JP2009065581A - 無線通信システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数ホッピング前後での位相変動量を測定可能とし受信特性を向上させる無線通信システムと方法の提供。
【解決手段】移動局(301)は、ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位(1つ又は複数のタイムスロット)のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置した上で送信し、基地局(302)は、前記移動局から送信された情報伝送単位を受信し、前記情報伝送単位がリファレンス信号を複数含む情報伝送単位の場合、複数の前記リファレンス信号から位相変動を求め、前期位相変動から周波数偏差を求める。
【選択図】図3

Description

本発明は無線通信システムに関し、特に周波数ホッピング方式で無線通信を行うシステム及び方法に関する。
周波数ホッピング方式で無線通信を行う移動通信システムにおいては、情報伝送単位をなすタイムスロットに対応して送信キャリア周波数の切替が行われる。移動局から送信した送信キャリア周波数と基地局で受信した受信キャリア周波数との偏差を補正することで基地局側の上り受信機能の向上を図ることができる。
例えば、移動局と基地局との周波数偏差が1kHz、タイムスロット(Time Slot)長が0.5msとした場合、受信ベースバンド信号においては、1タイムスロット(Time Slot)の間に180°(0.5ms X 1kHz X 360°)位相が回転して見えることになる。
そのため周波数偏差は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Qadrature Phase Shift Keying)等の位相変調方式で位相変調された信号の位相判定を行う場合、受信特性劣化の原因となる。
受信器において周波数偏差を補正する方法としては、AFC(Automatic Frequency Control;自動周波数制御)が従来よりよく知られている。AFCの一般的な手法としては、例えば基地局において、定期的に移動局から送信される既知のリファレンス信号(例えば既知のパターンからなり、「パイロット信号」ともいう)に対応する受信信号の位相変動量を観測し、観測した位相変動量に見合う逆位相の回転を受信信号に与えることで、受信信号の周波数偏差補正を行う手法が知られている。
なお、特許文献1には、タイムスロットを設けたCDMA(Code Division Multiple Access)システムやこれに類似したシステムにおいて、周波数偏差と偏移が大きくなったり端末の移動速度が速くなってもその性能を改善するシステムとして、スロットや突然受信した信号に対してチャネル推定と信号の検出を行いチャネル誤差を推定する構成が開示されている。この特許文献1には、チャネルの位相偏差を推定する際に、記号(シンボル)間の位相差(相対誤差)に基づいた差分法を用いること等が開示されているが、後述される本発明の課題(周波数ホッピング前後での位相変動量を測定可能とする)とは、全く相違した内容となっている。
特表2006−512808号公報
以下の分析は本発明によって与えられる。
図1は、情報伝送単位をなすタイムスロット(Time Slot)毎に周波数ホッピングを行う無線通信システムの原理を模式的に説明するための図である。図1に示す例では、既知のリファレンス信号(パイロット信号)がタイムスロット内に挿入されている。周波数ホッピングに伴う周波数変化により、基地局等の受信器で受信信号の位相が変化する。
このため、周波数ホッピング前後での位相変動量を測定することができず、AFC制御により受信信号の周波数偏差補正を行うことは困難である。
したがって、本発明の目的は、周波数ホッピング前後での位相変動量を測定可能とし受信特性を向上させる無線通信システムと方法と、該システムを構成する無線局を提供することにある。
本願で開示される発明は、前記課題を解決するため、概略以下の構成とされる。
本発明の1つのアスペクト(側面)によれば、ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する第1のノードと、前記第1のノードから受信した情報伝送単位が前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号から位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める第2のノードと、を備えた無線通信システムが提供される。
本発明において、前記第2のノードは、前記周波数偏差に基づき受信信号の周波数を補正する構成としてもよい。
本発明において、前記第2のノードは、複数の前記情報伝送単位に関するリファレンス信号の位相変動の測定結果から複数の周波数偏差を求め、複数の周波数偏差を統計処理して受信信号の周波数偏差の補正を行う、構成としてもよい。
本発明において、前記情報伝送単位は、同一キャリア周波数で伝送される少なくとも1つのタイムスロットを含む。
本発明において、複数の前記リファレンス信号を含む前記情報伝送単位が、コントロールチャネルのタイムスロットをなし、少なくともデータを含む情報伝送単位がデータチャネルのタイムスロットをなし、前記コントロールチャネルと1つ又は複数の前記データチャネルとが、前記第1のノードから前記第2のノードに周波数ホッピング方式で伝送される、構成としてもよい。
本発明において、前記第1のノードは、
前記リファレンス信号を生成する手段と、
前記第2のノードへ送信するデータ/コントロール信号を生成する手段と、
前記リファレンス信号と前記データ/コントロール信号とを多重して前記情報伝送単位を生成する手段と、
前記情報伝送単位を所定の周波数で周波数変調して送信する手段と、
を備え、
周波数ホッピング方式で送信される複数の情報伝送単位に関連付けて、少なくとも1つの情報伝送単位に複数のリファレンス信号を挿入する、構成としてもよい。
本発明において、前記第2のノードが、受信した情報伝送単位が、リファレンス信号を複数含む情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相から、位相変動量を算出する手段と、
前記位相変動量から周波数偏差を導出する手段と、
前記周波数偏差から受信信号の周波数の補正を行う手段と、
を備えた構成としてもよい。
本発明において、前記第1、第2のノードが、それぞれ、移動局と基地局を構成する。
本発明において、前記第1、第2のノードが、それぞれ、基地局と移動局を構成する。
本発明の他のアスペクトによれば、移動局からの上り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、該受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める基地局が提供される。また、本発明によれば、ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する基地局が提供される。
本発明のさらに他のアスペクトによれば、基地局からの下り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、該受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める移動局が提供される。また、本発明によれば、ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する移動局が提供される。
本発明のさらに他のアスペクトによれば、ホッピング周期に対応して送信側から送信される情報伝送単位を受信する工程と、
前記受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める工程と、を含む、周波数制御方法が提供される。
本発明のさらに他のアスペクトによれば、移動局からの上り信号として、ホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位の少なくとも1つにリファレンス信号を複数個時間的に離間して配置された信号を受信した場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める処理を基地局のコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
本発明のさらに他のアスペクトによれば、基地局からの下り信号として、ホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位の少なくとも1つにリファレンス信号を複数個時間的に離間して配置された信号を受信した場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める処理を移動局のコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
本発明によれば、所定のスロットフォーマット(Slot Format)を用い、複数のリファレンス信号から、リファレンス信号間の位相変動量を求め、周波数偏差を補正することで、周波数ホッピング前後での位相変動量を測定可能とし、受信特性を向上させる。
上記した本発明についてさらに詳細に説述すべく添付図面を参照して以下に説明する。本発明は、その一実施の形態において、一の局(例えば移動局(あるいは基地局))から他の局(例えば基地局(あるいは移動局))への回線用の複数のチャネルに異なるスロットフォーマット(Slot Format)が適用され、図2すように、1つのタイムスロット(Time Slot)が、既知のリファレンス信号(Reference Signal)が複数配置されるスロットフォーマット(Slot Format)を含み(図2参照)、該他の局にて、同一タイムスロット(Time Slot)内の複数のリファレンス信号から、複数のリファレンス信号間の位相変動を求め、該位相変動を用いて、当該チャネルの周波数偏差を補正する。あるいは、ホッピング周期をなす複数のタイムスロットに複数のリファレンス信号(Reference Signal)を複数配置し、複数のリファレンス信号間の位相変動を求め、該位相変動を用いて、当該チャネルの周波数偏差を補正するようにしてもよい。以下実施例に即して説明する。
<実施例1>
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図3は、本発明の一実施例の要部構成を示す図である。図3を参照すると、無線通信する移動局301と基地局302を備えている。なお、図3において、移動局301内に復調部等は図示されていず、基地局302内に変調部等は図示されていない。また、図3では簡単のため、移動局301は一台のみが示されている。
移動局301は、リファレンス信号(Reference Signal)生成部303と、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)生成部304と、多重部305と、変調部306と、発振部307と、コントロール/データ(Control/Data)処理部308と、上り周波数決定部309と、を備えている。
基地局302は、復調部311と、発振部310と、AFC(Automatic Frequency Control;自動周波数制御)部312と、リファレンス信号抽出部313と、周波数偏差算出部314と、コントロール信号(Control Signal)処理部315と、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)処理部316とを備えている。
移動局301のリファレンス信号生成部303は、既知のリファレンス信号(パイロット信号)を生成し、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)生成部304で、それぞれ、基地局への制御情報、送信データを生成する。
多重部305は、リファレンス信号(Reference Signal)生成部303からのリファレンス信号と、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)生成部304からのデータ/コントロール信号とを時間的に多重して出力する。
多重部305は、リファレンス信号とデータ/コントロール信号の多重の際、図2に示すように、1タイムスロット内に、複数のリファレンス信号とコントロール信号からなるコントロールチャネル(Control Channel)と、1つのリファレンス信号、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)からなるデータチャネル(Data Channel)を設ける。
図2を参照すると、複数のリファレンス信号(図2では2つのリファレンス信号)とコントロール信号からなるコントロールチャネル(Control Channel)において、リファレンス信号間の時間Tref[sec]は、移動局301と基地局302で共通に知られた設定値とされる。タイムスロットベースで周波数ホッピングが行われ、コントロールチャネル、データチャネルのキャリア周波数が互いに相違している。
多重部305で多重された信号は、発振部307で生成される周波数を基に変調部306で周波数変調が行われ、アンテナから上り信号317として送信される。
変調周波数は、基地局302からの下りコントロール信号(Control Signal)318より抽出した周波数情報により決定される。すなわち、基地局302からの下りコントロール信号318は、図示されない復調部で復調され、コントロール/データ(Control/Data)処理部308で処理される。上り周波数決定部309は、コントロール/データ(Control/Data)処理部308で抽出された受信下りコントロール信号318(周波数設定情報)から、移動局301の上り信号317の変調周波数を決定し、発振部307の発振周波数を決定した周波数に設定する。変調部306では、新たに決定された周波数にてタイムスロットを周波数変調し(周波数ホッピング)、アンテナから上り信号317として送信される。基地局302からの受信下りコントロール信号318は、周波数ホッピングにおける周波数とスロットとの割付(対応)情報を含んでもよい。
基地局302では、移動局301から送信された上り信号317を受信し、復調部311にて、発振部310で生成された周波数によりベースバンド信号(例えば同相成分Iと直交成分Qからなる複素ベースバンド信号)に復調する。このとき、移動局301の上り周波数発振部309と、基地局302の発振部310の周波数との差が周波数偏差として受信ベースバンド信号に見える。
例えば、図2において、コントロールチャネル1タイムスロット内の2つのリファレンス信号(Reference Signal)の時間間隔をTref[sec]として、2つのリファレンス信号の周波数偏差をΔf[Hz]とすると、2つのリファレンス信号にそれぞれ対応する受信ベースバンド信号の位相変動量Δφref[rad]と、TrefとΔfの間には、以下の関係が成り立つ。
Δφref[rad]=2π・Δf・Tref ・・・(1)
コントロールチャネルの1タイムスロットにおいて、時間間隔Tref[sec]の2つのリファレンス信号の周波数偏差Δf[Hz]は、周波数ドリフトやドップラーシフト等の各種要因により生じる。
リファレンス信号抽出部313は、コントロールチャネル1タイムスロット内の既知のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号から位相を抽出する。受信ベースバンド信号の位相は任意の公知の手法で求めることができる。特に制限されないが、図2に示すように、コントロールチャネル1タイムスロット内に2つのリファレンス信号(Reference Signal)が挿入されている場合、例えば1番目のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号(I、Q)から、位相φref1をφref1[rad]=arctan(Q/I)によって求め(arctanは逆正接関数)、2番目のリファレンス信号(1番目のリファレンス信号と同一の既知の信号)に対応する受信ベースバンド信号(I、Q)から位相φref2を、φref2[rad]=arctan(Q/I)で求める。受信ベースバンド信号に周波数偏差が存在しない場合、2つの位相φref1とφref2は互いに等しい。φref2とφref1の差分から位相変動量Δφref[rad]を求める。
Δφref[rad]=φref2−φref1 ・・・(2)
なお、コントロールチャネル1タイムスロット内に3つ以上のリファレンス信号がある場合、リファレンス信号抽出部313では、時間的に前後するi番目と(i+1)番目の2つのリファレンス信号に関する位相φ[i]、φ[i+1](i=1、2、・・・)を求め、位相変動量Δφref[i]を、上式(2)にしたがって、Δφref[i]=φ[i+1]−φ[i]で求め、これらを、次式(3)にしたがって重み付け加算して求めてもよい。
Δφref[rad]=Σw[i]・Δφref[i] (ただし、w[i]は重み係数,Σはiに関する総和を表す) ・・・(3)
あるいは、コントロールチャネル1タイムスロット内の時間的に前後する2つのリファレンス信号に関する位相変動量を全て求めるかわりに、時間的に最後(most recent)のリファレンス信号とその前のいくつかのリファレンス信号を選択して位相変動量Δφref[rad]を求めるようにしてもよい。コントロールチャネル1タイムスロット内に3つ以上のリファレンス信号がある場合、時間的に前後する2つのリファレンス信号の間隔は、同一でなくてもよいことは勿論である(移動局と基地局間で既知でありさえずればよい)。
周波数偏差算出部314は、リファレンス信号抽出部313で抽出されたΔφrefから、上式(1)の関係式に基づき、周波数偏差Δfを
Δf=Δφref/(2π・Tref) ・・・(4)
により求める。
AFC部312は、周波数偏差算出部314で求められた周波数偏差Δfに基づき、受信ベースバンド信号の周波数を補正する。例えば、受信ベースバンド信号の周波数をfrx[Hz]、補正後の周波数をfAFC[Hz]とすると
fAFC=frx−Δf ・・・(5)
により、周波数の補正が行われる。
AFC部312は、補正後のコントロール信号(Control Signal)をコントロール信号処理部315に送り、呼処理等に適用される。
データチャネルに対しても、AFC部312において、周波数偏差(例えばコントロールチャネルに対して周波数偏差算出部314で求めた周波数偏差Δf)によって、周波数の補正を行う。AFC部312で補正後の信号は、データ/コントロール信号(Data/コントロール信号(Control Signal)処理部316に送られ、データ処理および呼処理等に適用される。
本実施例においては、1タイムスロット(Time Slot)中に複数のリファレンス信号を持つチャネル(コントロールチャネル)で求めた周波数偏差Δφrefに基づいて、1タイムスロット中に単一のリファレンス信号のみ持つチャネル(データチャネル)を含む、同一移動局から受信した、全ての上りチャネルの周波数補正を行う。
図4は、本実施例の動作を説明するためのフローチャートである。図3及び図4を参照して、本実施例の動作を説明する。
基地局302は、受信チャネルが位相差分を検出する対象となるチャネル(図2のコントロールチャネル)であるか否かの判定を行う(ステップS1)。特に制限されないが、図3に示した構成例では、AFC部312が、周波数に基づきコントロールチャネルであるか、データチャネルであるか判別を行う機能を具備している。
位相変動量を検出対象のチャネル(図2のコントロールチャネル)の場合(ステップS1のYES分岐)、リファレンス信号抽出部313は、コントロールチャネル1タイムスロット内の複数の既知のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号から、位相を抽出し、複数のリファレンス信号間の位相変動量Δφref[rad]を導出する(ステップS2)。特に制限されないが、コントロールチャネルが、1タイムスロット内にリファレンス信号を間隔Trefで2つ含む場合、ステップS2では、例えば1番目のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号から、位相φref1を求め、2番目のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号から、位相φref2を求め、その差分φref2−φref1から、位相変動量Δφrefを導出する。
周波数偏差算出部314は、位相変動量Δφrefから周波数偏差Δf[Hz]を、上式(4)のΔφref/(2π・Tref)より、求める(ステップS3)。
AFC部312では、受信ベースバンド信号の周波数をfrx[Hz]、補正後の周波数をfAFCとすると、上式(5)のfAFC=frx−Δfにより、周波数の補正が行われる(ステップS4)。
位相変動量を検出する対象のチャネルでない場合には(ステップS1のNO分岐)、当該チャネルでの周波数偏差算出は行わず、位相変動量を検出する対象のチャネルで求めた周波数偏差Δf[Hz]を用いて、AFC部312では、上式(5)に基づき、補正を行う。
本実施例によれば、周波数ホッピングを用いる無線通信システムにおいて、同一タイムスロット(Time Slot)内で位相変動量を算出できないスロットフォーマットを持つチャネルに対して、簡便に移動局、基地局間の周波数偏差を補正することが可能となり、受信特性を向上させることができる。
なお、図3の基地局302内の少なくともリファレンス信号抽出部313、周波数偏差算出部314の処理は、基地局302のコンピュータ(プロセッサ、デジタル信号プロセッサ)等で実現するようにしてもよい。
前記実施例では、コントロールチャネルの単一スロット内で求めた周波数偏差Δf[Hz]を用いて、周波数偏差補正を行う構成とされているが、本発明はかかる構成に制限されるものでないことは勿論である。
<実施例2>
本発明の別の実施例として、コントロールチャネルの周波数偏差を、複数のタイムスロットで個々に測定し、それら個々の周波数偏差を統計処理した値、例えば平均化もしくは平滑化した値によって、受信ベースバンド信号の周波数の周波数偏差の補正を行うようにしても良い。
リファレンス信号のビット長が短い場合や、リファレンス信号の間隔が確保できない場合等、単一スロットの測定値で精度が十分に確保できない場合に、複数スロットの測定値を平均化もしくは平滑化した値を用いて周波数偏差を決めることで、周波数補正の精度を向上させることができる。
<実施例3>
例えばデータチャネルにおいて、複数のタイムスロットが、同一周波数に留まる期間がある場合、もしくは、一時的に、ホッピング周期を、2スロット以上に設定する動作がある場合には、その期間のみ、データチャネルで求めた位相差情報(位相変動量)を用いて、周波数偏差を補正する構成としても良い。すなわち、図2に示すスロットフォーマットの例では、1スロットあたり1つのリファレンス信号を有し、2スロット以上のデータチャネルに関連して複数のリファレンス信号から、実施例1で説明した手法にしたがって、Δφrefを求め、周波数偏差Δfを求めるようにしてもよい。
<実施例4>
また、上記実施例では、基地局側で周波数偏差を補正する例を説明したが、移動局側での下り信号受信動作についても適用が可能である。すなわち、図3の基地局302における、復調部311と、発振部310と、AFC部312と、リファレンス信号抽出部313と、周波数偏差算出部314と等価な要素を移動局側に設け、図3の移動局301のリファレンス信号生成部303、データ/コントロール信号生成部304、多重部305、変調部306等を基地局側に設ける構成としてもよい。
例えば、移動局は、通常、基地局は見通し外であり、各種経路からの電波を受信し、ドップラーシフト等により、周波数偏差が生じる。本実施例によれば、移動局は、前記実施例において、基地局に即して説明した周波数偏差補正の原理にしたがって、リファレンス信号間の位相変動量Δφrefを求め、周波数偏差Δfを導出し、周波数を補正する。すなわち、本実施例では、基地局からの下り信号のコントロールチャネルに複数のリファレンス信号を挿入し(図2参照)、移動局側で、前記実施例で説明した原理にしたがって、リファレンス信号間の位相変動量を求め、周波数偏差を導出し、周波数変動を補正する。
図5は、本実施例の構成を示す図であり、移動局と基地局の要部構成が示されている。なお、図5において、移動局401内に変調部等は図示されていず、基地局402内に復調部等は図示されていない。基地局402において、多重部405は、リファレンス信号(Reference Signal)生成部403からのリファレンス信号と、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)生成部404からのデータ/コントロール信号とを時間的に多重して出力する。多重部405は、リファレンス信号とデータ/コントロール信号の多重の際、例えば、図2に示すように、1タイムスロット内に、複数のリファレンス信号とコントロール信号からなるコントロールチャネル(Control Channel)と、1つのリファレンス信号、データ/コントロール信号(Data/Control Signal)からなるデータチャネル(Data Channel)と、を設ける。変調部406は、発振部407の周波数にてタイムスロットを周波数変調し、周波数変調された信号はアンテナから下り信号418として送信される。
移動局401は、基地局402からの下り信号418を受信し、復調部411で復調された受信ベースバンド信号に関して、図2のコントロールチャネルの場合、リファレンス信号抽出部413は、コントロールチャネル1タイムスロット内の複数の既知のリファレンス信号に対応する受信ベースバンド信号から位相を抽出し、複数のリファレンス信号間の位相変動量Δφref[rad]を導出する。周波数偏差算出部414は、位相変動量Δφrefから周波数偏差Δf[Hz]を上式(4)のΔφref/(2π・Tref)により求める。AFC部412では、受信ベースバンド信号の周波数をfrx[Hz]、補正後の周波数をfAFC[Hz]とすると、上式(5)のfAFC=frx−Δfにより、周波数の補正を行う。AFC部412において、位相変動量を検出する対象のチャネル(コントロールチャネル)でない場合には、当該チャネルでの周波数偏差算出は行わず、位相変動量を検出する対象のチャネル(コントロールチャネル)で求めた周波数偏差Δf[Hz]を用いて、AFC部412では上式(3)にしたがって補正を行う。
なお、図5の移動局401内の少なくともリファレンス信号抽出部413、周波数偏差算出部414の処理は、基地局402のコンピュータ(プロセッサ、デジタル信号プロセッサ)等で実現するようにしてもよい。
<実施例5>
本発明の他の実施例として、移動局と基地局側とも、本発明にしたがって、周波数変動を補正する機能を備えた構成としてもよい。すなわち、移動局では、図3の構成に図5の構成が追加され、基地局では、図3の構成に図5の構成が追加される。
本発明は、周波数ホッピング方式の無線通信システムに適用可能であるが、基地局と移動局により構成され周波数ホッピングを行う移動体通信システムに適用して特に好適とされる。
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
周波数ホッピング伝送を説明する図である。 本発明の一実施例のスロットフォーマットを説明する図である。 本発明の一実施例の構成を示す図である。 本発明の一実施例の動作を説明する図である。 本発明の他の実施例の構成を示す図である。
符号の説明
301、401 移動局
302、402 基地局
303、403 リファレンス信号生成部
304、404 データ/コントロール信号生成部
305、405 多重部
306、306 変調部
307、407 発振部
308 コントロールデータ処理部
309 上り周波数決定部
310、410 発振部
311、411 復調部
312、412 AFC部
313、413 リファレンス信号抽出部
314、414 周波数偏差算出部
315、415 コントロール信号処理部
316、416 データ/コントロール信号処理部
317、417 上り信号
318、418 下り信号

Claims (23)

  1. ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する第1のノードと、
    前記第1のノードから受信した情報伝送単位が前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号から位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める第2のノードと、
    を備えた、ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記第2のノードは、前記周波数偏差に基づき受信信号の周波数を補正する、ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記第2のノードは、複数の前記情報伝送単位に関するリファレンス信号の位相変動の測定結果からそれぞれに対応する複数の周波数偏差を求め、複数の前記周波数偏差を統計処理し受信信号の周波数偏差の補正を行う、ことを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
  4. 前記第2のノードは、前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位の後に受信される少なくとも1つの情報伝送単位に関して、前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位に関連して求められた前記周波数偏差を用いて、周波数を補正する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の無線通信システム。
  5. 前記情報伝送単位は、同一キャリア周波数で伝送される少なくとも1つのタイムスロットを含む、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 複数の前記リファレンス信号を含む前記情報伝送単位が、コントロールチャネルのタイムスロットをなし、
    少なくともデータを含む情報伝送単位がデータチャネルのタイムスロットをなし、
    前記第1のノードから前記第2のノードに、前記コントロールチャネルと1又は複数の前記データチャネルとが、周波数ホッピング方式で伝送される、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  7. 前記第1のノードが、
    前記リファレンス信号を生成する手段と、
    前記第2のノードへ送信するデータ/コントロール信号を生成する手段と、
    前記リファレンス信号と前記データ/コントロール信号とを時間的に多重して前記情報伝送単位を生成する手段と、
    前記情報伝送単位を所定の周波数で周波数変調して送信する手段と、
    を備え、
    周波数ホッピング方式で送信される複数の情報伝送単位に関連付けて、その内の少なくとも1つの情報伝送単位に、複数の前記リファレンス信号を挿入する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  8. 前記第2のノードが、
    受信した情報伝送単位がリファレンス信号を複数含む情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相から、位相変動量を算出する手段と、
    前記位相変動量から周波数偏差を導出する手段と、
    前記周波数偏差から受信信号の周波数の補正を行う手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  9. 前記第1のノードと前記第2のノードが、それぞれ、移動局と基地局である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  10. 前記第1のノードと前記第2のノードが、それぞれ、基地局と移動局である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  11. 移動局からの上り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、
    前記受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める、ことを特徴とする基地局。
  12. 前記周波数偏差に基づき受信信号の周波数を補正する手段をさらに備えている、ことを特徴とする請求項11記載の基地局。
  13. 基地局からの下り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、
    前記受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める、ことを特徴とする移動局。
  14. 前記周波数偏差に基づき受信信号の周波数を補正する手段をさらに備えている、ことを特徴とする請求項13記載の移動局。
  15. ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する、ことを特徴とする基地局。
  16. ホッピング周期に対応して無線伝送される情報伝送単位のうち少なくとも1つに、複数のリファレンス信号を時間的に離間して配置して送信する、ことを特徴とする移動局。
  17. ホッピング周期に対応して送信側から無線伝送される情報伝送単位を受信する工程と、
    前記受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める工程と、
    を含む、ことを特徴とする無線通信方法。
  18. 前記周波数偏差に基づき受信信号の周波数を補正する工程をさらに備えている、ことを特徴とする請求項17記載の無線通信方法。
  19. 複数の前記情報伝送単位に関するリファレンス信号の位相変動の測定結果から、複数の周波数偏差を求め、複数の周波数偏差を統計処理して受信信号の周波数偏差の補正を行う、ことを特徴とする請求項17又は18記載の無線通信方法。
  20. 前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位の後に受信される少なくとも1つの情報伝送単位に関して、
    前記リファレンス信号を複数含む情報伝送単位に関連して求められた前記周波数偏差を用いて、周波数を補正する、ことを特徴とする請求項17又は18記載の無線通信方法。
  21. 前記情報伝送単位は、同一キャリア周波数で伝送される、少なくとも1つのタイムスロットを含む、ことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載の無線通信方法。
  22. 移動局からの上り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、該受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める処理を、基地局を構成するコンピュータに実行させるプログラム。
  23. 基地局からの下り信号としてホッピング周期に対応して送信される情報伝送単位を受信し、該受信した情報伝送単位が、複数のリファレンス信号が時間的に離間して配置された情報伝送単位である場合、複数の前記リファレンス信号の位相変動を求め、前記位相変動から周波数偏差を求める処理を、移動局を構成するコンピュータに実行させるプログラム。
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