JP2009070919A - プラズマ酸化処理方法およびシリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

プラズマ酸化処理方法およびシリコン酸化膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 複雑なプロセスを必要とせずに、同一のシリコン層に形成されたp型拡散領域およびn型拡散領域に、それぞれ異なる膜厚でシリコン酸化膜を形成する。
【解決手段】 酸素およびArを含有する処理ガスのプラズマにより、p型拡散領域103とn型拡散領域105とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理する。p型拡散領域103の表面には膜厚T1の厚膜部107aが形成され、n型拡散領域105の表面には、厚膜部107aよりも薄い膜厚T2の薄膜部107bが形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばCMOS素子の製造過程でシリコン酸化膜を形成する際に利用可能なプラズマを用いる酸化処理技術に関する。
nチャネルMOSトランジスタは、伝導に寄与するキャリアが電子であるため、pチャネルMOSトランジスタに比べてキャリアの移動度が大きい。通常、ゲート酸化膜の膜厚が同じで、かつトランジスタサイズが同じ(つまり、チャネル長およびチャネル幅が同じ)であれば、nチャネルMOSトランジスタはpチャネルMOSトランジスタに比べてドライブカレント(Ion電流)を大きくとることができる。このため、LSIのデジタル回路を高速で動作させる上で、Keyトリガー信号を処理するスイッチングトランジスタとしてnチャネルMOSトランジスタが用いられる。しかし、nチャネルMOSトランジスタだけでデジタル回路を構成した場合、高速ではあるが、消費電力が大きくなるという問題がある。これを解決するために、Vcc(電源電圧)側にpチャネルMOSトランジスタを配置し、Vccからの不必要な電流を遮断する機構を付加する方式(CMOS回路構成)が一般的に採用されている。
LSIをCMOS回路で設計する場合には、回路を構成するトランジスタが次のような要件を満たすことが必要となる。まず、デジタル回路において回路の動作速度を決定するトリガー信号の信号線のステートは、LowからHighへ移行する速度と、逆にHighからLowへ移行するスイッチング速度とを揃える必要がある。そのため、CMOSインバータ回路を組む場合、Vcc側のPull−Up用pチャネルMOSトランジスタとGND側のPull−Down用nチャネルMOSトランジスタのVth(しきい値電圧)は、+/−対称に同じ値に設定する必要があり、かつ両方のトランジスタのドライブカレント(Ion電流)が等しいことが要求される。
上記の要件を満たすために、従来はnチャネルMOSトランジスタと対をなすpチャネルMOSトランジスタのチャネル幅を大きく設計することによって対応していた。すなわち、pチャネルMOSトランジスタのドライブカレント(Ion電流)を補完するため、一般に、pチャネルMOSトランジスタのチャネル幅は、nチャネルMOSトランジスタに比べて1.5倍から2倍程度大きく設計される。
今後、消費電力を低減しつつ高速動作を目指すCMOS素子において、トランジスタサイズを小さくすることを考慮すると、nチャネルMOSトランジスタと同様に、pチャネルMOSトランジスタを微細化すること、およびpチャネルMOSトランジスタのドライブカレントを向上させる取り組みが必要となる。現在、従来の埋め込みチャネル型のpチャネルMOSトランジスタから、表面チャネル型のpチャネルMOSトランジスタに技術がシフトする傾向があるのは、以上のような理由によるものである。
pチャネルMOSトランジスタにおいて、ドライブカレント(Ion電流)は大きければ大きいほどよく、かつリーク電流特性(Ioff)は小さいほどよい。リーク電流特性(Ioff)は、時にはドライブカレント特性(Ion)よりも重要であるため、リーク電流特性(Ioff)を考慮すると、しきい値電圧(Vth)を無理に下げることは困難である。そして、ゲート酸化膜の膜厚は、ゲート上部から基板方向へ向けてのリーク電流が問題となるレベルまで大きくならない限り、極力薄く形成することがトランジスタの性能[つまり、ドライブカレント特性(Ion)およびリーク電流特性(Ioff)]を改善させる方向になるので有利である。また、本来、nチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタにおけるゲート酸化膜の膜厚の最適化は、それぞれ独立して行うことが理想的であると考えられる。pチャネルMOSトランジスタは、ゲート酸化膜の膜厚が同じ場合には、nチャネルMOSトランジスタに比べてIonおよびIoffの両特性がともに小さい。このことから、pチャネルMOSトランジスタのゲート酸化膜の膜厚を、nチャネルMOSトランジスタのゲート酸化膜よりも薄く形成できる余地は十分にある。
しかし、実際のCMOSトランジスタ形成プロセスでは、nチャネルとpチャネルのゲート酸化膜の膜厚を独立に調整することは多くの場合敬遠される。その理由は、ゲート酸化膜の形成工程が複雑化することが避けられず、製造コストを増大させたり、デバイスの信頼性を低下させるなどの弊害が生じるためである。
すなわち、従来技術でnチャネル形成領域(導電型はp型)とpチャネル形成領域(導電型はn型)に膜厚の異なるシリコン酸化膜を形成するためには、一旦これらの領域にシリコン酸化膜を形成した後、酸化膜を厚く形成したい方の領域に選択的にフォトレジストマスクを形成し、それ以外の部分の酸化膜を、希フッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングによって除去し、その後でもう一度酸化処理を行って薄い酸化膜を形成する、という複雑な工程が必要であった。このようにゲート酸化膜の形成工程が複雑になると、コスト高になるとともに、プロセス上のクロスコンタミネーションが発生しやすくなり、トランジスタ性能の安定性や信頼性を低下させてしまうおそれがある。
ところで、ゲート酸化膜としてのシリコン酸化膜を形成するための代表的な技術として、熱酸化法やプラズマ酸化法などが知られている。例えば、特許文献1では、Kr等の希ガスと酸素を用いてプラズマ酸化処理を行うことにより、シリコン表面に面方位に依存しない均一で高品質なシリコン酸化膜を形成する技術が提案されている。プラズマ酸化処理の場合、プラズマの均一化を図ることにより、シリコン基板面内での処理の均一性(つまり、酸化膜厚の面内均一性)を確保することが重要と考えられてきた。
特開2002−261091号公報
従来のプラズマ酸化処理では、同一のシリコン基板表面において、均一な酸化処理を実現することが指向されており、部位によって異なる膜厚でシリコン酸化膜を形成することについては検討されていない。しかし、複雑な工程を必要とせずに、p型拡散領域のシリコン酸化膜に比べてn型拡散領域のシリコン酸化膜を薄く形成できる方法があれば、上述のようにpチャネルMOSトランジスタにおいて、ゲート絶縁膜の薄膜化とトランジスタの小型化を図ることが可能となり、さらには、CMOS素子において低消費電力と高速動作を維持しつつ、ダウンサイジングと集積度の向上を実現できる可能性がある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、複雑なプロセスを必要とせずに、同一のシリコン層に形成されたp型拡散領域およびn型拡散領域に、それぞれ異なる膜厚でシリコン酸化膜を形成することが可能なプラズマ酸化処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法は、
プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、
複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、
前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、
を備えたプラズマ酸化処理方法であって、
前記シリコン層には、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とがそれぞれ表面に露出して設けられており、前記第1の領域と前記第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理することを特徴とする。
本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記第1の領域における酸化レートは、前記第2の領域における酸化レートの1.2〜2.0倍であってもよい。
また、本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記第1の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚は、前記第2の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚に比べて1.2〜2.0倍であってもよい。
また、本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.001以上0.2以下の範囲内であってもよい。
また、本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記プラズマ酸化処理工程における処理圧力が1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかであってもよい。
また、本発明の第1の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記プラズマ酸化処理工程におけるマイクロ波のパワー密度が、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内であってもよい。
本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法は、
プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、
複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、
前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、
を備えたプラズマ酸化処理方法であって、
前記シリコン層には、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とが、それぞれ表面に露出して設けられており、
前記プラズマ酸化処理工程は、前記第1の領域に対する酸化レートが、前記第2の領域に対する酸化レートに比べて大きくなるように酸化処理を行う第1の酸化処理工程と、
前記第1の酸化処理工程の後に、前記第1の領域に対する酸化レートと前記第2の領域に対する酸化レートが同程度となるように酸化処理を行う第2の酸化処理工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法では、前記第1の酸化処理工程において、前記第1の領域における酸化レートが、前記第2の領域における酸化レートの1.2〜2.0倍であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法では、前記第1の酸化処理工程において、前記第1の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚が、前記第2の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚に比べて1.2〜2.0倍であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記第1の酸化処理工程における前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.001以上0.25以下の範囲内であるとともに、処理圧力が1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかであってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法では、前記第1の酸化処理工程におけるマイクロ波のパワー密度が、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法では、前記第2の酸化処理工程における前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.0025以上0.4以下の範囲内であるとともに、前記第2の酸化処理工程の処理圧力が、6.7Pa以上667Pa以下の範囲内であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法では、前記第2の酸化処理工程におけるマイクロ波のパワー密度が、0.42W/cm以上4.19W/cm以下の範囲内であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記第1の領域がp型拡散領域であり、前記第2の領域がn型拡散領域であってもよい。
また、本発明の第2の観点のプラズマ酸化処理方法において、前記p型拡散領域におけるホウ素の濃度が1×1016〜5×1018cm−3の範囲内であり、前記n型拡散領域におけるリンの濃度が1×1016〜5×1018cm−3の範囲内であってもよい。
本発明の第3の観点のシリコン酸化膜の形成方法は、プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を備えたプラズマ酸化処理方法により、前記シリコン層の表面に設けられた、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理してシリコン酸化膜を形成することを特徴とする。
本発明の第4の観点のCMOS素子の製造方法は、
nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを備えたCMOS素子の製造方法であって、
シリコン層に、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域と、をそれぞれ形成する工程と、
前記第1の領域と前記第2の領域の表面に、それぞれシリコン酸化膜を形成するシリコン酸化膜形成工程と、
前記第1の領域に形成されたシリコン酸化膜および前記第2の領域に形成されたシリコン酸化膜より上層に、それぞれゲート電極を形成する工程と、
を備え、
前記シリコン酸化膜形成工程は、
プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を有しており、前記第1の領域と前記第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理するものであること、を特徴とする。
本発明の第5の観点のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、
コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、プラズマ処理装置の処理室内でプラズマ酸化処理方法が行われるように、前記プラズマ処理装置を制御するものであり、
前記プラズマ処理方法は、
前記処理室内に酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を備え、前記シリコン層の表面に設けられた、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理してシリコン酸化膜を形成するものであること、を特徴とする。
本発明の第6の観点のプラズマ処理装置は、
プラズマを用いて被処理体を処理するための処理室と、
前記処理室内にマイクロ波を導入するための、複数の孔を有する平面アンテナと、
前記処理室内にガスを供給するガス供給機構と、
前記処理室内を減圧排気する排気機構と、
前記処理室内に酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスとマイクロ波とを導入してプラズマを生成させ、シリコン層の表面に設けられた第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明のプラズマ酸化処理方法によれば、第1の導電型の第1の領域と第2の導電型の第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理するので、フォトリソグラフィーやエッチングなどの工程数を従来に比べて削減しながら、第1の領域と第2の領域に、それぞれ異なる膜厚のシリコン酸化膜を形成することが可能である。従って、例えばCMOSトランジスタの製造過程において、nチャネル形成のためのp型拡散領域と、pチャネル形成のためのn型拡散領域とに形成されるゲート絶縁膜の膜厚設計の自由度を大幅に高めることが可能となる。その結果、CMOS素子をはじめとする半導体装置において、優れた信頼性を維持しながら、微細化や高集積化への対応を図ることが可能になる、という効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ酸化処理方法の概要を示す説明図である。図1に示したように、シリコン層101上には、第1の導電型を有する第1の領域としてp型不純物がドープされたp型拡散領域103と、第2の導電型を有する第2の領域としてn型不純物がドープされたn型拡散領域105と、が形成されている。p型不純物としては、例えばホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの3価の元素を挙げることができる。n型不純物としては、例えばリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)などの5価の元素を挙げることができる。なお、p型拡散領域103およびn型拡散領域105は、共に不純物の濃度分布を有していてもよい。
また、p型拡散領域103は、1種類のp型不純物に限らず、2種以上のp型不純物を含んでいてもよい。同様に、n型拡散領域105は、1種類のn型不純物に限らず、2種以上のn型不純物を含んでいてもよい。さらに、p型拡散領域103は、p型が優勢であればよいので、p型不純物のみを含む場合に限らず、p型不純物とn型不純物の両方を含んでいてもよい。同様に、n型拡散領域105も、n型が優勢であればよいので、n型不純物のみを含む場合に限らず、n型不純物とp型不純物の両方を含んでいてもよい。
なお、図1〜図3では、説明の便宜上、p型拡散領域103とn型拡散領域105がシリコン層101に個別に設けられているように図示したが、例えば、n型のシリコン層101を第2の領域として、その一部に第1の領域としてのp型拡散領域103が設けられていてもよく、あるいは、p型のシリコン層101を第1の領域として、その一部に第2の領域としてのn型拡散領域105が設けられていてもよい。また、シリコン層101は、多結晶シリコン層やアモルファスシリコン層でもよく、あるいは単結晶シリコン基板であってもよい。
図2に示したように、酸素含有ガスのプラズマPを用いて、シリコン層101の表面をプラズマ酸化処理する。このプラズマ酸化処理は、p型拡散領域103とn型拡散領域105とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理する工程を含む。そして、p型拡散領域103に形成されるシリコン酸化膜の厚みが、n型拡散領域105に形成されるシリコン酸化膜の厚みに比べて大きくなるようにプラズマ酸化処理を行う。このプラズマ酸化処理に用いるプラズマ処理装置やプラズマ酸化処理条件については、後で詳細に説明する。
図3は、プラズマ酸化処理によって、シリコン層101の表面にシリコン酸化膜107が形成された状態を示したものである。シリコン酸化膜107は、p型拡散領域103の表面に形成された厚膜部107aと、n型拡散領域105の表面に形成された、厚膜部107aよりも膜厚が薄い薄膜部107bとを有している。つまり、厚膜部107aの膜厚Tと、薄膜部107bの膜厚Tとの関係は、T>Tである。
このように本実施の形態のプラズマ酸化処理方法は、同一の基板面内(シリコン層101内)において、膜厚が異なる厚膜部107aと薄膜部107bとを形成することができる方法である。このようにして形成されたシリコン酸化膜107の厚膜部107aと薄膜部107bとを、それぞれゲート絶縁膜として利用することにより、同一基板面内(シリコン層101内)で、異なる厚みのゲート絶縁膜を有する複数のトランジスタを作製することが可能である。従って、後述するように、異なる膜厚のゲート絶縁膜によって形成されたnチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタを有するCMOS素子を容易に製造することができる。
次に、図4から図6を参照しながら、本実施の形態のプラズマ酸化処理方法に好適に利用可能なプラズマ処理装置100について説明する。図4は、プラズマ酸化処理に利用可能なプラズマ処理装置100の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図5は、図4のプラズマ処理装置100の平面アンテナを示す平面図である。さらに、図6は、図4のプラズマ処理装置100の制御部の構成例を示す図面である。
プラズマ処理装置100は、複数のスロット状の孔を有する平面アンテナ、特にRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを発生させることにより、高密度かつ低電子温度のマイクロ波励起プラズマを発生させ得るRLSAマイクロ波プラズマ処理装置として構成されている。プラズマ処理装置100では、1×1010〜5×1012/cmのプラズマ密度で、かつ0.7〜2eVの低電子温度を有するプラズマによる処理が可能である。従って、プラズマ処理装置100は、各種半導体装置の製造過程において、シリコンを酸化してシリコン酸化膜を形成する目的で好適に利用できる。
プラズマ処理装置100は、主要な構成として、気密に構成されたチャンバー(処理室)1と、チャンバー1内にガスを供給するガス供給機構18と、チャンバー1内を減圧排気するための排気機構としての排気装置24と、チャンバー1の上部に設けられ、チャンバー1内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入機構27と、これらプラズマ処理装置100の各構成部を制御する制御部50と、を備えている。
チャンバー1は、接地された略円筒状の容器により形成されている。なお、チャンバー1は角筒形状の容器により形成してもよい。チャンバー1は、アルミニウム等の材質からなる底壁1aと側壁1bとを有している。
チャンバー1の内部は、被処理体であるシリコンウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)Wを水平に支持するための載置台2が設けられている。載置台2は、熱伝導性の高い材質例えばAlN等のセラミックスにより構成されている。この載置台2は、排気室11の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部材3により支持されている。支持部材3は、例えばAlN等のセラミックスにより構成されている。
また、載置台2には、その外縁部をカバーし、ウエハWをガイドするためのカバーリング4が設けられている。このカバーリング4は、例えば石英、AlN、Al、SiN等の材質で構成された環状部材である。
また、載置台2には、温度調節機構としての抵抗加熱型のヒータ5が埋め込まれている。このヒータ5は、ヒータ電源5aから給電されることにより載置台2を加熱して、その熱で被処理基板であるウエハWを均一に加熱する。
また、載置台2には、熱電対(TC)6が配備されている。この熱電対6によって温度計測を行うことにより、ウエハWの加熱温度を例えば室温から900℃までの範囲で制御可能となっている。
また、載置台2には、ウエハWを支持して昇降させるためのウエハ支持ピン(図示せず)が設けられている。各ウエハ支持ピンは、載置台2の表面に対して突没可能に設けられている。
チャンバー1の内周には、石英からなる円筒状のライナー7が設けられている。また、載置台2の外周側には、チャンバー1内を均一排気するため、多数の排気孔8aを有する石英製のバッフルプレート8が環状に設けられている。このバッフルプレート8は、複数の支柱9により支持されている。
チャンバー1の底壁1aの略中央部には、円形の開口部10が形成されている。底壁1aにはこの開口部10と連通し、下方に向けて突出する排気室11が設けられている。この排気室11には、排気管12が接続されており、この排気管12を介して排気装置24に接続されている。
チャンバー1の上部には、環状のアッパープレート13が接合されている。アッパープレート13の内周は、内側(チャンバー内空間)へ向けて突出し、環状の支持部13aを形成している。
チャンバー1の側壁1bには、環状をなすガス導入部15が設けられている。このガス導入部15は、酸素含有ガスやプラズマ励起用ガスを供給するガス供給機構18に接続されている。なお、ガス導入部15はノズル状またはシャワー状に設けてもよい。
また、チャンバー1の側壁1bには、プラズマ処理装置100と、これに隣接する搬送室(図示せず)との間で、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口16と、この搬入出口16を開閉するゲートバルブ17とが設けられている。
ガス供給機構18は、例えば不活性ガス供給源19aおよび酸素含有ガス(O含有ガス)供給源19bを有している。なお、ガス供給機構18は、上記以外の図示しないガス供給源として、例えばチャンバー1内雰囲気を置換する際に用いるパージガス供給源、チャンバー1内をクリーニングする際に用いるクリーニングガス供給源等を有していてもよい。
不活性ガスとしては、例えばNガスや希ガスなどを用いることができる。希ガスとしては、例えばArガス、Krガス、Xeガス、Heガスなどを用いることができる。これらの中でも、経済性に優れている点でArガスを用いることが特に好ましい。また、酸素含有ガスとしては、例えば酸素ガス(O)、水蒸気(HO)、一酸化窒素(NO)などを用いることができる。
不活性ガスおよび酸素含有ガスは、ガス供給機構18の不活性ガス供給源19aおよび酸素含有ガス供給源19bから、ガスライン20を介してガス導入部15に至り、ガス導入部15からチャンバー1内に導入される。各ガス供給源に接続する各々のガスライン20には、マスフローコントローラ21およびその前後の開閉バルブ22が設けられている。このようなガス供給機構18の構成により、供給されるガスの切替えや流量等の制御が出来るようになっている。
排気機構としての排気装置24は、例えばターボ分子ポンプなどの高速真空ポンプを備えている。前記のように、排気装置24は、排気管12を介してチャンバー1の排気室11に接続されている。チャンバー1内のガスは、排気室11の空間11a内へ均一に流れ、さらに空間11aから排気装置24を作動させることにより、排気管12を介して外部へ排気される。これにより、チャンバー1内を所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能となっている。
次に、マイクロ波導入機構27の構成について説明する。マイクロ波導入機構27は、主要な構成として、透過板28、平面アンテナ31、遅波材33、シールド蓋体34、導波管37、マッチング回路38およびマイクロ波発生装置39を備えている。
マイクロ波を透過させる透過板28は、アッパープレート13において内周側に張り出した支持部13a上に配備されている。透過板28は、誘電体、例えば石英やAl、AlN等のセラミックスから構成されている。この透過板28と支持部13aとの間は、シール部材29を介して気密にシールされている。したがって、チャンバー1内は気密に保持される。
平面アンテナ31は、透過板28の上方において、載置台2と対向するように設けられている。平面アンテナ31は、円板状をなしている。なお、平面アンテナ31の形状は、円板状に限らず、例えば四角板状でもよい。この平面アンテナ31は、アッパープレート13の上端に係止されている。
平面アンテナ31は、例えば表面が金または銀メッキされた銅板またはアルミニウム板から構成されている。平面アンテナ31は、マイクロ波を放射する多数のスロット状のマイクロ波放射孔32を有している。マイクロ波放射孔32は、所定のパターンで平面アンテナ31を貫通して形成されている。
個々のマイクロ波放射孔32は、例えば図5に示すように、細長い長方形状(スロット状)をなしている。そして、典型的には隣接するマイクロ波放射孔32が「T」字状に配置されている。また、このように所定の形状(例えばT字状)に組み合わせて配置されたマイクロ波放射孔32は、さらに全体として同心円状に配置されている。
マイクロ波放射孔32の長さや配列間隔は、マイクロ波の波長(λg)に応じて決定される。例えば、マイクロ波放射孔32の間隔は、λg/4、λg/2またはλgとなるように配置される。なお、図5においては、同心円状に形成された隣接するマイクロ波放射孔32どうしの間隔をΔrで示している。なお、マイクロ波放射孔32の形状は、円形状、円弧状等の他の形状であってもよい。さらに、マイクロ波放射孔32の配置形態は特に限定されず、同心円状のほか、例えば、螺旋状、放射状等に配置することもできる。
平面アンテナ31の上面には、真空よりも大きい誘電率を有する遅波材33が設けられている。この遅波材33は、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてプラズマを調整する機能を有している。
なお、平面アンテナ31と透過板28との間、また、遅波材33と平面アンテナ31との間は、それぞれ接触させても離間させてもよいが、接触させることが好ましい。
チャンバー1の上部には、これら平面アンテナ31および遅波材33を覆うように、シールド蓋体34が設けられている。シールド蓋体34は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等の金属材料によって形成されている。アッパープレート13の上端とシールド蓋体34とは、シール部材35によりシールされている。また、シールド蓋体34の内部には、冷却水流路34aが形成されている。この冷却水流路34aに冷却水を通流させることにより、シールド蓋体34、遅波材33、平面アンテナ31および透過板28を冷却できるようになっている。なお、シールド蓋体34は接地されている。
シールド蓋体34の上壁(天井部)の中央には、開口部36が形成されており、この開口部36には導波管37が接続されている。導波管37の他端側には、マッチング回路38を介してマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置39が接続されている。
導波管37は、上記シールド蓋体34の開口部36から上方へ延出する断面円形状の同軸導波管37aと、この同軸導波管37aの上端部にモード変換器40を介して接続された水平方向に延びる矩形導波管37bとを有している。モード変換器40は、矩形導波管37b内をTEモードで伝播するマイクロ波をTEMモードに変換する機能を有している。
同軸導波管37aの中心には内導体41が延在している。この内導体41は、その下端部において平面アンテナ31の中心に接続固定されている。このような構造により、マイクロ波は、同軸導波管37aの内導体41を介して平面アンテナ31へ放射状に効率よく均一に伝播される。
以上のような構成のマイクロ波導入機構27により、マイクロ波発生装置39で発生したマイクロ波が導波管37を介して平面アンテナ31へ伝搬され、さらに透過板28を介してチャンバー1内に導入されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、例えば2.45GHzが好ましく用いられ、他に8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。
プラズマ処理装置100の各構成部は、制御部50に接続されて制御される構成となっている。制御部50は、図6に示すように、CPUを備えたプロセスコントローラ51と、このプロセスコントローラ51に接続されたユーザーインターフェース52および記憶部53を備えている。プロセスコントローラ51は、プラズマ処理装置100において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力などのプロセス条件に関係する各構成部(例えば、ヒータ電源5a、ガス供給機構18、排気装置24、マイクロ波発生装置39など)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース52は、工程管理者がプラズマ処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。また、記憶部53には、プラズマ処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ51の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピが保存されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース52からの指示等にて任意のレシピを記憶部53から呼び出してプロセスコントローラ51に実行させることで、プロセスコントローラ51の制御下、プラズマ処理装置100のチャンバー1内で所望の処理が行われる。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスクなどに格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
このように構成されたプラズマ処理装置100では、800℃以下の低温で下地膜等へのダメージフリーなプラズマ処理を行うことができる。また、プラズマ処理装置100は、プラズマの均一性に優れていることから、プロセスの均一性を実現できる。
次に、RLSA方式のプラズマ処理装置100を用いたプラズマ酸化処理について説明する。まず、ゲートバルブ17を開にして搬入出口16からウエハWをチャンバー1内に搬入し、載置台2上に載置する。なお、ウエハWには、第1の拡散領域としてのp型拡散領域103と、第2の拡散領域としてのn型拡散領域105が形成されている(図1〜図3を参照)。
次に、チャンバー1内を減圧排気しながら、ガス供給機構18の不活性ガス供給源19aおよび酸素含有ガス供給源19bから、酸素含有ガスおよび不活性ガスを所定の流量でそれぞれガス導入部15を介してチャンバー1内に導入する。このようにして、チャンバー1内を所定の圧力に調節する。
次に、マイクロ波発生装置39で発生させた所定周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を、マッチング回路38を介して導波管37に導く。導波管37に導かれたマイクロ波は、矩形導波管37bおよび同軸導波管37aを順次通過し、内導体41を介して平面アンテナ31に供給される。つまり、マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝搬し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝搬されていく。そして、マイクロ波は、平面アンテナ31に貫通形成されたスロット状のマイクロ波放射孔32から透過板28を介してチャンバー1内におけるウエハWの上方空間に放射される。この際のマイクロ波出力は、例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、100〜5000Wの範囲内から目的に応じて選択することができる。
平面アンテナ31から透過板28を経てチャンバー1に放射されたマイクロ波により、チャンバー1内で電磁界が形成され、不活性ガスおよび酸素含有ガスがそれぞれプラズマ化する。このマイクロ波励起プラズマは、マイクロ波が平面アンテナ31の多数のマイクロ波放射孔32から放射されることにより、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では、略1.5eV以下の低電子温度プラズマとなる。このようにして形成されるマイクロ波励起高密度プラズマは、下地膜へのイオン等によるプラズマダメージが少ないものである。そして、プラズマ中の活性種例えばラジカルやイオンの作用によりウエハWのシリコン表面が酸化されてシリコン酸化膜SiOの薄膜が形成される。
プラズマ処理装置100においては、プラズマ処理の条件を選定することにより、シリコン酸化膜の形成速度(つまり、シリコンの酸化レート)を所望の大きさにコントロールすることができる。例えば、p型拡散領域103を優勢的に酸化させ、n型拡散領域105を僅かしか酸化させないプラズマ処理条件として、次に示す条件を挙げることができる。
<プラズマ酸化処理条件>
本実施の形態では、p型拡散領域103における不純物(例えばホウ素)の濃度が、1×1016cm−3〜5×1018cm−3の範囲内であり、n型拡散領域105として、不純物(例えばリン)の濃度が、1×1016cm−3〜5×1018cm−3の範囲内である場合を例に挙げて説明する。
処理ガスとしては、希ガスとしてArガスを、酸素含有ガスとしてOガスをそれぞれ使用することが好ましい。このとき、Arガスに対するOガスの流量比(Oガス流量/Arガス流量)は、プラズマ安定性を高める観点から、0.001以上0.2以下の範囲内とすることが好ましい。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、Arガスの流量は500mL/min(sccm)以上5000mL/min(sccm)以下の範囲内、Oガスの流量は5mL/min(sccm)以上100mL/min(sccm)以下の範囲内から、上記流量比になるように設定することができる。
また、処理圧力は、1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかに設定することが好ましい。
また、マイクロ波のパワー密度は、プラズマ安定性を高め、かつ酸化レートをコントロールする観点から、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内とすることが好ましい。なお、本発明においてマイクロ波のパワー密度は、プラズマ形成空間に面する透過板28(図4参照)の面積1cmあたりのマイクロ波パワーを意味する。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、マイクロ波パワーを100W以上500W未満の範囲内とすることが好ましい。
また、ウエハWの加熱温度は、載置台2の温度として、例えば300℃以上800℃以下の範囲内とすることが好ましく、400℃以上600℃以下の範囲内に設定することがより好ましい。
さらに、プラズマ処理装置100におけるギャップ(透過板28の下面から載置台2の上面までの間隔)Gは、プラズマ密度と酸化レートをコントロールする観点から、例えば50mm以上200mm以下の範囲内に設定することが好ましい。
以上の条件は、制御部50の記憶部53にレシピとして保存されている。そして、プロセスコントローラ51がそのレシピを読み出してプラズマ処理装置100の各構成部例えばガス供給機構18、排気装置24、マイクロ波発生装置39、ヒータ電源5aなどへ制御信号を送出することにより、所望の条件でのプラズマ酸化処理が実現する。
上記条件でのプラズマ酸化処理は、p型拡散領域103に所望の膜厚でシリコン酸化膜が形成されるまで行われる。酸化処理の終点は、例えば酸化レートと時間から求めることが可能である。あるいは、例えばチャンバー1に膜厚監視装置を設置してリアルタイムでシリコン酸化膜の膜厚をモニターすることによって終点を検出することもできる。
以上の条件で、p型拡散領域103とn型拡散領域105とが形成されたウエハW(シリコン層101)をプラズマ酸化処理することにより、p型拡散領域103のシリコンを優勢的に酸化し、n型拡散領域105に比べて厚いシリコン酸化膜を形成することができる。すなわち、上記条件の下では、p型拡散領域103は速やかに酸化されるが、n型拡散領域105での酸化の進行はp型拡散領域103に比べて遅い。例えば、p型拡散領域103における酸化レートを、n型拡散領域105における酸化レートに比べて1.2〜2.0倍の範囲内、好ましくは1.6〜2.0倍の範囲内にすることができる。そして、このような酸化レートの違いによって、同一の酸化処理時間で、形成されるp型拡散領域103のシリコン酸化膜の膜厚を、n型拡散領域105に比べて1.2〜2.0倍の範囲内、好ましくは1.6〜2.0倍の範囲内で厚く形成することができる。
<作用>
従来のプラズマ酸化処理は、プラズマ中のラジカル密度を高めて、ラジカル主体の酸化処理を行うことにより、ウエハWの面内で均一なシリコン酸化膜を形成することを目標としてきた。従って、ウエハWの面内で部位によって積極的に酸化レートを変え、異なる膜厚のシリコン酸化膜を形成する手法については検討されてこなかった。本発明者らは、複数のマイクロ波放射孔32を有する平面アンテナ31によってチャンバー1内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる方式のプラズマ処理装置100において、特定のプラズマ生成条件を選択することにより、シリコンに形成された導電型が異なる複数の領域において、酸化レートに差が生じることを発見した。このように、酸化レートに差が生じる原因は未だ明らかではないが、以下のように推測される。シリコンの導電型の相違によって各領域におけるシリコンの極性に相違が生じる。この極性の相違によって、p型拡散領域103の方がn型拡散領域105に比べてわずかに酸化されやすい状態になる。この「酸化されやすさ」のわずかな違いが酸化レートの差として際立って現れるのは、弱い酸化力の限られた酸化処理条件で酸化処理を行う場合である。
本発明では、上記現象を利用して、例えばp型拡散領域とn型拡散領域とを有するシリコン表面をプラズマ酸化処理することにより、p型拡散領域とn型拡散領域に膜厚が異なるシリコン酸化膜を容易に形成できることが見出された。
すなわち、従来技術で一つのウエハWに形成されたp型拡散領域とn型拡散領域にそれぞれ膜厚の異なるシリコン酸化膜を形成するためには、これらの領域に一旦シリコン酸化膜を形成した後、酸化膜を厚く形成したい方の領域に選択的にフォトレジストマスクを形成し、それ以外の部分の酸化膜を、希フッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングによって除去し、その後でもう一度酸化処理を行って薄い酸化膜を形成する、という複雑な手順が必要であった。このようにフォトリソグラフィー技術を利用して膜厚差を持たせる場合には、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、洗浄などの多くの工程が必要であり、さらに少なくとも2回の酸化処理工程が必要であった。これに対して、本実施の形態では、プラズマ酸化処理工程だけで、p型拡散領域とn型拡散領域にそれぞれ膜厚の異なるシリコン酸化膜を形成できることから、従来法に比べて工程数を大幅に削減できるという顕著な効果を奏する。そして、このようにして形成されたシリコン酸化膜を例えばCMOS素子のゲート絶縁膜として用いることで、簡単なプロセスでデバイス性能への悪影響を極力排除しながら、ゲート絶縁膜の膜厚設計の自由度を大きくすることが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に、図7〜図9を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ酸化処理方法について説明を行う。本実施の形態に係るプラズマ酸化処理方法では、主にp型拡散領域103が酸化される条件でプラズマ酸化処理を行った後、p型拡散領域103とn型拡散領域105の両方を酸化できる条件でプラズマ酸化処理を行う2ステップの酸化処理を行う点で、第1の実施の形態と異なる。従って、以下では、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、第1の実施の形態と同様の内容については、図示および説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態における手順の一例を示したフロー図である。この図7に示したように、本実施の形態では、ほぼp型拡散領域103のみを酸化する条件で行われる第1のプラズマ酸化処理工程の後に、第1のプラズマ酸化処理工程よりも酸化力が強い条件で行われる第2のプラズマ酸化処理工程を行う。第2のプラズマ酸化処理工程では、p型拡散領域103に対する酸化レートとn型拡散領域105に対する酸化レートが同程度となるように酸化処理を行うことが好ましい。
まず、ステップS1では、プラズマ処理装置100のチャンバー1内に図示しない搬送装置によってウエハWを搬入し、載置台2上に載置する。このウエハWには、p型拡散領域103とn型拡散領域105とが設けられている。
次に、ステップS2では、チャンバー1内にガス供給機構18からArガスおよびOガスを所定の流量で導入する。ステップS3では、排気装置24を作動させ、チャンバー1内を所定の圧力に減圧し、安定化させる。
次に、ステップS4では、マイクロ波発生装置39のパワーを「オン」にして、所定の周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を発生させ、第1のプラズマ酸化処理を行う。マイクロ波発生装置39で発生したマイクロ波は、マッチング回路38、導波管37および平面アンテナ31を介してチャンバー1内空間に導入され、チャンバー1内に酸素含有プラズマを生成させる。この酸素含有プラズマによって、ウエハW表面のシリコンをプラズマ酸化処理してシリコン酸化膜を形成する。この第1のプラズマ酸化処理工程では、p型拡散領域103のシリコンは酸化されるが、n型拡散領域105のシリコンはほとんど酸化されない酸化力の弱い条件が選択される。
<第1のプラズマ酸化処理条件>
本実施の形態では、p型拡散領域103における不純物(例えばリン)の濃度が、1×1016〜5×1018cm−3であり、n型拡散領域105として、不純物(例えばホウ素)の濃度が、1×1016〜5×1018cm−3である場合を例に挙げて説明する。
処理ガスとしては、希ガスとしてArガスを、酸素含有ガスとしてOガスをそれぞれ使用することが好ましい。このとき、Arガスに対するOガスの流量比(Oガス流量/Arガス流量)は、プラズマ安定性を高める観点から、0.001以上0.2以下の範囲内とすることが好ましい。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、Arガスの流量は100mL/min(sccm)以上5000mL/min(sccm)以下の範囲内、好ましくは100mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内もしくは2000mL/min(sccm)以上5000mL/min(sccm)以下の範囲内、Oガスの流量は0.1mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内、好ましくは1mL/min(sccm)以上5mL/min(sccm)以下の範囲内もしくは200mL/min(sccm)以上500mL/min(sccm)以下の範囲内から、それぞれ上記流量比になるように設定することができる。
また、処理圧力は、1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかに設定することが好ましい。
また、マイクロ波のパワー密度は、プラズマ安定性を高め、かつ酸化レートをコントロールする観点から、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内とすることが好ましい。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、マイクロ波パワーを100W以上500W未満の範囲内とすることが好ましい。
また、ウエハWの加熱温度は、載置台2の温度として、例えば300℃以上800℃以下の範囲内とすることが好ましく、400℃以上600℃以下の範囲内に設定することがより好ましい。
さらに、プラズマ処理装置100におけるギャップ(透過板28の下面から載置台2の上面までの間隔)Gは、プラズマ密度と酸化レートをコントロールする観点から、例えば50mm以上200mm以下の範囲内に設定することが好ましい。
以上の条件は、制御部50の記憶部53にレシピとして保存されている。そして、プロセスコントローラ51がそのレシピを読み出してプラズマ処理装置100の各構成部例えばガス供給機構18、排気装置24、マイクロ波発生装置39、ヒータ電源5aなどへ制御信号を送出することにより、所望の条件でのプラズマ酸化処理が実現する。
レシピによって規定された処理時間が経過した後は、ステップS5でマイクロ波パワーを「オフ」にし、第1のプラズマ酸化処理工程を終了させる。この第1のプラズマ酸化処理工程によって、図8に示したように、p型拡散領域103の表面は酸化されて所定の膜厚Tでシリコン酸化膜106が形成されるが、n型拡散領域105の表面はほとんど酸化されず、シリコン酸化膜もほぼ無視できる程度の厚み(図示せず)でしか形成されない。
ステップS5の終了後は、引き続き第2のプラズマ酸化処理へ向けて、ステップS6でガス流量を調整し、ステップS7ではチャンバー内圧力を調整する。
次に、ステップS8では、再び、マイクロ波発生装置39のパワーを「オン」にして、所定の周波数例えば2.45GHzのマイクロ波を発生させ、第2のプラズマ酸化処理を行う。チャンバー1内空間に導入されたマイクロ波により、チャンバー1内に酸素含有プラズマを生成させ、その酸素含有プラズマによって、ウエハW表面のシリコンをプラズマ酸化処理してシリコン酸化膜を形成する。この第2のプラズマ酸化処理工程では、第1のプラズマ酸化処理工程(ステップS4)よりも酸化力が強い条件が選択される。その結果、第2のプラズマ酸化処理工程では、p型拡散領域103とn型拡散領域105の酸化レートが同程度で酸化反応が進行する。
<第2のプラズマ酸化処理条件>
処理ガスとしては、希ガスとしてArガスを、酸素含有ガスとしてOガスをそれぞれ使用することが好ましい。このとき、Arガスに対するOガスの流量比(Oガス流量/Arガス流量)は、プラズマ安定性を高める観点から、0.0025以上0.4以下の範囲内とすることが好ましい。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、Arガスの流量は500mL/min(sccm)以上2000mL/min(sccm)以下の範囲内、Oガスの流量は5mL/min(sccm)以上200mL/min(sccm)以下の範囲内から、上記流量比になるように設定する。
また、処理圧力は、6.7Pa以上667Pa以下の範囲内にすることが好ましい。
また、マイクロ波のパワー密度は、プラズマ安定性を高め、かつ酸化レートをコントロールする観点から、0.42W/cm以上4.19W/cm以下の範囲内とすることが好ましい。例えば200mm径以上のウエハWを処理する場合には、マイクロ波パワーを500W以上5000W以下の範囲内とすることが好ましい。
また、ウエハWの加熱温度は、載置台2の温度として、例えば300℃以上800℃以下の範囲内とすることが好ましく、400℃以上600℃以下の範囲内に設定することがより好ましい。
さらに、プラズマ処理装置100におけるギャップ(透過板28の下面から載置台2の上面までの間隔)Gは、プラズマ密度と酸化レートをコントロールする観点から、例えば70mm以上150mm以下の範囲内に設定することが好ましい。
第2のプラズマ酸化処理の条件は、第1のプラズマ酸化処理工程(ステップS4)と同様に、制御部50の記憶部53にレシピとして保存されている。そして、プロセスコントローラ51による制御の下で、所望の条件での第2のプラズマ酸化処理が実現する。レシピによって規定された処理時間が経過した後は、ステップS9でマイクロ波パワーを「オフ」にし、第2のプラズマ酸化処理工程を終了させる。
上記条件を選択したことにより、第2のプラズマ酸化処理工程では、第1のプラズマ酸化処理工程とは異なり、p型拡散領域103に対する酸化レートと、n型拡散領域105に対する酸化レートは同程度である。ここで、酸化レートが「同程度」とは、例えばn型拡散領域105の酸化レートに対して、p型拡散領域103の酸化レートが1〜1.1倍の範囲内である。従って、p型拡散領域103だけでなく、n型拡散領域105についても所定の膜厚でシリコン酸化膜が形成される。図9に示したように、p型拡散領域103では図8に示した状態よりもさらに酸化が進行して厚いシリコン酸化膜107aが形成される。このシリコン酸化膜107aの膜厚Tは、第1のプラズマ酸化処理工程で形成されたシリコン酸化膜106の膜厚Tと、第2のプラズマ酸化処理工程で形成された酸化膜の厚みとの総和である。一方、n型拡散領域105では、第1のプラズマ酸化処理工程においてほとんどシリコン酸化膜が形成されていなかったため、第2のプラズマ酸化処理工程で形成された薄い膜厚Tを有するシリコン酸化膜107bが形成される。つまり、膜厚T>膜厚Tとなる。
第2のプラズマ酸化処理の終了後は、ステップS10でチャンバー内を昇圧し、さらにステップS11で処理ガスの供給を停止する。そして、ステップS12でウエハWをチャンバー1内から搬出し、1枚のウエハWに対する処理が終了する。
このように、本実施の形態では、p型拡散領域103のシリコンを酸化し、n型拡散領域105のシリコンをほとんど酸化させない第1のプラズマ酸化処理工程と、p型拡散領域103のシリコンとn型拡散領域105のシリコンを略同等の酸化レートで酸化させる第2のプラズマ酸化処理工程とを行うことにより、p型拡散領域103とn型拡散領域105に異なる膜厚のシリコン酸化膜を形成することができる。つまり、第1のプラズマ酸化処理工程と第2のプラズマ酸化処理工程を行うことにより、p型拡散領域103には、n型拡散領域105に比べて、第1のプラズマ酸化処理工程で形成されたシリコン酸化膜の膜厚に相当する分だけ厚い膜厚Tのシリコン酸化膜が形成される。
本実施の形態における他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、図7では、ステップS4の第1のプラズマ酸化処理工程およびステップS8の第2のプラズマ酸化処理工程を同一のチャンバー内で行うようにしたが、第1のプラズマ酸化処理工程と第2のプラズマ酸化処理工程を別チャンバーで実施することもできる。第1のプラズマ酸化処理工程と第2のプラズマ酸化処理工程を別チャンバーで実施する場合には、異なるギャップGで処理を行うことが容易になるという利点がある。
[半導体装置の製造工程への適用例]
次に、本発明のプラズマ酸化処理方法を利用した半導体装置の製造例について説明する。図10〜図13は、本発明のプラズマ酸化処理方法を、nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタを備えたCMOS素子の製造過程でゲート絶縁膜の形成に適用した例を示している。
先ず、シリコン基板201の表面に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation;STI)法やLOCOS(Local Oxidation of silicon)法により酸化シリコン(SiO)から成る素子分離膜202を形成する。素子分離膜202によって、nMOS形成領域220及びpMOS形成領域221が区画される。次に、nMOS形成領域220に露出したシリコン基板201にホウ素イオンを、pMOS形成領域221に露出したシリコン基板201にリンイオンまたは砒素イオンを、それぞれ選択的に注入する。このようにして、図10に示したように、nMOS形成領域220にp型拡散領域であるpウエル203を、また、pMOS形成領域221にn型拡散領域であるnウエル205をそれぞれ形成する。なお、図示は省略するが、トランジスタの閾値電圧を決定するために、チャネル形成予定部位にチャネルドープを行ってもよい。本実施の形態の場合、チャネルドープは、例えば、pウエル203、nウエル205における表面付近のチャネル形成予定部位に、各ウエルと同じ導電型の不純物をそれぞれイオン注入することにより行われる。なお、別の実施の形態では、チャネルドープの際に、各ウエルとは反対の導電型の不純物をそれぞれイオン注入する場合もある。
次に、プラズマ処理装置100を用い、nMOS形成領域220及びpMOS形成領域221を有するシリコン基板201を、プラズマ酸化処理する。これによって、図11に示したように、pウエル203の表面にシリコン酸化膜207aが形成され、nウエル205の表面には、シリコン酸化膜207aよりも薄いシリコン酸化膜207bが形成される。本実施の形態では、膜厚の異なるシリコン酸化膜207a,207bの形成を、第1の実施の形態のように、1回のプラズマ酸化処理工程により行ってもよいし、あるいは第2の実施の形態のように、2ステップのプラズマ酸化処理によって行ってもよい。なお、以上のようにして形成されたシリコン酸化膜207a,207bを窒化処理することにより、シリコン窒化酸化膜(SiON膜)を形成してもよい。
なお、従来技術では、pウエル203とnウエル205に異なる膜厚でシリコン酸化膜を形成するためには、一旦所定の膜厚になるようにシリコン酸化膜を形成した後、nMOS形成領域220とpMOS形成領域221のうち、膜厚を厚く残したい方にフォトリソグラフィー技術を利用してマスクを形成し、残りの部分の酸化膜を除去した後、再度酸化処理を行って薄膜を形成する必要があった。これに対して、本実施の形態では、プラズマ処理装置100を用いて選択的なプラズマ酸化処理を行うことで、フォトリソグラフィー工程やエッチング工程などを削減できる。従って、従来技術よりも少ない工程数で、プラズマ酸化処理工程のみによってpウエル203のシリコン酸化膜207aをnウエル205のシリコン酸化膜207bに比べて厚く形成することができる利点がある。
次に、シリコン酸化膜207上に、例えばCVD法によりポリシリコン層を成膜する。そして、フォトリソグラフィー技術によりポリシリコン層の上に所定パターンのマスクを形成し、ポリシリコン層およびシリコン酸化膜207を順次エッチングする。これにより、図12に示すように、pウエル203上には、ゲート絶縁膜208aにポリシリコン電極層209aが積層形成されたゲート電極210aが形成される。また、nウエル205上には、ゲート絶縁膜208bにポリシリコン電極層209bが積層形成されたゲート電極210bが形成される。なお、ゲート電極210a,210bは、ポリシリコン電極層209a,209b以外に、例えばタングステンなどの金属もしくはそのシリサイドなどからなる電極層や、窒化珪素膜などの絶縁層を有する積層構造体としてもよい。
次いで、図13に示したようにゲート電極210a,210bの側面に窒化シリコンから成るサイドウォール(スペーサ)211を形成する。また、nMOS形成領域220のpウエル203の上部に選択的にリンを注入して、ゲート電極210aの両脇にn型のソース・ドレイン領域212を形成するとともに、pMOS形成領域221のnウエル205の上部に選択的にホウ素を注入して、ゲート電極110bの両脇にp型ソース・ドレイン領域213を形成する。その後、公知の方法を用いて図示しないコンタクトや配線などを形成することによって、pウエル203にnチャネルMOSFETを備え、nウエル205にpチャネルMOSFETを備えたCMOS素子を形成することが出来る。なお、CMOS素子の形態およびその製造方法には、上記以外にも多くのバリエーションがあるが、pウエル203の表面およびnウエル205の表面に、異なる膜厚でシリコン酸化膜を形成できる本発明のプラズマ酸化処理方法は、他の形態のCMOS素子およびその製造過程にも適用可能である。
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明は上記実施形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。例えば、第1の実施の形態では、プラズマ酸化処理の対象であるp型拡散領域103およびn型拡散領域105として、シリコン層101にpウエルおよびnウエルが形成されたツインウエル構造を例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、p型拡散領域としてのp型シリコン基板(あるいはp型シリコン層)と、その内部に形成されたn型拡散領域としてのnウエルとの組み合わせや、n型拡散領域としてのn型シリコン基板(あるいはn型シリコン層)と、その内部に形成されたp型拡散領域としてのpウエルとの組み合わせに対しても、同様に、本発明のプラズマ酸化処理方法を適用できる。
また、p型拡散領域103およびn型拡散領域105は、ウエルに限らず、例えばチャネルドープなどの目的で、ウエルに比べてより高濃度に不純物がドープされた領域(ウエルの一部分を含む)であってもよい。また、異なる不純物濃度を持つ複数のp型拡散領域103や、異なる不純物濃度を持つ複数のn型拡散領域105を有するシリコン層101(シリコン基板)に対して、本発明のプラズマ酸化処理方法を適用することにより、同一基板面内で3段階以上の膜厚差を持たせることも可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ酸化処理の対象となるシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 プラズマ酸化処理の様子を模式的に描いた説明図である。 プラズマ酸化処理によってシリコン酸化膜が形成された状態を示す説明図である。 プラズマ酸化処理に適したプラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。 平面アンテナの構造を示す図面である。 制御部の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ酸化処理の手順の概要を示すフロー図である。 第1のプラズマ酸化処理工程後のシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 第2のプラズマ酸化処理工程後のシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 CMOS素子の製造工程を説明するためのシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 CMOS素子の製造工程でシリコン酸化膜を形成した後のシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 CMOS素子の製造工程でゲート電極を形成した後のシリコン表面付近の断面構造を示す説明図である。 製造されたCMOS素子の概略構成を示す説明図である。
符号の説明
1…チャンバー(処理室)、2…載置台、3…支持部材、5…ヒータ、12…排気管、15…ガス導入部、16…搬入出口、17…ゲートバルブ、18…ガス供給機構、19a…不活性ガス供給源、19b…酸素含有ガス供給源、24…排気装置、27…マイクロ波導入機構、28…透過板、29…シール部材、31…平面アンテナ、32…マイクロ波放射孔、37…導波管、37a…同軸導波管、37b…矩形導波管、39…マイクロ波発生装置、50…制御部、51…プロセスコントローラ、52…ユーザーインターフェース、53…記憶部、100…プラズマ処理装置、101…シリコン層、103…p型拡散領域、105…n型拡散領域、107…シリコン酸化膜、107a…厚膜部、107b…薄膜部、W…半導体ウエハ(基板)

Claims (19)

  1. プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、
    複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、
    前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、
    を備えたプラズマ酸化処理方法であって、
    前記シリコン層には、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とがそれぞれ表面に露出して設けられており、前記第1の領域と前記第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理することを特徴とするプラズマ酸化処理方法。
  2. 前記第1の領域における酸化レートは、前記第2の領域における酸化レートの1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ酸化処理方法。
  3. 前記第1の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚は、前記第2の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚に比べて1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ酸化処理方法。
  4. 前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.001以上0.2以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  5. 前記プラズマ酸化処理工程における処理圧力が1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  6. 前記プラズマ酸化処理工程におけるマイクロ波のパワー密度が、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  7. プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、
    複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、
    前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、
    を備えたプラズマ酸化処理方法であって、
    前記シリコン層には、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とが、それぞれ表面に露出して設けられており、
    前記プラズマ酸化処理工程は、前記第1の領域に対する酸化レートが、前記第2の領域に対する酸化レートに比べて大きくなるように酸化処理を行う第1の酸化処理工程と、
    前記第1の酸化処理工程の後に、前記第1の領域に対する酸化レートと前記第2の領域に対する酸化レートが同程度となるように酸化処理を行う第2の酸化処理工程と、
    を含むことを特徴とするプラズマ酸化処理方法。
  8. 前記第1の酸化処理工程において、前記第1の領域における酸化レートは、前記第2の領域における酸化レートの1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ酸化処理方法。
  9. 前記第1の酸化処理工程において、前記第1の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚は、前記第2の領域に形成されるシリコン酸化膜の膜厚に比べて1.2〜2.0倍であることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ酸化処理方法。
  10. 前記第1の酸化処理工程において、前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.001以上0.25以下の範囲内であるとともに、処理圧力が1.3Pa以上6.7Pa未満の範囲内、または667Pa超1333Pa以下の範囲内のいずれかであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  11. 前記第1の酸化処理工程において、マイクロ波のパワー密度が、0.08W/cm以上0.42W/cm未満の範囲内であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  12. 前記第2の酸化処理工程において、前記酸素含有化合物が酸素であり、かつ前記不活性ガスがアルゴンであり、それらの流量比O/Arが0.0025以上0.4以下の範囲内であるとともに、前記第2の酸化処理工程の処理圧力が、6.7Pa以上667Pa以下の範囲内であることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  13. 前記第2の酸化処理工程において、マイクロ波のパワー密度が、0.42W/cm以上4.19W/cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  14. 前記第1の領域がp型拡散領域であり、前記第2の領域がn型拡散領域であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のプラズマ酸化処理方法。
  15. 前記p型拡散領域におけるホウ素の濃度が1×1016〜5×1018cm−3の範囲内であり、前記n型拡散領域におけるリンの濃度が1×1016〜5×1018cm−3の範囲内であることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ酸化処理方法。
  16. プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を備えたプラズマ酸化処理方法により、 前記シリコン層の表面に設けられた、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理してシリコン酸化膜を形成することを特徴とするシリコン酸化膜の形成方法。
  17. nチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを備えたCMOS素子の製造方法であって、
    シリコン層に、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域と、をそれぞれ形成する工程と、
    前記第1の領域と前記第2の領域の表面に、それぞれシリコン酸化膜を形成するシリコン酸化膜形成工程と、
    前記第1の領域に形成されたシリコン酸化膜および前記第2の領域に形成されたシリコン酸化膜より上層に、それぞれゲート電極を形成する工程と、
    を備え、
    前記シリコン酸化膜形成工程は、
    プラズマ処理装置の処理室内に、酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を有しており、前記第1の領域と前記第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理するものであること、を特徴とするCMOS素子の製造方法。
  18. コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
    前記制御プログラムは、実行時に、プラズマ処理装置の処理室内でプラズマ酸化処理方法が行われるように、前記プラズマ処理装置を制御するものであり、
    前記プラズマ処理方法は、
    前記処理室内に酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスを導入する工程と、複数の孔を有する平面アンテナによって前記処理室内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させる工程と、前記プラズマにより、シリコン層の表面を酸化処理するプラズマ酸化処理工程と、を備え、前記シリコン層の表面に設けられた、第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理してシリコン酸化膜を形成するものであること、を特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  19. プラズマを用いて被処理体を処理するための処理室と、
    前記処理室内にマイクロ波を導入するための、複数の孔を有する平面アンテナと、
    前記処理室内にガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理室内を減圧排気する排気機構と、
    前記処理室内に酸素含有化合物および不活性ガスを含有する処理ガスとマイクロ波とを導入してプラズマを生成させ、シリコン層の表面に設けられた第1の導電型を有する第1の領域と、前記第1の導電型とは反対の導電型である第2の導電型を有する第2の領域とを、それぞれ異なる酸化レートで酸化処理するように制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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