添付図面にそのいくつかの例が例示されている本発明の望ましい実施の形態について、詳細に言及する。全図を通して、同じ符号は同じ要素を示す。
図1は本発明の実施形態に従って光ファイバ通信システムを示すブロック図である。図1を参照すると、そのシステムは、第1の端局102と、第2の端局104と、端局102及び104を接続する光ファイバ伝送路106と、光ファイバ伝送路106に沿って設けられる複数の光中継器108とを含む。各光中継器108は光ファイバ伝送路106に光学的に接続される光増幅器110を含む。図1は2つの光中継器108を示しているが、システム設計のパラメータに依存して2つよりも多くの光中継器が用いられてもよい。更に、いくつかのシステムでは、1つの中継器が用いられるかもしれない。
第1の端局102は、異なる波長を有する複数の光信号をそれぞれ出力する複数の光送信機(TX)112(#1〜#N)を含む。光マルチプレクサ(MUX)114は、光送信機112(#1〜#N)から出力された光信号を波長分割多重してWDM信号光を得る。光増幅器(ポストアンプ)116は、光マルチプレクサ114から得られたWDM信号光を増幅して増幅されたWDM信号光を光ファイバ伝送路106へ出力する。
第2の端局104は、光ファイバ伝送路106からのWDM信号光を増幅する光増幅器(プリアンプ)118を含む。光デマルチプレクサ(DMUX)120は、光増幅器118から出力された増幅されたWDM信号光を複数の光信号に分ける。複数の光受信機(RX)122(#1〜#N)は光デマルチプレクサ120からの光信号をそれぞれ受ける。
この構成によると、WDM信号光の損失は、光ファイバ伝送路106に沿って設けられた少なくもと1つの光中継器108によって補償されるので、長距離伝送が可能になる。また、光ファイバ伝送路106によって複数のチャネルが伝送されるので、伝送容量の増大が可能になる。
図2は光増幅器で生じる利得傾斜を示すグラフである。より特定的には、同じパワー(−35dBm/ch)を有する4チャネル(波長1548,1551,1554及び1557nm)の光信号に基づくWDM信号光がEDFA(エルビウムドープファイバ増幅器)に入力しているときの出力光のスペクトルを図2は示している。図2において、縦軸は出力パワー(dBm)を表し、横軸は波長(nm)を表している。
Aで示されるスペクトルはポンプ光のパワーが比較的大きい場合に対応しており、概ね1.54乃至1.56μmの帯域において負の利得傾斜を生じさせている。即ち、負の利得傾斜は波長の増大に対して利得が減少する利得傾斜であり、利得(G)の波長(λ)による微分は負である(dG/dλ<0)。
Cで示されるスペクトルはポンプ光のパワーが比較的低い場合に対応しており、概ね1.54乃至1.56μmの帯域において正の利得傾斜を生じさせている。即ち、正の利得傾斜は波長の増大に対して利得が増大する利得傾斜であり、利得(G)の波長(λ)による微分は正である(dG/dλ>0)。
Bで示されるスペクトルは、概ね1.54乃至1.56μmの帯域において利得傾斜を生じさせないあるいは利得傾斜が平坦になるような最適なポンプ光のパワーの場合に対応しており、利得(G)の波長(λ)による微分は0である(dG/dλ=0)。
各スペクトルは、ASE(増幅された自然放出)のなだらかなスペクトルに4チャネルの光信号に対応する鋭いスペクトルが重畳されたような形状を有している。ASEスペクトルには小信号に対する利得の波長特性が依存することが知られている。
図1に示されるように複数の光増幅器がカスケード接続されている場合、各光増幅器で生じる利得傾斜が光伝送路に沿って累積し、低いレベルのチャネルにおいては信号対雑音比が劣化し、あるいは、高いレベルのチャネルにおいては非線形効果等により波形が劣化するので、必要とされる受信感度を得るための伝送距離が制限される。従って、この種のシステムにおいては、各光増幅器における利得傾斜が平坦になるような制御を行なうことが、伝送距離を増大させるために極めて効果的である。更に、各光増幅器の出力レベルは最適な範囲を有している。従って、各光増幅器の入力レベルに係わらず各光増幅器の出力レベルが常にその最適な範囲に含まれるようにその出力レベルを制御することによって、入力ダイナミックレンジが広くなる。
図3は、図1における光増幅器110,116及び118の各々として使用される従来の光増幅デバイスのブロック図である。図3を参照すると、入力ポート2及び出力ポート4間に第1段目の光増幅器6´及び第2段目の光増幅器8´がカスケード接続されており、可変光減衰器(ATT)10´が光増幅器6´及び8´間に光学的に接続されている。光増幅器6´には自動利得制御(AGC)のためのフィードバックループ12が設けられており、光増幅器8´にはAGCのためのフィードバックループ14が設けられている。可変光減衰器10´は、この光増幅デバイスの出力レベルを一定に維持するための自動レベル制御(ALC)のためのフィードバックループ16に含まれている。
図3においては、AGCは光増幅器6´及び8´の各々において行なわれているので、光増幅器6´及び8´の各々における利得の波長特性は一定に維持されることができる。また、AGCのためのフィードバックループ12及び14とは独立してALCのためのフィードバックループ16が設けられているので、広い入力ダイナミックレンジを得ることができる。
しかし、図3に示される光増幅器デバイスにあっては、第1段目の光増幅器がエルビウムドープファイバ(EDF)とEDFにポンプ光を供給するためのポンプ光源とを含んでいる場合に過剰なポンプ光パワーが要求されるかも知れないという問題がある。この問題をより特定的に記述する。
図4は図3の光増幅デバイスのパワーダイヤグラムである。図4において、縦軸は光パワー(dBm)を表し、横軸は入力ポート2から出力ポート4に至る光路上の位置を表している。第1段目の光増幅器6´の入力レベルがΔ増大したと仮定すると、光増幅器6´の利得G1はフィードバックループ12によって入力レベルに係わらず一定に維持されているので、光増幅器6´の出力レベルもΔ増大する。第2段目の光増幅器8´の利得G2もフィードバックループ14により一定に維持される。従って、第2段目の光増幅器8´の出力レベルが一定に維持されるようなALCのためのフィードバックループ16の動作によって、可変光減衰器10´により与えられるべき減衰は増大する。
一般に、EDFAの高い出力レベルを得るためには、ハイパワーなポンプ光が必要とされる。従って、第1段目の光増幅器6´としてEDFAが用いられている場合には、高い入力レベルを許容するためにハイパワーなポンプ光が必要とされる。即ち、図3の光増幅デバイスにあっては、広い入力ダイナミックレンジを得るためにハイパワーなポンプ光が必要とされるかも知れないのである。
図5は本発明の実施形態に従って光増幅デバイスを示すブロック図である。図5を参照すると、入力ポート2及び出力ポート4間に第1段目の光増幅器6及び第2段目の光増幅器8がカスケード接続されており、可変光減衰器10は光増幅器6及び8間に光学的に接続されている。可変光減衰器10は、供給された制御信号CSに従って透過光を可変的に減衰させる。入力ポート2に供給された増幅されるべき信号光(WDM信号光等)は、光増幅器6による増幅と可変光減衰器10による減衰と光増幅器8による増幅とを順次なされた後、出力ポート4から出力される。光増幅器6にはALCのためのフィードバックループ18が付加的に設けられている。フィードバックループ18は、光増幅器6の出力レベルが一定に維持されるように光増幅器6を制御するためのものである。同様に、光増幅器8にはALCのためのフィードバックループ20が付加的に設けられている。フィードバックループ20は光増幅器8の出力レベルが一定に維持されるように光増幅器8を制御するためのものである。
この実施形態では、第1段目の光増幅器6の入力レベルが検出され、制御信号CSは、光増幅器6の入力レベルがΔ(dBm単位)変化したときに光増幅器8の入力レベルが−Δ変化するように、制御ユニット22において生成される。
従って、図5においては、制御ユニット22及び可変光減衰器10は協働して制御器として機能する。制御器は、光増幅器6が受けた光のレベルがΔ変化したときに、光増幅器8が受けた光のレベルが概ね−Δ変化するように制御する。
光増幅器6及び8は各々光増幅媒体及びポンプ光源を含むことができる。ポンプ光源は光増幅媒体にポンプ光を提供する。信号光(WDM信号光等)は、光増幅媒体及びポンプ光が信号光の波長を含む利得帯域を提供しさえしていれば、光増幅媒体を通過して伝搬するに従って増幅される。「利得帯域」の語は、光増幅媒体が利得を生じさせることができる帯域として定義される。
希土類元素を含むドーパントがドープされたドープファイバが光増幅媒体として使用されている場合には、ドープファイバは、予め定められた波長を有するポンプ光をドープファイバに供給することによってポンピング(励起)され得る。この場合、光増幅媒体で生じる利得あるいは光増幅媒体の出力レベルはポンプ光のパワーに依存するので、ポンプ光源はALCのためのフィードバックループに含まれることができる。
EDFが光増幅媒体として使用される場合、1.55μm帯(1.50〜1.60μm)を含む利得帯域を得るためには、0.98μm帯(0.96〜1.0μm)あるいは1.48μm帯(1.46〜1.50μm)で発振するレーザダイオードがポンプ光源として使用され得る。
レーザダイオードの対向端面の反射率を低くすることにより得られる半導体チップが光増幅媒体として使用されている場合には、ポンピングは、その半導体チップに電流を注入することによって行ない得る。この場合、半導体チップで生じる利得あるいは半導体チップの光出力レベルは注入電流に依存するので、半導体チップの駆動回路はALCのためのフィードバックループに含まれることができる。
図6は図5の光増幅デバイスにおけるパワーレベルを本発明の実施形態に従って示すグラフである。図6において、縦軸は光パワー(dBm)を表し、横軸は入力ポート2から出力ポート4に至る光路上の位置を表している。
図5及び6において、第1段目の光増幅器6の入力レベルがΔ(dBm単位)増大したと仮定すると、光増幅器6の出力レベルはALCのためのフィードバックループ18により一定に維持されているので、光増幅器6において生じる利得はG1(dB単位)からG1´(dB単位)に減少する。可変光減衰器10の減衰が制御ユニット22により制御され、第2段目の光増幅器8の入力レベルは−Δ変化する。光増幅器8の出力レベルはALCのためのフィードバックループ20によって一定に維持されているので、光増幅器8の入力レベルが上述のようにΔ減少すると、光増幅器8で生じる利得はG2(dB単位)からG2´(dB単位)に増大する。
従って、第2段目の光増幅器8の出力レベルは第1段目の光増幅器6の入力レベルに係わらず一定である。また、光増幅器6において生じる利得と光増幅器8において生じる利得との和は、光増幅器6の入力レベルに係わらず一定である。即ち、G1+G2=G1´+G2´の関係が満足される。
従って、図6から判明するように、カスケード接続された複数の光増幅器の総利得は一定に維持される。図5及び6は2つの光増幅器のみを示しているが、本発明はこれに限定されることを意図しているものではない。本発明は、総利得が一定に維持されるようにカスケード接続された2つよりも多くの光増幅器の構成にも適用可能である。
カスケード接続された複数の光増幅器において生じる利得の総和を一定に維持することによって、利得の波長特性を一定に維持することができる。これを、各々希土類元素を含むドーパントがドープされた複数のドープファイバをカスケード接続した場合についてより特定的に説明する。
一般に、1つのドープファイバの利得の波長特性G(λ)は次のように表される。
G(λ)={tg*(λ)−(1−t)α(λ)}L
ここで、g*(λ)(dB/m)は放射スペクトル,α(dB/m)は吸収スペクトル、tはドープファイバの反転分布係数(インバージョンパラメータ)の長手方向の平均値、L(m)はドープファイバの長さを表している。
従って、同じ放射スペクトル及び同じ吸収スペクトルを有する複数のドープファイバをカスケード接続した場合には、総利得Gtotal(λ)は、次のように与えられる。
従って、カスケード接続された複数の光増幅器の利得の総和を一定に維持することによって、その光増幅器差の利得の波長特性は一定に維持され得る。
特に、図5においては、ALCのためのフィードバックループ18及び20と可変光減衰器10のための制御ユニット22とが用いられているので、入力ポート2から出力ポート4に至る光路において生じる利得の総和は一定に維持され得る。従って、本発明の実施形態による光増幅デバイスを図1の光増幅器110,116及び118の各々として用いることによって、利得傾斜の累積を防止することができ、伝送距離の増大が可能になる。
また、ALCのためのフィードバックループ20が第2段目の光増幅器8のために設けられているので、第1段目の光増幅器6の入力レベルに係わらず第2段目の光増幅器8の出力レベルが一定に維持され得るようになり、入力ダイナミックレンジの拡大が可能になる。
また、ALCのためのフィードバックループ18が第1段目の光増幅器6のためにも設けられている。従って、光増幅器6がドープファイバ及びポンプ光源を含む場合に、ポンプ光パワーの不所望な増大が防止され、図3の関連技術における問題を回避することができる。
加えて、図5の構成において得られる総利得を最大にするためには、第1段目の光増幅器6の入力レベルが下限であるときに可変光減衰器10の減衰は最小になるように制御されるであろう。
図7は、図5の光増幅デバイスの詳細を本発明の実施形態に従って例示するブロック図である。図7を参照すると、シリカファイバにおいて最低損失が得られる1.55μm帯を含む利得帯域を得るために、EDF24及び26がそれぞれ光増幅器6及び8の光増幅媒体として採用されている。EDF24の第1端24AはWDMカプラ28及び光カプラ30を介して入力ポート2に光学的に接続され、EDF24の第2端24Bは光カプラ32を介して可変光減衰器10の入力ポートに光学的に接続されている。EDF26の第1端は可変光減衰器10の出力ポートに光学的に接続され、EDF26の第2端はWDMカプラ34及び光カプラ36を介して出力ポート4に光学的に接続されている。
EDF24及び26の各々を含む光共振器構造の形成を防止するために、1つ又はそれよりも多くの光アイソレータが入力ポート2及び出力ポート4間の光路に設けられるかも知れない。この配置により、このデバイスの動作安定性は改善され得る。
光カプラ30及び32は第1段目の光増幅器6の入力レベル及び出力レベルをそれぞれ検出するために用いられており、光カプラ36は第2段目の光増幅器8の出力レベルを検出するために用いられている。従って、光カプラ30,32及び36の各々は分岐比の波長依存性を特に考慮することなしに製造され得る。
WDMカプラ28は、レーザダイオード(LD)38からのポンプ光をEDF24にその第1端24Aから供給するために用いられており、WDMカプラ34は、レーザダイオード40からのポンプ光をEDF26にその第2端26Bから供給するために用いられている。各ポンプ光の波長は増幅されるべき信号光の波長とは異なる。従って、WDMカプラ28及び34の各々は分岐比の波長依存性を考慮して製造される。レーザダイオード38及び40の各々の発振波長は、1.55μm帯を含む利得帯域を得るために、例えば、0.98μm帯あるいは1.48μm帯に含まれるように設定される。
駆動電流(バイアス電流)が駆動回路42からレーザダイオード38に供給される。光増幅器6のためのALCのためのフィードバックループ18は、フォトダイオード等のフォトディテクタ(PD;光検出器あるいは受光器)44とALC回路46とを含む。光カプラ32により分岐されたモニタ光は、光帯域通過フィルタ48を通ってフォトディテクタ44に供給される。フォトディテクタ44は、モニタ光のパワーに対応する電圧レベル(あるいは電流レベル)を有する電気信号を出力する。ALC回路46は、フォトディテクタ44の出力信号を受け、受けた信号のレベルが一定になるように、駆動回路42からレーザダイオード38に供給されるべき駆動電流を制御する。
光帯域通過フィルタ48の通過帯域は、EDF24内で増幅された信号光の波長を含み、且つ、EDF24内での光増幅には寄与しなかったレーザダイオード38からの残留ポンプ光の波長を含まないように設定される。この設定は、EDF24内で増幅された信号光の出力レベルが一定に保たれるようなALCを可能にする。
第2段目の光増幅器8のためのポンプ光源としてのレーザダイオード40は、駆動回路49から駆動電流(バイアス電流)を供給される。第2段目の光増幅器8のためのALCのためのフィードバックループ20は、フォトディテクタ50及びALC回路52を含む。
光カプラ36により分岐されたモニタ光は、光帯域通過フィルタ54を通ってフォトディテクタ50に供給される。フォトディテクタ50は、受けたモニタ光のパワーに対応する電圧レベル(あるいは電流レベル)を有する電気信号を出力する。ALC回路52は、フォトディテクタ50の出力信号のレベルが一定に保たれるように、駆動回路49からレーザダイオード40に供給される駆動電流を制御する。このように、第2段目の光増幅器8のためのALCは、フィードバックループ18と同じようにフィードバックループ20により達成される。
制御信号CSを生成するための制御ユニット22は、フォトディテクタ56及び制御回路58を含む。光カプラ30により分岐されたモニタ光は、光帯域通過フィルタ60を通ってフォトディテクタ56に供給される。フォトディテクタ56は、受けたモニタ光のパワーに対応する電圧レベル(あるいは電流レベル)を有する電気信号を出力する。制御回路58は、フォトディテクタ56の出力信号に従って、EDF24に供給されそこで増幅されるべき信号光の入力レベルの変化を検出し、逆の量の変化が可変光減衰器10によってEDF26の入力レベルに与えられるように制御信号CSを生成する。
光帯域通過フィルタ54及び60の各々の通過帯域は、増幅されるべき信号光の波長を含むように設定される。特に、光帯域通過フィルタ54の通過帯域は、ポンプ光の波長を含まないように設定されるのが望ましく、それによりレーザダイオード38からのポンプ光の影響が排除される。
本発明のこの実施形態によると、入力ポート2から出力ポート4に至る光路で生じる総利得が一定に維持され得るので、利得の波長特性を一定に維持することができる。更に、出力ポート4における出力レベルは入力ポート2における入力レベルに係わらず一定に維持され得るので、このデバイスの入力ダイナミックレンジを拡大することができる。
更に、EDF24内で増幅された信号光の出力レベルが一定になるようにALCが行なわれているので、レーザダイオード38から出力されるべきポンプ光のパワーの不所望な増大を防止することができる。
本発明のこの実施形態においては、信号光及びポンプ光は第1段目の光増幅器6のEDF24内を同じ向きで伝搬する。換言すれば、第1段目の光増幅器6はフォワードポンピング型の光増幅器である。一方、第2段目の光増幅器8のEDF26においては、信号光及びポンプ光は逆向きに伝搬する。換言すれば、第2段目の光増幅器8はバックワードポンピング型の光増幅器である。変更例として、第1段目の光増幅器6はバックワードポンピング型の光増幅器として構成されてもよいし、また、第2段目の光増幅器8はフォワードポンピング型の光増幅器として構成されてもよい。更に、光増幅器6及び8の各々は、フォワードポンピング及びバックワードポンピングを組み合わせることにより得られる双方向ポンピング型の光増幅器として構成されてもよい。
図8は本発明の追加の実施例に従って光増幅デバイスを示すブロック図である。図8を参照すると、利得モニタ62及び64に接続された制御ユニット66が可変光減衰器10を制御する。これに対して、図5に示される実施形態では、制御ユニット22が第1段目の光増幅器6の入力レベルに従って可変光減衰器10を制御している。
図8においては、利得モニタ62は、第1段目の光増幅器6において生じる第1の利得を検出し、利得モニタ64は、第2段目の光増幅器8で生じる第2の利得を検出する。制御ユニット66は、利得モニタ62及び64により検出された第1及び第2の利得の和が一定になるように制御信号CSを生成し、制御信号CSは可変光減衰器10に供給される。制御信号CSは、光増幅器6から光増幅器8に至る信号光を適切に減衰させるために、可変光減衰器10の可変の減衰を制御する。
従って、図8においては、制御ユニット66及び可変光減衰器10は協働して制御器として機能する。制御器は光増幅器6及び8の利得の和が一定になるようにする。
図6に示されるようなパワーダイヤグラムが図8に示される光増幅器デバイスに対しても得られる。従って、利得の波長特性は一定に維持されることができ、広い入力ダイナミックレンジが得られる。更に、ポンプ光のパワーを抑圧することができる。
図8の光増幅デバイスによると、たとえフィードバックループ18及び20のいずれか一方を省略したとしても、本発明の条件を満足するパワーダイヤグラムが得られることは明らかである。従って、フィードバックループ18及び20のいずれか一方は省略されてもよい。更に、フィードバックループ18及び20の両方が省略されるかも知れない。光増幅器6及び8の各々がEDFとEDFにポンプ光を供給するためのポンプ光源とを含み、且つ、フィードバックループ18及び20のいずれもが使用されていない場合には、光増幅器6及び8の少なくともいずれか一方に、ポンプ光のパワーを一定に維持するためのAPC(自動パワー制御)ループあるいはポンプ光源の駆動電流を一定に維持するためのACC(自動電流制御)ループを付加するのが望ましい。APCあるいはACCの付加は、本発明の目的の多くを達成するためには、第1段目の光増幅器6に対して特に有効である。
図9は、図8の光増幅デバイスの詳細を本発明の実施形態に従って例示するブロック図である。図9を参照すると、第1段目の光増幅器6の入力レベル及び出力レベルはそれぞれフォトディテクタ56及び44の出力電気信号に反映される。従って、第1段目の光増幅器6における利得は、利得算出回路68によって、フォトディテクタ56及び44の出力電気信号のレベルの比又は差に基づいて計算され得る。
第2段目の光増幅器8の入力レベルを検出するために、光カプラ69、光帯域通過フィルタ70及びフォトディテクタ72がそれぞれ第1段目の光増幅器6のための光カプラ30、光帯域通過フィルタ60及びフォトディテクタ56に対応して設けられている。第2段目の光増幅器8において生じる利得は、利得算出回路74によって、フォトディテクタ72及び50の出力電気信号のレベルの比又は差に従って計算され得る。
制御回路76(図8における制御ユニット66に対応)は、利得算出回路68及び74から得られる利得の和が一定になるように制御信号CSを生成すると共に、制御信号CSに従って可変光減衰器10の減衰を調節する。
光帯域通過フィルタ48,54,60及び70の各々の通過帯域は、増幅されるべき信号光の波長を含むように設定される。例えば、増幅されるべき信号光がWDM信号光である場合には、各フィルタの通過帯域は、1チャネルの光信号の波長を含むように設定されるかも知れないし、あるいは、複数チャネルの光信号の波長を含むように設定されるかも知れない。その代わりに、通過帯域は、信号光の波長を含まないある帯域におけるASEを通過させるように設定されるかも知れない。理由は、この帯域に含まれるASEのパワーは利得を反映しているところにある。
いずれの場合にも、光帯域通過フィルタ48,54及び70の各々の通過帯域は、ポンプ光の影響を避けるために、望ましくはポンプ光の波長を含まないように設定される。
図10は、図8の光増幅デバイスを本発明の追加の実施形態に従って例示するブロック図である。図10を参照すると、EDF24及び26におけるポンプ光の吸収率に従ってそれぞれ第1段目及び第2段目の光増幅器6及び8の利得を検出するために、変更された利得算出回路68´及び74´が用いられている。
レーザダイオード38からEDF24に供給されたポンプ光のうち、EDF24により吸収されなかった残留ポンプ光は、光カプラ32及び可変光減衰器10間に設けられるWDMカプラ78によって主光路(入力ポート2及び出力ポート4間の光路)から分岐される。WDMカプラ78により分岐された残留ポンプ光は、フォトディテクタ80に供給される。フォトディテクタ80は、受けた残留ポンプ光のパワーに対応する電圧レベル(あるいは電流レベル)を有する電気信号を出力する。
フォトディテクタ80の出力信号は、残留ポンプ光のパワーを反映する。レーザダイオード38からEDF24に供給されたポンプ光のパワーは、駆動回路42からレーザダイオード38に供給される駆動電流を反映する(に反映される)。従って、EDF24におけるポンプ光の吸収率は、フォトディテクタ80の出力信号及び駆動回路42からの信号に従って得ることができる。利得算出回路68´は、得られたポンプ光の吸収率に従ってEDF24において生じる利得を計算する。EDF26における残留ポンプ光のパワーを検出するために、WDMカプラ82及びフォトディテクタ84がそれぞれWDMカプラ78及びフォトディテクタ80に対応して設けられている。WDMカプラ82は、EDF26及び可変光減衰器10間に光学的に接続されている。
利得算出回路74´は、フォトディテクタ84の出力信号及び駆動回路49からの信号に従って、EDF26において生じる利得を計算することができる。制御回路76は、利得算出回路68´及び74´により計算された2つの利得の和が一定になるように制御信号CSを生成し、それにより主光路において生じる総利得の波長特性が一定に維持される。
図11は、反転分布係数(インバージョンパラメータ)の変化に伴う、EDFにおいて生じる利得の波長特性の変化を示すグラフである。図11において、縦軸は利得(dB)又は局部利得(ローカルゲイン)(dB/m)を表し、横軸は波長(nm)を表している。反転分布係数の0から1への増大に伴って、利得の波長特性は、符号86で示される特性から符号88で示される特性に向かって連続的に変化する。反転分布係数が0である場合に対応する特性86は、いわゆる吸収断面積スペクトルを提供し、反転分布係数が1である場合に対応する特性88は、いわゆる放射断面積スペクトルを提供する。従って、ある波長における利得はEDFにおけるポンプ光の吸収率が増大するのに従って減少する。このように、EDFで生じる利得とEDFにおけるポンプ光の吸収率とは1:1対応であるので、ポンプ光の吸収率に従って利得を計算することができる。
図12は、図8の光増幅デバイスの詳細を本発明の更なる実施形態に従って例示するブロック図である。図12を参照すると、EDF24及び26において生じる利得は、あるEDFにおいて生じる利得がそのEDFから側方に放射される自然放出光(ASE光)のパワーに反映されるという事実に従って検出される。EDF24の全長あるいはその一部から側方に放射された自然放出光のパワーを検出するために、EDF24の近傍にはフォトディテクタ90が設けられている。同様に、EDF26の全長あるいはその一部から側方に放射される自然放出光のパワーを検出するために、フォトディテクタ92がEDF26の近傍に設けられている。
利得算出回路68″及び74″は、それぞれ、フォトディテクタ90及び92の出力信号に従ってEDF24及び26における利得を計算する。従って、制御回路76は、EDF24及び26で生じる利得の和が一定になるように、利得算出回路68″及び74″の出力信号に従って制御信号CSを生成することができる。
可変光減衰器10の減衰は制御信号CSに従って決定され、それにより入力ポート2及び出力ポート4間の光路で生じる利得の総和が一定に維持される。したがって、このデバイスの利得の波長特性は一定に維持されることができ、且つ、広い入力ダイナミックレンジが得られる。更に、ポンプ光のパワーは抑圧され得る。
図12においては、EDF24及び26から側方に放出された自然放出光をそれぞれ受けるためにフォトディテクタ90及び92が用いられている。その代わりに、EDF24及び26は同一ループに巻回され、EDF24及び26の側方にそれぞれ放射された自然放出光のパワーの和に対応する光パワーを検出するために、EDF24及び26の共通のループの近傍に1つのフォトディテクタが設けられてもよい。この光パワーはEDF24及び26において生じた利得の和を反映する。従って、制御回路76はその1つのフォトディテクタの出力信号に従って制御信号CSを生成するようにし、それにより入力ポート2及び出力ポート4間の光路において生じる利得の総和が一定に維持されるようにしてもよい。この場合、フォトディテクタ90及び92の一方及び利得算出回路68″及び74″の一方を省略することができるので、デバイスの構成を簡単にすることができる。
図13は、光増幅デバイスを本発明の更なる実施形態に従って例示するブロック図である。より特定的には、図13は広帯域EDFAの構成を例示している。図13を参照すると、EDF200及びポンプ光源210が低雑音プリアンプ段に相当している。自動利得制御(AGC)回路220は、自動利得制御を提供するためにポンプ光源210を制御する。可変減衰器(VAT)230は、プリアンプ段の出力を適切に減衰させるために、自動レベル制御(ALC)回路240によって制御される。EDF242及び244は、高出力パワーのポストアンプ段を提供するために、それぞれポンプ光源246及び248によりポンピングされる。自動利得制御(AGC)回路250は、自動利得制御を提供するためにポンプ光源246及び248を制御する。従って、AGCはプリアンプ段及びポストアンプ段の双方において行なわれている。
利得等化器(GEQ;ゲインイコライザ)252及び254が、プリアンプ段及びポストアンプ段のそれぞれのための全信号帯域における利得を平坦化するために使用されている。分散補償ファイバ(DCF)256は伝送路に沿って位置させられ得る。
監視(SV)回路260は、監視波長(λSV)で監視チャネルから監視情報を抽出し、抽出された情報をALC回路240を制御するために使用する。
図13は3つのエルビウム添加光ファイバ(EDF:Erbium-doped fiber)で構成された波長多重光増幅器を示している。この図では、2番目及び3番目の
EDFをまとめて後段増幅部としている。前段増幅器は1番目のEDFで構成される。そして、図14では、2番目と3番目のEDFの個々の利得ではなく両者の和である後段利得(Grear[dB]=G(2)+G(3))を制御対象としている。即ち、図14では前段利得G(1)と後段利得Grearの和である総利得
を一定に保つことによって利得の波長特性を一定に(例えば、平坦に)維持している。この例では、EDFの個数Nは3の場合であるが、一般にNは自然数であれば全体の利得の和を一定に保つことにより利得の波長特性が維持されることは成立する。また、EDFの利得を求める際のモニタは図13の様に入出力をPDで直接、受光してもよいし、PDの前に光バンドパスフィルタを設定して、ある波長の利得のみをモニタしてもよい。この場合、当然ではあるが、全ての利得モニタがその波長でモニタして、個々の利得の和である総利得を一定に保つことになる。
図14(A)及び14(B)は、図13の光増幅デバイスの異なる動作モードを本発明の実施形態により示す図である。図14(A)を参照すると、この動作モードでは、プリアンプ段はAGC回路220により提供される自動パワー制御(APC)を行使している。即ち、ポンプ光源から出力されるポンプ光パワーには、信頼性を考慮すると、上限がある。その上限値以下のある値に固定する制御をAPCと呼ぶ。従って、プリアンプ段における制御はポンプ光パワーの設定した上限値より低い値でAGCが掛かっているが、AGCが設定した上限値を超えるポンプ光パワーを要求するとAPCに切換わる。図14(A)に示されるように、プリアンプ段の利得ΔGの減少量は、総利得を一定に保つために、可変減衰器230を制御することによってポストアンプ段の利得に加えられる。勿論、AGCからAPCに切換わるのと同様にAGCからACCに切換わる場合にもこの発明は適用できる。ACCはポンプ光源の駆動電流を一定に保つ制御を意味する。
図14(B)に示されるように、この動作モードでは、プリアンプ段は自動利得制御(ALC)を行使している。図14(B)に示されるように、プリアンプ段の利得ΔGの減少量は、総利得を一定に保つために、可変減衰器230を制御することによって、ポストアンプ段の利得に加えられる。
図15は、本発明の追加の実施形態による光増幅デバイスを示すブロック図である。
本発明の上述の種々の実施形態はカスケード接続された2つの光増幅器に関連している。しかしながら、本発明は3つ又はそれよりも多くの光増幅器がカスケード接続されている構成にも適用可能である。
更に、本発明の上述の実施形態によると、光減衰器が光増幅器の間に位置させられている。しかし、本発明は、1つより多くの光減衰器が光増幅器の間に位置している構成にも適用可能であり、2つよりも多くの光増幅器がカスケード接続されると共にそれらの光増幅器の間の種々の位置に光減衰器が位置させられている構成にも適用可能である。
本発明の上述した実施形態によると、利得の波長特性を一定に維持することができ、広い入力ダイナミックレンジを得ることができ、且つポンプ光のパワーを抑制することができる光増幅のための方法及びデバイス並びにそのデバイスを含む新規なシステムを提供することができる。
本発明の上述した実施形態によると、可変光減衰器が第1及び第2の光増幅器の間に位置させられている。第1及び第2の光増幅器には、出力レベルを一定に維持するために、各々ALCフィードバックループが設けられてもよい。第1の光増幅器の入力レベルが検出され、第1の光増幅器の入力レベルがΔ(dBm単位)変化したときに、第2の光増幅器の入力レベルが概ね−Δ変化するように、可変光減衰器が制御される。
従って、上述した本発明の種々の実施形態によると、第1の光増幅器の入力レベルがΔ変化したときに、第2の光増幅器の入力レベルは概ね−Δ変化する。例えば、概ね−Δ変化するために、第2の光増幅器の入力レベルは望ましくは−(Δ±Δ/20)変化すべきである。しかし、概ね−Δの変化はこの望ましい範囲に限定されることを意図しているものではなく、他の範囲であっても十分な動作が提供され得る。
本発明の上述した実施形態によると、第1及び第2の光増幅器の間に可変光減衰器が位置させられている。可変光減衰器は、供給された制御信号に従って可変の減衰を与える。第1の利得モニタが第1の光増幅器の利得を検出し、第2の利得モニタが第2の光増幅器の利得を検出する。可変光減衰器は、検出された第1及び第2の光増幅器の利得の和が一定になるように制御される。
WDM光通信システムにおいて用いられる種々の光増幅デバイスについて上述した。本願出願人による特開平8−248455号公報及び特開平10−51057号公報は、WDM光通信システムで用いられる追加的な光増幅デバイスを開示している。これらの光増幅デバイスにおいては、異なる波長を有する複数の光信号を多重化して得られるWDM信号光は、各々例えばエルビウムドープファイバ(EDF)を用いてなる2段の光増幅部により一括増幅される。一括増幅においては、AGCは、前段増幅部及び後段増幅部の各々の利得が一定になるように行なわれる。この制御により、各EDFAの利得の波長依存性(以下、利得波長特性と称される)は、入力光パワーが変化したとしても一定に維持されることができる。光増幅器の利得波長特性を有効に補償することによって、チャネル間でレベル等化されたWDM信号光が得られる。また、WDM信号光に含まれる波長数(チャネル数)が変化した場合に安定した増幅特性が得られるようにした他の光増幅デバイスも提案されている。
このような光増幅デバイスにおいては、一定利得制御を実現するために、大容量ポンプ源(ポンプ光源)が使用されなければならない。一般に、光増幅デバイスに入力されるWDM信号光の波長当たりの(チャネル当たりの)パワーレベルは固定値ではなく変動する。このような入力光レベルの変動に対して利得を一定に制御するためには、ポンプ光のパワーは実質的に指数関数的に制御されなければならない。従って、そのような指数関数的な制御を支持することができる比較的大容量のポンプ源を提供することが必要である。
光増幅デバイスは、入力光レベルの変動を支持する所要の入力ダイナミックレレンジを有することを要求される一方、チャネル間でレベル等化されたWDM信号光を出力することも要求されている。例えば、この要求を満たすために、光増幅デバイスの前段光増幅部及び後段光増幅部の間に可変光減衰器を設けることによって、チャネル当たりの出力光レベルが一定になるように、光減衰を制御するようにした方法が提案されている。
この場合、入力光レベルが最小のときに前段光増幅部からの出力光のレベルが一定値以上になるように前段光増幅部の利得が設定される。従って、入力光レベルが高いときにも上述の設定された利得により増幅が行なわれ、その後増幅された信号光は可変光減衰器により与えられたレベルまで減衰される。従って、入力光レベルが高いときには、AGCを実現するために前段光増幅部において過剰な光増幅が行なわれていることになる。このような過剰な光増幅を可能にするために高価で大容量のポンプ源を設けることは、光増幅デバイスのコスト削減という観点からは欠点となる。
また、2段増幅構成を有する光増幅デバイス(光増幅器等)においては、雑音指数(NF)を低減するためには前段増幅部の利得を高く設定しておくことが効果的である。しかし、この設定を実現することもまた大容量のポンプ源を提供することを要求する。即ち、低い入力光レベルの場合に利得を高い値に設定することは通常の容量のポンプ源を用いることによっても比較的容易に実現され得る。しかし、利得が高い値に設定されたAGCのもとで入力レベルが増大するときには、通常の容量のポンプ源によるポンプ光のパワーは不足し、AGCが効果的に機能しなくなる可能性がある。この理由により、大容量のポンプ源が必要とされるのである。
このように、WDM光通信システムに適用される光増幅デバイスは、入力光レベルの変動を支持する所要の入力ダイナミックレンジを確保し、出力光の全チャネルのレベルを等化し、且つ雑音特性を向上させるためには、前段増幅部にポンプ光の過剰なパワーが要求されるという問題を有している。
図16はWDM光伝送システムに適用可能な光増幅デバイスを示すブロック図である。
図16を参照すると、光増幅デバイスは、入力端子Tinに入力されたWDM信号光を増幅する前段光増幅部501と、前段光増幅部501の出力端に接続された中段ALC部503と、中段ALC部503を通過したWDM信号光を増幅して増幅されたWDM信号光を出力端子Toutから出力する後段光増幅部505とを含む2段増幅構成を有している。
前段光増幅部501においては、入力端子Tinに入力されたWDM信号光は、ビームスプリッタ510、光アイソレータ511及びWDMカプラ512を介してエルビウムドープファイバ(EDF)513に供給される。ポンプ光は、ポンプ源(LD)518から放射され、WDMカプラ512を介してEDF513にその前端から供給される。このように、EDF513はポンプ光によりフォワードポンピング(前方励起)されている。
ポンプ源518の駆動状態はAGC回路520からの信号に従って制御される。より特定的には、EDF513に供給されるべきWDM信号光の一部とEDF513から出力された増幅されたWDM信号光の一部とが、それぞれビームスプリッタ510及び516により抽出され、それぞれフォトディテクタ(PD)517及び519により電気信号に変換される。フォトディテクタ517及び519からのこれらの電気信号はAGC回路520に入力される。AGC回路520においては、フォトディテクタ517及び519からの入力信号に従って実際の利得が得られ、その利得が一定になるように、ポンプ源518の駆動状態を制御するための信号が生成される。
このように、EDF513による利得は一定に制御され、WDM信号光がEDF513に入力されてそれを通過すると、WDM信号光は増幅される。EDF513により増幅されたWDM信号光は、光アイソレータ514を介して利得等化器(GEQ)515に供給される。利得等化器515は、EDF513の利得波長特性を補償するための光フィルタである。より特定的には、EDF513が予め定められた利得において図17に示されるような利得波長特性を有している場合には、図18に実線で示されるような透過波長特性を有する光フィルタを利得等化器515として用いればよい。利得等化器515を通過したWDM信号光は、ビームスプリッタ516を介して中段ALC部503に供給される。
中断ALC部503においては、前段増幅部501からのWDM信号光は、レベル調節デバイスとしての可変光減衰器(VATT)530に供給される。可変光減衰器530による光減衰はALC回路534からの信号に従って制御される。より特定的には、可変光減衰器530から出力されたWDM信号光の一部がビームスプリッタ531により抽出され、フォトディテクタ533により電気信号に変換される。この電気信号はALC回路534に入力される。ALC回路534においては、参照値発生回路535から供給されるALC参照値(Valcref)とフォトディテクタ533から供給された信号との比較結果に従って、可変光減衰器530から出力されるべきWDM信号光のチャネル当たりのレベルが一定になるように、可変光減衰器530による光減衰を制御する信号が生成される。
図示はしないが、WDM信号光の波長数(チャネル数)に関する情報が参照値発生回路535に外部から与えられており、チャネル数の変化を支持するようにALC参照値が出力される。
可変光減衰器530から出力されたWDM信号光は、ビームスプリッタ531を介して分散補償ファイバ(DCF)532に供給される。分散補償ファイバ532は、この光増幅デバイスに接続された光伝送路の波長分散特性を補償するように機能する。しかし、分散補償が不要である場合には、分散補償ファイバ532は省略されてもよい。分散補償ファイバ532を通過したWDM信号光は、後段光増幅部505に供給される。
後段光増幅部505においては、中段ALC部503からのWDM信号光は、ビームスプリッタ550、利得等化器551、光アイソレータ552及びWDMカプラ553を介してEDF554に供給される。前段光増幅部501における利得等化器515と同様に、利得等化器551は、予め定められた利得におけるEDF554の利得波長特性を補償するための光フィルタである。ポンプ源557から放射されたポンプ光は、WDMカプラ553を介してEDF554にその前端から供給され、EDF554についてフォワードポンピングが行われる。
ポンプ源557の駆動状態はAGC回路559からの信号に従って制御される。より特定的には、EDF554に入力されるべきWDM信号光の一部とEDF554から出力された増幅されたWDM信号光の一部とが、それぞれビームスプリッタ550及び555により抽出され、それぞれフォトディテクタ556及び558により電気信号に変換される。フォトディテクタ556及び558からのこれらの電気信号は、AGC回路559に入力される。AGC回路559においては、フォトディテクタ556及び558からの入力信号に従って実際の利得が得られ、その実際の利得が一定になるようにポンプ源557の駆動状態を制御するための信号が生成される。このように、EDF554による利得は一定に制御されており、WDM信号光がEDF554に入力されてこれを通過すると、WDM信号光は増幅される。EDF554により増幅されたWDM信号光は、ビームスプリッタ555を通過してこの光増幅器の出力端子Toutから出力される。
前段光増幅部及び後段光増幅部501及び505において、EDF513及び554、ポンプ源518及び557、並びにWDMカプラ512及び553は光増幅デバイスの一例として機能する。また、前段光増幅部及び後段光増幅部501及び505において、AGC回路520及び559、フォトディテクタ517,519,556及び558、並びにビームスプリッタ510,516,550及び555は、一定利得制御デバイスの例として機能する。更に、前段光増幅部及び後段光増幅部501及び505において、利得等化器515及び551は利得波長特性補償デバイスの例として機能する。また、中段ALC部503において、ALC回路534、ビームスプリッタ531、フォトディテクタ533及び参照値発生回路535は一定レベル制御デバイスの例として機能する。
AGCは、前段光増幅部501及び後段光増幅部505の各々において、対応するEDFの上流側及び下流側におけるWDM信号光の検出レベルに従って行われている。代替案として、各EDFにおいて発生する増幅された自然放出(ASE)を検出し、ASEの検出レベルに従って各EDFの利得を決定することによってAGCを行ってもよい。また、前段光増幅部501及び後段光増幅部505の各々においてはフォワードポンピングが行われているが、各光増幅部においてバックワードポンピング(後方励起)あるいは双方向ポンピングを行ってもよい。
図19は、図16の光増幅デバイス内を伝搬するWDM信号光のチャネル当たりのパワーレベルの変化を示すグラフである。図19に示されるように、光増幅器に入力される1チャネル当たりの入力レベルに変化があったとしても、WDM信号光の1チャネル当たりのレベルは中段ALC部503において一定に制御される。従って、後段光増幅部505において一定利得制御のもとで増幅されたWDM信号光の1チャネル当たりのレベルも一定に維持される。
所要の入力ダイナミックレンジを確保し且つ前段光増幅部501のためのAGCを維持するためには、ポンプ源518は、ハイパワーのポンプ光をEDF513に供給することができなければならない。図19に破線で示されるように、ポンプ源518がハイレベル入力光に対して設定利得を維持するのに十分なパワーを有するポンプ光を供給することができない場合には、EDF513による利得は低くなり、その結果、図17に示される利得波長特性が変化する。EDF513の利得波長特性が変化すると、利得等化器515による補償が効果的に機能しなくなり、その結果、光増幅器から出力されるWDM信号光の1チャネル当たりのレベルを一定に維持することができなくなる。
EDFの利得波長特性の変化を簡単に説明する。
図20は、EDFの利得の変化に伴うそのEDFの利得波長特性の変化の例を示すグラフである。図20に示される例においては、利得波長特性は、EDFの利得が比較的高いときに、波長の増大に伴って利得が減少する負の傾斜を有し、一方、EDFの利得が比較的低いときには、波長の増大に伴って利得が増大する正の傾斜を有する。このように、EDFの利得波長特性は、EDFの利得の増加、即ちポンプエネルギーの増加に伴い利得傾斜が正の傾斜から負の傾斜に変化するものであることが確認されている。また、利得傾斜が入力光レベルあるいはEDF長に従って変化することも報告されている(例えば、Y. Nakabayashi et al.,“Flattening of multi-wavelength batch amplification of optical fiber amplifier using fiber amplification factor control”, ShingakuGiho, OCS94-66; S. Yoshida et al.,“Wavelength multiplexed signal common amplification characteristics of high-concentration Al codoped EDFA”, ShingakuGiho, OCS95-9; Y, Sugaya et al.,“A study of configuration method for wavelength multiplexing Er-doped fiber optical amplifier”, ShingakuGiho)。
図16においては、前段光増幅部501の一定利得制御を維持するために比較的大容量のポンプ源518が必要であり、光増幅器の高価格化を招いている。
図16に示される光増幅デバイスの雑音特性について説明する。全体としての光増幅器の雑音指数(NF)は次の(1)式により計算され得る。
NF[dB]=LOSSf+10xlog{10NEf/10+(10LOSSm/10+10NFr/10)/10Gf/10} …(1)
ここで、LOSSfはEDF513の上流側における損失、NFfはEDF513の雑音指数、LOSSmはEDF513の下流側及びEDF554の上流側における損失(光増幅器の中段部分の損失)、NFrはEDF554の雑音指数、GfはEDF513の利得である。LOSSf=2dB,NFf=4dB,LOSSm=15dB,NFr=6dB,Gf=15dBである場合、全体としての光増幅器の雑音指数は(1)式からNF=7.61dBと計算される。
(1)式から明らかなように、全体としての光増幅器の雑音指数NFを低減するためには、損失LOSSf及びLOSSmあるいは雑音指数NFf及びNFrを減少させるかあるいは利得Gfを増大させなければならない。しかし、損失LOSSf及びLOSSmあるいは雑音指数NFf及びNFrを減少させることは、これらがそれぞれのデバイスの特性に依存していることから制限される。一方、利得Gfを増大することは、EDF513に供給されるべきポンプ光のパワーを増大することにより実現され得る。特に、光増幅器に入力される信号光のレベルが低くなったとき、受信端でのS/N比を高くすることを目的として、光増幅器の雑音指数NFの小さな値が確保されなければならない。
入力光のレベルが低い場合、それほど高いポンプ光パワーが要求されないことから、雑音指数NFはEDF513の利得Gfを増大することにより比較的容易に低減される。しかし、EDF513の利得波長特性は利得等化器513により補償されなければならないので、EDF513の利得Gfは一定に制御されなければならない。従って、入力光のレベルが低い場合にEDF513の利得Gfを高い値に設定することにより雑音指数NFは低減され得るけれども、入力光のレベルが高くなったときに、ポンプ光パワーが不足してAGCの効果がなくなり、チャネル間の出力光のレベルに差が生じてしまう可能性がある。
結局、図16の光増幅デバイスが所要の入力ダイナミックレンジを有することを要求される限りにおいて、雑音指数NFを低減することを目的として利得Gfを増大させるためには、EDF513に供給されるべきポンプ光のパワーは増大されなければならないのである。
このような状況に鑑み、以下でより詳しく議論される本発明の実施形態によると、図16の構成を改良することにより、所要の入力ダイナミックレンジを確保し、AGCに拘束されることなくEDFの利得波長特性の効果的な補償を可能にし、且つ、雑音指数NFの低減を可能にしたWDMのための光増幅デバイス(光増幅器等)が実現されるものである。
図21は本発明の実施形態による光増幅デバイスのブロック図である。図21において、図16の光増幅デバイスと実質的に同一の部分には同一の符号が付されている。
図21の光増幅デバイスは、図16の構成に対して、前段光増幅部501の利得の変化を検出し、検出された利得の変化に従って中段ALC部503におけるALC参照値を変更可能にし、且つ、検出された利得の変化に従って後段光増幅部505の設定利得を変更可能にした点で改良されている。これらの改良により、前段光増幅部501におけるポンプ源518として大容量のポンプ源を使用しなくてすむようになっている。より特定的には、図21の光増幅デバイスの構成は、前段光増幅部501がログ変換器(LOG)521及び522並びに加算器(−)523及び524を更に含む点と、中段ALC部503がログ変換器536及び加算器537を更に含む点と、後段光増幅部505がログ変換器560、加算器561及び逆ログ変換器562を更に含む点で図16の構成と異なる。
本発明のこの実施形態においては、ログ変換器521及び522並びに加算器523が利得測定デバイスの一例として機能し、加算器524が利得偏差算出デバイスの一例として機能する。また、加算器537は参照レベル変更デバイスの一例として機能し、ログ変換器560、加算器561及び逆ログ変換器562が参照利得変更デバイスの一例として機能する。
前段光増幅部501において、ログ変換器521及び522の入力端子はそれぞれフォトディテクタ517及び519の出力端子に接続されており、ログ変換器521及び522は、フォトディテクタ517及び519からの電気信号をそれぞれ受けてそれらの電気信号の電圧レベルを対数値に変換し、変換された対数値は加算器523に供給される。加算器523は、ログ変換器522の出力信号のレベルからログ変換器521の出力信号のレベルを減算して得た値をEDF513の利得に対応する電圧値Vagcとして加算器524に供給する。加算器524は、予め定められた利得参照値Vagcrefから加算器523の出力電圧値Vagcを減算して得た値を利得補正値Vadjとして中段ALC部503及び後段光増幅部505に供給する。
中段ALC部503において、ログ変換器536の入力端子はフォトディテクタ533の出力端子に接続されており、ログ変換器536は、フォトディテクタ533からの電気信号を受け、その電気信号の電圧レベルを対数値に変換してALC回路534の2つの入力端子のうちの一方に供給する。加算器537は、前段光増幅部501の加算器524からの利得補正値Vadjと参照値発生回路535からのALC参照値Valcrefとを受け、ALC参照値Valcrefから利得補正値Vadjを減算することにより、新しいALC参照値Valcref´を得る。得られた新しいALC参照値Valcref´は次いでALC回路534の他方の入力端子に供給される。ALC回路534は、新しいALC参照値Valcref´に従って、WDM信号光の1チャネル当たりのレベルが一定になるように、可変光減衰器530の光減衰を制御する。
後段光増幅部505において、ログ変換器560の入力端子は、フォトディテクタ556の出力端子に接続されており、ログ変換器560は、フォトディテクタ556からの電気信号を受け、その電気信号の電圧レベルを対数値に変換し、加算器561に供給する。加算器561は、前段増幅部501の加算器524からの利得補正値Vadjをログ変換器560の出力電圧値に加算し、得られた値は次いで逆ログ変換器562に供給される。逆ログ変換器562は、加算器561からの対数の出力電圧値を逆ログ変換してAGC回路559の2つの入力端子の一方に供給する。AGC回路559は、逆ログ変換器562からの信号とフォトディテクタ558からの信号とに従って、EDF554の利得が一定になるようにこれを制御する。
従って、図21においては、ログ変換器521、ログ変換器522、加算器523、加算器524、ログ変換器560、加算器561及び逆ログ変換器562が協働して、前段光増幅部501の利得の目標(あるいは参照)利得からの偏差を検出し検出された偏差を補償するように後段光増幅部505の利得を調節する利得調節器として機能する。しかし、このようなログ変換器、減算器及び逆ログ変換器の使用は単に利得調節器の1つの実施形態を表しているにすぎず、利得調節器の改良や他の設計は容易に与えられ得る。更に、図21においては、ログ変換器521、ログ変換器522、減算器523、減算器524及び減算器537は協働して、前段増幅部501により増幅された後段増幅部505により増幅される前の光のレベルを目標値に制御するレベル制御器として機能する。レベル制御器は、前段光増幅部501の利得の参照利得からの検出された偏差を補償するように目標レベルを調節する。しかし、これらログ変換器及び減算器の使用は単にレベル制御器の1つの実施形態を表しているだけであり、レベル調節器の改良及び他の設計は容易に与えられ得る。
図21の光増幅デバイスの動作をより詳細に説明する。
図22は、図21の光増幅デバイス内を伝搬するWDM信号光の1チャネル当たりのパワーレベルの変化を、本発明の実施形態に従って示すグラフである。図22において、1点鎖線で示される入力光のレベルが低い場合におけるパワーレベルの変化は、図19に示されるのと同様である。即ち、前段増幅部501に入力された低レベルのWDM信号光は、雑音指数を減少させるように考慮して設定された十分高い利得Gfで増幅され、このとき、EDF513の利得波長特性は利得等化器515により効果的に補償される。この場合、AGC利得参照値Vagcrefは利得Gfに従って予め定められるので、減算器524から出力される利得補正値Vadjは0である。前段増幅部501から中段ALC部503に供給されたWDM信号光は、利得補正値Vadjが0であるので、ALC参照値Valcrefに従って与えられたレベルまで減衰させられる。その後、そのWDM信号光は、分散補償ファイバ532を介して後段増幅部505に供給される。後段増幅部505に入力されたWDM信号光は、予め定められた利得Grで増幅され、このとき、EDF554の利得波長特性は、利得等化器551により効果的に補償される。このように、入力光のレベルが低い場合には、前段増幅部501の利得Gfを高い値に設定することによって、全体としての光増幅器の雑音指数を低減することができる。また、前段及び後段増幅部501及び505におけるEDF513及び554の利得波長特性は、ポンプ光パワーが比較的低く入力光レベルの多少の変化に係わらず一定利得制御が維持されるため、利得等化器515及び551によりそれぞれ効果的に補償される。従って、チャネル間のレベルが等化されたWDM信号光が光増幅器から出力される。
図22に実線で示されるように、入力光のレベルが高い場合には、利得Gfを一定に維持するのに十分高いパワーを有するポンプ光をポンプ源518が供給することができず、WDM信号光は利得Gfよりも低い利得Gf´で増幅される。利得が低くなると、EDF513の利得波長特性は図20に示されるような正の傾斜を有するようになるので、利得等化器515によるEDF513の補償が効果的に行われなくなる。
この問題に対処するために、前段増幅部501における利得の変化が中段ALC部503及び後段増幅部505に伝達され、中段ALC部503におけるALC参照値及び後段増幅部505における設定利得が変更され、光増幅器全体としての利得波長特性が補償される。即ち、前段増幅部501における利得Gf´の対数値として表現される電圧値Vagcが減算器523から出力され、その電圧値Vagcは次いで減算器524においてAGC利得参照値Vagcrefから減算される。減算器524により得られた差は、次いで利得補正値Vadjとして中段ALC部503及び後段増幅部505の双方に供給される。
中段ALC部503においては、ALC参照値Valcrefは、前段増幅部501からの利得補正値Vadjに従って変更される。例えば、前段増幅部501の利得が1dB減少した場合には、利得補正値Vadj=1が減算器537に入力され、ALC参照値Valcrefから利得補正値Vadjを減算して得られた差、即ち(Valcref−1)dBの差が新しいALC参照値Valcref´として減算器537からALC回路534に供給される。次いで、可変光減衰器530の光減衰は、この新しいALC参照値Valcref´に従って制御され、前段光増幅部501において一定利得制御の下で維持されていたレベルよりも1dB低いレベルを有するWDM信号光が中段ALC部503から後段光増幅部505に出力される。
後段光増幅部505においては、AGCにおける設定利得は、前段増幅部501からの利得補正値Vadjに従って変更される。上述の例では、前段増幅部501からの利得補正値Vadj=1が加算器561に入力され、ログ変換器560から供給された対数値として表現される電圧値に加算される。即ち、EDF554に供給されるべきWDM信号光
のレベルを1dB増大することにより得られる電圧値が加算器561から逆ログ変換器562に供給される。次いで、逆ログ変換器562からの真値(逆ログ変換された値)として得られる電圧値がAGC回路559に供給され、WDM信号光は利得Grよりも1dB高い利得Gr´で増幅される。利得が増大すると、EDF554の利得波長特性は図20に示されるように負の傾斜を有するようになるので、利得等化器551によるEDF554の補償は効果的に行われることができなくなる。しかし、前段増幅部501における利得波長特性の補償されていない量は後段増幅部505において相殺されるので、光増幅器全体としての利得波長特性の効果的な補償が可能になる。
このとき、後段増幅部505における利得を増大するために必要とされるポンプ光パワーの増加は、EDF554を飽和領域で動作させることによって比較的小さな量に抑圧され得る。これは、EDFにおいては、一般的に、利得の入力光レベルに対する関係が、図23に示されるように、飽和領域において約0.8の負の傾斜を有する(例えば、入力光レベルが1dB低下すると、利得は0.8dB増える)という事実に起因している。従って、設定利得を増大するのに必要とされるポンプ光パワーの増加は抑圧され得る。
上述したように、入力光レベルが高い場合には、前段増幅部501における利得GfはAGCに拘束されることなくより低い値Gf´に変更させられ、ポンプ源518として大容量の光源を使用する必要がなくなり、しかも、ポンプ源518にとっては、出力パワーの達成可能な範囲でポンプ光をEDF513に供給すれば十分となる。たとえ、前段増幅部501における利得の変化によりEDF513の利得波長特性が利得等化器515により効果的に補償され得ないときであっても、中段ALC部503におけるALC参照値及び後段増幅部505における設定利得を変更することによって、前段及び後段増幅部501及び505における利得波長特性は互いに相殺されることができ、チャネル間でレベルが等化されたWDM信号光を得ることができる。また、後段増幅部505を飽和領域で動作させることによって、後段増幅部505におけるポンプ光パワーの増加を前段増幅部501における利得に係わらず最小にすることができる。雑音特性に関しては、入力光レベルが高いので、受信端でのS/N比を確保するために特に雑音指数を低減する必要性はほとんどない。従って、入力光レベルが低い場合と比較して、前段増幅部501における高い利得を維持し雑音指数を低減することはほとんど不要であるということができる。
図21においては、前段増幅部501における利得波長特性及び後段増幅部505における利得波長特性は、設定利得の変化に応答して同じ傾向で変化する。即ち、前段増幅部501及び後段増幅部505で用いられるErドープファイバ増幅器は同じような構成である。しかし、本発明はこの構成に限定されない。例えば、設定利得の変化に応答する前段及び後段増幅部の利得波長特性の変化量が互いに異なるような場合であっても、前段及び後段増幅部における利得波長特性の変化の傾向が同じであれば十分であり、前述した実施形態に従い、前段及び後段光増幅部の利得の波長特性が相殺されるという効果が生じる。しかし、この場合、光増幅器全体としての利得波長特性の厳密な補償は保証されない。また、設定利得の変化に応答する前段及び後段光増幅部における利得波長特性の変化の傾向が互いに逆である場合には、例えば、後段増幅部505における加算器561に代えて減算器を用いることによって同様の効果を得ることができる。
前段及び後段増幅部501及び505においてエルビウムドープファイバ513及び554が用いられているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば,エルビウムドープファイバ以外の希土類元素を含む希土類ドープファイバが前段及び後段増幅部及び501及び505において用いられてもよい。また、図21の光増幅器は2段増幅構成を有しているが、3段あるいはそれよりも多くの段の増幅構成が採用されてもよい。
図24は本発明の実施形態による光通信システムを示すブロック図である。図24を参照すると、光送信機(TX1,…,TXN)600はそれぞれ異なる波長(λ1,…,λN)の光信号を送信する。マルチプレクサ(MUX)610は、これらの光信号をWDM信号光に多重化し、WDM信号光を光ファイバ伝送路620に供給する。光増幅デバイス630はWDM信号光が伝送路620を通って進行するときにWDM信号光を増幅する。デマルチプレクサ(DEMUX)640は個々の光信号が受信機(RX1,…,RXN)650により受信されるようにWDM信号光を分ける。光増幅デバイス630は本発明の実施形態として説明された構成を有することができる。例えば、光増幅デバイス630は、図5,7,8,9,10,12,13,15,21のいずれかに開示された構成を有することができる。
上述した本発明の実施形態によると、WDMのための光増幅デバイス(光増幅器等)は、利得偏差検出デバイス及び参照利得変更デバイスを含む。従って、光増幅デバイスへの入力光のレベルが大きく変化したような場合であっても、各光増幅段の利得波長依存性は、一定利得制御に拘束されることなく確実に補償され得る。その結果、光増幅デバイスは、チャネル間でレベル等化されたWDM信号光を出力することができる。また、一定利得制御を維持するために大容量のポンプ源を用いる必要がないので、コストの低減が可能である。更に、前段光増幅デバイスの利得は高い値に設定され得るので、雑音特性が改善され得る。加えて、一定レベル制御デバイス及び参照レベル変更デバイスが設けられているので、全チャネルの光信号が均等な利得で且つ一定レベルに増幅されるWDM信号光を得ることができる。このように、より安定な増幅特性を有するWDMのための光増幅器を提供することができる。
本発明の上述した実施形態によると、波長分割多重のための光増幅デバイス(光増幅器等)は、一定利得制御のもとで変化する入力レベルを有するWDM信号光を各々増幅する前段増幅部501及び後段増幅部505と、WDM信号光を一定レベルに制御するためのALC部503とを含む。前段増幅部501においては、利得偏差を表す利得補正値Vadjがログ変換器521及び522並びに減算器523及び524により検出される。利得補正値Vadjに従って、中段ALC部502におけるALC参照値Valcref及び後段増幅器505における参照利得が変更される。従って、前段増幅部501の利得波長特性の変化は後段増幅部505における利得波長特性により相殺(キャンセル)され、光増幅デバイス全体の利得波長特性を効果的に補償することができる。
本発明の上述した実施形態によると、WDMのための光増幅デバイスが提供される。受けたポンプ光によりWDM信号光を増幅するための希土類ドープファイバを各々が有する複数の光増幅デバイスがカスケード接続される。複数の一定利得制御デバイスは、各光増幅デバイスの利得が予め定められた参照利得になるようにポンプ光のパワーを制御する。利得波長特性補償デバイスは、基準利得における各光増幅デバイスの利得の波長特性を補償する。また、利得偏差検出デバイスは、各光増幅デバイスの利得と参照利得との利得偏差を検出する。参照利得変更デバイスは、複数の光増幅デバイスの少なくとも1つの利得偏差が利得偏差検出デバイスにより検出されたときに、利得偏差が検出されていない他の光増幅デバイスの参照利得が、利得偏差が検出された光増幅デバイスにおいて生じる利得の波長依存性の変化を相殺するために変更させられるように、参照利得を変更する。
この構成によると、光増幅デバイスに入力されたWDM信号光は、カスケード接続された複数の光増幅デバイスにより順次増幅される。各光増幅デバイスにおけるポンプ光パワーは一定利得制御デバイスにより制御されるので、各光増幅デバイスの利得はポンプ光の達成可能な出力範囲内において一定に維持される。各光増幅デバイスのための一定利得制御が維持されているときには、各光増幅デバイスにおける利得の波長依存性は利得波長特性補償デバイスにより補償され、チャネル間でレベルが等化されたWDM信号光が得られる。各光増幅デバイスにおける一定利得制御による制御がポンプ光の達成可能な出力範囲外になると、その光増幅デバイスのための一定利得制御は維持され得なくなり、その光増幅デバイスの利得とその参照利得との間に偏差が生じる。その結果、光増幅デバイスの利得の波長依存性が変化し、利得波長特性補償デバイスによる補償が効果的に機能しなくなるという問題が生じる。この問題に対処するために、この利得偏差が利得偏差検出デバイスによって検出されると、検出された利得偏差に従って、利得偏差が検出されていない他の光増幅デバイスの参照利得が変更される。その結果、一定利得制御が維持され得なくなった光増幅デバイスの利得の波長依存性の変化が、参照利得が既に変更されている他の光増幅デバイスの利得の波長依存性によって相殺され、チャネル間でレベルが等化されたWDM信号光が得られる。
従って、各光増幅デバイスへの入力光のレベルが大きく変化した場合であっても、各光増幅デバイスの利得の波長依存性は一定利得制御に拘束されることなく、確実に補償され、光増幅器全体として平坦な利得波長特性を有するWDM信号光を出力することが可能になる。従って、大容量のポンプ源を特別に用いる必要がなくなり、WDMのための光増幅器のコストを低減することができる。また、前段光増幅デバイスの利得はより高い値に設定され得るので、雑音特性もまた改善され得る。
望ましくは、本発明の実施形態による光増幅デバイスは、更に、レベル調節デバイス、一定レベル制御デバイス及び参照レベル変更デバイスを備えている。レベル調節デバイスは、複数の光増幅デバイスの前段又は後段に設けられあるいは複数の光増幅デバイスの間に設けられ、WDM信号光のレベルを調節する。一定レベル制御デバイスは、WDM信号光の1チャネル当たりのパワーレベルが予め定められた一定の参照レベルになるように、レベル調節デバイスによる調節量を制御する。参照レベル変更デバイスは、利得偏差が利得偏差検出デバイスにより検出され、且つ、レベル調節デバイスが利得偏差が検出されている光増幅デバイスの後段に設けられている場合に、検出された利得偏差に従って参照レベルが変更されるように、参照レベルを変更する。
この構成によると、一定利得制御が各光増幅デバイスに対して維持されているか否かに係わらず、全チャネルの光信号が均等な利得で一定のレベルに増幅されたWDM信号を得ることができる。従って、増幅特性においてより安定化されたWDMのための光増幅器の提供が可能になる。
望ましくは、利得偏差検出デバイスは、複数の光増幅デバイスのうちで一定利得制御デバイスによる利得制御が入力光レベルの変化の範囲内で維持されることができないところの光増幅デバイスの利得を測定する利得測定デバイスと、利得偏差を得るために利得測定デバイスにより測定された利得と参照利得とを比較するための利得偏差算出デバイスとを備えている。参照利得変更デバイスは、複数の光増幅デバイスのうち一定利得制御デバイスによる制御が入力光レベルの変化の範囲内で維持され得るところの光増幅デバイスのために設けられる。
本発明の上述した実施形態によると、利得測定デバイスは、光増幅デバイスに入力されたWDM信号光のレベルと光増幅デバイスから出力されたWDM信号光のレベルとに従って利得を測定する。変更案として、利得測定デバイスは、光増幅デバイスの希土類ドープファイバにおいて発生する増幅された自然放出のレベルに従って利得を測定するようにしてもよい。
本発明の上述した実施形態によると、利得の変化に応答して複数の光増幅デバイスの利得の波長依存性が同じ傾向で変化するときに、利得偏差が検出されている光増幅デバイスにおける利得の減少に伴い他の光増幅デバイスの参照利得は増大させられ、一方、利得偏差が検出されている光増幅デバイスの利得の増大に伴い他の光増幅デバイスの参照利得は低下させられる。
望ましくは、利得偏差検出デバイスは、利得偏差の対数値を出力し、参照利得変更デバイスは、利得偏差の対数値及び参照利得を用いて参照利得を変更する。より望ましくは、参照レベル変更デバイスは、利得偏差の対数値及び参照レベルを用いて参照レベルを変更する。
従って、本発明の上述した実施形態によると、WDM光通信システムにおいて用いられるための光増幅器は、所要の入力ダイナミックレンジを確保することができ、一定利得制御により拘束されることなく光増幅器内の各光増幅デバイスの利得波長特性を補償することができ、雑音特性を改善することができる。
本発明の上述した種々の実施形態は、カスケード接続された2つの光増幅器あるいは2つの光増幅段を有する光増幅器、光中継器等の光増幅デバイスに関連している。しかし、本発明の実施形態は2段の光増幅デバイスに限定されることを意図するものではない。その代わりに、本発明は、2つよりも多くの光増幅器あるいは光増幅段がカスケード接続されている装置あるいは方法にも適用可能である。一例として、本発明の上述した実施形態によると、装置はカスケード接続された複数の光増幅器を含む。光がカスケード接続された複数の光増幅器を通って伝搬するときに光は各光増幅器によって増幅される。各光増幅器は対応する利得により光を増幅する。利得調節器は、複数の光増幅器のうちの1つの利得の目標利得からの偏差を検出し、その利得を調節することにより、検出された偏差を補償する。ここで、カスケード接続された複数の光増幅器は、2つ又はそれよりも多くのカスケード接続された光増幅器を含むことができる。
種々の波長、周波数及び/又は他の数値例が光信号、ポンプ光、波長帯等を記述するために提供されている。本発明はこれらの波長、周波数及び/又は他の数値例に限定されることを意図するものではない。
以上、本発明のいくつかの望ましい実施形態を示し説明したが、本発明の原理及び精神から離れることなくこれらの実施形態において種々の変更がなされるであろうことは当業者にとって理解されるであろう。本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等なものによって定義されている。
以上の説明に関連して、以下の項を開示する。
1. 光を受けその受けた光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光を増幅する第2の光増幅器と、
上記第1の光増幅器が受けた光のレベルがΔ変化したときに上記第2の光増幅器が受けた光のレベルが概ね−Δ変化するように制御する制御器とを備えた装置。
2. 第1項に記載された装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器からなるグループの1つから出力される光のレベルを一定に維持するフィードバックループを更に備えた装置。
3. 第1項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持するための第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持するための第2のフィードバックループとを更に備えた装置。
4. 第1項に記載の装置であって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記第2の光増幅器が受ける光のレベルを制御するために上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
5. 第2項に記載の装置であって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記第2の光増幅器が受ける光のレベルを制御するために上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
6. 第3項に記載の装置であって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記第2の光増幅器が受ける光のレベルを制御するために上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
7. 第3項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の各々は、
光増幅媒体と、
上記光増幅媒体が当該光増幅器により増幅された光の波長を含む利得帯域を提供するように上記光増幅媒体にポンプ光を供給する光源とを含み、
上記第1のフィードバックループは上記第1の光増幅器の上記光源により供給される上記ポンプ光のパワーを制御することによって上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持し、
上記第2のフィードバックループは上記第2の光増幅器の上記光源により供給された上記ポンプ光のパワーを制御することによって上記第2の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する装置。
8. 第1項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の各々は、
希土類元素がドープされた光ファイバと、
上記光ファイバが当該光増幅器によって増幅された光の波長を含む利得帯域を提供するように上記光ファイバにポンプ光を供給する光源とを含む装置。
9. 第1項に記載の装置であって、
上記第2の光増幅器が受けた光のレベルが−(Δ±Δ/20)変化して概ね−Δ変化する装置。
10. 光を受けその受けた光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光を増幅する第2の光増幅器と、
上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器と、
上記第1の光増幅器が受けた光のレベルがΔ変化したときに上記第2の光増幅器が受けた光のレベルが概ね−Δ変化するように上記可変減衰器の減衰を制御する制御器とを備えた装置。
11. 第10項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器からなるグループの少なくとも1つから出力された光のレベルを一定に維持するフィードバックループを更に備えた装置。
12. 第10項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第2のフィードバックループとを更に備えた装置。
13. 第10項に記載の装置であって、
上記第2の光増幅器が受けた光のレベルが−(Δ±Δ/20)変化して概ね−Δ変化する装置。
14. 光通信システムであって、
異なる波長の光を送信する複数の光送信機と、
上記光信号を波長分割多重(WDM)信号光に多重化するマルチプレクサと、
上記WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
上記WDM信号光が上記伝送路により伝送されるときに上記WDM信号光を増幅する光増幅デバイスとを備え、
上記光増幅デバイスは、
上記WDM信号光を受けその受けたWDM信号光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅されたWDM信号光を受けその受けたWDM信号光を増幅する第2の光増幅器と、
上記第1の光増幅器が受けたWDM信号光のレベルがΔ変化したときに上記第2の光増幅器が受けたWDM信号光のレベルが概ね−Δ変化するように制御する制御器とを含んでいるシステム。
15. 第14項に記載のシステムであって、
上記光増幅デバイスは、上記第1及び第2の光増幅器からなるグループの少なくとも1つから出力されたWDM信号光のレベルを一定に維持するフィードバックループを更に含んでいるシステム。
16. 第14項に記載のシステムであって、
上記光増幅デバイスは、
上記第1の光増幅器により増幅されたWDM信号光のレベルを一定に維持する第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器により増幅されたWDM信号光のレベルを一定に維持する第2のフィードバックループとを更に含んでいるシステム。
17. 第14項に記載のシステムであって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続される可変減衰器を含み、上記制御器は上記第2の光増幅器が受けるWDM信号光のレベルを制御するために上記可変減衰器の減衰を制御するシステム。
18. 第14項に記載のシステムであって、
上記光増幅デバイスは上記伝送路に沿って複数設けられているシステム。
19. 第14項に記載のシステムであって、
上記第2の光増幅器が受けたWDM信号光のレベルが−(Δ±Δ/20)変化することにより概ね−Δ変化するシステム。
20. 光を受けその受けた光を光学的に増幅する第1の増幅プロセスと、
上記第1の増幅プロセスにより増幅された光を受けその受けた光を光学的に増幅する第2の増幅プロセスと、
上記第1の増幅プロセスが受けた光のレベルがΔ変化したときに上記第2の光増幅プロセスが受けた光のレベルが概ね−Δ変化するように制御することとを含む方法。
21. 第20項に記載の方法であって、
上記第1及び第2の増幅プロセスからなるグループの少なくとも1つによって増幅された光のレベルを一定に維持することを更に含んでいる方法。
22. 第20項に記載の方法であって、
上記第1の増幅プロセスにより増幅された光のレベルを一定に維持することと、
上記第2の増幅プロセスにより増幅された光のレベルを一定に維持することとを更に含んでいる方法。
23. 第20項に記載の方法であって、
上記制御することは、上記第2の増幅プロセスが受けた光の減衰を制御しそれにより上記第2の増幅プロセスが受けた光のレベルを制御することを含んでいる方法。
24. 第20項に記載の方法であって、
上記第2の増幅プロセスが受けた光のレベルが−(Δ±Δ/20)変化して概ね−Δ変化する方法。
25. 各々対応する利得を有する互いに光学的に接続された複数の光増幅器と、
上記光増幅器の利得の和を一定にする制御器とを備えた装置。
26. 第25項に記載の装置であって、
上記光増幅器の間に光学的に接続される可変減衰器を更に備え、上記制御器は上記光増幅器の利得の和が一定になるように上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
27. 光を受けその受けた光をその利得で増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得により増幅する第2の光増幅器と、
上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にする制御器とを備えた装置。
28. 第27項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器からなるグループの少なくとも1つから出力された光のレベルを一定に維持するフィードバックループを更に備えた装置。
29. 第27項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第2のフィードバックループとを更に備えた装置。
30. 第27項に記載の装置であって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にするために上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
31. 第29項に記載の装置であって、
上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にするために上記可変減衰器の減衰を制御する装置。
32. 第27項に記載の装置であって、
上記制御器は、
与えられた波長帯域における上記第1の光増幅器の入力レベル及び出力レベルに従って上記第1の光増幅器の利得を検出する第1の利得モニタと、
与えられた波長帯域における上記第2の光増幅器の入力レベル及び出力レベルに従って上記第2の光増幅器の利得を検出する第2の利得モニタとを含んでおり、
上記制御器は上記第1及び第2の利得モニタによって検出された利得に従って上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にする装置。
33. 第27項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の各々は、
希土類元素がドープされた光ファイバと、
上記光ファイバが当該光増幅器により増幅された光の波長を含む利得帯域を提供するように上記光ファイバにポンプ光を供給する光源とを含んでいる装置。
34. 第33項に記載の装置であって、
上記制御器は、
上記第1の光増幅器の光ファイバにおけるポンプ光の吸収に従って上記第1の光増幅器の利得を検出する第1の利得モニタと、
上記第2の光増幅器の光ファイバにおけるポンプ光の吸収に従って上記第2の光増幅器の利得を検出する第2の利得モニタとを含んでおり、
上記制御器は上記第1及び第2の利得モニタにより検出された利得に従って上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にする装置。
35. 第33項に記載の装置であって、
上記制御器は、
上記第1の光増幅器の光ファイバから放射された自然放出光のパワーに従って上記第1の光増幅器の利得を検出する第1の利得モニタと、
上記第2の光増幅器の光ファイバから放射された自然放出光のパワーに従って上記第2の光増幅器の利得を検出する第2の利得モニタとを含んでおり、
上記制御器は上記第1及び第2の利得モニタにより検出された利得に従って上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にする装置。
36. 光を受けその受けた光をその利得で増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器と、
上記第1及び第2の光増幅器の利得の和を一定にするために上記可変減衰器の減衰を制御する制御器とを備えた装置。
37. 第36項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器からなるグループの少なくとも1つから出力された光のレベルを一定に維持するフィードバックループを更に備えた装置。
38. 第36項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器により増幅された光のレベルを一定に維持する第2のフィードバックループとを更に備えた装置。
39. 光通信システムであって、
異なる波長の光信号を出力する複数の光送信機と、
上記光信号を波長分割多重(WDM)信号光に多重化するマルチプレクサと、
上記WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
上記WDM信号光が上記伝送路により伝送されるときに上記WDM信号光を増幅する光増幅デバイスとを備え、
上記光増幅デバイスは、
各々対応する利得を有する互いに光学的に接続された複数の光増幅器と、
上記光増幅器の利得の和を一定にする制御器とを含んでいるシステム。
40. 第39項に記載のシステムであって、
上記制御器は上記光増幅器の間に光学的に接続された可変減衰器を含み、上記制御器は上記光増幅器の利得の和が一定になるように上記可変減衰器の減衰を制御するシステム。
41. 各々対応する利得を有する互いに光学的に接続された複数の光増幅器を提供することと、
上記光増幅器の利得の和を一定にすることとを備えた方法。
42. 光を受けその受けた光をその利得で光学的に増幅する第1の増幅プロセスと、
上記第1の増幅プロセスにより増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の増幅プロセスと、
上記第1及び第2の増幅プロセスの利得の和を一定にすることとを備えた方法。
43. 第42項に記載の方法であって、
上記第1及び第2の増幅プロセスからなるグループの少なくとも一方により増幅された光のレベルを一定に維持することを更に備えた方法。
44. 第42項に記載の方法であって、
上記第1の増幅プロセスにより増幅された光のレベルを一定に維持することと、
上記第2の増幅プロセスにより増幅された光のレベルを一定に維持することとを更に備えた方法。
45. その利得で光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得の目標利得からの偏差を検出し検出された偏差を補償するために上記第2の光増幅器の利得を調節する利得調節器とを備えた装置。
46. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得が一定になるように制御する第1の利得制御器と、
上記第2の光増幅器の利得が一定になるように制御する第2の利得制御器とを更に備えた装置。
47. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
48. 第46項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
49. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備えた装置。
50. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は上記第1の光増幅器の利得の検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
51. 第46項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に供え、上記レベル制御器は上記第1の光増幅器の利得の検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
52. 第45項に記載に装置であって、
上記利得調節器は、
上記第1の光増幅器の利得の偏差を検出する利得検出デバイスと、
検出された偏差に従って上記第2の光増幅器の利得を調節する利得調節デバイスとを含んでいる装置。
53. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得を一定に制御する利得制御器を更に備え、上記第1の光増幅器の利得の偏差は上記第1の光増幅器により増幅される前の光のパワーレベルの変化に起因する上記目標利得からの偏差である装置。
54. 第50項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得を一定に制御する利得制御器を更に備え、上記第1の光増幅器の利得の偏差は上記第1の光増幅器により増幅される前の光のパワーレベルの変化に起因する上記目標利得からの偏差である装置。
55. 第52項に記載の装置であって、上記利得検出デバイスは上記第1の光増幅器の入出力レベルから上記第1の光増幅器の利得を検出し検出された利得から上記利得の偏差を検出する装置。
56. 第52項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器はドープファイバを含み、上記ドープファイバは上記光が上記ドープファイバを通過するときに上記光を増幅し、
上記利得検出デバイスは上記ドープファイバにおいて発生した自然放出光から上記第1の光増幅器の利得を検出し検出された利得から上記利得の偏差を検出する装置。
57. 第45項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の上記検出された偏差を補償するために、上記利得調節器は、上記第1の光増幅器の利得の減少を補償するために上記第2の光増幅器の利得を増大させ、上記第1の光増幅器の利得の増大を補償するために上記第2の光増幅器の利得を減少させる装置。
58. 第45項に記載の装置であって、
上記利得調節器は上記第1の光増幅器の利得の偏差に対応する対数値を検出する対数回路を含み、上記対数値は上記第2の光増幅器の利得を調節するために用いられる装置。
59. その利得で光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得を目標利得で一定に制御する第1の利得制御器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得の上記目標利得からの偏差を検出する利得偏差検出器と、
上記第1の光増幅器の利得の検出された偏差を補償するために上記第2の光増幅器の利得を調節する利得調節器とを備えた装置。
60. 第59項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は上記利得偏差検出器により検出された上記第1の光増幅器の利得の偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
61. 第59項に記載の装置であって、
上記第2の光増幅器の利得を一定に制御する第2の利得制御器を更に備えた装置。
62. 第59項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
63. 第60項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
64. その利得で光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得を上記第1の光増幅器のための目標利得で一定に制御する第1の利得制御器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第2の光増幅器の利得を上記第2の光増幅器のための目標利得で一定に制御する第2の利得制御器と、
上記第1の光増幅器の利得の上記第1の光増幅器の目標利得からの偏差を検出する利得偏差検出器と、
上記第1の光増幅器の利得の検出された偏差を補償するために上記第2の光増幅器の目標利得を調節する利得調節器とを備えた光増幅デバイス。
65. 第64項に記載の光増幅デバイスであって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は上記第1の光増幅器の利得の検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する光増幅デバイス。
66. 第65項に記載の光増幅器デバイスであって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた光増幅デバイス。
67. その利得で光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第1及び第2の光増幅器の一方の利得の偏差を検出し検出された偏差を補償するために他方の利得を調節する利得調節器とを備えた装置。
68. 第67項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得を一定に制御する第1の利得制御器と、
上記第2の光増幅器の利得を一定に制御する第2の利得制御器とを更に備えた装置。
69. 第67項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
70. 第68項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
71. 第67項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は利得の上記検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
72. 第68項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は利得の上記検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
73. その利得で光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得を上記第1の光増幅器のための目標利得で一定に制御する第1の利得制御器と、
上記第1の光増幅器により増幅された光を受けその受けた光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第2の光増幅器の利得を上記第2の光増幅器のための目標利得で一定に制御する第2の利得制御器と、
上記第1及び第2の光増幅器の一方の利得のその目標利得からの偏差を検出し検出された偏差を補償するように他方の利得を調節する利得調節器とを備えた装置。
74. 第73項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第1の補償デバイスと、
上記第2の光増幅器の利得の波長依存性を補償する第2の補償デバイスとを更に備えた装置。
75. 第73項に記載の装置であって、
上記第1の光増幅器により増幅された光のレベルを上記第2の光増幅器により増幅される前に目標レベルに制御するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は利得の上記検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
76. 通過する光が各光増幅器により増幅されるようにカスケード接続され、各光増幅器は対応する利得で光を増幅する複数の光増幅器と、
上記複数の光増幅器の1つの利得の目標利得からの偏差を検出し検出された偏差を補償するために上記複数の光増幅器の他の少なくとも1つの利得を調節する利得調節器とを備えた装置。
77. 第76項に記載の装置であって、
上記複数の光増幅器にそれぞれ対応する複数の利得制御器を更に備え、各利得制御器は対応する光増幅器の利得を一定に制御する装置。
78. 第76項に記載の装置であって、
利得の偏差が検出される光増幅器と利得が調節される光増幅器との間に位置するレベル制御器を更に備え、上記レベル制御器は光のレベルを目標レベルに制御し、上記レベル制御器は利得の上記検出された偏差を補償するために上記目標レベルを調節する装置。
79. その利得で光を増幅する第1の光増幅プロセスと、
上記第1の光増幅プロセスの利得を目標利得で一定に制御することと、
上記第1の光増幅プロセスにより増幅された光を受けその受けた光をその利得により増幅する第2の光増幅プロセスと、
上記第1の光増幅プロセスの利得の上記目標利得からの偏差を検出することと、
検出された偏差を補償するために上記第2の光増幅プロセスの利得を調節することとを備えた方法。
80. 光通信システムであって、
異なる波長の光信号を出力する複数の光送信機と、
上記光信号を波長分割多重(WDM)信号光に多重化するマルチプレクサと、
上記WDM信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
上記WDM信号光が上記伝送路を通って伝送されるときに上記WDM信号光を増幅する光増幅デバイスとを備え、
上記光増幅デバイスは、
その利得で上記WDM信号光を増幅する第1の光増幅器と、
上記第1の光増幅器により増幅されたWDM信号光を受けその受けたWDM信号光をその利得で増幅する第2の光増幅器と、
上記第1の光増幅器の利得の目標利得からの偏差を検出し検出された偏差を補償するために上記第2の光増幅器の利得を調節する利得調節器とを備えているシステム。
1´. 第1及び第2の光増幅器と、
該第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続され供給された制御信号に従って変化する減衰を与えるための可変光アッテネータと、
上記第1の光増幅器の出力レベルが一定に保たれるように上記第1の光増幅器を制御するための第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器の出力レベルが一定に保たれるように上記第2の光増幅器を制御するための第2のフィードバックループと、
上記第1の光増幅器の入力レベルを検出するための手段と、
上記第1の光増幅器の入力レベルがΔ(単位はdBm)変化したときに上記第2の光増幅器の入力レベルが−Δ変化するように上記制御信号を生成する制御ユニットとを備えた装置。
2´. 第1´項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の各々は、光増幅媒体と、該光増幅媒体が信号光の波長を含む利得帯域を提供するように上記増幅媒体にポンプ光を供給するためのポンプ光源とを含み、
上記第1及び第2のフィードバックループの各々は上記ポンプ光のパワーを制御する手段を含む装置。
3´. 第2´項に記載の装置であって、
上記光増幅媒体は希土類元素を含むドーパントがドープされたドープファイバからなる装置。
4´. 波長が異なる複数の光信号を波長分割多重(WDM)して得られたWDM信号光を伝送するための光ファイバ伝送路と、
該光ファイバ伝送路に光学的に接続される光増幅器とを備え、
上記光増幅器は、
第1及び第2の光増幅器と、
該第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続され供給された制御信号に従って変化する減衰を与えるための可変光アッテネータと、
上記第1の光増幅器の出力レベルが一定に保たれるように上記第1の光増幅器を制御するための第1のフィードバックループと、
上記第2の光増幅器の出力レベルが一定に保たれるように上記第2の光増幅器を制御するための第2のフィードバックループと、
上記第1の光増幅器の入力レベルを検出するための手段と、
上記第1の光増幅器の入力レベルがΔ(単位はdBm)変化したときに上記第2の光増幅器の入力レベルが−Δ変化するように上記制御信号を生成する制御ユニットとを備えているシステム。
5´. 第4´項に記載のシステムであって、
上記光増幅器は上記光ファイバ伝送路の途中に設けられる複数の光中継器の各々によって提供されるシステム。
6´ 光増幅のための方法であって、
(a)各々出力レベルが一定に保たれる第1及び第2の光増幅器を提供するステップと、
(b)上記第1及び第2の光増幅器の間に可変光アッテネータを光学的に接続するステップと、
(c)上記第1の光増幅器の入力レベルがΔ(単位はdBm)変化したときに上記第2の光増幅器の入力レベルが−Δ変化するように上記可変光アッテネータを制御するステップとを備えた方法。
7´. 第1及び第2の光増幅器と、
該第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続され供給された制御信号に従って変化する減衰を与えるための可変光アッテネータと、
上記第1の光増幅器の第1の利得を検出するための第1の利得モニタと、
上記第2の光増幅器の第2の利得を検出するための第2の利得モニタと、
上記検出された第1及び第2の利得の和が一定になるように上記制御信号を生成する制御ユニットとを備えた装置。
8´. 第7´項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の少なくともいずれかの出力レベルが一定に保たれるようにするためのフィードバックループを更に備えた装置。
9´. 第7´項に記載の装置であって、
上記第1の利得モニタは与えられた帯域における上記第1の光増幅器の入力レベル及び出力レベルに基づき上記第1の利得を検出し、
上記第2の利得モニタは上記与えられた帯域における上記第2の光増幅器の入力レベル及び出力レベルに基づき上記第2の利得を検出する装置。
10´. 第7´項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の光増幅器の各々は、希土類元素を含むドーパントがドープされたドープファイバと、該ドープファイバが信号光の波長を含む利得帯域を提供するように上記ドープファイバにポンプ光を供給するためのポンプ光源とを含む装置。
11´. 第10´項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の利得モニタの各々は上記ドープファイバにおける上記ポンプ光の吸収率に基づき上記第1及び第2の利得の各々を検出する装置。
12´. 第10´項に記載の装置であって、
上記第1及び第2の利得モニタの各々は上記ドープファイバからその側方に放射される自然放出光のパワーに基づき上記第1及び第2の利得の各々を検出する装置。
13´. 波長が異なる複数の光信号を波長分割多重(WDM)して得られたWDM信号光を伝送するための光ファイバ伝送路と、
該光ファイバ伝送路に光学的に接続される光増幅器とを備え、
上記光増幅器は、
第1及び第2の光増幅器と、
該第1及び第2の光増幅器の間に光学的に接続され供給された制御信号に従って変化する減衰を与えるための可変光アッテネータと、
上記第1の光増幅器の第1の利得を検出するための第1の利得モニタと、
上記第2の光増幅器の第2の利得を検出するための第2の利得モニタと、
上記検出された第1及び第2の利得の和が一定になるように上記制御信号を生成する制御ユニットとを備えているシステム。
14´. 第13´項に記載のシステムであって、
上記光増幅器は上記光ファイバ伝送路の途中に設けられる複数の光中継器の各々によって提供されるシステム。
15´. 光増幅のための方法であって、
(a)第1及び第2の利得をそれぞれ有する第1及び第2の光増幅器を提供するステップと、
(b)上記第1及び第2の光増幅器の間に可変光アッテネータを光学的に接続するステップと、
(c)上記第1及び第2の利得を検出するステップと、
(d)上記検出された第1及び第2の利得の和が一定になるように上記可変光アッテネータを制御するステップとを備えた方法。
16´. 第15´項に記載の方法であって、
上記第1及び第2の光増幅器の少なくともいずれかの出力レベルが一定に保たれるようにフィードバック制御するステップを更に備えた方法。
1″. 希土類元素ドープファイバに励起光を供給して波長多重信号光の増幅を行う縦続に接続された複数の光増幅手段と、
該各光増幅手段の利得が予め設定した各々の基準利得(参照利得)で一定となるように、前記励起光のパワーをそれぞれ制御する複数の利得一定制御手段と、
前記各光増幅手段の各々の基準利得における利得の波長依存性を補償する利得波長特性補償手段と、を備えた波長多重用光増幅器において、
前記各光増幅手段の利得について、各々の基準利得に対する偏差を検出する利得偏差検出手段と、
前記複数の光増幅手段のうちの少なくとも1つの光増幅手段における利得偏差が前記利得変差検出手段で検出されたとき、該利得偏差の検出された光増幅手段で発生する利得の波長依存性の変化が相殺されるように、利得偏差の検出されていない他の光増幅手段の基準利得を変更する基準利得変更手段と、
を備えて構成されたことを特徴とする波長多重用光増幅器。
2″. 前記複数の光増幅手段の前段又は後段、もしくは前記複数の光増幅手段の段間に、波長多重信号光のレベルを調整するレベル調整部を設け、前記波長多重信号光の1波長当たりのパワーレベルが予め設定した基準レベルで一定となるように前記レベル調整部の調整量を制御するレベル一定制御手段と、
前記利得変差検出手段で利得偏差が検出されたとき、該利得偏差の検出された光増幅手段よりも前記レベル調整部が後段側に位置する場合に、前記利得偏差に対応させて前記基準レベルを変更する基準レベル変更手段と、
を備えて構成されたことを特徴とする第1″項記載の波長多重用光増幅器。
3″. 前記利得偏差検出手段は、前記複数の光増幅手段のうちで前記利得一定制御手段による制御が入力光レベルの変化範囲内において維持不可能な光増幅手段について、該光増幅手段の利得を測定する利得測定部と、該利得測定部で測定された利得及び前記基準利得を比較して利得偏差を求める利得偏差演算部と、が備えられ、
前記基準利得変更手段は、前記複数の光増幅手段のうちで前記利得一定制御手段による制御が入力光レベルの変化範囲内において維持可能な光増幅手段について設けられたことを特徴とする第1″項又は第2″項記載の波長多重用光増幅器。
4″. 前記利得測定部は、前記光増幅手段に入力される波長多重信号光のレベルと前記光増幅手段から出力される波長多重信号光のレベルとに基づいて利得を測定することを特徴とする第3″項記載の波長多重用光増幅器。
5″. 前記利得測定部は、前記光増幅手段の希土類元素ドープファイバで発生する自然放出光に基づいて利得を測定することを特徴とする第3″項記載の波長多重用光増幅器。
6″. 前記基準利得変更手段は、前記各光増幅手段の利得の波長依存性の変化が利得の増減に対してそれぞれ同じ傾向を有するとき、前記利得偏差の検出された光増幅手段における利得の減少に対応して、前記他の光増幅手段の基準利得を増加させる変更を行い、前記利得偏差の検出された光増幅手段における利得の増加に対応して、前記他の光増幅手段の基準利得を減少させる変更を行うことを特徴とする第1″〜5″項のいずれか1つに記載の波長多重用光増幅器。
7″. 前記利得偏差検出手段は、対数に変換した利得偏差を出力し、前記基準利得変更手段は、対数で表された前記利得偏差及び前記基準利得を用いて、該基準利得の変更を行うことを特徴とする第1″〜6″項のいずれか1つに記載の波長多重用光増幅器。
8″. 前記基準レベル変更手段は、対数で表された前記利得偏差及び前記基準レベルを用いて、該基準レベルの変更を行うことを特徴とする第7″記載の波長多重用光増幅器。