JP2009067766A - 経皮吸収促製剤及びそれを用いた経皮吸収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、経皮吸収性に優れ、皮膚刺激性が低く、安全性及び使用性の高いインスリンを含有する経皮吸収製剤及びそれを用いた経皮吸収システムを提供する。
【解決手段】 pHが7〜8のインスリンアスパルト水溶液を含有することを特徴とする経皮吸収製剤、酵素で皮膚をプレトリートメントした後、経皮吸収製剤を皮膚に貼付することを特徴とする経皮吸収システム及び酵素で皮膚をプレトリートメントし、次いで酵素不働化物質でトリートメントした後、経皮吸収製剤を皮膚に貼付することを特徴とする経皮吸収システム。
【選択図】なし

Description

本発明は血液中の血糖降下作用を有する経皮吸収製剤及びそれを用いた経皮吸収システムに関する。
従来、糖尿病の治療には広くインスリンが使用されており、インスリンの投与は一般に注射器で投与している。しかし、注射器でインスリンを自己注射するには、特殊な注射器が必要であり、医師や看護士に注射してもらうには時間と経費が必要であり、注射の際に消毒しないと細菌感染する、インスリンを注射すると、注射した時に急激にインスリン血中濃度が不必要に高くなる等の欠点があった。そのため、インスリンを長時間にわたって一定速度で体内に供与しうる経皮吸収システムの開発が待たれていた。
一方、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、パップ剤、テープ剤等の経皮吸収製剤(皮膚外用剤)においては、経皮吸収により種々の薬効を発揮する成分が配合されている。ところが、皮膚は、本来体外からの異物の侵入を防ぐための機能を有するものであり、且つ、インスリンは高分子であるから、通常の経皮吸収製剤(皮膚外用剤)の基剤中にインスリンを配合しただけでは、十分な経皮吸収が得られず、十分な薬効が得られなかった。
そこで、薬効成分の経皮吸収性を向上させるべく、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルミルアミド等の非プロトン溶媒(例えば、特許文献1参照。)、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(例えば、特許文献2参照。)、l−カルボン,メントン,ピペリトン等のテルペンケトン(例えば、特許文献3参照。)、d−リモネン(例えば、特許文献4参照。)、ラウリン酸ジエタノールアミド(例えば、特許文献5参照。)等を経皮吸収促進剤として基剤に添加することが開示されている。
しかしながら、これらの経皮吸収促進剤は、経皮吸収促進効果、皮膚刺激などの安全性、強烈な臭いがない等の使用性等の3点を全て満足させるものはなく、安全で、使用性に優れ、かつ効果の高い経皮吸収促進剤の開発が望まれていた。一方において、イオントフォレシス、エレクトロポレーション、ソノフォレシス等の物理化学的皮膚有価物経皮吸収促進法も種々提案されているが、皮膚刺激、皮膚損傷等の欠点も多く、今だ十分な方法とはなっていない。
米国特許第3,551,554号公報 特開昭52−1035号公報 特開平2−193932号公報 特開平2−207024号公報 特開2001−58961号公報
又、インスリン等の生理活性ペプチドを経皮吸収させる際に、酵素製剤を使用することが知られている(例えば、特許文献6参照。)が、インスリンは酵素によって分解されてしまうのでインスリンと酵素を共存させることはできなかった。又、角質より内側の皮膚には生体防御のために、セリンプロテアーゼ、コラゲナーゼ、デイスパーゼのようなプロテアーゼ、カルボキシルエステラーゼのようなエステラーゼ、メラニン色素を作るチロシナーゼ等の多くの酵素が存在する。そのため、インスリンを経皮吸収させても皮膚内で酵素によって分解されてしまい、インスリンの薬効が充分に発揮できなかった。
特表平3−505835号公報
更に、インスリンは中性、塩基性では不溶化であって、酸性でのみ溶解するのでインスリン水溶液からインスリンを経皮吸収させることは酸性でのみ可能となる。しかしながら酸性では皮膚刺激が大きく経皮吸収製剤として使用することはできなかった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、経皮吸収性に優れ、皮膚刺激性が低く、安全性及び使用性の高いインスリンを含有する経皮吸収製剤及びそれを用いた経皮吸収システムを提供することにある。
請求項1記載の経皮吸収製剤は、pHが7〜8のインスリンアスパルト水溶液を含有することを特徴とする。
上記インスリンアスパルトは、インスリンB鎖28位のプロリン残基をアスパラギン酸で置換したインスリンアナログであり、pHが7〜8の緩衝液に溶解した水溶液は安定している。上記緩衝液としては、従来公知の任意の緩衝液が使用でき、例えば、りん酸2水素ナトリウムとりん酸水素2ナトリウムを溶解し、pHを7〜8に調製した緩衝液があげられる。又、インスリンアスパルト水溶液のpHは、7未満及び8を超えるとインスリンアスパルトの溶解性が安定しなくなるので7〜8に限定され、好ましくは7.2〜7.6である。pHが7〜8のインスリンアスパルト水溶液としては、ノボノルディスクファーマ社から商品名「ノボラピッド注100単位/mlバイアル」として販売されている。
上記経皮吸収製剤はpHが7〜8のインスリンアスパルト水溶液を含有すればよく、例えば、インスリンアスパルト水溶液が含浸された吸水性シートが挙げられる。
上記吸水性シートとしては、例えば、紙、ガーゼ、不織布、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の合成樹脂から製造された、連続気泡を有する発泡体等が挙げられる。
又、上記インスリンアスパルト水溶液が含浸された吸水性シートは、水が蒸発しないように水不透過性の支持シートの一面に積層されているのが好ましく、経皮吸収製剤を皮膚に貼付するために吸水性シートの周囲に粘着剤層が積層されているのが好ましい。更に、経皮吸収製剤を保管する際には、インスリンアスパルト水溶液が含浸された吸水性シートを保護し、水が蒸発しないように水不透過性の離型紙が吸水性シート及び粘着剤層を覆うように積層されているのが好ましい。
上記支持シートとしては、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、SIS樹脂、SEBS樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アルミニウム等のシートが挙げられる。
上記粘着剤としては、特に限定されず、従来公知の任意の粘着剤が使用可能であり、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤シリコン系粘着剤等が挙げられる。
酵素はインスリンアスパルトを分解する能力を有しており、皮膚に酵素が存在している場合にはインスリンが分解される恐れがあるので、経皮吸収製剤は酵素不働化物質を含有するのが好ましい。
上記酵素不働化物質は、酵素のインスリンアスパルトを分解する能力を低下若しくは無くす作用を有する物質であり、例えば、酵素阻害剤;メタノール、エタノール、(イソ)プロパノール、グリセリン、重合度600以下のポリエチレングリコールなどの液状のアルコール;アセトンなどの有機溶媒;酢酸、塩酸、乳酸などの酸性水溶液等があげられ、液状のアルコールが好ましく、より好ましくは、エタノール及び(イソ)プロパノールである。
上記酵素阻害剤は、酵素のある特定部位に結合して酵素の反応速度を低下させる物質であって、プロテアーゼ用の酵素阻害剤としては、例えば、バシトラシン、アマスタチン、ソイビーントリプシンインヒビター、アプロチニン、カモスタットメシレート、界面活性物質、ロイペプチン、アンチパイン、キモスタチン、エラスタチナール、ホスホラミドン等が挙げられる。
酵素不働化物質の含有量は皮膚上に残存する酵素及び/又は皮膚内の酵素の反応性を低下させうる量であればよく、一般に、インスリンアスパルト水溶液中0.01〜50重量%が好ましい。
請求項4記載の経皮吸収システムは、酵素で皮膚をプレトリートメントした後、請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮吸収製剤を皮膚に貼付することを特徴とする。即ち、まず酵素を皮膚に接触させた後に経皮吸収製剤を皮膚に貼付する。
上記酵素はインスリンアスパルトの経皮吸収促進剤であり、皮膚表面に作用して皮膚角質層構造の規則性を乱すような酵素であればいずれも使用可能であり、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等が挙げられる。
プロテアーゼは蛋白質分子のペプチド結合を加水分解するので適切な酵素である。プロテアーゼは微生物から抽出精製して使用することが可能であるが、市販の各種プロテアーゼを用いることもできる。用いうるプロテアーゼとしては、例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、コラゲナーゼ、エラスターゼ、エンドプロテナーゼ、プロナーゼ等が挙げられ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、コラゲナーゼが特に有効に使用される。
エステラーゼ及びリパーゼは角質中の脂質に作用するので好ましい。リパーゼは動物すい臓から抽出精製して使用できるが、市販品を用いてもよい。酵素はいずれも特有の作用最適pHを有するゆえにそれぞれの酵素の最適pHを考慮することにより経皮吸収促進能はさらに向上する。
皮膚を酵素でプレトリートメントするには、酵素を適切なpHに調整した精製水等に溶解させた酵素水溶液を経皮吸収製剤を貼付しようとする皮膚部位に適用するのが好ましい。その際、酵素水溶液をろ紙やその他多孔質単体にしみ込ませて適用すると実用上便利である。又、異なる皮膚をプレトリートメントする方法として、酵素を前もって軟膏基剤に溶解させた酵素軟膏を皮膚に適用する方法、水性ゲル中に酵素を溶解させた酵素入り水性ゲルを皮膚に貼付する方法が挙げられる。これら軟膏、水性ゲルを調製するに当たっては酵素の安定化のためにグリセリン、砂糖、シクロデキストリン等を添加することが望ましい。
又、プレトリートメントをより効果的にするために、酵素水溶液、酵素軟膏等を適用した皮膚を水不透過性フィルムで被うことは有効である。プレトリートメント時間は5分〜60分が適当である。プレトリートメント終了後はその部位の皮膚を清浄にして上記インスリンアスパルトを含有する経皮吸収製剤を貼付する。インスリンアスパルト水溶液を含有する経皮吸収製剤を皮膚に貼付することによりインスリンアスパルトが皮膚を通って体内に吸収される。
請求項5記載の経皮吸収システムは、酵素で皮膚をプレトリートメントし、次いで酵素不働化物質でトリートメントした後、請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮吸収製剤を皮膚に貼付する。
上記酵素で皮膚をプレトリートメントする方法は、請求項4における酵素で皮膚をプレトリートメントする方法と同一であり、酵素でプレトリートメントした後、酵素不働化物質でトリートメントを行う。
皮膚を酵素でプレトリートメントすると、皮膚はインスリンアスパルトを吸収し易くなるが、この酵素は蛋白質を分解する能力を有しており、インスリンアスパルトは蛋白質であるから、皮膚に酵素が残存しているとインスリンアスパルトが分解される恐れがあるので、酵素で皮膚をプレトリートメントした後、酵素不働化物質でトリートメントして酵素の反応性を低下させると共に、酵素不働化物質でトリートメントすることにより、角質より内側の皮膚に生体防御のために存在する酵素の反応性を低下させる。
酵素でプレトリートメントした皮膚を酵素不働化物質でトリートメントするには、酵素不働化物質を適切なpHに調整した精製水等に溶解させた酵素不働化物質溶液を酵素でプレトリートメントした皮膚部位に適用すればよい。又、酵素不働化物質が液体の場合はそのまま酵素でプレトリートメントした皮膚部位に適用すればよい。その際、酵素不働化物質溶液又は液体の酵素不働化物質をろ紙やその他多孔質単体にしみ込ませて適用すると実用上便利である。上記酵素不働化物質溶液の濃度は、特に限定されるものではないが、一般に0.1〜100重量%である。
又、上記酵素不働化物質によるトリートメントをより効果的にするため、酵素不働化物質溶液又は液体の酵素不働化物質を適用した皮膚を水不透過性フィルムで被うことは有効である。トリートメント時間は5分〜60分が適当である。
更に、上記酵素不働化物質によるトリートメントをより効果的にするため、トリートメントする前に、酵素でプレトリートメントした皮膚を水等で洗浄することにより酵素を除去してもよい。
上記酵素不働化物質によるトリートメント終了後に、請求項1〜3のいずれか1項記載のインスリンアスパルト水溶液を含有する経皮吸収製剤を皮膚に貼付する。インスリンアスパルト水溶液を含有する経皮吸収製剤を皮膚に貼付することによりインスリンアスパルトが皮膚を通って体内に吸収される。
本発明の経皮吸収製剤の構成は上述の通りであるから、インスリンアスパルトは長期間水中に安定して存在し、経皮吸収性に優れ、皮膚刺激性が低く、安全性及び使用性が高く、経皮吸収型製剤として好適に使用できる。又、本発明の経皮吸収システムの構成は上述の通りであるから、インスリンアスパルトを経皮により人体に効率よく供給することができる。従って、注射する必要がなく、自分で経皮吸収製剤を皮膚に貼付することにより処理することができるので、簡便であり、安価に処理することができる。又、安全に且つ速やかにインスリンアスパルトを長時間にわたり、血中濃度を一定に保ちながら供給することができ、医療用途に好適である。
次に、本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
糖尿病ラットモデルの作成
ストレプトゾトシン(STZ)をクエン酸緩衝液(pH4.4)に溶解しSTZ溶液を作成した。ラット尾静脈から50mg/lkgのSTZ溶液を投与し、2週目及び3週目に血糖値を測定し空腹時血糖が250mg/dl以上のラットを糖尿病モデルラットして以下の試験に供した。
血糖降下試験
試験前日から糖尿病モデルラットを14時間絶食させた。ラットをネンブタール(30mg/kg)で麻酔後,腹部皮膚を剃毛し、2.5重量%トリプシン水溶液(ナカライテスク社製)を2.0ml滴下して吸収させた4×4cmの4枚重ねガーゼを剃毛した皮膚に密着させ30分間保持して角質処置した。次に、角質処置した皮膚を精製水により洗浄し、ガーゼで水をぬぐった後、新たなガーゼ(4×4cmサイズ)2枚を角質処置した皮膚に置き、そこにpH7.20〜7.60インスリンアスパルト水溶液(ノボノルディスクファーマ社製、商品名「ノボラピッド注100単位/mlバイアル」)1mlとエタノール0.2mlの混合液を滴下してガーゼに吸収させた。更にその上をウレタンドレッシングフィルムで覆いガーゼを固定した。
3時間後、5時間後、7時間後及び9時間後に採血し血糖測定して結果を表1に示した。表1における値はインスリンアスパルト水溶液(ノボノルディスクファーマ社製、商品名「ノボラピッド注100単位/mlバイアル」)投与直前の血糖値を100とし、その値との比をパーセントで表示した。各数字は3匹の糖尿病モデルラットによる同一試験の平均値である。尚、血糖の測定器としては(ニプロ(株)製、ニプロフリースタイルライトショットフラッシュ)を用いた。又、血糖降下試験が終わるまで糖尿病モデルラットに水を与えて水を自由に摂取させた。
(実施例2)
酵素としてトリプシンの代わりに2.5重量%豚由来リパーゼ(ナカライテスク社製)水溶液を使用して角質処理を行った以外は実施例1で行ったと同様にして血糖降下試験を行い、結果を表1に示した。
(比較例1)
酵素による角質処理を行わなかった以外は実施例1で行ったと同様にして血糖降下試験を行い、結果を表1に示した。
(比較例2)
牛インスリン(ナカライテスク製)をpH2.5の塩酸水溶液に溶解して200単位/mlの水溶液を得た。得られた水溶液に水を添加し希釈して100単位/mlの試料水溶液を得た。インスリンアスパルト水溶液の代わりに得られた100単位/mlの試料水溶液を使用した以外は実施例1で行ったと同様にして血糖降下試験を行い、結果を表1に示した。血糖降下試験終了後の糖尿病モデルラットの皮膚を観察すると皮膚が赤くなり皮膚刺激性が大きかった。
(比較例3)
牛インスリン(ナカライテスク製)をpH2.5の塩酸水溶液に溶解して200単位/mlの水溶液を得た。得られた水溶液をpH7.5の燐酸緩衝溶液に希釈して100単位/mlの試料水溶液を得た。この水溶液のpHは7.4であった。インスリンアスパルト水溶液の代わりに得られた100単位/mlの試料水溶液を使用した以外は実施例1で行ったと同様にして血糖降下試験を行い、結果を表1に示した。
(実施例3)
血糖降下試験において角質処理からガーゼの固定までの工程を以下の通り変更した以外は実施例1で行ったと同様にして血糖降下試験を行い、結果を表1に示した。
試験前日から糖尿病モデルラットを14時間絶食させた。ラットをネンブタール(30mg/kg)で麻酔後,腹部皮膚を剃毛し、0.25重量%トリプシン水溶液(ナカライテスク社製)を2.0ml滴下して吸収させた4×4cmの4枚重ねガーゼを剃毛した皮膚に密着させ30分間保持して角質処置した。
次に、100%エタノールで数回皮膚をよく洗浄し酵素の洗い出しとエタノールの皮膚浸透を行った。ガーゼでエタノールをぬぐった後、ガーゼで水をぬぐった後、新たなガーゼ(4×4cmサイズ)2枚を角質処置した皮膚に置き、そこにpH7.20〜7.60インスリンアスパルト水溶液(ノボノルディスクファーマ社製、商品名「ノボラピッド注100単位/mlバイアル」)1mlとエタノール0.2mlの混合液を滴下してガーゼに吸収させた。更にその上をウレタンドレッシングフィルムで覆いガーゼを固定した。
Figure 2009067766

Claims (8)

  1. pHが7〜8のインスリンアスパルト水溶液を含有することを特徴とする経皮吸収製剤。
  2. 更に、酵素不働化物質を含有することを特徴とする請求項1記載の経皮吸収製剤。
  3. 酵素不働化物質が、エタノール又は(イソ)プロパノールであることを特徴とする請求項2記載の経皮吸収製剤。
  4. 酵素で皮膚をプレトリートメントした後、請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮吸収製剤を皮膚に貼付することを特徴とする経皮吸収システム。
  5. 酵素で皮膚をプレトリートメントし、次いで酵素不働化物質でトリートメントした後、請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮吸収製剤を皮膚に貼付することを特徴とする経皮吸収システム。
  6. 酵素不働化物質が、エタノール又は(イソ)プロパノールであることを特徴とする請求項5記載の経皮吸収システム。
  7. 酵素がプロテアーゼ又はリパーゼであることを特徴とする請求項4〜6のいずれが1項記載の経皮吸収システム。
  8. プロテアーゼが、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン又はコラゲナーゼであることを特徴とする請求項7記載の経皮吸収システム。
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