JP2009067669A - 金属基材上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(hap)コーティングを作製する方法 - Google Patents

金属基材上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(hap)コーティングを作製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属基材、特にステンレススチール(316 L)上に、バイオミメティック経路によって、制御された界面反応後に宿主組織と迅速かつ効率的な骨統合可能なタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法を提供する。
【解決手段】室温にてBSAの水溶液(4〜10wt%)を用いる表面処理工程後、バイオミメティック経路を通じて、金属基材、特にステンレススチール(316L)合金上にカルシウム欠乏性の炭酸化ヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを発達させる。コーティングを相組成、結晶化度、形態学及び厚さに関して特徴づける。タンパク質媒介リン酸カルシウムセラミックコーティングは多孔性(孔径100〜200μm)で、均一な孔分布と適用範囲を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属基材上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、過飽和擬似体液(simulated body fluid)(SBF)を用いてバイオミメティック経路によって、ステンレススチール(316 L)上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法に関する。ステンレススチール(316 L)基材の水溶性生体分子による表面処理は、生体アパタイトに類似した制御された反応環境内で予め組織化されたマトリックスとして作用して、カルシウムヒドロキシアパタイト結晶の核化と成長を誘発する。これは天然の骨組織内に存在する生体アパタイトの構造的及び特徴的性質を模倣することであり、順次、インプラントの生体適合性及び骨結合特性を高める。
カルシウムヒドロキシアパタイト[HAp、Ca10(PO4)6(OH)2]、すなわち骨及び歯内の硬組織の主要無機成分はアパタイトファミリーのメンバーである。生体アパタイトは石灰化組織(エナメル質、象牙質及び骨)の鉱物相を含み、かつ置換されているカルシウム欠乏性の炭酸塩であると観察されている。カルシウムヒドロキシアパタイトは、化学量論、組成、結晶化度及び他の物理的及び機械的性質において純粋なHApと異なる。in vivo用途では、すべての金属バイオマテリアルは生体適合性でなければならない。耐食性、機械的性質及び商業的入手可能性の差異がその適用範囲を決める。チタン(Ti)金属とその合金、コバルト(Co)-クロム(Cr)-モリブデン(Mo)合金及びステンレススチール(316 L)のような金属材料は整形外科及び歯科用インプラントとして広く使用されている。これらのうち、チタン合金は優れた耐食性と卓越した機械的性質を示し、股関節プロステーシスの金属ステムとしてより良い性能を与えるが、ひどく高いコストのため、インドといった発展途上国では使用を制限していた。従って、これは我々の国の一般人が選択する材料ではあり得ない。代替物として、ステンレススチール(316L)(組成:0.03%の炭素、2%のマンガン、17〜20%のクロム、12〜14%のニッケル、2〜4%のモリブデン及び小量のリン、イオウ及びケイ素)は股関節インプラントで広く使用されている。
生組織におけるバイオマテリアルの挿入は、生組織とバイオマテリアルとの間に界面を生じさせ、生体系及びインプラント材料の変化をもたらす一次又は二次反応を与え得る。このような状況下、骨伝導性の多孔性ヒドロキシアパタイトコーティングは、同一デザインの非コーティングインプラントに比べて骨付着の速度と強度を高める。これ以外に、ヒドロキシアパタイトコーティングは周囲の攻撃又は浸出作用から金属インプラントを防護するので、有害反応を最小限にする。金属及び他の基材(セラミックス、ポリマー及び複合材)上のHApのコーティングのため広い範囲の方法、例えば、浸漬、プラズマ溶射、電気泳動蒸着、スパッタコーティング、熱間静水圧圧縮成形及びイオンアシストスパッタリング等が適用されている。これらのうち、プラズマ溶射が金属インプラント上にヒドロキシアパタイトコーティングを施すときの主要技術として用いられてインプラントの固定と骨の成長を改善した。高価であること以外、この方法はいくつかの欠点に悩む。
Serekian P.の刊行物「整形外科のヒドロキシアパタイトコーティング(Hydroxyapatite coatings in orthopedic surgery’)」,pp. 81-97(Geesink R.G.T及びManley M.T.編集, Raven Press Ltd., New York, 1993)を参照でき、プラズマ及びフレーム溶射、電気泳動法、浸漬コーティング、マグネトロンスパッタリングの利点と欠点が論じられている。
Cheang P.及びKhor K.A.,「ヒドロキシアパタイトコーティングのプラズマ溶射に関連する処理問題に取り組む(Addressing processing problems associated with plasma spraying of hydroxyapatite coatings’)」, Biomaterials, 17, 537-544, 1996も参照でき、ここではプラズマ溶射HApコーティングに直接関係する問題は、他の非生物活性リン酸カルシウム相に伴う非晶質相の生成であると言及されている。天然の骨は結晶性であることからコーティング中の非晶質相の存在は望ましくないので、骨-インプラント界面の完全性が損なわれる。機械的試験は、高い非晶質相含量を有するコーティングの強い再吸収と分解によって引き起こされる骨-コーティング-インプラント界面の失敗を示す。Barrere F., Blitterswijk van C.A., Groot de K., Layrolle P.,「SBF×5溶液からのCa-Pコーティング形成に及ぼすイオン強度と炭酸塩の影響(Influence of ionic strength and carbonate on the Ca-P coating formation from SBF×5 solution’)」, Biomaterials, 23, 1921-1930, 2002 and Liu Y., Layrolle P., Bruijn de J., Blitterswijk van C.及びGroot de K.,「チタン合金上のリン酸カルシウムとウシ血清アルブミン(BSA)のバイオミメティック共沈(Biomimetic coprecipitation of calcium phosphate and bovine serum albumin (BSA) on titanium alloy’)」, J. Biomed. Mater. Res., 57[3], 327-335, 2001も参照し得る。ここではプラズマ溶射HApコーティングの欠点は、極端に高い処理温度(>10,000℃)に関係しており、この温度では、骨様アパタイトを生成できず、感熱的な複雑形状の多孔性インプラントをコーティングできず、又は骨の再生を増やし、かつ骨誘導作用を有する骨形成物質及び成長因子のような生物学的に活性な分子を取り込めない。
最近、バイオミメティックコーティングと称する新興技術はプラズマ溶射法固有のすべての欠点を克服する。この方法は、ヒト血漿と同様の無機組成を有する擬似体液(SBF)中、穏やかなpH条件下かつ室温で金属基材上に高密度の一様かつ均質なヒドロキシアパタイト(骨様、置換されている炭酸塩、カルシウム欠乏性)コーティングを精巧につくる。コーティングを施す前、好ましくは基材を洗浄又は処理していずれの表面汚染物をも除去し、かつコーティングの良い接着を増強する。アセトン、アルキルアルコール等のデグリーサーで金属インプラントをリンス後、脱イオン水を用いて洗浄し得る。コーティングの接着を高めるため、機械的表面処理、例えばサンドブラスト、精錬、研磨及び研削は表面の粗さを増やしてコーティングと基材との間の結合強度を高める。同様の目的で化学的表面処理も適用される。強鉱酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸を用いる酸エッチング又は硝酸、ペルオキシハロゲン酸、ハロゲンペルオキシド等の酸化剤は新鮮な生物活性金属酸化物層を形成する。機械的又は化学的処理後、超音波下、脱イオン水でインプラントをリンスすることによって表面汚染物を除去する。
米国特許第5068122号, Kokubo T., Yamamuro T.及びYoshio A.,「生物活性ヒドロキシアパタイト膜の形成方法(Process for forming a bioactive hydroxyapatite film’)」, 1991を参照することができる。この特許は、ヒドロキシアパタイトの構成イオンで過飽和した水溶液に、所定距離間隔で基材に面するガラス(CaO及びSiO2)を含んでなる組立品を浸すことによって、無機、金属又は有機インプラント基材上に生物活性ヒドロキシアパタイト膜を適用する方法を論じている。本発明の方法では、コーティングすべき基材に面するガラスの組立品を準備する必要がない。
米国特許第6569489号, Li P.,「生物活性セラミックコーティング及び方法(Bioactive ceramic coating and method’)」, 2003を参照することができる。この特許では、整形外科用及び歯科用プロステーシスで適用するため、生物活性な骨鉱物(高密度な炭酸化アパタイト、結晶サイズ<1μm)を種々の基材(シリコン、金属、セラミックス、及びポリマー)に化学的に結合する。このコーティング(厚さ0.005〜50μm)はさまざまな幾何学及び表面テクスチャーの基材表面に均一に適用される。これは基材にしっかり固定され、迅速かつ効率的な骨の内方生長を助成する。カルシウム、リン酸及び炭酸イオンを含有する水溶液(pH範囲5〜10、温度<100℃)に基材を浸すことによってコーティングが適用される。任意に、該溶液中にナトリウム、カリウム、マグネシウム、塩化物、硫酸、及びケイ酸イオン等の他のイオンが存在してよい。溶液が基材と反応してコーティングを形成する制御された環境に溶液をさらす。この方法で生成される合成骨アパタイト膜は、骨の内方生長を促し、ひいてはインプラントに骨-結合特性を与える有効な骨組成をもたらす。この合成アパタイト膜を用いて、骨の成長のさらなる改善のため、成長因子などの生体分子を攻撃することもできる。
米国特許第6733503号, Layrolle P. J. F., de Groot K., de Bruijn J. D., van Blitterswijk C. A., Huipin Y.,「医用インプラントのコーティング方法(Method for coating medical implants’)」, 2004を参照することができる。この特許では、医用インプラント(ステンレススチール、チタン、ニッケル、コバルト、クロム、ニオビウム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル及びそれらの合金、アルミナ、ジルコニア、生物活性ガラス、リン酸カルシウム)の表面をコーティングするための生物活性な炭酸化リン酸カルシウム層が、改良されたバイオリアクター又は発酵システムで提供される。洗浄及び酸エッチング後、移植可能デバイスを低温で高度に濃縮した石灰化溶液に浸してコーティングを生成する。二酸化炭素ガスを泡立てることによって、カルシウム、リン酸、マグネシウム、炭酸及びさらなる塩化ナトリウム塩を水中に溶解させ、移植可能デバイスの表面上に炭酸化リン酸カルシウム結晶が核化するまでpHと飽和を高める。
米国特許第6692790号, Liu Y., Groot de K., Layrolle and P. J. F.,「タンパク質性コーティング(Proteinaceous coating’)」, 2004を参照することができる。この特許では、インプラント材料(ステンレススチール、チタン、ニッケル、コバルト、クロム、ニオビウム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル及びそれらの合金、アルミナ、ジルコニア、生物活性ガラス、リン酸カルシウム)を洗浄及び表面処理(酸エッチング)後、タンパク質(アルブミン、カゼイン、ゼラチン、リソサイム(lysosime)、フィブロネクチン、フィブリン及びキトサン)、カルシウム及びリン酸イオンを含む水溶液に浸し、気体の弱酸を通して溶液から脱気する。インプラント上にコーティングが沈着した後、コーティングされたインプラントを第2の溶液に浸し、マグネシウム、カルシウム及びリン酸イオンを再び溶かしてタンパク質性コーティングを得る。ここで、インプラント表面上のリン酸カルシウム層の均一な沈着は、体内でヒドロキシアパタイト結晶が形成される道筋を模倣する、調節された核化及び結晶成長条件下で形成される。この方法では、バイオミメティックコーティングが成長する生理条件を考慮して、抗生物質などの生物学的に活性な薬剤を共沈させることができる。
Jonasova L., Muller F.A., Helebrant A., Strnad J.及びPeter G.,「化学処理したチタン上のバイオミメティックアパタイトの形成(Biomimetic apatite formation on chemically treated titanium’)」, Biomaterials, 25, 1187-1194, 2004を参照することができる。この文献では、不活性(CO2)雰囲気下で2時間HCl中でチタン合金の酸エッチングを行って、アルカリ処理前の均一な最初の基材表面を得る。これがチタン合金(Ti6Al4V)表面上に微細粗面の形成及び不動態酸化物層の分解をもたらした。
TiO2+4HCl→TiCl4+2H2O (1)
次に、60℃で24時間10MのNaOHによるアルカリ処理の結果、不動態TiO2層の溶解及びアルカリイオンを含有する非晶質層の形成となった。
TiO2+NaOH→HTiO3 -+Na+ (2)
1×SBFに37℃で20日間浸すと、非晶質層からのNa+イオンが周囲流体からのH3O+イオンと交換してTi-OH表面層形成となった。これがCa2+イオンを取り込み、順次、(PO4)3-と(CO3)2-をくっつけることによって、骨結合能のある均一かつ厚いヒドロキシ炭酸(HCA)アパタイト層形成のための核化部位として作用してCa-Pに富んだ表面層を形成する。沈着HCA層の厚さは時間と共に連続的に増加することが分かった。
上記参考文献で言及されているように(Jonasova L. et al, Biomimetic apatite formation on chemically treated titanium’, Biomaterials, 25, 1187-1194, 2004)、蒸留水に試薬グレードの塩を溶かすことによってSBFを調製し、トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン及びHClで37℃、pH7.3にて緩衝させた。
Song W-H., Jun Y-K., Han Y., Hong S-H.,「マイクロ-アーク酸化チタニア上のバイオミメティックアパタイトコーティング(Biomimetic apatite coating on micro-arc oxidized titania’)」, Biomaterials, 25, 3341-3349, 2004を参照することができる。この文献では、マイクロ-アーク酸化チタニア膜上のバイオミメティックアパタイトコーティングについて研究し、1×SBFと1.5×SBFの両方でそのアパタイト誘導能力を評価した。上記と同じ試薬と1×SBFの1.5倍のイオン濃度を用いて1.5×SBFを調製した。1×SBFに浸した場合、28日後により高い電圧(>450V)で酸化した膜の表面上に炭酸ヒドロキシアパタイトが誘導されたが、1.5×SBFの使用はアパタイト誘導時間を短縮し、350Vで酸化した膜の表面上でさえ確実にアパタイトが形成された。
Barrere F., Blitterswijk van C.A., Groot de K. and Layrolle P.,「SBF×5溶液からのCa-Pコーティング形成に及ぼすイオン強度と炭酸塩の影響(Influence of ionic strength and carbonate on the Ca-P coating formation from SBF×5 solution’)」, Biomaterials, 23, 1921-1930, 2002を参照することができる。この文献では、係数5で濃縮したSBF(5×SBF)を用いてTi6Al4V合金上にバイオミメティックリン酸カルシウムコーティングを適用し、浸漬時間を24時間未満に減らした。ここでMerckグレード試薬を使用し、37℃でCO2ガスを用いてpHを6に下げた。また、コーティング沈着キネティクスが溶液のイオン強度とHCO3 -含量に影響されることが観察された。HCO3 -はコーティングのアパタイト結晶サイズを小さくし、チタン合金基材上に良く物理的に付着できるようにした。同様に、Barrere F., Valk van der C.M., Meijer G., Dalmeijer R.A.J., Groot de K., Layrolle P., 及び「ヤギの大腿骨における高密度及び多孔性の金属インプラント上に適用したバイオミメティックアパタイトコーティングの骨統合(Osteointegration of biomimetic apatite coating applied onto dense and porous metal implants in femurs of goats’)」, J. Biomed. Mater. Res. Part B: App. Biomaterials, 67B(1), 655-665, 2003を参照することができる。この文献では、5×SBFに37℃で浸してから50℃で24時間浸漬して、多孔性のTi-6Al-4V及びタンタルシリンダー上に30μm厚の炭酸アパタイトコーティングを発達させた。これらをメスヤギの大腿骨幹に移植し、未コートインプラントに比べて上記コートインプラントでは骨の接触がより高いことを見出した。
Tas A.C. and Bhaduri S.B.,「10×擬似体液と同様のリン酸カルシウム溶液による室温でのTi6Al4Vの迅速コーティング(Rapid coating of Ti6Al4V at room temperature with a calcium phosphate solution similar to 10×simulated body fluid’)」, J.Mater.Res., 19[9], 2742-2749, 2004を参照することができる。この文献では、ヒト血漿/10倍のSBFのカルシウム及びリン酸イオンの濃度を有する超強溶液を用いて2〜6時間室温でTi6Al4V基材上に20〜65μm厚の骨様アパタイトリン酸カルシウムコーティングを形成した。より低濃度のSBF(例えば、1.5×SBF)を使用すると、同じ方法でリン酸カルシウムコーティングを形成するために2〜3週間という長時間が必要である。緩衝剤を使用しない代わりに、コーティング前に炭酸水素ナトリウムを添加してpHを6.5に調整した。得られた接着強度(12±2MPa)は1.5×SBFに浸漬して形成されるコーティングに匹敵し、Ca/Pモル比は1.57である。
Lin F.H., Hsu Y.-S., Lin S.-H., Sun J.-S.,「アルカリ処理した316 Lステンレススチール上のヒドロキシアパタイトコーティングの成長に及ぼす擬似体液のCa/P濃度と温度の効果(The effect of Ca/P concentration and temperature of simulated body fluid on the growth of hydroxyapatite coating on alkali-treated 316 L stainless steel’)」, Biomaterials, 23, 4029-4038, 2002を参照することができる。この文献では、整形外科及び歯科におけるステンレススチール(316L)の重要性が論じられている。ここでは、ステンレススチール(316L)金属基材を10M NaOH(水溶液)に60℃で24時間浸漬後、蒸留水で洗浄し、空気中40℃で24時間乾燥させた。次にこれらを600℃に1時間加熱してHApコーティングと金属基材との間の酸化クロムナトリウムの薄い連結層の形成をもたらす。このアルカリ処理した基材をSBF(ヒト血漿の等価組成)に80℃の温度で浸漬させて、1週間の期間で表面上に高密度かつ均一な骨様HAp層を生じさせた。コーティング中のカルシウムイオンとリンイオンが増えると、酸化鉄及び酸化クロム鉄が表面に形成されてHAp層をゆるやかにする。
再びTeixeira R.L.P., de Godoy G.C.D. and Pereira M. de M.,「アルカリ処理したチタン合金及びステンレススチール上のリン酸カルシウムの形成(Calcium phosphate formation on alkali-treated titanium alloy and stainless steel’)」, Materials Research, 7[2], 299-303, 2004を参照することができる。この文献では、プラズマ溶射法の代替として、アルカリ処理したチタン及びステンレススチール合金をコーティング(リン酸カルシウム)するためバイオミメティック法を採用している。ここでは、アルカリ処理したAISI 316 L及びTi6Al4V合金基材上のHApのバイオミメティックコーティングについて比較研究を実行した。最高の結果は、5Nの水酸化ナトリウム(NaOH)塩処理(60℃で24時間維持)及び20NのNaOH処理ステンレススチール(90℃30分間維持)で得られた。空気中で600℃にて1時間チタンサンプルを熱処理し、900℃で1/2時間ステンレススチールを熱処理後、冷却してSBFに37℃で3日間、1.5 SBFに37℃で1週間浸した。これは、ステンレススチール上のクロム酸ナトリウム層及びチタン合金上のチタン酸ナトリウム層上の薄い(XRDデータ)リン酸カルシウム膜の核化をもたらした。中心の粗さの増加はNaOH濃度の増加で気づいた。これはマイクロメカニカル接着機構を通じたコーティングの接着に影響を及ぼしたが、以前の研究はチタン基材のアルカリ処理によってバイオミメティックコーティングの接着力が高まることを示している。
表面処理工程における生体成分の組込みは骨誘導効果を有し、かつ骨の再生を増やす。水溶性タンパク質の濃度の適切な選択によって、安定した単層(分子間及び分子内レベルの二次力で保持される)が、室温で金属インプラントの機械的に粗くした(テクスチャード)表面上にゆっくり吸着する(タンパク質溶液のpHの変化で明らか)。これが順次、静電気相互作用の結果として不可欠なリン酸カルシウム相(HAp)の核化のための機能化鋳型として作用する。本発明の目新しさは、室温(35〜37℃)における金属基材の機能化生体分子鋳型上の単相HApコーティングの開発にある。該コーティングは、調製されたままのカルシウム欠乏性炭酸塩置換ヒドロキシアパタイト相の厚さと結晶化度が増大している。好ましい配向性の結晶幾何学の変化と結晶成長の徴候がある。該コーティングは、均一な適用範囲、多孔度及び生体適合性を有し、報告されている方法の48時間以上からたった4時間に表面処理時間を短縮する。結晶化度と物理的構造の変化は、結晶成長を妨害し、かつ鉱質格子中に組み込まれる内在する生体分子鋳型の作用を暗示している。Wen H.B., Wijn de J.R., Blitterswijk van C.A. and Groot de K.,「チタン上のリン酸カルシウムコーティング中のウシ血清アルブミンの組込み(Incorporation of bovine serum albumin in calcium phosphate coating on titanium’)」, J.Biomed. Res., 46[2], 245-252, 1999を参照することができる。この文献では、生体温度(37℃)でのCa-Pコーティングをチタンインプラント材料上に生成した。これは、酸エッチング、煮沸希釈アルカリインキュベーション後、過飽和石灰化溶液中の浸漬を含む複雑かつ時間のかかる湿式化学技法に基づく。従って、ここでは生物学的に活性なタンパク質のin vivo共沈と遊離のため、コーティング中の骨形成タンパク質(ウシ血清アルブミン)の共沈によって生成されるタンパク質送達システムが選択された。Liu Y., Layrolle P., Bruijn de J., Blitterswijk van C. and Groot de K.,「チタン合金上のリン酸カルシウムとウシ血清アルブミンの共沈(Biomimetic coprecipitation of calcium phosphate and bovine serum albumin on titanium alloy’)」, J.Biomed. Res., 57[3], 327-335, 2001も参照することができる。この文献では、チタン合金表面上のウシ血清アルブミン(BSA)とリン酸カルシウムのバイオミメティック共沈が行われ、又はバイオミメティックに前形成されたリン酸カルシウムマトリックス上にBSAが沈着された。これらの方法では、骨統合に必要な多孔度には言及されなかった。また、チタン合金基材上に沈殿したリン酸カルシウムセラミックコーティングは基本的に生物学的に活性な骨形成剤のin vivo徐放用の担体システムとして使用されている。
上記公知技術及び方法の主な欠点は以下の通りである:
1. プラズマ溶射法の場合の平均厚さ100〜150μmに比べて最大65μmという不十分なコーティング厚が達成され得る
2. 金属基材の多工程の時間を消費する表面処理プロセス
3. 骨統合に必要なHApコーティングの多孔度パラメーター(孔サイズ、分布)の詳細を得られない
4. 非晶質/不十分に結晶化した、炭酸化したカルシウム欠乏性のヒドロキシアパタイトコーティングの形成。
〔発明の目的〕
本発明の主目的は、上で詳述した欠点を未然に防ぐ、バイオミメティック経路で金属基材上、特にステンレススチール(316 L)上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、調製されたままのカルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングの結晶化度の実質的上昇を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングの増加したコーティング厚を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、本方法の表面処理工程の時間消費を短縮することである。
本発明のなお別の目的は、カルシウムヒドロキシアパタイトコートインプラント[金属基材、特にステンレススチール(316L)]の生体適合性を高めることであり、これにより、該インプラントのin vivo骨統合キネティクスを効率よくすることができる。
〔発明の概要〕
従って、本発明は、金属基材上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法であって、以下の工程:
a)アセトン、エタノール及び水を用いて既知の方法で前記金属基材の表面を粗くし、かつ超音波洗浄して清浄金属基材を得る工程;
b)50〜60℃の範囲の温度で、約1〜2時間前記清浄金属基材を乾燥させ、4〜10wt%の範囲の濃度のタンパク質の水溶液に、40〜50℃の範囲の温度で、6.5〜7の範囲のpHにて、約2〜4時間前記清浄金属基材を浸漬させた後、水で3〜4回繰返し洗浄し、かつ20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて乾燥表面処理金属基材を得る工程;
c)擬似体液[SBF(N)]に、1〜2日間、35〜37℃の温度で、6.5〜7の範囲のpHにて前記乾燥表面処理金属基材を浸漬させて核化ヒドロキシアパタイトコート金属基材を得た後、脱イオン水で3〜4回洗浄し、該洗浄ヒドロキシアパタイト核化金属を20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材を得る工程;
d)別の擬似体液[SBF(O)]に、2〜4日の範囲の時間、35〜37℃の温度で、6〜6.5の範囲のpHにて前記乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材を浸漬させた後、脱イオン水で3〜4回洗浄し、かつ20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて、ヒドロキシアパタイト核化金属基材上に所望のタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを得る工程
を含んでなる方法を提供する。
本発明の一実施形態では、使用する金属基材は標準スチールである。
本発明のさらに別の実施形態では、5〜8kg/cm2の圧力で、20〜25秒の時間サンドブラストによって機械的に金属基材の表面を粗くする工程を行う。
さらに別の実施形態では、工程(b)で使用するタンパク質は、アルブミン、カゼイン、リソサイム、フィブロネクチン、フィブリン、キトサン及びコラーゲンから選択される。
さらに別の実施形態では、工程(b)で使用するタンパク質は、好ましくはウシ血清アルブミン(BSA)である。
さらに別の実施形態では、工程(c)で核化のために使用する擬似体液(N)は以下のイオンから成る:
142〜143mMの範囲のNa+
123〜125mMの範囲のCl-
25〜27mMの範囲のHCO3 -
5〜6mMの範囲のK+
1.5〜1.6mMの範囲のMg2+
2.5〜2.6mMの範囲のCa2+
1〜1.2mMの範囲のHPO4 -及び
0.5〜0.6mMの範囲のSO4 2-
工程(d)で使用する擬似体液(O)は以下のイオンから成る:
142〜143mMの範囲のNa+
123〜125mMの範囲のCl-
5〜6mMの範囲のK+
2.5〜2.6mMの範囲のCa2+
1〜1.2mMの範囲のHPO4 -及び
0.5〜0.6mMの範囲のSO4 2-
さらに別の実施形態では、工程(c)及び(d)で使用するSBFの無機イオン濃度(アニオン及びカチオン)は、擬似体液(SBF)中に存在する標準的な無機イオン濃度の約5倍である。
さらに別の実施形態では、得られるカルシウムヒドロキシアパタイトコーティング厚が24〜280μmの範囲である。
さらに別の実施形態では、得られるカルシウムヒドロキシアパタイトコーティングの結晶化度が30〜45%の範囲である。
なお別の実施形態では、得られる多孔性カルシウムヒドロキシアパタイトコーティングの孔サイズ分布が50〜200μmの範囲の孔径分布である。
本発明は、金属インプラント上のカルシウムヒドロキシアパタイトセラミックの鉱化を誘導するための表面処理工程における水溶性生体分子の使用に関わる。この工程はプロセスに必要な総時間を実質的に減らす。定方位コラーゲン繊維の制御環境における石灰化骨組織(生体アパタイト)に類似して、上記仕事は金属基材、特にステンレススチール(316L)上のカルシウム欠乏性の炭酸化HAp(多くの二次相互作用によって支配される)の鉱化に向けられた鋳型(水溶性生体分子、BSA)を明示する。該骨形成タンパク質の存在はインプラントの生体適合性を高める。また、プロセスに熱処理工程がないので、本プロセスは最低/最小のエネルギー損失を含む。これは、生体アパタイトの優れた構造的及び特徴的な性質を模倣して、骨統合キネティクスの効率をよくし、かつインプラント材料の生体適合性を高めるという報告された方法の目的に対する本プロセスの実行可能性を示している。
本発明は、(1.5mm×1.5mm×1mm)〜(2.5mm×2.5mm×1.5mm)の範囲の所望サイズにカットした4〜5μmの範囲の金属基材、特にステンレススチール(316 L)シートの表面を粗くして粗面方形金属基材、特に鋼板を得る工程;前記粗面方形金属基材、特に鋼板をアセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序で用いて超音波洗浄して清浄金属基材、特に鋼板を得る工程;50〜60℃の範囲の温度で前記清浄金属基材、特に鋼板を乾燥させて乾燥鋼板を得る工程;20〜30mlの範囲の体積及び4〜10wt%の範囲の濃度を有するウシ血清アルブミン(BSA)の水溶液に、2〜4時間の範囲の時間前記乾燥金属基材、特に鋼板を浸漬させて表面処理金属基材、特に鋼板を得る工程;前記乾燥金属基材、特に鋼板の浸漬前後の前記BSA溶液のpHを記録する工程;脱イオン水を用いて3〜4回前記表面処理金属基材、特に鋼板を繰返し洗浄して洗浄表面処理金属基材、特に鋼板を得る工程;40〜50℃の範囲の温度で、約1〜2時間の範囲の時間前記洗浄表面処理金属基材、特に鋼板を乾燥させて乾燥表面処理金属基材、特に鋼板を得る工程;擬似体液[SBF(N)]に、1〜2日間、35〜37℃の範囲の温度で前記乾燥表面処理金属基材、特に鋼板を浸漬させて核化ヒドロキシアパタイトコート金属基材、特に鋼板を得る工程;前記乾燥表面処理金属基材、特に鋼板の浸漬前後の[SBF(N)]のpHを記録する工程;脱イオン水を用いて3〜4回前記核化ヒドロキシアパタイトコート金属基材、特に鋼板を洗浄して洗浄ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板を得る工程;前記洗浄ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板を20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間の範囲の時間乾燥させて乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板を得る工程;擬似体液[SBF(O)]に、2〜4日の範囲の時間、35〜37℃の温度で前記乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板を浸漬させたて、洗浄ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを得る工程;前記乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板の浸漬前後の[SBF(O)]のpHを記録する工程;脱イオン水を用いて3〜4回前記タンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コート金属基材、特に鋼板を繰返し洗浄し、かつそれらを20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間の範囲の時間乾燥させて、金属基材、特にステンレススチール(316 L)上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを得る工程を含む生体経路によって、金属基材、特にステンレススチール(316 L)上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法を提供する。
生体経路による金属基材、特にステンレススチール(316 L)上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法は以下の工程を含む:
1. 金属基材、特にステンレススチール(316L)シート表面を機械的に粗くして所定寸法を有する方形板の形状にカットする。
2. 前記金属板を公知の方法で超音波によって洗浄する。
3. 前記清浄板を所定体積のBSA(4〜10wt%)水溶液に2〜4時間浸漬させて表面処理金属基材、特に鋼板を得る。次に、前記板を洗浄して乾燥させる。
4. 前記乾燥板を5×SBF(N)に2日間所定温度で浸漬させた後、洗浄し、乾燥させてヒドロキシアパタイト核化金属基材、特に鋼板を得る。
5. 最後に、前記乾燥板を5×SBF(O)に4日間所定温度で浸漬させて、完全な良く形作られた連続的なヒドロキシアパタイトコーティングを得る。
本発明の目新しさは、股関節、膝関節及び歯科用インプラントとして使うための最終製品の生体適合性の増加に存する。
本発明の工程は、4〜10wt%の範囲の濃度を有するウシ血清アルブミン(BSA)の水溶液に浸漬させることによる、金属基材、特に鋼板(316 L)の表面処理に存する。結果の最終工程は本明細書で述べたようなヒドロキシアパタイト核化金属基材の化学処理である。以下、例示として提供する実施例を参照して本発明を説明するので、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきでない。
金属基材/ステンレススチール(316L)シートの表面をサンドブラスターで5kg/cm2の圧力にて20秒間機械的に粗くした。得られた表面粗さは4.0μmだった。これらを寸法(1.5mm×1.5mm×1mm)を有する方形板の形状にカットした。アセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序でガラスビーカーに取ったそれぞれ80mlを用いて方形金属板を10分間超音波洗浄した。清浄金属板を50℃の温度で1時間乾燥させた。次に、これらの乾燥板をBSAの水溶液(4wt%)20mlに浸漬させ、40℃で2時間維持して表面処理金属板を得た。BSA溶液の最初と最後(浸漬後)のpHをそれぞれ6.95及び6.85と記録した。これらを脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中20℃で1時間乾燥させた。これらの表面処理板のコーティング厚をディジタルマイクロメーター(Mitutoyo digimatic micrometer, Japan)で測定後、温度制御された細菌インキュベーター(Senco, India)内35℃にて1日間、栓をしたPVC[ポリ(塩化ビニル)]容器内で維持された40mlの5×SBF(N)に各板を浸漬させた。5×SBF(N)の最初と最後(浸漬後)のpHを5.99及び6.55と記録した。次に、これら板を脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中20℃で1時間乾燥させた後、2日間インキュベーター内で35℃にて5×SBF(O)に浸漬させた。5×SBF(O)の最初と最後(浸漬後)のpHを6.11及び6.23と記録した。Metler Toledo(Easy seven)デジタルpHメーターを用いてSBF及びBSA水溶液のpHを測定した。最後に、板を脱イオン水で3〜4回洗浄して空気中20℃で1時間乾燥させた。この場合に得られたコーティング厚は24〜25μmの範囲だった。調製されたままのHApコーティングの結晶化度を30〜32%の範囲であると決定した。多孔性HApコーティングの孔分布は均一でなく、得られた多孔性HApコーティングの孔径は50〜80μmの範囲だった(表1)。
金属基材/ステンレススチール(316L)シートの表面をサンドブラスターで6kg/cm2の圧力にて25秒間機械的に粗くした。得られた表面粗さは4.5μmだった。これらを寸法(2.0mm×2.0mm×1.5mm)を有する方形板の形状にカットした。アセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序でガラスビーカーに取ったそれぞれ85mlを用いて方形金属板を15分間超音波洗浄した。清浄金属板を55℃の温度で1時間半の間乾燥させた。次に、これらの乾燥板をBSAの水溶液(6wt%)20mlに浸漬させ、45℃で2時間半の間維持して表面処理金属板を得た。BSA溶液の最初と最後(浸漬後)のpHをそれぞれ6.99及び6.82と記録した。これらを脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中25℃で1時間半の間乾燥させた。これらの表面処理板のコーティング厚をディジタルマイクロメーター(Mitutoyo digimatic micrometer, Japan)で測定後、温度制御された細菌インキュベーター(Senco, India)内36℃にて1日半の間、栓をしたPVC[ポリ(塩化ビニル)]容器内で維持された45mlの5×SBF(N)に各板を浸漬させた。5×SBF(N)の最初と最後(浸漬後)のpHを5.99及び6.59と記録した。次に、これら板を脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中25℃で1時間半の間乾燥させた後、2日半の間インキュベーター内で36℃にて5×SBF(O)に浸漬させた。5×SBF(O)の最初と最後(浸漬後)のpHを6.11及び6.28と記録した。Metler Toledo(Easy seven)デジタルpHメーターを用いてSBF及びBSA水溶液のpHを測定した。最後に、板を脱イオン水で3〜4回洗浄して空気中25℃で1時間半の間乾燥させた。この場合に得られたコーティング厚は50〜52μmの範囲だった。調製されたままのHApコーティングの結晶化度を35〜37%の範囲であると決定した。多孔性HApコーティングの孔分布は均一でなく、得られた多孔性HApコーティングの孔径は50〜80μmの範囲だった(表1)。
金属基材/ステンレススチール(316L)シートの表面をサンドブラスターで7kg/cm2の圧力にて25秒間機械的に粗くした。得られた表面粗さは4.8μmだった。これらを寸法(2.0mm×2.0mm×1.5mm)を有する方形板の形状にカットした。アセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序でガラスビーカーに取ったそれぞれ90mlを用いて方形金属板を20分間超音波洗浄した。清浄金属板を55℃の温度で1時間半の間乾燥させた。次に、これらの乾燥板をBSAの水溶液(8wt%)25mlに浸漬させ、45℃で3時間維持して表面処理金属板を得た。BSA溶液の最初と最後(浸漬後)のpHをそれぞれ7.01及び6.82と記録した。これらを脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中25℃で1時間半の間乾燥させた。これらの表面処理板のコーティング厚をディジタルマイクロメーター(Mitutoyo digimatic micrometer, Japan)で測定後、温度制御された細菌インキュベーター(Senco, India)内36℃にて2日間、栓をしたPVC[ポリ(塩化ビニル)]容器内で維持された45mlの5×SBF(N)に各板を浸漬させた。5×SBF(N)の最初と最後(浸漬後)のpHを5.99及び6.62と記録した。次に、これら板を脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中25℃で1時間半の間乾燥させた後、3日間インキュベーター内で36℃にて5×SBF(O)に浸漬させた。5×SBF(O)の最初と最後(浸漬後)のpHを6.11及び6.30と記録した。Metler Toledo(Easy seven)デジタルpHメーターを用いてSBF及びBSA水溶液のpHを測定した。最後に、板を脱イオン水で3〜4回洗浄して空気中25℃で1時間半の間乾燥させた。この場合に得られたコーティング厚は58〜60μmの範囲だった。調製されたままのHApコーティングの結晶化度を35〜32%の範囲であると決定した。多孔性HApコーティングの孔分布は均一でなく、得られた多孔性HApコーティングの孔径は90〜100μmの範囲だった(表1)。
金属基材/ステンレススチール(316L)シートの表面をサンドブラスターで7kg/cm2の圧力にて25秒間機械的に粗くした。得られた表面粗さは4.8μmだった。これらを寸法(2.0mm×2.0mm×1.5mm)を有する方形板の形状にカットした。アセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序でガラスビーカーに取ったそれぞれ90mlを用いて方形金属板を25分間超音波洗浄した。清浄金属板を60℃の温度で2時間乾燥させた。次に、これらの乾燥板をBSAの水溶液(9wt%)30mlに浸漬させ、50℃で3時間半の間維持して表面処理金属板を得た。BSA溶液の最初と最後(浸漬後)のpHをそれぞれ7.05及び6.89と記録した。これらを脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中30℃で2時間乾燥させた。これらの表面処理板のコーティング厚をディジタルマイクロメーター(Mitutoyo digimatic micrometer, Japan)で測定後、温度制御された細菌インキュベーター(Senco, India)内37℃にて2日間、栓をしたPVC[ポリ(塩化ビニル)]容器内で維持された50mlの5×SBF(N)に各板を浸漬させた。5×SBF(N)の最初と最後(浸漬後)のpHを5.99及び6.67と記録した。次に、これら板を脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中30℃で2時間乾燥させた後、3日半の間インキュベーター内で37℃にて5×SBF(O)に浸漬させた。5×SBF(O)の最初と最後(浸漬後)のpHを6.11及び6.32と記録した。Metler Toledo(Easy seven)デジタルpHメーターを用いてSBF及びBSA水溶液のpHを測定した。最後に、板を脱イオン水で3〜4回洗浄して空気中30℃で2時間乾燥させた。この場合に得られたコーティング厚は270〜275μmの範囲だった。調製されたままのHApコーティングの結晶化度を42〜44%の範囲であると決定した。多孔性HApコーティングの孔分布は均一であり、得られた孔径は100〜120μmの範囲だった(表1)。
金属基材/ステンレススチール(316L)シートの表面をサンドブラスターで8kg/cm2の圧力にて25秒間機械的に粗くした。得られた表面粗さは5μmだった。これらを寸法(2.5mm×2.5mm×1.5mm)を有する方形板の形状にカットした。アセトン、エタノール及び脱イオン水を当該順序でガラスビーカーに取ったそれぞれ100mlを用いて方形金属板を30分間超音波洗浄した。清浄金属板を60℃の温度で2時間乾燥させた。次に、これらの乾燥板をBSAの水溶液(10wt%)30mlに浸漬させ、50℃で4時間維持して表面処理金属板を得た。BSA溶液の最初と最後(浸漬後)のpHをそれぞれ7.10及び6.90と記録した。これらを脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中30℃で2時間乾燥させた。これらの表面処理板のコーティング厚をディジタルマイクロメーター(Mitutoyo digimatic micrometer, Japan)で測定後、温度制御された細菌インキュベーター(Senco, India)内37℃にて2日間、栓をしたPVC[ポリ(塩化ビニル)]容器内で維持された50mlの5×SBF(N)に各板を浸漬させた。5×SBF(N)の最初と最後(浸漬後)のpHを5.99及び6.70と記録した。次に、これら板を脱イオン水で3〜4回洗浄し、空気中30℃で2時間乾燥させた後、4日間インキュベーター内で37℃にて5×SBF(O)に浸漬させた。5×SBF(O)の最初と最後(浸漬後)のpHを6.11及び6.35と記録した。Metler Toledo(Easy seven)デジタルpHメーターを用いてSBF及びBSA水溶液のpHを測定した。最後に、板を脱イオン水で3〜4回洗浄して空気中30℃で2時間乾燥させた。この場合に得られたコーティング厚は275〜280μmの範囲だった。調製されたままのHApコーティングの結晶化度を44〜45%の範囲であると決定した。多孔性HApコーティングの孔分布は均一であり、得られた多孔性HApコーティングの孔径は120〜200μmの範囲だった(表1)。
上記実施例に基づき、我々は、バイオミメティック経路の種々のプロセスパラメーターを変えることによって、金属基材、特にステンレススチール(316L)上にユニーク特性のタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを形成できると結論することができる。
表1
使用した擬似体液(SBF)(N)溶液*の組成
Figure 2009067669
*SBF(O)溶液の場合、Mg2+、HCO3 -イオンがなく、5×SBF(N)溶液は、上記の5倍のそのイオン濃度を有する。
表2
本発明の方法で得られたHApコーティング厚、孔サイズ(径)分布及び結晶化度
Figure 2009067669
〔発明の利点〕
1. 金属基材、特にステンレススチール(316L)上にバイオミメティック経路でHApをコーティングするために必要な表面処理工程の時間の実質的な減少。
2. コーティング厚の数倍の増加。
3. 結晶成長の好ましい配向性を示す結晶幾何学の変化によるコーティングのHAp相の結晶化度の上昇。
4. インプラントの骨統合に必要な均一の多孔度(孔径100〜200nm)と適用範囲。
5. インプラントのin vivo骨統合キネティクスを効率よくし得る、HApコートインプラント[金属基材、特にステンレススチール(316L)]の生体適合性の向上(天然の骨組織内に存在する生体アパタイトに類似する制御された反応環境内でHAp結晶の核化と成長が起こるので)
6. 優れたコーティング特性を有する単純かつ対費用効果の高い方法。

Claims (11)

  1. 金属基材上にタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを作製する方法であって、以下の工程、
    a)アセトン、エタノール及び脱イオン水を用いて既知の方法で前記金属基材の表面を粗くし、かつ超音波洗浄して清浄金属基材を得る工程;
    b)50〜60℃の範囲の温度で、約1〜2時間前記清浄金属基材を乾燥させ、4〜10wt%の範囲の濃度のタンパク質の水溶液に、40〜50℃の範囲の温度で、6.5〜7の範囲のpHにて、約2〜4時間前記清浄金属基材を浸漬させた後、水で3〜4回繰返し洗浄し、かつ20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて乾燥表面処理金属基材を得る工程;
    c)擬似体液[SBF(N)]に、1〜2日間、35〜37℃の温度で、6.5〜7の範囲のpHにて前記乾燥表面処理金属基材を浸漬させて核化ヒドロキシアパタイトコート金属基材を得た後、脱イオン水で3〜4回洗浄し、該洗浄ヒドロキシアパタイト核化金属を20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材を得る工程;
    d)別の擬似体液[SBF(O)]に、2〜4日の範囲の時間、35〜37℃の温度で、6〜6.5の範囲のpHにて前記乾燥ヒドロキシアパタイト核化金属基材を浸漬させた後、脱イオン水で3〜4回洗浄し、かつ20〜30℃の範囲の温度で、約1〜2時間乾燥させて、ヒドロキシアパタイト核化金属基材上に所望のタンパク質媒介カルシウムヒドロキシアパタイト(HAp)コーティングを得る工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 使用する前記金属基材が、ステンレススチールである、請求項1に記載の方法。
  3. 5〜8kg/cm2の圧力で、20〜25秒の時間サンドブラストによって機械的に前記金属基材の表面を粗くする工程を行う、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(b)で使用する前記タンパク質が、アルブミン、カゼイン、リソサイム、フィブロネクチン、フィブリン、キトサン及びコラーゲンから成る群より選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(b)で使用する前記タンパク質が、好ましくはウシ血清アルブミン(BSA)である、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(c)で核化のために使用する前記擬似体液(N)が以下のイオン:
    142〜143mMの範囲のNa+
    123〜125mMの範囲のCl-
    25〜27mMの範囲のHCO3 -
    5〜6mMの範囲のK+
    1.5〜1.6mMの範囲のMg2+
    2.5〜2.6mMの範囲のCa2+
    1〜1.2mMの範囲のHPO4 -及び
    0.5〜0.6mMの範囲のSO4 2-
    から成る、請求項1に記載の方法。
  7. 工程(d)で使用する前記擬似体液(O)が以下のイオン:
    142〜143mMの範囲のNa+
    123〜125mMの範囲のCl-
    5〜6mMの範囲のK+
    2.5〜2.6mMの範囲のCa2+
    1〜1.2mMの範囲のHPO4 -及び
    0.5〜0.6mMの範囲のSO4 2-
    から成る、請求項1に記載の方法。
  8. 工程(c)及び(d)で使用するSBFの無機イオン濃度(アニオン及びカチオン)が、擬似体液(SBF)中に存在する標準的な無機イオン濃度の約5倍である、請求項1に記載の方法。
  9. 得られるカルシウムヒドロキシアパタイトコーティング厚が24〜280μmの範囲である、請求項1に記載の方法。
  10. 得られるカルシウムヒドロキシアパタイトコーティングの結晶化度が30〜45%の範囲である、請求項1に記載の方法。
  11. 得られる多孔性カルシウムヒドロキシアパタイトコーティングの孔サイズ分布が、50〜200μmの範囲の孔径分布である、請求項1に記載の方法。
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