JP2009067077A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成を複雑にすることなく、モータ駆動手段が故障しても継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】本発明の電動パワーステアリング装置1は、電動パワーステアリングユニット2と、制御装置3とから構成されている。電動パワーステアリングユニット2は、トルクセンサ20と、モータ21と、非常用制御装置23と、接続切換え装置24とを備えている。制御装置3が故障すると、接続切換え装置24によって、制御装置3が切断され、非常用制御装置23がモータ21に接続される。非常用制御装置23は、トルクセンサ20の検出した操舵方向にのみに基づいてモータ21を駆動する。そのため、マイクロコンピュータを備える必要なく、非常用制御装置23を簡素化することができる。従って、構成を複雑にすることなく、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の電動パワーステアリング装置1は、電動パワーステアリングユニット2と、制御装置3とから構成されている。電動パワーステアリングユニット2は、トルクセンサ20と、モータ21と、非常用制御装置23と、接続切換え装置24とを備えている。制御装置3が故障すると、接続切換え装置24によって、制御装置3が切断され、非常用制御装置23がモータ21に接続される。非常用制御装置23は、トルクセンサ20の検出した操舵方向にのみに基づいてモータ21を駆動する。そのため、マイクロコンピュータを備える必要なく、非常用制御装置23を簡素化することができる。従って、構成を複雑にすることなく、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリングホイールの操舵を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
従来、ステアリングホイールの操舵を補助する電動パワーステアリング装置として、例えば特開2003−40123号公報に開示されている電動パワーステアリング装置や、特開2003−200840号公報に開示されている電動ステアリング装置がある。
特開2003−40123号公報に開示されている電動パワーステアリング装置は、2系統のブリッジ回路を有するモータ駆動回路と、2系統のコイルを有するブラシレスDCモータとを備えている。そのため、いずれかの系統のブリッジ回路又はコイルが破損しても、残りの系統のブリッジ回路又はコイルによって、継続して操舵を補助することができる。
また、特開2003−200840号公報に開示されている電動ステアリング装置は、並列して作用する3つの電気モータと、並列して動作する3つの制御装置とを備えている。そのため、いずれかの電気モータ又は制御装置が故障しても、残りの電気モータ又は制御装置によって、継続して操舵を補助することができる。
特開2003−40123号公報
特開2003−200840号公報
しかし、前述した電動パワーステアリング装置や電動ステアリング装置では、本来は1組で充分なブリッジ回路やコイル、また、電気モータや制御装置を複数組設けなければならない。しかも、全く同一構成のものを複数組設けなければならない。そのため、構成が複雑になり、コストも上昇してしまうという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、構成を複雑にすることなく、モータ駆動手段が故障しても、継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、2つのモータ駆動手段を備えるが、第1モータ駆動手段が故障したときに用いられる第2モータ駆動手段の駆動方式を簡素化することで、構成を複雑にすることなく、継続して操舵を補助できることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、ステアリングホイールの操舵方向及び操舵トルクを検出するトルク検出手段と、トルク検出手段の検出結果に基づいてモータを駆動する第1モータ駆動手段と、第1モータ駆動手段が故障したとき、第1モータ駆動手段に代って、トルク検出手段の検出結果に基づいてモータを駆動する第2モータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、第1モータ駆動手段は、トルク検出手段の検出した操舵方向及び操舵トルクに基づいてモータを駆動し、第2モータ駆動手段は、トルク検出手段の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向に基づいてモータを駆動することを特徴とする。
この構成によれば、第1モータ駆動手段が故障したとき、第2モータ駆動手段によってモータを駆動することができる。そのため、継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる。しかも、第1モータ駆動手段が、操舵方向と操舵トルクに基づいてモータを駆動するのに対し、第2モータ駆動手段は、操舵トルクに係わらず、操舵方向に基づいてモータを駆動する。そのため、第2モータ駆動手段の構成を簡素化することができる。従って、構成を複雑にすることなく、継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる。
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、第1モータ駆動手段は、電源の電圧を変換してモータに供給する電圧変換手段と、電圧変換手段に電源を接続する電源接続手段と、モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、電源接続手段を制御するとともに、トルク検出手段及び電流検出手段の検出結果に基づいて電圧変換手段を制御する制御手段とを有し、第2モータ駆動手段は、電圧変換手段、電源接続手段、電流検出手段及び制御手段が故障したとき、並びに電源の電圧が異常であるときの少なくともいずれかのとき、第1モータ駆動手段に代ってモータを駆動することを特徴とする。
この構成によれば、電圧変換手段、電源接続手段、電流検出手段及び制御手段が故障したとき、並びに電源の電圧が異常であるときの少なくともいずれかのとき、モータの接続を切換えることができる。これらの故障等は、電動パワーステアリング装置の動作にとって致命的なものであり、本来、動作を停止させなければならない。しかし、モータの接続を切換えることで、致命的な故障等が発生した状態においても、継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる。
請求項3に記載の電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、ステアリングホイールの操舵方向及び操舵トルクを検出するトルク検出手段と、トルク検出手段の検出結果に基づいてモータを駆動する第1モータ駆動手段と、第1モータ駆動手段が故障したとき、第1モータ駆動手段に代って、トルク検出手段の検出結果に基づいてモータを駆動する第2モータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、第1モータ駆動手段は、モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、トルク検出手段の検出した操舵方向及び操舵トルクに基づいて電流指令を求め、電流指令と電流検出手段の検出した検出結果に基づいてモータに流れる電流を制御する制御手段とを有し、第2モータ駆動手段は、電流検出手段の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流指令と電流検出手段の検出結果との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及び制御手段が故障したときの少なくともいずれかのとき、第1モータ駆動手段に代って、トルク検出手段の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向に基づいてモータを駆動することを特徴とする。
この構成によれば、電流検出手段の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流検出手段の検出結果と電流指令との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及び制御手段が故障したときの少なくともいずれかのとき、モータの接続を切換えることができる。これらの状況は、いずれかの故障によって発生するものである。この場合、モータに大電流が流れるおそれがあり、電動パワーステアリング装置の動作にとって致命的なものである。そのため、本来、動作を停止させなければならない。しかし、モータの接続を切換えることで、致命的な故障等が発生した状態においても、継続してステアリングホイールの操舵を補助することができる。
請求項4に記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜3に記載の電動パワーステアリング装置において、第2モータ駆動手段は、トルク検出手段の検出した操舵方向にトルクを発生するようにモータを駆動することを特徴とする。この構成によれば、操舵方向にトルクを発生することができる。従って、第1モータ駆動手段が故障した場合においても、操舵感は低下することとなるが、ステアリングホイールの操舵を確実に補助することができる。
請求項5に記載の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置において、モータは、直流電圧を供給されることでトルクを発生するとともに、直流電圧の極性を切換えることで発生するトルクの方向が切換わる直流モータであり、第2モータ駆動手段は、トルク検出手段の検出した操舵方向にトルクを発生するようにモータに供給する直流電圧の極性を切換えることを特徴とする。この構成によれば、モータは直流モータである。そのため、第2モータ駆動手段は、モータに供給する直流電圧の極性を切換えることで、操舵方向にトルクの発生方向を換えることができる。従って、第2モータ駆動手段の構成をより簡素化することができる。
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図10を参照して、電動パワーステアリング装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における電動パワーステアリング装置の構成図である。図2は、電動パワーステアリング装置のブロック図である。図3は、電動パワーステアリングユニットの断面図である。図4は、トルクセンサの構成図である。図5は、トルクセンサの空隙の磁束変化を説明するための説明図である。図6は、トルクセンサの空隙の磁束を示すグラフである。図7は、トルクセンサを構成する磁気センサの出力電圧を示すグラフである。図8は、非常用制御装置の回路図である。図9は、接続切換え装置の回路図である。図10は、制御装置のブロック図である。なお、図1及び図3〜図5中における上下方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
まず、図1〜図10を参照して、電動パワーステアリング装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態における電動パワーステアリング装置の構成図である。図2は、電動パワーステアリング装置のブロック図である。図3は、電動パワーステアリングユニットの断面図である。図4は、トルクセンサの構成図である。図5は、トルクセンサの空隙の磁束変化を説明するための説明図である。図6は、トルクセンサの空隙の磁束を示すグラフである。図7は、トルクセンサを構成する磁気センサの出力電圧を示すグラフである。図8は、非常用制御装置の回路図である。図9は、接続切換え装置の回路図である。図10は、制御装置のブロック図である。なお、図1及び図3〜図5中における上下方向は、方向を区別するために便宜的に導入したものである。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1は、電動パワーステアリングユニット2と、制御装置3(第1モータ駆動手段)とから構成されている。ステアリングホイール4は、ステアリングシャフト5の一端部、具体的には、アッパステアリングシャフト50の上方端部に固定されている。ステアリングシャフト5の他端部、具体的には、ロアステアリングシャフト51の下方端部には、ピニオンギア(図略)が形成されている。ピニオンギアは、ステアリングギアボックス6内に収容されるラック7と噛合している。ラック7の両端部には、タイロッド8及びナックルアーム9を介して、タイヤ10の装着された車輪11が回転可能に固定されている。
電動パワーステアリングユニット2は、ステアリングホイール4の操舵を補助するためのトルクを発生する装置である。電動パワーステアリングユニット2は、アッパステアリングシャフト50とロアステアリングシャフト51との間に設置されている。また、直流電圧を供給するバッテリ12に接続されている。
制御装置3は、電動パワーステアリングユニット2を制御する装置である。具体的には、後述するトルクセンサ20の検出した操舵方向及び操舵トルクに基づいて、後述するモータ21を駆動する装置である。制御装置3は、バッテリ12に接続されている。また、電動パワーステアリングユニット2に接続されている。
図2に示すように、電動パワーステアリングユニット2は、トルクセンサ20(トルク検出手段)と、モータ21と、減速装置22と、非常用制御装置23(第2モータ駆動手段)と、接続切換え装置24とから構成されている。図3に示すように、トルクセンサ20及び減速装置22は、ハウジング25内に収容されている。非常用制御装置23及び接続切換え装置24も、ハウジング25内に収容されている(図略)。また、モータ21は、ハウジング25に固定されている。
図3及び図4に示すように、トルクセンサ20は、ステアリングホイール4の操舵方向及び操舵トルクを検出する装置である。トルクセンサ20は、トーションバー200と、磁石201と、磁気ヨーク202、203と、磁気センサ204とから構成されている。
トーションバー200は、ステアリングシャフト5の中間部を構成し、ステアリングホイール4の操舵に伴ってねじれを発生する弾性体からなる円柱状の部材である。トーションバー200の上方端部は、アッパステアリングシャフト50に固定されている。トーションバー200の下方端部は、後述する支持部材222を介して、ロアステアリングシャフト51に固定されている。
磁石201は、磁界を形成し、磁束を発生する円筒状の部材である。磁石201の外周面には、N極及びS極が、周方向に等間隔で交互に着磁されている。これにより、磁石201の外周側に磁界が形成されることとなる。磁石201は、トーションバー200の上方端部側に同軸に固定されている。
磁気ヨーク202、203は、磁石201によって形成された磁界内に配置され、磁路を構成する磁性材からなる略円筒状の部材である。磁気ヨーク202、203は、環状部202a、203aと、爪部202b、203bとから構成されている。環状部202a、203aは、円環状の部位である。爪部202bは、環状部202aの内周縁部から軸方向上方に延在する二等辺三角形状の部位である。爪部203bは、環状部203aの内周縁部から軸方向下方に延在する二等辺三角形状の部位である。爪部202b、203bの幅は、磁石201の磁極の幅と等しくなるように設定されている。爪部202b、203bは、周方向に等間隔に配置されている。爪部202b、203bの数は、磁石201のN極又はS極の数と等しくなるように設定されている。磁気ヨーク202、203は、環状部202a、203aを軸方向に所定間隔を隔て配置し、爪部202b、203bを周方向に交互に配置するとともに、磁石201の外周面と所定間隔を隔てて対向させた状態で、支持部材222の上方端面に固定されている。トーションバー200がねじれていないとき、N極に対向する爪部202a、203aの面積と、S極に対向する爪部202a、203aの面積とが等しくなるように、磁気ヨーク202、203の固定位置が調整されている。これにより、磁気ヨーク202、203が、磁石201によって形成された磁界内に配置されることとなる。
磁気センサ204は、磁気ヨーク202、203の間に形成される空隙205の磁束を検出する素子である。具体的には、ホールICである。磁気センサ204は、加わる磁束密度に応じた電圧を出力する。磁気センサ204は、環状部202a、203a間に、軸方向に形成される空隙205内に配置されている。
図3において、トーションバー200がねじれていないとき、図5(a)に示すように、爪部202b、203bのN極に対向する面積と、S極に対向する面積とは等しい。そのため、環状部202a、203aとの間に形成される空隙205には、磁束は発生しない。
しかし、トーションバー200がねじれ、トーションバー200の上方端部側から見て、磁気ヨーク202、203が、磁石201に対して時計回りに回転すると、図5(b)に示すように、爪部202bのS極に対向する面積が増加し、環状部202aがS極となる。また、爪部203bのN極に対向する面積が増加し、環状部203aがN極になる。そのため、空隙205に矢印で示す下方に向かう磁束が発生する。
これに対し、トーションバー200がねじれ、磁気ヨーク202、203が、磁石201に対して反時計回りに回転すると、図5(c)に示すように、爪部202bのN極に対向する面積が増加し、環状部202aはN極になる。また、爪部203bのS極に対向する面積が増加し、環状部203aはS極になる。そのため、空隙205に図5(b)とは逆方向の上方に向かう磁束が発生する。
その結果、空隙205の磁束は、磁気ヨーク202、203のねじれ方向に対して、図6に示すように変化することとなる。磁気ヨーク202、203が、磁石201に対してねじれていないとき、空隙205の磁束は0となる。これに対し、磁気ヨーク202、203が、磁石201に対して時計回りにねじれると、空隙205の磁束は正となる。そして、ねじれが大きくなるに従って、磁束の大きさも大きくなる。また、反時計回りにねじれると、空隙205の磁束は負となる。そして、ねじれが大きくなるに従って、磁束の大きさも大きくなる。
そのため、磁気センサ204の出力電圧は、空隙205の磁束、つまりは磁気ヨーク202、203のねじれ方向に対して、図7に示すように変化することとなる。磁気ヨーク202、203が、磁石201に対してねじれていないとき、磁気センサ204は電圧V0を出力する。磁気ヨーク202、203が、磁石201に対して時計回りにねじれると、磁気センサ204の出力電圧はV0より大きくなる。そして、ねじれが大きくなるに従って、出力電圧もさらに大きくなる。これに対し、反時計回りにねじれると、磁気センサ204の出力電圧はV0より小さくなる。そして、ねじれが大きくなるに従って、出力電圧もさらに小さくなる。これにより、ステアリングホイール4の操舵方向及び操舵トルクを検出することができる。
図2において、モータ21は、直流電圧を供給されることでステアリングホイールの操舵を補助するためのトルクを発生する装置である。具体的には、直流モータである。モータ21は、供給する直流電圧の極性を切換えることで逆方向のトルクを発生する。
減速装置22は、モータ21の発生したトルクを、回転を減速してトーションバー200に伝達する装置である。図3に示すように、減速装置22は、ウォームホイール220と、ウォーム221とから構成されている。
ウォームホイール220は、トーションバー200の下方端部を覆うように配置され、下方端面に固定される有底円筒状の支持部材222に同軸に固定されている。また、軸受223を介してハウジング25に回転可能に支持されている。これにより、トーションバー200もハウジング25に対して回転可能に支持されることとなる。支持部材222の下方端部は、ロアステアリングシャフト51に固定されている。
ウォーム221は、モータ21のシャフト210に同軸に固定されている。ウォーム221は、ウォームホイール220に噛合している。
図2において、非常用制御装置23(第2モータ駆動手段)は、制御装置3が故障したとき、制御装置3に代ってモータ21を制御する装置である。具体的には、制御装置3が故障したとき、制御装置3に代って、トルクセンサ20の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向のみに基づいてモータ21を駆動する装置である。より具体的には、検出した操舵方向にトルクを発生するように、モータ21に供給する直流電圧の極性を切換える装置である。図8に示すように、非常用制御装置23は、コンパレータ230、231と、NOT回路232と、トランジスタ233、234と、リレー235とから構成されている。
コンパレータ230は、磁気センサ204の出力電圧を基準電源236の電圧Vhと比較し、比較結果に応じた信号を出力する素子である。磁気センサ204の出力電圧が基準電源236の電圧Vhを超えると、コンパレータ230はハイレベルの信号を出力する。ここで、基準電源236の電圧Vhは、図7に示すように、V0より大きな値に設定されている。コンパレータ230の反転入力端子は基準電源236に、非反転入力端子は磁気センサ204の出力端子に、出力端子はトランジスタ233にそれぞれ接続されている。
コンパレータ231は、磁気センサ204の出力電圧を基準電源237の電圧Vlと比較し、比較結果に応じた信号を出力する素子である。磁気センサ204の出力電圧が基準電源236の電圧Vlを超えると、コンパレータ231はハイレベルの信号を出力する。ここで、基準電源237の電圧Vlは、図7に示すように、V0より小さな値に設定されている。コンパレータ231の反転入力端子は基準電源237に、非反転入力端子は磁気センサ204の出力端子に、出力端子はNOT回路232にそれぞれ接続されている。
NOT回路232は、コンパレータ231の出力を反転する素子である。コンパレータ231の出力がハイレベルのときにはローレベルを、コンパレータ231の出力がローレベルのときにはハイレベルを出力する。NOT回路232の入力端子はコンパレータ231の出力端子に、出力端子はトランジスタ234にそれぞれ接続されている。
トランジスタ233は、コンパレータ230の出力に基づいてリレー235に電流を供給するための素子である。トランジスタ233は、コンパレータ230の出力がハイレベルのときオン状態となり、リレー235に電流を供給する。トランジスタ233のベースはコンパレータ230の出力端子に、コレクタはリレー235にそれぞれ接続され、エミッタは接地されている。
トランジスタ234は、NOT回路232の出力に基づいてリレー235に電流を供給するための素子である。トランジスタ233は、NOT回路232の出力がハイレベル、つまり、コンパレータ231の出力がローレベルのときオン状態となり、リレー235に電流を供給する。トランジスタ234のベースはNOT回路232の出力端子に、コレクタはリレー235にそれぞれ接続され、エミッタは接地されている。
リレー235は、モータ21に供給する直流電圧の極性を切換える素子である。リレー235は、接点235a、235bと、端子235c〜235gと、コイル235h、235iとから構成されている。接点235a、235bの一端は、端子235c、235dにそれぞれ接続されている。端子235cはバッテリ12の正極端子に、端子235dはバッテリ12の負極端子にそれぞれ接続されている。端子235e、235fは、接続切換え装置24にそれぞれ接続されている。また、端子235gは、端子235eに接続されている。コイル235hの一端は電源に、他端はトランジスタ233のコレクタにそれぞれ接続されている。コイル235iの一端は電源に、他端はトランジスタ234のコレクタにそれぞれ接続されている。コイル235h、235iに電流が流れていないとき、接点235a、235bの他端はどの端子にも接触しない。これに対し、コイル235hに電流が流れると、接点235a、235bの他端は、端子235e、235fにそれぞれ接触する。また、コイル235iに電流が流れると、接点235a、235bの他端は、端子235f、235gにそれぞれ接触する。
図9に示すように、接続切換え装置24は、制御装置3が故障したとき、モータ21を制御装置3から切断して非常用制御装置23に接続する装置である。接続切換え装置24は、トランジスタ240と、リレー241とから構成されている。
トランジスタ240は、制御装置3の信号に基づいてリレー241に電流を供給するための素子である。トランジスタ240は、制御装置3からの信号がハイレベルのときオン状態となり、リレー241に電流を供給する。トランジスタ240のベースは制御装置3の信号出力端子に、コレクタはリレー241にそれぞれ接続され、エミッタは接地されている。
リレー241は、モータ21を制御装置3から切断して非常用制御装置23に接続する素子である。リレー241は、接点241a、241bと、端子241c〜241hと、コイル241iとから構成されている。接点241a、241bの一端は、端子241c、241dにそれぞれ接続されている。端子241cはモータ21の一方の電源端子に、端子241dはモータ21の他方の電源端子にそれぞれ接続されている。端子241e、241gは、非常用制御装置23に、具体的には、図8における端子235e、235fにそれぞれ接続されている。また、端子241f、241hは、制御装置3にそれぞれ接続されている。さらに、コイル241iの一端は電源に、他端はトランジスタ240のコレクタにそれぞれ接続されている。コイル241iに電流が流れていないとき、接点241a、241bの他端は、端子241f、241hにそれぞれ接触している。これにより、制御装置3がモータ21に接続されることとなる。これに対し、コイル241iに電流が流れると、接点241a、241bの他端は、端子241e、241gにそれぞれ接触する。これにより、制御装置3が切断され、非常用制御装置23がモータ21に接続されることとなる。
図10に示すように、制御装置3は、電圧変換部30(電力変換手段)と、バッテリ接続部31(電源接続手段)と、電流検出部32(電流検出手段)と、マイクロコンピュータ33(制御手段)と、故障検出部34と、OR回路35とから構成されている。
電圧変換部30は、マイクロコンピュータ33によって制御され、バッテリ12の直流電圧を所定の直流電圧に変換し、モータ21に供給する回路ブロックである。具体的には、スイッチング素子をHブリッジ接続して構成されている。
バッテリ接続部31は、電圧変換部30にバッテリ12を接続する回路ブロックである。具体的には、リレーである。バッテリ接続部31の一端はバッテリ12の正極端子に、他端は電圧変換部30の電源入力端子にそれぞれ接続されている。また、信号入力端子は、マイクロコンピュータ33に接続されている。
電流検出部32は、モータ21に流れる電流を検出する回路ブロックである。電流検出部32の信号出力端子は、マイクロコンピュータ33に接続されている。
マイクロコンピュータ33は、トルクセンサ20及び電流検出部32の検出結果、並びに、別途得られる車速情報に基づいて電圧変換部30を制御する素子である。また、電圧変換部30、バッテリ接続部31及び電流検出部32の故障を検出し、対応する信号を出力するとともに、検出結果に基づいてバッテリ接続部31を制御する素子でもある。マイクロコンピュータ33は、電圧変換部30、バッテリ接続部31及び電流検出部32の故障の少なくともいずれかを検出すると、ハイレベルの信号を出力する。また、マイクロコンピュータ33は、自身の故障を検出させるため、所定周期の信号を出力している。マイクロコンピュータ33の信号入力端子は、トルクセンサ20及び電流検出部32に接続されている。また、信号出力端子は、電圧変換部30、バッテリ接続部31、故障検出部34及びOR回路35にそれぞれ接続されている。
故障検出部34は、バッテリ配線の断線等によるバッテリ12の電圧の異常を検出する回路ブロックである。また、マイクロコンピュータ33の故障を検出する回路ブロックでもある。故障検出部34は、マイクロコンピュータ33から出力される所定周期の信号に基づいてマイクロコンピュータ33の故障を検出し、対応する信号を出力する。故障検出部34は、バッテリ12の電圧の異常、及び、マイクロコンピュータ33の故障の少なくともいずれかを検出すると、ハイレベルの信号を出力する。故障検出部34は、バッテリ12に接続されている。また、故障検出部34の信号入力端子は、マイクロコンピュータ33の信号出力端子に接続されている。さらに、信号出力端子は、OR回路35に接続されている。
OR回路35は、マイクロコンピュータ33及び故障検出部34の少なくともいずれかが故障を検出したとき、対応する信号を出力する回路である。OR回路35は、電圧変換部30、バッテリ接続部31、電流検出部32及びマイクロコンピュータ33が故障、並びにバッテリ12の電圧の異常の少なくともいずれかを検出すると、ハイレベルの信号を出力する。OR回路35の信号入力端子は、マイクロコンピュータ33及び故障検出部34の信号出力端子にそれぞれ接続されている。また、信号出力端子は、接続切換え装置24、具体的には、図9におけるトランジスタ240のベースに接続されている。
次に、図2及び図7〜図11を参照して電動パワーステアリング装置の動作について説明する。ここで、図11は、マイクロコンピュータの動作に関するフローチャートである。図2において、電圧が供給されると、電動パワーステアリングユニット2及び制御装置3は、作動を開始する。図10におけるマイクロコンピュータ33は、図11に示すように、制御装置3が故障しているか否かを判定する(S100)。
ステップS100において、制御装置33が故障していないと判定したときには、マイクロコンピュータ33は、通常制御を行う(S101)。具体的には、図10において、マイクロコンピュータ33は、トルクセンサ20の検出した操舵方向及び操舵トルク、並びに車速情報に基づいて電流指令を算出する。さらに、電流検出部32の検出結果に基づいて電圧変換部30を制御する。制御装置3が故障していないとき、図9に示すように、接続切換え装置24は、モータ21を制御装置3に接続している。図10において、電圧変換部30は、バッテリ接続部31を介して供給されるバッテリ12の直流電圧を所定の直流電圧に変換し、接続切換え装置24を介してモータ21に供給する。直流電圧が供給されることで、モータ21は、ステアリングホイール4の操舵を補助するためのトルクを発生する。これにより、ステアリングホイール4の操舵が適切に補助され、操舵時の負荷が軽減される。
これに対し、ステップS100において、制御装置3が故障していると判定したとき、マイクロコンピュータ33は、どこが故障したかを判定する。まず、電圧変換部30が故障したか否かを判定する(S102)。ステップS102において、電圧変換部30が故障していないと判定したとき、バッテリ接続部31が故障している否かを判定する(S103)。以下、同様にして、電流検出部32が故障しているか否かを判定する(S104)。
そして、ステップS100で判定した故障が、ステップS102〜S104で判定した以外の故障であるとき、マイクロコンピュータ33は、トルクの発生に致命的な影響を与えるものでないと判断し、通常のフェールセーフ処置を行う(S105)。具体的には、故障前に比べモータ21の発生するトルクを抑えるように、電圧変換部30を介してモータ21を制御する。
これに対し、ステップS100で判定した故障が、ステップS102〜S104で判定した故障のいずれかであるとき、マイクロコンピュータ33は、トルクの発生に致命的な影響を与えるものであると判断し、制御を停止する(S106)。つまり、ステアリングホイール4の操舵を補助するためのトルクの発生を停止する。
そして、マイクロコンピュータ33は、リレー31を開放する(S107)。リレー31を開放することで、バッテリ12と電圧変換部30との接続が切断される。これにより、電圧変換部30からモータ21への直流電圧の供給が遮断されることとなる。
その後、マイクロコンピュータ33は、故障の状態を示すエラーコードを記憶する(S108)。そして、ハイレベルの信号をOR回路35に出力する(S109)。
また、図10において、バッテリ12の電圧の異常、及び、マイクロコンピュータ33の故障の少なくともいずれかを検出すると、故障検出部34は、ハイレベルの信号を出力する。OR回路35は、マイクロコンピュータ33及び故障検出部34の少なくともいずれかが故障を検出したとき、ハイレベルの信号を出力する。つまり、電圧変換部30、バッテリ接続部31、電流検出部32及びマイクロコンピュータ33が故障、並びにバッテリ12の電圧の異常の少なくともいずれかを検出したとき、ハイレベルの信号を出力する。OR回路35の出力がハイレベルになると、図9において、接続切換え装置24のトランジスタ240がオン状態となり、コイル241iに電流が流れる。コイル241iに電流が流れると、接点241a、241bは、端子241e、241gにそれぞれ接触する。これにより、制御装置3が切断され、非常用制御装置23がモータ21に接続される。
非常用制御装置23は、トルクセンサ20の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向のみに基づいてモータ21を駆動する。図2において、ステアリングホイール4が操舵されてないとき、図7に示すように、磁気センサ204の出力電圧はV0となる。図8において、コンパレータ230はトランジスタ233を、コンパレータ231及びNOT回路232はトランジスタ234をそれぞれオフ状態にする。トランジスタ233、234が共にオフ状態であるため、コイル235h、235iに電流は流れず、接点235a、235bは開放状態となる。従って、モータ21に直流電圧は供給されず、操舵を補助することはない。
一方、図2において、ステアリングホイール4が時計回りに操舵されると、図7に示すように、磁気センサ204の出力電圧がV0より小さくなる。出力電圧がVlより小さくなると、図8において、コンパレータ231及びNOT回路232がトランジスタ234をオンする。トランジスタ234がオン状態になると、コイル235iに電流が流れ、接点235a、235bの他端が端子235f、235gにそれぞれ接触する。これにより、バッテリ12の直流電圧がリレー235を介してモータ21に供給される。直流電圧が供給されることで、モータ21は、ステアリングホイール4の操舵方向にトルクを発生する。具体的には、ステアリングシャフト5を時計回りに回転させるトルクを発生する。
他方、図2において、ステアリングホイール4が反時計回りに操舵されると、図7に示すように、磁気センサ433の出力電圧がV0より大きくなる。出力電圧がVhを超えると、図8において、コンパレータ230がトランジスタ233をオンする。トランジスタ233がオン状態になると、コイル235hに電流が流れ、接点235a、235bの他端が端子235e、235fにそれぞれ接触する。これにより、時計回りに操舵した場合とは逆極性の直流電圧が、リレー235を介してモータ21に供給される。直流電圧が供給されることで、モータ21は、ステアリングホイール4の操舵方向にトルクを発生する。具体的には、ステアリングシャフト5を反時計回りに回転させるトルクを発生する。
従って、制御装置3が故障しても、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
最後に、効果について説明する。第1実施形態によれば、制御装置3が故障したとき、非常用制御装置23によってモータ21を駆動することができる。そのため、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。しかも、制御装3が、操舵方向と操舵トルクに基づいてモータ21を駆動するのに対し、非常用制御装置23は、操舵トルクに係わらず、操舵方向のみに基づいてモータ21を駆動する。そのため、制御装置3のように、マイクロコンピュータ33を備える必要がなく、非常用制御装置23の構成を簡素化することができる。従って、構成を複雑にすることなく、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
また、第1実施形態によれば、非常用制御装置23は、操舵方向にトルクを発生するようにモータ21を駆動することができる。そのため、制御装置3が故障した場合においても、ステアリングホイール4の操舵を確実に補助することができる。
さらに、第1実施形態によれば、マイクロコンピュータ33、故障検出部34及びOR回路35によって、電圧変換部30、バッテリ接続部31、電流検出部32及びマイクロコンピュータ33が故障、並びにバッテリ12の電圧の異常を検出することができる。しかも、これらの故障等が検出されたとき、接続切換え装置24によって、モータ21を制御装置3から切断して非常用制御装置23に接続することができる。ところで、これらの故障等は、電動パワーステアリング装置1の動作にとって致命的なものであり、本来、動作を停止させなければならない。しかし、モータ21の接続を切換えることで、致命的な故障等が発生した状態においても、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。第2実施形態の電動パワーステアリング装置は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置に対して、構成は同一で、非常用制御装置に切換える条件のみを変更したものである。具体的には、第1実施形態の電動パワーステアリング装置が、電圧変換部30、バッテリ接続部31、電流検出部32及びマイクロコンピュータ33が故障、並びにバッテリ12の電圧の異常の少なくともいずれかを検出したとき、非常用制御装置23に切換えるのに対して、電流検出部32の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流指令と電流検出部32の検出結果との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及びマイクロコンピュータ33が故障したときの少なくともいずれかのとき、非常用制御装置23に切換えるようにしたものである。
次に、第2実施形態の電動パワーステアリング装置について説明する。第2実施形態の電動パワーステアリング装置は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置に対して、構成は同一で、非常用制御装置に切換える条件のみを変更したものである。具体的には、第1実施形態の電動パワーステアリング装置が、電圧変換部30、バッテリ接続部31、電流検出部32及びマイクロコンピュータ33が故障、並びにバッテリ12の電圧の異常の少なくともいずれかを検出したとき、非常用制御装置23に切換えるのに対して、電流検出部32の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流指令と電流検出部32の検出結果との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及びマイクロコンピュータ33が故障したときの少なくともいずれかのとき、非常用制御装置23に切換えるようにしたものである。
まず、図12を参照してマイクロコンピュータの動作について説明する。ここで、図12は、第2実施形態におけるマイクロコンピュータの動作に関するフローチャートである。ここでは、第1実施形態の電動パワーステアリング装置との相違部分である非常用制御装置に切換える条件、特に、マイクロコンピュータで判定される条件についてのみ説明し、共通する部分については必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、前述した実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
図10におけるマイクロコンピュータ33は、図12に示すように、制御装置3が故障しているか否かを判定する(S200)。
ステップS200において、制御装置33が故障していないと判定したときには、マイクロコンピュータ33は、前述したように通常制御を行う(S201)。
これに対し、ステップS200において、制御装置3が故障していると判定したとき、マイクロコンピュータ33は、どのような状況かを判定する。まず、電流検出部32の検出した電流が予め設定されている電流閾値より大きいか否かを判定する(S202)。ステップS202において、検出した電流が電流閾値以下のとき、電流指令と検出した電流の偏差、つまり電流偏差が、予め設定されている電流偏差閾値より大きいか否かを判定する(S203)。
そして、ステップS202、S203のような状況に該当しないとき、マイクロコンピュータ33は、トルクの発生に致命的な影響を与えるものでないと判断し、前述したように通常のフェールセーフ処置を行う(S204)。
これに対し、ステップS202、S203のような状況に該当したとき、マイクロコンピュータ33は、トルクの発生に致命的な影響を与えるものであると判断し、制御を停止する(S205)。
そして、マイクロコンピュータ33は、リレー31を開放する(S206)。その後、マイクロコンピュータ33は、故障の状況を示すエラーコードを記憶する(S207)。そして、ハイレベルの信号をOR回路35に出力する(S208)。
その他の動作は、第1実施形態の場合と同一である。これにより、電流検出部32の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流指令と電流検出部32の検出結果との偏差、つまり電流偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及びマイクロコンピュータ33が故障したときの少なくともいずれかのとき、非常用制御装置23に切換えられる。
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、電流検出部32の検出結果が電流閾値より大きいとき、電流指令と電流検出部32の検出結果との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及びマイクロコンピュータ33が故障したときの少なくともいずれかのとき、非常用制御装置23に切換えることができる。これらの状況は、いずれかの故障によって発生するものである。この場合、モータ21に大電流が流れるおそれがあり、電動パワーステアリング装置1の動作にとって致命的なものである。そのため、本来、動作を停止させなければならない。しかし、モータ21の接続を切換えることで、致命的な故障等が発生した状態においても、継続してステアリングホイール4の操舵を補助することができる。
なお、本実実施形態では、磁石201と、磁気センサ204とを備え、磁気的に操舵方向及び操舵トルクを検出するトルクセンサ20の例を挙げているが、これに限られるものではない。操舵方向と操舵トルクを検出できるものであれば、どのような方式でも用いることができる。
1・・・電動パワーステアリング装置、2・・・電動パワーステアリングユニット、20・・・トルクセンサ(トルク検出手段)、200・・・トーションバー、201・・・磁石、202、203・・・磁気ヨーク、202a、203a・・・環状部、202b、203b・・・爪部、204・・・磁気センサ、205・・・空隙、21・・・モータ、210・・・シャフト、22・・・減速装置、220・・・ウォームホイール、221・・・ウォーム、222・・・支持部材、223・・・軸受、23・・・非常用制御装置(第2モータ駆動手段)、230、231・・・コンパレータ、232・・・NOT回路、233、234・・・トランジスタ、235・・・リレー、235a、235b・・・接点、235c〜235g・・・端子、235h、235i・・・コイル、236、237・・・基準電源、24・・・接続切換え装置、240・・・トランジスタ、241・・・リレー、241a、241b・・・接点、241c〜241h・・・端子、241i・・・コイル、25・・・ハウジング、3・・・制御装置(第1モータ駆動手段)、30・・・電圧変換部(電圧変換手段)、31・・・バッテリ接続部(電源接続手段)、32・・・電流検出部(電流検出手段)、33・・・マイクロコンピュータ(制御手段)、34・・・故障検出部、35・・・OR回路、4・・・ステアリングホイール、5・・・ステアリングシャフト、50・・・アッパステアリングシャフト、51・・・ロアステアリングシャフト、6・・・ステアリングギアボックス、7・・・ラック、8・・・タイロッド、9・・・ナックルアーム、10・・・タイヤ、11・・・車輪、12・・・バッテリ
Claims (5)
- ステアリングホイールの操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、前記ステアリングホイールの操舵方向及び操舵トルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記モータを駆動する第1モータ駆動手段と、前記第1モータ駆動手段が故障したとき、前記第1モータ駆動手段に代って、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記モータを駆動する第2モータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記第1モータ駆動手段は、前記トルク検出手段の検出した操舵方向及び操舵トルクに基づいて前記モータを駆動し、前記第2モータ駆動手段は、前記トルク検出手段の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向に基づいて前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 第1モータ駆動手段は、電源の電圧を変換して前記モータに供給する電圧変換手段と、前記電圧変換手段に電源を接続する電源接続手段と、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電源接続手段を制御するとともに、前記トルク検出手段及び前記電流検出手段の検出結果に基づいて前記電圧変換手段を制御する制御手段とを有し、前記第2モータ駆動手段は、前記電圧変換手段、前記電源接続手段、前記電流検出手段及び前記制御手段が故障したとき、並びに前記電源の電圧が異常であるときの少なくともいずれかのとき、前記第1モータ駆動手段に代って前記モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- ステアリングホイールの操舵を補助するためのトルクを発生するモータと、前記ステアリングホイールの操舵方向及び操舵トルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記モータを駆動する第1モータ駆動手段と、前記第1モータ駆動手段が故障したとき、前記第1モータ駆動手段に代って、前記トルク検出手段の検出結果に基づいて前記モータを駆動する第2モータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記第1モータ駆動手段は、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記トルク検出手段の検出した操舵方向及び操舵トルクに基づいて電流指令を求め、前記電流指令と電流検出手段の検出した検出結果に基づいて前記モータに流れる電流を制御する制御手段とを有し、前記第2モータ駆動手段は、前記電流検出手段の検出結果が電流閾値より大きいとき、前記電流指令と前記電流検出手段の検出結果との偏差が電流偏差閾値より大きいとき、及び前記制御手段が故障したときの少なくともいずれかのとき、前記第1モータ駆動手段に代って、前記トルク検出手段の検出した操舵トルクに係わらず、検出した操舵方向に基づいて前記モータを駆動することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記第2モータ駆動手段は、前記トルク検出手段の検出した操舵方向にトルクを発生するように前記モータを駆動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記モータは、直流電圧を供給されることでトルクを発生するとともに、直流電圧の極性を切換えることで発生するトルクの方向が切換わる直流モータであり、前記第2モータ駆動手段は、前記トルク検出手段の検出した操舵方向にトルクを発生するように前記モータに供給する直流電圧の極性を切換えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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