が第2の閾値以上である場合に、試料中にがん細胞が存在すると判定する、請求項1に記載の方法。
  3. 患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
    前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
    前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
    前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;
    前記第1比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第1判定工程;及び
    前記第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する第2判定工程
    を含む、がん細胞の存否を判定する方法。
  4. 患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定工程;
    前記測定工程で得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較工程;
    前記第1比較工程において、前記がんマーカー遺伝子の発現量に関する値が第1の閾値よりも低い場合に、前記測定工程で得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量に関する値を正規化する正規化工程;
    前記正規化工程で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較工程;及び
    前記第1比較工程又は第2比較工程で得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する工程
    を含む、がん細胞の存否を判定する方法。
  5. 前記患者から採取された細胞が、リンパ節組織、血液、又は体腔洗浄液に含まれる細胞である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記測定工程において、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値が、それぞれの遺伝子のmRNAを核酸増幅法により増幅させて測定される値である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記がんマーカー遺伝子が、サイトケラチン、がん胎児性抗原、MUC1ムチン、又はマンマグロブリンの遺伝子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ハウスキーピング遺伝子が、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、シクロフィリン遺伝子、β−アクチン遺伝子又はα−チューブリン遺伝子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 患者から採取された細胞を含む試料中の、がんマーカー遺伝子及びハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値を測定する測定手段;
    前記測定手段により得られたがんマーカー遺伝子の発現量に関する値と、第1の閾値とを比較する第1比較手段;
    前記測定手段により得られたハウスキーピング遺伝子の発現量に関する値に基づいて、がんマーカー遺伝子の発現量を正規化する正規化手段;
    前記正規化手段で得られた正規化した値と、第2の閾値とを比較する第2比較手段;
    第1比較手段及び第2比較手段により得られた比較結果に基づいて、試料中のがん細胞の存否を判定する判定手段;及び
    前記判定手段により得られた判定結果を出力する出力手段
    を含む、がん細胞の存否を判定する装置。
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