JP2009069478A - 無端ベルト駆動装置 - Google Patents

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将和 中村
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Abstract

【課題】簡単な構成で、低コストでベルト片寄りを防止(補正)できる無端ベルト駆動装置を提供すること。
【解決手段】複数のローラに張架された無端ベルトを回転駆動する無端ベルト駆動装置において、前記無端ベルトの幅方向端部の少なくとも一方に、ベルト幅方向端部から中心に向かって直径が細くなる円錐コロを前記無端ベルトの端部の外周面に当接して設けたことを特徴とする無端ベルト駆動装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等に用いられる画像形成装置に用いられる無端ベルト駆動装置に関し、特に、回動するベルトの片寄り防止機構を備えた無端ベルト駆動装置に関する。
画像形成装置においては、種々の無端ベルト、例えば搬送ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト等が使用されている。このような無端ベルト(以下、単にベルトという。)はこれを架け渡すローラの組立精度、ローラ自体の精度、その他の要因により、これを駆動中に次第にベルトが所定の位置からローラの軸方向に移動する現象、すなわち、ベルトの片寄り(蛇行)現象が発生する。このような現象を防止ないし低減するため、種々のベルト片寄り防止機構が提案されている。
ベルト蛇行補正の公知例として、ベルト端部に円柱コロを当接することによって片寄ったベルト端部の経路を変化させ、テンションローラ(従動ローラ)を軸受けを介して揺動(ステアリング)させている。この方法では、片寄った側のベルト端部は、円柱コロで遠回りをする分テンションローラが引っ張られる。すなわち、円柱コロでベルトを押し戻すのではなく、円柱コロで遠回りする分テンションローラが引っ張られることでベルトが片寄る力を利用して従動ローラを揺動させベルト片寄りを防止している(例えば、特許文献1参照)。
また、端部にテーパが作られたテンションローラにベルトを張架して、ベルトが片寄ってベルトテンションが大きくなっても、ベルト蛇行方向と逆方向に十分な移動力を与え、ベルト蛇行が収束しやすく制御手段によって制御する方法もある(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−1751号公報 特開2001−147599号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、ローラを揺動させるため、コストアップとなる付加的な機構が用いられている。また、特許文献2の方法も、ベルト変動を検知して変動(ステアリング)抑制制御装置にてベルトの変動を戻す方向にテンションローラを移動させるという、よりコストアップが懸念される。
本発明は、ステアリング制御に比べ非常に簡単な構成で、低コストでベルト片寄りが補正でき、かつ、ベルト耐久性を向上できる無端ベルト駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成によって達成される。
複数のローラに張架された無端ベルトを回転駆動する無端ベルト駆動装置において、前記無端ベルトの幅方向端部の少なくとも一方に、ベルト幅方向端部から中心に向かって直径が細くなる円錐コロを前記無端ベルトの端部の外周面に当接して設けたことを特徴とする無端ベルト駆動装置。
コストアップとなる制御手段を用いることなく、円錐コロを用いた簡単な構成でベルト片寄り補正が可能である。円錐コロと同軸に弾性コロを取り付けることが好ましく、ベルト歪みを適度に押さえ込みベルト耐久性を向上させることが可能となる。
はじめに、本発明の実施の形態として、無端ベルト駆動装置を備えた画像形成装置について図1を基に説明する。
本明細書に用いる用語により技術範囲が限定されることはない。
図1は画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。
図1において、10は像担持体である感光体、11は帯電手段であるスコロトロン帯電器、12はデジタル式像露光手段である書込装置、13は現像手段である現像器、14は感光体10の表面を清掃するためのクリーニング装置、15は感光体10のクリーニング用のブレード、16は現像スリーブ、20は無端ベルトである中間転写ベルトを示す。
画像形成手段1は感光体10、スコロトロン帯電器11、現像器13、およびクリーニング装置14等からなっており、各色毎の画像形成手段1の機械的な構成は同じであるので、図1ではY(イエロー)系列のみの構成について参照符号を付けており、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(黒)の構成要素については参照符号を省略した。
各色毎の画像形成手段1の配置は中間転写ベルト20の走行方向に対して、Y、M、C、Kの順になっており、各感光体10は中間転写ベルト20の張設面に接触し、接触点で中間転写ベルト20の走行方向と同方向、かつ、同線速度で回転する。
中間転写ベルト20は駆動ローラ21、アースローラ22、テンションローラ23、除電ローラ27、従動ローラ24に張架され、これらのローラと中間転写ベルト20、転写手段である(1次)転写ローラ25、クリーニング手段であるクリーニング装置28等で無端ベルト駆動装置であるベルトユニット2を構成する。3は、本発明に係わるベルトの片寄り防止機構であるが、詳細は後述する。なお、前記アースローラ(バックアップローラ)22は、アルミ地肌のままの導電性アルミローラで、接地されている。
感光体10は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、a−Si層あるいは有機感光体(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図1の矢印で示す反時計方向に回転する。
読み取り装置80からの画像データに対応する電気信号は、不図示の画像形成レーザで光信号に変換され、書込装置12によって感光体10上に投光される。
現像器13は、感光体10の周面に対し所定の間隔を保ち、感光体10の回転方向と逆方向に回転する円筒状の非磁性ステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ16を有している。
中間転写ベルト20の走行は前記ベルトユニット2に動力を伝える不図示の駆動モータによる駆動ローラ21の回転によって行われる。当該中間転写ベルト20の材質は、体積抵抗率106〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.04〜0.10mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。ベルトの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。
転写ローラ25には、トナーと逆極性の直流電圧が印加され、感光体10上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20上に(1次)転写させる機能を有する。
26は(2次)転写ローラで、表面がコート層で覆われた導電性のソリッドゴムからなり、トナーと逆極性バイアス電圧が印加されいる(または、アースローラ22にトナーと同極性の電圧を印加し、転写ローラ26はアースでもよい。)。また、当該転写ローラ26は、ベルトを介して不図示の圧着機構によってアースローラ22から当接および当接解除可能な構造で、当接時に、アースローラ22とで形成されたニップ部Sで、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像を転写材Pに再転写(2次転写)する。
除電ローラ27には、トナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印加され、トナー像を転写材Pに転写後、中間転写ベルト20に残留するトナーの電荷を弱めている。
4は定着装置であって、金属の基体とシリコンゴムをベルト状に成型した定着ベルト40とこれを支持搬送するベルト支持ローラ41、加熱ローラ42および前記定着ベルト40と転写紙Pとを挟んで加圧、加熱定着する加圧ローラ43、両ローラ挟持前の加圧部材である補助加圧機構45、不図示のベルト清掃用のウェブ等からなっている。
前記加熱ローラ42は薄手のアルミから形成された円筒状のもので、内側から所定の温度まで加熱するハロゲンヒータ47等を有し、外側表面に密着して巻かれた前記定着ベルト40はその伝導熱によって加熱される。その温度は、前記加熱ローラ42に設置された接触温度センサ48により検出され、制御部B1で所定の温度範囲を維持するように温度制御される。
前述したが、画像形成装置においては、種々の無端ベルト、例えば搬送ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト等が使用されている。このような無端ベルトはこれを架け渡すローラの組立精度、ローラ自体の精度、その他の要因によりベルトの蛇行現象が発生する。
本発明は、ベルトの蛇行現象による片寄り防止機構を配備した無端ベルト駆動装置に関する。
以下、実施の形態として、中間転写ベルトの駆動装置に片寄り補正機構を配備した例で説明する。
図2は、図1の片寄り防止機構の取り付け位置A部を拡大してX方向から視た図である。
図2において、30は円錐コロで、例えば、十分な摩擦係数を有するゴムまたは円錐コロの回転面f(中間転写ベルト20との当接面)に摩擦係数を増大するための粗面化の表面処理がなされていることが好ましい。
本実施の形態では、円錐コロ30は、ニップ部Sのアースローラ22とテンションローラ23との間に配置されている。当該円錐コロ30は、細い直径側がベルト幅方向の中央側になるように、ベルトの端部の外周面に当接して設ける。当該円錐コロは、ベルト駆動装置の枠体である前後の側板2A、2Bの所定の位置に固定された円錐コロ支持軸31に軸着されている。回転面fは、中間転写ベルト20の外周面に絶えず当接するように前記円錐コロ支持軸31が調整されている。すなわち、回転面fがベルトを押圧してベルトが中央側に(ベルト外側から回転面fがベルトに)食い込むように前記円錐コロ支持軸31が固定されている。
中間転写ベルト20が矢印Y方向に走行中、例えば、点線で示すようにベルトが側板2B方向に片寄った場合、中間転写ベルト20の端部は、側板2B側では円錐コロの直径が大きい位置で当接し、テンションが大きくなる方に掛かり、側板2A側では直径が小さい位置に移りテンションが小さくなる方に掛かる。その結果、ベルトはベルト中心方向に移動する方向により左右のバランスが保たれ走行する。
なお、片寄り防止機構の効果を確認するため下記の条件で確認実験を行った。
・条件
アースローラ径:30mm、テンションローラ径:18mm
円錐コロ:長さa=17mm、最小径d=9mm
最大径D=12.6mm、13.8mm、15mm、17.5mm
材質:POM(ポリオキシメチレン)樹脂、POMの表面にゴム材
処理、PC樹脂材表面にウレタンゴムコート処理の3種
・実験結果
いずれの材質でも最大径D15mm以上で十分な効果を得ることができた。
また、ベルト幅方向内側に、前記円錐コロと同軸で、回転自在のスポンジ製の弾性部材からなる弾性コロ33(図3参照)を取り付けることでベルトの歪みを適度に押さえベルトの耐久性を向上させることもできる。すなわち、図4(a)に示すように、ベルトが円錐コロに押されて中央部に寄り、局部的な歪みHが発生する。そこで、図4(b)、図5に示すように弾性コロを同軸に設けると前記局部的な歪みが弾性コロにより大きく緩い歪みになり、ベルトへのストレスが低減、分散されるためベルト耐久性が向上することになる。なお、実施の形態では、弾性コロ33の外径は20mmとした。
図3は、円錐コロ支持軸のベルト内側延長上に弾性コロを設けた図である。
図4は、弾性コロ無しの場合と弾性コロ取り付けた場合とで、ベルトへ与える歪みを説明するための図である。
図5は、弾性コロを追加した場合のコロとベルトとの当接部の断面を示す図である。
以上、実施の形態では中間転写ベルトの駆動装置にベルト片寄り防止対策を施した場合について説明したが、図1に示すように、定着装置4の枠体(両側板)に定着ベルト40の片寄り防止機構3Aを取り付け、定着ベルト40の片寄りバランスを保つようにすることもできる。
画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。 図1の片寄り防止機構の取り付け位置A部を拡大してX方向から視た図である。 円錐コロ支持軸のベルト内側延長上に弾性コロを設けた図である。 弾性コロ無しの場合と弾性コロ取り付けた場合とで、ベルトへ与える歪みを説明するための図である。 弾性コロを追加した場合のコロとベルトとの当接部の断面を示す図である。
符号の説明
2 ベルトユニット
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラ
22 アースローラ
23 テンションローラ
3、3A 片寄り防止機構
30 円錐コロ
31 円錐コロ支持軸
33 弾性コロ
4 定着装置
40 定着ベルト
f 回転面

Claims (3)

  1. 複数のローラに張架された無端ベルトを回転駆動する無端ベルト駆動装置において、前記無端ベルトの幅方向端部の少なくとも一方に、ベルト幅方向端部から中心に向かって直径が細くなる円錐コロを前記無端ベルトの端部の外周面に当接して設けたことを特徴とする無端ベルト駆動装置。
  2. 前記円錐コロと同軸上で且つ前記円錐コロよりベルトの中央寄りに、弾性変形可能な弾性部材で形成された弾性コロを前記無端ベルトの端部の外周面に当接して設けたことを特徴とする請求項1に記載の無端ベルト駆動装置。
  3. 前記円錐コロの表面は、前記無端ベルトの回転駆動に伴って回転することを特徴とする請求項1または2に記載の無端ベルト駆動装置。
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