JP2009066843A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、記録材料が未記録状態で偏向能を発現することを防止し、記録後には偏向能を発現し信号変化量が大きく、且つ、高速書き込みに対応できる光記録媒体を提供することを目的する。さらに、次世代以降の追記型ディスクシステムに適用可能な記録材料を提供すること。
【解決手段】記録及び/又は再生を行う光記録媒体の記録層を構成する材料の少なくとも1つが、高分子材料であり、該高分子材料の主鎖はA−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体であり、該高分子主鎖の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものであることを特徴とする光記録媒体。
【選択図】図4
【解決手段】記録及び/又は再生を行う光記録媒体の記録層を構成する材料の少なくとも1つが、高分子材料であり、該高分子材料の主鎖はA−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体であり、該高分子主鎖の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものであることを特徴とする光記録媒体。
【選択図】図4
Description
本発明は追記型光記録媒体に関する。
従来液晶材料を記録層中に含有させ、その配向方向を制御することにより記録メディアとする方法が古くから提案されている。低中分子の液晶材料では、電界等の外力によりその配向方向を変化させる方法がとられることが多い。この場合、メモリ性が不安定であることが課題であり、レーザ光により重合性液晶材料を重合させるものが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
また、高分子主鎖にメソジェニック基がランダムに結合した液晶ポリマー(特許文献3)、ポリシロキサン系側鎖型高分子液晶化合物(特許文献4)、光架橋した液晶ポリ(メタ)アクリル酸エステルPP(特許文献5)、コレステリック液晶性及びフォトクロミズムを示す高分子材料(特許文献6)、アクリル酸誘導体化合物を重合した高分子液晶材料(特許文献7、8)、ガラス転移点を有する高分子液晶材料(特許文献9)、ネマティックモノマーとコレスティックモノマーとの共重合体(特許文献10、11)、光誘導されて立体配座が変化する基及びメソジェニック特性を有する基を側鎖に有する液晶性ポリマー(特許文献12)、光異性化するメソゲン基を有する高分子液晶(特許文献13、14)、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体と脂環式または芳香族のいずれかの二つの環を含有するメソゲン置換基を中央の炭素に有するプロパンジオールに基くポリエステル(特許文献15)、可逆的な光異性化反応を起こすことができ、かつ光により分子配向を制御できる光反応性成分を結合すると共に、高分子の繰り返し単位の中にウレタン基、ウレア基又はアミド基を有し高分子材料(特許文献16)を用いた光記録媒体が提案されている。
しかし、これらの高分子の液晶材料を用いた光記録媒体では、熱によりその配向方向を変化させる方法がとられることが多く、加熱された場所のすべての高分子液晶材料の主鎖自体が動いて配向し方向を変えるため応答速度が遅いことが課題である。
しかし、これらの高分子の液晶材料を用いた光記録媒体では、熱によりその配向方向を変化させる方法がとられることが多く、加熱された場所のすべての高分子液晶材料の主鎖自体が動いて配向し方向を変えるため応答速度が遅いことが課題である。
これら課題を解決するために高分子液晶材料と中低分子液晶材料との混合系を用いることが提案されている(特許文献17)。高分子材料によって構成した網の目空間に中低分子液晶材料を閉じこめることで、中低分子液晶材料のメモリ性の不安定さを解消し、中低分子液晶材料の高い運動性を取り込むことで高分子液晶材料の応答速度を高めているが、網の目形状の構造体作成には製品液晶セル中で重合・架橋反応を行う必要があり、本来製品に不必要な重合開始剤やモノマー、架橋剤を液晶セル中に混入する作業の発生と、性能を低下させるこれら異物が重合・架橋反応後も一部残ることが課題である。
また、均一な有機色素膜を有する光記録媒体が提案され、大容量光ディスクとしてDVD+RやDVD−Rが商品化されている。DVD系の光ディスクもまた、CD−Rに見られるような高速書き込みを市場より要求されると容易に想定できるが、高速書き込みに対応した光記録媒体は未だ開発されていない。
前記均一な有機色素膜を有する従来の光記録媒体は、記録層の熱伝導率が大きいため、記録再生光のスポット径の外側に熱が伝わり、うち、レーザ光の径以上に記録マークが広がり、記録マークのエッジを鈍くし、ジッタを大きくなるという問題点を有する。
この問題を解決するため、非記録材料(熱伝導率の小さな領域)の中に有機色素(熱伝導率の大きな領域)を点在させ、有機色素が非連続な状態の記録層を形成し、有機色素がレーザ光を吸収し発生した熱を伝えることを防止することが考えられる。
しかし、この非連続な状態の記録層を形成すると、記録用色素材料のみで形成される記録層を有する通常の記録媒体に比べ、記録材料の密度が小さいため、その分信号変化量が小さくなってしまうという問題が生じる。
この問題を解決するため、非記録材料(熱伝導率の小さな領域)の中に有機色素(熱伝導率の大きな領域)を点在させ、有機色素が非連続な状態の記録層を形成し、有機色素がレーザ光を吸収し発生した熱を伝えることを防止することが考えられる。
しかし、この非連続な状態の記録層を形成すると、記録用色素材料のみで形成される記録層を有する通常の記録媒体に比べ、記録材料の密度が小さいため、その分信号変化量が小さくなってしまうという問題が生じる。
前記トレードオフの関係を有する両問題を、記録用色素と熱伝導率が小さな材料とがミクロ相分離した光録媒体の前記記録用色素に液晶性を示す色素ポリマー(光吸収体)を用い、記録層の島状部において分子を一方向に並べ、信号強度を高め、且つ高速書き込みに対応できる光記録媒体が提案されている(特許文献18)。
しかし、この高分子液晶材料(A−b−Bタイプのブロック共重合体)を用いた光記録媒体は、グラフトした光吸収体が、ウエットプロセスで溶剤に溶解された時点で、配列するおそれがある。この場合、従来の液晶材料を用いたものと同様、初期状態(未記録時)から偏向を示し、大きな信号変化量を得られなくなってしまう。この問題は、高分子材料全体の分子量に対する光吸収体の重量分率が高い場合に、光吸収体が高い密度で充填することになるため、顕著であった。
しかし、この高分子液晶材料(A−b−Bタイプのブロック共重合体)を用いた光記録媒体は、グラフトした光吸収体が、ウエットプロセスで溶剤に溶解された時点で、配列するおそれがある。この場合、従来の液晶材料を用いたものと同様、初期状態(未記録時)から偏向を示し、大きな信号変化量を得られなくなってしまう。この問題は、高分子材料全体の分子量に対する光吸収体の重量分率が高い場合に、光吸収体が高い密度で充填することになるため、顕著であった。
本発明は、記録材料が未記録状態で偏向能を発現することを防止し、記録後には偏向能を発現し信号変化量が大きく、且つ、高速書き込みに対応できる光記録媒体を提供することを目的する。
上記課題は本発明の(1)「記録及び/又は再生を行う光記録媒体の記録層を構成する材料の少なくとも1つが、鎖状構造部分を有する高分子材料であり、該高分子材料の主鎖はA−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体であり、該高分子主鎖の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものであることを特徴とする光記録媒体。
但し、A、B、Cは、繰り返しモノマー単位を表し、「−b−」はAと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表し、[B−C]はランダム共重合体を表す。」、
(2)「前記高分子材料全体の分子量に対する前記光吸収体の重量分率が、10%以上50%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」、
(3)「前記光吸収体が、下記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載光記録媒体;
但し、A、B、Cは、繰り返しモノマー単位を表し、「−b−」はAと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表し、[B−C]はランダム共重合体を表す。」、
(2)「前記高分子材料全体の分子量に対する前記光吸収体の重量分率が、10%以上50%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」、
(3)「前記光吸収体が、下記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載光記録媒体;
(4)「前記光吸収体が、下記一般式(II)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか1に記載の光記録媒体;
(5)「前記光吸収体は、下記一般式(III)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の光記録媒体;
(6)「前記記録層は、記録及び/又は再生光入射側界面(表面)が、前記光吸収体を含む第1のドメイン相と、前記光吸収体を含まない第2のドメイン相とに相分離していることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載の光記録媒体」、
(7)「前記第2ドメイン相の熱伝導率が、前記第1のドメイン相の熱伝導率より小さいことを特徴とする前記第(6)項に記載の光記録媒体」、
(8)「前記第1のドメイン相のドメイン径が、記録及び/又は再生を行う光により記録層の入射側界面にできる最小スポット径よりも小さいことを特徴とする前記第(6)項または第(7)項に記載の光記録媒体」により解決される。
本発明によれば、記録材料が未記録状態で偏向能を発現することを防止し、記録後には偏向能を発現し信号変化量が大きく、且つ、高速書込みに対応できる光記録媒体を提供できるという効果を奏する。
本発明は、記録及び/又は再生を行う光記録媒体の記録層を構成する材料の少なくとも1つが、鎖状構造部分を有する高分子材料であり、該高分子材料の主鎖はA−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体であり、該高分子主鎖の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものであることを特徴とする光記録媒体。
但し、A、B、Cは、繰り返しモノマー単位を表し、「−b−」はAと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表し、[B−C]はランダム共重合体を表す。
但し、A、B、Cは、繰り返しモノマー単位を表し、「−b−」はAと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表し、[B−C]はランダム共重合体を表す。
本発明者らは、分散的に秩序−無秩序状態(主鎖高分子にグラフトした分子が、分子間力や静電的作用等により配列、集合し結晶及び/または偏向能を示す状態を秩序状態と称する。無秩序状態は、配列、集合を行っておらず、アモルファス及び/または偏向能を示さない状態をいう。)を取り得る光吸収体をグラフトした高分子材料の高分子薄膜を用い、該高分子薄膜に低エネルギーを与えると、偏光能を示さない高分子薄膜の集熱点に偏光能を高速付与できることを見いだした。
これは、例えば、秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体を結合(グラフト)した高分子材料を用いることにより達成される。この高分子材料は、図6に示すように初期状態(未記録状態)では偏光能を示さないが、高分子材料中の光吸収体が記録光を吸収し、該光吸収体が融解配向するためか、高速記録が可能で、且つ、記録後に偏向能を発現する高分子材料を用いた光記録媒体であり、従来の高分子材料の主鎖自体が動いて再配列する高分子材料に液晶化合物を導入して成るものを含めた高分子液晶材料を利用した記憶媒体とは根本的に異なるものである。
本発明の光記録媒体の記録層は、図8のAMF写真に示すように、加熱によって、ミクロ相分離の20〜100nmのドメインは破壊されず、相分離形状が変化しないことから、高分子材料の主鎖自体が動くものでないと推測され、高速書き込みに対応でき、かつ、図6に示すように加熱前後において偏向能の有無が変わるものである。
また、図7に後程示す高分子材料例22の塗布直後と加熱後の再生波長に対する反射率の変化を示す。この高分子材料例22は波長430nm付近においても塗布直後と加熱後の反射率が変化し、高密度記録に有用な短波長の記録光にも用いることができるものである。
本発明の記録メカニズムは次のように考えられる。記録層に照射された記録光焦点では、高分子材料を軟化するのに充分な熱が発生するため高分子主鎖が軟化する。この時、グラフトした材料の拘束が解け、近傍に存在する秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体同士が集合し、結晶状態もしくはそれに準じる配向状態になる。
そして、記録システム中の光学系、つまり、光源から受光部までの光の経路に偏光子を配置し、光記録媒体に再生光を照射すると、光透過率や反射率の変化に加え、偏向光としても検出できるため、一般的な記録用色素を用い相分離させた記録層よりも大きい信号変化を得られる。
これに対し、一般的な記録用色素は、均質な塗膜を得るために塗布溶剤に対する高い溶解能と、塗布欠陥を無くすために色素会合を阻害するように設計されており、記録光の照射によっても秩序状態を作り得ないものと考えられる。
そして、記録システム中の光学系、つまり、光源から受光部までの光の経路に偏光子を配置し、光記録媒体に再生光を照射すると、光透過率や反射率の変化に加え、偏向光としても検出できるため、一般的な記録用色素を用い相分離させた記録層よりも大きい信号変化を得られる。
これに対し、一般的な記録用色素は、均質な塗膜を得るために塗布溶剤に対する高い溶解能と、塗布欠陥を無くすために色素会合を阻害するように設計されており、記録光の照射によっても秩序状態を作り得ないものと考えられる。
また、高分子主鎖に記録再生光のスポット径よりも小さな相分離構造体を記録材として用いることで、記録層に発生した熱の伝播を十分に抑え記録マークのエッジを鋭くし、低ジッタとなる記録媒体が提供できることを見出した。また、高速書き込み達成に伴う書き込みレーザ出力増大に対しても有効であることを見出した。
高速書き込み対応記録材料の開発の難しさは、次のようなことに起因している。
DVD系の記録マークは、幅約0.4μmで各信号に応じて長さが変わる。これに対し、書き込み読み取る記録再生光のスポット径は約1.1μmと大幅に大きい。また、媒体のトラックピッチは、約0.8μm以下であり、常に隣の情報記録領域にまで記録再生光があたっている。このような状況下、約0.4μmの記録マークを書き込むために、極めて複雑なストラテジを組み立て問題の解決にあたっている。
このストラテジ開発の目的は、結局のところ、記録材料がレーザを吸収することで発生する熱をコントロールし、記録マークのエッジを鋭くすることで低ジッタを目指すことにある。
DVD系の記録マークは、幅約0.4μmで各信号に応じて長さが変わる。これに対し、書き込み読み取る記録再生光のスポット径は約1.1μmと大幅に大きい。また、媒体のトラックピッチは、約0.8μm以下であり、常に隣の情報記録領域にまで記録再生光があたっている。このような状況下、約0.4μmの記録マークを書き込むために、極めて複雑なストラテジを組み立て問題の解決にあたっている。
このストラテジ開発の目的は、結局のところ、記録材料がレーザを吸収することで発生する熱をコントロールし、記録マークのエッジを鋭くすることで低ジッタを目指すことにある。
しかしながら、記録層に発生した熱は、前記記録再生光のスポット径のうち、記録マークを書き込める強度を持ったレーザ光の径以上に広がってしまうため、容易に記録マークのエッジを鈍くし、ジッタを大きくしてしまう。エッジ形状を鋭利化するには、記録層に発生した熱が周辺部に広がることを防止し、記録マークを書き込める強度のレーザ光の径以上に記録マークが形成されないようにすればよい。
マークエッジ記録再生法を採用し、ヒートモードにより記録を行う光記録媒体では、エッジ形状を鋭利化することが必須である。エッジ形状を鋭利化するためには、記録による記録層(記録マーク上)の熱を拡散防止することにより達成できる。
図1に、従来の均一な記録層を有する記録マーク形状の模式図を示す。記録層(A)は、均一に記録材(色素)が形成された公知の記録層を表す。図中には、大きさの異なる同心円が描かれている。最も大きな円の縁から中心点に向けた領域を領域(1)、最も小さな円の縁から中心点に向けた領域を領域(2)、中間位の円の縁から最小円の縁までの領域を領域(3)とする。領域(1)は、記録層表面(界面)に記録光があたる範囲を表している。領域(2)は、記録光が記録層を変化させることのできる熱エネルギーを発生する範囲を表している。領域(3)は、領域(2)のへ熱が伝播し記録層が変化し得る範囲を表している。
図1に、従来の均一な記録層を有する記録マーク形状の模式図を示す。記録層(A)は、均一に記録材(色素)が形成された公知の記録層を表す。図中には、大きさの異なる同心円が描かれている。最も大きな円の縁から中心点に向けた領域を領域(1)、最も小さな円の縁から中心点に向けた領域を領域(2)、中間位の円の縁から最小円の縁までの領域を領域(3)とする。領域(1)は、記録層表面(界面)に記録光があたる範囲を表している。領域(2)は、記録光が記録層を変化させることのできる熱エネルギーを発生する範囲を表している。領域(3)は、領域(2)のへ熱が伝播し記録層が変化し得る範囲を表している。
従来の光記録媒体の記録層(A)は、均一な有機色素によりできている。記録層(A)の記録材(色素)の熱伝導率が十分に小さければ、伝導熱により変化する領域(3)は領域(2)より広がらない。
しかし、一般的に知られているように、有機色素により構成されている記録層の熱伝導率は大きいため、領域(2)の外側の領域(3)が大きく発生してしまう。
しかし、一般的に知られているように、有機色素により構成されている記録層の熱伝導率は大きいため、領域(2)の外側の領域(3)が大きく発生してしまう。
図2は、表面(界面)が相分離し、非記録材料の海の中に記録材料が島状に存在している記録層を用いた場合の記録マーク形状の模式図を示す。記録層(B)中,記録材存在部(5)は記録光を良く吸収するドメインを表し、記録材非存在部(6)は記録光をほとんど吸収しないドメインを表す。領域(1)、領域(2)及び領域(3)は図1と同じ意味である。
図2が示すように、記録層(B)の領域(3)は、図1の記録層(A)の領域(3)に比し、少なくなっている。熱を発生する場所は、領域(2)中の記録用色素材料(光を吸収する物質)がある記録材存在部(5)に限定されるために、領域(3)は少なくなる。
しかし、この光記録媒体は、記録用色素材料のみで形成される記録層を有する通常の記録媒体に比べ、記録材料の密度が小さいため、その分信号変化量が小さくなってしまうという問題を有する。
また、この光記録媒体では、色素材料同士によるコロニーが生じるが、これにより記録材料が存在しない領域が広範囲に出現するため、0.4μm以下のマーク長で記録再生されるシステムにとっては不都合である。
また、この光記録媒体では、色素材料同士によるコロニーが生じるが、これにより記録材料が存在しない領域が広範囲に出現するため、0.4μm以下のマーク長で記録再生されるシステムにとっては不都合である。
また、記録マークエッジを鋭利化するため、伝導熱により変化する領域(3)を小さくするには、図4に示すように、記録材存在部(5)の一つの島の大きさを記録材非存在部(6)より十分に小さくしておく必要がある。図3に示すように、記録材非存在部(6)よりも前記記録材存在部(5)の島が大きい場合、領域(2)と領域(3)に渡った範囲に記録材存在部(5)が多く存在し熱が伝導するため、領域(3)の面積を少なくしエッジを鋭利化する効果が現れない。このため、記録層は、光入射側界面が、秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体を含む第1のドメイン相と、該光吸収体を含まない第2のドメイン相とに相分離していることが好ましい。第1ドメイン相のドメイン径は、記録・再生光により記録層の入射側界面にできる最小スポット径よりも小さいことが好ましく、具体的には、20〜100nmであることが好ましい。
記録層表面(界面)が相分離状態になっている記録媒体は、前記高分子材料とは非相溶の材料を加えることや、高分子主鎖が互いに非相溶な繰り返し単位を有する高分子材料を用いることにより容易に作成することができる。
特に溶解度パラメータを異にする繰り返し単位は、容易に相分離する。溶解度パラメータは、高分子ハンドブック等に記載されている。例えば、ポリスチレン(SP値18)とポリビニルピリジン(SP値22)を混合すれば、容易に目的の相分離体が得られる。
溶解度パラメータの差は1.3以上であることが好ましく、3.0以上がより好ましい。
前記溶解度パラメータは計算により算出することができる。計算で得たSP値、または実測によるSP値のいずれを用いても相分離状態の発現の有無に影響はなかった。
特に溶解度パラメータを異にする繰り返し単位は、容易に相分離する。溶解度パラメータは、高分子ハンドブック等に記載されている。例えば、ポリスチレン(SP値18)とポリビニルピリジン(SP値22)を混合すれば、容易に目的の相分離体が得られる。
溶解度パラメータの差は1.3以上であることが好ましく、3.0以上がより好ましい。
前記溶解度パラメータは計算により算出することができる。計算で得たSP値、または実測によるSP値のいずれを用いても相分離状態の発現の有無に影響はなかった。
また、海島状の相分離は、大まかではあるが、性質を異にする繰り返し単位一方を30部以下、他方を70部以上と言った具合に混合することで得られる。更に、島の大きさは、適当な分子量の繰り返し単位を選ぶことで制御できる。
図4に示すような、海島状の相分離体を得る方法として最良の方法は、相溶性の異なる(溶解度パラメータ値が違う)繰り返し単位同士が化学的に結合したブロック共重合体である高分子材料を用いることである。ブロック共重合体相分離状態は、「ミクロ相分離」として知られている。
例えば、ブロックAとブロックBとが化学的に結合し、A、Bの溶解度パラメータの差が1.3以上であるABブロック共重合体は、AとBの重合度、簡単に言い表せばAとBの長さを調整することで、簡単に極めて整った相分離構造体が得られる。
図5に示すように、AとBの長さが同じ場合、ラメラ状になる。AとBはつながっているため、ABの2倍の長さを超えた構造体は出来得ない。次に、Aの長さを短くしていくとA同士が集まり、Aを島にBを海とした海島状になる。Aの長さとBの長さを調整することで、島の直径と島−島間の距離を任意に作ることができる。
本発明では、A球/Bを海島状、A棒/Bをひも状、海島状又は不定形、AB交互相をひも状と表し、高分子材料の単なるブレンドやランダム共重合体が形成するドメイン径の大きさが不均一な不定形相分離をブレンド状と表わす。
例えば、ブロックAとブロックBとが化学的に結合し、A、Bの溶解度パラメータの差が1.3以上であるABブロック共重合体は、AとBの重合度、簡単に言い表せばAとBの長さを調整することで、簡単に極めて整った相分離構造体が得られる。
図5に示すように、AとBの長さが同じ場合、ラメラ状になる。AとBはつながっているため、ABの2倍の長さを超えた構造体は出来得ない。次に、Aの長さを短くしていくとA同士が集まり、Aを島にBを海とした海島状になる。Aの長さとBの長さを調整することで、島の直径と島−島間の距離を任意に作ることができる。
本発明では、A球/Bを海島状、A棒/Bをひも状、海島状又は不定形、AB交互相をひも状と表し、高分子材料の単なるブレンドやランダム共重合体が形成するドメイン径の大きさが不均一な不定形相分離をブレンド状と表わす。
初期状態の記録層に偏向能を有さない無秩序状態を形成するには、例えば、高分子材料を溶剤に溶解した溶液からウエットプロセスにより記録層を形成すればよい。
これは、高分子材料であるため、無秩序に配置するものである。
これは、高分子材料であるため、無秩序に配置するものである。
本発明では、未記録時に偏向能を有さず、記録後に偏向能を発現する材料として、A−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものを用いている。前記B、Cは互いに相溶性であることが好ましい。
例えば、A−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体のランダム共重合部分[B−C]のBに光吸収体がグラフトしていると、Cが光吸収体の密度を下げるため、塗布初期に光吸収体の秩序配列が乱され、偏光が出ない。
そして、高分子主鎖に存在するCの凝集防止作用も、軟化点を超える熱が与えられると、十分に長い光吸収体が容易に凝集し偏光を発生するようになる。
例えば、A−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体のランダム共重合部分[B−C]のBに光吸収体がグラフトしていると、Cが光吸収体の密度を下げるため、塗布初期に光吸収体の秩序配列が乱され、偏光が出ない。
そして、高分子主鎖に存在するCの凝集防止作用も、軟化点を超える熱が与えられると、十分に長い光吸収体が容易に凝集し偏光を発生するようになる。
該秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体の高分子材料全体の分子量に対する重量分率を、50%以下にすることが好ましい。50%を超えると光吸収体の密度が高く、塗布初期に偏向能が発現してしまう場合があるからである。もっとも、高分子材料の溶解条件等を調整することで、塗布初期の偏向能の発現(光吸収体の配列)を抑えることが可能である。
また、該重量分率は、記録特性(信号変化量)から10%以上であることが好ましい。10%未満であると、記録光照射後でも偏光の発生が十分でない場合があるからである。
なお、高分子材料を加熱して溶融し、記録層を形成することも可能であるが、温度制御を厳密に行わなければ、未記録状態時に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体が配列し偏光能を有してしまうので注意が必要である。
また、該重量分率は、記録特性(信号変化量)から10%以上であることが好ましい。10%未満であると、記録光照射後でも偏光の発生が十分でない場合があるからである。
なお、高分子材料を加熱して溶融し、記録層を形成することも可能であるが、温度制御を厳密に行わなければ、未記録状態時に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体が配列し偏光能を有してしまうので注意が必要である。
前記高分子材料の他に、信号変化量を大きくするため、その余の添加物を含ませることができる。
その余の添加物は、秩序−無秩序状態を取り得るもの、または、秩序−無秩序状態を取り得ないもののいずれでもよく、例えば非重合性低分子化合物や高分子化合物を含ませることができ、その余の添加物にもよるが、前記高分子材料に対し15重量%以下であると、前記光吸収体が秩序状態を形成するのに伴い、偏向能を発現させることができ好ましい。
その余の添加物は、秩序−無秩序状態を取り得るもの、または、秩序−無秩序状態を取り得ないもののいずれでもよく、例えば非重合性低分子化合物や高分子化合物を含ませることができ、その余の添加物にもよるが、前記高分子材料に対し15重量%以下であると、前記光吸収体が秩序状態を形成するのに伴い、偏向能を発現させることができ好ましい。
本発明における高分子材料の秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体は、海島構造を形成する場合には島部分を構成することが好ましい。
また、高分子主鎖に光吸収体を直接結合させることにより、色素剤同士のコロニー形成等による偏りを阻害できるため好ましい。
グラフトする光吸収材料としては、記録再生光を吸収するものであればよく、記録光の波長に合わせて任意に選ぶことができる。
例えば、アゾ、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポルフィリン、ポルフィラジン、ジピロメテン、シアニン、スチリル、トリフェニルメタン、フタリド、キサンテン、アクリジン、オキサジン、ローダミン、インドアニリン、インドフェノール、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、インジゴ、チオインジゴ、クマリン、キノフタロン、スピロピラン、フルギド、ジアリールエテン、スクアリリウム、クロコニウム等から選択することができる。
グラフトする光吸収材料としては、記録再生光を吸収するものであればよく、記録光の波長に合わせて任意に選ぶことができる。
例えば、アゾ、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポルフィリン、ポルフィラジン、ジピロメテン、シアニン、スチリル、トリフェニルメタン、フタリド、キサンテン、アクリジン、オキサジン、ローダミン、インドアニリン、インドフェノール、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、インジゴ、チオインジゴ、クマリン、キノフタロン、スピロピラン、フルギド、ジアリールエテン、スクアリリウム、クロコニウム等から選択することができる。
本発明の高分子材料の秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体として、アゾベンゼンを用いることで、記録及び/又は再生用光源として用いるレーザ光の配向方向にアゾベンゼンが配列するため、記録ピットからの信号変化量を大きくすることができる。
アゾベンゼンとしては、次のものが特に好ましい。
アゾベンゼンとしては、次のものが特に好ましい。
本発明で利用する秩序−無秩序を取り得る光吸収体として、アゾベンゼン化合物をスペーサーを介して高分子と結合している構成で良い結果を得た。このアゾベンゼンの合成は、常法により容易に行える(下記、合成例1〜5)。
さらに、R3にスペーサー分子残基部分を有すると、カップリング反応が容易に行えるため、廉価な記録媒体を提供することが出来る。
この一般式(I)及び一般式(II)の部分は、スペーサー部分に適当な化学修飾を行うことで、先んじて合成した高分子材料に比較的容易に導入することができる。しかしながら、例えば高分子鎖の任意の位置へ導入することはできない。
この課題の解決には、一般式(I)及び一般式(II)の化学修飾として下記一般式(III)で示すモノマー化が有効である。
前記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2-メチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘキシル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルブチル基、1-イソプロピル-2-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、1-イソプロピルペンチル基、1-イソプロピル-2-メチルブチル基、1-イソプロピル-3-メチルブチル基、1-メチルオクチル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルヘキシル基、1-イソブチル-3-メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、tert-ブチル基、tert-ヘキシル基、tert-アミル基、tert-オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-(2-エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。
更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。複素環残基の具体例としては、インドリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリル基等が挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の一級アルキル基、イソブチル基、イソアミル基、2-メチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘキシル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルブチル基、1-イソプロピル-2-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-プロピル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、1-イソプロピルペンチル基、1-イソプロピル-2-メチルブチル基、1-イソプロピル-3-メチルブチル基、1-メチルオクチル基、1-エチルヘプチル基、1-プロピルヘキシル基、1-イソブチル-3-メチルブチル基等の二級アルキル基、ネオペンチル基、tert-ブチル基、tert-ヘキシル基、tert-アミル基、tert-オクチル基等の三級アルキル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、4-(2-エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基(アダマンタン基)等のシクロアルキル基等が挙げられる。
更に、これら一級及び二級アルキル基は、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシ基、シアノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換の複素環残基等を以て置換されていてもよく、また酸素、硫黄、窒素等の原子を介して前記のアルキル基で置換されていてもよい。酸素を介して置換されているアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が、硫黄を介して置換されているアルキル基としては、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、フェニルチオエチル基等が、窒素を介して置換されているアルキル基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基等が挙げられる。複素環残基の具体例としては、インドリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリル基等が挙げられる。
前記アリール基の具体例は、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられる。
前記アルキルオキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールオキシ基の具体例は、酸素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルアミノ基の具体例は、窒素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールアミノ基の具体例は、窒素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルカルボニルアミノ基の具体例は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールカルボニルアミノ基の具体例は、カルボニルアミノ基の炭素原子に直接置換又は未置換のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アルキルカルバモイル基の具体例は、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して置換又は未置換の1個または2個のアルキル基が結合されているものであればよく、アルキル基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
前記アリールカルバモイル基の具体例は、カルバモイル基の窒素原子に直接それぞれ独立して置換又は未置換の1個または2個のアリール基が結合されているものであればよく、アリール基の具体例としては前述の具体例を挙げることができる。
また、記録材存在部(5)と記録材非存在部(6)の熱伝導率に差があると、さらに領域(3)の増加を防止できる。記録材存在部(5)に発生した熱は、周囲の記録材非存在部(6)へ拡散していく。ここで、記録材非存在部(6)の熱伝導率が、記録材存在部(5)よりも小さければ、更に次の記録材存在部(5)に十分に伝わらない。これにより、領域(3)の増加を防止できる。
したがって、記録材非存在部(6)材料は記録材存在部(5)の記録用色素材料より十分に熱伝導率が低いことが好ましい。
したがって、記録材非存在部(6)材料は記録材存在部(5)の記録用色素材料より十分に熱伝導率が低いことが好ましい。
前記熱伝導率の小さな材料としては、記録光をほとんど吸収しない材料を用いることができ、例えば、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリシロキサン類、ポリ尿素類、ポリウレタン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリスチレン類等が挙げられる。
前記熱伝導率の小さな繰り返し単位に光吸収体をグラフトさせた高分子材料を用いたところ、伝導熱により変化する領域(3)を小さくする効果があった。
前記熱伝導率の小さな繰り返し単位に光吸収体をグラフトさせた高分子材料を用いたところ、伝導熱により変化する領域(3)を小さくする効果があった。
次に、図4に示したような記録層20を有する本発明の光記録媒体についての具体的な構成態様を、図を参照して説明する。
図9〜図12は、追記型光記録媒体の概略断面図を示す。図9に示すように、光記録媒体は、基板101上に記録層20が成膜されてなり、図10に示すように基板101と記録層20との間に下地層102が介在されていてもよい。また、図11に示すように、最表面に任意の保護層103が形成されていてもよく、図12に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
図9〜図12は、追記型光記録媒体の概略断面図を示す。図9に示すように、光記録媒体は、基板101上に記録層20が成膜されてなり、図10に示すように基板101と記録層20との間に下地層102が介在されていてもよい。また、図11に示すように、最表面に任意の保護層103が形成されていてもよく、図12に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
図13〜図15は、従来公知のCD−R用の光記録媒体の概略構成図を示す。
図13に示すように、この例における光記録媒体は、基板101上に記録層20、金属反射層106、及び保護層103が順次積層形成された構成を有している。また、図14に示すように、基板101と記録層20との間に下地層102が介在されていてもよく、図15に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
図13に示すように、この例における光記録媒体は、基板101上に記録層20、金属反射層106、及び保護層103が順次積層形成された構成を有している。また、図14に示すように、基板101と記録層20との間に下地層102が介在されていてもよく、図15に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
図16〜図18は、従来公知のDVD−R用の光記録媒体の概略構成図を示す。
図16に示すように、この例における光記録媒体は、基板101上に保護層20、金属反射層106、及び保護層103が積層形成された構成を基本とし、図17に示すように接着層108を介して保護基板107が設けられていてもよく、また、図18に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
図16に示すように、この例における光記録媒体は、基板101上に保護層20、金属反射層106、及び保護層103が積層形成された構成を基本とし、図17に示すように接着層108を介して保護基板107が設けられていてもよく、また、図18に示すように記録層形成面とは反対側の主面にハードコート層104が形成されていてもよい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(合成例1)
4-シアノアニリン(11.8g)を水(70ml)に投入後、35%濃塩酸(32ml)を加え酸性にした。これを0℃まで冷却後、5N亜硝酸ナトリウム水溶液(22ml)を滴下しジアゾ化した。反応終了後、ヨウ素でんぷん紙が呈色しなくなるまでアミド硫酸を加え、過剰の亜硝酸を除去したものをジアゾ液とした。次に、フェノール(9.4g)を水(200ml)に加え、溶液がアルカリ性になるまで水酸化ナトリウムを加えた。この溶液に先のジアゾ液を投入し、pH>10を保ちながらカップリング反応を行った。析出物を濾過し、水洗後、乾燥化合物1(19.4g)を得た。
(合成例1)
4-シアノアニリン(11.8g)を水(70ml)に投入後、35%濃塩酸(32ml)を加え酸性にした。これを0℃まで冷却後、5N亜硝酸ナトリウム水溶液(22ml)を滴下しジアゾ化した。反応終了後、ヨウ素でんぷん紙が呈色しなくなるまでアミド硫酸を加え、過剰の亜硝酸を除去したものをジアゾ液とした。次に、フェノール(9.4g)を水(200ml)に加え、溶液がアルカリ性になるまで水酸化ナトリウムを加えた。この溶液に先のジアゾ液を投入し、pH>10を保ちながらカップリング反応を行った。析出物を濾過し、水洗後、乾燥化合物1(19.4g)を得た。
化合物1(13.4g)をDMSO(60ml)に投入後、炭酸カリウム(5.0g)を加えた。この溶液に6−クロロ−1−ヘキサノール(9.0g)を投入し、110℃まで昇温し反応を行った。反応終了後、反応液を水に排出し、目的物をトルエンにて抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したものを、シリカゲルカラムにて精製し、化合物2(16.1g)を得た。
化合物2(12.9g)及びトリエチルアミン(4.9g)を乾燥THF(50ml)に投入後、メタアクリロイルクロリド(6.6g)を滴下し反応を行った。反応終了後、クロロホルムにて目的物を抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したものを、シリカゲルカラムにて精製し、化合物3(15.2g)を得た。
(合成例2)
3−メトキシ−2−ナフトエ酸(10.1g)をトルエン(15ml)に懸濁後、塩化チオニル(10ml)を滴下し100℃まで昇温した。反応終了後、不要な塩化チオニルはトルエンと共に減圧濃縮し除去した。これを再度トルエンに溶解し、3−アミノフェニルアクリレイト(8.2g)のトルエン溶液に滴下し化合物4(16.2g)を得た。
3−メトキシ−2−ナフトエ酸(10.1g)をトルエン(15ml)に懸濁後、塩化チオニル(10ml)を滴下し100℃まで昇温した。反応終了後、不要な塩化チオニルはトルエンと共に減圧濃縮し除去した。これを再度トルエンに溶解し、3−アミノフェニルアクリレイト(8.2g)のトルエン溶液に滴下し化合物4(16.2g)を得た。
次に4−ニトロアニリン(5.5g)を水(15ml)に投入後、35%濃塩酸(5ml)を加え酸性にした。これを0℃まで冷却後、5N亜硝酸ナトリウム水溶液(9ml)を滴下しジアゾ化した。反応終了後、ヨウ素でんぷん紙が呈色しなくなるまでアミド硫酸を加え、過剰の亜硝酸を除去したものをジアゾ液とした。次に化合物4(13.9g)を水に加え、溶液がアルカリ性になるまで水酸化ナトリウムを加えた。この溶液に先のジアゾ液を投入し、カップリング反応を行った。析出物を濾過し、水洗後、乾燥化合物5(16.1g)を得た。
(合成例3)
3−メトキシフェノール(18.6g)、2−(2−クロロエトキシ)エタノール(22.4g)及び炭酸カリウム(15.6g)をDMF(150ml)に投入し、120℃まで昇温し反応を行った。反応終了後、反応液を水に排出し、目的物をトルエンにて抽出した。濃縮後、4−ニトロアニリン(24.4g)から合成したジアゾニウム塩とカップリングし化合物6(42.3g)を得た。
3−メトキシフェノール(18.6g)、2−(2−クロロエトキシ)エタノール(22.4g)及び炭酸カリウム(15.6g)をDMF(150ml)に投入し、120℃まで昇温し反応を行った。反応終了後、反応液を水に排出し、目的物をトルエンにて抽出した。濃縮後、4−ニトロアニリン(24.4g)から合成したジアゾニウム塩とカップリングし化合物6(42.3g)を得た。
化合物6(36.1g)及びトリエチルアミン(13.2g)を乾燥THF(100ml)に投入後、メタアクリロイルクロリド(11.5g)を滴下し反応を行った。反応終了後、クロロホルムにて目的物を抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したものを、シリカゲルカラムにて精製し、化合物7(39.9g)を得た。
(合成例4)
化合物1(4.5g)、6−クロロヘキサン酸エチルエステル(4.3g)及び炭酸ナトリウム(6.9g)をNMP(1−メチル−2−ピロリドン)(30ml)に投入し、120℃まで昇温し反応を行った。反応終了後、反応液を水に排出し化合物8(5.9g)を得た。
化合物1(4.5g)、6−クロロヘキサン酸エチルエステル(4.3g)及び炭酸ナトリウム(6.9g)をNMP(1−メチル−2−ピロリドン)(30ml)に投入し、120℃まで昇温し反応を行った。反応終了後、反応液を水に排出し化合物8(5.9g)を得た。
化合物8(5.5g)をエタノール(30ml)に溶解後、85%水酸化カリウム(1.2g)を投入し加水分解した。生成後、塩化チオニルにて酸クロリド化し化合物9(3.8g)を得た。
(合成例5)
化合物6(5.4g)及び4−メチルクロロスチレン(2.8g)を乾燥THF(20ml)に投入後、60%水素化ナトリウム(0.9g)を投入し室温で攪拌した。反応終了後、反応液を水に排出し、目的物をトルエンにて抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したものを、シリカゲルカラムにて精製し、化合物10(3.9g)を得た。
化合物6(5.4g)及び4−メチルクロロスチレン(2.8g)を乾燥THF(20ml)に投入後、60%水素化ナトリウム(0.9g)を投入し室温で攪拌した。反応終了後、反応液を水に排出し、目的物をトルエンにて抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したものを、シリカゲルカラムにて精製し、化合物10(3.9g)を得た。
(合成例6)
反応容器に特開2006−257037記載の方法で合成した下記化合物11(0.00280g)、Macromolecules 2000,33,8629−8639記載の方法で合成した下記化合物13(0.00201g)、下記化合物12(1.00g)、塩化第一銅(0.00092g)、メタクリル酸メチル(2.00g)及びアニソ−ル(7ml)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、110℃に昇温し4時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出し化合物14(2.15g、m1=152、n1=50、Mw/Mn=1.32)を得た。
反応容器に特開2006−257037記載の方法で合成した下記化合物11(0.00280g)、Macromolecules 2000,33,8629−8639記載の方法で合成した下記化合物13(0.00201g)、下記化合物12(1.00g)、塩化第一銅(0.00092g)、メタクリル酸メチル(2.00g)及びアニソ−ル(7ml)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、110℃に昇温し4時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出し化合物14(2.15g、m1=152、n1=50、Mw/Mn=1.32)を得た。
(合成例7)
反応容器にメタクリル酸メチル(4.0g)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(1.0g)、前記化合物11(0.0313g)、前記化合物13(0.0224g)および塩化第一銅(0.0102g)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、50℃に昇温し2時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出しMMA−HEMA共重合体(3.5g)を得た。
この重合体(3.5g)をTHF(50ml)に溶解後、下記化合物15(10g)を投入し化合物16(8.2g、m2=215、n2=73、Mw/Mn=1.27)を得た。
反応容器にメタクリル酸メチル(4.0g)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(1.0g)、前記化合物11(0.0313g)、前記化合物13(0.0224g)および塩化第一銅(0.0102g)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、50℃に昇温し2時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出しMMA−HEMA共重合体(3.5g)を得た。
この重合体(3.5g)をTHF(50ml)に溶解後、下記化合物15(10g)を投入し化合物16(8.2g、m2=215、n2=73、Mw/Mn=1.27)を得た。
(合成例8)
反応容器にメタクリル酸メチル(3.0g)、化合物11(0.01205g)、化合物13(0.00865g)、塩化第一銅(0.00396g)および2−ブタノン(4.5ml)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、50℃に昇温し6時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出しMMA重合体(2.2g)を得た。
この重合体(2.2g)、化合物13(0.00795g)、塩化第一銅(0.00363g)、化合物17(1.5g)をアニソール(6ml)に溶解し、真空脱気にて溶存.酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、120℃に昇温し7時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出し化合物18(2.6g、m3=598、n3=67、Mw/Mn=1.41)を得た。
反応容器にメタクリル酸メチル(3.0g)、化合物11(0.01205g)、化合物13(0.00865g)、塩化第一銅(0.00396g)および2−ブタノン(4.5ml)を投入し、溶存酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、50℃に昇温し6時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出しMMA重合体(2.2g)を得た。
この重合体(2.2g)、化合物13(0.00795g)、塩化第一銅(0.00363g)、化合物17(1.5g)をアニソール(6ml)に溶解し、真空脱気にて溶存.酸素を十分に除いた後アルゴンガスを通気した。アルゴン気流下、120℃に昇温し7時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、メタノールに排出し化合物18(2.6g、m3=598、n3=67、Mw/Mn=1.41)を得た。
(合成例9)
アンプル容器にメタクリル酸メチル(5.0g)、化合物11(0.0224g)、化合物13(0.0161g)および塩化第一銅(0.0074g)を投入し、真空脱気にて溶存酸素を十分に除いた後、気体が入らないようにアンプル管を閉じた。60℃に昇温し4時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、アンプル管を開けメタノールに排出しMMA重合体(3.6g、m4=470、Mw/Mn=1.09)を得た。
MMA重合体(3.6g)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(1.5g)、化合物11(0.0230g)、化合物13(0.0166g)および塩化第一銅(0.0076g)を投入し、真空脱気にて溶存酸素を十分に除いた後、気体が入らないようにアンプル管を閉じた。60℃に昇温し2時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、アンプル管を開けメタノールに排出しMMA−HEMA共重合体(3.3g、m4=470、n4=185、Mw/Mn=1.08)を得た。
この共重合体(3.3g)をTHF(100ml)に溶解後、化合物19(5.0g)を作用させ化合物20(6.3g)を得た。
アンプル容器にメタクリル酸メチル(5.0g)、化合物11(0.0224g)、化合物13(0.0161g)および塩化第一銅(0.0074g)を投入し、真空脱気にて溶存酸素を十分に除いた後、気体が入らないようにアンプル管を閉じた。60℃に昇温し4時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、アンプル管を開けメタノールに排出しMMA重合体(3.6g、m4=470、Mw/Mn=1.09)を得た。
MMA重合体(3.6g)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(1.5g)、化合物11(0.0230g)、化合物13(0.0166g)および塩化第一銅(0.0076g)を投入し、真空脱気にて溶存酸素を十分に除いた後、気体が入らないようにアンプル管を閉じた。60℃に昇温し2時間重合を行った。反応終了後、氷浴にて十分に冷却した後、アンプル管を開けメタノールに排出しMMA−HEMA共重合体(3.3g、m4=470、n4=185、Mw/Mn=1.08)を得た。
この共重合体(3.3g)をTHF(100ml)に溶解後、化合物19(5.0g)を作用させ化合物20(6.3g)を得た。
上述のようにして合成された高分子材料の具体例を以下に示す。
なお、下記化学式中「−b−」で区切られた重合体は、Aと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表す。
[B−C]は、B、Cで構成されたランダム共重合体を表す。
また、重合体式中の繰り返し回数m、n、q・・・は、数平均分子量(Mn)から算出された整数値であって、繰り返し回数を規定するものではなく、前記数平均分子量(Mn)は、GPCによって求めることができる。
また、下記化学式の末端には、それぞれ、開始剤由来の残基等結合しているが省略している。
なお、下記化学式中「−b−」で区切られた重合体は、Aと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表す。
[B−C]は、B、Cで構成されたランダム共重合体を表す。
また、重合体式中の繰り返し回数m、n、q・・・は、数平均分子量(Mn)から算出された整数値であって、繰り返し回数を規定するものではなく、前記数平均分子量(Mn)は、GPCによって求めることができる。
また、下記化学式の末端には、それぞれ、開始剤由来の残基等結合しているが省略している。
高分子材料例5:Mw/Mn=1.35、m5=1260、n5=350、q= 60
高分子材料例6:Mw/Mn=1.32、m5=1260、n5=160、q=250
高分子材料例7:Mw/Mn=1.29、m5=1260、n5= 80、q=330
高分子材料例8:Mw/Mn=1.33、m6=2160、n6=370、q6= 50
高分子材料例9:Mw/Mn=1.32、m6=2160、n6=120、q6=300
高分子材料例10:Mw/Mn=1.32、m6=2160、n6= 50、q6=30
高分子材料例33:Mw/Mn=1.32、m18=2520、n18=110、q18=90
高分子材料例34:Mw/Mn=1.32、m18=2520、n18=40、q18=80
下記一般式(IV)で表される高分子材料例30〜43を表1に示す。
下記一般式(V)で表される高分子材料例44〜50を表2に示す。
下記一般式(VI)で表される高分子材料例58〜67を表3に示す。
実施例1乃至10、比較例1乃至13
高分子材料例1〜4、6〜16、58〜60、62、63、65〜67をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、厚さ300nmの記録層を形成した。
この光記録媒体の未記録状態及び発振波長657nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、記録後の表面形状及び偏向の有無を測定した。
高分子材料例1〜4、6〜16、58〜60、62、63、65〜67をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、厚さ300nmの記録層を形成した。
この光記録媒体の未記録状態及び発振波長657nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、記録後の表面形状及び偏向の有無を測定した。
偏向の有無は、光源からの光が、光源−サンプル−鏡筒の順で透過もしくは反射する一光学顕微鏡を用い、光源−サンプル間に固定の偏光子を、サンプル−鏡筒間に可動の偏光子を配し、偏光子回転角度が90°の時、固定偏光子の偏光方向と可動偏光子の偏光方向が直交するように調整し、偏光子回転角度を0°〜180°まで45°おきに観察し、その明度変化の有無により偏向の有無を測定した。記録前偏光が「無」で記録後偏光が「有」のものを「OK」と評価し、その他のものを「NG」と評価した。
表面形状は、AFM(原子間力顕微鏡)により観察しドメイン径を測定した。
実施例11乃至25、比較例14乃至17
高分子材料例15〜29、31〜34をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、300nmの記録層を形成した。その後、スパッタ法により金1200Åの反射層を設け、さらにその上にフォトポリマーにて保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平面基板をフォトポリマーにて接着し、記録媒体とした。
[記録再生条件]
発振波長657nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、発振波長657nmの半導体レーザの連続光で再生し、C/Nを測定した。
高分子材料例15〜29、31〜34をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、300nmの記録層を形成した。その後、スパッタ法により金1200Åの反射層を設け、さらにその上にフォトポリマーにて保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平面基板をフォトポリマーにて接着し、記録媒体とした。
[記録再生条件]
発振波長657nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、発振波長657nmの半導体レーザの連続光で再生し、C/Nを測定した。
実施例26〜46、比較例18〜21
高分子材料例35〜57をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、300nmの記録層を形成した。この記録層に発振波長405nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、表面形状をAFMで観察・撮影し、5μm2中に含まれるドメイン径の平均値を測定した。
高分子材料例35〜57をそれぞれトルエン溶解した。この溶液をフォトポリマーで保護したポリカーボネート基板(厚さ0.6mmの射出成形板、深さ200nm、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μmの案内溝を形成している)上に、スピナー塗布し、300nmの記録層を形成した。この記録層に発振波長405nmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し、表面形状をAFMで観察・撮影し、5μm2中に含まれるドメイン径の平均値を測定した。
1 記録光を受けても変化しない範囲(領域1)
2 記録光により変化した範囲(領域2)
3 伝道熱により変化した範囲(領域3)
5 記録材(色素)存在範囲(領域5)
6 記録材(色素)の存在しない範囲(領域6)
20 記録層
101 基板
102 下地層
103 保護層
104 ハードコート層
106 金属反射層
107 保護基板
108 接着層
2 記録光により変化した範囲(領域2)
3 伝道熱により変化した範囲(領域3)
5 記録材(色素)存在範囲(領域5)
6 記録材(色素)の存在しない範囲(領域6)
20 記録層
101 基板
102 下地層
103 保護層
104 ハードコート層
106 金属反射層
107 保護基板
108 接着層
Claims (8)
- 記録層を構成する材料の少なくとも1つが、鎖状構造部分を有する高分子材料であり、該高分子材料の主鎖はA−b−[B−C]の繰り返し単位をもつブロック共重合体であり、該高分子主鎖の[B−C]部の何れか一方に秩序−無秩序状態を取り得る光吸収体がグラフトしたものであることを特徴とする光記録媒体。
但し、A、B、Cは、繰り返しモノマー単位を表し、「−b−」はAと[B−C]とのジブロック共重合体(A−b−[B−C])を表し、[B−C]はランダム共重合体を表す。 - 前記高分子材料全体の分子量に対する前記光吸収体の重量分率が、10%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記光吸収体が、下記一般式(I)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
- 前記光吸収体が、下記一般式(II)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の光記録媒体。
- 前記[B−C]部の何れか一方は、下記一般式(III)で示される化合物を少なくとも1種類含有していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の光記録媒体。
- 前記記録層は、記録及び/又は再生光入射側界面(表面)が、前記光吸収体を含む第1のドメイン相と、前記光吸収体を含まない第2のドメイン相とに相分離していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載の光記録媒体。
- 前記第2ドメイン相の熱伝導率が、前記第1のドメイン相の熱伝導率より小さいことを特徴とする請求項6に記載の光記録媒体。
- 前記第1のドメイン相のドメイン径が、記録及び/又は再生を行う光により記録層の入射側界面にできる最小スポット径よりも小さいことを特徴とする請求項6または7に記載の光記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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CN104650297A (zh) * | 2014-12-05 | 2015-05-27 | 盐城工学院 | 一种主-侧链含偶氮苯功能基接枝共聚物的制备方法 |
CN106810634A (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-09 | 新纶科技(常州)有限公司 | 一种具有电存储特性的液晶性共聚物、其制备方法及其在电存储中的应用 |
JP2020128450A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | 東ソー株式会社 | 重合性化合物、重合体および位相差フィルム |
-
2007
- 2007-09-12 JP JP2007236442A patent/JP2009066843A/ja active Pending
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CN106810634B (zh) * | 2015-12-01 | 2019-03-26 | 新纶科技(常州)有限公司 | 一种具有电存储特性的液晶性共聚物、其制备方法及其在电存储中的应用 |
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