JP2009066611A - 研削機の圧延ロール径計測装置及び圧延ロールの径計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転自在に支持された圧延ロール2を砥石30で研削する研削機Aの圧延ロール径計測装置1であって、圧延ロールの上方側から自重により当該圧延ロールに設置され且つ当該圧延ロールの外周面に2点で接触可能なブロック体4と、ブロック体4の接触点の間に取り付けられ且つ圧延ロールの径の変位を計測可能な変位計5と、ブロック体4を圧延ロールの上方側で支持する支持機構6と、変位計5の計測値に基づいて圧延ロールの径を算出可能な算出部7を備え、ブロック体4は、圧延ロールの外周面に沿って移動可能となるように、支持機構6により支持されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1の測定方法は、ロールから離れた位置に非接触型の1台の距離測定装置を設けて、この距離測定装置からロールに向けて超音波又は光を照射し、ロールと距離測定装置との間の距離を測定することにより、ロールの直径を測定するものである。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、1つの計測器(変位計)であっても精度良く圧延ロールの径を計測することができる研削機における圧延ロール径計測装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、回転自在に支持された圧延ロールを砥石で研削する研削機の圧延ロール径計測装置であって、前記圧延ロールの上方側から自重により当該圧延ロールに設置され且つ当該圧延ロールの外周面に2点で接触可能なブロック体と、前記ブロック体の接触点の間に取り付けられ且つ圧延ロールの径の変位を計測可能な変位計と、前記ブロック体を圧延ロールの上方側で支持する支持機構と、前記変位計の計測値に基づいて圧延ロールの径を算出可能な算出部を備え、前記ブロック体は、圧延ロールの外周面に沿って移動するように、前記支持機構により支持されている点にある。
前記ブロック体は、前記第1軸に鉛直方向で直交する第2軸と、前記第1軸及び第2軸に直交する第3軸と軸回りに揺動自在に支持機構により支持されていることが好ましい。 前記圧延ロールの軸方向に沿ってブロック体を少なくとも1往復させた際に、前記算出部が算出した往路及び復路での圧延ロールの径を所定位置毎に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された往路及び復路での圧延ロールの径に基づき補正された圧延ロールを算出して出力する補正部と、を備えていることが好ましい。
前記ブロック体と前記圧延ロールとの接触部分に保護部材が設けられていることが好ましい。
本発明における課題解決のための他の技術的手段は、砥石で研削された圧延ロールの径を計測する圧延ロールの径計測方法において、回転自在に支持された圧延ロールの上方側から自重によりブロック体を前記圧延ロールに設置してブロック体と圧延ロールの外周面とを2点で接触させ、当該ブロック体の接触点の間に設けられた変位計を圧延ロールの外周面に接触させ、前記ブロック体を、圧延ロールの外周面に沿って移動可能としておき、前記変位計の計測値に基づいて圧延ロールの径を算出することが好ましい。
前記圧延ロールに対する前記ブロック体の傾き、前記ブロック体の摩耗、前記ブロック体を圧延ロールに接触した際のブロック体の熱歪の少なくとも1つを基に圧延ロールの径を補正することが好ましい。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態における圧延ロール径計測装置を示している。
圧延ロール径計測装置1は、圧延装置に使用される圧延ロール2の表面を研削する研削機Aに具備されたもので、圧延ロール2の径(半径)Rを当該圧延ロール2の軸芯RXに沿って、連続的に計測可能なものである。
本発明では、説明の便宜上、図1での左右方向をX軸方向、紙面上下方向をY軸方向、紙面貫通方向をZ軸方向ということがある。
また、圧延ロール径計測装置1は、圧延ロール2を支持する支持体3と、この支持体3を圧延ロール2の軸芯方向に移動させる移動機構(移動台)13と、変位計5の計測値に基づいて圧延ロール2の半径Rを算出可能な算出部7と、算出部7の計算結果を記憶可能な記憶部8と、算出部7の結果を表示可能な表示部9とを備えている。
撓み防止部材11は、圧延ロール2の下側で軸芯方向に複数並べられた第1支持部15と、圧延ロール2の側方側で軸芯方向に複数並べられた第2支持部16とから構成されている。
第2支持部16は移動台に固定されたベース部16aと、このベース部16aから圧延ロール2に向けて延び、その先端部が圧延ロール2の側方側の外周面と当接する当接部16bとを有しており、これらにより、圧延ロール2が半径R外方向に撓むのを防止している。
ブロック体4は、圧延ロール2の上方側に配置されて圧延ロール2に自重により載っているもので、圧延ロール2の外周面に沿って移動するように、支持機構6により支持されている。
図2〜5を用いてブロック体4、支持機構6、変位計5及び記憶部8について、詳しく説明する。
この保護部材21は、ブロック体4と圧延ロール2と接触によりブロック体4の表面或いは圧延ロール2の表面は疵付くのを防止すると共に、ブロック体4の接触部分(第1傾斜面18や第2傾斜面19)が砥石の削粉で摩耗してしまうのを防止する(摩耗の抑制)もので、例えば、テフロン(登録商標)等から形成された樹脂テープや高強度鋼板により構成されている。
ブロック体4において第2傾斜面19が形成された側には、後述するリンク部材24の先端が入り込むための取付凹部32が上部から中途部に亘って設けられており、この取付凹部32の両側のブロック体4には、圧延ロール2の軸芯方向に沿った第2貫通孔35が設けられている。
詳しくは、リンク部材24の先端部側がブロック体4の取付凹部32に位置していて、当該先端部側のX軸に平行な第1枢支軸25(第1軸AX)が第2貫通孔35に挿入されている。また、リンク部材24の基端部側が砥石駆動モータ31の上部に位置していて、当該基端側のX軸に平行な第2枢支軸26(第1軸AX)が砥石駆動モータ31の上部に揺動(回動)に枢支されている。
変位計5は、圧延ロール2の外周面に接触する接触ロッド22と、この接触ロッド22を伸縮自在とする伸縮部23とを備えている。接触ロッド22は伸縮部23から突出していて当該伸縮部23に対して移動自在となっている。接触ロッド22の先端部には圧延ロール2の外周面に接触する板状の接触部22aが形成されている。伸縮部23に対する接触ロッド22の変位は算出部7に出力されるようになっている。
表示部9は、算出部7で求めた圧延ロール2の半径Rを連続的に表示可能であって、圧延ロール2の半径Rを連続的に表示することで圧延ロール2のプロファイルを表示することができるようになっている。
研削機Aによって圧延ロール2を研磨するには、まず、砥石30及び砥石駆動モータ31をY軸方向に移動させて、砥石30と圧延ロール2の表面とを当接(接触)させる。その後、砥石駆動モータ31により砥石30を回転させつつ、移動台13により圧延ロール2を軸芯方向に移動させることで、圧延ロール2の表面を研磨する。
圧延ロール径計測装置1によって圧延ロール2の半径を計測するには、ブロック体4の第1傾斜面18及び第2傾斜面19を保護部材21を介して圧延ロール2の外周面に接触させる(ブロック体4を圧延ロール2上に設置してブロック体4と圧延ロール2の外周面とを2点で接触させる)、変位計5の接触部と圧延ロール2の外周面とを接触させる(変位計5を圧延ロール2の外周面に接触させる)。次に、移動台6によってブロック体4を圧延ロール2の一端(例えば、左側)から他端(例えば、右側)にかけて圧延ロール2の軸芯方向に移動させながら、変位計5の計測値を連続的に計測し、算出部7により、圧延ロール2の半径Rを算出する。
本発明によれば、圧延ロール2がZ軸方向(上下方向)に撓んだ状態であっても、リンク部材24の基端部側が第2枢支軸26回りに揺動(回動)すると共に、ブロック体4自体が第1枢支軸25回りに揺動(回動)することから、これらの揺動により圧延ロール2に対するブロック体4の位置が位置調整されて、ブロック体4を圧延ロール2の外周面に沿わすことができる。その結果、圧延ロール2がZ軸方向に撓んだ状態でもブロック体4と圧延ロール2との3点接触が維持されることから精度良く圧延ロールの径を計測することができる。
このように、砥石30の摩耗によって、砥石30と圧延ロール2との相対距離が短くなるが、リンク部材24の基端部側の回動とブロック体4の回動とによって、相対距離の変化に追随して圧延ロール2に対するブロック体4の位置を変えることが可能となる。その結果、砥石30の摩耗に伴って相対距離が短くなったとしても、ブロック体4と圧延ロール2とを確実に3点接触させることができ、精度良く圧延ロールの径を計測することができる。
第2実施形態における圧延ロール径計測装置1では、ブロック体4を支持する支持機構が変更されたものである。
図7に示すように、リンク部材24の先端側には球面状となる球部39が形成されており、ブロック体4の取付凹部32はリンク部材24の球部39がピボット状に摺動自在に嵌り込む球受け構造(以降、球受け部ということがある)とされている。
球受け部32にリンク部材24の球部39が嵌り込んだ状態では、ブロック体4は、球部39の中心を通りZ軸と平行に延びる第2軸AZ回りに揺動(回動)自在で、且つ、球部39の中心を通りY軸と平行に延びる第3軸AY回りに揺動(回動)自在となっている。即ち、この実施形態では、ブロック体4は、第1軸に鉛直方向で直交する第2軸と、第1軸及び第2軸に直交する第3軸と軸回りに揺動自在に支持機構により支持されている。
図7(b)に示すように、圧延ロール2がZ軸方向(上下方向)に傾いた場合であっても、第3軸AY回りに回動により、ブロック体4を圧延ロール2に沿って移動させることができる。
この実施形態によれば、圧延ロール2が幅方向又は上下方向に傾いたとしても、その傾きに応じてブロック体4を圧延ロール2に沿って移動させて当該ブロック体4を確実に圧延ロール2に接触させることができ、圧延ロール2の半径を正確に計測することができる。
[第3実施形態]
図8、9に示すように、第2実施形態における圧延ロール径計測装置1は、第1実施形態の圧延ロール径計測装置とは異なる記憶部8Aと、補正部40とを有したものであり、圧延ロール2の軸方向に沿ってブロック体4を少なくとも1往復させる(以降、往復のことをトラバースということがある)ことで、圧延ロール2の半径Rを求めるものである。
具体的には、記憶部8Aはブロック体4を圧延ロール2の左側から右側まで移動させた際、当該往路での圧延ロール2の軸芯方向の所定位置xiの半径Rを順に記憶する。また、記憶部8Aはブロック体4を圧延ロール2の右側から左側まで移動させた際、当該復路での圧延ロール2の軸芯方向の所定位置xiの半径Rを順に記憶する。
また、ブロック体4を圧延ロール2上を往復移動させた際、ブロック体4は圧延ロール2との接触により摩耗することから、この摩耗により算出部7で求めた半径Rが、実際の半径と少し異なる(計測誤差)ことがある。
このように、ブロック体4を圧延ロール2上を往復移動させて圧延ロール2の半径Rを算出すると、ブロック体4の傾きや摩耗の影響により、往路での半径Rと復路での半径Rとが異なる。
以上のように、往路での圧延ロール2の半径Rと、復路での圧延ロール2の半径Rを用いて、圧延ロール2の半径Rを求めることで、ブロック体4の接触面(第1傾斜面18や第2傾斜面19)の摩擦によるブロック体4の傾き(圧延ロール2に対する鉛直方向のブロック体4の傾き)やブロック体4の摩耗の影響による計測誤差を最小限にすることができる。
[第4実施形態]
第3実施形態における圧延ロール径計測装置1は、第2実施形態の圧延ロール径計測装置1の補正部40とは異なる機能を有している。
図12(a)に示すように、往路の測定値と復路の測定値とは、それぞれ真値と異なっており、計測時にはブロック体4の傾きの影響が出たと思われる。
図12(b)に示すように、トラバースの回数を増加させるにつれて真値と計測値との差が次第に大きくなっている。このような真値と計測値との関係は、ブロック体4の計測回数を増加させた際に生じるブロック体4の摩耗との関係があると思われる。
このように、圧延ロール2に対するブロック体4の傾き、ブロック体4の摩耗、ブロック体4の熱歪により、計測値と真値とが異なることから、第3実施形態では、補正部により、これらの影響を考慮して算出部7で算出された半径Rを補正する。
以下、補正部内で行われる補正機能について説明する。
計測により求めた往路での圧延ロール2の半径R1(xi,ti1)は、式(2)、計測により求めた復路での圧延ロール2の半径R2(xi,ti2)は、式(3)で定義することができる。
式(4)に示すように、往路の真の半径値と復路の真の半径値との差をgiとおくと、
次に、補正機能を用いた圧延ロール2の半径計測方法について説明する。
最初に、往路データの採取をする。具体的には、ブロック体4を左端から右端まで移動させ、所定位置xiにおける圧延ロール2の半径R1(xi,ti1)を算出して、所定位置xiにおける半径R1(xi,ti1)、計測時間ti1を記憶部8Aに記憶させる。
復路と同様に往路データを採取する。具体的には、ブロック体4を右端から左端まで移動させ、所定位置xiにおける圧延ロール2の半径R2(xi,ti2)を算出して、所定位置xiにおける半径R2(xi,ti2)、計測時間ti2を記憶部8Aに記憶させる。
図13は、補正機能により圧延ロール2の半径Rを補正したものである。このようにすれば、ブロック体4の傾き、ブロック体4の摩耗、ブロック体4の熱歪を考慮した正確な半径Rを算出することができ、往路での圧延ロールの半径Rと復路での圧延ロールの半径Rとが略一致するようになる。
また、ブロック体4が圧延ロール2の両端部に達した際に当該ブロック体4を持ち上げることのできる油圧シリンダ等で構成された持上機構を設けるようにしてもよい。また、リンク部材24をY軸方向に移動させる機構を設けて、ブロック体4を圧延ロール2にセッティングする際にリンク部材24(ブロック体4)の位置調整を行ってもよい。
1 圧延ロール径計測装置
2 圧延ロール
4 ブロック体
5 変位計
6 移動機構
7 算出部
AX 第1軸
AZ 第2軸
AY 第3軸
Claims (9)
- 回転自在に支持された圧延ロールを砥石で研削する研削機の圧延ロール径計測装置であって、
前記圧延ロールの上方側から自重により当該圧延ロールに設置され且つ当該圧延ロールの外周面に2点で接触可能なブロック体と、前記ブロック体の接触点の間に取り付けられ且つ圧延ロールの径の変位を計測可能な変位計と、前記ブロック体を圧延ロールの上方側で支持する支持機構と、前記変位計の計測値に基づいて圧延ロールの径を算出可能な算出部を備え、
前記ブロック体は、圧延ロールの外周面に沿って移動するように、前記支持機構により支持されていることを特徴とする研削機の圧延ロール径計測装置。 - 前記ブロック体は、圧延ロールの軸芯方向に沿った第1軸回りに揺動自在に支持機構により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の研削機の圧延ロール径計測装置。
- 前記ブロック体は、前記第1軸に鉛直方向で直交する第2軸と、前記第1軸及び第2軸に直交する第3軸と軸回りに揺動自在に支持機構により支持されていることを特徴とする請求項2に記載の研削機の圧延ロール径計測装置。
- 前記圧延ロールの軸方向に沿ってブロック体を少なくとも1往復させた際に、前記算出部が算出した往路及び復路での圧延ロールの径を所定位置毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された往路及び復路での圧延ロールの径に基づき補正された圧延ロールを算出して出力する補正部と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の研削機の圧延ロール径計測装置。 - 前記補正部は、圧延ロールに対する前記ブロック体の傾き、前記ブロック体の摩耗、前記ブロック体を圧延ロールに接触させた際の温度差によるブロック体の熱歪の少なくとも1つを基に、圧延ロールの径を補正する補正機能を有していることを特徴とする請求項4に記載の研削機の圧延ロール径計測装置。
- 前記ブロック体と前記圧延ロールとの接触部分に保護部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研削機の圧延ロール径計測装置。
- 砥石で研削された圧延ロールの径を計測する圧延ロールの径計測方法において、
回転自在に支持された圧延ロールの上方側から自重によりブロック体を設置し、当該ブロック体と圧延ロールの外周面とを2点で接触させ、ブロック体の接触点の間に設けられた変位計を圧延ロールの外周面に接触させ、前記ブロック体を、圧延ロールの外周面に沿って移動可能としておき、
前記変位計の計測値に基づいて圧延ロールの径を算出する圧延ロールの径計測方法。 - 圧延ロールの軸方向にブロック体を少なくとも1往復させて往路及び復路での圧延ロールの径を所定位置毎に記憶しておき、記憶した往路及び復路の径とに基づいて圧延ロールの径を補正することを特徴とする請求項7に記載の圧延ロールの径計測方法。
- 前記圧延ロールに対する前記ブロック体の傾き、前記ブロック体の摩耗、前記ブロック体を圧延ロールに接触した際のブロック体の熱歪の少なくとも1つを基に圧延ロールの径を補正することを特徴とする請求項8に記載の圧延ロールの径計測方法。
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