JP2003234525A - 光増幅のための装置及び該装置を有するシステム - Google Patents

光増幅のための装置及び該装置を有するシステム

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JP2003234525A JP2003044456A JP2003044456A JP2003234525A JP 2003234525 A JP2003234525 A JP 2003234525A JP 2003044456 A JP2003044456 A JP 2003044456A JP 2003044456 A JP2003044456 A JP 2003044456A JP 2003234525 A JP2003234525 A JP 2003234525A
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optical filter
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進 木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は光増幅のための装置及びシステムに
関し、低いポンプ光のパワーの下で利得の波長依存性を
抑圧することができる光増幅のための装置の提供が主な
目的である。 【構成】 本発明による装置は、信号光のための入力端
12A及び出力端12Bを有する光増幅媒体12と、光
増幅媒体が予め定められた帯域において実質的に単純な
利得特性を有するように光増幅媒体をポンピングする手
段14´と、光増幅媒体の入力端及び出力端の少なくと
も何れかに光学的に接続され上記利得特性によって与え
られる利得の波長依存性を抑圧するような特性を有する
光フィルタとを備えている。この構成によると、実質的
に単純な利得特性を低いポンプ光のパワーの下で維持す
ることができるようになり、光フィルタによって利得の
波長依存性が抑圧される。従って、低いポンプ光のパワ
ーの下で利得の波長依存性を抑圧することができるよう
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、互いに
異なる波長を有する複数の光キャリアを含む波長分割多
重光を用いた光ファイバ通信に適した光増幅に関し、更
に詳しくは、そのような光増幅のための装置及び該装置
を有するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低損失(例えば0.2dB/k
m)な光ファイバの製造技術及び使用技術が確立され、
光ファイバを伝送路とする光通信システムが実用化され
ている。また、光ファイバにおける損失を補償して長距
離の伝送を可能にするために、信号光を増幅するための
光増幅器の使用が提案され或いは実用化されている。
【0003】従来知られている光増幅器は、増幅される
べき信号光が供給される光増幅媒体と、光増幅媒体が信
号光の波長を含む利得帯域を提供するように光増幅媒体
をポンピング(励起)する手段とを備えている。例え
ば、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)は、
光増幅媒体としてのエルビウムドープファイバ(ED
F)と、予め定められた波長を有するポンプ光をEDF
に供給するためのポンプ光源とを備えている。ポンプ光
の波長を0.98μm帯或いは1.48μm帯に設定し
ておくことによって、波長1.55μmを含む利得帯域
が得られる。また、半導体チップを光増幅媒体として有
する光増幅器も知られている。この場合、半導体チップ
に電流を注入することによってポンピングが行われる。
【0004】一方、一本の光ファイバによる伝送容量を
増大させるための技術として、波長分割多重(WDM)
がある。WDMが適用されるシステムにおいては、互い
に異なる波長を有する複数の光キャリアが用いられる。
各光キャリアを独立に変調することによって得られた複
数の光信号が光マルチプレクサにより波長分割多重さ
れ、その結果得られたWDM信号光が光ファイバ伝送路
に送出される。受信側では、受けたWDM信号光が光デ
マルチプレクサによって個々の光信号に分離され、各光
信号に基づいて伝送データが再生される。従って、WD
Mを適用することによって、当該多重数に応じて一本の
光ファイバにおける伝送容量を増大させることができ
る。
【0005】WDMが適用されるシステムに光増幅器を
組み入れる場合、利得傾斜(ゲインチルト)或いは利得
偏差で代表される利得の波長依存性によって伝送距離が
制限される。例えば、EDFAにおいては、信号帯域で
複雑な利得特性が生じ、この利得特性はEDFAへのト
ータル入力パワーやポンプ光パワーに従って変化するこ
とが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】利得の波長依存性を抑
圧するために、光増幅器と光フィルタとを組み合わせる
ことが提案されている。その組み合わせの構成及び得ら
れる効果の詳細については、特開平3−44206号、
特開平3−196125号、特開平8−213676
号、OAA’90,MD1,pp44−47を参照され
たい。
【0007】この組み合わせにおいて、光フィルタを光
増幅器の上流側(入力側)に配置する場合、雑音指数が
高くなる(悪くなる)。この場合における光フィルタの
挿入損失は、光増幅器の利得の調節によって補償可能で
ある。一方、光フィルタを光増幅器の下流側(出力側)
に配置する場合には、雑音指数が高くなることはない
が、光フィルタの挿入損失によって光出力パワーが低く
なる(小さくなる)。従って、従来技術による場合に
は、雑音指数が高くなることを許容して高出力化を図る
か或いは光出力パワーが低くなることを許容して低雑音
化を図るかの何れかを選択する必要があった。
【0008】1540〜1560nm帯域の利得の波長
依存性は、特にEDFAにおいては、ポンプ光のパワー
の適切な設定によって抑圧可能である。ポンプ光のパワ
ーが比較的低い場合には、波長が長くなるのに従って利
得が高くなる正の利得傾斜が得られ、ポンプ光のパワー
が比較的高い場合には、波長が長くなるのに従って利得
が低くなる負の利得傾斜が得られるので、利得傾斜がフ
ラットになるようにポンプ光のパワーを制御するのであ
る。しかし、利得傾斜をフラットにするために要求され
るポンプ光のパワーは一般に高いので、高出力なポンプ
光源が必要になる。高いパワーのポンプ光を得るための
レーザダイオードは高価であり、また、高いパワーのポ
ンプ光を得るために複数のレーザダイオードを組み合わ
せて用いる場合には、光回路の構成が複雑になる。
【0009】よって、本発明の目的は、低いポンプ光の
パワーの下で利得の波長依存性を抑圧することができる
光増幅のための装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、そのような装置を備
えたシステムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると、光増幅媒体を含む光増幅器と、利得の波長依存性
を抑圧するために光増幅器に動作的に接続される第1及
び第2の光フィルタとを備えた装置が提供される。
【0012】この出願において、ある要素と他の要素と
が「動作的に接続される」というのは、これらの要素が
直接接続される場合を含み、更に、これらの要素の間で
光信号又は電気信号の受渡しができる程度の関連性をも
ってこれらの要素が設けられている場合を含む。
【0013】光増幅媒体は信号光のための入力端及び出
力端を有している。光増幅媒体は光増幅媒体が利得帯域
を提供するようにポンピングされる。利得帯域は、信号
光に対して相対的に高い利得及び雑音指数を与える第1
の帯域と相対的に低い利得及び雑音指数を与える第2の
帯域とを含む。第1の光フィルタは、光増幅媒体の入力
端に光学的に接続されており、第2の帯域における利得
の波長依存性を抑圧するような特性を有している。第2
の光フィルタは、光増幅媒体の出力端に光学的に接続さ
れており、第1の帯域における利得の波長依存性を抑圧
するような特性を有している。
【0014】本発明の第1の側面に従うと、利得の波長
依存性を抑圧するために、光増幅器の入力側及び出力側
にそれぞれ設けられた2つの光フィルタ(第1及び第2
の光フィルタ)を用いて、各々の光フィルタにおいて利
得の波長依存性の適切な抑圧を行うことができるので、
低い雑音指数及び高い光出力パワーを得ることができ
る。
【0015】本発明の第2の側面によると、(a)信号
光に対して相対的に高い利得及び雑音指数を与える第1
の帯域と相対的に低い利得及び雑音指数を与える第2の
帯域とを含む利得帯域を光増幅媒体が提供するように該
光増幅媒体をポンピングするステップと、(b)上記第
2の帯域における利得の波長依存性を抑圧するような特
性を有する第1の光フィルタを通過した信号光を上記光
増幅媒体に供給するステップと、(c)上記光増幅媒体
から出力された信号光を上記第1の帯域における利得の
波長依存性を抑圧するような特性を有する第2の光フィ
ルタに供給するステップとを備えた方法が提供される。
【0016】信号光伝搬方向にカスケード接続された第
1及び第2の光増幅器を用いて本発明の第2の側面に従
う方法を実施する場合には、この方法を特に第2の光増
幅器に適用するのが効果的である。何故ならば、この方
法を第1の光増幅器だけに適用した場合には、第2の光
増幅器において新たな利得の波長依存性が生じる恐れが
あるからである。従って、より一般的には、カスケード
接続された複数の光増幅器を用いてこの方法を実施する
場合には、この方法を最終段(即ち出力側)の光増幅器
に適用するのが効果的である。
【0017】本発明の第3の側面によると、信号光のた
めの入力端及び出力端を有する光増幅媒体と、該光増幅
媒体が予め定められた帯域において実質的に単純な利得
特性を有するように該光増幅媒体をポンピングする手段
と、上記光増幅媒体の入力端及び出力端の少なくとも何
れかに光学的に接続され上記利得特性によって与えられ
る利得の波長依存性を抑圧するような特性を有する光フ
ィルタとを備えた装置が提供される。
【0018】望ましくは、光増幅媒体はEDFであり、
予め定められた帯域は1.54乃至1.56μmの波長
によって提供される。この場合、例えば、前述の実質的
に単純な利得特性は波長が長くなるに従って利得が増大
する利得傾斜を与え、光フィルタの特性は波長が長くな
るに従って損失が増大する損失傾斜を与える。
【0019】本発明の第3の側面に従うと、実質的に単
純な利得特性を低いポンプ光のパワーの下で維持するこ
とができるようになり、光フィルタによって利得の波長
依存性が抑圧される。従って、低いポンプ光のパワーの
下で利得の波長依存性を抑圧することができるようにな
る。
【0020】本発明の第4の側面によると、Er(エル
ビウム)を含むドーパントがドープされたドープファイ
バと、該ドープファイバが予め定められた帯域において
波長が長くなるに従って利得が増大する利得傾斜を有す
るように上記ドープファイバをポンピングする手段と、
上記ドープファイバに動作的に接続され上記利得傾斜を
抑圧する損失傾斜を有する光フィルタとを備えた装置が
提供される。
【0021】本発明の第5の側面によると、第1及び第
2の端局と、第1及び第2の端局を結ぶ光ファイバ伝送
路と、光ファイバ伝送路の途中に設けられる少なくとも
1つの光中継器とを備えたシステムが提供される。第1
の端局は、互いに異なる波長を有する複数の光信号をそ
れぞれ出力する複数の光送信機と、複数の光信号を波長
分割多重してWDM信号光にしてWDM信号光を光ファ
イバ伝送路に出力する光マルチプレクサとを含む。第2
の端局は、光ファイバ伝送路により伝送されたWDM信
号光を複数の光信号に分ける光デマルチプレクサと、複
数の光信号をそれぞれ受ける複数の光受信機とを含む。
光中継器は、本発明の第1、第3若しくは第4の側面に
よる装置又は該装置の後述する種々の実施形態を含む。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の望ましい実施形態を
添付図面に沿って詳細に説明する。全図を通して実質的
に同一の部分には同一の符号が付される。
【0023】図1は本発明による光増幅のための装置の
第1の基本構成を示すブロック図である。この装置は増
幅すべき信号光を受けるための入力ポート2と増幅され
た信号光を出力するための出力ポート4とを有してい
る。
【0024】入力ポート2及び出力ポート4間には、第
1の光フィルタ6と光増幅器8と第2の光フィルタ10
とがこの順に設けられている。
【0025】光増幅器8は、信号光のための入力端12
A及び出力端12Bを有する光増幅媒体12と、光増幅
媒体12が利得帯域を提供するように光増幅媒体12を
ポンピングするためのポンピングユニット14とを含
む。
【0026】図2を用いて、図1の光増幅媒体12によ
って提供される利得帯域について説明する。図2におい
て、縦軸は光パワー(dBm)又は利得(dB)であ
り、横軸は波長である。
【0027】光増幅媒体12がポンピングユニット14
によりポンピングされると、信号光のスペクトルS1及
びS2に対して利得特性16を与える利得帯域GBが生
じる。利得特性16は、光増幅媒体12における利得の
波長依存性を表している。
【0028】尚、小信号に対する利得特性は、光増幅媒
体におけるASE(増幅された自然放出光)ノイズのス
ペクトルで近似可能である。
【0029】図2において、利得帯域GBは、信号光
(スペクトルS1)に対して相対的に高い利得を与える
第1の帯域B1と、信号光(スペクトルS2)に対して
相対的に低い利得を与える第2の帯域B2とを含む。第
1の帯域B1においては、発生するASEノイズが比較
的多いことにより、雑音指数は高くなる(悪くなる)。
第2の帯域B2においては、発生するASEノイズが比
較的少なくなるので、雑音指数は低くなる(良くな
る)。
【0030】図3の(A)及び(B)はそれぞれ図1の
第1の光フィルタ6及び第2の光フィルタ10の特性を
示すグラフである。各グラフにおいて縦軸は透過損失
(dB)、横軸は波長である。
【0031】第1の光フィルタ6は、図3に(A)に示
されるように、第2の帯域B2における利得の波長依存
性を抑圧(望ましくは相殺)するような特性を有してい
る。第2の帯域B2に含まれない波長においては、透過
損失は、光フィルタ6の最小挿入損失により与えられ、
その値は理想的には0(db)であり現実的には小さい
値である。
【0032】第2の光フィルタ10は、図3の(B)に
示されるように、第1の帯域B1における利得の波長依
存性を抑圧(望ましくは相殺)するような特性を有して
いる。第1の帯域B1に含まれない波長における透過損
失は、光フィルタ10の最小挿入損失により与えられ、
その値は、理想的には0(db)であり現実的には小さ
い値である。
【0033】図4を参照すると、図1の装置の出力光の
スペクトルの例が示されている。ここでは、入力ポート
2に入力される信号光は波長λ1,λ2,…,λnを有す
る複数の光信号を波長分割多重してなるWDM信号光で
あるとし、各光信号のパワーは等しいとしている。
【0034】出力ポート4から出力される増幅されたW
DM信号光は、本発明の適用により、図4に示されるよ
うに、利得の波長特性が平坦化され比較的平坦なASE
スペクトルにそれぞれの光信号に対応する急峻なスペク
トルが重畳されたスペクトルを有している。
【0035】そして、第1の光フィルタ6及び第2の光
フィルタ10によって光増幅媒体12における利得の波
長依存性が抑圧されていることから、出力されたWDM
信号光における各信号のパワーは実質的に等しくなる。
このように、本発明による装置の第1の基本構成による
と、利得の波長依存性を抑圧することができる。
【0036】本発明は増幅されるべき信号光がWDM信
号光であることによっては限定されない。増幅されるべ
き信号光は単一チャネルの光信号であってもよい。この
場合、光信号を生成する光源の温度変動等に起因して光
信号の波長が変化する可能性があるので、従って、単一
チャネルの光信号の波長変動に対しても本発明は有効で
ある。
【0037】次に、図1の装置において低い雑音指数及
び高い光出力パワーが得られる理由について詳細に説明
する。ここでは、前段光増幅器及び後段光増幅器をカス
ケード接続してなる2段構成を想定する。この2段構成
において、前段光増幅器及び後段光増幅器の間に光フィ
ルタを挿入した場合におけるトータルの雑音指数(N
F)は次の式で与えられる。
【0038】
【数1】
【0039】ここで、NFfは前段光増幅器の雑音指数
(dB),NFrは後段光増幅器の雑音指数(dB),
Aは光フィルタによる損失(dB),Gは前段光増幅器
の利得(dB)であり、各パラメータは波長の関数であ
る。
【0040】このように、2段構成のトータルの雑音指
数NFは、前段光増幅器の雑音指数NFf及び利得G
と、後段光増幅器の雑音指数NFrと、前段光増幅器及
び後段光増幅器の間に挿入された光フィルタによる損失
Aとに依存する。上述の式より、光フィルタの挿入損失
Aが小さいほどトータルの雑音指数NFが低くなること
になる。
【0041】また、前段光増幅器及び後段光増幅器の間
に光フィルタを挿入する場合と、前段光増幅器及び後段
光増幅器の間には光フィルタを挿入せずにその代わりに
後段光増幅器の出力側に光フィルタを設ける場合とを比
較すると、光フィルタによる損失が同じであれば、トー
タルの雑音指数は後者の場合についてのもののほうが低
い。つまり、後者についての雑音指数は光フィルタによ
る損失によって原理的には劣化しないのである。
【0042】そこで、本発明による第1の基本構成を後
段光増幅器に適用する場合には、雑音指数が比較的高い
光信号については、雑音指数をそれ以上劣化させないた
めに、利得の補償を行うための光フィルタを後段光増幅
器の出力側に設けるのである。
【0043】一方、後段光増幅器の出力側に光フィルタ
を設けると、光フィルタによる損失分だけ光出力パワー
が低くなる。これに対して、前段光増幅器及び後段光増
幅器の間に光フィルタを挿入する場合には、その損失は
後段光増幅器の入力対利得特性(例えば図5を参照)に
より補償することができる。
【0044】そこで、本発明による第1の基本構成を後
段光増幅器に適用する場合には、雑音指数が低い光信号
については、できるだけ高い光出力パワーを得るため
に、利得の補償を行うための光フィルタを前段光増幅器
及び後段光増幅器の間に挿入するのである。
【0045】このように、前段光増幅器及び後段光増幅
器の間への光フィルタの挿入は雑音特性を劣化させ、ま
た、後段光増幅器の出力側に光フィルタを設けることは
光出力パワーを低くしてしまうので、他信号に比べて雑
音指数が高く且つ利得が大きい信号に対して利得を補正
する光フィルタは後段光増幅器の出力側に設け、且つ、
他信号に比べて雑音指数が低く且つ利得が小さい信号に
対して利得を補正する光フィルタは後段光増幅器の入力
側に設けるのである。更に一般的にいえば、本発明で
は、光フィルタを複数の位置に設けて、波長選択性を持
たせて利得を補正しているのである。雑音特性に敏感な
信号に注意を払って利得を補正することで、光フィルタ
を用いない場合における雑音指数よりも雑音指数が低く
なることがなく且つ高い光出力パワーを得ることができ
る。また、本発明により雑音指数の偏差が小さくなる
が、これについては後述の実証実験の結果により説明す
る。
【0046】このように、本発明によると、従来のよう
に単に光出力を波長に対して等しくする利得等化でな
く、伝送品質が光SNR(信号対雑音比)によって決定
されることに着目して、光出力と同時に雑音指数もでき
るだけ低い値に揃えて保つことを可能にした、所謂光S
NR等化という新しい技術が提供される。
【0047】光増幅媒体12としては、希土類元素を含
むドーパントがドープされたドープファイバを用いるこ
とができる。この場合、ポンピングユニット14は、光
増幅媒体12の第1端12A及び第2端12Bの少なく
とも一方から光増幅媒体12にポンプ光を供給するため
のポンプ光源を含む。
【0048】波長1.55μmを含む利得帯域を得るた
めには、Er(エルビウム)を含むドーパントが選択さ
れる。この場合、例えば、第1の帯域B1は1.52乃
至1.54μmの波長によって提供され、第2の帯域B
2は1.54乃至1.56μmあるいは1.54乃至
1.58μmの波長によって提供される。
【0049】ドーパントがErを含む場合、ポンプ光の
波長は0.98μm帯(0.96乃至1.00μm)或
いは1.48μm帯(1.46乃至1.50μm)にあ
ることが望ましい。
【0050】光増幅媒体12として半導体チップを用い
ることもできる。この場合、ポンピングユニット14は
半導体チップに電流を注入するための電流源を含む。
【0051】第1の光フィルタ6及び第2の光フィルタ
10の各々には次のようなことが要求される: (a)透過特性の設計値を精度良く実現すること; (b)透過特性の温度依存性が小さいこと; (c)挿入損失が小さいこと; (d)偏光依存性が小さいこと; (e)波長分散が小さいこと; (f)反射光(除去された光)が信号伝送路外に放出さ
れること。
【0052】これらの要求のうち1つ又は2つ以上の要
求を満足させるためには、第1の光フィルタ6及び第2
の光フィルタ10の各々としては、マッハツェンダ光フ
ィルタ(例えばInGaAsP/InP系半導体)、干
渉膜光フィルタ(誘電体多層膜)、或いはファイバグレ
ーティング型光フィルタを用いることができる。特に、
後述するようなファイバグレーティングを用いることに
よって、前述した要求の多くを満足させることができ
る。
【0053】図6は図1の装置の実施形態を示すブロッ
ク図である。ここでは、光増幅器8の光増幅媒体12と
しては、エルビウムドープファイバ(EDF)18が用
いられている。利得帯域を広くするために、EDF18
にAl(アルミニウム)の化合物がドープされていても
よい。ポンピングユニット14は、1.48μm帯に含
まれる波長を有するポンプ光を出力するポンプ光源20
と、ポンプ光をEDF18の第1端18AからEDF1
8に供給するためのWDMカプラ22とを含む。
【0054】光増幅器8は、更に、WDMカプラ22と
EDF18の第1端18Aとの間に接続される光アイソ
レータ24と、EDF18の第2端18Bと第2の光フ
ィルタ10との間に接続される光アイソレータ26とを
有している。
【0055】第1の光フィルタ6とWDMカプラ22と
の間には、可変光減衰器28と、入力モニタ光を得るた
めの分岐カプラ30とがこの順に設けられている。入力
モニタ光はフォトダイオード等からなるフォトディテク
タ(PD)32に供給される。フォトディテクタ32か
ら出力される電気信号には光増幅器8の入力レベルが反
映され、この電気信号は利得特性を一定に保つための自
動利得制御(AGC)回路34に供給される。
【0056】第2の光フィルタ10と出力ポート4の間
には出力モニタ光を得るための分岐カプラ36が設けら
れている。出力モニタ光はフォトディテクタ38に供給
される。フォトディテクタ38から出力される電気信号
には光増幅器8の出力レベルが反映され、その電気信号
はAGC回路34に供給される。
【0057】AGC回路34は、光増幅器8の入力レベ
ル及び出力レベルに基づきポンプ光源20から出力され
るポンプ光のパワーを制御し、その結果、EDF18に
よって与えられる利得特性が一定に保たれる。例えば、
AGC回路34は、光増幅器8の入力レベル及び出力レ
ベルの比が一定になるようにポンプ光のパワーを調節す
る。
【0058】フォトディテクタ38の出力電気信号は自
動レベル制御(ALC)回路40にも供給される。
【0059】ALC回路40は、光増幅器8の出力レベ
ルが一定に保たれるように可変光減衰器28による減衰
を制御する。
【0060】特にこの実施形態では、第1の光フィルタ
6の上流側に第2の光増幅器42が付加的に設けられて
いる。即ち、この装置は2段構成を有しており、光増幅
器42及び8はそれぞれ前段光増幅器及び後段光増幅器
として機能する。光増幅器42を複数にすることによっ
て、この装置は多段構成となる。
【0061】光増幅器42は、EDF44と、0.98
μm帯に含まれる波長を有するポンプ光を出力するポン
プ光源46と、ポンプ光をEDF44の第1端44Aか
らEDF44に供給するためのWDMカプラ48とを備
えている。
【0062】EDF44の第2端44Bは光アイソレー
タ50及び分岐カプラ52を介して第1の光フィルタ6
に接続される。分岐カプラ52により分岐された出力モ
ニタ光はフォトディテクタ54に供給される。フォトデ
ィテクタ54から出力される電気信号には光増幅器42
の出力レベルが反映され、この電気信号はAGC回路5
6に供給される。
【0063】入力ポート2とWDMカプラ48との間に
は、光アイソレータ58及び分岐カプラ60がこの順に
接続されている。分岐カプラ60により分岐された入力
モニタ光はフォトディテクタ62に供給される。フォト
ディテクタ62から出力される電気信号には光増幅器4
2の入力レベルが反映され、この電気信号はAGC回路
56に供給される。
【0064】AGC回路56は、光増幅器42の入力レ
ベル及び出力レベルに基づきポンプ光源46から出力さ
れるポンプ光のパワーを制御し、この制御の結果、ED
F44によって与えられる利得特性が一定に保たれる。
AGC回路56は、例えば、光増幅器42の入力レベル
及び出力レベルの比が一定になるようにポンプ光をパワ
ーを調節する。
【0065】ポンプ光源20及び46の各々としてはレ
ーザダイオード(LD)を用いることができる。この場
合、各ポンプ光のパワーは各レーザダイオードの駆動電
流により調節することができる。
【0066】入力ポート2に入力されたWDM信号光
は、まず前段光増幅器42によって増幅される。この増
幅プロセスにおいては、AGC回路56が採用されてい
ることにより、利得特性(利得の波長依存性)は光増幅
器42の入力レベルに係わらず一定である。
【0067】増幅されたWDM信号光は、次いで、第1
の光フィルタ6を通過する。フィルタ6においては、第
2の帯域B2に含まれる光信号について利得補償が行わ
れる。
【0068】フィルタ6を通過したWDM信号光は、可
変光減衰器28によって制御された減衰を受けた後、後
段光増幅器8に供給される。
【0069】光増幅器8における増幅プロセスにおいて
は、AGC回路34が採用されていることにより、利得
特性は光増幅器8の入力レベルに係わらず一定である。
【0070】光増幅器8により増幅されたWDM信号光
は次いで第2の光フィルタ10を透過する。フィルタ1
0においては、第1の帯域B1に含まれる光信号につい
て利得補償が行われる。フィルタ10を透過したWDM
信号光は出力ポート4から出力される。
【0071】ALC回路40及び可変光減衰器28の採
用により、入力レベルに係わらず出力光パワーを一定に
保つことができる。ここで、可変光減衰器28を用いて
出力光パワーについてのALCを行うようにしているの
は、光増幅器8及び42の各々において利得特性を一定
に保つために各ポンプ光のパワーが制御されており、各
ポンプ光のパワーの調節によってALCを行うことがで
きないからである。
【0072】光増幅器8及び42の各々において利得特
性が一定に保たれていることにより、フィルタ6及び1
0の各々が固定された特性を有しているにも係わらず、
この装置における利得の波長依存性は常に抑圧される。
即ち、入力レベルに係わらず利得の波長依存性の抑圧が
可能になるのである。
【0073】この実施形態において、前段光増幅器42
におけるポンプ光の波長を0.98μm帯に設定してい
るのは、比較的パワーが小さい信号光の増幅過程におい
て雑音特性が大きく劣化することを防止するためであ
る。0.98μm帯の波長を有するポンプ光によるED
Fのポンピングは、増幅器を低雑音化する上で有効であ
る。
【0074】また、後段光増幅器8におけるポンプ光の
波長を1.48μm帯に設定しているのは、高い光出力
パワーを得るためである。0.98μm帯で発振するレ
ーザダイオードに比べて1.48μm帯で発振するレー
ザダイオードの高出力化は容易であり、従って、そのよ
うなハイパワーなポンプ光を用いることによって装置の
光出力パワーを大きくすることができる。
【0075】図6の実施形態においては、光増幅器8及
び42の各々において信号光及びポンプ光が当該EDF
内を同じ向きに伝搬するようにされ、フォワードポンピ
ングがなされているが、信号光及びポンプ光が光増幅媒
体内を互いに逆向きに伝搬するようにしてバックワード
ポンピングを行ってもよい。また、各光増幅媒体に対し
て2つのポンプ光源を用いてその光増幅媒体に対してフ
ォワードポンピング及びバックワードポンピングの両
方、即ち双方向ポンピングを行うようにしてもよい。そ
の際には、異なるポンプ光波長(例えば0.98μmと
1.48μm)によるハイブリッドの双方向ポンピング
を実現してもよい。
【0076】また、第1の光フィルタ6、可変光減衰器
28及び分岐カプラ30は信号光伝搬方向にこの順に設
けられているが、これらの配置順序は任意である。ま
た、第2の光フィルタ10及び分岐カプラ36は入れ換
えて配置されてもよい。即ち、フィルタ6及び10の各
々はAGCのためのループの内側にあってもよいし、外
側にあってもよいのである。
【0077】図7の(A)〜(D)は本発明による第1
の基本構成の優位性を従来技術との対比により立証する
ための比較実証実験で用いた装置の構成を示す図であ
る。
【0078】図7の(A)は光フィルタを用いない2段
構成の従来技術を示している。入力ポート2及び出力ポ
ート4間に、前段光増幅器42、可変光減衰器28及び
後段光増幅器8がこの順に設けられている。
【0079】図7の(B)は2段構成の間にだけ光フィ
ルタが挿入された従来技術を示している。入力ポート2
及び出力ポート4間に、前段光増幅器42、可変光減衰
器28、組み合わせ光フィルタ64及び後段光増幅器8
がこの順に設けられている。組み合わせ光フィルタ64
は本発明に適用可能な第1の光フィルタ6と第2の光フ
ィルタ10とをカスケード接続して構成される。
【0080】図7の(C)は2段構成の出力側にだけ光
フィルタを設けた従来技術を示している。組み合わせフ
ィルタ64は後段光増幅器8及び出力ポート4間に設け
られている。
【0081】図7の(D)は本発明が適用される装置を
示している。入力ポート2及び出力ポート4間には、前
段光増幅器42、可変光減衰器28、第1の光フィルタ
6、後段光増幅器8及び第2の光フィルタ10がこの順
に設けられている。
【0082】尚、実験では、各前段光増幅器42におけ
るポンプ光のパワーは100mWに設定され、各後段光
増幅器8におけるポンプ光のパワーは150mWに設定
され、各可変光減衰器28における減衰は−12.7d
Bに設定された。
【0083】図8の(A),(B)及び(C)は、それ
ぞれ、実験で用いた第1の光フィルタ6、第2の光フィ
ルタ10及び組み合わせフィルタ64の特性を示すグラ
フである。各グラフにおいて、縦軸は透過損失(d
B)、横軸は波長(μm)である。この実験で用いたフ
ィルタ6,10及び64の各々はファイバグレーティン
グによって提供された。
【0084】第1の光フィルタ6は、図8の(A)に示
されるように、相対的に低い利得及び雑音指数を与える
概略1.54乃至1.56μmの帯域における利得の波
長依存性を抑圧するような特性を有していた。
【0085】第2の光フィルタ10は、図8の(B)に
示されるように、相対的に高い利得及び雑音指数を与え
る概略1.52乃至1.54μmの帯域における利得の
波長依存性を抑圧するような特性を有していた。
【0086】従って、組み合わせフィルタ64は、図8
の(C)に示されるように、概略1.52乃至1.56
μmの帯域における利得の波長依存性を抑圧するような
特性を有していた。
【0087】図9の(A)〜(D)は、それぞれ、図7
の(A)〜(D)で得られた出力光のスペクトルを示す
グラフである。各グラフにおいて、縦軸は光パワー(d
Bm)、横軸は波長(μm)である。実験では、1.5
2乃至1.56μmの帯域にそれぞれ含まれる波長を有
する5チャネルの光信号を波長分割多重してなるWDM
信号光が用いられた。各入力ポート2における各チャネ
ルの光信号のピークパワーは−19.9dBmに設定さ
れた。
【0088】実験では、図7の(A)〜(D)の各々の
構成において、最小光出力パワーP min(dBm)、光
出力パワーの偏差(最大光出力パワー及び最小光出力パ
ワー間の偏差)ΔP(dB)、最大(最悪)雑音指数N
max(dB)及び雑音指数偏差(最大(最悪)雑音指
数及び最小(最良)雑音指数間の偏差)ΔNF(dB)
が測定され、測定結果が比較された。測定結果を表1に
示す。
【0089】
【表1】
【0090】実験結果の比較から、次のことがわかる: (1)図7の(C)との比較において、雑音指数の偏差
ΔNFが0.54(=0.89−0.35)dB低減さ
れた; (2)図7の(B)との比較において、最大雑音指数N
maxが0.62(=7.042−6.422)dB改
善された; (3)図7の(A)との比較において、光出力パワーの
偏差ΔPが4.26(=6.37−2.11)dB低減
された; (4)図7の(C)との比較において、最小光出力パワ
ーPminが1.83(=3.35−1.52)dB改善
された; (5)図7の(B)との比較において、全てのチャネル
の光信号について雑音指数が改善された(最大で0.6
2dB); (6)図7の(C)との比較において、全てのチャネル
の光信号について光出力パワーが増大した。
【0091】以上の通り、多段構成における最終段に本
発明による第1の構成を適用することによる技術的効果
が実証された。
【0092】尚、図7の(A)〜(D)の全ての構成に
おいて、最小光出力パワーPminは実験で用いた5チャ
ネルの光信号の内、最短波長チャネルから2つ目のチャ
ネルの光信号によって与えられ、最大雑音指数NFmax
は最短波長チャネルの光信号によって与えられた。
【0093】図10は本発明による装置の第2の基本構
成を示す図である。この装置は、増幅されるべき信号光
が供給される入力ポート2と、増幅された信号光を出力
するための出力ポート4とを有している。信号光は、そ
の波長が変動する可能性を有する単一波長チャネルの信
号光であってもよいし、互いに異なる波長を有する複数
の光信号を波長分割多重してなるWDM信号光であって
もよい。
【0094】入力ポート2及び出力ポート4間には、信
号光の伝搬方向に向かって、光フィルタ66及び光増幅
器8′がこの順に設けられている。光フィルタ66は符
号66′で示されるように光増幅器8′と出力ポート4
との間に設けられていてもよい。
【0095】光増幅器8′は、信号光のための入力端1
2A及び出力端12Bを有する光増幅媒体12と、光増
幅媒体12をポンピングするためのポンピングユニット
14′とを含む。
【0096】ここでは、ポンピングユニット14′は、
光増幅媒体12が予め定められた帯域において実質的に
単純な利得特性を有するように光増幅媒体12をポンピ
ングする。光フィルタ66又は66′は、上記実質的に
単純な利得特性によって与えられる利得の波長依存性を
抑圧するような特性を有している。
【0097】光増幅媒体12としては、希土類元素を含
むドーパントがドープされたドープファイバを用いるこ
とができる。この場合、ポンピングユニット14′は適
切な波長及びパワーを有するポンプ光を入力端12A及
び出力端12Bの少なくとも一方から光増幅媒体12に
供給するためのポンプ光源を含む。
【0098】予め定められた帯域が1.55μmを含む
場合には、Er(エルビウム)を含むドーパントがドー
プファイバに対して適している。この場合、例えば、予
め定められた帯域は1.54乃至1.56μmの波長に
よって提供され、ポンプ光の波長は0.98μm帯及び
1.48μm帯の少なくも何れかに含まれる。
【0099】光増幅媒体12として半導体チップを用い
ることもできる。この場合、ポンピングユニット14′
は半導体チップに電流を注入するための電流源を含む。
【0100】図11は、光増幅媒体12がEDF(エル
ビウムドープファイバ)を含む場合における光増幅器
8′の利得特性の一例を示す図である。波長1548,
1551,1554及び1557nmの4チャネルのW
DM信号光を同じ入力パワー(−35dBm/ch)
で、ポンピングされているEDFに入力したときの出力
光のスペクトルが示されている。縦軸は光パワー(dB
m)であり、横軸は波長(μm)である。
【0101】Aで示されるスペクトルはポンプ光のパワ
ーが比較的大きいときに対応しており、概略1.54乃
至1.56μmの帯域において負の利得傾斜が生じてい
る。即ち、波長が長くなるに従って利得が減少する利得
傾斜であり、利得(G)の波長(λ)による微分は負で
ある(dG/dλ<0)。
【0102】Cで示されるスペクトルはポンプ光のパワ
ーが比較的小さいときに対応しており、概略1.54乃
至1.56μmの帯域において正の利得傾斜が生じてい
る。即ち、波長が長くなるに従って利得が増大する利得
傾斜であり、利得の波長微分は正である(dG/dλ>
0)。
【0103】Bで示されるスペクトルは、概略1.54
乃至1.56μmの帯域において利得傾斜を生じさせな
いための最適なポンプ光パワーに対応しており、利得の
波長微分は0である(dG/dλ=0)。
【0104】何れのスペクトルも、ASEスペクトルに
各チャネルの光信号に対応する4つの鋭いスペクトルが
重畳された形状を有している。
【0105】また、何れのスペクトルにおいても、1.
54μmよりも短い帯域では複雑な利得特性が生じてお
り、概略1.54乃至1.56μmの帯域では実質的に
単純な利得特性が得られている。
【0106】例えば、光増幅器を含むシステムにWDM
が適用される場合、その光増幅器に利得傾斜が生じる
と、チャネル間利得偏差が伝送距離を制限する。このた
め、Bで示されるスペクトルが常に得られるように光増
幅器の駆動条件が最適化されていることが望ましい。
【0107】そのために、従来技術では、光増幅器の利
得をモニタリングして、そのモニタリング値が一定にな
るようにポンプ光のパワーをフィードバック制御し、そ
れによりBで示されるようなスペクトルが維持されて利
得傾斜が生じないようにしていた。
【0108】しかし、利得傾斜を生じさせないためのポ
ンプ光のパワーは大きく、ポンプ光のパワーの制御だけ
で利得傾斜を生じさせなくするためには、ハイパワーで
高コストなポンプ光源を使用する必要があった。
【0109】本発明の第2の基本構成においては、光増
幅媒体12の利得特性の制御と、光フィルタ66又は6
6′の使用とを組み合わせているので、ポンピングのた
めの低いパワー(例えば低いポンプ光パワー)の下で利
得の波長依存性を抑圧することができる。
【0110】例えば、光増幅媒体12は、図11に符号
Cで示されるように、概略1.54乃至1.56μmの
帯域において正の利得傾斜を有するように、ポンピング
ユニット14′によりポンピングされる。この場合、光
フィルタ66又は66′の特性は、波長が長くなるに従
って損失が増大する損失傾斜を与える。それにより、低
いポンプ光のパワーの下での利得の波長依存性の抑圧が
可能になる。
【0111】図12は図10の装置の実施形態を示すブ
ロック図である。この装置は、図6の実施形態と対比し
て以下の変更点を有している: (1)本発明の第1の基本構成に従う光増幅器8に代え
て本発明の第2の基本構成に従う光増幅器8′が設けら
れている; (2)図12の実施形態では概略1.54乃至1.56
μmの帯域に含まれる信号光を前提としているので、本
発明の第1の基本構成において用いられる第1の光フィ
ルタ6に代えて、1.53μm帯(例えば1.52乃至
1.54μmの帯域)に阻止帯域を有するリジェクショ
ンフィルタ68が設けられている; (3)本発明の第1の基本構成において用いられる第2
の光フィルタ10に代えて、本発明の第2の基本構成の
ための光フィルタ66′が設けられている。
【0112】光増幅器8′においては、ポンプ光源20
から出力されたポンプ光を第2端18BからEDF18
に供給するために、ポンプ光源20に接続されたWDM
カプラ22′はEDF18の第2端18Bと光アイソレ
ータ26との間に設けられている。
【0113】ポンプ光源20から出力されるポンプ光の
パワーは、AGC回路34によって、EDF18に生じ
る実質的に単純な利得特性が一定に保たれるように制御
される。より具体的には、AGC回路34は、光増幅器
8′或いは光増幅器8′及び光フィルタ66′の組み合
わせにおける入力レベル及び出力レベルの比が一定にな
るようにポンプ光のパワーを調節する。
【0114】図13を参照して、AGC回路34によっ
て一定に保たれている利得特性の例を説明する。その利
得特性によって、光増幅器8′には、波長が長くなるに
従って利得が増大する利得傾斜が与えられている。図1
3において、縦軸は光パワー(dBm)、横軸は波長
(mn)である。
【0115】ここでは、8チャネルの光信号を波長分割
多重してなるWDM信号光が用いられた。光信号の波長
は、それぞれ、1546.12,1547.72,15
49.32,1550.92,1552.52,155
4.13,1555.75,及び1557.36nmで
あった。
【0116】最小光パワーと最大光パワーの間の偏差は
1.16dBであった。従って、1546乃至1557
nmの帯域における利得傾斜はほぼ0.1dB/nmで
ある。最小光パワーは最短光波長によって提供され、最
大光パワーは最長波長によって提供されている。利得傾
斜は実質的に線形的である(利得はdB表示)。
【0117】図12のAGC回路34は、例えば、図1
3に示されるような利得傾斜が維持されるように、ポン
プ光源20から出力されるポンプ光のパワーを制御す
る。従って、利得の波長依存性を抑圧するための光フィ
ルタ66′が固定された特性を有しているにも係わら
ず、AGC回路34の採用によって、利得の波長依存性
を安定に抑圧することができる。
【0118】より具体的には、図13により説明した利
得傾斜を抑圧(望ましくは相殺)するような損失傾斜を
光フィルタ66′が有している。
【0119】図14を参照すると、光フィルタ66′の
特性の一例が示されている。縦軸は透過損失(dB)、
横軸は波長(nm)である。
【0120】光フィルタ66′は概略1.54乃至1.
56μmの帯域で波長が長くなるに従って損失が増大す
る特性を有しており、その損失傾斜はほぼ0.1dB/
nmである。従って、光フィルタ66′の損失傾斜によ
って光増幅器8′の利得傾斜が相殺される。
【0121】尚、図12の実施形態においては、リジェ
クションフィルタ68及び光フィルタ66′の各々はフ
ァイバグレーティングによって提供可能である。
【0122】図15は、本発明の装置の第2の基本構成
において、光フィルタが出力側に設けられる場合、即ち
光フィルタ66′が用いられる場合における所要ポンプ
光パワー及び雑音指数(NF)と光フィルタの傾斜量
(損失傾斜)との関係を示す図である。縦軸は所要ポン
プ光パワー(mW)、及び雑音指数(dB)、横軸は傾
斜量(dB/nm)である。ここで、所要ポンプ光パワ
ーは、装置全体で利得傾斜を生じさせないために必要な
ポンプ光のパワーである。
【0123】図15のグラフを与えるデータは、図12
の実施形態に準じた構成を用いた実験及びシミュレーシ
ョンにより得られた。シミュレーションにおける計算に
おいては、C.R.Gailes,E.Desurvi
re,“ModelingErbium−Doped
Fiber Amplifiers”,JOUNAL
OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,V
ol.9,No.2,1991を参考にした解析モデル
及び解析手法が用いられた。計算は、所定の出力値(+
6.0dBm/ch)を得るためのEDFの長さを最適
化した上で、最短波長と最長波長との間で利得が平坦化
するのに必要なポンプ光パワーとそのときの雑音指数に
ついて行った。
【0124】図において、傾斜量が0であるというのは
光フィルタ66′を用いなかった場合に相当し、このと
き所要ポンプ光パワーは約250mWであった。これに
対して、傾斜量が0.05乃至0.2dB/nmの光フ
ィルタ66′を用いることによって、電力増幅部である
後段の所要ポンプ光パワーが40%以上低減されること
を確認した。傾斜量は、小さ過ぎると所要ポンプ光パワ
ーの低減効果が少なく、大き過ぎると雑音指数が高くな
り或いは必要なEDFの長さが長くなるので、0.05
乃至0.1dB/nmの範囲にあることが望ましい。
【0125】以上の通り、波長が長くなるに従って利得
が増大する利得傾斜が生じるように比較的低いポンプ光
パワーでEDFをポンピングしておき、且つ、波長が長
くなるに従って損失が増大する損失傾斜を与える光フィ
ルタを用い、その損失傾斜を適切に設定することによっ
て、雑音指数を劣化させることなく利得の波長依存性を
抑圧することができる。
【0126】図16は、本発明の装置の第2の基本構成
において、光フィルタが入力側に設けられる場合、即ち
光フィルタ66が用いられる場合における所要ポンプ光
パワー及び雑音指数と光フィルタの傾斜量(損失傾斜)
との関係を示している。図15の場合と比較して、所要
ポンプ光パワーの低減効果(ポンプ効率の改善効果)は
大きいが、雑音指数の劣化が大きい。傾斜量の望ましい
範囲は、図15における場合と同様の理由に基づき、
0.05乃至0.1dB/nmである。
【0127】よって、本発明による装置の第2の基本構
成を実施する場合において、所要ポンプ光パワーの低減
効果を重視する場合には、光増幅器8′の入力側に光フ
ィルタ66を設けるのが望ましく、一方、雑音特性を重
視する場合には、光増幅器8′の出力側に光フィルタ6
6′を設けるのが望ましい。
【0128】本発明を実施する場合、各光フィルタとし
てはファイバグレーティングが適している。ファイバグ
レーティングを用いることによって、前述の要求特性の
(a)〜(f)の多くを満足させることができる。
【0129】光学媒質(例えばガラス)の屈折率が光照
射によって恒久的に変化する場合、その媒質は感光性
(photosensitive)であるといわれる。
この性質を用いることにより、光ファイバのコアにファ
イバグレーティングを作製することができる。
【0130】ファイバグレーティングの特徴は、グレー
ティングピッチ及びファイバモードの有効屈折率によっ
て決定される共振波長近傍の狭い帯域で光をブラッグ反
射させることである。
【0131】ファイバグレーティングは、例えばフェイ
ズマスクを用いて波長248nm又は193nmで発振
するエキシマレーザを光ファイバに照射することによっ
て作製することができる。
【0132】例えば、図8の(A)又は(B)に示され
る特性は、チャープ法を適用してファイバグレーティン
グを作製することによって得られる。チャープ法では、
グレーティングピッチが適切な分布に従って設定され、
それにより所望の特性が得られる。現実的に、図8の
(B)のファイバグレーティングについては、1528
乃至1562nmの帯域で設計通りの特性が得られるこ
とが実証されている。
【0133】ファイバグレーティングの温度特性が良好
であることを実証するために、図12のリジェクション
フィルタ68及び光フィルタ66′(66)について実
験を行った。実験対象となる各ファイバグレーティング
を23.3°C,91.2°C,及び−5.4°Cの環
境にこの順でそれぞれ長期間放置し、種々の項目につい
ての測定が行われた。
【0134】リジェクションフィルタに関しては、リジ
ェクション域にて最小出力を示す波長の変化量は1.1
9(nm)であり、光フィルタ66′(66)に関して
は、傾斜量及び挿入損失共に殆ど変化が見られなかっ
た。
【0135】ファイバグレーティングは光回路を構成す
るための光ファイバに直接スプライス接続することがで
き、スプライスによる損失は約0.1dBであるから、
ファイバグレーティングの挿入損失は小さい。
【0136】光源及び偏波コントローラを用いてファイ
バグレーティングの偏光依存性及び偏光依存性の温度依
存性について測定を行ったところ、これらの依存性は殆
どなかった。
【0137】信号光の帯域が30nmであり、ファイバ
グレーティングのグレーティングの実質的長さが30m
mである場合、光の遅延は4.8ps/nmと見積もら
れる。従って、ファイバグレーティングによる波長分散
は実用上十分小さいということができるが、高速伝送に
おいてこの遅延が累積すると許容範囲を越える恐れがあ
る。そのための対策については後述する。
【0138】チャープ法によりファイバグレーティング
が作製された場合、各グレーティングがファイバ軸に対
して垂直であることに起因して、反射光がファイバの導
波モードに結合される。その結果、所望の特性を得るた
めに複数のファイバグレーティングをカスケード接続し
ている場合には、反射光の影響により設計通りの特性を
得られないことがあり、また、単一のファイバグレーテ
ィングにより設計通りの特性が得られたとしても、その
ファイバグレーティングに光学的に接続されている光増
幅媒体に反射光が戻ることにより所望の利得特性が得ら
れない可能性がある。このような可能性を排除するため
には光アイソレータの使用が有効であるが、光アイソレ
ータの使用は装置構成を複雑化且つ大型化させる。
【0139】ブレーズド(blazed)法又はロング
ピリオド法を適用してファイバグレーティングを得るこ
とによって、反射光を有効に除去することができる。ブ
レーズド法では、各グレーティングがファイバ軸に対し
て斜めに形成され、これにより反射光がファイバ外に放
出される。ロングピリオド法では、グレーティングピッ
チが比較的大きく設定され、それにより反射光が除去さ
れる。
【0140】チャープ法、ブレーズド法又はロングピリ
オド法についての付加的な詳細については、Yu Li
u et al.,“Analysis of Lon
g−period and Short−period
Fiber BraggGratings by P
hase Matching Condition”,
SPIE,Vol.2893,pp441−447及び
P.StJ Russell et al.,“Fib
er Gratings”,PhysicsWorl
d,October,1993,pp41−46を参照
されたい。
【0141】図17は本発明による光ファイバ通信シス
テムの実施形態を示すブロックである。このシステム
は、第1の端局70と、第2の端局72と、端局70及
び72を結ぶ光ファイバ伝送路74と、光ファイバ伝送
路74の途中に設けられる複数(図では2つ)の光中継
器76とを備えている。各光中継器76は、本発明によ
る第1又は第2の基本構成に従う装置78を含む。単一
の光中継器76が用いられていてもよい。
【0142】第1の端局70は、互いに異なる波長を有
する複数の光信号をそれぞれ出力する複数の光送信機
(OS)80(#1,#2,…,#n)と、複数の光信
号を波長分割多重してWDM信号光にして光ファイバ伝
送路74に出力する光マルチプレクサ(MUX)82と
を含む。
【0143】第2の端局72は、光ファイバ伝送路74
により伝送されたWDM信号光を複数の光信号に分ける
光デマルチプレクサ(DMUX)84と、複数の光信号
をそれぞれ受ける複数の光受信機86(#1,#2,
…,#n)とを含む。
【0144】この構成によると、光ファイバ74の途中
に設けられた少なくとも1つの光中継器76によってW
DM信号光の損失が補償されるので、長距離伝送が可能
になる。この効果を得るために、第1の端局70がブー
スタアンプ(ポストアンプ)としての光増幅器を有して
いてもよいし、第2の端局72がプリアンプとしての光
増幅器を有していてもよい。
【0145】特に、ここでは各光中継器78は本発明に
よる装置78を有しているので、各光中継器76内にお
ける利得の波長依存性が抑圧され、利得偏差による伝送
距離の制限が小さくなる。また、各装置78に本発明の
第2の基本構成が適用されている場合には、各装置78
において低いポンプ光のパワーの下で利得の波長依存性
を抑圧することができるので、信頼性が高く且つ安価な
システムの構築が可能になる。
【0146】前述のように、本発明を実施する上で使用
する各光フィルタとしてファイバグレーティングを用い
る場合、各ファイバグレーティングでは約4.8ps/
nmの遅延が生じる。図17のシステムにおいて、各装
置78に本発明の第1の基本構成が適用される場合に
は、各装置78には2つの光フィルタが含まれているの
で、装置78の数が例えば9である場合には、全体での
分散値は86.4ps/nm(=4.8ps/nm×2
×9)になる。
【0147】例えば、10Gbit/sの外部変調が適
用されるシステムにおいては、波長分散の限界値は約7
50ps/km/nmであるから、この場合、86.4
ps/nmの分散値は限界値の約12%に達し、許容範
囲を越えてしまう。
【0148】図17のシステムにおいて、各装置78に
おける分散値を小さくして理想的には0にし、或いは、
システム全体の波長分散を管理する上で、本発明による
第1の基本構成は効果的である。具体的には次の通りで
ある。
【0149】光フィルタの各々としてファイバグレーテ
ィングを用いる場合、図18の(A)及び(B)に示さ
れるように、ファイバグレーティングの挿入の向きによ
り波長分散の符号(正負)を選択可能である。例えば、
ファイバグレーティングに異なる波長λA及びλBの光
が供給された場合に、ブラッグ反射の位置が異なるの
で、例えば図18の(A)で正の波長分散が得られてい
る場合に、図18の(B)に示されるようにファイバグ
レーティングの挿入の向きを逆にすることによって、そ
のファイバグレーティングは負の波長分散を与えるので
ある。
【0150】従って、図17の各装置78に本発明によ
る第1の基本構成が適用されている場合には、図1の第
1の光フィルタ6によって与えられる第1の波長分散と
第2の光フィルタ10によって与えられる第2の波長分
散の符号を互いに異なるように設定しておくことによっ
て、各装置78における波長分散を小さくすることがで
きる。特に、第1及び第2の波長分散の絶対値を実質的
に等しくしておくことによって、各ファイバグレーティ
ングにおける波長分散を相殺することができ、各装置7
8における波長分散を実質的に0にすることができる。
従って、端局70及び72間における光ファイバ伝送路
74の波長分散を管理して波長分散に起因する伝送特性
の劣化を防ぐ対策を既に施してあるシステムについて
は、各装置78における波長分散を実質的に0に設定す
ることによって、既存の波長分散の管理方法をそのまま
適用することができる。
【0151】ここで、波長分散の管理というのは、端局
70及び72間におけるトータルの波長分散を予め定め
られた値或いは範囲内に設定することである。
【0152】例えば、端局70及び72間の光ファイバ
伝送路74における波長分散の管理が十分に行われてい
ない場合には、前述の第1及び第2の波長分散を同じ符
号にしておき、光ファイバ伝送路74によって与えられ
る波長分散を各装置78の波長分散(第1及び第2の波
長分散の和)によって積極的に相殺して、波長分散の管
理を行うことができる。
【0153】例えば、光ファイバ伝送路74の複数のス
パンにおいては、光ファイバの製造技術上のバラツキ或
いは信号光の波長の変動によって、各スパン毎に波長分
散の符号が正になったり負になったりする。その結果、
光ファイバ伝送路74の全長における波長分散の符号が
正である場合には、各装置78によって与えられる波長
分散の符号を負に設定するのである。
【0154】更に、自己位相変調(SPM)等のファイ
バの非線形効果に起因する波形劣化を防止するために、
端局70及び72間において局部的に或いは全体的に予
め定められた波長分散を設定しておくことがある。この
ような場合にも、各装置78において所望の波長分散の
値を設定することができる。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
低い雑音指数及び高い光出力パワーを得ることができ且
つ利得の波長依存性を抑圧することができる方法、装置
又はシステムの提供が可能になるという効果が生じる。
【0156】また、本発明によると、光増幅媒体の低い
ポンピングパワー(例えばポンプ光のパワー)の下で利
得の波長依存性を抑圧することができる方法、装置又は
システムの提供が可能になるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による装置の第1の基本構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1の光増幅媒体12によって提供される利得
帯域の説明図である。
【図3】図1の第1の光フィルタ6及び第2の光フィル
タ10の特性の例を示す図である。
【図4】図1の装置の出力光のスペクトルの例を示す図
である。
【図5】光増幅器における利得と入力光パワーの関係の
一例を示す図である。
【図6】図1の装置の実施形態を示すブロック図であ
る。
【図7】比較実証実験で用いた装置の構成を示す図であ
る。
【図8】実験で用いた光フィルタの特性を示す図であ
る。
【図9】実験で得られたスペクトルを示す図である。
【図10】本発明による装置の第2の基本構成を示す図
である。
【図11】ポンプ光のパワーに従う利得傾斜の変化の説
明図である。
【図12】図10の装置の実施形態を示すブロック図で
ある。
【図13】図12の光増幅器8′における利得傾斜を示
す図である。
【図14】図12の光フィルタ66′の特性を示す図で
ある。
【図15】光フィルタが出力側に設けられる場合におけ
る所要ポンプ光パワー及び雑音指数と傾斜量との関係を
示す図である。
【図16】光フィルタが入力側に設けられる場合におけ
る所要ポンプ光パワー及び雑音指数と傾斜量との関係を
示す図である。
【図17】本発明によるシステムの実施形態を示すブロ
ック図である。
【図18】ファイバグレーティングの挿入の向きによる
波長分散の正負を説明するための図である。
【符号の説明】
2 入力ポート 4 出力ポート 6 第1の光フィルタ 8,8′ 光増幅器 10 第2の光フィルタ 12 光増幅媒体 14,14′ ポンピングユニット 66,66′ 光フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾中 寛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5F072 AB09 AK06 KK30 PP07 YY17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光のための入力端及び出力端を有す
    る光増幅媒体と、 該光増幅媒体が予め定められた帯域において実質的に単
    純な利得特性を有するように該光増幅媒体をポンピング
    する手段と、 上記光増幅媒体の入力端及び出力端の少なくとも何れか
    に光学的に接続され上記利得特性によって与えられる利
    得の波長依存性を抑圧するような特性を有する光フィル
    タとを備えた装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、 上記光増幅媒体は希土類元素を含むドーパントがドープ
    されたドープファイバからなり、 上記ポンピングする手段は、ポンプ光を出力するポンプ
    光源と、上記ポンプ光を上記入力端及び上記出力端の少
    なくとも一方から上記光増幅媒体に供給するための光カ
    プラとを含む装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置であって、 上記ドーパントはEr(エルビウム)を含み、 上記予め定められた帯域は1.54乃至1.56μmの
    波長によって提供される装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の装置であって、 上記ポンプ光の波長は0.98μm帯及び1.48μm
    帯の少なくとも何れかに含まれる装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の装置であって、 上記実質的に単純な利得特性は波長が長くなるに従って
    利得が増大する利得傾斜を与え、 上記光フィルタの特性は波長が長くなるに従って損失が
    増大する損失傾斜を与える装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の装置であって、 上記損失傾斜は0.05乃至0.1dB/nmの範囲に
    ある装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の装置であって、 上記実質的に単純な利得特性が一定に保たれるように上
    記ポンプ光のパワーを制御する手段を更に備えた装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の装置であって、 上記制御する手段は、上記装置の入力レベル及び出力レ
    ベルをそれぞれ検出する手段と、上記入力レベル及び上
    記出力レベルの比が一定になるように上記ポンプ光のパ
    ワーを調節する手段とを含む装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の装置であって、 上記光フィルタはファイバグレーティングからなる装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の装置であって、 上記信号光は互いに異なる波長を有する複数の光信号を
    波長分割多重してなるWDM信号光である装置。
  11. 【請求項11】 Er(エルビウム)を含むドーパント
    がドープされたドープファイバと、 該ドープファイバが予め定められた帯域において波長が
    長くなるに従って利得が増大する利得傾斜を有するよう
    に上記ドープファイバをポンピングする手段と、 上記ドープファイバに動作的に接続され上記利得傾斜を
    抑圧する損失傾斜を有する光フィルタとを備えた装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の装置であって、 上記予め定められた帯域は1.54乃至1.56μmの
    波長によって提供される装置。
  13. 【請求項13】 第1及び第2の端局と、 該第1及び第2の端局を結ぶ光ファイバ伝送路と、 該光ファイバ伝送路の途中に設けられる少なくとも1つ
    の光中継器とを備え、 上記第1の端局は、互いに異なる波長を有する複数の光
    信号をそれぞれ出力する複数の光送信機と、上記複数の
    光信号を波長分割多重してWDM信号光にして該WDM
    信号光を上記光ファイバ伝送路に出力する光マルチプレ
    クサとを含み、 上記第2の端局は、上記光ファイバ伝送路により伝送さ
    れたWDM信号光を複数の光信号に分ける光デマルチプ
    レクサと、該複数の光信号をそれぞれ受ける複数の光受
    信機とを含み、 上記光中継器は請求項1乃至12の何れかに記載された
    装置を含むシステム。
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