JP2009065180A - 光モニタ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号光を増幅する際に発生する雑音光パワーおよび信号光パワー等を簡易な光回路構成により高い精度で検出できる光モニタ回路を低コストで提供する。
【解決手段】光モニタ回路は、信号光が伝搬する光ファイバ上に光反射媒体2としてチルト・チャープ型ファイバグレーティングを形成し、第1、2波長帯域の光を異なる反射率で反射させて光ファイバのコア外に放射させ、チルト・チャープ型ファイバグレーティングの反射光の焦点距離に応じて配置した第1、2受光部により各波長帯域の光のパワーを検出する。これにより、各受光部の配置に応じた所望の波長分解能により各々の波長帯域の光パワーを高い精度でモニタすることができる。
【選択図】図11
【解決手段】光モニタ回路は、信号光が伝搬する光ファイバ上に光反射媒体2としてチルト・チャープ型ファイバグレーティングを形成し、第1、2波長帯域の光を異なる反射率で反射させて光ファイバのコア外に放射させ、チルト・チャープ型ファイバグレーティングの反射光の焦点距離に応じて配置した第1、2受光部により各波長帯域の光のパワーを検出する。これにより、各受光部の配置に応じた所望の波長分解能により各々の波長帯域の光パワーを高い精度でモニタすることができる。
【選択図】図11
Description
本発明は、主に光通信に利用される光モニタ回路に関し、特に、信号光を増幅する際に発生する雑音光のパワー等を検出するモニタ機能を備えた光モニタ回路に関する。
光増幅器は光通信システムの長距離化および大容量化を実現するキーコンポーネントの1つである。光増幅器は反転分布媒質からの誘導放出を用いるレーザ増幅器と、ラマン散乱やブリルアン散乱などの非線形光学効果に基づく増幅器に分別される。さらに、レーザ増幅器には、希土類添加ファイバ増幅器と半導体増幅媒体を用いる半導体レーザ増幅器がある。前者は光励起により、また、後者は注入電流励起により光増幅器として動作する。これらの光増幅器の中で、希土類添加光ファイバ増幅器は、例えば、ビットレートフリー、高利得、低雑音、広帯域、低い結合損失、低偏光依存性、高効率などの性能面で大きな利点を有している。希土類添加光ファイバ増幅器の中でも、エルビウム(Er)ドープファイバ増幅器(Erbium-doped fiber amplifier:以下、EDFAとする)が一般的であり、現在、光ファイバ通信システムにおいて実用化されている。このような光増幅器については、適用される光通信システムの性能およびコストパフォーマンス等の向上を図るために、簡易な光回路構成を有しつつ、より高い性能を実現することが求められ、そのような光増幅器に対する需要が大きくなっている。
ところで、波長の異なる複数の光信号を含んだ波長多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)光の中継伝送を行うWDM用光通信システムにおいて、所定の伝送特性を満たすために、信号光パワーの波長特性は平坦であることが望まれる。しかしながら、光伝送路の条件や、希土類添加光ファイバ増幅器、ラマン増幅器等を用いた光増幅中継局における利得波長特性(例えば、チルトやリップルなど)の累積といった様々な要因により、受信側における信号光パワーの波長平坦性の劣化が問題視されている。このため、光増幅器の動作制御に関する1つの課題として、光増幅中継局の出力波長特性を制御する技術を確立することが挙げられる(第1の課題)。
また、光増幅器では光増幅に伴って雑音成分である自然放出光(ASE)が発生する。このASEは、光パワーレベルが信号光と比べて圧倒的に小さいものの、広い波長帯域に亘って発生する。このため、光増幅器の出力光を分岐して受光器で受ける一般的な出力モニタ技術を用いて出力一定制御や利得一定制御などといった光増幅器の制御を行う場合、信号光とともに雑音成分であるASEの光パワーが含まれるため、ASEの影響が出力モニタ結果に現れて光増幅器の制御精度を劣化させてしまう。また、上流に配置した光増幅器のASEにより、下流に配置した光増幅器の入力シャットダウン機能(入力信号光パワーの入力断を検出して光増幅器の励起光パワーをオフにする機能)も劣化してしまう。このようなASEに起因した問題は、特に、信号波長数がダイナミックに変わるシステム等ではASEの発生量も大きく変わるため深刻なものとなる。このため、光増幅器の動作制御に関する他の課題として、光増幅器で発生するASEパワーを正確に見積もって(モニタ)、当該光増幅器の制御目標値の補正および入力断検出閾値の補正を行う技術を確立することが挙げられる(第2の課題)。
さらに、光増幅器では、より大きな利得係数を有する波長域について、高い反転分布状態においてエネルギーが集中して発振動作し、雑音成分が増えて伝送特性を劣化させてしまうという問題もある。この光増幅器の発振現象は、光増幅媒体の利得と光増幅媒体の入出力側の反射減衰量との関係に応じた閾値を持っており、光増幅器の利得条件や構成光部品の反射減衰量劣化といった要因により上記のような問題が顕在化する。具体的には、例えば、光増幅器に入力される信号数が少ない場合や、光増幅媒体に繋がる光路上の光アイソレータにおけるアイソレーション量が劣化したときなどに、発振動作(雑音成分の増加)が顕著になる。このため、光増幅器の動作制御に関する別の課題として、予め分かっている利得係数の大きい波長域について、出力光レベルが発振閾値を超えないようにする制御技術を確立することが挙げられる(第3の課題)。
WDM用光通信システムの性能および信頼性の向上を図るためには、上記のような光増幅器の動作制御に関する第1〜第3の課題を同時に解決することが重要である。具体的には、第1の課題に対してWDM信号光パワーの波長特性を高い精度でモニタでき、また、第2および第3の課題に対してASE等の雑音光のパワーを高い精度でモニタできることが必要である。
従来の光増幅器における光パワーモニタの構成としては、例えば図12に示すように、WDM光の伝搬する主信号系の光路上に光分岐器101を挿入し、その光分岐器101の分岐ポートに光スペクトルアナライザ(OSA)102を配置して、光スペクトルアナライザ102でモニタされる光スペクトルの測定結果を可変利得等化器(VGEQ)103等に伝えて制御を実施する構成などが知られている。また、光スペクトルアナライザ102に代えて、光分岐器101の分岐ポートに波長分離デバイス(例えば、クレーティングや光フィルタ等)および受光器を設け、波長分離デバイスで分波した光を受光器で受光してパワーをモニタする構成もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−168841号公報
しかしながら、上記のような従来の光パワーモニタの構成では、光分岐器101および高価な光スペクトルアナライザ102若しくは波長分離デバイス等を光増幅器に新たに加える必要があるため、光回路構成の複雑化および高コスト化を招くという欠点がある。
また、図12の左下に例示したように、単位微小波長域あたりの光パワーが信号光に比べて圧倒的に小さいASE等の雑音光が光分岐器101において信号光と同じ分岐比で分岐される。光分岐器101の分岐比は、主信号光のパワーの減少を極力抑える必要が生じるため、モニタ光側の比率が低くなるように設定される(例えば、主信号光側が95〜99%、モニタ光側が1〜5%など)。このため、モニタ光に含まれる雑音光は極僅かとなり、光スペクトルアナライザ102で受光される雑音光のレベルは低く、従って、受光感度は悪く、雑音光パワーを所望の精度でモニタすることが困難になるという問題点もある。
上記のような従来構成の問題点を解消するための1つの手法として、例えば、光増幅器で発生する雑音光のパワーの典型的な値を実験やシミュレーション等により予め求め、その結果を用いて光増幅器の制御を行うようにすることが考えられる。しかし、このような手法では、光増幅媒体の部品個体差や環境(例えば、温度や湿度等)の変化、WDM光に含まれる信号光の波長数などに応じて雑音光の発生量がダイナミックに変化するため、光増幅器で発生する雑音光のパワーの値を正確に見積もることが難しい。このため、実際にモニタした光出力パワーについて雑音光成分の補正を正確に行うことができなくなるので、光増幅器の制御精度が悪くなり、WDM用光通信システムの性能および信頼性を劣化させてしまう。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、信号光を増幅する際に発生する雑音光パワーや信号光パワー等を簡易な光回路構成により高い精度で検出することのできるモニタ機能を備えた光モニタ回路を低コストで提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の光モニタ回路は、波長の異なる複数の光が伝搬する光ファイバ上に形成され、前記光ファイバの軸方向に対して格子面の法線方向を傾けて配置した回折格子を有し、前記光ファイバを伝搬する光のうちの第1波長帯域内の光に対する反射率と、前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域内の光に対する反射率とが相違するように、前記回折格子の反射特性が設計され、当該反射光を前記光ファイバのコア外に放射することが可能な光反射媒体と、前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第1波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第1受光部と、前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第2波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第2受光部と、を備え、前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成し、かつ、該ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有し、前記第1および第2受光部は、前記チルト・チャープ型ファイバグレーティングで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点距離に応じて配置されるものである。また、この光モニタ回路について、光ファイバを伝搬する光は、第1波長帯域内に信号光を含み、第2波長帯域内には雑音光のみが存在するものであり、光反射媒体は、第1波長帯域内の光に対する反射率よりも第2波長帯域内の雑音光に対する反射率が高くなるように、回折格子の反射特性が設計されたものであってもよい。
このような光モニタ回路によれば、第1および第2波長帯域内の各光のパワーが例えば信号光と雑音光のように大きく異なる場合でも、パワーの小さな帯域については選択的に高い反射率で反射させることによって、当該光のパワーを高い精度でモニタすることができるようになる。
本発明の光モニタ回路は、信号光が伝搬する光ファイバ上にチルト・チャープ型ファイバグレーティングを形成して、第1、2波長帯域の光を異なる反射率で反射させて光ファイバのコア外に放射させ、チルト・チャープ型ファイバグレーティングの反射光の焦点距離に応じて配置した第1、2受光部により各波長帯域の光のパワーを検出するようにしたことによって、各受光部の配置に応じた所望の波長分解能により各々の波長帯域の光パワーを高い精度でモニタすることができる。
なお、本発明の他の目的、特徴および効果については、以下の詳細な説明および添付図面によって明らかになるであろう。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
図1は、本発明の第1実施形態による光増幅器の構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の第1実施形態による光増幅器の構成を示すブロック図である。
図1において、第1実施形態の光増幅器は、例えば、入力信号光LINを増幅する光増幅部としての光増幅回路1と、光増幅回路1に接続する光ファイバF上に形成された光反射媒体2と、光反射媒体2で反射されて光ファイバFのコア外に放射される光を受光してパワーを検出する受光部としての受光器3と、受光器3の検出結果に基づいて光増幅回路1で発生する雑音光のトータルパワーを演算する演算部としての演算回路4と、を備える。また、この光増幅器は、光増幅回路1から出力され光ファイバFを伝搬する光の一部を分岐する光分岐器5と、光分岐器5で分岐された光を受光してパワーを検出する受光器6と、演算回路4および受光器6からの出力信号に応じて光増幅回路1を制御する制御回路7と、を有する。
光増幅回路1は、例えば、希土類添加光ファイバ増幅器やラマン増幅器、半導体光増幅器などの公知の光増幅器を用いて構成され、光ファイバFを介して入力される信号光LINを所要のレベルに増幅して光ファイバFに出力する。この光増幅回路1では、入力信号光LINを増幅する際に自然放出光(ASE)等の雑音光が発生する。よって、光増幅回路1からは、例えば図2に示すように、増幅された信号光LSおよび雑音光LNを含んだ出力光L1が光ファイバFに出力されることになる。なお、ここでは波長の異なる複数の信号光を含んだWDM光が光増幅回路1で増幅される一例を示したが、単一波長の信号光が光増幅回路1で増幅される場合でも本発明は有効である。
光反射媒体2は、光増幅回路1で発生するASE等の雑音光LNのうちで信号帯域ΔλS外の所定の波長領域ΔλNに存在する雑音光(図2参照)を予め設定した反射率に従って反射して光ファイバFのコア外に放射し、波長領域ΔλN以外の光を透過することが可能な構造を有する。図3は、光反射媒体2の透過波長特性の一例を示したものである。この光反射媒体2の具体例としては、ファイバグレーティング、フォトニック結晶、誘電体多層膜、マッハツェンダ型デバイス等がある。なお、光反射媒体2の好ましい構成例については後述する他の実施形態において詳しく説明することにする。
受光器3は、光反射媒体2で反射されて光ファイバFのコア外に放射される雑音光LRを受光可能な位置に配置され、その雑音光LRのパワーに応じてレベルの変化する電気信号を演算回路4に出力する。
演算回路4は、受光器3からの出力信号によって示される雑音光LRのパワーおよび光反射媒体2の波長領域ΔλNに対する反射率に基づいて、光増幅回路1で広い波長帯域に亘って発生する雑音光LNのトータルパワーを演算し、その演算結果を示す信号を制御回路7に出力する。上記の演算処理は、例えば、受光器3でモニタされる波長領域ΔλNの雑音光パワーと、光増幅回路1で発生する雑音光LNのトータルパワーとの関係を予め実験やシミュレーション等により求めたテーブルを参照して行われるものとする。また、このテーブルが良好な確度を有するようにするために、波長領域ΔλNの設定としては、光増幅回路1における利得係数の高い帯域が選択されるようにするのが望ましい。具体的な一例を挙げておくと、光増幅回路1にエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)を用い、信号帯域ΔλSをC−バンド(1.55μm帯)とした場合には、波長領域ΔλNとして1.53μm帯付近を選択するのが好適である。また、信号帯域ΔλSをL−バンド(1.58μm帯)とした場合には、波長領域ΔλNとして1.57μm帯付近を選択するのが好適である。
光分岐器5は、ここでは例えば、光反射媒体2後段の光ファイバF上に配置され、光反射媒体2を透過した光LTを予め設定された分岐比に従って2分岐し、一方の分岐光を出力光LOUTとして光増幅器の外部に出力すると共に、他方の分岐光をモニタ光LMとして受光器6に出力する。この光分岐器5は、上述の図12に示した従来構成における光分岐器101と同様に、主信号光のパワーの減少を抑えるために、モニタ光側の比率が低くなるように設定されている。光分岐器5で分岐されるモニタ光LMは、同じ分岐比で分岐された信号光LS’および雑音光LN’を含んだ光となる。
受光器6は、光分岐器5からのモニタ光LMを受光し、そのモニタ光LMのパワーに応じてレベルの変化する電気信号を制御回路7に出力する。
制御回路7は、受光器6からの出力信号を受けて出力光LOUTのトータルパワーを求めた後、演算回路4からの出力信号によって示される雑音光LNのトータルパワーを用いて雑音成分の補正を行い、信号光のみについての出力パワーを算出し、その結果に応じて光増幅回路1の動作を制御する。
制御回路7は、受光器6からの出力信号を受けて出力光LOUTのトータルパワーを求めた後、演算回路4からの出力信号によって示される雑音光LNのトータルパワーを用いて雑音成分の補正を行い、信号光のみについての出力パワーを算出し、その結果に応じて光増幅回路1の動作を制御する。
上記のような構成の光増幅器では、一般的な光増幅器に既に備えられている光分岐器5および受光器6によってモニタされるトータル出力パワー(信号光+雑音光)に加えて、光増幅回路1で発生する雑音光LNのトータルパワーが光反射媒体2、受光器3および演算回路4によってモニタされるようになり、その雑音光LNのトータルパワーを用いてトータル出力パワーの補正を行うことで、信号光のみについての出力パワーを高い精度でモニタすることが可能になる。これにより、信号光のみの出力パワーを利用して光増幅回路1の制御(例えば、出力一定制御や利得一定制御など)を行うことで、信号光の増幅を高い精度で安定して行うことができるようになる。
また、雑音光LNのトータルパワーをモニタするために光ファイバF上に形成される光反射媒体2は、信号帯域外の反射特性を付加するものであるため、光増幅器の本来の性能(例えば、利得や雑音指数(NF)等)を劣化させることがない。したがって、光反射媒体2における波長領域ΔλNの雑音光に対する反射量を、受光器3の受光感度に応じて任意に設計することができる。具体的には、光反射媒体2で反射される雑音光のパワーが、受光器3にて良好な受光感度が得られる受光レベル範囲(例えば、−30〜0dBm/ch)内に収まるように、光反射媒体2の反射特性を設計すればよい。よって、従来のように雑音光が光分岐器において信号光と同じ分岐比で分岐されることで雑音光パワーを十分な精度でモニタできないという課題を、簡略な光回路構成の付加により低コストで解決することが可能になる。
さらに、本実施形態の光増幅器を複数用いて構成した光通信システムにおいて、上流に配置される光増幅器の演算回路4で演算された雑音光LNのトータルパワーを下流に配置される光増幅器に伝達して、下流の光増幅器での信号光入力断検出における雑音光補正を行うようにすることも可能である。具体的には、下流の光増幅器において、例えば、上流の光増幅器から伝達される雑音光LNのトータルパワーをトータル出力光パワーから差し引いて信号光のみの光パワーを算出し、その算出結果に基づいて信号光の入力断を検出することができる。このようにすれば、上流の光増幅器で発生する雑音光の影響を殆ど受けることなく下流の光増幅器における入力シャットダウン制御を確実に実施することができる。
加えて、受光器3でモニタされる波長領域ΔλNの雑音光パワーを利用して、光増幅器の発振動作を回避する制御を行うことも可能である。すなわち、波長領域ΔλNが光増幅回路1における利得係数のピーク波長付近に設定されていれば、この波長領域ΔλNの雑音光パワーをモニタして、そのモニタ値が予め設定した発振閾値を超えないように光増幅回路1の増幅動作を制御することで、発振現象の発生を未然に防ぐことができるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態の光増幅器の構成を示すブロック図である。この第2実施形態の光増幅器の特徴は、WDM光を一括増幅する公知の光増幅器に一般的に具備されている利得等化光フィルタ(GEQ)8について、上述した第1実施形態における光反射媒体2としての機能を兼ね備えさせるようにしたものである。
図4は、第2実施形態の光増幅器の構成を示すブロック図である。この第2実施形態の光増幅器の特徴は、WDM光を一括増幅する公知の光増幅器に一般的に具備されている利得等化光フィルタ(GEQ)8について、上述した第1実施形態における光反射媒体2としての機能を兼ね備えさせるようにしたものである。
GEQ8は、例えば、光ファイバFの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成したチルト型(tilted)の構成と、ブラッグ回折格子の格子間隔を光ファイバFの軸方向に沿って徐々に変化させたチャープ型(chirped)の構成とを組み合わせたファイバグレーティング(以下、チルト・チャープ型FBGと表記する)とする。このチルト・チャープ型FBGは、信号帯域ΔλSに対して光増幅回路1の利得波長特性を平坦化可能な透過波長特性を有し、かつ、信号帯域外の波長領域ΔλNに存在する雑音光LNを反射して光ファイバFのコア外に放射することが可能な特性を有するように設計されている。なお、上記のように設計されたチルト・チャープ型FBGでは、信号帯域ΔλSの光の一部も光ファイバFのコア外に放射されるようになる。
図5および図6は、上記のチルト・チャープ型FBGを用いたGEQ8の透過波長特性および反射波長特性の一例を示す図である。各図に示すように、信号帯域ΔλSの光については、透過率が光増幅回路1の利得波長特性(図2参照)とは逆の波長依存性を持つように設計され、この信号帯域ΔλSの透過波長特性に対応して光ファイバFのコア外に放射される信号帯域ΔλSの光の反射量も変化する。また、信号帯域外の波長領域ΔλNについては、反射率が信号帯域ΔλSの平均的な反射率よりも高くなるように設計され、単位微小波長域あたりの光パワーが信号光に比べて圧倒的に小さい雑音光であっても受光器3で確実にモニタできるようになっている。
受光器3Nは、GEQ8で反射され光ファイバFのコア外に放射される波長領域ΔλNの雑音光LRNを受光してパワーを測定するものであり、雑音光LRNの焦点に応じた位置に配置される。また、各受光器31〜3Mは、GEQ8で反射され光ファイバFのコア外に放射される各信号光波長に対応した光LR1〜LRMをそれぞれ受光してパワーを測定するものであり、各々の光の焦点に応じた位置にそれぞれ配置される。なお、前述の図6において細線で示した各波長帯域は、各受光器3N,31〜3Mの受光範囲を概念的に表したものである。
演算回路4は、上述した第1実施形態の場合と同様にして、受光器3Nで測定される波長領域ΔλNの雑音光LRNのパワーおよびGEQ8の反射特性を基に、光増幅回路1で発生する雑音光LNのトータルパワーを演算する。また、各受光器31〜3Mで測定される各信号光波長に対応した光LR1〜LRMのパワーおよびGEQ8の反射特性を基に、本光増幅器から出力される出力光LOUTの波長特性を求め、さらに、トータル出力パワー(信号光+雑音光)も演算する。この演算回路4での演算結果は制御回路7に伝えられる。制御回路7では、第1実施形態の場合と同様にして、雑音光LNのトータルパワーを用いてトータル出力パワーの補正を行って信号光のみについての出力パワーを求めて、光増幅回路1の制御が行われる。
ここで、GEQ8に適用されるチルト・チャープ型FBGについて詳細に説明する。
まず、一般にファイバグレーティングとは、光ファイバのコアの紫外光誘起による屈折率変化を用いて、光ファイバ上にブラッグ回折格子(グレーティング)を形成したものであり、ブラッグ波長の光のみを反射(または遮断)する反射フィルタとして機能する。また、ファイバグレーティングは、光ファイバの長手方向に数万層もの格子を形成することにより、波長に対して反射率(または透過率)が急峻に変化するシャープなスペクトル特性を実現することができる。
まず、一般にファイバグレーティングとは、光ファイバのコアの紫外光誘起による屈折率変化を用いて、光ファイバ上にブラッグ回折格子(グレーティング)を形成したものであり、ブラッグ波長の光のみを反射(または遮断)する反射フィルタとして機能する。また、ファイバグレーティングは、光ファイバの長手方向に数万層もの格子を形成することにより、波長に対して反射率(または透過率)が急峻に変化するシャープなスペクトル特性を実現することができる。
具体的に、ファイバグレーティングのブラッグ反射波長λBは、光ファイバの伝搬モードに対する実屈折率nおよび格子間隔(グレーティングピッチ)Pを用いて、次の(1)式により表される。
λB=2nP…(1)
また、反射スペクトルの帯域幅ΔλBは、グレーティング長Lおよび屈折率変調の振幅Δnを用いて、(2)式により表される。
また、反射スペクトルの帯域幅ΔλBは、グレーティング長Lおよび屈折率変調の振幅Δnを用いて、(2)式により表される。
ΔλB={λB 2/(πnL)}×{π2+(πΔnL/λB)2}1/2…(2)
さらに、グレーティング反射率RBは、コア領域に含まれる伝搬光エネルギーの割合γを用いて、(3)式により表される。
さらに、グレーティング反射率RBは、コア領域に含まれる伝搬光エネルギーの割合γを用いて、(3)式により表される。
RB=tanh2(πLΔnγ/λB)…(3)
加えて、特定の波長の光を入射方向に反射するだけでなく、光ファイバの軸方向に対して斜めにグレーティングを作成することにより反射光をクラッド領域に放射させることができ、この後進クラッドモードへ結合した光は光ファイバ外に放出されることから、光スペクトルモニタや利得等化器等への応用例も報告されている(例えば、非特許文献1:C. K. Madsen et al., “Planar Waveguide Optical Spectrum Analyzer Using a UV-Induced Grating”, IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL.4, No.6,NOVEMBER/DECEMBER 1998,925-929.や、非特許文献2:Jefferson L. Wagener et al., “Fiber Grating Optical Spectrum Analyzer Tap”, ECOC,1997,65-68,postdeadline paper V.5.、非特許文献3:小向哲郎外1名,「光ファイバグレーティング技術の最近の展開」,信学技報OPE95−114(1995−12)等参照)。
加えて、特定の波長の光を入射方向に反射するだけでなく、光ファイバの軸方向に対して斜めにグレーティングを作成することにより反射光をクラッド領域に放射させることができ、この後進クラッドモードへ結合した光は光ファイバ外に放出されることから、光スペクトルモニタや利得等化器等への応用例も報告されている(例えば、非特許文献1:C. K. Madsen et al., “Planar Waveguide Optical Spectrum Analyzer Using a UV-Induced Grating”, IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL.4, No.6,NOVEMBER/DECEMBER 1998,925-929.や、非特許文献2:Jefferson L. Wagener et al., “Fiber Grating Optical Spectrum Analyzer Tap”, ECOC,1997,65-68,postdeadline paper V.5.、非特許文献3:小向哲郎外1名,「光ファイバグレーティング技術の最近の展開」,信学技報OPE95−114(1995−12)等参照)。
このようなチルト型FBGの真空中における反射波長λB’は、上述の(1)式に示したブラッグ反射波長λB(グレーティング方向が光ファイバの軸方向に対して垂直の場合)よりもクラッドモード実効屈折率差分だけ短波長側にずれるため、光ファイバのコアの実効屈折率ncoreおよびクラッドの実効屈折率ncladを用いて、次の(4)式により表される。
λB’=P(2ncore−nclad)…(4)
また、上記チルト型FBGの反射波長λB’と、図7に示すような反射光の放射角度θ0およびグレーティング面の斜度θTとの関係については、次の(5)式により表されることも知られている(前述の非特許文献1参照)。
また、上記チルト型FBGの反射波長λB’と、図7に示すような反射光の放射角度θ0およびグレーティング面の斜度θTとの関係については、次の(5)式により表されることも知られている(前述の非特許文献1参照)。
λB’=λB(1+cosθ0)/2cosθT…(5)
上記の(4)式および(5)式の関係より、反射光の放射角度θ0は、反射波長λB’とグレーティングピッチPに応じて決まることが分かる。反射波長λB’を固定した場合には、グレーティングピッチPが長いと放射角度θ0は大きな値になる。
上記の(4)式および(5)式の関係より、反射光の放射角度θ0は、反射波長λB’とグレーティングピッチPに応じて決まることが分かる。反射波長λB’を固定した場合には、グレーティングピッチPが長いと放射角度θ0は大きな値になる。
さらに、チルト型FBGについて、グレーティングピッチPを光ファイバの長手方向に徐々に変化させてチャープ型の構成とすることで、反射光はその波長ごとに異なる位置に集光することが知られている(例えば、米国特許第5,061,032号等参照)。すなわち、チルト・チャープ型FBGは、チャープ設計を適切に行うことで所望の波長の反射光を光ファイバの長手方向に沿った所定の位置に集光させることができる。そこで、本実施形態のGEQ8は、チルト・チャープ型FBGの上記の特性を利用して、波長領域ΔλNの雑音光および各信号光波長に対応した光を光ファイバFのコア外の異なる位置に集光させる。
チルト・チャープ型FBGの真空中における反射波長λB(z)は、図8に示すように、チルト・チャープ型FBGの形成される光ファイバの長手方向をZ軸とした場合に、位置zにおけるグレーティングピッチをP(z)として、次の(6)式により表されることが知られている(前述の非特許文献1参照)。
λB(z)=n{P(z)/cosθT}(1+cosθ0)…(6)
また、上記の反射波長λB(z)は、チルト・チャープ型FBGのチャープ量(光ファイバの長手方向に対する単位長さあたりのグレーティングピッチ変化量)をc(z)、チャープ型FBGの中心位置Z0から反射される光の波長をλB0として、次の(6)’式により表すこともできる。
また、上記の反射波長λB(z)は、チルト・チャープ型FBGのチャープ量(光ファイバの長手方向に対する単位長さあたりのグレーティングピッチ変化量)をc(z)、チャープ型FBGの中心位置Z0から反射される光の波長をλB0として、次の(6)’式により表すこともできる。
λB(z)=λB0+c(z)(z−z0)…(6)’
この反射波長λB(z)の光のX軸方向(光ファイバの長手方向に直交する方向)の集光位置x0および焦点距離fは、次の(7)式および(8)式で表すことができる。
この反射波長λB(z)の光のX軸方向(光ファイバの長手方向に直交する方向)の集光位置x0および焦点距離fは、次の(7)式および(8)式で表すことができる。
x0={z・tan[θ0(z)]}|z=z0…(7)
f=z0/cosθ0…(8)
上述したようなチルト・チャープ型FBGの設計パラメータ(グレーティングピッチP(z)、実効屈折率n、屈折率変調量Δn、グレーティング面の斜度θT、チャープ量c(z)等)を適切な値に設定することにより、GEQとしての機能(信号帯域ΔλSについて光増幅回路1の利得波長特性を平坦化可能な透過波長特性)を備えつつ、信号帯域外の波長領域ΔλNの雑音光および各信号光波長に対応した光を反射して光ファイバFのコア外に集光させる分波光学系を形成することができるようになる。
f=z0/cosθ0…(8)
上述したようなチルト・チャープ型FBGの設計パラメータ(グレーティングピッチP(z)、実効屈折率n、屈折率変調量Δn、グレーティング面の斜度θT、チャープ量c(z)等)を適切な値に設定することにより、GEQとしての機能(信号帯域ΔλSについて光増幅回路1の利得波長特性を平坦化可能な透過波長特性)を備えつつ、信号帯域外の波長領域ΔλNの雑音光および各信号光波長に対応した光を反射して光ファイバFのコア外に集光させる分波光学系を形成することができるようになる。
具体的には、信号帯域ΔλSについて所望の透過波長特性を実現するために、屈折率変調量Δnを調整して各波長に対する透過率の最適化を図ることが可能である(例えば、非特許文献4:丹羽敦彦外4名,「スラント型ファイバグレーティングを用いた利得等化器」,フジクラ技報,2002年10月参照)。
そして、GEQ本来の利得等化機能を損ねないようにするために、屈折率変調量Δn以外の設計パラメータを用いて、チルト・チャープ型FBGで反射させる光の波長λB(z)並びにその反射光の放射角度θ0および焦点距離fを最適化し、所望の波長帯の反射光が集光する位置に応じて各受光器3N,31〜3Mの配置を決めるようにする。
このようにして設計したチルト・チャープ型FBGの製作方法としては、FBGの長手方向の各位置における紫外線の照射時間および光量を制御することによって、各波長光に対する反射率(透過率)を変化させるのがよい。例えば、反射率を高くする場合、対象とする波長帯域の光の反射がなされるFBG長手方向の所定の位置にて、FBG形成時の紫外線照射時間または紫外線光量を増加させることで、屈折率変調量Δnを増加させるようにする。
チルト・チャープ型FBGにおける反射光の焦点距離fについては、実効屈折率n、チャープ量c(z)、グレーティング面の斜度θTおよび屈折率変調量Δnに依存して変化することが知られている(例えば、前述の非特許文献2参照)。焦点距離fを短くすることは、高い波長分解能を有しつつチルト・チャープ型FBGの近くに受光器を配置できることと等価であるため、モニタ精度の向上および光増幅器の小型化に有効である。焦点距離fを短くする場合にも、GEQ本来の利得等化機能を損ねないようにするために、屈折率変調量Δn以外の設計パラメータを用いるようにするのがよい。望ましくはチャープ量c(z)を選択してこれを大きくすることで、GEQとしての機能に殆ど影響を及ぼすことなく焦点距離fを短くすることが可能になる。例えば、波長分解能として0.1nmを得るのに18cm程度の焦点距離が必要になる場合に、チャープ量を547nm/cmから273nm/cmにすることで、その焦点距離を半分の9cmにできることが計算により求められる。なお、この一例は、焦点距離fを短くするために選択される設計パラメータがチャープ量c(z)に限定されることを意味するものではない。
上記の一例では、反射光の焦点距離に対応させて受光器を配置することを基本に考えているが、これとは逆に、敢えて焦点距離より短い位置に受光器を配置することで、モニタの波長分解能を許容範囲内で粗くして、光増幅器の小型化と受光器数の削減による低コスト化と図るという設計も可能である。具体的には、チルト・チャープ型FBGの設計パラメータで決定される各波長の反射光の焦点距離fに対し、この焦点距離fよりも受光器の位置を所要の波長分解能が得られるところまで近づけて、波長分解能を敢えて粗くすることで、光増幅器の小型化および受光器数の削減を図るようにしてもよい。このように、モニタの波長分解能と受光器の配置および数とは、光増幅器の所要性能に応じて任意に設計することが可能である。また、受光部のアセンブリを簡易化するための応用例として、各波長帯に対応した複数の受光器が一直線上に並ぶように配置を決めて、アレイ化された受光器(PDアレイ)を使用することも有効である。このような構成を適用することにより、さらに低コストで簡略な構成の光増幅器を実現することが可能になる。
上記のようにしてチルト・チャープ型FBGを用いたGEQ8の設計が行われた第2実施形態によれば、一般的なWDM用光増幅器に備えられているGEQを用いて、主信号光が伝搬する光ファイバF上にモニタ用の光分岐器等を挿入することなく、簡易な光回路構成のモニタ系を実現することができ、これにより、光増幅回路1で発生する雑音光LNのトータルパワーを高い精度でモニタすることが可能になると共に、各信号光波長に対応した光の出力パワーの波長特性もモニタすることが可能になる。これらのモニタ結果を用いて光増幅回路1の制御を行うことにより、例えば図9に示すように各波長の信号光パワーが所望のレベルで均一化された平坦な波長特性を有する光出力LOUTを安定して得ることができる。また、上記のGEQ8を利用したモニタ系は、基本的に、一般的なGEQについて信号帯域外に反射特性を付加したものに相当するため、GEQ本来の利得等化機能を損ねるようなこともない。さらに、信号帯域外の波長領域ΔλNに対するGEQ8の反射率は、信号帯域ΔλSの反射率に依存することなく、受光器3Nの性能等に応じて任意に設定することができるため、従来の光分岐器を用いたモニタ系に比べて大きなパワーの雑音光を受光して良好な精度で雑音光のモニタを行うことが可能になる。加えて、GEQ8に対する各受光器3N,31〜3Mの配置に応じてモニタの波長分解能を変えることができるため、所要の性能に対して過不足のないモニタ機能を実現できるというフレキシブル性も有している。
また、第2実施形態の光増幅器においても、上述した第1実施形態の場合と同様に、上流の光増幅器でモニタされた雑音光LNのトータルパワーを下流の光増幅器に伝達して、下流の光増幅器での信号光入力断検出における雑音光補正を行うことや、受光器でモニタされる雑音光パワーを利用して光増幅器の発振動作を回避する制御を行うことも勿論可能である。
なお、上記の第2実施形態では、チルト・チャープ型FBGを用いてGEQ8を構成する場合について詳しく説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、非特許文献5:花泉修外2名,「多次元周期構造体を用いた波長選択性デバイス」,波長集積・操作フォトニクス−光スペクトル資源の極限利用に向けて−平成15年度公開シンポジウム,講演論文集p.85-88,平成16年1月21-22日,などに記載されているフォトニック結晶をFBGに代えて利用してチルト・チャープ型の回折格子を形成することも可能である。
また、一般的なWDM用光増幅器に備えられているGEQについて光反射媒体としての機能を追加して雑音光パワー等のモニタを行うようにしたが、例えば、単一波長の信号光を増幅する光増幅器では、GEQの代わりに設けられる雑音光除去用の光フィルタについて、チルト型FBGを適用して光反射媒体としての機能を追加するようにしてもよい。
さらに、上記の第2実施形態では、信号帯域外の所定の波長領域ΔλNに存在する雑音光のモニタと、各信号光波長に対応した出力光の波長特性のモニタとを共通のGEQ8で同時に行うようにしたが、雑音光のモニタ機能を省略したチルト・チャープ型FBQを一般的なGEQに適用するようにしても本発明は有効である。この場合、従来の光分岐器等を用いた出力光のモニタ系に比べて簡易な光回路構成で出力光の波長特性をモニタすることが可能である。
加えて、上記の第2実施形態では、GEQ8で反射され光ファイバFのコア外に放射された光を各受光器3N,31〜3Mで直接受光する構成例を示したが、例えば、GEQ8と各受光器3N,31〜3Mとの間にレンズ媒体(具体例としては、ボールレンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ若しくはプリズムまたはこれらのレンズの組み合わせ等)を設けるようにして、各受光器3N,31〜3Mに到達する反射光の集光性を向上させるようにしてもよい。また、モニタの波長分解能が許容範囲内であれば、GEQ8の形成された光ファイバFのクラッド外面に近接させて各受光器を配置するようにしても反射光の減衰を抑えることが可能である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図10は、第3実施形態の光増幅器の構成を示すブロック図である。
図10において、第3実施形態の光増幅器は、分布ラマン増幅器(DRA)100およびエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)200を縦続接続した構成について本発明を適用した場合の具体例である。
図10は、第3実施形態の光増幅器の構成を示すブロック図である。
図10において、第3実施形態の光増幅器は、分布ラマン増幅器(DRA)100およびエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)200を縦続接続した構成について本発明を適用した場合の具体例である。
前段のDRA100は、励起光源(LD)110で発生するラマン増幅用励起光LP1を光合波器111を介して入力側の伝送路(光増幅媒体)に供給することで、該伝送路を伝搬する信号光をラマン効果により増幅する。この伝送路における信号光のラマン増幅に伴って雑音光が発生し、その雑音光がラマン増幅された信号光と伴に光合波器111を通過してDRA用利得等化器(GEQ)120に入力される。なお、ここでは伝送路を光増幅媒体とする分布ラマン増幅器の一例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば分散補償ファイバファイバ(DCF)などを光増幅媒体とし、それに励起光を注入して信号光をラマン増幅するDCFRA等を使用することも可能である。
DRA用GEQ120は、前述の第2実施形態におけるGEQ8と同様に、伝送路におけるラマン増幅の利得波長特性を平坦化する機能に加えて、信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光および各信号光波長に対応した光を反射して光ファイバFのコア外に放射する機能を有する。DRA用GEQ120で反射されて光ファイバFのコア外に放射された各波長の光は、受光器(PD)130で受光されて各々のパワーが測定され、その測定結果に基づいてラマン増幅により発生する雑音光のトータルパワーおよびラマン増幅された各波長の信号光出力パワーの波長特性が演算回路140で演算される。演算回路140の演算結果は、励起光源110を制御するDRA制御回路170に伝えられると共に、後段のEDFA制御回路270にも伝えられる。また、DRA用GEQ120を通過して後段のEDFA200に入力される光の一部が光分岐器150でモニタ光LM1として分岐され、そのモニタ光LM1のパワーが受光器(PD)160で測定される。受光器160での測定結果は、DRA制御回路170およびEDFA制御回路270にそれぞれ伝えられる。
EDFA200は、励起光源(LD)210で発生する励起光LP2が光合波器211を介して供給される前段側のEDF212と、励起光源(LD)215で発生する励起光LP3が光合波器216を介して供給される後段側のEDF217とからなる2段構成を有し、EDF212,217の段間に出力レベル制御用の可変光減衰器(VOA)280を備えると共に、光合波器216後段の光ファイバF上にはEDFA用GEQ220および光分岐器250が設けられている。EDFA用GEQ220は、前述の第2実施形態におけるGEQ8と同様に、EDF212,217の全体における利得波長特性を平坦化する機能に加えて、信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光および各信号光波長に対応した光を反射して光ファイバFのコア外に放射する機能を有する。EDFA用GEQ220で反射されて光ファイバFのコア外に放射された各波長の光は、受光器(PD)230で受光されて各々のパワーが測定され、その測定結果に基づいて各EDF212,217で発生する雑音光のトータルパワーおよび各EDF212,217で増幅された各波長の信号光出力パワーの波長特性が演算回路240で演算される。演算回路240の演算結果は、EDFA制御回路270に伝えられる。また、EDFA用GEQ220を通過した光の一部が光分岐器250でモニタ光LM2として分岐され、そのモニタ光LM2のパワーが受光器(PD)260で測定される。受光器260での測定結果は、EDFA制御回路270に伝えられる。EDFA制御回路270は、演算回路240および受光器160、260からの出力信号に基づいて、各励起光源210,215および可変光減衰器280をそれぞれ制御する。なお、図中のシステム監視制御回路300は、本光増幅器で増幅処理されるWDM光に含まれる信号光の波長数や波長配置等に関する信号光情報をDRA100およびEDFA200の各演算回路140,240に与えるものである。このシステム監視制御回路300からの信号光情報は、例えば、本光増幅器が用いられる光通信システムの運用状況(信号数や信号帯域等)の変化によりモニタ精度が劣化しないようにするために、各演算回路140,240で雑音光補正を行う際に参照される。
上記のような構成を備えた本実施形態の光増幅器では、前段のDRA100において、DRA用GEQ120、受光器130および演算回路140によりモニタされる信号帯域のDRA出力パワーの波長特性を基に、ラマン増幅用励起光LP1の供給状態(例えば、複数の波長の励起光を伝送路に供給している場合の各波長の励起光パワーの比率など)がDRA制御回路170により制御されてDRAの利得波長特性が最適化される。これにより変化したDRA出力のトータルパワーは、光分岐器150および受光器160によるモニタ値を基にして、ラマン増幅用励起光LP1の供給パワー等を調整することで所望のレベルに制御される。また、演算回路140で求められたラマン増幅により発生する雑音光のトータルパワーに関する情報が、演算回路140からEDFA制御回路270に伝えられる。
後段のEDFA200においては、EDFA用GEQ220、受光器230および演算回路240によりモニタされる、EDF212,217で発生する雑音光のトータルパワーおよび信号帯域の出力パワーの波長特性がEDFA制御回路270に伝えられると共に、光分岐器250および受光器260でモニタされる出力光LOUTのトータルパワーがEDFA制御回路270に伝えられる。そして、EDFA制御回路270では、EDF212,217で発生する雑音光だけでなく、前段のDRA100で発生した雑音光も加えて出力光LOUTについての雑音光補正が行われ、その結果に基づいて各励起光LP2,LP3の供給状態を調整することでEDFAの利得波長特性の制御が行われると共に、VOA280の減衰量を調整することで出力レベルの制御が行われる。また、EDFA制御回路270では、DRA100の演算回路140から伝えられる雑音光のトータルパワーを用いて、入力断検出のための閾値の雑音光補正が行われ、その閾値よりも受光器160のモニタ値が小さくなった場合に信号光の入力断を検出して、励起光源210,215等のシャットダウン制御が行われる。さらに、EDFA200が大きな利得係数を有する場合には、EDFA用GEQ220、受光器230および演算回路240により利得ピーク付近の波長領域の雑音光パワーをモニタするようにして、そのモニタ値が予め基準を設けておいた発振閾値を超えないように各励起光LP2,LP3のパワーが制御され、EDFA200の発振動作が回避される。
上記のように第3実施形態の光増幅器によれば、DRA100およびEDFA200でそれぞれ発生する雑音光並びにDRA100およびEDFA200の各出力パワーの波長特性を簡易な光回路構成により高い精度でモニタすることができ、そのモニタ結果に基づいてDRA100およびEDFA200の各種制御を行うことで、所望の出力レベルに制御された波長特性の平坦な信号光出力を安定して得ることができると同時に、雑音光の影響を受けることなく確実に入力シャットダウン制御を行うことが可能になる。
なお、上記の第3実施形態では、DRA100およびEDFA200を縦続接続した構成例を示したが、本発明の光増幅器の構成が上記の一例に限定されることを意味するものではなく、公知の構成の光増幅器に対して本発明のモニタ技術を適用することが可能である。
また、上述した第1〜第3実施形態では、光増幅器の内部に光反射媒体若しくは当該機能を付加したGEQ等の光フィルタを設けるようにしたが、本発明はこれに限らす、例えば図11に示すように、上流の光増幅器A1と下流の光増幅器A2の間を接続する伝送路上に光反射媒体2を配置し、その近傍に受光器3および演算回路4を設けて光モニタ回路を構成して、上流の光増幅器A1で発生する雑音光LNのパワーや信号光出力の波長特性などをモニタするようにしてもよい。このような光モニタ回路においても上述した各実施形態の場合と同様の効果を得ることが可能である。
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1)信号光を増幅する光増幅部と、
前記光増幅部に接続する光ファイバ上に配置され、前記光増幅部で発生する雑音光のうちで信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な光反射媒体と、
前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される雑音光を受光してパワーを検出する受光部と、
前記受光部の検出結果に基づいて前記光増幅部で発生する雑音光のトータルパワーを演算する演算部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部に接続する光ファイバ上に配置され、前記光増幅部で発生する雑音光のうちで信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な光反射媒体と、
前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される雑音光を受光してパワーを検出する受光部と、
前記受光部の検出結果に基づいて前記光増幅部で発生する雑音光のトータルパワーを演算する演算部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光増幅器。
(付記2)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部に接続する光ファイバ上に、予め設定した透過波長特性に従って信号光を透過する光フィルタデバイスを有するとき、該光フィルタデバイスに前記光反射媒体としての機能を具備させたことを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部に接続する光ファイバ上に、予め設定した透過波長特性に従って信号光を透過する光フィルタデバイスを有するとき、該光フィルタデバイスに前記光反射媒体としての機能を具備させたことを特徴とする光増幅器。
(付記3)付記2に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部は、波長の異なる複数の信号光を含んだ波長多重光を増幅し、
前記光フィルタデバイスは、前記波長多重光の信号帯域について前記光増幅部の利得波長特性を平坦化することが可能な透過波長特性を有し、かつ、信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有する利得等化光フィルタであることを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部は、波長の異なる複数の信号光を含んだ波長多重光を増幅し、
前記光フィルタデバイスは、前記波長多重光の信号帯域について前記光増幅部の利得波長特性を平坦化することが可能な透過波長特性を有し、かつ、信号帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有する利得等化光フィルタであることを特徴とする光増幅器。
(付記4)付記3に記載の光増幅器であって、
前記利得等化光フィルタは、前記各信号光の波長に対応した光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有し、
前記受光部は、前記利得等化光フィルタで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される雑音光を受光してパワーを検出する第1受光器と、前記利得等化光フィルタで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される前記各信号光の波長に対応した光を受光してパワーを検出する少なくとも1つの第2受光器と、を有し、
前記演算部は、前記第1受光器の検出結果に基づいて前記光増幅部で発生する雑音光のトータルパワーを演算すると共に、前記第2受光器の検出結果に基づいて信号帯域の光パワーの波長特性を判断することを特徴とする光増幅器。
前記利得等化光フィルタは、前記各信号光の波長に対応した光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有し、
前記受光部は、前記利得等化光フィルタで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される雑音光を受光してパワーを検出する第1受光器と、前記利得等化光フィルタで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される前記各信号光の波長に対応した光を受光してパワーを検出する少なくとも1つの第2受光器と、を有し、
前記演算部は、前記第1受光器の検出結果に基づいて前記光増幅部で発生する雑音光のトータルパワーを演算すると共に、前記第2受光器の検出結果に基づいて信号帯域の光パワーの波長特性を判断することを特徴とする光増幅器。
(付記5)付記2に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部は、単一波長の信号光を増幅し、
前記光フィルタデバイスは、前記信号光の波長を中心とする透過帯域を有し、かつ、該透過帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有する雑音光除去用光フィルタであることを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部は、単一波長の信号光を増幅し、
前記光フィルタデバイスは、前記信号光の波長を中心とする透過帯域を有し、かつ、該透過帯域外の所定の波長領域に存在する雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能な反射特性を有する雑音光除去用光フィルタであることを特徴とする光増幅器。
(付記6)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して格子面の法線方向を傾けて配置した回折格子を有し、前記光ファイバを伝搬する光の一部を前記回折格子で反射して前記光ファイバのコア外に放射することを特徴とする光増幅器。
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して格子面の法線方向を傾けて配置した回折格子を有し、前記光ファイバを伝搬する光の一部を前記回折格子で反射して前記光ファイバのコア外に放射することを特徴とする光増幅器。
(付記7)付記6に記載の光増幅器であって、
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成したチルト型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光増幅器。
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成したチルト型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光増幅器。
(付記8)付記7に記載の光増幅器であって、
前記光反射媒体は、前記ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光増幅器。
前記光反射媒体は、前記ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光増幅器。
(付記9)付記8に記載の光増幅器であって、
前記受光部は、前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点距離に応じた位置に配置されることを特徴とする光増幅器。
前記受光部は、前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点距離に応じた位置に配置されることを特徴とする光増幅器。
(付記10)付記8に記載の光増幅器であって、
前記受光部は、前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点位置よりも前記光反射媒体側に配置されることを特徴とする光増幅器。
前記受光部は、前記光反射媒体で反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点位置よりも前記光反射媒体側に配置されることを特徴とする光増幅器。
(付記11)付記6に記載の光増幅器であって、
前記光反射媒体は、前記光ファイバ上にフォトニック結晶を配置して前記回折格子を形成したことを特徴とする光増幅器。
前記光反射媒体は、前記光ファイバ上にフォトニック結晶を配置して前記回折格子を形成したことを特徴とする光増幅器。
(付記12)付記1に記載の光増幅器であって、
前記演算部で演算される雑音光のトータルパワーに基づいて、前記光増幅部の光出力パワーに含まれる雑音光パワーを補正することで信号光成分のみの光出力パワーを算出し、その算出結果に応じて前記光増幅部を制御する制御部を備えたことを特徴とする光増幅器。
前記演算部で演算される雑音光のトータルパワーに基づいて、前記光増幅部の光出力パワーに含まれる雑音光パワーを補正することで信号光成分のみの光出力パワーを算出し、その算出結果に応じて前記光増幅部を制御する制御部を備えたことを特徴とする光増幅器。
(付記13)付記1に記載の光増幅器であって、
前記演算部で演算される雑音光のトータルパワーを下流の光増幅器に伝え、該下流の光増幅器において、上流の光増幅器で発生する雑音光パワーをトータル出力光パワーから差し引いて算出した信号光のみの光パワーに基づいて信号光の入力断が検出されるようにしたことを特徴とする光増幅器。
前記演算部で演算される雑音光のトータルパワーを下流の光増幅器に伝え、該下流の光増幅器において、上流の光増幅器で発生する雑音光パワーをトータル出力光パワーから差し引いて算出した信号光のみの光パワーに基づいて信号光の入力断が検出されるようにしたことを特徴とする光増幅器。
(付記14)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光反射媒体は、前記光増幅部の利得ピーク波長近傍の雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能であり、
前記受光部で検出される前記利得ピーク波長近傍の雑音光パワーが予め設定した発振閾値よりも小さくなるように、前記光増幅部を制御する制御部を備えたことを特徴とする光増幅器。
前記光反射媒体は、前記光増幅部の利得ピーク波長近傍の雑音光を反射して前記光ファイバのコア外に放射することが可能であり、
前記受光部で検出される前記利得ピーク波長近傍の雑音光パワーが予め設定した発振閾値よりも小さくなるように、前記光増幅部を制御する制御部を備えたことを特徴とする光増幅器。
(付記15)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部は、希土類添加ファイバ増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部は、希土類添加ファイバ増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
(付記16)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部は、光増幅媒体に励起光を注入して信号光をラマン増幅するラマン増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部は、光増幅媒体に励起光を注入して信号光をラマン増幅するラマン増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
(付記17)付記1に記載の光増幅器であって、
前記光増幅部は、半導体光増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
前記光増幅部は、半導体光増幅器を含むことを特徴とする光増幅器。
(付記18)波長の異なる複数の光が伝搬する光ファイバ上に形成され、前記光ファイバの軸方向に対して格子面の法線方向を傾けて配置した回折格子を有し、前記光ファイバを伝搬する光のうちの第1波長帯域内の光に対する反射率と、前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域内の光に対する反射率とが相違するように、前記回折格子の反射特性が設計され、当該反射光を前記光ファイバのコア外に放射することが可能な光反射媒体と、
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第1波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第1受光部と、
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第2波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第2受光部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光モニタ回路。
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第1波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第1受光部と、
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第2波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第2受光部と、
を備えて構成されたことを特徴とする光モニタ回路。
(付記19)付記18に記載の光モニタ回路であって、
前記光ファイバを伝搬する光は、前記第1波長帯域内に信号光を含み、前記第2波長帯域内には雑音光のみが存在するものであり、
前記光反射媒体は、前記第1波長帯域内の光に対する反射率よりも前記第2波長帯域内の雑音光に対する反射率が高くなるように、前記回折格子の反射特性が設計されることを特徴とする光モニタ回路。
前記光ファイバを伝搬する光は、前記第1波長帯域内に信号光を含み、前記第2波長帯域内には雑音光のみが存在するものであり、
前記光反射媒体は、前記第1波長帯域内の光に対する反射率よりも前記第2波長帯域内の雑音光に対する反射率が高くなるように、前記回折格子の反射特性が設計されることを特徴とする光モニタ回路。
(付記20)付記18に記載の光モニタ回路であって、
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成したチルト型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光モニタ回路。
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成したチルト型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光モニタ回路。
(付記21)付記20に記載の光モニタ回路であって、
前記光反射媒体は、前記ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光モニタ回路。
前記光反射媒体は、前記ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有することを特徴とする光モニタ回路。
1…光増幅回路(AMP)
2…光反射媒体
3,3N,31〜3M,6…受光器(PD)
4…演算回路
5…光分岐器
7…制御回路
8…利得等化光フィルタ(GEQ)
F…光ファイバ
LS…信号光
LN…雑音光
LR,LRN,LR1〜LRM…反射光
ΔλS…信号帯域
ΔλN…信号帯域外の波長領域
100…分布ラマン増幅器(DRA)
200…エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)
2…光反射媒体
3,3N,31〜3M,6…受光器(PD)
4…演算回路
5…光分岐器
7…制御回路
8…利得等化光フィルタ(GEQ)
F…光ファイバ
LS…信号光
LN…雑音光
LR,LRN,LR1〜LRM…反射光
ΔλS…信号帯域
ΔλN…信号帯域外の波長領域
100…分布ラマン増幅器(DRA)
200…エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)
Claims (2)
- 波長の異なる複数の光が伝搬する光ファイバ上に形成され、前記光ファイバの軸方向に対して格子面の法線方向を傾けて配置した回折格子を有し、前記光ファイバを伝搬する光のうちの第1波長帯域内の光に対する反射率と、前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域内の光に対する反射率とが相違するように、前記回折格子の反射特性が設計され、当該反射光を前記光ファイバのコア外に放射することが可能な光反射媒体と、
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第1波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第1受光部と、
前記光反射媒体で反射され前記光ファイバのコア外に放射される前記第2波長帯域内の光を受光してパワーを検出する第2受光部と、を備え、
前記光反射媒体は、前記光ファイバの軸方向に対して斜めにブラッグ回折格子を形成し、かつ、該ブラッグ回折格子の格子間隔を前記光ファイバの軸方向に沿って徐々に変化させたチルト・チャープ型ファイバグレーティングを有し、
前記第1および第2受光部は、前記チルト・チャープ型ファイバグレーティングで反射されて前記光ファイバのコア外に放射される光の焦点距離に応じて配置されることを特徴とする光モニタ回路。 - 請求項1に記載の光モニタ回路であって、
前記光ファイバを伝搬する光は、前記第1波長帯域内に信号光を含み、前記第2波長帯域内には雑音光のみが存在するものであり、
前記光反射媒体は、前記第1波長帯域内の光に対する反射率よりも前記第2波長帯域内の雑音光に対する反射率が高くなるように、前記回折格子の反射特性が設計されることを特徴とする光モニタ回路。
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