JP2009067823A - 樹脂組成物、鏡筒、レンズユニット、撮像装置 - Google Patents

樹脂組成物、鏡筒、レンズユニット、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】線膨張係数に異方性が無く、鏡筒用材料として一般的に使用され光学的問題が無いアルミニウムと同等の線膨張係数を有し、しかもアルミニウムに比して、鏡筒の複雑な形状を容易かつ低コストで成型することができ、また軽量化を図ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる鏡筒、該鏡筒を備えたレンズユニット、及び撮像装置を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂にフィラーを添加してなる樹脂組成物において、フィラーが前記熱可塑性樹脂に比して線膨張係数が小さい粒状であり、フィラーの体積濃度xが、85%以下であり、(α−28)×102/(α−β)≦x≦(α−18)×102/(α−β)を満たすように構成する。但し、α:熱可塑性樹脂の線膨張係数(ppm/K)、β:フィラーの線膨張係数(ppm/K)である。また、前記樹脂組成物にて鏡筒を成形する。更に、該鏡筒を用いてレンズユニット及び撮像装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂にフィラーを添加してなる樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる鏡筒、該鏡筒を備えたレンズユニット、及び撮像装置に関する。
自動車に搭載された遠赤外線撮像装置にて車両周辺を撮像し、衝突のおそれがある障害物、例えば歩行者、動物等を検出した場合、警報を発して運転車に注意を促す運転支援システムが実用化されている。遠赤外線撮像装置は、レンズユニットと、撮像部とから構成され、該レンズユニットは、複数の赤外線レンズを挿嵌して構成されている。
車載用の鏡筒用材料としては、一般的に耐熱性、耐衝撃性等の各種性能及びコストのバランスが良いアルミニウムにて形成されている。また鏡筒用材料として、樹脂材料を採用することも考えられる。樹脂製の鏡筒においては、アルミニウムを用いる場合に比して、複雑な形状を容易かつ低コストで成型することができ、また部品点数の削減及び軽量化を図ることができる。
特開平10−221590号公報
しかしながら、樹脂は、アルミニウムに比して線膨張係数が高いため、温度変化によってピントずれが生じやすいという問題がある。
一方、フィラーとしてガラス繊維を熱可塑性樹脂に添加してなる強化樹脂が上市されている。しかし、ガラス繊維は線状であるため、射出成形時に配向性が生じ、線熱膨張係数に異方性が生ずるという問題がある。鏡筒の線膨張係数に異方性が生じた場合、温度変化による鏡筒の膨張量を特定できず、ピントの調整が困難になる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、線膨張係数に異方性が無く、鏡筒用材料として一般的に使用され光学的問題が無いアルミニウムと同等の線膨張係数を有し、しかもアルミニウムに比して、鏡筒の複雑な形状を容易かつ低コストで成型することができ、また軽量化を図ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる鏡筒、該鏡筒を備えたレンズユニット、及び撮像装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る樹脂組成物は、合成樹脂にフィラーを添加してなる樹脂組成物において、前記フィラーは前記合成樹脂に比して線膨張係数が小さい粒状であり、前記フィラーの体積濃度xは、85%以下であり、(α−28)×102/(α−β)≦x≦(α−18)×102/(α−β)を満たすことを特徴とする。但し、α:合成樹脂の線膨張係数(ppm/K)β:フィラーの線膨張係数(ppm/K)である。
第2発明に係る樹脂組成物は、前記合成樹脂が、エンジニアリングプラスチック、又はスーパーエンジニアリングプラスチックであることを特徴とする。
第3発明に係る樹脂組成物は、前記合成樹脂が、ポリカーボネート、芳香族ナイロン、又はポリエーテルイミドであることを特徴とする。
第4発明に係る樹脂組成物は、前記芳香族ナイロンが6Tナイロンであることを特徴とする。
第5発明に係る樹脂組成物は、前記フィラーが非金属性の無機物であることを特徴とする。
第6発明に係る樹脂組成物は、前記フィラーが酸化アルミニウム又は二酸化珪素であることを特徴とする。
第7発明に係る鏡筒は、第1乃至第6発明に係る樹脂組成物を成形してなることを特徴とする。
第8発明に係るレンズユニットは、第7発明に係る鏡筒と、該鏡筒に保持されたレンズとを備えることを特徴とする。
第9発明に係る撮像装置は、第8発明に係るレンズユニットと、前記レンズで集光して得た像を撮像する撮像部とを備えることを特徴とする。
第1、7、8、9発明にあっては、フィラーの体積濃度が(α−28)×102/(α−β)≦x≦(α−18)×102/(α−β)を満たすため、樹脂組成物の線膨張係数は、18≦(α(100−x)+βx)/102≦28となり、該樹脂組成物は、鏡筒用材料として光学的問題が無いアルミニウムと同等の線膨張係数を有する。また、フィラーの体積濃度が85%以下であるため、流動性が悪化して成形が困難になることは無く、鏡筒の複雑な形状を容易かつ低コストで成型することができる。更に、樹脂組成物はアルミニウムに比して軽量であるため、成型品の軽量化を図ることができる。更にまた、フィラーは粒状であるため、線膨張係数は等方的である。
前記樹脂組成物にて鏡筒を成形した場合、アルミニウム製の鏡筒に適合した各種光学機器に、本発明に係る鏡筒を適用することができる。
また、前記鏡筒にてレンズユニットを構成した場合、アルミニウム製の鏡筒を備えたレンズユニットに適合した各種光学機器に、本発明に係るレンズユニットを適用することができる。更に、アルミニウム製の鏡筒に関して蓄積された各種実験データを利用することもできる。
第2、3、4、7、8、9発明にあっては、合成樹脂がエンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックであるため、非エンジニアリングプラスチックに比して、耐熱性、低温特性、吸水性、耐候性、耐衝撃性に優れる。
なお、エンジニアリングプラスチックは、長期耐熱性が100度以上、引っ張り強さが5kgf・mm-2以上、曲げ弾性率245kgf・mm-2以上の耐熱性、高強度、高寸法安定性を有する合成樹脂、例えばポリカーボネートをいう。スーパーエンジニアリングプラスチックは、エンジニアリングプラスチックであって、かつ熱変形温度が150度以上の合成樹脂、例えば6Tナイロンのような芳香族ナイロン、ポリエーテルイミド等をいう。
第5、6、7、8、9発明にあっては、非金属性の無機質のフィラー、例えば二酸化珪素又は酸化アルミニウムが合成樹脂に添加されている。非金属のフィラーは、モリブデン、タングステン等の金属に比して安価であるため、アルミニウムに代替可能な樹脂組成物を低コストで構成することができる。
本発明によれば、合成樹脂に所定の体積濃度の粒状フィラーを添加することにより、線膨張係数に異方性が無く、鏡筒用材料として一般的に使用され光学的問題が無いアルミニウムと同等の線膨張係数を有し、しかもアルミニウムに比して、鏡筒の複雑な形状を容易かつ低コストで成型することができ、また軽量化を図ることができる優れた物性を樹脂組成物に備えることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズユニット1を示す模式的側断面図である。図中1は、本発明の実施の形態に係るレンズユニットであり、レンズユニット1は、鏡筒10と、鏡筒10に順次挿嵌された赤外線レンズ21,22,23とを備えている。
赤外線レンズ21,22,23は、硫化亜鉛原料粉末をホットプレス法にて焼結してなる焼結体であり、8〜12μm帯の赤外線に対して透過性を有している。各レンズを硫化亜鉛でモールド成形することにより、赤外線レンズ21,22,23を低コストで製造することができる。赤外線レンズ23は正面側に凸面を有するメニスカスレンズ、赤外線レンズ22は背面側に凸面を有するメニスカスレンズ、赤外線レンズ21は、正面側に凸面を有するメニスカスレンズである。
なお、赤外線レンズ21,22,23の材質として硫化亜鉛を例示したが、赤外線透過性の他の材質、例えばセレン化亜鉛ZnSe、ゲルマニウムGe、カルコゲナイトガラスGe22As20Se58、又はシリコンSiにて形成するように構成しても良い。
また、赤外線レンズ21,22,23の耐環境性を向上させるべく、赤外線レンズ23の正面側の面をDLC(diamond like carbon)膜で被覆しても良い。DLC膜は、ダイヤモンドに類似した構造を有するアモルファスの炭素薄膜である。
鏡筒10は、アルミニウムと同等の線膨張係数18〜28(ppm/K)を有する樹脂組成物にて成形されている。樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に、該熱可塑性樹脂に比して線膨張係数が小さい粒状のフィラーを添加してなる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリカーボネートのようなエンジニアリングプラスチック、又は芳香族ナイロン若しくはポリエーテルイミド等のスーパーエンジニアリングプラスチックである。芳香族ナイロンとしては、例えば6Tナイロンを用いる。フィラーとしては、例えばAl2 3 (酸化アルミニウム)、SiC(炭化珪素)、Si3 4 (窒化珪素)、SiO2 (二酸化珪素)、AlN(窒化アルミニウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、又はFe−32Ni−5Co(インバー合金)が添加される。フィラーとしては、特に安価なAl2 3 又はSiO2 が好適である。
フィラーの体積濃度x(Vol%)は、85%以下であり、かつ下記式(1)を満たす。
(α−28)×102/(α−β)≦x≦(α−18)×102/(α−β)…(1)
但し、αは、熱可塑性樹脂の線膨張係数(ppm/K)、βはフィラーの線膨張係数(ppm/K)である。
熱可塑性樹脂及びフィラーの線膨張係数は夫々表1及び表2に示す通りである。
Figure 2009067823
Figure 2009067823
図2は、ポリカーボネートにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。横軸は、フィラーの添加量(Vol%)、縦軸は樹脂組成物の線膨張係数(ppm/K)である。ダイヤ印は、ポリカーボネートにAl2 3 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示しており、丸印はポリカーボネートにSiO2 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示している。
図2に示すように、Al2 3 の添加量が66〜82%の場合、樹脂組成物の線膨張係数は、アルミニウムと同等の18〜28(ppm/K)となる。なお、アルミニウムの線膨張係数は、23(ppm/K)であり、樹脂組成物の線膨張係数は、23±5(ppm/K)の範囲内にある。
同様に、二酸化珪素SiO2 の添加量が62〜76%の場合、樹脂組成物の線膨張係数は、アルミニウムと同等の18〜28(ppm/K)となる。
図3は、6TナイロンにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。
図2と同様、ダイヤ印は、6TナイロンにAl2 3 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示しており、丸印は6TナイロンにSiO2 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示している。
図3に示すように、Al2 3 の添加量が72〜84%、又はSiO2 の添加量が68〜80%の場合、樹脂組成物の線膨張係数は、アルミニウムと同等の18〜28(ppm/K)となる。
図4は、ポリエーテルイミドにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。
図2と同様、ダイヤ印は、ポリエーテルイミドにAl2 3 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示しており、丸印はポリエーテルイミドにSiO2 を添加してなる樹脂組成物の線膨張係数を示している。
図4に示すように、Al2 3 の添加量が53〜75%、又はSiO2 の添加量が49〜69%の場合、樹脂組成物の線膨張係数は、アルミニウムと同等の18〜28(ppm/K)となる。
上述の通り、熱可塑性樹脂としてのポリカーボネート、6Tナイロン又はポリエーテルイミドに、Al2 3 、又はSiO2 を添加する場合において、上記式(1)を満たすフィラーの体積濃度を整理すると、下記表3に示すようになる。なお、Al2 3 、又はSiO2以外の他のフィラーを添加する場合も、上記式(1)を用いて同様に添加量を算出することができる。
Figure 2009067823
ところで、鏡筒10は、例えば射出成形法によって成形されるが、一般にフィラーの添加量が大きい程、成形時における樹脂組成物の粘度が高くなり、射出成形、モールド成形が困難になる。そこで、樹脂組成物の好適な成形方法を説明する。
まず、樹脂組成物と超臨界流体とを加圧混合することによって、樹脂組成物に超臨界流体を溶解させる。超臨界流体は、臨界点、即ち気体と液体とが共存できる限界の温度及び圧力の状態よりも高温又は高圧の状態をいい、気体のような拡散性と、液体のような溶解性とを兼ね備えている。超臨界流体としては、例えば二酸化炭素、アルコール類、水等を用いることができる。また、不活性ガスを利用することもできる。樹脂組成物に超臨界流体を溶解させた場合、粘度が低下し、流動性が増すため、成形が容易になる。
超臨界流体を加圧混合して射出成形する加工装置は、例えばスクリュー押出機、送液ポンプ及び成形部を備えている。スクリュー押出機は、シリンダー、該シリンダー内に回転可能に配設されたスクリュー、シリンダーを加熱するヒータ等から構成されている。シリンダーの適宜箇所には、ペレット状の樹脂組成物をシリンダー内に供給する投入口と、送液ポンプから送出された超臨界流体をシリンダー内に供給する超臨界流体供給口が設けられている。スクリューはモータによって回転し、スクリューの回転によってシリンダー内に投入された樹脂組成物と、超臨界流体とが加圧混合されて流動化し、成形部へ押し出される。
成形部は、樹脂組成物に超臨界流体を溶解させて得た樹脂により鏡筒10を成形する金型を備えており、スクリュー押出機から射出された樹脂組成物を固化させて鏡筒10を成形する。
上述のように樹脂組成物を成形してなる鏡筒10は、図1に示すように略円筒状をなし、内径が異なる内周面11,12,13,14を階段状に備えており、内周面11,12,13には夫々嵌合凹部11a,12a,13aが形成されている。内周面10,11,12,13、及び嵌合凹部11a,12a,13aの内径は、鏡筒10に赤外線レンズ21,22,23を嵌合凹部11a,12a,13aに焼きばめ、即ち鏡筒10の加熱及び冷却により赤外線レンズ21,22,23を鏡筒10に固定するために必要な寸法を有している。また、鏡筒10の光軸L方向一端側の外周面には、光学機器にレンズユニット1を取り付けるための雄螺子15が形成されている。
このように構成されたレンズユニット1にあっては、鏡筒10を所定の焼きばめ温度、例えば約150度に加熱膨張させることによって、各赤外線レンズ21,22,23を鏡筒10の嵌合凹部11a,12a,13aに挿入し、次いで鏡筒10を冷却することによって、赤外線レンズ21,22,23を嵌合凹部11a,12a,13aに嵌合させることができる。
また、鏡筒10は樹脂の成形品であるため、階段状の内周面10,11,12,13、嵌合凹部11a,12a,13a等の複雑な形状を有する鏡筒10を製造することができる。
更に、赤外線レンズ21,22,23間の距離を一定に保つスペーサのような部品が不要になり、部品点数を削減することもできる。
更にまた、鏡筒10の線膨張係数は鏡筒用材料として一般的なアルミニウムの線膨張係数と同等であるため、各種光学機器の実績、各種データを利用して光学系を構成することができる。
なお、樹脂組成物は、耐熱性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックにフィラーを添加したものであるため、約150度に加熱しても熱変形しない。
また、鏡筒10の形状は一例であり、嵌合凹部11a,12a,13aを備えない円筒状の鏡筒に赤外線レンズ21,22,23を挿嵌し、赤外線レンズ21,22,23間に円環状のスペーサを介装するように構成しても良い。
図5は、本発明の実施の形態に係る遠赤外線撮像装置を示す模式的側断面図である。遠赤外線撮像装置は、レンズユニット1、撮像部3、基台4、及び筐体5を備えており、レンズユニット1、撮像部3及び基台4は筐体5に収容されている。
基台4は、撮像部3が配された基板を支持する基板支持体4aと、基板支持体4aの正面側端部に設けられた保持筒支持体4bと、保持筒支持体4bから正面側に突出したレンズユニット保持筒4cとを備えている。レンズユニット保持筒4cは、鏡筒10よりも大径であり、先端部にレンズユニット1の雄螺子15が螺合している。
撮像部3はレンズユニット1が備える赤外線レンズ21,22,23の背面側の適宜箇所に配設されており、サーモパイル、焦電素子、ボロメータのような撮像素子を備えている。
また、遠赤外線撮像装置は、図示しない信号処理部、一時記憶用の画像メモリ及び映像出力部を備えており、各構成部は配線にて接続されている。撮像部3は、レンズユニット1の赤外線レンズにて結像した像を電気信号に変換する撮像処理を連続的又は断続的に行い、例えば1秒当たり30枚の画像データを生成して信号処理部へ出力する。信号処理部は、輝度信号をデジタルの画像データにAD変換し、AD変換された画像データに対して各種補正処理を実行し、映像出力部に接続されたケーブルを介して外部機器へ送信する。
なお、本実施の形態に係る遠赤外線撮像装置は、自動車安全システム、例えばナイトビジョンシステム、プリクラッシュセーフティシステム等に適用すると良い。
このように構成された本実施の形態に係る熱可塑性樹脂にあっては、線膨張係数に異方性が無く、鏡筒用材料として一般的に使用され光学的問題が無いアルミニウムと同等の線膨張係数を備えることができる。
また、熱可塑性樹脂としてエンジニアリングプラスチックのポリカーボネート、スーパーエンジニアリングプラスチックの6Tナイロン又はポリエーテルイミドを使用しているため、耐熱性、低温特性、吸水性、耐候性、耐衝撃性に優れ、車載用の鏡筒10材料に適した特性を樹脂組成物に備えることができる。
更に、フィラーとして安価なAl2 3 、又はSiO2 を添加しているため、上述の特性を有する樹脂組成物を低コストで製造することができる。
更にまた、フィラーの体積濃度は85%以下であるため、射出成形時における流動性を確保し、既存の成形技術、例えば射出成形によって樹脂組成物を成形することができる。
更にまた、上述の樹脂を成形してなる鏡筒10、該鏡筒10を備えるレンズユニット1及び遠赤外線撮像装置にあっては、アルミニウム製の鏡筒10に適合した各種光学機器に本発明に係る鏡筒10及びレンズユニット1を適用することができる。
つまり、鏡筒10の線膨張係数は鏡筒用材料として一般的なアルミニウムの線膨張係数と同等であるため、各種光学機器の実績、各種データを利用して光学系を構成することができる。
更にまた、鏡筒10は樹脂の成形品であるため、複雑な形状を有する鏡筒10を製造することができる。また、部品点数を削減することもでき、製造工数及びコストを削減することができる。例えば、赤外線レンズ21,22,23を焼きばめで固定可能にすべく、該鏡筒10に嵌合凹部11a,12a,13aを成型することにより、各赤外線レンズ21,22,23を位置決めするスペーサのような部品が不要になり、部品点数を削減することができる。更に、軽量化を図ることができる。
なお、本実施の形態にあっては、遠赤外線撮像装置を例示したが、赤外線撮像装置、可視光にて被写体を撮像する撮像装置、その他の光学機器に本発明を適用しても良い。
また、アルミニウムと同等の線膨張係数を有し、成形容易な部材が必要な他の機器に本発明に係る樹脂組成物を適用しても良い。
更に、熱可塑性樹脂としてエンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチックを採用したが、必要な耐熱温度に応じて他の樹脂、例えばエンジニアプラスチックを用いて樹脂組成物を構成しても良い。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るレンズユニットを示す模式的側断面図である。 ポリカーボネートにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。 6TナイロンにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。 ポリエーテルイミドにAl2 3 、又はSiO2 を添加した場合における、フィラー添加量と樹脂組成物の線膨張係数との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る遠赤外線撮像装置を示す模式的側断面図である。
符号の説明
1 レンズユニット
3 撮像部
4 基台
5 筐体
21,22,23 赤外線レンズ
10 鏡筒
L 光軸

Claims (9)

  1. 合成樹脂にフィラーを添加してなる樹脂組成物において、
    前記フィラーは前記合成樹脂に比して線膨張係数が小さい粒状であり、
    前記フィラーの体積濃度xは、
    85%以下であり、
    (α−28)×102 /(α−β)≦x≦(α−18)×102/(α−β)
    を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
    但し、α:合成樹脂の線膨張係数(ppm/K)
    β:フィラーの線膨張係数(ppm/K)
  2. 前記合成樹脂は、
    エンジニアリングプラスチック、又はスーパーエンジニアリングプラスチックである
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記合成樹脂は、
    ポリカーボネート、芳香族ナイロン、又はポリエーテルイミドである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記芳香族ナイロンは6Tナイロンである
    ことを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記フィラーは非金属性の無機物である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
  6. 前記フィラーは酸化アルミニウム又は二酸化珪素である
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする鏡筒。
  8. 請求項7に記載の鏡筒と、
    該鏡筒に保持されたレンズと
    を備えることを特徴とするレンズユニット。
  9. 請求項8に記載のレンズユニットと、
    前記レンズで集光して得た像を撮像する撮像部と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
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