JP2009068685A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 チェーン進行方向に並ぶリンクおよびピンに着目して、弦振動の抑止を可能にした動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 Aのリンク11に、チェーン進行方向に隣り合うBおよびCのリンク11の所定量以上の屈曲によって弾性変形させられる緩衝材21,22が設けられている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されているものが提案されている。
特開2005−233275号公報
特許文献1の動力伝達チェーンでは、リンク間の接触による摩擦力をなくして伝達効率を向上させるために、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士の間に隙間が設けられることがある。このようにすると、チェーンの弦振動が発生した場合の抑止力となる摩擦力が無くなるので、振動および騒音が大きくなるという問題が生じやすい。リンク同士を接触させることにより、摩擦力による抑止力が働いて弦振動は抑制されるが、摩耗により経年変化で摩擦力が変化することが考えられ、また、摩擦力は適正な大きさに設定することが難しい。また、チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士を接触させると、弦振動のない場合にも摩擦力が作用することになり、伝達効率の低下が懸念される。
この発明の目的は、チェーン進行方向に並ぶリンクおよびピンに着目して、弦振動の抑止を可能にした動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、所定のリンクに、リンク同士の長さ方向の屈曲が所定量を超えた場合に弾性変形させられる緩衝材が設けられていることを特徴とするものである。
緩衝材は、チェーン進行方向に隣り合うリンクの少なくとも一方に接触するようになされていることがあり、また、緩衝材は、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方に接触するようになされていることがある。
緩衝材は、チェーンの通常走行時には、リンクおよびピンと干渉しないように設けられ、リンク同士が所定量以上屈曲したときに、屈曲したリンクおよびピンと接触して変形するものとされる。リンクの所定量以上の屈曲とは、例えば、チェーン曲線領域における通常走行時の屈曲(正屈曲)を超えた屈曲、チェーン直線領域における逆屈曲などをいう。したがって、通常走行では、動力伝達を低下させるような摩擦力は存在せず、弦振動のような非定常な屈曲時に、緩衝材が変形し、この変形は、振動が大きいほど大きいものとなり、この変形によって、チェーンの弦振動が抑止される。
緩衝材は、変位と速度に相関を持つ材料、例えばゴム(好ましくは耐熱性を有しているもの)などのばね定数を持つ材料で形成され、ばね定数を適正にすることにより、弦振動低減効果を高くすることができる。緩衝材は、接着剤、加硫接着などによってリンクに接着される。
動力伝達チェーンは、好ましくは、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定され、さらに、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成される。
緩衝材がチェーン進行方向に隣り合うリンクの少なくとも一方に接触するようになされる場合の所定のリンクは、チェーン進行方向の一方側において、他のリンクと挿通部の対応するもの同士が重ね合わされてピンを介して結合されるとともに、チェーン進行方向の他方側において、他のリンク(結合リンク)と幅方向同じ位置にある別のリンク(非結合リンク)と挿通部同士を重ね合わされることなく端部同士だけが重ね合わされる。これにより、所定のリンクの他のリンク(結合リンク)に重ね合わされていない方の挿通部は、結合リンクと非結合リンクとの間にある間隙に臨まされることになる。したがって、この挿通部のチェーン外径側部分(上部)およびチェーン内径側部分(下部)の少なくとも一方に緩衝材を設けておくことにより、結合リンクおよび非結合リンクがこの所定のリンクに対して所定量以上屈曲した際に、この緩衝材が結合リンクおよび非結合リンクと接触・変形する。
緩衝材が第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方に接触するようになされる場合には、緩衝材は、所定のリンクの前後挿通部の縁部の一部(同リンクに嵌められたピンの屈曲量が大きい箇所に対応する部分)に沿うように設けてもよく、所定のリンクの外周側の縁部の一部(隣り合うリンクに嵌められたピンの屈曲量が大きい箇所に対応する部分)に沿うように設けてもよい。通常走行時の屈曲(正屈曲)を超えた屈曲に対応する緩衝材は、リンクのチェーン内径側寄りの部分に、チェーン直線領域における逆屈曲に対応する緩衝材は、リンクのチェーン外径側寄りの部分に設けられる。
チェーン幅方向に並ぶリンクの隣り合うもの同士の間の隙間は、リンク間の接触による摩擦力をなくして伝達効率を向上させるために、0でない所定の値に設定される。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
前後挿通部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入による挿通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。1つの挿通部には、第1ピンと第2ピンとがチェーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリンクの挿通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、インボリュート曲線とされる。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、弦振動によってリンク同士が所定量以上屈曲したときには、緩衝材が弾性変形し、この変形によって弦振動が抑止される。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンク(11)で構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
このようなリンクユニットとしていることにより、前後に並ぶリンクユニット間には、所定の間隙が存在している。図1において、例えば、Aで示すリンク(11)は、チェーン進行方向の一方側(後方)において、Bで示すリンク(11)と挿通部(12)(13)の対応するもの同士(Aのリンク(11)の後挿通部(13)とBのリンク(11)の前挿通部(12))が重ね合わされてピン(14)およびインターピース(15)を介して結合されるとともに、チェーン進行方向の他方側(前方)において、Bのリンク(結合リンク)(11)と幅方向同じ位置にあるCのリンク(非結合リンク)(11)と挿通部(12)(13)同士を重ね合わされることなく端部同士だけが重ね合わされている。これにより、Aのリンク(11)のBのリンク(結合リンク)(11)に重ね合わされていない方の挿通部(前挿通部)(12)は、Bのリンク(結合リンク)(11)とCのリンク(非結合リンク)(11)との間にある間隙に臨まされている。このような配置とされているAのリンク(11)の前挿通部(12)のチェーン外径側部分(上部)およびチェーン内径側部分(下部)には、Bのリンク(結合リンク)(11)およびCのリンク(非結合リンク)(11)がこのAのリンク(11)に対して所定量以上屈曲した際にこれらのリンク(11)と接触・変形する上下緩衝材(21)(22)が接着されている。
なお、図1において、上記Aのリンク(11)とは逆に、前挿通部(12)側において、他のリンク(11)と結合されているリンク(図1にDで示す)が存在しているが、このDのリンク(11)には、後挿通部(13)の上下に緩衝材(21)(22)が設けられる。
図2に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面がインターピース(15)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面がピン(14)の転がり接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およびインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。圧入時のリンク(11)の位置決めに際しては、リンク(11)間には、所定の間隙が設定される。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示すV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、図6に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)(25)の端面が接触しない状態で、ドライブピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
この動力伝達チェーン(1)では、チェーン曲線領域における通常走行時の屈曲(正屈曲)を超えた場合、図3に示すように、Bのリンク(結合リンク)(11)の前側下部およびCのリンク(非結合リンク)(11)の後側下部がAのリンク(11)の下側の緩衝材(22)に接触してこれを弾性変形させる。また、チェーン直線領域における逆屈曲が生じた場合、すなわち、図2に二点鎖線で示すように、Bのリンク(結合リンク)(11)およびCのリンク(非結合リンク)(11)が図3の屈曲方向と逆向きに屈曲した場合、Bのリンク(結合リンク)(11)の前側上部およびCのリンク(非結合リンク)(11)の後側上部がAのリンク(11)の上側の緩衝材(21)に接触してこれを弾性変形させる。図示省略するが、Dのリンク(11)についても、同様にして、上側または下側の緩衝材(21)(22)が弾性変形する。したがって、チェーン(1)の弦振動に対しては、曲線領域においては、下側の緩衝材(22)が、直線領域においては、上側の緩衝材(21)が弾性変形し、この弾性力が抵抗力となって振動を減衰させることができる。一方、左右に隣り合うリンク(11)同士は、互いに接触していないため、リンク(11)間に過大な接触圧が発生することはなく、リンク(11)の摩耗を抑えることができ、チェーン(1)の伝達効率の低下が防止される。
上記において、緩衝材(21)(22)は、チェーン進行方向に隣り合うリンク(11)に接触するようになされているが、これに限られるものではなく、ピン(14)またはインターピース(15)に接触するようになされてもよい。その実施形態を図4および図5に示す。
図4において、Bのリンク(11)の前側上部(チェーン外径側寄りの部分)には、Aのリンク(11)の前挿通部(12)内にあるDで示すピン(14)に対応する緩衝材(23)が設けられており、Cのリンク(11)の後側上部(チェーン外径側寄りの部分)には、Aのリンク(11)の前挿通部(12)内にあるEで示すインターピース(15)に対応する緩衝材(24)が設けられている。
したがって、図4に二点鎖線で示すように、Bのリンク(11)およびCのリンク(11)がAのリンク(11)に対して逆向きに屈曲した場合、Bのリンク(11)の前側上部の緩衝材(23)がDで示すピン(14)の上部に接触してこれを弾性変形させるとともに、Cのリンク(11)の後側上部の緩衝材(24)がEで示すインターピース(15)の上部に接触してこれを弾性変形させる。こうして、直線領域において、これらの緩衝材(23)(24)が弾性変形することで、この弾性力が抵抗力となってチェーン(1)の弦振動を減衰させることができる。そして、左右(チェーン幅方向)に隣り合うリンク(11)同士は、互いに接触していないようにすることで、リンク(11)間に過大な接触圧が発生することはなく、リンク(11)の摩耗を抑えることができ、チェーン(1)の伝達効率の低下が防止される。
図5において、Bのリンク(11)の前側下部(チェーン内径側寄りの部分)には、Aのリンク(11)の前挿通部(12)内にあるDで示すピン(14)に対応する緩衝材(25)が設けられており、Cのリンク(11)の後側下部(チェーン内径側寄りの部分)には、Aのリンク(11)の前挿通部(12)内にあるEで示すインターピース(15)に対応する緩衝材(26)が設けられている。
したがって、チェーン曲線領域における通常走行時の屈曲(正屈曲)を超えた場合、図5に示すように、Bのリンク(11)の前側下部の緩衝材(25)がDで示すピン(14)の下部に接触してこれを弾性変形させるとともに、Cのリンク(11)の後側下部の緩衝材(26)がEで示すインターピース(15)の下部に接触してこれを弾性変形させる。こうして、これらの緩衝材(25)(26)が弾性変形することで、この弾性力が抵抗力となってチェーン(1)の弦振動を減衰させることができる。そして、左右に隣り合うリンク(11)同士は、互いに接触していないようにすることで、リンク(11)間に過大な接触圧が発生することはなく、リンク(11)の摩耗を抑えることができ、チェーン(1)の伝達効率の低下が防止される。
なお、図4に示した緩衝材(23)(24)および図5に示した緩衝材(25)(26)は、1つのリンク(11)に両方ともが設けられてもちろんよい。また、Bのリンク(11)の前側上部の緩衝材(23)は、これをAのリンク(11)の後挿通部(13)の近傍に設けるようにしても、Dで示すピン(14)に接触してこれを弾性変形させることができる。同様に、他の緩衝材(24)(25)(26)をAのリンク(11)に設けることができる。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの転がり接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。そして、CVTで使用された場合に、ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、第1実施形態のチェーン直線領域におけるリンクおよびピンの拡大側面図である。 図3は、第1実施形態のチェーン曲線領域におけるリンクおよびピンの拡大側面図である。 図4は、第2実施形態のチェーン直線領域におけるリンクおよびピンの拡大側面図である。 図5は、第2実施形態のチェーン曲線領域におけるリンクおよびピンの拡大側面図である。 図6は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図7は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(21)(22) 緩衝材
(23)(24)(25)(26) 緩衝材

Claims (4)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    所定のリンクに、リンク同士の長さ方向の屈曲が所定量を超えた場合に弾性変形させられる緩衝材が設けられていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 緩衝材は、チェーン進行方向に隣り合うリンクの少なくとも一方に接触するようになされていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 緩衝材は、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方に接触するようになされていることを特徴とする請求項1の動力伝達チェーン。
  4. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1から3までのいずれかに記載の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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