JP2009069271A - 駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 - Google Patents

駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パネルに表示される黒の輝度を十分に低下させることが可能なプラズマディスプレイパネルの駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルは、フィールド毎で第1の駆動方法および第2の駆動方法を交互に切替えて駆動される。第1の駆動方法では、走査電極SCiに第1のランプ波形RW1が印加される期間(上昇期間)中の時点t3aから時点t4にかけて維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。また、走査電極SCiに第2のランプ波形RW2が印加される期間(下降期間)中の時点t7aから時点t8にかけて維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。第2の駆動方法では、上昇期間中に維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる期間ND3が、第1の駆動方法において上昇期間中に維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる期間に比べて拡大される。
【選択図】図7

Description

本発明は、複数の放電セルを選択的に放電させることによりプラズマディスプレイパネルに画像を表示させる駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルを備える。
前面板は、前面ガラス基板、複数の表示電極、誘電体層および保護層により構成される。各表示電極は、一対の走査電極および維持電極からなる。複数の表示電極は、前面ガラス基板上に互いに平行に形成され、それらの表示電極を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。
背面板は、背面ガラス基板、複数のデータ電極、誘電体層、複数の隔壁および蛍光体層により構成される。背面ガラス基板上に複数のデータ電極が平行に形成され、それらを覆うように誘電体層が形成されている。その誘電体層上にデータ電極と平行に複数の隔壁がそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とにR(赤)、G(緑)およびB(青)の蛍光体層が形成されている。
そして、表示電極とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。表示電極とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。
このような構成を有するパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線が発生し、その紫外線でR、GおよびBの蛍光体が励起されて発光する。それにより、カラー表示が行われる。なお、パネル上の1画素は、R、GおよびBの蛍光体をそれぞれ含む3つの放電セルにより構成される。
パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法が用いられている。サブフィールド法では、1フィールド期間が複数のサブフィールドに分割され、それぞれのサブフィールドで各放電セルを発光または非発光させることにより階調表示が行われる。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
初期化期間においては、各放電セルで微弱放電(初期化放電)が行われ、続く書込み動作のために必要な壁電荷が形成される。加えて、初期化期間は、放電遅れを小さくし、書込み放電を安定して発生させるためのプライミングを発生させるという働きを有する。ここで、プライミングとは、放電のための起爆剤となる励起粒子をいう。
なお、初期化期間には、全ての放電セルを放電させる全セル初期化期間と、維持放電を行った放電セルのみ放電させる選択初期化期間とがある。例えば、全セル初期化期間は1フィールド期間の最初のサブフィールドに設定され、選択初期化期間は1フィールド期間の2番目以降のサブフィールドに設定される。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加するとともに、データ電極に表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加する。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電が発生し、選択的な壁電荷形成が行われる。
続く維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極との間に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に放電が起こり、その放電セルが発光する。
ここで、上記の全セル初期化期間においては、各放電セルで微弱放電を発生させるために、走査電極、維持電極およびデータ電極の各々に印加する電圧を調整する。
具体的には、全セル初期化期間の前半部(以下、上昇期間と呼ぶ)において、データ電極および維持電極の電圧を接地電位(基準電圧)に保持した状態で、緩やかに上昇するランプ電圧を走査電極に印加する。これにより、上昇期間中に、走査電極とデータ電極との間、および維持電極とデータ電極との間に微弱放電を発生させる。
また、全セル初期化期間の後半部(以下、下降期間と呼ぶ)において、データ電極および維持電極の電圧を接地電位に保持した状態で、緩やかに下降するランプ電圧を走査電極に印加する。これにより、下降期間中に、走査電極とデータ電極との間、および維持電極とデータ電極との間に微弱放電を発生させる。
このように、全セル初期化期間中、走査電極にランプ電圧または段階的に上昇または下降する電圧を印加するパネルの駆動方法が、例えば特許文献1に開示されている。これにより、走査電極および維持電極に蓄積された壁電荷が消去され、走査電極、維持電極およびデータ電極の各々に、書込み動作のために必要な壁電荷が蓄積される。
特開2003−15599号公報
パネルの一部または全体に黒を表示する場合には、黒を表示する画素を構成する放電セルが1フィールド期間に渡って非発光状態にされる。以下、非発光状態となる放電セルを非発光放電セルと呼ぶ。
この場合、書込み期間において、走査電極には順次走査パルスが印加されるが、データ電極には非発光放電セルに対応する書込みパルスが印加されない。それにより、非発光放電セルでは書込み放電が発生しないので、続く維持期間においても非発光放電セルでは維持放電が発生しない。このようにして、パネルの一部または全体に黒が表示される。
ここで、画像のコントラストを向上させるために、パネルの一部または全体に表示される黒の輝度をできる限り低くすることが望まれている。しかしながら、上記のように、初期化期間においては、一部またはすべての放電セルが微弱放電するために、黒を表示する画素の発光輝度は完全には0とならない。その結果、パネルに表示される黒の輝度を十分に低下させることはできない。
本発明の目的は、黒の輝度を十分に低くすることが可能なプラズマディスプレイパネルの駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置を提供することである。
(1)第1の発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置は、複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルを、1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動装置であって、複数の走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、複数の維持電極を駆動する維持電極駆動回路とを備え、走査電極駆動回路は、複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加し、維持電極駆動回路は、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加し、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加するものである。
この駆動装置においては、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドで以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、走査電極駆動回路により複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で、維持電極駆動回路により複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形が印加される。
これにより、第2の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。したがって、初期化放電の発生期間が短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が抑制される。その結果、黒輝度が低くなる。
一方、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドでは以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、走査電極駆動回路により複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で、維持電極駆動回路により複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形が印加される。
これにより、第3の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。
ここで、上記他方のフィールドにおいては、第1の期間内の第3の期間が上記一方のフィールドにおける第2の期間に比べて長く確保されている。これにより、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が大きく短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が十分に抑制される。その結果、黒輝度が十分に低くなる。
また、上記一方のフィールドにおいては、第2の期間が第3の期間よりも短いので、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が長く確保されている。したがって、一方のフィールドにおいては、他方のフィールドに比べて、複数の走査電極上および複数の維持電極上の壁電荷を十分に書込み放電に適した値に調整することができる。その結果、安定な書込み放電が行われる。
このように、この駆動装置によれば、書込み放電の安定化、および黒輝度の十分な低下が実現される。
なお、黒輝度とは、黒を表示する画素の輝度をいい、画素は1または複数の放電セルにより構成される。
(2)維持電極駆動回路は、第2の期間および第3の期間で複数の維持電極をフローティング状態にしてもよい。
複数の維持電極がフローティング状態になると、複数の維持電極の電位は、容量結合により複数の走査電極の電位変化に従って変化する。これにより、第2の期間および第3の期間においては、複数の維持電極の電位が、複数の走査電極に印加される第1のランプ波形に従って変化する。
したがって、簡単な回路構成で、複数の維持電極に第2のランプ波形および第3のランプ波形を印加することができる。その結果、コストの上昇が抑制される。
(3)走査電極駆動回路は、第1の期間に続く第4の期間で初期化放電のために複数の走査電極に第6の電位から第7の電位に下降する第4のランプ波形を印加し、維持電極駆動回路は、第4の期間内における第4の期間よりも短い第5の期間で複数の維持電極に第8の電位から第9の電位に下降する第5のランプ波形を印加してもよい。
この場合、第1の期間に続く第4の期間で初期化放電のために複数の走査電極に第6の電位から第7の電位に下降する第4のランプ波形が印加される。
そして、第4の期間内における第4の期間よりも短い第5の期間で、維持電極駆動回路により複数の維持電極に第8の電位から第9の電位に下降する第5のランプ波形が印加される。
これにより、第4の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。したがって、初期化放電の発生期間が短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が抑制される。その結果、黒輝度がさらに低くなる。
(4)維持電極駆動回路は、第5の期間で複数の維持電極をフローティング状態にしてもよい。
複数の維持電極がフローティング状態になると、複数の維持電極の電位は、容量結合により複数の走査電極の電位変化に従って変化する。これにより、第5の期間においては、複数の維持電極の電位が、複数の走査電極に印加される第4のランプ波形に従って変化する。
したがって、簡単な回路構成で、複数の維持電極に第4のランプ波形を印加することができる。その結果、コストの上昇が抑制される。
(5)第2の発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルを、1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動方法であって、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、複数の走査電極および維持電極を第1の駆動方法で駆動するステップと、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、複数の走査電極および維持電極を第2の駆動方法で駆動するステップとを備え、第1の駆動方法で駆動するステップは、複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加するステップと、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加するステップとを含み、第2の駆動方法で駆動するステップは、第1の期間で複数の走査電極に第1のランプ波形を印加するステップと、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加するステップとを含むものである。
この駆動方法においては、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドで以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で、複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形が印加される。
これにより、第2の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。したがって、初期化放電の発生期間が短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が抑制される。その結果、黒輝度が低くなる。
一方、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドでは以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で、複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形が印加される。
これにより、第3の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。
ここで、上記他方のフィールドにおいては、第1の期間内の第3の期間が上記一方のフィールドにおける第2の期間に比べて長く確保されている。これにより、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が大きく短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が十分に抑制される。その結果、黒輝度が十分に低くなる。
また、上記一方のフィールドにおいては、第2の期間が第3の期間よりも短いので、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が長く確保されている。したがって、一方のフィールドにおいては、他方のフィールドに比べて、複数の走査電極上および複数の維持電極上の壁電荷を十分に書込み放電に適した値に調整することができる。その結果、安定な書込み放電が行われる。
このように、この駆動方法によれば、書込み放電の安定化、および黒輝度の十分な低下が実現される。
なお、黒輝度とは、黒を表示する画素の輝度をいい、画素は1または複数の放電セルにより構成される。
(6)第3の発明に係るプラズマディスプレイ装置は、複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルと、プラズマディスプレイパネルを1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動装置とを備え、駆動装置は、複数の走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、複数の維持電極を駆動する維持電極駆動回路とを備え、走査電極駆動回路は、複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加し、維持電極駆動回路は、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加し、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加するものである。
このプラズマディスプレイ装置においては、複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルが、駆動装置により1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動される。
駆動装置においては、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドで以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、走査電極駆動回路により複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短い第2の期間で、維持電極駆動回路により複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形が印加される。
これにより、第2の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。したがって、初期化放電の発生期間が短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が抑制される。その結果、黒輝度が低くなる。
一方、連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドでは以下の動作が行われる。
複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で、走査電極駆動回路により複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形が印加される。
そして、第1の期間内における第1の期間よりも短く第2の期間よりも長い第3の期間で、維持電極駆動回路により複数の維持電極に第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形が印加される。
これにより、第3の期間では、複数の走査電極と複数の維持電極との間の電位差が大きくなることが抑制される。そのため、複数の走査電極と複数の維持電極との間で初期化放電が発生しない。
ここで、上記他方のフィールドにおいては、第1の期間内の第3の期間が上記一方のフィールドにおける第2の期間に比べて長く確保されている。これにより、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が大きく短縮されるので、複数の放電セルの発光輝度が十分に抑制される。その結果、黒輝度が十分に低くなる。
また、上記一方のフィールドにおいては、第2の期間が第3の期間よりも短いので、複数の走査電極と複数の維持電極との間の初期化放電の発生期間が長く確保されている。したがって、一方のフィールドにおいては、他方のフィールドに比べて、複数の走査電極上および複数の維持電極上の壁電荷を十分に書込み放電に適した値に調整することができる。その結果、安定な書込み放電が行われる。
このように、この駆動装置によれば、書込み放電の安定化、および黒輝度の十分な低下が実現される。
なお、黒輝度とは、黒を表示する画素の輝度をいい、画素は1または複数の放電セルにより構成される。
本発明によれば、パネルに表示される黒の輝度を十分に低くすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るプラズマディスプレイパネルの駆動装置、駆動方法およびプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて詳細に説明する。
(1)パネルの構成
図1は本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置におけるプラズマディスプレイパネルの一部を示す分解斜視図である。
プラズマディスプレイパネル(以下、パネルと略記する)10は、互いに対向配置されたガラス製の前面基板21および背面基板31を備える。前面基板21および背面基板31の間に放電空間が形成される。前面基板21上には複数対の走査電極22および維持電極23が互いに平行に形成されている。各対の走査電極22および維持電極23が表示電極を構成する。走査電極22および維持電極23を覆うように誘電体層24が形成され、誘電体層24上には保護層25が形成されている。
背面基板31上には絶縁体層33で覆われた複数のデータ電極32が設けられ、絶縁体層33上に井桁状の隔壁34が設けられている。また、絶縁体層33の表面および隔壁34の側面に蛍光体層35が設けられている。そして、複数対の走査電極22および維持電極23と複数のデータ電極32とが垂直に交差するように前面基板21と背面基板31とが対向配置され、前面基板21と背面基板31との間に放電空間が形成されている。放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。なお、パネルの構造は上述したものに限られず、例えばストライプ状の隔壁を備えた構造を用いてもよい。
上記蛍光体層35は、放電セルごとにR(赤)、G(緑)およびB(青)のいずれかの蛍光体層を含む。パネル10上の1画素は、R、GおよびBの蛍光体をそれぞれ含む3つの放電セルにより構成される。
図2は本発明の一実施の形態におけるパネルの電極配列図である。行方向に沿ってn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に沿ってm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。nおよびmはそれぞれ2以上の自然数である。そして、1対の走査電極SCiおよび維持電極SUiと1つのデータ電極Djとが交差した部分に放電セルDCが形成されている。それにより、放電空間内にm×n個の放電セルが形成されている。なお、iは1〜nのうち任意の整数であり、jは1〜mのうち任意の整数である。
(2)プラズマディスプレイ装置の構成
図3は本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。
図3は本発明の第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。
このプラズマディスプレイ装置は、パネル10、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55および電源回路(図示せず)を備える。
画像信号処理回路51は、画像信号sigをパネル10の画素数に応じた画像データに変換し、各画素の画像データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、それらをデータ電極駆動回路52に出力する。
データ電極駆動回路52は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し、その信号に基づいて各データ電極D1〜Dmを駆動する。
タイミング発生回路55は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてタイミング信号を発生し、それらのタイミング信号をそれぞれの駆動回路ブロック(画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53および維持電極駆動回路54)へ供給する。
走査電極駆動回路53は、タイミング信号に基づいて走査電極SC1〜SCnに駆動波形を供給し、維持電極駆動回路54はタイミング信号に基づいて維持電極SU1〜SUnに駆動波形を供給する。
本実施の形態において、タイミング発生回路55は、フィールド毎で異なるタイミング信号を維持電極駆動回路54に供給する。これにより、維持電極駆動回路54は、フィールド毎で異なる駆動波形を維持電極SU1〜SUnに供給する。詳細は後述する。
(3)パネルの駆動方法
パネル10は、フィールド毎で第1の駆動方法および第2の駆動方法を交互に切替えて駆動される。すなわち、パネル10は、2h+1番目のフィールド((2h+1)フィールド)で第1の駆動方法により駆動され、2h+2番目のフィールド((2h+2)フィールド)で第2の駆動方法により駆動される。なお、hは0以上の任意の整数である。
以下の説明において、維持電極SU1〜SUnが電源端子、接地端子およびノードから切り離された状態(フローティング状態)をハイインピーダンス状態と呼ぶ。ハイインピーダンス状態では、維持電極SU1〜SUnは、走査電極SC1〜SCnと容量結合している。したがって、維持電極SU1〜SUnの電位は、走査電極SC1〜SCnの電位の変化に従って変化する。
また、以下の説明では黒を表示する画素の輝度を黒輝度と呼ぶ。
(3−1)第1の駆動方法
(2h+1)フィールドで用いられる第1の駆動方法について説明する。図4は第1の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の一例を示す図である。また、図5は図4の駆動波形の一部拡大図である。
図4および図5では、1本の走査電極SCiの駆動波形、1本の維持電極SUiおよび1本のデータ電極Djの駆動波形が示されている。なお、上述のように、iは1〜nのうち任意の整数であり、jは1〜mのうち任意の整数である。他の走査電極の駆動波形は、走査パルスのタイミングを除いて走査電極SCiの駆動波形と同じである。他の維持電極の駆動波形は維持電極SUiの駆動波形と同じである。他のデータ電極の駆動波形は書込みパルスの状態を除いてデータ電極Djの駆動波形と同じである。
本実施の形態において、各フィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する複数のサブフィールドに分割される。例えば、1フィールドが時間軸上で10個のサブフィールド(以下、第1SF、第2SF、・・・、および第10SFと略記する)に分割され、それらのサブフィールドがそれぞれ0.5、1、2、3、6、9、15、22、30および40の輝度重みを有する。
図4には、(2h+1)フィールドにおける第1SFの開始時点から第3SFの初期化期間までの駆動波形が示されている。図5には、図4の第1SFにおける初期化期間から書込み期間までの駆動波形が示されている。
以下の説明において、電極を覆う誘電体層または蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を電極上の壁電圧という。また、第1SFの初期化期間の前半部、すなわち図5の時点t3から時点t4までの期間を上昇期間と呼び、第1SFの初期化期間の後半部、すなわち図5の時点t7から時点t8までの期間を下降期間と呼ぶ。
まず、第1SFの初期化期間および書込み期間の詳細について図5に基づき説明する。
図5に示すように、第1SFの開始時点t0において、走査電極SCi、維持電極SUiおよびデータ電極Djはともに0V(接地電位)に保持されている。
時点t1において、データ電極Djの電位が正の電位Vdに立ち上がり、時点t1から時点t2にかけて走査電極SCiの電位が正の電位Vscnに上昇する。
続いて、時点t3から時点t4にかけて、走査電極SCiに初期化放電のための正のランプ波形RW1が印加される。このランプ波形RW1は、正の電位Vscnから正の電位(Vscn+Vset)に向かって緩やかに上昇する。
それにより、時点t3から時点t3aの間で走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が放電開始電圧を超える。その結果、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電(初期化放電)が発生する。その後、走査電極SCiとデータ電極Djとの間でも微弱放電(初期化放電)が発生する。
ここで、時点t3aから時点t4にかけて(第1の非放電期間ND1)、維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。これにより、維持電極SUiの電位は走査電極SCiの電位変化に従って変化し、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が一定に保たれる。本例では、時点t3aから時点t4にかけて、維持電極SUiの電位が接地電位から電圧Vf1分緩やかに上昇する(ランプ波形RW10)。したがって、時点t3aから時点t5の間では、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電が発生しない。
一方、走査電極SCiとデータ電極Djとの間では、走査電極SCiとデータ電極Djとの間の電圧が放電開始電圧を超えることにより微弱放電が発生する。
このようにして、上昇期間中、走査電極SCi上に負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電荷が蓄積される。
時点t5において、維持電極SUiのハイインピーダンス状態が解除され、維持電極SUiの電位が接地電位に立ち下がる。
そして、時点t5から時点t6にかけて、走査電極SCiの電位が正の電位(Vscn+Vset)から正の電位Vsusまで立ち下がる。
時点t6から時点t7にかけて、維持電極SUiの電位が正の電位Ve1に上昇し、時点t7で、データ電極Djの電位が接地電位に立ち下がる。
続いて、時点t7から時点t8にかけて、走査電極SCiに負のランプ波形RW2が印加される。このランプ波形RW2は、正の電位Vsusから負の電位(−Vad)に向かって緩やかに下降する。
それにより、時点t7から時点t7aの間で走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が放電開始電圧を超える。その結果、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電(初期化放電)が発生する。その後、走査電極SCiとデータ電極Djとの間でも微弱放電(初期化放電)が発生する。
ここで、時点t7aから時点t8にかけて(第2の非放電期間ND2)、維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。これにより、維持電極SUiの電位は走査電極SCiの電位変化に従って変化し、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が一定に保たれる。本例では、時点t7aから時点t8にかけて、維持電極SUiの電位が正の電位Ve1から電圧Vf2分緩やかに下降する(ランプ波形RW20)。したがって、時点t7aから時点t8の間では、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電が発生しない。
一方、走査電極SCiとデータ電極Djとの間では、走査電極SCiとデータ電極Djとの間の電圧が放電開始電圧を超えることにより微弱放電が発生する。
このようにして、下降期間中、走査電極SCi上に蓄積された負の壁電荷が減少し、維持電極SUi上に蓄積された正の壁電荷が減少する。
時点t8においては、走査電極SCiの電位が電位(Vscn−Vad)に立ち上がる。また、維持電極SUiのハイインピーダンス状態が解除され、維持電極SUiの電位が正の電位Ve1に立ち上がる。
その後、第1SFにおける初期化期間が終了し、走査電極SCi上の壁電圧、維持電極SUi上の壁電圧およびデータ電極Dj上の壁電圧が、それぞれ書込み動作に適した値に調整される。具体的には、走査電極SCiおよび維持電極SUiに少量の負の壁電荷が蓄積され、データ電極Djに正の壁電荷が蓄積される。
以上のように、第1SFの初期化期間では、全ての放電セルDCで初期化放電を発生させる全セル初期化動作が行われる。
続く書込み期間において、走査電極SCiの電位が電位(Vscn−Vad)に保持されつつ、時点t10では、維持電極SUiの電位が正の電位Ve2に立ち上がる。
次に、時点t11において、1行目の走査電極SCi(i=1)に負の走査パルスPa(−Vad)が印加されるとともに、1行目において発光すべき放電セルDCのデータ電極Dk(kは1〜mのいずれか)に正の書込みパルスPd(=Vd)が印加される。
すると、データ電極Dkと走査電極SCiとの交差部の電圧は、外部印加電圧(Pd−Pa)に走査電極SCi上の壁電圧およびデータ電極Dk上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。それにより、データ電極Dkと走査電極SCiとの間および維持電極SUiと走査電極SCiとの間で書込み放電が発生する。
その結果、その放電セルDCの走査電極SCi上に正の壁電荷が蓄積され、維持電極SUi上に負の壁電荷が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電荷が蓄積される。なお、書込み期間開始時には、上述のように走査電極SCiに負の壁電荷が蓄積されている。したがって、安定した書込み放電が行われる。
このようにして、1行目において発光すべき放電セルDCで書込み放電を発生させる書込み動作が行われる。一方、書込みパルスが印加されなかったデータ電極Dy(y≠k)と走査電極SCiとの交差部の電圧は放電開始電圧を超えない。そのため、その交差部の放電セルDCで書込み放電は発生しない。以上の書込み動作が1行目の放電セルDCからn行目の放電セルDCに至るまで順次行われ、書込み期間が終了する。
図4に示すように、続く維持期間では、維持電極SUiの電位が接地電位に戻され、走査電極SCiに最初の維持パルスPs(=Vsus)が印加される。このとき、書込み期間で書込み放電が発生した放電セルDCにおいては、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧は、維持パルスPs(=Vsus)に走査電極SCi上の壁電圧および維持電極SUi上の壁電圧が加算された値となり、放電開始電圧を超える。
それにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で維持放電が起こり、放電セルDCが発光する。その結果、走査電極SCi上に負の壁電荷が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電荷が蓄積され、データ電極Dj上に正の壁電荷が蓄積される。書込み期間で書込み放電が発生しなかった放電セルDCでは維持放電は起こらず、初期化期間の終了時における壁電荷の状態が保持される。
続いて、走査電極SCiの電位が接地電位に戻され、維持電極SUiに維持パルスPsが印加される。すると、維持放電が起こった放電セルDCでは、維持電極SUiと走査電極SCiとの間の電圧が放電開始電圧を超える。それにより、再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間で維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電荷が蓄積され、走査電極SCi上に正の壁電荷が蓄積される。
以降同様に、走査電極SCiと維持電極SUiとに予め定められた数の維持パルスPsが交互に印加されることにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルDCでは維持放電が継続して行われる。
維持期間終了前には、走査電極SCiに維持パルスPsが印加されてから所定時間経過後に維持電極SUiの電位が正の電位Ve1になる。これにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で弱い微弱な放電(消去放電)が起こる。
第2SFの初期化期間では、維持電極SUiが正の電位Ve1に保持されるとともにデータ電極Djが接地電位に保持されつつ、走査電極SCiに正の電位Vsusから負の電位(−Vad)に向かって緩やかに下降するランプ波形RW3が印加される。すると、前のサブフィールドの維持期間で維持放電が起こった放電セルDCでは微弱放電(初期化放電)が発生する。
それにより、走査電極SCi上の壁電圧および維持電極SUi上の壁電圧が弱められ、データ電極Dk上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
一方、前のサブフィールドで書込み放電および維持放電が起こらなかった放電セルDCにおいては、放電が発生することはなく、前のサブフィールドの初期化期間の終了時における壁電荷の状態がそのまま保たれる。
このように、第2SFの初期化期間では、直前のサブフィールドで維持放電が起こった放電セルDCで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作が行われる。
第2SFの書込み期間では、第1SFの書込み期間と同様にして、書込み動作が1行目の放電セルからn行目の放電セルに至るまで順次行われ、書込み期間が終了する。続く維持期間の動作は、維持パルス数を除いて第1SFの維持期間の動作と同様であるため説明を省略する。
続く第3SF〜第10SFの初期化期間では、第2SFの初期化期間と同様に選択初期化動作が行われる。第3SF〜第10SFの書込み期間では、第2SFと同様に維持電極SUiが電位Ve2に保持されて書込み動作が行われる。第3SF〜第10SFの維持期間では、維持パルス数を除いて第1SFの維持期間と同様の維持動作が行われる。
(3−2)第2の駆動方法
(2h+2)フィールドで用いられる第2の駆動方法について、第1の駆動方法と異なる点を説明する。図6は第2の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の一例を示す図である。また、図7は図6の駆動波形の一部拡大図である。
図6には、(2h+2)フィールドにおける第1SFの開始時点から第3SFの初期化期間までの駆動波形が示されている。図7には、図6の第1SFにおける初期化期間から書込み期間までの駆動波形が示されている。第1SFの初期化期間および書込み期間の詳細について図7に基づき説明する。
図7に示すように、第2の駆動方法においては、上昇期間中に、維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる期間が第1の駆動方法と異なる。
具体的には、図7に示すように、時点t3aよりも早い時点t3xから時点t4にかけて(第3の非放電期間ND3)、維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。
上述のように、維持電極SUiがハイインピーダンス状態になると、維持電極SUiの電位は走査電極SCiの電位変化に従って変化し、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の電圧が一定に保たれる。本例では、時点t3xから時点t4にかけて、維持電極SUiの電位が接地電位から電圧(Vf1+Vu)分緩やかに上昇する(ランプ波形RW11)。したがって、時点t3xから時点t4の間では、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電が発生しない。なお、時点t3xは、電圧Vuが0よりも高くVscn以下の範囲内となるように設定される。
一方、走査電極SCiとデータ電極Djとの間では、走査電極SCiとデータ電極Djとの間の電圧が放電開始電圧を超えることにより微弱放電が発生する。
上記のように、第2の駆動方法においては、上昇期間中に維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる期間(第3の非放電期間ND3)が第1の駆動方法に比べて長時間化する。これにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間の微弱放電の発生期間が大きく短縮される。
図6に示すように、続く第2SFの初期化期間では、第1の駆動方法と同様に選択初期化動作が行われる。そして、初期化期間に続いて書込み動作が行われる。
(3−3)駆動波形の他の例
図4〜図7の例では、フィールドの最初のサブフィールドである第1SFの最初に全セル初期化動作を行う初期化期間が設けられているが、全セル初期化動作を行う初期化期間がフィールド内の他のサブフィールドに設けられてもよい。
図8は第1の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の他の例を示す図であり、図9は第2の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の他の例を示す図である。
図8および図9に示すように、本例の駆動波形においては、第1SFが全セル初期化動作を行う初期化期間を有さず、第2SFが全セル初期化動作を行う初期化期間を有する。
図8について説明する。図8には(2h+1)フィールドの第1SFの開始時点からその次のフィールドの第3SFの初期化期間までが示されている。
第1SFの書込み期間では、図5を参照して説明した書込み期間と同様に、走査電極SCiに負の走査パルスPa(=−Vad)が印加されるとともに、データ電極Dk(kは1〜mのいずれか)に正の書込みパルスPd(Vd)が印加される。
これにより、走査電極SCiとデータ電極Dkとの間および走査電極SCiと維持電極SUiとの間で書込み放電が発生する。この書込み動作を1行目の放電セルDCからn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間でも、図4を参照して説明した維持期間と同様に、維持電極SUiが接地電位に戻され、走査電極SCiに維持パルスPs(=Vsus)が印加される。このとき、書込み期間で書込み放電が発生した放電セルDCにおいては、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で維持放電が起こり、放電セルDCが発光する。以降同様に、走査電極SCiと維持電極SUiとに予め定められた数の維持パルスPsが交互に印加されることにより、書込み期間において書込み放電が発生した放電セルDCでは維持放電が継続して行われる。
ここで、図8に示すように、この第1SFにおいては、維持期間の終了後、第2SFの開始前に消去期間が設けられている。
消去期間においては、走査電極SCiの電位が正の電位Vsusに立ち上がってから所定時間経過後に維持電極SUiの電位が正の電位Ve1に立ち上がる。
これにより、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱な消去放電が発生する。それにより、走査電極SCiに正の壁電荷を多く残し、維持電極SUiに負の壁電荷を多く残すことができる。この状態で、第1SFが終了する。
その後、第2SFの初めに設けられた初期化期間において、図4および図5の例と同様の全セル初期化動作が行われる。第2SFにおける書込み期間および維持期間においても、図4および図5の例と同様の書込み動作および維持動作が行われる。
第3SFから第10SFは、それぞれ初期化期間、書込み期間および維持期間を有するが、これらの初期化期間には選択初期化動作が行われる。
図8と同様に、図9には(2h+2)フィールドの第1SFの開始時点からその次のフィールドの第3SFの初期化期間までが示されている。
図9の例では、第2SFの初めに設けられた初期化期間において、図6および図7の例と同様の全セル初期化動作が行われる点を除き、図8と同様の動作が行われる。
このように、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置においては、全セル初期化動作を行う初期化期間をフィールド内の任意のサブフィールドに設けてもよい。
(3−4)効果
第1および第2の駆動方法を用いてパネル10を駆動することにより以下の効果を得ることができる。
第1の駆動方法においては、上昇期間中の時点t3aから時点t4にかけて(第1の非放電期間ND1)維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。また、下降期間中の時点t7aから時点t8にかけて(第2の非放電期間ND2)維持電極SUiがハイインピーダンス状態になる。
維持電極SUiがハイインピーダンス状態である間は、走査電極SCiと維持電極SUiとの間で微弱放電が発生しない。これにより、微弱放電の発生期間が短縮されるので、点灯しない放電セルDCの発光輝度が低くなる。その結果、黒輝度が低くなる。
第2の駆動方法においては、上昇期間中の第3の非放電期間ND3が第1の駆動方法における上昇期間中の第1の非放電期間ND1に比べて拡大されている。これにより、走査電極SCiとデータ電極Djとの間で微弱放電の発生期間が大きく短縮され、微弱放電による放電セルDCの発光が十分に抑制される。その結果、黒輝度が十分に低下される。
また、第1の駆動方法によれば、初期化期間の上昇期間において、第1の非放電期間ND1前の期間が第2の駆動方法における第3の非放電期間ND3前の期間に比べて長く確保される。それにより、第1の駆動方法においては、第2の駆動方法に比べて、十分な初期化放電が行われる。したがって、安定な書込み放電が行われる。
このように、本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置においては、第1および第2の駆動方法がフィールド毎に交互に行われることにより、書込み放電の安定化、および黒輝度の十分な低下が実現される。
(4)走査電極駆動回路の回路構成および動作
(4−1)回路構成
図10は図3の走査電極駆動回路53の構成を示す回路図である。
走査電極駆動回路53は、走査IC(集積回路)100、直流電源200、保護抵抗300、回収回路400、ダイオードD10、nチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q3〜Q5,Q7およびNPNバイポーラトランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q6,Q8を含む。図10には、走査電極駆動回路53において1本の走査電極SC1に接続される1つの走査IC100が示される。他の走査電極SC2〜SCnにも図10の走査IC100と同様の走査ICがそれぞれ接続される。
走査IC100は、pチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q1およびnチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q2を含む。回収回路400は、nチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)QA,QB、回収コイルLA,LB、回収コンデンサCRおよびダイオードDA,DBを含む。
走査IC100はノードN1とノードN2との間に接続される。走査IC100のトランジスタQ1はノードN2と走査電極SC1との間に接続され、トランジスタQ2は走査電極SC1とノードN1との間に接続される。トランジスタQ1のゲートには制御信号S1が与えられ、トランジスタQ2のゲートには制御信号S2が与えられる。
保護抵抗300は、ノードN2とノードN3との間に接続される。電圧Vscnを受ける電源端子V10は、ダイオードD10を介してノードN3に接続される。直流電源200は、ノードN1とノードN3との間に接続される。この直流電源200は、電解コンデンサからなり、電圧Vscnを保持するフローティング電源として働く。以下、ノードN1の電位をVFGNDとし、ノードN3の電位をVscnFとする。ノードN3の電位VscnFは、ノードN1の電位VFGNDに電圧Vscnを加算した値を有する。すなわち、VscnF=VFGND+Vscnとなる。
トランジスタQ3は、電圧Vsetを受ける電源端子V11とノードN4との間に接続され、ゲートには制御信号S3が与えられる。トランジスタQ4は、ノードN1とノードN4との間に接続され、ゲートには制御信号S4が与えられる。トランジスタQ5は、ノードN1と負の電圧(−Vad)を受ける電源端子V12との間に接続され、ゲートには制御信号S5が与えられる。制御信号S4は制御信号S5の反転信号である。
トランジスタQ6,Q7は、電圧Vsusを受ける電源端子V13とノードN4との間に接続される。トランジスタQ6のベースには制御信号S6が与えられ、トランジスタQ7のゲートには制御信号S7が与えられる。トランジスタQ8は、ノードN4と接地端子との間に接続され、ベースには制御信号S8が与えられる。
ノードN4とノードN5との間には、回収コイルLA、ダイオードDAおよびトランジスタQAが直列に接続されるとともに、回収コイルLB、ダイオードDBおよびトランジスタQBが直列に接続される。トランジスタQAのゲートには制御信号S9aが与えられ、トランジスタQBのゲートには制御信号S9bが与えられる。回収コンデンサCRはノードN5と接地端子との間に接続される。
図10に示すように、トランジスタQ3にはゲート抵抗RGおよびコンデンサCGが接続される。他のトランジスタQ5,Q6にもゲート抵抗およびコンデンサが接続されるが、これらの図示は省略する。
上記の制御信号S1〜S8,S9a,S9bは、図3のタイミング発生回路55から走査電極駆動回路53にタイミング信号として与えられる。
(4−2)初期化期間および書込み期間における動作
まず、第1の駆動方法に基づく走査電極駆動回路53の動作について説明する。図11は、図4〜図7の第1SFの初期化期間および書込み期間に走査電極駆動回路53に与えられる制御信号の詳細なタイミング図である。
図11の最上段には、一点鎖線でノードN1の電位VFGNDの変化が示され、点線でノードN3の電位VscnFが示され、実線で走査電極SC1の電位の変化が示される。なお、図11には、回収回路400に与えられる制御信号S9a,S9bは図示されていない。
第1SFの開始時点t0では、制御信号S6,S3,S5がローレベルにあり、制御信号S1,S2,S8,S7,S4がハイレベルにある。それにより、トランジスタQ1,Q6,Q3,Q5がオフし、トランジスタQ2,Q8,Q7,Q4がオンしている。したがって、ノードN1は接地電位(0V)となっており、ノードN3の電位VscnFはVscnとなっている。また、トランジスタQ2がオンしているので、走査電極SC1の電位は接地電位となっている。
時点t1で、制御信号S8,S7がローレベルになり、トランジスタQ8,Q7がオフする。また、制御信号S1,S2がローレベルとなる。それにより、トランジスタQ1がオンし、トランジスタQ2がオフする。したがって、走査電極SC1の電位がVscnに立ち上がる。時点t2から時点t3にかけて走査電極SC1の電位がVscnで維持される。
時点t3で、制御信号S3がハイレベルになり、トランジスタQ3がオンする。それにより、ノードN1の電位VFGNDが接地電位からVsetまで緩やかに上昇する。また、ノードN3の電位VscnFおよび走査電極SC1の電位がVscnから(Vscn+Vset)まで上昇する。
時点t4で、制御信号S3がローレベルになり、トランジスタQ3がオフする。それにより、ノードN1の電位VFGNDがVsetで保持される。また、ノードN3の電位VscnFおよび走査電極SC1の電位が(Vscn+Vset)で維持される。
時点t5で、制御信号S6,S7がハイレベルになり、トランジスタQ6,Q7がオンする。それにより、ノードN1の電位VFGNDがVsusまで低下する。また、ノードN3の電位VscnFおよび走査電極SC1の電位が(Vscn+Vsus)まで低下する。時点t5aから時点t5bにかけて、走査電極SC1の電位が(Vscn+Vsus)で維持される。
時点t5bで、制御信号S1,S2がハイレベルとなる。それにより、トランジスタQ1がオフし、トランジスタQ2がオンする。したがって、走査電極SC1の電位がVsusまで低下する。これにより、時点t6から時点t7にかけて、走査電極SC1の電位がVsusで維持される。
時点t7で、制御信号S4,S6がローレベルになり、トランジスタQ4,Q6がオフする。また、制御信号S5がハイレベルになり、トランジスタQ5がオンする。それにより、ノードN1の電位VFGNDおよび走査電極SC1の電位が(−Vad)に向かって緩やかに低下する。また、ノードN3の電位VscnFが(−Vad+Vscn)に向かって緩やかに低下する。
時点t8で、制御信号S1,S2がローレベルとなる。それにより、トランジスタQ1がオンし、トランジスタQ2がオフする。したがって、走査電極SC1の電位が(−Vad+Vset2)から(−Vad+Vscn)まで上昇する。ここで、Vset2<Vscnである。
書込み期間の時点t9で、制御信号S8がハイレベルになり、トランジスタQ8がオンする。それにより、ノードN4が接地電位となる。このとき、トランジスタQ4がオフしているので、ノードN1および走査電極SC1の電位は(−Vad+Vscn)で維持される。
時点t11で、制御信号S1,S2がハイレベルになる。それにより、トランジスタQ1がオフし、トランジスタQ2がオンする。したがって、走査電極SC1の電位が(−Vad+Vscn)から−Vadまで低下する。
時点t12で、制御信号S1,S2がローレベルになる。それにより、トランジスタQ1がオフし、トランジスタQ2がオンする。したがって、走査電極SC1の電位が−Vadから(−Vad+Vscn)まで上昇する。その結果、走査電極SC1に走査パルスPa(図4および図5)が発生する。
(5)維持電極駆動回路の回路構成および動作
(5−1)回路構成
図12は図3の維持電極駆動回路54の構成を示す回路図である。
図12の維持電極駆動回路54は、サステインドライバ540および電圧上昇回路541を含む。
図12に示すように、サステインドライバ540は、nチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q101,Q102および回収回路540Rを含む。回収回路540Rは、nチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)QA,QB、回収コイルLA,LB、回収コンデンサCRおよびダイオードDA,DBを含む。
サステインドライバ540のトランジスタQ101は、電圧Vsusを受ける電源端子V101とノードN101との間に接続され、ゲートには制御信号S101が与えられる。
トランジスタQ102は、ノードN101と接地端子との間に接続され、ゲートには制御信号S102が与えられる。ノードN101は、図2の維持電極SU1〜SUnに接続される。
ノードN101と回収回路540RのノードN109との間には、回収コイルLA、ダイオードDAおよびトランジスタQAが直列に接続されるとともに、回収コイルLB、ダイオードDBおよびトランジスタQBが直列に接続される。回収コンデンサCRはノードN109と接地端子との間に接続される。トランジスタQAのゲートには制御信号S9cが与えられ、トランジスタQBのゲートには制御信号S9dが与えられる。
電圧上昇回路541は、nチャネル電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと略記する)Q105a,Q105b,Q107,Q108、ダイオードDD25およびコンデンサC102を含む。
電圧上昇回路541のダイオードDD25は、電圧Ve1を受ける電源端子V111とノードN104との間に接続される。
トランジスタQ105aおよびトランジスタQ105bは、ノードN104とノードN101との間に直列に接続される。トランジスタQ105aおよびトランジスタQ105bのゲートには制御信号S105が与えられる。コンデンサC102は、ノードN104とノードN105との間に接続される。
トランジスタQ107は、ノードN105と接地端子との間に接続され、ゲートには制御信号S107が入力される。トランジスタQ108は、電圧VE2を受ける電源端子V103とノードN105との間に接続され、ゲートには制御信号S108が入力される。なお、電圧VE2は、VE2=Ve2−Ve1の関係を満たし、例えばVE2=5[V]である。
上記の制御信号S101,S102,S9c,S9d,S105,S107,S108は、図3のタイミング発生回路55から維持電極駆動回路54にタイミング信号として与えられる。
(5−2)初期化期間および書込み期間における動作
まず、第1の駆動方法に基づく維持電極駆動回路54の動作について説明する。図13は、図4および図5の第1SFの初期化期間および書込み期間に維持電極駆動回路54に与えられる制御信号の詳細なタイミング図である。
図13の最上段には、参考として走査電極SC1の電位の変化が示されている。図13の次段に、維持電極SU1の電位の変化が示されている。
第1SFの開始時点t0では、制御信号S101,S9c,S9d,S105,S108がローレベルにあり、制御信号S102,S107がハイレベルにある。それにより、トランジスタQ101,QA,QB,Q105a,Q105b,Q108がオフし、トランジスタQ102,Q107がオンしている。これにより、維持電極SU1(ノードN101)が接地電位となっている。
第1SFの開始時点t0から所定期間経過した後、時点t3aで制御信号S102がローレベルとなる。これにより、トランジスタQ102がオフする。その結果、維持電極SU1がハイインピーダンス状態となる。したがって、走査電極SC1の電位の上昇に伴って、維持電極SU1の電位が電圧Vf1分上昇する。時点t4から時点t5の期間では、走査電極SC1の電位が一定に維持されるので、維持電極SU1の電位も一定に維持される。
時点t5で、制御信号S102がハイレベルとなる。これにより、トランジスタQ102がオンする。その結果、維持電極SU1(ノードN101)が再び接地電位に保持される。
時点t6で、制御信号S102がローレベルとなり、制御信号S105がハイレベルとなる。これにより、トランジスタQ102がオフし、トランジスタQ105a,Q105bがオンする。それにより、電源端子V111からノードN104を通して維持電極SU1に電流が流れる。その結果、維持電極SU1が上昇し、時点t7でVe1に保持される。
時点t7aで、制御信号S105がローレベルとなる。これにより、トランジスタQ105a,Q105bがオフする。したがって、維持電極SU1がハイインピーダンス状態となる。その結果、時点t7aから時点t8の期間で走査電極SC1の電位の下降に伴って、維持電極SU1の電位がVe1から電圧Vf2分緩やかに下降する。
そして、時点t8で、制御信号S105がハイレベルとなる。これにより、トランジスタQ105a,Q105bがオンする。その結果、維持電極SU1(ノードN101)の電位が再びVe1に保持される。
書込み期間の時点t10で、制御信号S107がローレベルとなり、制御信号S108がハイレベルとなる。これにより、トランジスタQ107がオフし、トランジスタQ108がオンする。それにより、電源端子V103からトランジスタQ108を通してノードN105に電流が流れる。その結果、ノードN105の電位がVE2まで上昇する。この場合、維持電極SU1の電圧Ve1に電圧VE2が加算される。それにより、維持電極SU1(ノードN101)の電位がVe2まで上昇する。
次に、第2の駆動方法に基づく維持電極駆動回路54の動作について説明する。図14は、図6および図7の第1SFの初期化期間および書込み期間に維持電極駆動回路54に与えられる制御信号の詳細なタイミング図である。
図14に示すように、第2の駆動方法において、維持電極駆動回路54は時点t0から時点t3にかけて第1の駆動方法と同じ動作を行う。
その後、時点t3aよりも早い時点t3xで、制御信号S102がローレベルとなる。これにより、トランジスタQ102がオフする。したがって、維持電極SU1がハイインピーダンス状態となる。その結果、時点t3xから時点t4の期間で走査電極SC1の電位の上昇に伴って維持電極SU1の電位が接地電位から電圧(Vf1+Vu)分緩やかに上昇する。
そして、時点t5で、制御信号S102がハイレベルとなる。これにより、トランジスタQ102がオンする。その結果、維持電極SU1(ノードN101)の電位が再び接地電位に保持される。時点t5以降において、維持電極駆動回路54は第1の駆動方法と同じ動作を行う。
(6)他の実施の形態
上記第1の駆動方法において、維持電極SUiをハイインピーダンス状態とする代わりに、第1の非放電期間ND1において維持電極SUiに接地電位から電圧Vf1分緩やかに上昇するランプ波形または階段状波形を印加してもよい。また、第2の非放電期間ND2において維持電極SUiに正の電位Ve1から電圧Vf2分緩やかに下降するランプ波形または階段状波形を印加してもよい。この場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
第2の駆動方法においても、維持電極SUiをハイインピーダンス状態にする代わりに、第3の非放電期間ND3において維持電極SUiに接地電位から電圧(Vf1+Vu)分緩やかに上昇するランプ波形または階段状波形を印加してもよい。また、第2の非放電期間ND2において維持電極SUiに正の電位Ve1から電圧Vf2分緩やかに下降するランプ波形または階段状波形を印加してもよい。この場合、上記と同様の効果を得ることができる。
全セル初期化動作は、複数のサブフィールドで行われてもよい。
上記実施の形態では、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53および維持電極駆動回路54において、スイッチング素子としてnチャネル電界効果トランジスタおよびpチャネル電界効果トランジスタが用いられているが、スイッチング素子はこれらに限られない。
例えば、上記各回路において、nチャネル電界効果トランジスタに代えてpチャネル電界効果トランジスタまたは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ等を用いてもよいし、pチャネル電界効果トランジスタに代えて、nチャネル電界効果トランジスタまたは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ等を用いてもよい。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55および電源回路が駆動装置の例であり、時点t3から時点t4までの上昇期間が第1の期間の例であり、電位Vscnが第1の電位の例であり、電位(Vscn+Vset)が第2の電位の例であり、ランプ波形RW1が第1のランプ波形の例である。
また、(2h+1)フィールドが連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドの例であり、(2h+2)フィールドが連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドの例であり、第1の非放電期間ND1が第2の期間の例であり、接地電位が第3の電位の例であり、電位Vf1が第4の電位の例であり、ランプ波形RW10が第2のランプ波形の例である。
さらに、第3の非放電期間ND3が第3の期間の例であり、電位(Vf1+Vu)が第5の電位の例であり、ランプ波形RW11が第3のランプ波形の例であり、時点t7から時点t8までの下降期間が第4の期間の例であり、電位Vsusが第6の電位の例であり、電位(−Vad+Vset2)が第7の電位の例であり、ランプ波形RW2が第4のランプ波形の例である。
また、第2の非放電期間ND2が第5の期間の例であり、電位Ve1が第8の電位の例であり、電位(Ve1−Vf2)が第9の電位の例であり、ランプ波形RW20が第5のランプ波形の例である。
さらに、パネル10、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55および電源回路がプラズマディスプレイ装置の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、種々の画像を表示する表示装置に利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置におけるプラズマディスプレイパネルの一部を示す分解斜視図 本発明の一実施の形態におけるパネルの電極配列図 本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 第1の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の一例を示す図 図4の駆動波形の一部拡大図 第2の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の一例を示す図 図6の駆動波形の一部拡大図 第1の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の他の例を示す図 第2の駆動方法によりプラズマディスプレイ装置の各電極に印加される駆動波形の他の例を示す図 図3の走査電極駆動回路の構成を示す回路図 図4〜図7の第1SFの初期化期間および書込み期間に走査電極駆動回路に与えられる制御信号の詳細なタイミング図 図3の維持電極駆動回路の構成を示す回路図 図4および図5の第1SFの初期化期間および書込み期間に維持電極駆動回路に与えられる制御信号の詳細なタイミング図 図6および図7の第1SFの初期化期間および書込み期間に維持電極駆動回路に与えられる制御信号の詳細なタイミング図
符号の説明
10 プラズマディスプレイパネル
51 画像信号処理回路
52 データ電極駆動回路
53 走査電極駆動回路
54 維持電極駆動回路
55 タイミング発生回路
D1〜Dm データ電極
DC 放電セル
ND1 第1の非放電期間
ND2 第2の非放電期間
ND3 第3の非放電期間
RW1,RW2,RW10,RW11,RW20 ランプ波形
SC1〜SCn 走査電極
SU1〜SUn 維持電極
t1〜t10,q2〜q10 時点

Claims (6)

  1. 複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルを、1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動装置であって、
    前記複数の走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、
    前記複数の維持電極を駆動する維持電極駆動回路とを備え、
    前記走査電極駆動回路は、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で前記複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加し、
    前記維持電極駆動回路は、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短い第2の期間で前記複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加し、前記連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短く前記第2の期間よりも長い第3の期間で前記複数の維持電極に前記第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記維持電極駆動回路は、前記第2の期間および前記第3の期間で前記複数の維持電極をフローティング状態にすることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記走査電極駆動回路は、前記第1の期間に続く第4の期間で初期化放電のために前記複数の走査電極に第6の電位から第7の電位に下降する第4のランプ波形を印加し、
    前記維持電極駆動回路は、前記第4の期間内における前記第4の期間よりも短い第5の期間で前記複数の維持電極に第8の電位から第9の電位に下降する第5のランプ波形を印加することを特徴とする請求項1または2記載の駆動装置。
  4. 前記維持電極駆動回路は、前記第5の期間で前記複数の維持電極をフローティング状態にすることを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
  5. 複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルを、1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動方法であって、
    連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、前記複数の走査電極および維持電極を第1の駆動方法で駆動するステップと、
    連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、前記複数の走査電極および維持電極を第2の駆動方法で駆動するステップとを備え、
    前記第1の駆動方法で駆動するステップは、
    前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で前記複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加するステップと、
    前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短い第2の期間で前記複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加するステップとを含み、
    前記第2の駆動方法で駆動するステップは、
    前記第1の期間で前記複数の走査電極に前記第1のランプ波形を印加するステップと、
    前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短く前記第2の期間よりも長い第3の期間で前記複数の維持電極に前記第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加するステップとを含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  6. 複数の走査電極および維持電極と複数のデータ電極との交差部に複数の放電セルを有するプラズマディスプレイパネルと、
    前記プラズマディスプレイパネルを1フィールド期間が複数のサブフィールドを含むサブフィールド法で駆動する駆動装置とを備え、
    前記駆動装置は、
    前記複数の走査電極を駆動する走査電極駆動回路と、
    前記複数の維持電極を駆動する維持電極駆動回路とを備え、
    前記走査電極駆動回路は、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドの初期化期間内における第1の期間で前記複数の走査電極に第1の電位から第2の電位に上昇する第1のランプ波形を印加し、
    前記維持電極駆動回路は、連続する2つのフィールドのうち一方のフィールドにおいて、前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短い第2の期間で前記複数の維持電極に第3の電位から第4の電位に上昇する第2のランプ波形を印加し、前記連続する2つのフィールドのうち他方のフィールドにおいて、前記第1の期間内における前記第1の期間よりも短く前記第2の期間よりも長い第3の期間で前記複数の維持電極に前記第3の電位から第5の電位に上昇する第3のランプ波形を印加することを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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