JP2009070875A - 厚膜技術用基板及び回路基板 - Google Patents

厚膜技術用基板及び回路基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2009070875A
JP2009070875A JP2007234999A JP2007234999A JP2009070875A JP 2009070875 A JP2009070875 A JP 2009070875A JP 2007234999 A JP2007234999 A JP 2007234999A JP 2007234999 A JP2007234999 A JP 2007234999A JP 2009070875 A JP2009070875 A JP 2009070875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
thick film
resin
film
film technology
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007234999A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Matsumora
悟 松茂良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2007234999A priority Critical patent/JP2009070875A/ja
Publication of JP2009070875A publication Critical patent/JP2009070875A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【課題】 特に、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板を厚膜技術用の基板として使用できるようにした厚膜技術用基板及び回路基板を提供することを目的とする。
【解決手段】 ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板2上に、30体積%〜45体積%のポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂とを含むアンダーコート膜3が形成されている。これにより、前記アンダーコート膜3を、前記無機系絶縁基板2上に硬化後における濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能である。そして、前記アンダーコート膜3上に厚膜技術にてパターン形状の導電塗膜4を硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度にて形成することが可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板を厚膜技術用として使用できるようにした厚膜技術用基板及び前記厚膜技術用基板を用いた回路基板に関するものである。
基板上に導電性塗料をスクリーン印刷等の方法によってパターニングし、乾燥・焼成することで、導電塗膜を形成することを「厚膜技術」と言う。
「厚膜技術」には、厚膜技術用基板として例えばアルミナ基板を使用し、塗料の結合材としてガラスフリットを用い、前記ガラスフリットの加熱冷却に伴う溶融固化を利用した「サーメット型」がある。
特開2003−145709号公報 特開2005−347571号公報 特開2006−269557号公報
しかしながら「サーメット型」では、加熱温度(焼結温度)が約550℃〜1000℃も必要であるといった問題があった。そのほか、プレス抜き加工等できず加工性に劣り寸法精度が悪い、重い、高価である、といった問題点もあった。
そこでガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板を厚膜技術用基板として使用してみることとした。
ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板は、約400℃までの熱に対して優れた耐熱性を有し、また吸水率も極めて低い。そのため400℃以下の加熱温度で十分な導電性塗料(導電性インク)を前記無機系絶縁基板にスクリーン印刷することで加熱温度を400℃以下で調整できるとともに、熱や水分に対する優れた寸法安定性を得ることができ、さらに、前記無機系絶縁基板はプレス抜き加工が可能、軽量、安価であり「サーメット型」の諸問題を一挙に解決できると考えられた。
しかしながら、前記無機系絶縁基板は撥水撥油性が高く、前記無機系絶縁基板の表面に導電性塗料をスクリーン印刷しようとしても塗料が弾かれてしまったり、あるいは、乾燥・硬化後における導電塗膜を所定パターンに形成できたように見えても、接着強度が弱く前記導電塗膜が基板表面から容易に剥がれるといった問題があった。
上記に挙げた各特許文献には、上記した従来課題に関する記載がなく示唆もされていない。
そこで本発明は上記従来課題を解決するためのものであり、特に、前記無機系絶縁基板を厚膜技術用の基板として使用できるようにした厚膜技術用基板及び前記厚膜技術用基板を用いた回路基板を提供することを目的とする。
本発明における厚膜技術用基板は、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板上に、30体積%〜45体積%のポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂とを含むアンダーコート膜を形成したことを特徴とするものである。
上記のように、アンダーコート膜中にポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含むことで、前記アンダーコート膜を、前記無機系絶縁基板上に硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能である。そして、このように、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を含むアンダーコート膜を無機系絶縁基板上に形成したことで、その上に厚膜技術にてパターン形状の導電塗膜を硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能になる。
また、無機系絶縁基板上に前記アンダーコート膜を形成した厚膜技術用基板は、水分や熱に対する寸法変化が非常に小さく、耐湿性及び耐熱性に優れる。
さらに本発明による厚膜技術用基板は、割れにくい等、機械的強度が高く、またプレス抜き加工が可能である等、加工性にも優れ、さらに軽量であり、安価に製造できる。
本発明では、前記熱硬化性樹脂として、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方を含むことが好ましい。このように、熱硬化性樹脂として、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方を含み、しかも、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含むことで、より効果的に、前記アンダーコート膜を、前記無機系絶縁基板上に硬化後の濡れ性が良好で、且つ強い接着強度にて形成することが可能である。また前記アンダーコート膜の耐湿性及び耐熱性をより効果的に向上させることが可能である。
また本発明における回路基板は、上記に記載の厚膜技術用基板上に、厚膜技術により所定パターンからなる金属粒子を含む導電塗膜を形成したことを特徴とするものである。前記金属粒子の一部又は全部が銀ナノ粒子であることが好適である。
本発明では、前記厚膜技術用基板上に、厚膜技術にてパターン形状の前記導電塗膜を硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成できるとともに、前記厚膜技術用基板は、水分や熱に対する寸法変化が非常に小さく、耐湿性及び耐熱性に優れているため、導電塗膜の抵抗値の安定化を図ることができる。特に、本発明では、厚膜技術用基板上に金属粒子に銀ナノ粒子を用いた導電塗膜を形成することで、400℃以下の焼成温度でも、金属粒子間の焼結がなされ、前記導電塗膜の抵抗値を極めて低い状態に安定して保つことが可能になり、生産性及び、加工性に優れ、且つ、大電流を流すことが可能な回路基板とすることが可能になる。
本発明の厚膜技術用基板によれば、アンダーコート膜中にポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含むことで、前記アンダーコート膜を、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板上に硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能である。そして、このように、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を含むアンダーコート膜を無機系絶縁基板上に形成したことで、その上に厚膜技術にてパターン形状の導電塗膜を硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能になる。
また、無機系絶縁基板上に前記アンダーコート膜を形成した厚膜技術用基板は、水分や熱に対する寸法変化が非常に小さく、耐湿性及び耐熱性に優れる。
さらに本発明による厚膜技術用基板は、割れにくい等、機械的強度が高く、またプレス抜き加工が可能である等、加工性にも優れ、さらに軽量であり、安価に製造できる。
図1は本発明の実施形態における回路基板を膜厚方向から切断した際の断面図である。
図1に示すように回路基板1は、無機系絶縁基板2と、前記無機系絶縁基板2上に形成されたアンダーコート膜3と、前記アンダーコート膜3上にて厚膜技術により所定パターンに形成された導電塗膜4とから成る。
前記無機系絶縁基板2は、ガラスクロス等のガラス基材に、シリコーン樹脂を含浸させたものである。前記無機系絶縁基板2は、例えばガラスクロスにシリコーン樹脂を含浸させたシート状物を複数枚、重ね合わせ熱プレスして形成された無機系積層板である。前記無機系絶縁基板(無機系積層板)2には、菱電化成(株)のミオレックスHGや日光化成(株)のロスナボード等を使用できる。なお前記無機系絶縁基板2の膜厚は、0.5〜2.0mm程度である。
前記無機系絶縁基板2は、約400℃の高温下でも優れた耐熱性を有し、さらに吸水率が非常に小さく、熱や水分に対する寸法安定性に優れている。
前記アンダーコート膜3は、少なくとも導電塗膜4の形成領域と重なる領域に形成されればよいが、前記導電塗膜4の形成領域よりも十分に広い領域に形成されることが好適である。前記アンダーコート膜3の膜厚は、5〜30μm程度である。前記アンダーコート膜3は、30体積%〜45体積%のポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂で形成される。ポリエーテルエーテルケトンは、耐熱性が高く、吸湿性が低く、耐薬品性に優れた合成樹脂として知られている。例えば、前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末同士は一部、融着した状態で存在している。ポリエーテルエーテルケトンの融点は340度前後なので、加熱温度を340度よりもやや高い温度(後述する実験では360度)に設定することで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末同士を一部、融着した状態にできる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の粒径は、約10μmである。
前記アンダーコート膜3に熱硬化性樹脂を含むことで、前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の分散性が向上し、また空隙率が小さい緻密な膜を形成できる。前記熱硬化性樹脂は、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方であることが好適である。
前記アンダーコート膜3は、前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂以外に添加物を含んでもよいが、前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の添加量(体積比率)は30体積%〜45体積%で上記した範囲から変えず、一方、熱硬化性樹脂の添加量(体積比率)を減らして、その減らした分を他の添加物に割り当てる。ただし他の添加物は10体積%以下の微量であることが好ましく、前記アンダーコート膜3は、前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂のみで構成されることがより好適である(後述する実験でも確認されている)。
前記無機系絶縁基板2と、その上に形成されたアンダーコート膜3とで厚膜技術用基板5が構成される。
前記厚膜技術用基板5上にスクリーン印刷等の「厚膜技術」により形成された導電塗膜4中に含まれる金属粒子は、銀ナノ粒子であることが好適である。前記金属粒子の一部又は全部が前記銀ナノ粒子である。銀ナノ粒子の粒径は数十nm以下である。なお前記導電塗膜4中における銀ナノ粒子同士は、各銀ナノ粒子の表面を覆っていた有機物(保護膜)が熱で分解又は気化して銀ナノ粒子同士が融着した状態となっている。前記導電塗膜4中に含まれるバインダー樹脂には、アンダーコート膜と同じビスマレイミドトリアジン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂以外にも、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を選択できる。
前記導電塗膜4中に含まれる金属粒子は、銀ナノ粒子以外であってもよいが、銀ナノ粒子を選択することで、金属粒子間を焼結できるので、前記導電塗膜4の電気抵抗をより小さくでき、電流値の許容範囲をより広くできる。
前記導電塗膜4の膜厚は、1〜15μm程度である。
本実施形態における厚膜技術用基板5及び回路基板1の特徴的部分は、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板2上に、30体積%〜45体積%のポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂とを含むアンダーコート膜3を形成した点にある。
上記のように、アンダーコート膜3中にポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含むことで、前記アンダーコート膜3を、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板2上に硬化後における濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能である。そして、このように、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を含むアンダーコート膜3を無機系絶縁基板2上に形成したことで、その上に厚膜技術にてパターン形状の導電塗膜4を硬化後の濡れ性が良好で且つ強い接着強度で形成することが可能になる。
本実施形態による無機系絶縁基板2上に前記アンダーコート膜3を形成した厚膜技術用基板5は、熱や水分に対する寸法変化が非常に小さく、耐湿性及び耐熱性に優れる。具体的には400℃程度の高熱下に対しても高い耐熱性を有する。したがって、前記厚膜技術用基板5上にスクリーン印刷等の厚膜技術で形成される導電塗膜4の抵抗値の安定化を図ることができる。
さらに本実施形態による厚膜技術用基板5は、割れにくい等、機械的強度が高く、またプレス抜き加工が可能である等、加工性にも優れ、さらに軽量であり、安価に製造できる。
上記のように前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の含有量を30体積%〜45体積%と設定したが、30体積%を下回ると、表面張力を下げる役割を担うと考えられるポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の含有量が少なくなることで、濡れ性が低下し、硬化した前記アンダーコート膜3に、所々、ピンホールが形成されることが後述する実験で証明されている。一方、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末は樹脂溶液中に溶けないので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の含有量が増えすぎると、スクリーン印刷可能なアンダーコート用塗料(インク)を形成できなくなる。よって前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の含有量を30体積%〜45体積%に設定している。
本実施形態では前記アンダーコート膜3中に含まれる熱硬化性樹脂は、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方であることが好ましい。このように、熱硬化性樹脂として、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方を含み、しかも、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含むことで、より効果的に、前記アンダーコート膜3を、前記無機系絶縁基板2上に硬化後の濡れ性が良好で、且つ強い接着強度にて形成することが可能である。また前記アンダーコート膜3の耐湿性及び耐熱性をより効果的に向上させることが可能である。
本実施形態では前記導電塗膜4の金属粒子に銀ナノ粒子を用いることが可能である。銀ナノ粒子は百数十度で溶融するが、このような低温での溶融を避けるために通常、銀ナノ粒子の表面は有機物(保護膜)で覆われている。本実施形態では、スクリーン印刷した際の導電性塗料(導電性インク)に対する加熱温度(硬化温度)を、300度〜400℃程度とするが、これにより、前記有機物を分解又は気化して前記銀ナノ粒子同士を融着させることができ、しかも本実施形態では、前記厚膜技術用基板5の耐熱温度は約400℃であるので、前記厚膜技術用基板5は優れた寸法安定性を保っている。よって、本実施形態の厚膜技術用基板5上に前記金属粒子に銀ナノ粒子を用いた導電塗膜4を形成することで、前記導電塗膜4の抵抗値を極めて低い状態に安定して保つことが可能になり、生産性及び、加工性に優れ、且つ、大電流(具体的には、2A程度)を流すことが可能な回路基板1にできる。
アンダーコート用塗料の作製方法について説明する。以下に一例を示す。
例えば、三菱ガス化学(株)製の熱硬化型樹脂である、ビスマレイミドトリアジン樹脂(品番 BT2170)(比重 1.24)を金属製容器に240g秤量する。そこに、酢酸ブチルカルビトール128gとN−メチル−2−ピロリドン32gを加え、蓋をした後、ホットプレートにて75℃で12時間加温して、固形分濃度60重量%のビスマレイミドトリアジン樹脂溶液を作製する。
また、例えば、三菱ガス化学(株)製の熱硬化型樹脂である、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(品番 OPE−2St)(比重 1.07)を金属製容器に240g秤量する。そこに、酢酸ブチルカルビトール160gを加え、蓋をした後、ホットプレートにて50℃で3時間加温して、固形分濃度60重量%の変性ポリフェニレンエーテル樹脂溶液を作製する。
前記ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末には、例えば、ビクトレックスジャパン(株)製の品番 150UFを使用する(粒径約10μm、比重1.27)。
容器に所定の樹脂溶液を秤量し、固形分濃度及び樹脂の比重から、樹脂の体積を計算する。
続いて、樹脂の体積と配合比、及び、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の比重から、必要なポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の重量を計算し、秤量する。
続いて、樹脂溶液にポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を加え、自動乳鉢にて20時間攪拌する。この際、必要に応じて、溶媒を追加する。
上記のようにして得られたアンダーコート用塗料を、ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板2上にスクリーン印刷し、熱風式乾燥炉内で、例えば、180℃で3分間、乾燥する。そして更に、例えば、360℃で30分間、加熱硬化して前記アンダーコート膜3を形成する。
以下の表1に示すアンダーコート用塗料(インク)を作製した。
Figure 2009070875
なおアンダーコート用塗料の具体的な作製方法は上記したアンダーコート用塗料の作製方法の一例と具体的数値も含めて同じにした。表1に示す炭酸カルシウムウィスカーには、丸尾カルシウム(株)製のウィスカルA(繊維径0.5〜1.0μm、繊維長20〜30μm、比重2.8)を用いた。また、球状非晶質ガラス粉末には、旭硝子エスアイテック(株)製の球状アモルファスシリカ サンスフェアNP−30(平均粒径4μm、比重2.2)を用いた。
表1に示す各アンダーコート用塗料を、菱電化成(株)製のミオレックスHGの無機系積層板上に、スクリーン印刷し、熱風式乾燥炉内で、180℃で3分間、乾燥し、更に、360℃で30分間、加熱硬化した。
そして、乾燥後の濡れ性及び加熱後の濡れ性を目視にて観察した。
表1に示すように、まずポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を含まない比較例4、5、6、7、8は、いずれも乾燥後及び加熱後の濡れ性が悪かった。またアスペクト比の高い炭化カルシウムウィスカーを多量に配合した比較例9では、該ウィスカーの吸油量が大きく流動性のあるインクにならなかった。
一方、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を含むが、いずれもその体積比率が小さい比較例1、2、3では、溶媒を蒸発させた乾燥後は一様な膜を形成するが、バインダー樹脂を溶融・硬化させる時点ではじきが発生し一様な膜ができなかった。
図2は、比較例2におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、図3は、比較例3におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真であるが、いずれも濡れ性が悪いことからアンダーコート膜表面に多数のピンホールが形成されていることを確認できた。
比較例10、11では、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と球状非晶質ガラス粉末を含むが、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末の体積比率は、比較例3と同様に25体積%であり、いずれも乾燥後及び硬化後の濡れ性が悪いことを確認できた。
これに対して、ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末を30体積%〜45体積%含む実施例1〜5は、いずれも、乾燥後及び硬化後の濡れ性が良好であることを確認できた。
図4は、実施例1におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、図5は、実施例2におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真であるが、いずれも濡れ性が良好であり、図2や図3と異なってアンダーコート膜表面にピンホールが形成されず、平滑性に優れたきれいな膜になっていることを確認できた。
続いて、日光化成(株)製のロスナボードの無機系積層板上に、直接、導電性塗料をミアンダパターンにてスクリーン印刷した(アンダーコート膜なし:比較例)。また、前記無機系積層板上に、実施例1に示すアンダーコート用塗料によるアンダーコート膜(膜厚は、25μm)を形成し、前記アンダーコート膜上に、導電性塗料をミアンダパターンにてスクリーン印刷した(アンダーコート膜あり:実施例)。導電性塗料には、銀ナノ粒子(戸田工業(株)Nano Silver Paste KPAG-TE01AL 粒径;10nm以下)と、バインダー樹脂としてビスマレイミドトリアジン樹脂(BT2170)、溶媒として酢酸ブチルカルビトール及びN−メチル−2−ピロリドンを含有した。
前記導電性塗料を基板上にスクリーン印刷した後、180℃で3分間、乾燥し、更に、360℃で20分間、加熱硬化した。
その後、両試料に対して、セロハンテープピールテストを行った。図6は、比較例(アンダーコート膜なし)に対するピールテスト結果を示す写真である。きれいなミアンダパターンが形成されているように見えるが、これは導電塗膜に含まれる銀の比重が重いため、バインダー樹脂がはじかれることなく硬化したものであり、前記無機系積層板への接着は不十分である。したがって図6に示すように、セロハンテープピールテストで使用した粘着テープに導電塗膜が付着しており、前記導電塗膜が前記無機系積層板上から剥離したことを確認できた。
図7は、実施例(アンダーコート膜あり)に対するピールテスト結果を示す写真であるが、図7に示すように、セロハンテープピールテストで使用した粘着テープに導電塗膜が付着しておらず、前記導電塗膜が前記無機系積層板上に形成されたアンダーコート膜上から剥離していないことを確認できた。
本発明の実施形態における回路基板を膜厚方向から切断した際の断面図、 表1の比較例2におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、 表1の比較例3におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、 実施例1におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、 実施例2におけるアンダーコート膜(硬化後)の表面状態を示す写真、 比較例(アンダーコート膜なし)に対するピールテスト結果を示す写真、 実施例(アンダーコート膜あり)に対するピールテスト結果を示す写真、
符号の説明
1 回路基板
2 無機系絶縁基板
3 アンダーコート膜
4 導電塗膜
5 厚膜技術用基板

Claims (5)

  1. ガラス基材にシリコーン樹脂を含浸させた無機系絶縁基板上に、30体積%〜45体積%のポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末と熱硬化性樹脂とを含むアンダーコート膜を形成したことを特徴とする厚膜技術用基板。
  2. 前記熱硬化性樹脂として、ビスマレイミドトリアジン樹脂、あるいは、変性ポリフェニレンエーテル樹脂のうち少なくとも一方を含む請求項1記載の厚膜技術用基板。
  3. 前記ガラス基材は、ガラスクロスである請求項1又は2に記載の厚膜技術用基板。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の厚膜技術用基板上に、厚膜技術により所定パターンからなる金属粒子を含む導電塗膜を形成したことを特徴とする回路基板。
  5. 前記金属粒子の一部又は全部が銀ナノ粒子である請求項4記載の回路基板。
JP2007234999A 2007-09-11 2007-09-11 厚膜技術用基板及び回路基板 Withdrawn JP2009070875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007234999A JP2009070875A (ja) 2007-09-11 2007-09-11 厚膜技術用基板及び回路基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007234999A JP2009070875A (ja) 2007-09-11 2007-09-11 厚膜技術用基板及び回路基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009070875A true JP2009070875A (ja) 2009-04-02

Family

ID=40606853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007234999A Withdrawn JP2009070875A (ja) 2007-09-11 2007-09-11 厚膜技術用基板及び回路基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009070875A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130096697A (ko) 2010-08-10 2013-08-30 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 탄소와 탄소의 다중 결합을 갖는 수지를 포함하는 접착제 조성물
KR20140128948A (ko) 2012-02-09 2014-11-06 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 탄소와 탄소의 다중 결합을 갖는 수지를 포함하는 패시베이션막 형성용 조성물

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130096697A (ko) 2010-08-10 2013-08-30 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 탄소와 탄소의 다중 결합을 갖는 수지를 포함하는 접착제 조성물
US9505962B2 (en) 2010-08-10 2016-11-29 Nissan Chemical Industries, Ltd. Adhesive composition containing resin having carbon-carbon multiple bond
KR20140128948A (ko) 2012-02-09 2014-11-06 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 탄소와 탄소의 다중 결합을 갖는 수지를 포함하는 패시베이션막 형성용 조성물
US10174168B2 (en) 2012-02-09 2019-01-08 Nissan Chemical Industries, Ltd. Composition for forming passivation film, including resin having carbon-carbon multiple bond

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11118844B2 (en) Preparation method for heat pipe
WO2007032201A1 (ja) チップ状電子部品
CN105210156A (zh) 铜微粒分散体、导电膜形成方法以及电路板
JP7191390B2 (ja) 金属フォームの製造方法
CN110012655A (zh) 具有emi功能的薄型化覆盖膜
JP6562196B2 (ja) 銅微粒子焼結体と導電性基板の製造方法
JP2009070875A (ja) 厚膜技術用基板及び回路基板
KR102316016B1 (ko) 필름 및 히트 파이프의 제조 방법
JP2016105449A (ja) 導電性基板
US20200180030A1 (en) Preparation method for metal foam
Qi et al. Copper conductive adhesives for printed circuit interconnects
JP2004223559A (ja) 電極接続用金属粉体組成物、及び、電極の接続方法
JP5263076B2 (ja) 酸化マグネシウム粉末の製造法、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグおよび積層板の製造法
JP2011046760A5 (ja)
JPS63196672A (ja) カ−ボン系ペ−スト組成物
TW200726549A (en) Paste metal particle composition, process for solidifying the same, process for jointing metal substrates, and process for preparing circuit board
WO2017027493A1 (en) Photonic sintering of a polymer thick film copper conductor composition
KR101404681B1 (ko) 내열기판의 고온열처리를 통한 연성인쇄회로기판 제조방법 및 그 연성회로기판
KR101527376B1 (ko) 다층 구조 방열필름 및 이의 제조 방법
JP2007134195A (ja) 導電膜、導電性塗料、およびこれらの製造方法
EP2991463B1 (en) Method for manufacturing conductive line and conductive line
CN113226595B (zh) 银浆
KR20140053800A (ko) 내열기판의 고온열처리를 통한 연성인쇄회로기판 제조방법 및 그 연성회로기판
JP6263630B2 (ja) 導電膜形成用組成物および導電膜形成方法
JP2005246235A (ja) 多孔質塗膜、ペースト、及び前記ペーストを用いた前記多孔質塗膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20101207